JP2000204466A - 真空ア―ク蒸発源及び真空ア―ク蒸着装置 - Google Patents

真空ア―ク蒸発源及び真空ア―ク蒸着装置

Info

Publication number
JP2000204466A
JP2000204466A JP11008045A JP804599A JP2000204466A JP 2000204466 A JP2000204466 A JP 2000204466A JP 11008045 A JP11008045 A JP 11008045A JP 804599 A JP804599 A JP 804599A JP 2000204466 A JP2000204466 A JP 2000204466A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
magnetic field
source
evaporation
magnetic
vacuum arc
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP11008045A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3789667B2 (ja
Inventor
Hirobumi Fujii
博文 藤井
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kobe Steel Ltd filed Critical Kobe Steel Ltd
Priority to JP00804599A priority Critical patent/JP3789667B2/ja
Priority to TW088122579A priority patent/TWI242049B/zh
Priority to KR1020000000591A priority patent/KR100343033B1/ko
Priority to US09/480,164 priority patent/US6334405B1/en
Priority to DE60019821T priority patent/DE60019821T2/de
Priority to EP00100656A priority patent/EP1020541B1/en
Publication of JP2000204466A publication Critical patent/JP2000204466A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3789667B2 publication Critical patent/JP3789667B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Physical Vapour Deposition (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁場によって基板に到達する溶融粒子の数を
減少させることができると共に、アークスポットの発生
の偏りを減少させることができる蒸発源及び真空アーク
蒸着装置を提供することを目的とする。 【解決手段】 アーク放電の陰極となる蒸発物質と、当
該蒸発物質の蒸発面と略垂直に交差する磁力線のみを発
生するように前記蒸発物質を取り囲む磁場発生源と、を
備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空アーク蒸発源
及び当該真空アーク蒸発源を備えた真空アーク蒸着装置
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、真空室内で蒸発物質を陰極と
するアーク放電を発生させ、アーク電流のエネルギーに
より陰極材料を蒸発・イオン化させ、基板上に皮膜を堆
積させる真空アーク蒸着装置が知られている。このよう
な真空アーク蒸着装置では、蒸発粒子・イオン化粒子に
比べてはるかに大きい数μm以上の径をもつ溶融粒子が
発生することが避けられず、これが皮膜中に混入するこ
とによって皮膜面粗度の悪化や皮膜組成の不均一性をも
たらすことが欠点となっている。
【0003】このような溶融粒子による問題を、磁場の
発生によって解決しようとするものが提案されている。
例えば、特開平2−194167号公報には、蒸発面と
基板との間に蒸発面と同軸状の空心コイルを設けたもの
が開示されている(従来技術1)。この構成によれば、
空心コイルによる磁場にプラズマ中の電子が巻き付いて
旋回運動しながら磁力線に沿って流れプラズマが基板に
到達する。一方、中性の溶融粒子には、この誘導効果が
作用せず、イオンは、選択的に基板に導かれるから、相
対的に基板に向かう溶融粒子の数を減少させることがで
きるとされている。
【0004】また、特公告5−48298号公報には、
陰極表面に平行な成分の磁界を発生させる永久磁石が陰
極背面に配置され、この永久磁石を回転させることによ
ってアーク運動の経路を円軌道にするものが開示されて
いる。そして、この永久磁石による磁界は、陰極を取り
囲むようなソレノイドコイルが発生する磁界によって、
水平成分が大きくなるようにされている(従来技術
2)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来技
術1の場合、コイルは、基板と蒸発面との中間位置に設
けられており、コイルによる磁場は蒸発面の半径方向内
向きに寄るように作用する。この場合、アークスポット
が蒸発面の中央に寄りがちとなり、蒸発物質が均一に消
耗しない。一方、従来技術2の場合は、コイルが蒸発面
を取り囲むように配置されており、一見、その磁力線が
蒸発面に対して垂直に作用するとも考えられる。しか
し、このコイルは蒸発物質の背面に配置された永久磁石
による磁力線の蒸発面に対する平行成分を大きくさせる
ためのものであって、前記永久磁石によって発生した磁
力線の垂直成分を打ち消すためのものである。
【0006】すなわち、このコイルは前記永久磁石に対
して補助的に設けられたものであって、従来技術2にお
いては、前記コイルは蒸発面に対して垂直な磁力線を作
用させるものではない。本発明は、このような事情に鑑
みてなされたものであって、磁場によって基板に到達す
る溶融粒子の数を減少できると共に、アークスポットの
発生の偏りを減少させることができる蒸発源を提供する
ことを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記目的を達
成するために、以下の技術的手段を講じた。すなわち、
本発明に係る真空アーク蒸発源の特徴は、アーク放電の
陰極となる蒸発物質と、当該蒸発物質の蒸発面と略垂直
に交差する磁力線のみを発生するように前記蒸発物質を
取り囲む磁場発生源と、を備えている点にある。かかる
構成によれば、蒸発面と交差する磁力線により従来技術
1と同様に溶融粒子を減少させることができる。そし
て、従来技術1と異なり、磁力線は蒸発面と略垂直に交
差するので、アークスポットが蒸発面で偏在し難くな
り、蒸発物質が均一に消耗する。
【0008】ここで、磁力線は、蒸発面と完全に垂直に
交差するものである必要はなく、蒸発面と略垂直な磁力
線とは、蒸発面の法線に対し±30度以内のものも含む
ものである。この範囲であれば、蒸発物質の均一な消耗
がある程度達成でき許容範囲内である。したがって、前
記磁場発生源は磁力線がそのような方向になる位置に配
置すれば良い。更に、前記磁力線の蒸発面における方向
が、蒸発面の法線に対し±10度以内となるように前記
磁場発生源が配置されているのが好適である。この場
合、蒸発物質をさらに均一に消耗させることができる。
【0009】そして、磁場発生源としては、前記蒸発物
質を取り囲む環状の磁極を有する磁石とすることができ
る。従来技術1のように、空心コイルで磁場を発生させ
る場合、広い範囲で磁場が発生することが避けられな
い。特に、コイルの軸方向に長く伸びた磁場が発生す
る。このように長く伸びた磁場は、基板が配置されてい
る位置にまで作用し、基板における皮膜形成過程におい
てこの磁場が皮膜構造に影響を及ぼすという問題があ
る。
【0010】また、真空用に複数の蒸発源を配置する場
合、ある蒸発源から発生する広い範囲の磁場が近隣の蒸
発源に対して蒸発特性に影響を与え易いという問題があ
る。さらに、真空容器に蒸発源が対向して配置される場
合には、コイルの軸方向に長く伸びる磁場が対向する蒸
発源に対して相互に影響し合うという問題がある。前述
のような環状の磁極を有する磁石であれば、空心コイル
のように軸方向に長く伸びる磁界が発生することが防止
される。したがって、この真空アーク蒸発源を真空アー
ク蒸着装置に用いた場合、磁場による基板への悪影響を
防止することができる。また真空容器に複数の蒸発源を
配置した場合には、一の蒸発源からの磁場が他の蒸発源
へ悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0011】なお、ここで、環状の磁極を有する磁石と
は、環状に形成された永久磁石であってもよいし、環状
の磁極を持つように形成された磁心を有する電磁石であ
っても良い。磁力線を蒸発面と略垂直に交差させるため
の磁場発生源の具体的構成としては、前記磁場発生源の
N,S両磁極の中間位置に、前記蒸発面が位置するよう
に前記磁場発生源を配置するのが好適である。ここで、
N,S両磁極の中間位置とは、両磁極の中央でなくとも
良い。ただし、前記磁場発生源のN,S両磁極の略中央
位置に、前記蒸発面が位置するように前記磁場発生源が
配置されていれば、磁力線の方向が蒸発面の法線方向と
さらに一致し易くなり、更に好適である。
【0012】そして、前記磁場発生源のさらに具体的な
構成としては、前記磁場発生源は、その軸方向両端に磁
極を有する環状磁石からなるものとするのが好適であ
る。この場合、環状磁石の軸方向への磁場の広がりが少
ないので、基板又は他の蒸発源への影響を効果的に押え
ることができる。また、前記環状磁石は、前記蒸発物質
を取り囲む径内側環状磁石と、当該径内側環状磁石と同
軸状かつ同極が同方向を向くように前記径内側環状磁石
を取り囲む径外側環状磁石とから構成されているものと
するのが好適である。
【0013】この場合、蒸発物質を貫く磁力線の本数が
増え、すなわち磁場強度が上がり、前記効果をより強く
得られる。また、本発明では、前記磁場発生源は、内周
側と外周側に磁極を有する第1環状磁石と、内周側と外
周側の磁極がそれぞれ第1環状磁石とは異なる磁極とさ
れていると共に前記第1環状磁石の軸方向に並置された
第2環状磁石と、から構成されているものとすることが
できる。かかる構成によれば、環状磁石の軸方向への磁
場の広がりが一層少ないので好適である。この場合、前
記第1環状磁石と第2環状磁石の外周側を磁性体によっ
て結合して構成すれば、側方への磁場の広がりが殆どな
いので、本発明の蒸発源を真空容器に複数設けた場合、
隣の蒸発源の影響を排除することができる。
【0014】また、同様の効果を得るには、前記磁場発
生源を、径内側にN,S両磁極を有する断面U字状の環
状磁石として構成してもよい。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1〜図3は、本発明の第1の実
施の形態を示している。図1に示すように、本発明に係
る真空アーク蒸着装置1は、真空容器2内に陰極である
蒸発物質3が設けられ、アーク放電電源4によって図示
しない陽極との間でアーク放電を発生させて蒸発物質3
を蒸発・イオン化させ、コーティング処理物(基板)5
に皮膜を堆積させるものである。
【0016】前記蒸発物質3は、当該蒸発物質3の蒸発
面とほぼ垂直に交差する磁場を発生させる磁場発生源7
と共に1つの蒸発源ユニット9を構成している。図1に
おいては、磁場発生源ユニット9は、真空容器2に1個
設けたものが例示されているが、真空容器2の側壁にコ
ーティング処理物5を取り囲むように複数設けるのが好
適である。図3に示すように、前記蒸発物質3は、円板
状に形成されており、そのコーティング処理物5側の面
がアーク蒸発面11である。蒸発物質3と共に蒸発源9
を構成する磁場発生源7は、軸方向(厚さ方向)両端面
に環状の磁極を有する環状永久磁石として構成されてい
る。この磁場発生源7は、蒸発物質3と同軸状で当該蒸
発物質3を取り囲むように配置されている。また、磁場
発生源7は、その軸方向中央位置と蒸発面の位置とがほ
ぼ一致するように配置され、そのコーティング処理物5
側の端面(前方側の面)がN極で、他方の端面がS極と
されている。なお、磁極は逆であっても良い。
【0017】かかる配置の磁場発生源7は、図2に示す
ような磁場を発生する。図4は、比較例として、従来技
術のようにコイル13を蒸発物質3の周りに配置した場
合の磁場の状態を示している。図4に示すように、コイ
ル13によって発生した磁場の場合、磁力線M2は、コ
イル13の軸方向に広く拡がるような大きなループとな
る。一方、本発明のように磁場発生源7が環状の磁極を
有する環状磁石であると、図2に示すように、蒸発面1
1と交差する磁力線M1は比較的小さなループとなり、
環状磁石7の軸方向への磁場の伸びが少ない。
【0018】したがって、蒸発面11を交差する磁場の
強さが同じである場合、図4に示すコイルによって発生
した磁場は広がりが大きく他所への影響が大きいのに対
し、図2に示す環状磁石7によって発生した磁場は広が
りが小さく、他所への影響が小さい。さらに、環状磁石
7から発生した磁力線は、蒸発面を通過後、径外方向に
急速に発散するため、その磁力線に巻き付いて誘導され
るプラズマ流の分布が広くなり、広範囲に均一な膜厚分
布を得ることができる。また、磁場発生源7として、永
久磁石を採用しているため、コイルに比べて同体積の磁
場発生源としては磁場強度が大きい。したがって、磁場
強度の大きいエリアに蒸発面及び蒸発粒子の飛行経路が
置かれることになるため、図5に示すように、蒸発物質
3から蒸発した荷電粒子が磁力線に巻き付きながら磁力
線に沿って飛行する螺旋運動が活発化する。これによ
り、蒸発物質3から蒸発した成膜粒子及び反応ガスの活
性化を促進し、密着力の大きい、緻密な皮膜が得られ
る。なお、荷電粒子の螺旋運動の半径は、荷電粒子のス
ピードと磁場強度により決まり、荷電粒子の飛行は様々
な半径の螺旋飛行の集まりとなる。
【0019】図6(a)〜(d)は、本発明における蒸
発面11上でのアークスポットの軌跡のイメージを示し
ている。図6(a)〜(d)のパターンは瞬間瞬間でラ
ンラムに現れる。各パターンは、ともに周回運動であ
り、各パターンはその周回半径が異なるものである。磁
力線が蒸発面11に対してほぼ垂直であると、このよう
にアークスポットの軌跡が瞬間瞬間で半径の異なった周
回運動となるので、周回運動の半径が一定な場合と比較
して、蒸発位置が変化し、蒸発面の消耗が均等になる。
したがって、蒸発面は、新品時の蒸発面と平行に近い状
態を保ちながら消耗し、蒸発物質の利用効率が非常に高
い。なお、周回運動の向きは、磁力線の向きによって逆
転する。
【0020】また、アークスポットの周回半径がランダ
ムに変動するので、蒸発物質の局部的な温度上昇が抑え
られ、溶融粒子の発生が抑制される。図7は、比較例と
して、磁力線が蒸発面11の法線方向から大きく傾いて
いる場合のアークスポットのイメージを示している。図
7(A)のように、蒸発物質3の蒸発面11に対し磁場
発生源7が前方(コーティング処理物5側)に大きくず
れていると、蒸発面11での磁力線が内向きに大きく傾
く。したがってアークスポットが蒸発面11の中央部で
集中的に放電する。
【0021】一方、図7(B)のように後方に大きくず
れていると、蒸発面11での磁力線が外向きに大きく傾
く。したがってアークスポットが蒸発面11の辺縁部の
みで放電し、アークスポットが蒸発物質3から飛び出し
てアーク放電が停止し易い。図7(A)(B)いずれの
場合であっても蒸発物質3は均一に消耗せず、利用効率
が悪い。このような不都合を防止するには、蒸発面11
上での磁力線の方向を、蒸発面の法線に対し±30度以
内とするのが好ましく、さらに好ましくは±10度以内
となるように蒸発物質3と磁場発生源7を配置する。ま
た、磁力線が蒸発面11に対して垂直になるのが最も好
ましいが、蒸発源ユニット9は、磁場発生源7の軸方向
中心より蒸発面11がやや前方に位置した状態で製造す
るのが好ましい。この場合、蒸発物質3がある程度消耗
して蒸発面11が後退すると磁場発生源7の軸方向中心
と蒸発面11の位置が一致し、さらに蒸発物質3が消耗
しても蒸発面11は磁場発生源7の軸方向中心よりやや
後方に位置するだけであるから、蒸発物質3の新品時か
ら消耗するまで、常に磁力線が蒸発面とほぼ垂直した状
態を得られる。
【0022】図8は、本発明の第2の実施の形態に係る
蒸発源19を示している。この蒸発源19の磁場発生源
17は、多数の永久磁石21を環状に並べて、第1の実
施の形態の磁場発生源7と同様な磁場を発生するように
構成されたものである。すなわち、長手方向両端に磁極
を有する複数の棒状磁石21を磁極の向きを揃えて環状
に配置して、実質的に第1の実施の形態における磁場発
生源7と同様な、軸方向両端面に環状の磁極を有する環
状磁石を構成したものである。この磁場発生源17は、
第1の実施の形態の磁場発生源7と同様に配置され、蒸
発物質3に対して第1の実施の形態と同様に作用する。
【0023】図9は、本発明の第3の実施の形態に係る
蒸発源29を示している。この蒸発源29の磁場発生手
段27は、第1の実施の形態の環状磁石7と同様に構成
・配置された径内側環状磁石30と、その径外側に配置
される径外側環状磁石31とから構成されている。径外
側環状磁石31は、径内側環状磁石30と同様に、軸方
向両端に磁極を有する環状磁石であって、軸方向の厚さ
もほぼ同じに構成されている。この径外側環状磁石31
は、径内側環状磁石30と同軸状に配置され、同じ磁極
が同方向を向くように径内側環状磁石30を取り囲んで
いる。
【0024】図9に示すように、かかる構成の磁場発生
手段27によると、両環状磁石30,31の相互作用に
よって、径内側磁石30のみの場合より蒸発物質3を貫
く磁力線の数が増える。すなわち、蒸発面11における
磁場強度が上がり、溶融粒子を減少させる効果がより強
く得られる。図10は、本発明の第4の実施の形態に係
る蒸発源39を示している。この蒸発源39の磁場発生
源37は、内周側と外周側に磁極を有する第1環状磁石
40と、内周側と外周側に磁極を有すると共に内周側と
外周側の磁極がそれぞれ第1環状磁石40とは異なる第
2環状磁石41とを有している。第1環状磁石40と第
2環状磁石41とは、同軸状でかつそれらの軸方向に並
置されている。
【0025】具体的には、第1環状磁石40は、内周側
がN極、外周側がS極とされている。また第2環状磁石
41は、内周側がS極、外周側がN極とされている。両
環状磁石40,41の外周側は、磁性体42によって接
続されている。両環状磁石40,41の外周側は異極で
あるので、磁性体42は両磁石40,41の磁力によっ
て結合される。このように、環状に磁極を有する環状磁
石は、上記構成によっても実現できる。すなわち、両環
状磁石40,41の内周側から発生する磁場は、第1の
実施の形態における磁場発生源7とほぼ同様なものとな
り、両環状磁石40,41の内周側磁極の中間位置に蒸
発物質3の蒸発面11を位置させると、磁場が蒸発面1
をほぼ垂直に貫く。
【0026】また、本実施の形態によれば、両磁石4
0,41の外周側が磁性体42によって接続されている
から、外周側へ磁場が発生しない。したがって、この蒸
発源39をユニットとして真空容器2に多数隣接させて
配置した場合、隣接する蒸発源39への磁場の影響を効
果的に排除することができる。図11は、本発明の第5
の実施の形態に係る蒸発源49を示している。この蒸発
源49の磁場発生源47は、径内側にN,S両磁極を有
する断面U字状の環状磁石によって構成されている。本
実施の形態においても、蒸発物質3は、その蒸発面11
が両磁極の中間位置に位置するように配置されており、
第4の実施の形態と同様な作用効果が得られる。
【0027】なお、本発明は、前記各実施の形態に限定
されるものではない。例えば、磁場発生源である環状磁
石は円環状に蒸発物質を取り囲むものである必要はな
く、多角形状に蒸発物質を取り囲むものであってもよ
い。
【0028】
【発明の効果】以上、本発明によれば、蒸発面と交差す
る磁力線により溶融粒子の数を減少させることができ
る。そして、磁力線は蒸発面と略垂直に交差するので、
アークスポットが蒸発面で偏在し難くなり、蒸発物質が
均一に消耗する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る真空アーク蒸
着装置の概略構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係る蒸発源を示す
断面側面図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係る蒸発源の正面
図である。
【図4】本発明に対する比較例としての蒸発源を示す断
面側面図である。
【図5】本発明における蒸発源からの電子の飛行経路を
示す図である。
【図6】本発明における蒸発面上のアークスポットの軌
跡を示すイメージ図である。
【図7】本発明に対する比較例としての蒸発源を示す断
面側面図及び正面図であって、(A)は磁力線が内向き
のもの、(B)は磁力線が外向きのものを示している。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係る蒸発源を示し
ており、(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態に係る蒸発源を示す
断面側面図である。
【図10】本発明の第4の実施の形態に係る蒸発源を示
しており、(a)は断面側面図、(b)は正面図であ
る。
【図11】本発明の第5の実施の形態に係る蒸発源を示
しており、(a)は断面側面図、(b)は正面図であ
る。
【符号の説明】
1 真空アーク蒸着装置 2 真空容器 3 蒸発物質 7 磁場発生源 9 蒸発源(ユニット) 11 アーク蒸発面 17 磁場発生源 19 蒸発源 21 棒状磁石 27 磁場発生源 29 蒸発源 30 径内側環状磁石 31 径外側環状磁石 37 磁場発生源 29 蒸発源 40 第1環状磁石 41 第2環状磁石 42 磁性体 47 磁場発生源 49 蒸発源

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アーク放電の陰極となる蒸発物質と、 当該蒸発物質の蒸発面と略垂直に交差する磁力線のみを
    発生するように前記蒸発物質を取り囲む磁場発生源と、 を備えていることを特徴とする真空アーク蒸発源。
  2. 【請求項2】 前記磁力線の蒸発面における方向が、蒸
    発面の法線に対し±30度以内となるように前記磁場発
    生源が配置されていることを特徴とする請求項1記載の
    真空アーク蒸発源。
  3. 【請求項3】 前記磁力線の蒸発面における方向が、蒸
    発面の法線に対し±10度以内となるように前記磁場発
    生源が配置されていることを特徴とする請求項2記載の
    真空アーク蒸発源。
  4. 【請求項4】 前記磁場発生源は、前記蒸発物質を取り
    囲む環状の磁極を有する磁石であることを特徴とする請
    求項1〜3のいずれかに記載の真空アーク蒸着装置。
  5. 【請求項5】 前記磁場発生源のN,S両磁極の中間位
    置に、前記蒸発面が位置するように前記磁場発生源が配
    置されていることを特徴とする請求項4記載の真空アー
    ク蒸発源。
  6. 【請求項6】 前記磁場発生源のN,S両磁極の略中央
    位置に、前記蒸発面が位置するように前記磁場発生源が
    配置されていることを特徴とする請求項5記載の真空ア
    ーク蒸発源。
  7. 【請求項7】 前記磁場発生源は、その軸方向両端に磁
    極を有する環状磁石からなることを特徴とする請求項4
    〜6のいずれかに記載の真空アーク蒸発源。
  8. 【請求項8】 前記環状磁石は、前記蒸発物質を取り囲
    む径内側環状磁石と、当該径内側環状磁石と同軸状かつ
    同極が同方向を向くように前記径内側環状磁石を取り囲
    む径外側環状磁石とから構成されていることを特徴とす
    る請求項7記載の真空アーク蒸発源。
  9. 【請求項9】 前記磁場発生源は、内周側と外周側に磁
    極を有する第1環状磁石と、 内周側と外周側の磁極がそれぞれ第1環状磁石とは異な
    る磁極とされていると共に前記第1環状磁石の軸方向に
    並置された第2環状磁石と、 から構成されていることを特徴とする請求項4〜6のい
    ずれかに記載の真空アーク蒸発源。
  10. 【請求項10】 前記磁場発生源は、前記第1環状磁石
    と第2環状磁石の外周側を磁性体によって結合して構成
    されていることを特徴とする請求項9記載の真空アーク
    蒸発源。
  11. 【請求項11】 前記磁場発生源は、径内側にN,S両
    磁極を有する断面U字状の環状磁石であることを特徴と
    する請求項4〜6のいずれかに記載の真空アーク蒸発
    源。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかに記載の真
    空アーク蒸発源を備えていることを特徴とする真空アー
    ク蒸着装置。
JP00804599A 1999-01-14 1999-01-14 真空アーク蒸発源及び真空アーク蒸着装置 Expired - Lifetime JP3789667B2 (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00804599A JP3789667B2 (ja) 1999-01-14 1999-01-14 真空アーク蒸発源及び真空アーク蒸着装置
TW088122579A TWI242049B (en) 1999-01-14 1999-12-21 Vacuum arc evaporation source and vacuum arc vapor deposition apparatus
KR1020000000591A KR100343033B1 (ko) 1999-01-14 2000-01-07 진공아크 증발원 및 진공아크 증착장치
US09/480,164 US6334405B1 (en) 1999-01-14 2000-01-10 Vacuum arc evaporation source and vacuum arc vapor deposition apparatus
DE60019821T DE60019821T2 (de) 1999-01-14 2000-01-13 Vakuumbogen-Verdampfungsquelle und -Aufdampfeinrichtung
EP00100656A EP1020541B1 (en) 1999-01-14 2000-01-13 Vacuum arc evaporation source and deposition apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP00804599A JP3789667B2 (ja) 1999-01-14 1999-01-14 真空アーク蒸発源及び真空アーク蒸着装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000204466A true JP2000204466A (ja) 2000-07-25
JP3789667B2 JP3789667B2 (ja) 2006-06-28

Family

ID=11682382

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP00804599A Expired - Lifetime JP3789667B2 (ja) 1999-01-14 1999-01-14 真空アーク蒸発源及び真空アーク蒸着装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3789667B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006510803A (ja) * 2002-12-19 2006-03-30 ユナキス・バルツェルス・アクチェンゲゼルシャフト 磁界発生装置付き真空アークソース
WO2010072850A1 (es) 2008-12-26 2010-07-01 Fundacion Tekniker Evaporador de arco y método para operar el evaporador

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006510803A (ja) * 2002-12-19 2006-03-30 ユナキス・バルツェルス・アクチェンゲゼルシャフト 磁界発生装置付き真空アークソース
WO2010072850A1 (es) 2008-12-26 2010-07-01 Fundacion Tekniker Evaporador de arco y método para operar el evaporador
DE112008004247T5 (de) 2008-12-26 2012-04-12 Fundación Tekniker Lichtbogenverdampfer und Verfahren zum Betreiben des Verdampfers

Also Published As

Publication number Publication date
JP3789667B2 (ja) 2006-06-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100343033B1 (ko) 진공아크 증발원 및 진공아크 증착장치
JP3159949B2 (ja) 陰極アーク放電を用いた薄膜蒸着装置
KR100361620B1 (ko) 진공아크방전장치,진공아크방전용플라즈마도관,플라즈마빔발생장치및아크방전제어방법
RU2168233C2 (ru) Катод для распыления или электродугового испарения (варианты) и устройство для покрытия или ионной имплантации подложек
US6103074A (en) Cathode arc vapor deposition method and apparatus
KR20140143352A (ko) 여과된 음극 아크 증착 장치 및 방법
CZ290081B6 (cs) Způsob výroby holicího břitu
EP1683178A2 (en) Filtered cathodic arc plasma source
KR20100027222A (ko) 스퍼터링 장치
KR101471269B1 (ko) 성막 속도가 빠른 아크식 증발원, 이 아크식 증발원을 사용한 피막의 제조 방법 및 성막 장치
JP2000328236A (ja) アーク蒸発源及び真空蒸着装置
JPH11269634A (ja) 真空アーク蒸発源
JP2000204466A (ja) 真空ア―ク蒸発源及び真空ア―ク蒸着装置
MX2013009737A (es) Fuente de evaporacion por arco.
JP2003193219A (ja) 真空アーク蒸発源
JPH10287977A (ja) スパッタ装置
KR20010021341A (ko) 아크형 이온 플레이팅 장치
JP2877027B2 (ja) アーク式蒸発源
JP2001158958A (ja) アークイオンプレーティング装置
JP4019464B2 (ja) アーク式蒸発源
JP2007247030A (ja) 真空アーク蒸発源及び真空アーク蒸着装置
JP2001011608A (ja) 膜形成装置
JPH10330935A (ja) スパッタ装置
JP2000129438A (ja) マグネトロンスパッタ装置
JPH11335837A (ja) 磁気媒体製造装置

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20050915

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050927

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051125

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20060328

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20060329

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100407

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100407

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110407

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120407

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130407

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130407

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140407

Year of fee payment: 8

EXPY Cancellation because of completion of term