JP2020111777A - 成膜装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】陰極アーク放電によって少なくとも炭素を含む被膜を基材上に安定した膜厚分布をもって形成することが可能な成膜装置を提供する。【解決手段】成膜装置1は、真空チャンバ10と、カーボン製のターゲット17と、アーク電源19と、第1誘導コイル181および第2誘導コイル182と、を備える。第1誘導コイル181および第2誘導コイル182に交互に電流が流入されると、ターゲット17のターゲット放電面171からワークWに向かって延びる磁力線を含む第1の磁場および第2の磁場を交互に形成される。第1の磁場はターゲット放電面171を通過しワークWの幅方向の一端側に向かって傾斜して延びる磁力線を含み、第2の磁場はターゲット放電面171を通過しワークWの幅方向の他端側に向かって傾斜して延びる磁力線を含む。【選択図】図3

Description

本発明は、少なくとも炭素を含む被膜を陰極アーク放電によって形成する成膜装置に関する。
従来、物理蒸着法(PVD法)や化学蒸着法(CVD法)などによって、基材(ワーク)の表面に被膜を形成する成膜装置が知られている。PVD法の一つである陰極アーク法を採用した成膜装置は、陽極として機能する真空チャンバと、真空チャンバ内に配置され陰極として機能するターゲットと、アーク電源と、を含む。アーク電源が、真空チャンバとターゲットとの間に所定の放電電圧を印加すると、真空チャンバ内にアーク放電が発生する。当該アーク放電によってターゲットから放出されたイオンは、真空チャンバ内の基材に蒸着し、被膜を形成する。
特許文献1には、基材上に炭素膜を形成するプラズマ装置が開示されている。当該技術では、真空チャンバ内に設けられた基材とカーボンターゲットとの間に、移動可能な一対の磁石が設けられており、当該磁石が形成する磁場によって炭素イオンの飛翔経路を変化させ、基材上に炭素イオンを蒸着させる。
特許第5954440号明細書
上記のように、陰極アーク法によって基材上に炭素膜を形成する場合、炭素を含むターゲットの放電面上では、炭素イオンを放出するアークスポットの動きが金属ターゲットと比較して非常に動きにくいという問題がある。一例として、カーボンターゲット上でのアークスポットの移動速度は数mm/sec以下であり、金属ターゲット上でのアークスポットの移動速度は数m/sec程度である。アーク放電による熱を受けて、金属の温度が上昇するとその抵抗値は上がるため、アークスポットは周囲のより低温な領域に移動しやすい。一方、カーボンの温度が上昇するとその抵抗値は下がるため、アークスポットは移動しにくく、その場にとどまりやすい。このようにカーボンターゲットを使用した場合、アークスポットが動きにくいためターゲットの放電面において炭素イオンが放出される領域が限定される結果、基材の一部に炭素膜が偏在しやすく、均一な膜厚分布を得ることが困難であった。特許文献1に記載された技術では、ターゲットから飛翔した炭素イオンを磁石によって誘導しているが、上記のようなアークスポットの問題については言及されておらず、当該問題を解決するには至っていない。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、陰極アーク放電によって少なくとも炭素を含む被膜を基材上に安定した膜厚分布をもって形成することが可能な成膜装置を提供することを目的とする。
本発明の一の局面に係る成膜装置は、所定の幅方向および当該幅方向と直行する長さ方向にそれぞれ延びる寸法を有する基材の表面に少なくとも炭素を含む被膜を陰極アーク放電によって形成する成膜装置であって、内部空間を囲む壁部を有する真空チャンバと、前記真空チャンバの前記内部空間において前記基材を保持するとともに、前記基材が前記長さ方向に沿って延びる移動面上を移動するように前記基材を移動させる移動機構と、炭素を含む材料によって構成されるとともに、ターゲット対向面を有し、前記基材が前記移動面上の所定の位置で前記ターゲット対向面に対向するように前記真空チャンバに装着された、少なくとも1つのターゲットと、前記少なくとも1つのターゲットに接続される陰極と、前記真空チャンバに接続される陽極と、を含むアーク電源と、少なくとも1つのターゲットの前記ターゲット対向面から前記基材に向かって延びる磁力線をそれぞれ含む第1の磁場および第2の磁場を交互に形成することが可能な磁場形成機構であって、当該磁場発生機構は、前記第1の磁場では前記ターゲット対向面を通過する磁力線が前記基材に近づくに連れて前記基材の前記幅方向の一端側に近づくように延びる一方、前記第2の磁場では前記ターゲット対向面を通過する磁力線が前記基材に近づくに連れて前記基材の前記幅方向の他端側に近づくように延びるような前記第1の磁場および前記第2の磁場を交互に形成する、磁場発生機構と、を備える。
本構成によれば、ターゲット対向面から飛翔した電子が、磁場発生機構によって交互に形成される第1の磁場および第2の磁場によって、ターゲット対向面から基材の幅方向の両側に拡がるような電子線を形成する。ターゲット対向面から飛翔した炭素イオンは、この電子の動きを中和するように前記電子線に沿って移動する。このため、炭素イオンを基材の幅方向に強制的に動かすことができる。したがって、炭素を含むターゲットのターゲット対向面におけるアークスポットの移動速度が小さい場合でも、基材上の幅方向の広い範囲に炭素イオンを到達させることで、炭素を含む被膜を基材上に安定した膜厚分布をもって形成することが可能となる。
上記の構成において、前記磁場発生機構は、前記少なくとも1つのターゲットの前記幅方向の一端側に配置され電流の供給を受けることで前記第1の磁場を発生する第1コイルと、前記少なくとも一つのターゲットの前記幅方向の他端側に配置され電流の供給を受けることで前記第2の磁場を発生する第2コイルと、を少なくとも含む複数のコイルと、前記第1のコイルおよび前記第2のコイルに交互に電流を流すことで前記第1の磁場および前記第2の磁場を交互に発生させる電流供給部と、を有することが望ましい。
本構成によれば、電流供給部が第1のコイルおよび第2のコイルに交互に電流を流すことで、第1の磁場および第2の磁場を形成することが可能となる。
上記の構成において、前記少なくとも1つターゲットは、前記ターゲット対向面が前記内部空間に露出するように前記真空チャンバの前記壁部に支持されており、前記複数のコイルは、前記真空チャンバの外側の位置でかつ前記真空チャンバの前記内部空間に前記第1の磁場および前記第2の磁場を形成することが可能な位置に配置されていることが望ましい。
本構成によれば、複数のコイルに対するアーク放電による熱負荷を減少させ、磁力の減磁を防止することができる。また、複数のコイルが真空チャンバの内部に配置される場合と比較して、複数のコイルを冷却する冷却機構を配置する必要が低減される。
上記の構成において、前記複数のコイルの前記第1コイルおよび前記第2コイルは、それぞれ前記幅方向と平行に延びる中心線回りに電線が巻かれることで構成されていることが望ましい。
本構成によれば、幅方向と平行に延びる中心線回りにそれぞれ巻かれた第1コイルおよび第2コイルによって第1の磁場および第2の磁場を安定して形成することができる。
上記の構成において、前記少なくとも1つのターゲットは、前記幅方向に互いに間隔をおいて配置される複数のターゲットを含み、前記複数のコイルは、それぞれ前記ターゲット対向面と直行する方向に延びる中心線回りに電線が巻かれることで構成され、前記幅方向に互いに間隔をおいて配置されるとともに前記複数のターゲットの前記幅方向の両側の位置にそれぞれ配置される少なくとも3つのコイルを含むことが望ましい。
本構成によれば、少なくとも3以上のコイルによって複数のターゲットに第1の磁場と第2の磁場とを交互に形成し、基材の幅方向における広い範囲に炭素イオンを到達させることが可能となる。
上記の構成において、前記少なくとも3つのコイルは、前記複数のターゲットのうち互いに隣接するターゲットの間の位置に配置される、少なくとも1つの中間コイルを含み、前記中間コイルは、電流の供給を受けることで、隣接する一方のターゲットについて前記第1の磁場を形成するとともに隣接する他方のターゲットについて前記第2の磁場を形成することが望ましい。
本構成によれば、中間コイルが隣接する一方のターゲットおよび他方のターゲットに磁場を形成する機能を兼ね備えているため、磁場発生機構のうち基材の幅方向におけるサイズを縮小することができる。
上記の構成において、前記電流供給部は、前記複数のコイルに流す電流の大きさおよび前記複数のコイル間で前記電流の流入を切換えるための周波数を調整可能であることが望ましい。
本構成によれば、コイルに流れる電流の大きさおよび周波数を変化させることで、基材上の被膜の厚み、分布形状などの制御が可能となる。
上記の構成において、前記周波数をf(Hz)、前記移動機構による前記基材の移動速度をv(m/s)、前記ターゲット対向面から前記基材までの距離をTS(m)とすると、f≧v/TSの関係が満たされていることが望ましい。
本構成によれば、ロールコーターのように基材の所定の部分がターゲット対向面に対向する位置を1回だけ通過する場合(ワンパス)であっても、均一な膜厚分布や膜厚の再現性を確保することができる。
上記の構成において、前記基材の幅方向における前記少なくとも一つのターゲットの幅が30mm以下に設定されていることが望ましい。
本構成によれば、ターゲットの幅が小さく設定されることで、アークスポットの範囲を狭める一方、第1磁場および第2磁場によって炭素イオンの飛翔範囲を制御することが可能となり、膜厚の再現性を高めることができる。
本発明によれば、陰極アーク放電によって少なくとも炭素を含む被膜を基材上に安定した膜厚分布をもって形成することが可能な成膜装置が提供される。
本発明の一実施形態に係る成膜装置の模式的な断面図である。 本発明の一実施形態に係る成膜装置における、コイル印加装置の構成および誘導コイルによって磁場が形成される様子を示す模式図である。 本発明の一実施形態に係る成膜装置において、一対のコイルによって2つの磁場が交互に形成される様子を示す模式図である。 本発明の第1変形実施形態に係る成膜装置における、コイル印加装置の構成および誘導コイルによって磁場が形成される様子を示す模式図である。 本発明の第2変形実施形態に係る成膜装置において、複数のコイルによって2つの磁場が交互に形成される様子を示す模式図である。 本発明の第2変形実施形態に係る成膜装置において、複数のコイルによって2つの磁場が交互に形成される様子を示す模式図である。 本発明の第3変形実施形態に係る成膜装置の模式的な断面図である。 従来の成膜装置の模式的な断面図である。 図7の成膜装置を上から見た平面図である。 図7の成膜装置において基材上に形成される炭素膜の最大膜厚部の軌跡を示す模式図である。 図7の成膜装置において基材上に炭素膜が形成される軌跡を示す模式図である。
以下、図面を参照して、本発明の一実施形態に係る成膜装置1について説明する。図1は、本実施形態に係る成膜装置1の模式的な断面図である。図2は、成膜装置1における、コイル印加装置20の構成および誘導コイル18によって磁場が形成される様子を示す模式図である。図3は、成膜装置1において、誘導コイル18によって2つの磁場が交互に形成される様子を示す模式図である。なお、各図に示される方向は、本実施形態に係る成膜装置1の構造、機能を説明するためのものであり、本発明に係る成膜装置を限定するものではない。
成膜装置1は、陰極アーク放電によって基材上に炭素を含む被膜(炭素膜、カーボンコーティング)を形成する。本実施形態では、成膜装置1は、ロールコーター方式を採用するものであって、帯状のワークW(基材)上に炭素膜を形成する。成膜装置1は、真空チャンバ10と、巻き取りロール11と、アイドラロール12と、成膜ロール13と、アイドラロール14と、巻き出しロール15と、蒸発源16と、アーク電源19と、磁場発生機構2と、を備える。
真空チャンバ10は、内部空間を囲む壁部を有し、不図示の真空ポンプによって前記内部空間が真空状態とされる。巻き取りロール11は、真空チャンバ10に回転可能に支持されており、帯状のワークWを保持する。巻き取りロール11は、不図示の駆動部によって回転駆動される。アイドラロール12、成膜ロール13およびアイドラロール14は、巻き取りロール11の下方において真空チャンバ10に回転可能に保持されており、ワークWの移動面を形成する。巻き出しロール15は、巻き取りロール11の右方において真空チャンバ10に回転可能に支持されている。巻き出しロール15には、ワークWのロール体が装着される。巻き取りロール11が回転駆動されることで、図1の矢印に示すように、巻き出しロール15から引き出されたワークWが、アイドラロール14、成膜ロール13、アイドラロール12および巻き取りロール11上を順に移動する。
すなわち、本実施形態におけるワークWは、所定の幅方向および当該幅方向と直行する長さ方向にそれぞれ延びる寸法を有している。図1においてワークWの幅方向は、図2における前後方向(図2の紙面と直交する方向)に一致する。ワークWの長さ方向は、図1の矢印で示すようにワークWの移動方向と一致する。また、巻き取りロール11、アイドラロール12、成膜ロール13、アイドラロール14および巻き出しロール15は、本発明の移動機構を構成する。巻き取りロール11、アイドラロール12、成膜ロール13、アイドラロール14および巻き出しロール15は、真空チャンバ10の内部においてワークWを保持するとともに、ワークWが前記長さ方向に沿って延びる移動面上を移動するようにワークWを移動させる。なお、図2、図3では、ワークWの移動方向が矢印DWで示されている。
蒸発源16は、カーボン製のターゲット17(第1のターゲット)を含む。本実施形態では、ターゲット17は、薄板形状を有している。なお、ターゲット17は、円盤形状、円柱形状、直方体形状などでもよい。ターゲット17は、アーク放電によって溶解されるターゲット放電面171(図2)を有する。そして、ターゲット17は、ワークWが前記移動面上の所定の位置でターゲット放電面171に対向するように真空チャンバ10に装着、固定されている。換言すれば、ターゲット17は、ターゲット放電面171が真空チャンバ10の内部空間に露出するように真空チャンバ10の壁部に支持されている。なお、ワークWの幅方向(図2、図3の前後方向)におけるターゲット17の幅は30mm以下に設定されることが望ましい。
アーク電源19は、アーク放電を発生させるための電圧をターゲット17と真空チャンバ10との間に印加する。アーク電源19は、ターゲット17に接続される陰極(−)と、真空チャンバ10に接続される陽極(+)と、を含む。
磁場発生機構2は、真空チャンバ10の外部に配置されており、誘導コイル18と、コイル印加装置20と、を備える。誘導コイル18は、電流の供給を受けることで第1の磁場を発生する第1誘導コイル181と、電流の供給を受けることで第2の磁場を発生する第2誘導コイル182と、を有する。第1誘導コイル181および第2誘導コイル182は、ターゲット17の前記幅方向の両側の位置に配置されている。また、第1誘導コイル181および第2誘導コイル182は、真空チャンバ10の外部であってターゲット17から見てワークWの反対側の位置に配置されている。換言すれば、第1誘導コイル181および第2誘導コイル182は、真空チャンバ10の外側の位置でかつ真空チャンバ10の前記内部空間に前記第1の磁場および前記第2の磁場を形成することが可能な位置に配置されている。また、第1誘導コイル181および第2誘導コイル182は、図2、図3に示すように、ワークWの幅方向(前後方向)と平行に延びる中心線CL回りにそれぞれ電線が巻かれた形状を有する。なお、第1誘導コイル181および第2誘導コイル182の前記中心線CLと直交する断面形状は、円形であってもよいし、図1に示すように略矩形状であってもよい。
コイル印加装置20(電流供給部)は、第1誘導コイル181および第2誘導コイル182に交互に電流を流すことで前記第1の磁場および前記第2の磁場を交互に発生させる。図2を参照して、コイル印加装置20は、制御部201と、定電流直流電源202と、リレーユニット203と、を有する。定電流直流電源202は、第1誘導コイル181および第2誘導コイル182に所定の電流を流入させる。リレーユニット203は、定電流直流電源202による電流の流入先を第1誘導コイル181と第2誘導コイル182との間で切換える。制御部201は、所定の指令信号を受けて、定電流直流電源202から第1誘導コイル181および第2誘導コイル182に流れる電流の大きさを調整するための電流設定信号SSを定電流直流電源202に入力する。また、制御部201は、所定の指令信号を受けて、リレーユニット203の切換周波数を調整するための切換信号SCをリレーユニット203に入力する。前記電流の大きさおよび周波数に関する指令信号は、成膜装置1の不図示の操作パネルから入力される。このように、本実施形態では、コイル印加装置20は、誘導コイル18(複数のコイル)に流す電流の大きさと、誘導コイル18の第1誘導コイル181および第2誘導コイル182(複数のコイル)間で前記電流の流入を切換えるための周波数(周期)と、を調整可能である。このように第1誘導コイル181および第2誘導コイル182に流れる電流の大きさおよび周波数を変化させることで、ワークW上の被膜の厚み、分布形状の制御、最適化が可能となる。
磁場発生機構2は、ターゲット17のターゲット放電面171からワークWに向かって延びる磁力線をそれぞれ含む第1の磁場(図3の実線の磁場)および第2の磁場(図3の破線の磁場)を交互に形成することが可能とされている。磁場発生機構2が形成する前記第1の磁場は、ターゲット放電面171を通過するとともにワークWに近づくに連れてワークWの幅方向の一端側に近づくように延びる磁力線を含んでいる。一方、磁場発生機構2が形成する前記第2の磁場は、ターゲット放電面171を通過するとともにワークWに近づくに連れてワークWの幅方向の他端側に近づくような磁力線を含んでいる。なお、第1の磁場に含まれターゲット放電面171を通過するすべての磁力線が、ワークWに近づくに連れてワークWの幅方向の一端側に近づくように延びていることが好ましく、同様に、第2の磁場に含まれターゲット放電面171を通過するすべての磁力線が、ワークWに近づくに連れてワークWの幅方向の他端側に近づくように延びていることが望ましい。
<カーボンターゲットの課題>
図8は、従来の成膜装置の模式的な断面図である。図9は、図7の成膜装置を上から見た平面図である。図10は、図7の成膜装置において基材上に形成される炭素膜の最大膜厚部の軌跡を示す模式図である。図11は、図7の成膜装置において基材上に炭素膜が形成される軌跡を示す模式図である。図8乃至図11に示される成膜装置では、真空チャンバ内において成膜ロール51によって搬送されるワークWの表面に炭素膜が形成される。アーク電源の陰極は、カーボン製のターゲット52に接続され、陽極は不図示の真空チャンバに接続される。
図8および図9に示すように、陰極アーク放電によって、カソードとして機能するターゲット52の放電面521では、カーボンの特性によってアークスポットの移動速度が金属製のターゲットと比較して極めて小さい。一例として、カーボンターゲット上でのアークスポットの移動速度は、数mm/s以下であり、金属ターゲット上でのアークスポットの移動速度は数m/s程度である。金属の温度が上昇するとその抵抗値は上がるため、アークスポットは周囲のより低温な領域に移動しやすい。一方、カーボンの温度が上昇するとその抵抗値は下がるため、アークスポットは移動しにくく、その場にとどまりやすい。このようにアークスポットが移動しにくいカーボンターゲットを使用した場合、炭素イオンの飛翔経路が限定されるため、ワークW上の幅方向の一部に炭素膜が偏在しやすい。この結果、ワークWの幅方向における膜厚分布の形状は、図11の複数の破線に示すように刻々と変化する。したがって、ワークWの移動に伴って、ワークW上に形成される炭素膜の最大膜厚部が、図10に示すように波状に分布する。この結果、ワークW上の炭素膜の膜厚分布が不均一になりやすい。特に、ワークW上に炭素膜を形成する成膜領域が限定されるロールコーター方式では、均一なカーボン膜の形成が一層困難となる。このため、カーボンターゲット上のアークスポットをより速く移動させ、ワークWの幅方向の広い範囲に炭素イオンを到達させることが望まれていた。
このような問題を解決するために、本実施形態では、カーボンターゲット上のアークスポットを高速で移動させることに代えて、飛翔した炭素イオンの進行経路を幅方向の広い範囲に分布させることに着眼している。すなわち、アーク電源19によってターゲット17と真空チャンバ10との間に所定の電圧が印加されアーク放電が開始されると、コイル印加装置20が第1誘導コイル181および第2誘導コイル182に交互に電流を流入させる。この結果、図3に示すように、ターゲット17とワークWとの間には、第1の磁場(破線)と第2の磁場(実線)とが交互に形成される。この結果、ターゲット17のターゲット放電面171から飛翔した炭素イオンはワークWの幅方向の広い範囲に到達することが可能となる。このため、炭素イオンをワークWの幅方向に強制的に動かすことができる。したがって、炭素を含むターゲット17のターゲット対向面171におけるアークスポットの移動速度が小さい場合でも、ワークW上の幅方向の広い範囲に炭素イオンを到達させることで、炭素を含む被膜をワークW上に安定した膜厚分布をもって形成することが可能となる。
また、本実施形態では、誘導コイル18がターゲット17の両側に配置された第1誘導コイル181および第2誘導コイル182を含む。そして、コイル印加装置20が第1誘導コイル181および第2誘導コイル182に交互に電流を流すことで、ターゲット17とワークWとの間に、第1の磁場および第2の磁場を容易に形成することが可能となる。特に、ワークWの幅方向と平行に延びる中心線CL回りにそれぞれ巻かれた第1誘導コイル181および第2誘導コイル182によって、図3に示すような磁場を安定して形成することができる。
また、本実施形態では、第1誘導コイル181および第2誘導コイル182が真空チャンバ10の外部に配置されているため、当該コイルがターゲット17とワークWとの間に介在することがない。このため、第1誘導コイル181および第2誘導コイル182に対するアーク放電による熱負荷を減少させ、磁力の減磁を防止することができる。また、第1誘導コイル181および第2誘導コイル182が真空チャンバ10の内部に配置される場合と比較して、これらのコイルを冷却する冷却機構を配置する必要が低減される。
なお、本実施形態では、リレーユニット203の切換周波数をf(Hz)、巻き取りロール11によるワークWの移動速度(巻き取り速度)をv(m/s)、ターゲット放電面171からワークWまでの距離をTS(m)(図3)とすると、f≧v/TSの関係が満たされている。このような関係が満たされている場合、ロールコーター方式(図1)のように、ワークWの所定の部分がターゲット対向面171に対向する位置(成膜位置)を1回だけ通過する場合(ワンパス)であっても、均一な膜厚分布や膜厚の再現性を確保することができる。なお、f≧5×v/TSの関係が満たされていることが更に望ましい。
また、本実施形態では、ワークWの幅方向(前後方向)におけるターゲット17の幅が30mm以下に設定されている。このような構成によれば、ターゲット17の幅が小さく設定されることで、アークスポットの範囲が限定されるため、当該アークスポットの位置に応じて第1誘導コイル181および第2誘導コイル182に流入させる電流の大きさ、周波数を設定することができる。この結果、ワークW上のカーボンの膜厚の再現性を高めることができる。
以上、本発明の一実施形態に係る成膜装置1について説明したが、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。本発明に係る成膜装置として、以下のような変形実施形態が可能である。
(1)図4は、本発明の第1変形実施形態に係る成膜装置における、コイル印加装置30の構成および誘導コイル18によって磁場が形成される様子を示す模式図である。本変形実施形態では、先の実施形態のコイル印加装置20に代えて、成膜装置の磁場発生機構がコイル印加装置30(電流供給部)を備える。コイル印加装置30は、制御部301と、定電流交流電源302と、ダイオード303と、を有する。
定電流交流電源302は、第1誘導コイル181および第2誘導コイル182に所定の電流を流入させる。ダイオード303は、定電流交流電源302から出力される交流電流を第1誘導コイル181および第2誘導コイル182に交互に供給するように機能する。制御部301は、所定の指令信号を受けて、定電流交流電源302から第1誘導コイル181および第2誘導コイル182に流れる電流の大きさ、周波数を調整するための設定信号SSを定電流交流電源302に入力する。このように、本変形実施形態においても、コイル印加装置30は、誘導コイル18(複数のコイル)に流す電流の大きさと、誘導コイル18の第1誘導コイル181および第2誘導コイル182(複数のコイル)間で前記電流の流入を切換えるための周波数(周期)と、を調整可能である。このように第1誘導コイル181および第2誘導コイル182に流れる電流の大きさおよび周波数を変化させることで、ワークW上の被膜の厚み、分布形状の制御、最適化が可能となる。
(2)図5および図6は、本発明の第2変形実施形態に係る成膜装置において、複数の誘導コイルによって各ターゲットに2つの磁場が交互に形成される様子を示す模式図である。本変形実施形態では、成膜装置は、第3誘導コイル183と、第4誘導コイル184(中間コイル)と、第5誘導コイル185(中間コイル)と、第6誘導コイル186と、ターゲット172と、ターゲット173と、ターゲット174と、を備える。本変形実施形態では、先の実施形態と比較して、ワークWの幅方向の大きさ(幅)が大きく設定されている。
本変形実施形態に係る成膜装置は、先の実施形態と同様のコイル印加装置20(図2)を備え、定電流直流電源202およびリレーユニット203が、第3誘導コイル183、第4誘導コイル184、第5誘導コイル185および第6誘導コイル186に並列に接続されている。制御部201は、まず、第3誘導コイル183および第5誘導コイル185に同時に電流を流入させる。この結果、図5に示すように、第3誘導コイル183がターゲット172に第1の磁場を形成し、第5誘導コイル185がターゲット173に第2の磁場を形成し、第5誘導コイル185がターゲット174に第1の磁場を形成する。次に、制御部201は、第3誘導コイル183および第5誘導コイル185への電流の流入を切断するとともに第4誘導コイル184および第6誘導コイル186に同時に電流を流入させる。この結果、図6に示すように、第4誘導コイル184がターゲット172に第2の磁場を形成し、第4誘導コイル184がターゲット173に第1の磁場を形成する。また、第6誘導コイル186がターゲット174に第2の磁場を形成する。このように、本実施形態では、ワークWの幅方向に互いに間隔をおいて配置される複数のターゲットが配置され、複数のコイルとして、それぞれ前記ターゲット対向面と直行する方向に延びる中心線回りに電線が巻かれることで構成され、前記幅方向に互いに間隔をおいて配置されるとともに前記複数のターゲットの前記幅方向の両側の位置にそれぞれ配置される少なくとも3つのコイルが含まれている。
なお、本変形実施形態の構成を第3誘導コイル183、第4誘導コイル184(中間コイル)、第5誘導コイル185、ターゲット172およびターゲット173に着目すると、ターゲット172(第1のターゲット)およびターゲット173(第2のターゲット)は、ワークWの幅方向に互いに間隔をおいて配置される。また、第3誘導コイル183(第1コイル)、第4誘導コイル184(第2コイル)および第5誘導コイル185(第3コイル)は、前記幅方向に互いに間隔をおいて配置されるとともに、各ターゲットの前記ターゲット対向面と直行する方向に延びる中心線回りにそれぞれ電線が巻かれた構造を有している。
更に、制御部201(図2)が第3誘導コイル183および第5誘導コイル185に電流を流すと、第3誘導コイル183がターゲット172に前記第1の磁場を形成するとともに第5誘導コイル185がターゲット173に前記第2の磁場を形成した後、制御部201(図2)が第4誘導コイル184に電流を流すことで第4誘導コイル184がターゲット172に前記第2の磁場を形成するとともにターゲット173に前記第1の磁場を形成するように、第3誘導コイル183および第4誘導コイル184がターゲット172の前記幅方向の両側に配置されるとともに第4誘導コイル184および第5誘導コイル185がターゲット173の前記幅方向の両側に配置されている。すなわち、第4誘導コイル184(中間コイル)は、電流の供給を受けることで、隣接する一方のターゲットについて前記第1の磁場を形成するとともに隣接する他方のターゲットについて前記第2の磁場を形成する。
このような構成によれば、ターゲット172およびターゲット173によってワークWの幅方向において広範な範囲に炭素イオンを飛翔させることが可能となる。また、第4誘導コイル184がターゲット172およびターゲット173に磁場を形成する機能を兼ね備えることができるため、磁場発生機構のサイズを縮小することができる。なお、第4誘導コイル184、第5誘導コイル185、第6誘導コイル186、173およびターゲット174の関係についても同様であり、図5、図6のターゲットおよびコイルの数は、各図に示されるものに限定されない。
(3)図7は、本発明の第3変形実施形態に係る成膜装置1Aの模式的な断面図である。先の実施形態では、図1に示されるロールコーター式の成膜装置1に基づいて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。本変形実施形態に係る成膜装置1Aは、真空チャンバ10と、ターゲット17を含む蒸発源16と、第7誘導コイル187および第8誘導コイル188を含む誘導コイルと、回転テーブル41と、テーブル駆動部42と、サブターゲット44を含むサブ蒸発源43と、を備える。本変形実施形態では、成膜装置1Aは、いわゆるバッチ式の成膜装置である。
真空チャンバ10内に配置された回転テーブル41は、テーブル駆動部42によって矢印の方向に回転される。この結果、回転テーブル41上に固定されたワークWは、上下方向に延びる回転軸回りに回転する。この際のワークWの幅方向は上下方向に一致し、ワークWの長さ方向はワークWの回転方向に一致する。
ターゲット17は、先の実施形態と同様にカーボン製のターゲットである。一方、サブターゲット44は、Ti、Crなどの金属製のターゲットである。なお、ターゲット17およびサブターゲット44ともに、アーク電源19(図1)と同様の電源の陰極に接続されており、アーク電源19の陽極は真空チャンバ10に接続されている。図7に示すような構成の場合、金属製のサブターゲット44の表面上を移動するアークスポットの移動速度よりも、カーボン製のターゲット17の表面上を移動するアークスポットの移動速度の方が小さくなる。この場合、従来のバッチ式の成膜装置では、ワークWの表面上に形成される被膜中の炭素分布が偏在しやすかった。一方、本変形実施形態においても、第7誘導コイル187および第8誘導コイル188に交互に電流が流入されることで、第1の磁場および第2の磁場が形成され、先の実施形態と同様に、炭素イオンをワークWの幅方向の広い範囲に到達させることが可能となる。この結果、金属層中の炭素の含有率が均一な被膜を形成することが可能となる。
(4)なお、図2に示されるロールコーター方式においても、ターゲット17とは異なる位置に、図7のサブターゲット44(サブ蒸発源43)と同様の金属製のターゲット(陰極)が配置されてもよい。この場合も、金属層中の炭素の含有率が均一な被膜を形成することが可能となる。同様に、図7に示されるバッチ式の成膜装置1Aにおいて、サブターゲット44を備えず、単層のカーボン被膜がターゲット17を含む蒸発源16によって形成されてもよい。
続いて、具体的な実施例を例示する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。先の実施形態(図1、図2、図3)に示される構成において、以下の条件で実験を行った。
ターゲット17:カーボン製ターゲット
ワークWの搬送速度(移動速度):v=300(mm/sec)
ターゲット放電面171とワークW間距離TS=150(mm)
第1誘導コイル181および第2誘導コイル182の電流切換周波数:f=v/TS=300/150=2(Hz)
上記の条件によって、帯状のワークWの表面に均一なカーボン膜を形成することが可能となった。なお、f≧10(Hz)(=5×v/TS)に設定されることで、より均一なカーボン膜を形成することが可能となった。
なお、第1誘導コイル181および第2誘導コイル182に流入する電流値を大きくすると、印加される磁場が強くなるため、ワークW上の膜厚分布が鋭くなる(指向性が強くなる)。このため、電流値を大きくすることに伴って、電流切換周波数(磁場の切換周期)を大きくすることが望ましい。
一例として、TS=150(mm)の場合のターゲット放電面171上の磁力と膜厚の半値幅・膜厚分布の関係を評価した。磁力10mT(ミリテスラ)の場合、半値幅約190mm、膜厚分布±8%の結果に対して、磁力20mT(ミリテスラ)の場合、半値幅約150mm、膜厚分布±21%の結果となった。すなわち、電流値を大きくし、磁場の強さ(磁力、磁束密度)が大きくなると、相対的に膜厚分布が悪化する。この場合、電流切換周波数を2.0(Hz)から2.5(Hz)に変更することで、膜厚分布が±8%に良化することが知見された。
1、1A 成膜装置
2 磁場発生機構
10 真空チャンバ
11 巻き取りロール(移動機構)
12 アイドラロール
13 成膜ロール
14 アイドラロール
15 巻き出しロール
16 蒸発源
17、172、173、174 ターゲット
171 ターゲット放電面(ターゲット対向面)
18 誘導コイル(コイル)
181 第1誘導コイル(第1コイル)
182 第2誘導コイル(第2コイル)
183 第3誘導コイル
184 第4誘導コイル(中間コイル)
185 第5誘導コイル(中間コイル)
186 第6誘導コイル
187 第7誘導コイル
188 第8誘導コイル
19 アーク電源
20、30 コイル印加装置(電流供給部)
201、301 制御部
202 定電流直流電源
203 リレーユニット
302 定電流交流電源
303 ダイオード
41 回転テーブル
42 テーブル駆動部
43 サブ蒸発源
44 サブターゲット
51 成膜ロール
52 ターゲット
521 放電面
W ワーク

Claims (9)

  1. 所定の幅方向および当該幅方向と直行する長さ方向にそれぞれ延びる寸法を有する基材の表面に少なくとも炭素を含む被膜を陰極アーク放電によって形成する成膜装置であって、
    内部空間を囲む壁部を有する真空チャンバと、
    前記真空チャンバの前記内部空間において前記基材を保持するとともに、前記基材が前記長さ方向に沿って延びる移動面上を移動するように前記基材を移動させる移動機構と、
    炭素を含む材料によって構成されるとともに、ターゲット対向面を有し、前記基材が前記移動面上の所定の位置で前記ターゲット対向面に対向するように前記真空チャンバに装着された、少なくとも1つのターゲットと、
    前記少なくとも1つのターゲットに接続される陰極と、前記真空チャンバに接続される陽極と、を含むアーク電源と、
    少なくとも1つのターゲットの前記ターゲット対向面から前記基材に向かって延びる磁力線をそれぞれ含む第1の磁場および第2の磁場を交互に形成することが可能な磁場形成機構と、
    を備え、
    前記第1の磁場は、前記ターゲット対向面を通過するとともに前記基材に近づくに連れて前記基材の前記幅方向の一端側に近づくように延びる磁力線を含み、
    前記第2の磁場は、前記ターゲット対向面を通過するとともに前記基材に近づくに連れて前記基材の前記幅方向の他端側に近づくように延びる磁力線を含む、成膜装置。
  2. 前記磁場発生機構は、
    前記少なくとも1つのターゲットの前記幅方向の一端側に配置され電流の供給を受けることで前記第1の磁場を発生する第1コイルと、前記少なくとも一つのターゲットの前記幅方向の他端側に配置され電流の供給を受けることで前記第2の磁場を発生する第2コイルと、を少なくとも含む複数のコイルと、
    前記第1のコイルおよび前記第2のコイルに交互に電流を流すことで前記第1の磁場および前記第2の磁場を交互に発生させる電流供給部と、
    を有する、請求項1に記載の成膜装置。
  3. 前記少なくとも1つターゲットは、前記ターゲット対向面が前記内部空間に露出するように前記真空チャンバの前記壁部に支持されており、
    前記複数のコイルは、前記真空チャンバの外側の位置でかつ前記真空チャンバの前記内部空間に前記第1の磁場および前記第2の磁場を形成することが可能な位置に配置されている、請求項2に記載の成膜装置。
  4. 前記複数のコイルの前記第1コイルおよび前記第2コイルは、それぞれ前記幅方向と平行に延びる中心線回りに電線が巻かれることで構成されている、請求項2または3に記載の成膜装置。
  5. 前記少なくとも1つのターゲットは、前記幅方向に互いに間隔をおいて配置される複数のターゲットを含み、
    前記複数のコイルは、それぞれ前記ターゲット対向面と直行する方向に延びる中心線回りに電線が巻かれることで構成され、前記幅方向に互いに間隔をおいて配置されるとともに前記複数のターゲットの前記幅方向の両側の位置にそれぞれ配置される少なくとも3つのコイルを含む、請求項2または3に記載の成膜装置。
  6. 前記少なくとも3つのコイルは、前記複数のターゲットのうち互いに隣接するターゲットの間の位置に配置される、少なくとも1つの中間コイルを含み、
    前記中間コイルは、電流の供給を受けることで、隣接する一方のターゲットについて前記第1の磁場を形成するとともに隣接する他方のターゲットについて前記第2の磁場を形成する、請求項5に記載の成膜装置。
  7. 前記電流供給部は、前記複数のコイルに流す電流の大きさおよび前記複数のコイル間で前記電流の流入を切換えるための周波数を調整可能である、請求項2乃至6の何れか1項に記載の成膜装置。
  8. 前記周波数をf(Hz)、前記移動機構による前記基材の移動速度をv(m/s)、前記ターゲット対向面から前記基材までの距離をTS(m)とすると、f≧v/TSの関係が満たされている、請求項7に記載の成膜装置。
  9. 前記基材の幅方向における前記少なくとも一つのターゲットの幅が30mm以下に設定されている、請求項1乃至8の何れか1項に記載の成膜装置。
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