JP2000328236A - アーク蒸発源及び真空蒸着装置 - Google Patents

アーク蒸発源及び真空蒸着装置

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JP2000328236A
JP2000328236A JP11142073A JP14207399A JP2000328236A JP 2000328236 A JP2000328236 A JP 2000328236A JP 11142073 A JP11142073 A JP 11142073A JP 14207399 A JP14207399 A JP 14207399A JP 2000328236 A JP2000328236 A JP 2000328236A
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magnetic
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arc
evaporating
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蒸発面を均一に消耗させる場合に、蒸発面周
辺部で磁力線が発散する方向に向いてしまうのを防止す
ることで、アークスポットの飛び出しをより効果的に防
止する。 【解決手段】 アーク放電の陰極となる蒸発物質3と、
当該蒸発物質3の蒸発面11とほぼ垂直に交差する磁力
線を発生する磁場発生源7,17,27とを備えたアー
ク蒸発源において、リング状の磁性体13が前記蒸発物
質3の外周を取り囲むように設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アーク蒸発源及び
真空蒸着装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のアーク蒸発源としては、特開平1
1−36063号公報に記載のものがある(従来技術
1)。この蒸発源は、陰極の蒸発面(ターゲット)を含
む領域に、蒸発面での強さが7000e以上の磁界を形
成する磁気コイルを備えているものであり、この磁気コ
イルは蒸発面の前方において集束せずに平行進行ないし
発散する磁力線であって蒸発面の任意の点に立てた法線
と当該点における磁力線12の方向との成す角が0度以
上30度以下の磁力線を発生させるものである。
【0003】また、特公平2−61546号公報には、
磁気非透過性材料の表面を備えたターゲットと、ターゲ
ット面を取り巻く閉込めリングを有し、この閉込めリン
グが陰極スポットをターゲット面内に閉込めるように磁
気透過性の材料で形成されている蒸発アーク安定化装置
が開示されている(従来技術2)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】アーク放電のアークス
ポットは、陰極の蒸発面において磁力線が傾く方向に移
動しやすい性質のあることが知られており、従来技術1
のような磁力線を発生させると、アークスポットは、蒸
発面の中心部に集中することなく、蒸発面内をランダム
に動くか、蒸発面のやや外寄りを周回するようになり、
蒸発面を万遍なく消耗させることができる。しかしなが
ら、従来技術1では、磁力線が蒸発面の周辺部において
発散するように傾いているため、アークスポットがター
ゲット外に飛び出し、アークが失火する場合がある。従
来技術1では、蒸発面を万遍なく消耗させるために、上
述のような磁力線を発生させているいるのであるが、か
かる磁力線によって不可避的に発生するアークスポット
の飛び出しに対して、何ら防御策が施されていない。
【0005】一方、従来技術2では、蒸発面を取り巻く
閉込めリングを設けて、アークスポットの飛び出しを防
止している。しかし、従来技術2では、アークスポット
の飛び出し防止は、アーク電流自体によって発生する磁
力線を利用しているにすぎず、飛び出しを防止するため
にアークスポットに対し積極的に磁力を作用させるとい
うことは行われていない。すなわち、従来技術1では、
磁力線が蒸発面の周辺部で発散しており、このため、ア
ークスポットが蒸発面から飛び出していた。本願発明者
らの知見によれば、この飛び出しを防止するには、蒸発
面の周辺部では、磁力線が前方において集束する方向に
向くようにすれば良いのであるが、従来技術1における
ターゲットの均一消耗性を確保したまま、その磁力線
を、前述のように都合よく変形させ、アークスポットが
飛び出さないように磁力をアークスポットに作用させる
点について、従来技術2は何ら貢献するところがない。
【0006】本発明は、本願発明者らの前述の知見に基
づいてなされたもので、本発明の第1の課題は、従来技
術1のように蒸発面を均一に消耗させる場合に、蒸発面
周辺部で磁力線が発散する方向に向いてしまうのを防止
することで、アークスポットの飛び出しをより効果的に
防止することにある。また、従来技術1において、蒸発
面の中央部は磁場コイル中心に一致しているため、磁力
線角度は必然的に蒸発面に立てた法線に対して0度近傍
となる。さらにアークスポットは磁束密度の弱い方に移
動するという性質に基づくと、従来技術1のように磁束
密度が蒸発面の中央部で減衰するような分布であると、
アークスポットが蒸発面の中央部に停滞しやすく、ある
いは移動速度が非常に遅くなる。
【0007】すなわち、磁束密度は距離の二乗に反比例
するから、蒸発面の周囲に配置されたコイルによって発
生する磁界の磁束密度は蒸発面の周辺から中央に向かっ
て小さくなり、蒸発面中央における磁束密度は、すり鉢
状に減衰し、ここにアークスポットが停滞する。アーク
スポットが停滞すると高温になりドロップレットが発生
するという問題が発生する。この問題に鑑み、本発明の
第2の課題は、アークの蒸発面中央部近傍での停滞を防
ぎ、アークスポットの高温化を防ぎドロップレットの発
生を抑えることにある。さらにアークスポットの移動速
度を速めることで高温化を一層防止する。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題解決
のために以下の技術的手段を採用する。すなわち、本発
明の特徴は、アーク放電の陰極となる蒸発物質と、当該
蒸発物質の蒸発面とほぼ垂直に交差する磁力線を発生す
る磁場発生源とを備えたアーク蒸発源において、リング
状の磁性体が前記蒸発物質の外周を取り囲むように設け
られている点にある。この構成によれば、蒸発物質の蒸
発面とほぼ垂直に交差する磁力線を発生する磁場発生源
により、蒸発面のほぼ均一な消耗が可能である。ここ
で、「ほぼ垂直」とは、完全な垂直方向(蒸発面の法線
方向)のみならず、垂直方向から多少傾斜(例えば30
度以内)したものも含む。
【0009】このような磁場発生源としては、蒸発物質
の外周側に同軸状に配置したリング状の磁石であって軸
方向に磁極を有しているもの、あるいは蒸発物質の外周
に同軸状に巻回されたコイルを採用することができる。
なお、本発明において、「リング状」とは円形のリング
だけでなく、方形状のリングなど任意の形状のリングが
含まれる。磁場発生源の形成する磁力線自体は、蒸発面
と垂直又は多少傾斜しているだけであって、蒸発面の外
周部に近づいたアークスポットを積極的に中央に押し戻
すことはなく、特に外周方向に傾斜している場合(発散
している場合)は、アークスポットを飛び出させる方向
に作用する。しかし、磁力線が前記磁性体に引き込まれ
ることで、蒸発面外周部に蒸発面表面に立てた法線に対
し蒸発面中央方向に傾斜した磁力線が形成される。
【0010】したがって、蒸発面外周部に近づいたアー
クスポットは、磁力線傾斜方向に移動しやすい特徴によ
り、蒸発面中央に押し戻され、従来技術2より一層強い
アーク閉じ込め効果が得られる。また、蒸発物質と磁性
体の間には、両者を電気的に絶縁する絶縁部が設けられ
ているのが好適である。磁性体と蒸発面とが絶縁されず
同電位であると、アークスポットが蒸発面から磁性体に
移行するおそれがあるが、絶縁部を設けることにより、
これが確実に防止される。
【0011】ここで、絶縁部としては、蒸発物質外周と
磁性体の内周の間に絶縁材を介在させることもできる
が、前記絶縁部は、蒸発物質と磁性体とを絶縁できる隙
間からなるのが好適である。絶縁部として、蒸発物質と
磁性体の間に部材(絶縁材)を設けると、蒸発物質が蒸
発してその部材に付着し、絶縁不良が生ずるおそれがあ
るが、絶縁部を隙間として構成すると、そのような付着
のおそれがなく絶縁不良が防止される。また、前述のよ
うに磁場発生源として、前記磁場発生源は、蒸発物質と
同軸状に配置したリング状の磁石であって、当該磁石は
軸方向に磁極を有しているものを採用したり、蒸発物質
と同軸状に巻回されたコイルよりなる電磁石を採用した
場合のように、蒸発物質の蒸発面の中央部付近において
蒸発面と交差する磁力線の方向が蒸発面に立てた法線方
向とほぼ等しく、かつ蒸発面の中央部の磁束密度が周縁
部に比べて低い磁場を発生する磁場発生源である場合、
前記蒸発物質の中央部背面側には、蒸発面の中央部付近
において蒸発面と交差する磁力線の方向を、前記法線に
対し蒸発面の周縁側に外向き傾斜する方向に変えるため
の磁力線方向変更手段が設けられているのが好適であ
る。
【0012】このように磁場発生源からの磁力線の向き
に変化を与えるための手段としては、磁石、コイル又は
磁性体が挙げられる。磁石、コイル又は磁性体を蒸発物
質の中央部背面側に配置すると、中央付近の磁力線は磁
石、コイル又は磁性体に引き寄せられるから、蒸発面の
中央部付近の磁力線は法線に対し外向き傾斜する。中央
の磁力線が外向き傾斜すると、アークが磁力線傾斜方向
に移動しやすい特徴によりアークの蒸発面中央部への集
中が防止され、均一消耗する。また、磁力線の傾斜によ
り蒸発面に水平磁力成分が発生することで、アークスポ
ットは周回運動を行うが、その領域が拡大し、傾斜が大
きくなることで広範囲でアークスポットの移動速度を速
めることができ、その結果、高温化を防止できドロップ
レットの発生が低減する。また、磁力線方向変更手段と
して磁石又はコイルを採用すると、磁束密度が大きくな
るから、アークスポットの移動速度をより速めることが
でき、高温化を一層防止することができる。
【0013】また、より好ましい磁場発生源と磁力線方
向変更手段の組み合わせとしては、磁場発生源として蒸
発物質の外周に同軸状に配置したリング状の第1磁石を
採用し、磁力線方向変更手段として蒸発物質の中央部背
面側に設けられた第2磁石とを採用し、前記第1磁石及
び第2磁石は軸方向に磁極を有し、両磁石は磁極が互い
に反対となる向きに配置されているものとすることがで
きる。そして、以上のような蒸発源を真空容器に備えた
真空蒸着装置であれば、アークの失火を防止して効率の
よい運転ができ、またドロップレットの低減により高品
位の皮膜を形成することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
に基づいて説明する。図1は本発明の第1の実施の形態
に係る真空蒸着装置1を示している。この真空蒸着装置
1は、真空容器2内に陰極となる蒸発物質3を有するア
ーク蒸発源9が設けられ、アーク放電電源4によって図
示しない陽極との間でアーク放電を発生させて蒸発物質
3を蒸発・イオン化させ、コーティング被処理物(基
板)5に皮膜を堆積させるものである。
【0015】図2に示すように、蒸発源9は、円板状の
蒸発物質(ターゲット)3と、蒸発物質の中心軸Xと同
軸状になるように配置されたリング状の磁場発生源7
と、磁場発生源7の内周側において蒸発物質3の外周に
絶縁を維持できる僅かな隙間12を有して配置されたリ
ング状の磁性体13と、蒸発物質3の背面側(蒸発面1
1の反対側)の中央部に配置された磁石(磁力線方向変
更手段)14とを有している。蒸発物質3の形状は円板
状以外に、方形状を採用できる。この場合、磁場発生源
7や磁性体13も円形状のリングではなく、方形状のリ
ング形状を採用するのが好ましい。
【0016】磁場発生源7は、軸方向X両端面に磁極を
有するリング状の永久磁石(第1磁石)として構成さ
れ、蒸発物質を取り囲むように配置されている。また、
磁場発生源7は、コーティング被処理物5側の端面(前
方側の面)がN極で、他方の端面がS極とされている。
なお、磁極の配置は逆であってもよい。リング状の磁性
体13は、例えば炭素鋼材より構成され、被処理物5側
の端面13aが蒸発面11とほぼ面一となるように配置
されている。磁力線方向変更手段である磁石(第2磁
石)14は、永久磁石であって、軸方向の被処理物5側
がS極とされ、軸方向反対側がN極とされている。この
ように磁場発生源7と磁石14の磁極は反対向きに設け
られている。したがって、磁場発生源7の磁極が前述の
ものと逆であれば、この磁石14の磁極も逆に配置す
る。
【0017】図3は、磁場発生源7自体によって蒸発物
質3の周囲に発生する磁力線の様子を示している。図に
示すように、磁場発生源7から出た磁力線は、ほぼ垂直
(蒸発面11の法線方向)に蒸発面11を貫く。なお、
磁力線がほぼ垂直に蒸発面11を貫くように磁場発生源
7は、その軸方向中央位置と蒸発面の位置とがほぼ一致
するように配置されている。磁力線の方向は、厳密に
は、蒸発面11の中央部付近を貫く磁力線に比べて、蒸
発面周縁部付近を貫く磁力線は蒸発面11の法線方向に
対して外向きにやや傾斜している。
【0018】磁性体13を設けると、図3の磁力線は、
図4のようになる。すなわち、磁場発生源7の形成する
磁力線のうち、蒸発面の外周縁部付近を貫くものは、磁
力線が通過しやすい磁性体13に引き込まれる。このた
め、蒸発面11外周部には蒸発面11の法線に対し蒸発
面中央部に傾斜した磁力線が形成されることになる。A
1〜A3は、磁力線が蒸発面11と交差する点における
磁力線の接線方向を示しており、蒸発面外周側ほど磁力
線の中央部への傾斜が大きいことがわかる。こうして、
蒸発面11の外周部には、中央部側へ傾斜した磁力線が
得られると共に、中央付近の磁力線は磁場発生源7単独
の場合とほとんどかわるところがなく、蒸発面に対して
ほぼ垂直に交差している。したがって、蒸発面の均一な
消耗が確保されると共に、蒸発面11外周側に近づいた
アークスポットは、アークが磁力線の傾斜方向に移動し
やすい特徴により蒸発面11中央方向に押し戻される。
【0019】また、図5に示すように、磁性体13を蒸
発物質3の周縁に設けたことにより、磁性体13に対す
るアークAの反発挙動もアークAの飛び出しを防止す
る。すなわち、アークAが図5(a)の位置から図5
(b)のように磁性体13に近づくとアークAの自己形
成磁場が磁性体13により湾曲され、磁性体13側が高
磁束密度になり蒸発物質3側が低磁束密度になる。アー
クAは低磁束密度方向に移動するという性質より、アー
クAは低磁束密度方向である蒸発物質3側に押し戻され
る。
【0020】また、アークAが磁性体13から離れ自己
形成磁場が磁性体13による影響領域から逃げるに従い
押し戻し力は徐々に低減され、最終的に影響を受けなく
なる(図5(a)の状態)。以上のような作用によっ
て、アークスポットの閉じ込めが一層確実に行われる。
また、磁性体13と蒸発物質3とが隙間12をもって設
けられ、両者は電気的に絶縁されているので、アークが
磁性体13側に移行するのを確実に防止できる。
【0021】図6は、他の実施の形態に係る蒸発源19
を示している。この蒸発源19の磁場発生源17は、多
数の永久磁石を環状(リング状)にならべて、第1の実
施の形態の磁場発生源7と同様な磁場を形成するように
構成されたものである。すなわち、長手方向両端に磁極
を有する複数の棒磁石21の磁極の向きを揃えて環状に
配置して、実質的に第1の実施の形態における磁場発生
源7と同様な、リング状磁石を構成したものである。図
7は、さらに他の実施の形態に係る蒸発源29を示して
いる。この蒸発源29の磁場発生源27は、蒸発物質3
と同軸状に巻回されたコイルであって、従来技術1にお
いて示される「磁気コイル」と同様なものである。
【0022】図8は、蒸発物質4の背面に磁力線方向変
更手段である磁石14を設けた場合の磁力線の状態を示
している。図3と比較すると明らかなように、蒸発面1
1の中央部付近を貫通する磁力線は、磁石14に引き込
まれて蒸発面11の法線方向に対して外向き傾斜とな
る。このため、アークが磁力線の傾斜方向に移動しやす
い特徴によりアークの蒸発面11中央への集中が防止さ
れる。また、磁石14の存在により、蒸発面11中央の
磁束密度が大きくなるので、図3のような中央部におけ
る磁束密度の減衰も改善される。よってアークの集中が
防止され均一消耗が図れる。
【0023】また、図9に示すように、磁力線が傾斜す
ると、蒸発面11に水平磁力成分が発生する。ここで傾
斜した磁力線の磁束密度をBとし、磁力線と蒸発面11
との角度をθとすると、水平磁力成分は、Bcosθと
なる。アークスポットは、「j×Bと反対方向に動く」
という特性により(jはアーク電流)アークスポットに
は、図9に示す方向にF=−j×Bcosθの力が働
き、アークスポットは蒸発面11上を周回運動するが、
その領域が拡大し、磁力線の傾斜が大きくなることで広
範囲でアークスポットの移動速度を速めることができ、
その結果ドロップレットの発生が低減する。
【0024】なお、磁力線方向変更手段としては、永久
磁石以外に、同様の磁場を発生する電磁石でもよいし、
またコイルでもよい。この場合も、磁極の向きが磁場発
生源7の磁力線と反発せずにつながるようにしておけば
よい。電磁石又はコイルを採用した場合、電磁石又はコ
イルへの通電電流値を変化させる制御装置(図示省略)
を設けておくことが好ましい。制御装置によって電磁石
の発生磁力強度を変化させることで蒸発面11の磁力線
本数(磁束密度)を変化させ、蒸発面11のアークスポ
ットの運動領域、移動速度を制御できる。その結果、タ
ーゲットの消耗度合い、要求性能(粗度あるいは成膜レ
ート)に応じたアーク放電が可能になる。
【0025】また、磁力線方向変更手段としては、磁性
体であってもよい。磁性体の場合は、蒸発面11中央の
磁束密度を大きくする作用がないだけで、磁力線を傾斜
させることに関しては磁石と同様に作用する。
【0026】
【発明の効果】以上、本発明によれば、蒸発物質の外周
縁にリング状の磁性体が設けられているので、蒸発面を
均一に消耗させる場合に、蒸発面周辺部で磁力線が発散
する方向に向いてしまうのを防止でき、アークスポット
の飛び出しをより効果的に防止できる。また、蒸発物質
の背面に磁石などの磁力線方向変更手段を設けたので、
アークの蒸発面の停滞を防ぎ、アークスポットの高温化
を防ぎドロップレットの発生を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る真空蒸着装置の概略構成図であ
る。
【図2】第1の実施の形態に係る蒸発源の正面図であ
る。
【図3】磁場発生源自体によって形成される磁力線の状
態を示す断面図である。
【図4】リング状の磁性体による磁力線の変化を示す断
面図である。
【図5】リング状の磁性体によるアーク反発挙動を示す
斜視図である。
【図6】他の実施の形態に係る蒸発源を示しており、
(a)は側面図、(b)は正面図である。
【図7】他の実施の形態に係る蒸発源の断面図を示して
いる。
【図8】磁力線方向変更手段である磁石を配置した場合
の磁力線の状態を示す断面図である。
【図9】傾斜した磁力線によりアークが周回運動をする
ことを示す図である。
【符号の説明】
1 真空蒸着装置 2 真空容器 3 蒸発物質 7 磁場発生源 9 アーク蒸発源 11 蒸発面 12 隙間 13 磁性体 14 磁石(磁力線方向変更手段) 17 磁場発生源 19 アーク蒸発源 27 磁場発生源 29 アーク蒸発源

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アーク放電の陰極となる蒸発物質(3)
    と、当該蒸発物質(3)の蒸発面(11)とほぼ垂直に
    交差する磁力線を発生する磁場発生源(7,17,2
    7)とを備えたアーク蒸発源において、 リング状の磁性体(13)が前記蒸発物質(3)の外周
    を取り囲むように設けられていることを特徴とするアー
    ク蒸発源。
  2. 【請求項2】 蒸発物質(3)と磁性体(13)の間に
    は、両者を電気的に絶縁する絶縁部(12)が設けられ
    ていることを特徴とする請求項1のいずれかに記載のア
    ーク蒸発源。
  3. 【請求項3】 前記絶縁部(12)は、蒸発物質と磁性
    体とを絶縁できる隙間からなることを特徴とする請求項
    2記載のアーク蒸発源。
  4. 【請求項4】 前記磁場発生源は、蒸発物質の外周側に
    同軸状に配置したリング状の磁石(7,17)であっ
    て、 当該磁石(7,17)は軸方向に磁極を有していること
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアーク蒸
    発源。
  5. 【請求項5】 前記磁場発生源は、蒸発物質の外周側に
    同軸状に巻回されたコイル(27)であることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれかに記載のアーク蒸発源。
  6. 【請求項6】 前記蒸発物質(3)の中央部背面側に
    は、蒸発面(11)の中央部付近において蒸発面(1
    1)と交差する磁力線の方向を、蒸発面に立てた法線に
    対し蒸発面(11)の周縁側に外向き傾斜する方向に変
    えるための磁力線方向変更手段(14)が設けられてい
    ることを特徴とする請求項4又は5に記載のアーク蒸発
    源。
  7. 【請求項7】 アーク放電の陰極となる蒸発物質(3)
    と、 蒸発物質(3)の蒸発面(11)の中央部付近において
    蒸発面(11)と交差する磁力線の方向が蒸発面(1
    1)に立てた法線方向とほぼ等しく、かつ蒸発面の中央
    部の磁束密度が周縁部に比べて低い磁場を発生する磁場
    発生源(7,17,27)と、を備えたアーク蒸発源に
    おいて、 前記蒸発物質(3)の中央部背面側には、蒸発面(1
    1)の中央部付近において蒸発面(11)と交差する磁
    力線の方向を、前記法線に対し蒸発面の周縁側に外向き
    傾斜する方向に変えるための磁力線方向変更手段(1
    4)が設けられていることを特徴とするアーク蒸発源。
  8. 【請求項8】 前記磁力線方向変更手段は、磁石である
    ことを特徴とする請求項7記載のアーク蒸発源。
  9. 【請求項9】 前記磁力線方向変更手段は、磁性体であ
    ることを特徴とする請求項7記載のアーク蒸発源。
  10. 【請求項10】 前記磁力線方向変更手段は、コイルで
    あることを特徴とする請求項7記載のアーク蒸発源。
  11. 【請求項11】 アーク放電の陰極となる蒸発物質
    (3)と、蒸発物質の外周に同軸状に配置したリング状
    の第1磁石(7,17)と、蒸発物質(3)の中央部背
    面側に設けられた第2磁石(14)とを備え、 前記第1磁石(7,17)及び第2磁石(14)は軸方
    向に磁極を有し、両磁石は磁極が互いに反対となる向き
    に配置されていることを特徴とするアーク蒸発源。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかに記載のア
    ーク蒸発源を真空容器(2)に備えていることを特徴と
    する真空蒸着装置。
JP14207399A 1999-01-14 1999-05-21 アーク蒸発源及び真空蒸着装置 Expired - Lifetime JP3728140B2 (ja)

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