JP3728140B2 - アーク蒸発源及び真空蒸着装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アーク蒸発源及び真空蒸着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来のアーク蒸発源としては、特開平11−36063号公報に記載のものがある(従来技術1)。この蒸発源は、陰極の蒸発面(ターゲット)を含む領域に、蒸発面での強さが7000e以上の磁界を形成する磁気コイルを備えているものであり、この磁気コイルは蒸発面の前方において集束せずに平行進行ないし発散する磁力線であって蒸発面の任意の点に立てた法線と当該点における磁力線12の方向との成す角が0度以上30度以下の磁力線を発生させるものである。
【0003】
また、特公平2−61546号公報には、磁気非透過性材料の表面を備えたターゲットと、ターゲット面を取り巻く閉込めリングを有し、この閉込めリングが陰極スポットをターゲット面内に閉込めるように磁気透過性の材料で形成されている蒸発アーク安定化装置が開示されている(従来技術2)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
アーク放電のアークスポットは、陰極の蒸発面において磁力線が傾く方向に移動しやすい性質のあることが知られており、従来技術1のような磁力線を発生させると、アークスポットは、蒸発面の中心部に集中することなく、蒸発面内をランダムに動くか、蒸発面のやや外寄りを周回するようになり、蒸発面を万遍なく消耗させることができる。
しかしながら、従来技術1では、磁力線が蒸発面の周辺部において発散するように傾いているため、アークスポットがターゲット外に飛び出し、アークが失火する場合がある。従来技術1では、蒸発面を万遍なく消耗させるために、上述のような磁力線を発生させているいるのであるが、かかる磁力線によって不可避的に発生するアークスポットの飛び出しに対して、何ら防御策が施されていない。
【0005】
一方、従来技術2では、蒸発面を取り巻く閉込めリングを設けて、アークスポットの飛び出しを防止している。
しかし、従来技術2では、アークスポットの飛び出し防止は、アーク電流自体によって発生する磁力線を利用しているにすぎず、飛び出しを防止するためにアークスポットに対し積極的に磁力を作用させるということは行われていない。
すなわち、従来技術1では、磁力線が蒸発面の周辺部で発散しており、このため、アークスポットが蒸発面から飛び出していた。本願発明者らの知見によれば、この飛び出しを防止するには、蒸発面の周辺部では、磁力線が前方において集束する方向に向くようにすれば良いのであるが、従来技術1におけるターゲットの均一消耗性を確保したまま、その磁力線を、前述のように都合よく変形させ、アークスポットが飛び出さないように磁力をアークスポットに作用させる点について、従来技術2は何ら貢献するところがない。
【0006】
本発明は、本願発明者らの前述の知見に基づいてなされたもので、本発明の第1の課題は、従来技術1のように蒸発面を均一に消耗させる場合に、蒸発面周辺部で磁力線が発散する方向に向いてしまうのを防止することで、アークスポットの飛び出しをより効果的に防止することにある。
また、従来技術1において、蒸発面の中央部は磁場コイル中心に一致しているため、磁力線角度は必然的に蒸発面に立てた法線に対して0度近傍となる。さらにアークスポットは磁束密度の弱い方に移動するという性質に基づくと、従来技術1のように磁束密度が蒸発面の中央部で減衰するような分布であると、アークスポットが蒸発面の中央部に停滞しやすく、あるいは移動速度が非常に遅くなる。
【0007】
すなわち、磁束密度は距離の二乗に反比例するから、蒸発面の周囲に配置されたコイルによって発生する磁界の磁束密度は蒸発面の周辺から中央に向かって小さくなり、蒸発面中央における磁束密度は、すり鉢状に減衰し、ここにアークスポットが停滞する。アークスポットが停滞すると高温になりドロップレットが発生するという問題が発生する。
この問題に鑑み、本発明の第2の課題は、アークの蒸発面中央部近傍での停滞を防ぎ、アークスポットの高温化を防ぎドロップレットの発生を抑えることにある。さらにアークスポットの移動速度を速めることで高温化を一層防止する。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題解決のために以下の技術的手段を採用する。すなわち、本発明の特徴は、アーク放電の陰極となる蒸発物質と、当該蒸発物質の蒸発面とほぼ垂直に交差する磁力線を発生する磁場発生源とを備えたアーク蒸発源において、リング状の磁性体が前記蒸発物質の外周を取り囲むように設けられている点にある。
この構成によれば、蒸発物質の蒸発面とほぼ垂直に交差する磁力線を発生する磁場発生源により、蒸発面のほぼ均一な消耗が可能である。ここで、「ほぼ垂直」とは、完全な垂直方向(蒸発面の法線方向)のみならず、垂直方向から多少傾斜(例えば30度以内)したものも含む。
【0009】
このような磁場発生源としては、蒸発物質の外周側に同軸状に配置したリング状の磁石であって軸方向に磁極を有しているもの、あるいは蒸発物質の外周に同軸状に巻回されたコイルを採用することができる。なお、本発明において、「リング状」とは円形のリングだけでなく、方形状のリングなど任意の形状のリングが含まれる。
磁場発生源の形成する磁力線自体は、蒸発面と垂直又は多少傾斜しているだけであって、蒸発面の外周部に近づいたアークスポットを積極的に中央に押し戻すことはなく、特に外周方向に傾斜している場合(発散している場合)は、アークスポットを飛び出させる方向に作用する。しかし、磁力線が前記磁性体に引き込まれることで、蒸発面外周部に蒸発面表面に立てた法線に対し蒸発面中央方向に傾斜した磁力線が形成される。
【0010】
したがって、蒸発面外周部に近づいたアークスポットは、磁力線傾斜方向に移動しやすい特徴により、蒸発面中央に押し戻され、従来技術2より一層強いアーク閉じ込め効果が得られる。
また、蒸発物質と磁性体の間には、両者を電気的に絶縁する絶縁部が設けられているのが好適である。
磁性体と蒸発面とが絶縁されず同電位であると、アークスポットが蒸発面から磁性体に移行するおそれがあるが、絶縁部を設けることにより、これが確実に防止される。
【0011】
ここで、絶縁部としては、蒸発物質外周と磁性体の内周の間に絶縁材を介在させることもできるが、前記絶縁部は、蒸発物質と磁性体とを絶縁できる隙間からなるのが好適である。
絶縁部として、蒸発物質と磁性体の間に部材(絶縁材)を設けると、蒸発物質が蒸発してその部材に付着し、絶縁不良が生ずるおそれがあるが、絶縁部を隙間として構成すると、そのような付着のおそれがなく絶縁不良が防止される。
また、前述のように磁場発生源として、前記磁場発生源は、蒸発物質と同軸状に配置したリング状の磁石であって、当該磁石は軸方向に磁極を有しているものを採用したり、蒸発物質と同軸状に巻回されたコイルよりなる電磁石を採用した場合のように、蒸発物質の蒸発面の中央部付近において蒸発面と交差する磁力線の方向が蒸発面に立てた法線方向とほぼ等しく、かつ蒸発面の中央部の磁束密度が周縁部に比べて低い磁場を発生する磁場発生源である場合、前記蒸発物質の中央部背面側には、蒸発面の中央部付近において蒸発面と交差する磁力線の方向を、前記法線に対し蒸発面の周縁側に外向き傾斜する方向に変えるための磁力線方向変更手段が設けられているのが好適である。
【0012】
このように磁場発生源からの磁力線の向きに変化を与えるための手段としては、磁石、コイル又は磁性体が挙げられる。磁石、コイル又は磁性体を蒸発物質の中央部背面側に配置すると、中央付近の磁力線は磁石、コイル又は磁性体に引き寄せられるから、蒸発面の中央部付近の磁力線は法線に対し外向き傾斜する。
中央の磁力線が外向き傾斜すると、アークが磁力線傾斜方向に移動しやすい特徴によりアークの蒸発面中央部への集中が防止され、均一消耗する。
また、磁力線の傾斜により蒸発面に水平磁力成分が発生することで、アークスポットは周回運動を行うが、その領域が拡大し、傾斜が大きくなることで広範囲でアークスポットの移動速度を速めることができ、その結果、高温化を防止できドロップレットの発生が低減する。また、磁力線方向変更手段として磁石又はコイルを採用すると、磁束密度が大きくなるから、アークスポットの移動速度をより速めることができ、高温化を一層防止することができる。
【0013】
また、より好ましい磁場発生源と磁力線方向変更手段の組み合わせとしては、磁場発生源として蒸発物質の外周に同軸状に配置したリング状の第1磁石を採用し、磁力線方向変更手段として蒸発物質の中央部背面側に設けられた第2磁石とを採用し、前記第1磁石及び第2磁石は軸方向に磁極を有し、両磁石は磁極が互いに反対となる向きに配置されているものとすることができる。
そして、以上のような蒸発源を真空容器に備えた真空蒸着装置であれば、アークの失火を防止して効率のよい運転ができ、またドロップレットの低減により高品位の皮膜を形成することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の第1の実施の形態に係る真空蒸着装置1を示している。この真空蒸着装置1は、真空容器2内に陰極となる蒸発物質3を有するアーク蒸発源9が設けられ、アーク放電電源4によって図示しない陽極との間でアーク放電を発生させて蒸発物質3を蒸発・イオン化させ、コーティング被処理物(基板)5に皮膜を堆積させるものである。
【0015】
図2に示すように、蒸発源9は、円板状の蒸発物質(ターゲット)3と、蒸発物質の中心軸Xと同軸状になるように配置されたリング状の磁場発生源7と、磁場発生源7の内周側において蒸発物質3の外周に絶縁を維持できる僅かな隙間12を有して配置されたリング状の磁性体13と、蒸発物質3の背面側(蒸発面11の反対側)の中央部に配置された磁石(磁力線方向変更手段)14とを有している。
蒸発物質3の形状は円板状以外に、方形状を採用できる。この場合、磁場発生源7や磁性体13も円形状のリングではなく、方形状のリング形状を採用するのが好ましい。
【0016】
磁場発生源7は、軸方向X両端面に磁極を有するリング状の永久磁石(第1磁石)として構成され、蒸発物質を取り囲むように配置されている。また、磁場発生源7は、コーティング被処理物5側の端面(前方側の面)がN極で、他方の端面がS極とされている。なお、磁極の配置は逆であってもよい。
リング状の磁性体13は、例えば炭素鋼材より構成され、被処理物5側の端面13aが蒸発面11とほぼ面一となるように配置されている。
磁力線方向変更手段である磁石(第2磁石)14は、永久磁石であって、軸方向の被処理物5側がS極とされ、軸方向反対側がN極とされている。このように磁場発生源7と磁石14の磁極は反対向きに設けられている。したがって、磁場発生源7の磁極が前述のものと逆であれば、この磁石14の磁極も逆に配置する。
【0017】
図3は、磁場発生源7自体によって蒸発物質3の周囲に発生する磁力線の様子を示している。図に示すように、磁場発生源7から出た磁力線は、ほぼ垂直(蒸発面11の法線方向)に蒸発面11を貫く。なお、磁力線がほぼ垂直に蒸発面11を貫くように磁場発生源7は、その軸方向中央位置と蒸発面の位置とがほぼ一致するように配置されている。
磁力線の方向は、厳密には、蒸発面11の中央部付近を貫く磁力線に比べて、蒸発面周縁部付近を貫く磁力線は蒸発面11の法線方向に対して外向きにやや傾斜している。
【0018】
磁性体13を設けると、図3の磁力線は、図4のようになる。すなわち、磁場発生源7の形成する磁力線のうち、蒸発面の外周縁部付近を貫くものは、磁力線が通過しやすい磁性体13に引き込まれる。このため、蒸発面11外周部には蒸発面11の法線に対し蒸発面中央部に傾斜した磁力線が形成されることになる。A1〜A3は、磁力線が蒸発面11と交差する点における磁力線の接線方向を示しており、蒸発面外周側ほど磁力線の中央部への傾斜が大きいことがわかる。
こうして、蒸発面11の外周部には、中央部側へ傾斜した磁力線が得られると共に、中央付近の磁力線は磁場発生源7単独の場合とほとんどかわるところがなく、蒸発面に対してほぼ垂直に交差している。したがって、蒸発面の均一な消耗が確保されると共に、蒸発面11外周側に近づいたアークスポットは、アークが磁力線の傾斜方向に移動しやすい特徴により蒸発面11中央方向に押し戻される。
【0019】
また、図5に示すように、磁性体13を蒸発物質3の周縁に設けたことにより、磁性体13に対するアークAの反発挙動もアークAの飛び出しを防止する。すなわち、アークAが図5(a)の位置から図5(b)のように磁性体13に近づくとアークAの自己形成磁場が磁性体13により湾曲され、磁性体13側が高磁束密度になり蒸発物質3側が低磁束密度になる。アークAは低磁束密度方向に移動するという性質より、アークAは低磁束密度方向である蒸発物質3側に押し戻される。
【0020】
また、アークAが磁性体13から離れ自己形成磁場が磁性体13による影響領域から逃げるに従い押し戻し力は徐々に低減され、最終的に影響を受けなくなる(図5(a)の状態)。
以上のような作用によって、アークスポットの閉じ込めが一層確実に行われる。
また、磁性体13と蒸発物質3とが隙間12をもって設けられ、両者は電気的に絶縁されているので、アークが磁性体13側に移行するのを確実に防止できる。
【0021】
図6は、他の実施の形態に係る蒸発源19を示している。この蒸発源19の磁場発生源17は、多数の永久磁石を環状(リング状)にならべて、第1の実施の形態の磁場発生源7と同様な磁場を形成するように構成されたものである。すなわち、長手方向両端に磁極を有する複数の棒磁石21の磁極の向きを揃えて環状に配置して、実質的に第1の実施の形態における磁場発生源7と同様な、リング状磁石を構成したものである。
図7は、さらに他の実施の形態に係る蒸発源29を示している。この蒸発源29の磁場発生源27は、蒸発物質3と同軸状に巻回されたコイルであって、従来技術1において示される「磁気コイル」と同様なものである。
【0022】
図8は、蒸発物質4の背面に磁力線方向変更手段である磁石14を設けた場合の磁力線の状態を示している。図3と比較すると明らかなように、蒸発面11の中央部付近を貫通する磁力線は、磁石14に引き込まれて蒸発面11の法線方向に対して外向き傾斜となる。このため、アークが磁力線の傾斜方向に移動しやすい特徴によりアークの蒸発面11中央への集中が防止される。また、磁石14の存在により、蒸発面11中央の磁束密度が大きくなるので、図3のような中央部における磁束密度の減衰も改善される。よってアークの集中が防止され均一消耗が図れる。
【0023】
また、図9に示すように、磁力線が傾斜すると、蒸発面11に水平磁力成分が発生する。ここで傾斜した磁力線の磁束密度をBとし、磁力線と蒸発面11との角度をθとすると、水平磁力成分は、Bcosθとなる。
アークスポットは、「j×Bと反対方向に動く」という特性により(jはアーク電流)アークスポットには、図9に示す方向にF=−j×Bcosθの力が働き、アークスポットは蒸発面11上を周回運動するが、その領域が拡大し、磁力線の傾斜が大きくなることで広範囲でアークスポットの移動速度を速めることができ、その結果ドロップレットの発生が低減する。
【0024】
なお、磁力線方向変更手段としては、永久磁石以外に、同様の磁場を発生する電磁石でもよいし、またコイルでもよい。この場合も、磁極の向きが磁場発生源7の磁力線と反発せずにつながるようにしておけばよい。電磁石又はコイルを採用した場合、電磁石又はコイルへの通電電流値を変化させる制御装置(図示省略)を設けておくことが好ましい。
制御装置によって電磁石の発生磁力強度を変化させることで蒸発面11の磁力線本数(磁束密度)を変化させ、蒸発面11のアークスポットの運動領域、移動速度を制御できる。その結果、ターゲットの消耗度合い、要求性能(粗度あるいは成膜レート)に応じたアーク放電が可能になる。
【0025】
また、磁力線方向変更手段としては、磁性体であってもよい。磁性体の場合は、蒸発面11中央の磁束密度を大きくする作用がないだけで、磁力線を傾斜させることに関しては磁石と同様に作用する。
【0026】
【発明の効果】
以上、本発明によれば、蒸発物質の外周縁にリング状の磁性体が設けられているので、蒸発面を均一に消耗させる場合に、蒸発面周辺部で磁力線が発散する方向に向いてしまうのを防止でき、アークスポットの飛び出しをより効果的に防止できる。
また、蒸発物質の背面に磁石などの磁力線方向変更手段を設けたので、アークの蒸発面の停滞を防ぎ、アークスポットの高温化を防ぎドロップレットの発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る真空蒸着装置の概略構成図である。
【図2】第1の実施の形態に係る蒸発源の正面図である。
【図3】磁場発生源自体によって形成される磁力線の状態を示す断面図である。
【図4】リング状の磁性体による磁力線の変化を示す断面図である。
【図5】リング状の磁性体によるアーク反発挙動を示す斜視図である。
【図6】他の実施の形態に係る蒸発源を示しており、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図7】他の実施の形態に係る蒸発源の断面図を示している。
【図8】磁力線方向変更手段である磁石を配置した場合の磁力線の状態を示す断面図である。
【図9】傾斜した磁力線によりアークが周回運動をすることを示す図である。
【符号の説明】
1 真空蒸着装置
2 真空容器
3 蒸発物質
7 磁場発生源
9 アーク蒸発源
11 蒸発面
12 隙間
13 磁性体
14 磁石(磁力線方向変更手段)
17 磁場発生源
19 アーク蒸発源
27 磁場発生源
29 アーク蒸発源

Claims (12)

  1. アーク放電の陰極となる蒸発物質(3)と、当該蒸発物質(3)の蒸発面(11)とほぼ垂直に交差する磁力線を発生する磁場発生源(7,17,27)とを備えたアーク蒸発源において、
    リング状の磁性体(13)が前記蒸発物質(3)の外周を取り囲むように設けられていることを特徴とするアーク蒸発源。
  2. 蒸発物質(3)と磁性体(13)の間には、両者を電気的に絶縁する絶縁部(12)が設けられていることを特徴とする請求項1のいずれかに記載のアーク蒸発源。
  3. 前記絶縁部(12)は、蒸発物質と磁性体とを絶縁できる隙間からなることを特徴とする請求項2記載のアーク蒸発源。
  4. 前記磁場発生源は、蒸発物質の外周側に同軸状に配置したリング状の磁石(7,17)であって、
    当該磁石(7,17)は軸方向に磁極を有していることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアーク蒸発源。
  5. 前記磁場発生源は、蒸発物質の外周側に同軸状に巻回されたコイル(27)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアーク蒸発源。
  6. 前記蒸発物質(3)の中央部背面側には、蒸発面(11)の中央部付近において蒸発面(11)と交差する磁力線の方向を、蒸発面に立てた法線に対し蒸発面(11)の周縁側に外向き傾斜する方向に変えるための磁力線方向変更手段(14)が設けられていることを特徴とする請求項4又は5に記載のアーク蒸発源。
  7. アーク放電の陰極となる蒸発物質(3)と、
    蒸発物質(3)の蒸発面(11)の中央部付近において蒸発面(11)と交差する磁力線の方向が蒸発面(11)に立てた法線方向とほぼ等しく、かつ蒸発面の中央部の磁束密度が周縁部に比べて低い磁場を発生する磁場発生源(7,17,27)と、を備えたアーク蒸発源において、
    前記蒸発物質(3)の中央部背面側には、蒸発面(11)の中央部付近において蒸発面(11)と交差する磁力線の方向を、前記法線に対し蒸発面の周縁側に外向き傾斜する方向に変えるための磁力線方向変更手段(14)が設けられていることを特徴とするアーク蒸発源。
  8. 前記磁力線方向変更手段は、磁石であることを特徴とする請求項7記載のアーク蒸発源。
  9. 前記磁力線方向変更手段は、磁性体であることを特徴とする請求項7記載のアーク蒸発源。
  10. 前記磁力線方向変更手段は、コイルであることを特徴とする請求項7記載のアーク蒸発源。
  11. アーク放電の陰極となる蒸発物質(3)と、蒸発物質の外周に同軸状に配置したリング状の第1磁石(7,17)と、蒸発物質(3)の中央部背面側に設けられた第2磁石(14)とを備え、
    前記第1磁石(7,17)及び第2磁石(14)は軸方向に磁極を有し、両磁石は磁極が互いに反対となる向きに配置されていることを特徴とするアーク蒸発源。
  12. 請求項1〜11のいずれかに記載のアーク蒸発源を真空容器(2)に備えていることを特徴とする真空蒸着装置。
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