JP2003193219A - 真空アーク蒸発源 - Google Patents
真空アーク蒸発源Info
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Abstract
行ってもアークを安定して蒸発面上の所定のエリアに閉
じ込め制御可能とする真空アーク蒸発源を提供する。 【解決手段】 柱状蒸発物質の蒸発面に、柱状蒸発物質
の軸方向に伸びる略長円状の放電領域にアークスポット
を閉じ込めるように、磁力線の角度とアーク電流値を設
定した磁場発生源を備えている。
Description
品等への耐磨耗性コーティング等に使用される真空アー
ク蒸発源に関する。
ドロップレット(溶融粒子)を低減する方法として従来
より種々提案されている。例えば、特公平5−4829
8号公報(従来例1)は、「陰極(蒸発物質)の表面に
平行な磁界成分を有する磁界によって、アークが無端経
路をたどるようにし、あるいはさらにその磁界を発生す
る磁気手段を陰極に対して相対的に移動すること、を特
徴とする方法及び装置。」であり、蒸発材料の溶解粒子
を低減し、。アーク消弧にともなう自動再点弧を不要と
するとしているものであった。
来例2)は、「アーク蒸発源の蒸発面に700Oe以上
の磁界を形成し、その磁界は蒸発面前方において平行進
行ないし発散し、蒸発面法線と磁力線の成す角度が0〜
30度であるアーク式蒸発源」であり、ドロップレット
を低減し、陰極寿命が長いアーク蒸発源を提供するもの
であった。更に、特開平1−234562号公報(従来
例3)は、「外面に陰極蒸発材料を設けた中空回転体の
内部に磁気発生装置を設置し、蒸発材料・磁気発生装置
を回転または移動させながら放電を発生させる装置。」
であり、アークパスを正確に制御し、陰極に溝状の浸食
を作らないこと目的とするものであった。
なわち、通常入手可能なレベルの磁力を発生する磁場発
生源により、蒸発面に平行な磁場を与えて、アークを蒸
発面上に無端経路を描いて移動させる方法によると、ア
ーク電流が100A以下の比較的小さい値であれば軌道
は安定するが、アーク電流を増していくと軌道を外れる
割合が多くなり、200Aを超えると安定的に軌道を確
保することが困難となることを実験的につかんだ。
対して軌道を確保するには磁力を増さなければならない
が、そうするとアークスポットの速度が上がることによ
り放電電圧が上昇し、通常20V前後の電圧で放電可能
であるのが40Vを超え、さらに磁力・電流を増すこと
により100V近くの電圧を必要とすることも確認して
おり、極めて特殊かつ高価なアーク電源が必要となる。
また、磁気手段を移動させなければ、蒸発物質は無端経
路に沿って線状に深くえぐれるように消耗してしまい、
実質的には磁気手段の移動は必須である。
の装置にて、放電電流を150A程度として運転したと
ころ、アークスポットが蒸発面上で偏在し、蒸発面外周
部においては局所的に消耗してしまった。さらには蒸発
面一面にクラックが発生してしまうことが判明した。ま
た通常手段により700Oeもの磁界を蒸発面に発生さ
せるために、蒸発面の径を50mm〜60mmに抑えな
ければならず、小さな蒸発面積に対しての電流負荷(熱
的負荷)が大きい。この技術による実際の放電には、窒
素あるいはアルゴン等のガスを一定量導入しなければな
らず、プロセス上の制約が大きい。
線と蒸発面の関係が大きく変化し、さらに上記のとおり
小さな蒸発面積のため消耗が速いため、所望の磁場形態
を実際に長時間にわたって保つことが困難である。実施
例によれば、消耗にともなって蒸発面がコイル中心より
引っ込むと蒸発面上の磁界が発散形状から収束形状とな
り、本従来技術(従来例2)成立しなくなる。さらには
蒸発面外周部の消耗によりアークスポットが飛び出し、
異常放電を引き起こす可能性がある。前述した従来例3
によれば、現実には磁石を中空蒸発材料の内側に入れた
だけでは、記述されているような放電を安定して行うに
は制約が非常に大きい。たとえば、アークスポットを図
示されたような経路に沿って移動させ、あるいは図示さ
れたような磁力線に捕捉制御することが可能なのは、放
電電流100A以下かつチャンバ圧力1Pa以下の場合
に限られ、それ以上の電流・圧力条件においては、全く
制御不能であることを実際に確認している。これは、ア
ーク電流を増やすことによりアークスポットが複数発生
すること、または圧力が高くなるとアークスポットの動
きが広範囲になるという真空アーク放電での一般的な現
象により、アークスポットに対して、図示された以外に
実際に発生している磁力線が作用するようになるもの
で、必然的に起こることである。
産レベルの成膜時にも粗度の良い皮膜を得るために、数
100A〜1000A以上の大電流放電を行ってもアー
クを安定して蒸発面上所定のエリアに閉じ込め制御可能
とし、さらにドロップレットの発生を制御することがで
きる真空アーク蒸発源を提供することを目的とする。
め本発明は次の技術的手段を講じている。すなわち、請
求項1に係る真空アーク蒸発源は、柱状蒸発物質の蒸発
面を含む領域に磁界を形成して放電する真空アーク蒸発
源であって、柱状蒸発物質の蒸発面に、柱状蒸発物質の
軸方向に伸びる略長円状の放電領域にアークスポットを
閉じ込めるように、磁力線の角度とアーク電流値を設定
した磁場発生源を備えていることを特徴とするものであ
る。
は、柱状蒸発物質の蒸発面を含む領域に磁界を形成して
放電する真空アーク蒸発源であって、柱状蒸発物質の蒸
発面に、柱状蒸発物質の周方向に伸びる略帯状の放電領
域にアークスポットを閉じ込めるように、磁力線の角度
とアーク電流値を設定した磁場発生源を備えていること
を特徴とするものである。更に、請求項2に記載の真空
アーク蒸発源において、永久磁石2対を同じ磁極が対向
するように配置して磁力線を反発させる磁場発生源であ
ることが推奨される(請求項3)。
石の磁力が異なることが推奨され(請求項4)、更に、
請求項2において、対向配置した磁石が異極対向とされ
ていることが推奨される(請求項5)。また、請求項1
〜5において、蒸発面における磁界の強さが5ミリテス
ラ以上であることが推奨される(請求項6)。更に、請
求項1又は2において、アーク電流値が200A以上で
あることが推奨される(請求項7)。
おける法線に対する磁力線の最大角度θがθ≧60°で
あることが推奨される(請求項8)。更に、請求項1に
おいて、蒸発面における法線に対する磁力線の最小角度
φ部位を含む磁界を、柱状蒸発物質の軸と平行に又は当
該軸を中心として回転して移動させることが推奨される
(請求項9)。また、前述した請求項2において、蒸発
面における法線に対する磁力線の最小角度φ部位を含む
磁界を、柱状蒸発物質の軸と平行に移動させることが推
奨され(請求項10)、更に、前述した請求項1又は2
において、アーク放電の陽極部を、柱状蒸発物質の軸と
平行に移動させることができ(請求項11)、また、前
述した請求項1において、蒸発面における法線に対する
磁力線の最小角度φ部位を含む磁界と陽極を、柱状蒸発
物質の軸を中心として同期回転させることもでき(請求
項12)、更に、前述した請求項1又は2において、柱
状蒸発物質に対して複数の給電部を設け、この給電部を
切り替え又は各給電部の電流値を変化させることことも
できる(請求項13)。
生源は、蒸発面上における蒸発面の法線とその磁力線が
なす鋭角側の角度をα、最小角度φを0°〜20°、最
大角度θを30°〜90°としたとき、φ≦α≦θに分
布し、かつα=φの領域がα=θの領域に囲まれている
こと、ある一定値以上のアーク電流により放電させるこ
と、α=φ付近を中心としたα=θの内側の領域にアー
クスポットを閉じ込めて放電させることを意味してい
る。
の形態について説明する。図1は請求項1に係る実施形
態を示し、図1(1)は蒸発物質と磁界の断面であり、
図1(2)は蒸発面における法線に対する磁力線の方向
(角度)を示し、図1(3)は、柱状蒸発物質と磁場発
生源とを示す斜視図を示し、図1(4)は図1(3)の
A矢示であって柱状蒸発物質の軸方向に伸びる略長円状
の放電部位を示している。
物質1の中空部(内部)に、N極とS極を有する永久磁
石で例示する磁場発生源2が配置されており、該磁場発
生源2は、柱状蒸発物質1の蒸発面1Aに、当該柱状蒸
発物質1の軸方向に伸びる略長円状の放電領域(放電部
位)1Bにアークスポットを閉じ込めるように、磁力線
の角度とアーク電流値が設定されている。すなわち、蒸
発物質1が柱状である真空アーク蒸発源において、蒸発
物質1の蒸発面1Aを含む領域にある一定強度以上の磁
界を形成したものであって、前記蒸発面1A上における
蒸発面1Aの法線Qとその磁力線Xが成す鋭角側の角度
(以下αとする)がφ≦α≦θ(φ≦20°、θ≧30
°)に分布し、かつα=φの領域がα=θの領域に囲ま
れているとともにある一定値以上のアーク電流により放
電させ、α=φ付近を中心としたα=θの内側の領域
(略長円状の放電部位1B)にアークスポットを閉じ込
めて放電させるようになっている。
あり、角度θは同じく最大角度である。この図1に示し
た実施形態の作用の原理を説明する。この原理は確定的
なものではないが、一応以下のようであると考えられて
いる。一般にα=θの領域では、アーク放電を形成する
電子やイオン電流に対する磁界の作用(ローレンツ力)
が強いため、アークスポットの動きが強く拘束されて、
ランダム性がなくなりかつ移動速度が上がるために、放
電電圧が上昇する。放電電圧の上昇は、その領域での放
電を妨げる要因となる。一方、α=φの領域ではローレ
ンツ力によるアークスポットの拘束力は弱いが、放電電
圧は通常の電圧とほとんど変わらないレベルである。こ
こで、アーク電流が小さければ放電電圧の上昇による放
電阻止力よりもローレンツ力による作用力が勝り、アー
クスポットはα=θ近辺の領域に拘束される(従来技術
1はθ=90°の場合)。
った場合、ローレンツ力による拘束力よりもアーク電圧
が上昇することによる放電阻止力が勝り、α=θ付近の
領域よりも放電電圧の低いα=φ付近での放電に移行す
る(φ=0°、磁力=20mT、放電電流=600A、
窒素圧力=2Paで放電部位を横から観察した写真で示
す図8参照)。その結果、アークスポットはα=θで囲
まれた領域の内側でα=φ付近を中心としてランダムに
動き回る。したがって、アークスポットをα=θの内側
に確実に閉じ込めることが可能となり、蒸発面の適切な
位置に放電領域を設置することができる。特に、蒸発面
の外周部にα=θとなる部位を設けることにより、従来
技術2にて問題となる蒸発面外周部の消耗による異常放
電を防止しつつ、有効蒸発面を効果的に消費することが
できる(白線部:α=90°、黒線部:α=0°で略長
円状の放電領域の例を写真で示す図9参照)。
状に動き回るため、磁場発生源を移動しなくても従来技
術1の静止磁場の場合にあるような無端周回軌跡の部位
だけが線状に深くえぐれるような消耗が避けられる。更
に、その放電領域では、蒸発面付近のアーク電流の向き
が磁力線の向きに近くなり、放電を形成する電子がその
部位の磁力線に小さな半径で巻き付くことによって放電
電流密度が上がり、アークスポット1個が持ち得る電流
密度を超えるために、アークスポットは通常の個数(た
とえば200Aでは平均2個程度)よりも多数に分裂す
る。そのためアークスポット1個当たりの電流値が下が
り、アークスポットで発生するドロップレットの発生確
率およびドロップレットの径を大幅に小さくすることが
できる。
びる磁力線に沿ってアーク放電プラズマが活性化し、蒸
発した蒸発物質のイオン化が促進され、処理物上に緻密
な皮膜を形成することができる。本技術で窒化クロムの
厚膜を成膜したところ、従来の標準的な皮膜に比べ、膜
厚を厚くしても、良好な粗度の皮膜が得られている。す
なわち、図10は本発明により形成したCrN皮膜表面
の顕微鏡写真であり、膜厚=76μm、Ra(平均粗
度)=0.12μm、Rmax(最大粗度)=2.10
μmである。一方、図11は従来の標準的なCrN皮膜
表面の顕微鏡写真であり、膜厚=30μm、Ra=0.
75μm、Rmax=8.2μmである。
アーク電流800A、電圧25vであり、図11は、磁
界強度0mT、アーク電流800A、電圧20vであ
る。但し、ターゲット形状は図10、図11ともにφ9
0mm×L900mmの円柱状である。また、本発明で
は、アーク放電にガス導入の必要はなく、通常成膜プロ
セスに要求される圧力範囲を完全に包含する圧力範囲、
たとえばガス導入なし〜窒素圧力6Pa以上の範囲で放
電が可能であることも確認している。これは放電領域前
方に非常に高密度のアークプラズマが形成されるため、
そのアークプラズマ自体が放電形態を律則し、ガス導入
等それ以外の放電環境に影響されないためと考えられ
る。
本手段の磁場形態を保ち得るため、常に上記効果を享受
することが可能である。図1に示した真空アーク蒸発源
において、蒸発面における磁力線方向の磁界の強さが5
mT(ミリテスラ)以上とされている。このような磁界
の強さとすることにより、α=θ付近にアークスポット
が移動した場合の放電電圧が確実に40v以上となるた
め、アークスポットがα=φを中心とした放電電圧の低
い領域に確実に移行し、所望の蒸発面領域により安定的
にアークスポットを拘束することができる。特に、放電
電流を増大する場合は磁界の強さを増すことが望まし
い。たとえば、400Aでは10mT以上、800Aで
は20mT以上が望ましい。
アーク蒸着装置を図2に示しており、この図2におい
て、ワーク3はターンテーブル4上に備えられており、
真空チャンバ5内において縦軸廻りに回転するようにな
っており、チャンバ5を陽極とした例を示している。こ
の図2に示した真空アーク蒸発源において、アーク電流
値は200A以上とされており、このように構成したこ
とによってアークスポットが複数個発生することによる
スポット相互の反発力により、α=θを中心とした領域
にアークスポットは安定存在し得なくなるため、α=φ
を中心とした領域へ確実にアークスポットが移行し、所
望の蒸発面領域により安定的に拘束される。
て、θ≧60°とされており、このような構成とするこ
とによって、α=θ付近にアークスポットがある場合の
放電電圧が40vを超えるため、アークスポットがα=
φを中心とした放電電圧の低い領域に確実に移行し、所
望の蒸発面領域により安定的にアークスポットを拘束す
ることができる。図3は前述した真空アーク蒸発源にお
いて、磁界を移動させる例を示しており、α=φの部位
を含む磁界を、図3(1)では蒸発物質の軸と平行に、
または図3(2)で示すように軸を中心として回転して
移動するように磁場発生源を移動させるように構成され
ている。
て、アーク放電の陽極部を、蒸発物質の軸と平行に移動
させるようにしたものであり、図4(1)は陽極自体を
上下移動させた例を示し、図4(2)は陽極として働く
部位を上下移動させた例を示している。図5は、磁場発
生源と陽極を同期回転させる例を平面図と正面図で示し
ており、前述した真空アーク蒸発源において、α=φの
部位を含む磁界と陽極を、蒸発物質の軸を中心として同
期回転させるように構成したものである。
2個)の給電部(アーク電源1、2)を設けたものであ
り、この給電部を切り替え又は各給電部の電流値を大小
に変化させたものであり、図6は放電電流値I1 、I2
をI1 >I2 又はI1 <I2としたものである。すなわ
ち、I1 <I2 ならアークスポットは下方へ、I1 >I
2 なら上方へ移動するものである。図7は、本発明の変
形例を示し、磁場発生源として磁場コイルを採用し、柱
状蒸発物質は真空チャンバのくびれ部にその軸心を横向
として備えられ、このくびれ部を磁場発生源である電磁
コイルが配置されており、その他の構成は前述した各例
と共通する。
発面をより均一に消耗させ蒸発物質を有効に使用でき
る。また、本発明は大電流での運転を特徴としており、
アーク電流による蒸発物質の温度上昇を蒸発物質全体に
均一化でき、発熱部位の偏在による蒸発物質の熱的スト
レスを軽減してクラックの発生を防止する。特に、大面
積の蒸発源でα=φの部位が非常に広範囲にわたる場合
に効果的となる。アークスポットはα=φを中心に分布
する他、その分布の中でも、陽極に近い側、あるいは蒸
発物質への給電部に近い側に寄る傾向があることを利用
することができる。
12は内部に円形中空部を有する角柱状の蒸発物質を示
し、このように蒸発物質の形状は、円筒形、角筒形、中
実円柱(図7参照)、中実角柱、平板柱状等任意であ
る。図13〜図16は請求項2〜5に係る本発明の実施
形態を示している。すなわち、図13においては、柱状
蒸発物質の蒸発面に、柱状蒸発物質の周方向に伸びる略
帯状(帯環状)の放電領域にアークスポットを閉じ込め
るように、磁力線の角度とアーク電流値を設定した磁場
発生源を備えているのである。
と、ドーナツ状で端面が磁極となっている永久磁石2対
で示す磁場発生源2を同じ磁極が対向するように置いて
磁力線を反発させると、両磁石の中間位置にα=0°
が、その両側(図13では上下)にα=90°の部位が
それぞれ蒸発源の周方向に帯状に生じる。この場合α=
0°を中心としα=90°に挟まれた帯状の部位で放電
させることができる。図14は対向配置した磁石の磁力
が異なる(図14では上を強くした場合で示すが下を強
くした場合も含む)ものとした例を示している。
5で示すように、主たる磁場方向(放電部位における磁
力線のターゲット面方向成分の総和)が下を向くことに
より、アークスポット(厳密にはアークスポットから発
生する金属イオン流)に働くローレンツ力は、上からみ
て反時計の一方向に定まるため、アークスポットはその
方向にほぼ定速度で周回運動を行う。ただし、ここで働
くローレンツ力は弱いため、前述したような放電電圧の
上昇がほとんど無く、放電を阻害する要因にはならな
い。
磁場方向は金属イオン流の方向と等しくなり、したがっ
てローレンツ力が働かないため、アークスポットは放電
部位を左右方向にランダムに運動するが、アノード(陽
極)配置やチャンバ構造の非対称性により、蒸発物質の
ある方向に片寄って放電することがある。上下磁石を異
なる磁力とすることで、アークスポットを蒸発物質全周
にわたって確実に放電させることができる。図16は対
向配置した磁石が異極対向とされている実施の形態であ
り、これによれば、磁石サイズ・配置を適当に選ぶと図
16のようになり、α=90°が3点現れた。予想では
放電部位が2ヶ所現れるが、真ん中のα=90°の点の
磁力が弱いと、アークスポットは上下の放電部位を行っ
たり来たりする。
態)で上下磁石を異なる磁力にした場合、上下磁力差が
大きいと、弱い側の放電部位がなくなる。図13、図1
4においては、柱状蒸発物質の放電部位が帯状となるこ
とから、当該柱状蒸発物質と磁場発生源を図5で例示す
るように同期回転させる必要性はなくなる。但し、図4
で例示したように陽極を移動させることはできる。ま
た、図13〜図14において、前述した最小角度φ、最
大角度θについては前述同様であり、アーク電流値(2
00A以上)および磁界の強さが5ミリテスラであるこ
と、400Aでは10mT以上、800Aでは20mT
等々についても前述同様である。
形態を任意に組み合せることは自由である。
生産レベルの成膜時にも粗度の良い皮膜を得るために、
数100A〜1000A以上の大電流放電を行ってもア
ークを安定して蒸発面上所定のエリアに閉じ込め制御可
能とし、さらにドロップレットの発生を制御することが
できる。
磁界の断面を示し、(2)は法線に対する磁力線の角度
を示し、(3)は蒸発源の斜視図であり、(4)はA矢
示図である。
示している。
平行移動(相対移動を含む)、(2)は軸廻りの回転移
動(相対回転を含む)の平面図と正面図である。
上下移動(水平移動を含む)、(2)は陽極として働く
部位の上下移動(水平移動を含む)である。
面図である。
る。
ある。
である。
視図、(2)は平面図、(3)は正面図である。
(1)は斜視図、(2)は平面図、(3)は正面図であ
る。
である。
Claims (13)
- 【請求項1】 柱状蒸発物質の蒸発面を含む領域に磁界
を形成して放電する真空アーク蒸発源であって、 柱状蒸発物質の蒸発面に、柱状蒸発物質の軸方向に伸び
る略長円状の放電領域にアークスポットを閉じ込めるよ
うに、磁力線の角度とアーク電流値を設定した磁場発生
源を備えていることを特徴とする真空アーク蒸発源。 - 【請求項2】 柱状蒸発物質の蒸発面を含む領域に磁界
を形成して放電する真空アーク蒸発源であって、 柱状蒸発物質の蒸発面に、柱状蒸発物質の周方向に伸び
る略帯状の放電領域にアークスポットを閉じ込めるよう
に、磁力線の角度とアーク電流値を設定した磁場発生源
を備えていることを特徴とする真空アーク蒸発源。 - 【請求項3】 永久磁石2対を同じ磁極が対向するよう
に配置して磁力線を反発させる磁場発生源であることを
特徴とする請求項2に記載の真空アーク蒸発源。 - 【請求項4】 対向配置した磁石の磁力が異なることを
特徴とする請求項3に記載の真空アーク蒸発源。 - 【請求項5】 対向配置した磁石が異極対向とされてい
ることを特徴とする請求項2に記載の真空アーク蒸発
源。 - 【請求項6】 蒸発面における磁界の強さが5ミリテス
ラ以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか
に記載の真空アーク蒸発源。 - 【請求項7】 アーク電流値が200A以上であること
を特徴とする請求項1又は2に記載の真空アーク蒸発
源。 - 【請求項8】 蒸発面における法線に対する磁力線の最
大角度θがθ≧60°であることを特徴とする請求項1
又は2に記載の真空アーク蒸発源。 - 【請求項9】 蒸発面における法線に対する磁力線の最
小角度φ部位を含む磁界を、柱状蒸発物質の軸と平行に
又は当該軸を中心として回転して移動させることを特徴
とする請求項1に記載の真空アーク蒸発源。 - 【請求項10】 蒸発面における法線に対する磁力線の
最小角度φ部位を含む磁界を、柱状蒸発物質の軸と平行
に移動させることを特徴とする請求項2に記載の真空ア
ーク蒸発源。 - 【請求項11】 アーク放電の陽極部を、柱状蒸発物質
の軸と平行に移動させることを特徴とする請求項1又は
2に記載の真空アーク蒸発源。 - 【請求項12】 蒸発面における法線に対する磁力線の
最小角度φ部位を含む磁界と陽極を、柱状蒸発物質の軸
を中心として同期回転させることを特徴とする請求項1
に記載の真空アーク蒸発源。 - 【請求項13】 柱状蒸発物質に対して複数の給電部を
設け、この給電部を切り替え又は各給電部の電流値を変
化させることを特徴とする請求項1又は2に記載の真空
アーク蒸発源。
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