JP2004011018A - 複合成膜装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】同一の真空チャンバ2内にアーク蒸発源3とスパッタ蒸発源4とが配置され、これら2種の蒸発源を交互、または同時に放電させて前記真空チャンバ2内に配置された基板10の表面に皮膜を成膜する複合成膜装置1において、前記蒸発源3とスパッタ蒸発源4に磁石を付設すると共に、前記アーク蒸発源3に第1電磁石7を、また前記スパッタ蒸発源4に第2電磁石8を付設して、前記磁石による磁界を弱め、または強める構成とする。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、アーク蒸発源とスパッタ蒸発源とが同一の真空チャンバ内に配置され、これらアーク蒸発源とスパッタ蒸発源とを交互、または同時に放電させて前記真空チャンバ内に配置された基板の表面に薄膜を成膜する複合成膜装置の技術分野に属するものである。
【0002】
【従来の技術】
アーク蒸発源とスパッタ蒸発源とが同一の真空チャンバ内に配置されてなる複合成膜氏装置としては、例えば特許第2836876号に開示されてなるものが公知である。以下、この従来例1に係る複合成膜装置を、その側面断面示概念図の図4を参照しながら説明する。
【0003】
図4に示す符号51は、複合成膜装置である。この複合成膜装置51は真空チャンバ52を備えており、この真空チャンバ52内の内壁の内側の一方にアーク蒸発源53が、また他方の内壁の内側にスパッタ蒸発源54が設けられている。そして、前記真空チャンバ52の底部であって、かつこの真空チャンバ52の径方向の中心位置に、この真空チャンバ52の外方位置に設けられたバイアス電源56から電流が供給される基板載置台55が配設されている。さらに、前記アーク蒸発源53、および前記スパッタ蒸発源54には、図示しない主磁場発生手段が設けられている。なお、前記基板載置台55の上に配設されてなるものは、表面に皮膜が成膜される基板60である。
【0004】
上記従来例に係る複合成膜装置51によれば、日本機械学会講習会教材(No.01−96,2002−1.22)に記載されているように、基板60の表面に2層の皮膜を成膜することができる。より詳しくは、前記真空チャンバ52内を真空に保持して、先ずアーク蒸発源53の放電により基板60の表面に、例えばTiAlN皮膜を成膜する。次いで、この真空チャンバ52内を真空に保持したままスパッタ蒸発源54の放電により、前記TiAlN皮膜の表面に皮膜を成膜するものである。勿論、これとは逆に、スパッタ蒸発源54の放電により基板60の表面に皮膜を成膜した後に、この皮膜の表面にアーク蒸発源53の放電によりTiAlN皮膜を成膜することができる。なお、基板60に皮膜を成膜するに際しては、この基板60は基板載置台55の回転により垂直軸心回りに回転されるものである。
【0005】
さらに、上記のような構成になる複合成膜装置51によれば、基板60の表面に下記のような皮膜も成膜することができる。
▲1▼ アーク蒸発源53とスパッタ蒸発源54とを同時に放電させて、基板60の表面にアーク・スパッタ混合皮膜を成膜する。
▲2▼ アーク蒸発源53の放電により基板60の表面にアーク皮膜を成膜した後に、アーク蒸発源53とスパッタ蒸発源54とを同時に放電させて、アーク皮膜の表面にアーク・スパッタ混合皮膜を成膜する。
▲3▼ スパッタ蒸発源54の放電により基板60の表面にスパッタ皮膜を成膜した後に、アーク蒸発源53とスパッタ蒸発源54とを同時に放電させて、スパッタ皮膜の表面にアーク・スパッタ混合皮膜を成膜する。
【0006】
このような複合成膜装置51の場合、アーク蒸発源では、例えば従来例2に係る複合成膜装置の概念図の図5示すように、ターゲットの裏面、つまりアーク蒸発源53の真空チャンバ52の外側方向位置に、主磁場発生主手段である磁石57を配置する。そして、前記ターゲット表面に磁場57aを発生させてアークスポットを制御する方式が一般的である。また、スパッタ蒸発源54では、このスパッタ蒸発源54の裏面、つまり真空チャンバ52の外側方向位置に磁石58を配置することにより磁場58aを発生させる(バランスド)マグネトロン方式が一般的である。
【0007】
ところで、特開2000−328236において、新しいアーク蒸発源(以下、新型アーク蒸発源という)が開示されている。このような新型アーク蒸発源を備えた真空蒸着装置(成膜装置)は、その概略構成図の図6に示すように構成されている。即ち、この従来例3に係る真空蒸着装置61は、アーク放電の陰極となる蒸発物質ターゲット63と、この蒸発物質ターゲット63の蒸発面63aとほぼ垂直に交差する磁力線を発生する磁場発生源67を備えたアーク蒸発源において、リング状の磁性体68を、前記蒸発物質ターゲット63を取り囲むように設けたものである。つまり、前記蒸発物質ターゲット63の蒸発面63aの周辺部で磁力線が発散する方向に向くのを防止することにより、アークスポットの飛び出しがより効果的に防止され、この蒸発面63aが均一に消耗する。なお、符号62,65,66,70は、それぞれ真空チャンバ、基板載置台、アーク放電電源、基板である。
【0008】
前記新型アーク蒸発源は、同公報や神戸製鋼技報(Vol.50No.2(Sep.2000)55頁)に示されているように、従来のアーク蒸発源にない特徴を持っている。
【0009】
また、スパッタ蒸発源については、従来のマグネトロンスパッタ蒸発源以外に、神戸製鋼技報(Vol.50No.2(Sep.2000)58頁)に示されているような「アンバランスドマグネトロンスパッタ蒸発源(以下、UBMスパッタ蒸発源という)」も利用されている。これは、神戸製鋼技報(Vol.50No.2(Sep.2000)58頁)や特開2000−119843に開示されているように、従来のマグネトロンスパッタ蒸発源にない特徴を持っている。つまり、このUBMスパッタ蒸発源は、従来のマグネトロンスパッタ蒸発源の磁場バランスを意図的に崩すことにより、イオン照射量を増大させて皮膜の特性を改善するようにしたものである。
【0010】
当然、日本機械学会(No.01−96)講習会教材(2002−1.22,36頁)に記載されているように、前記新型アーク蒸発源とUBMスパッタ蒸発源を同一の真空チャンバ内に設けた構成になる複合成膜装置も、高機能皮膜を成膜する手段として期待することができる。この従来例4に係る複合成膜装置は、例えば、その平面断面示概念図の図7(a)と、図7(a)のB−B線断面図の図7(b)に示すように構成されている。
【0011】
即ち、この複合成膜装置61は真空チャンバ62を備えており、この真空チャンバ62内の相対する内壁の内側のそれぞれに新型アーク蒸発源63が配設されている。また、これら新型アーク蒸発源63,63と90°位相を変えた真空チャンバ52内の相対する内壁の内側のそれぞれにUBMスパッタ蒸発源64が設けられている。そして、前記真空チャンバ62の底部であって、かつこの真空チャンバ62の径方向の中心位置には、この真空チャンバ62の外方位置に設けられてなるバイアス電源66から電流が供給される基板載置台65が配設されている。勿論、前記新型アーク蒸発源63、UBMスパッタ蒸発源64のそれぞれには、図示しない主磁場発生手段が設けられている。なお、前記基板載置台65の上に配設されてなるものは基板70である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、アーク蒸発源と、マグネトロンスパッタ蒸発源とを同一の真空チャンバ内に設けた構成になる複合成膜装置では、後述するような問題が生じる。
即ち、アーク蒸発源、マグネトロンスパッタ蒸発源それぞれの磁場が相互干渉する。具体的には、アークプラズマがスパッタ磁場に影響され、例えばアークモードによる成膜中にアークプラズマが偏向する。また、スパッタプラズマがアーク磁場に影響され、例えばスパッタモードによる成膜中にスパッタプラズマが偏向する。特に、新型アーク蒸発源とUBMスパッタ蒸発源とを同一の真空チャンバ内に設けた複合成膜装置の場合に、磁場の相互干渉による影響が著しい。
【0013】
そのため、アーク蒸発源とマグネトロンスパッタ蒸発源を同一の真空チャンバ内に設けた複合成膜装置の場合には、アーク方式、スパッタ方式による成膜において、下記のような問題が生じている。
▲1▼ 所望の膜厚分布の皮膜を形成させることができない。
▲2▼ 成膜速度が低下する。
▲3▼ 皮膜の膜質が低下する。(皮膜の硬度低下、結晶配向の変化)
【0014】
従って、本発明の目的は、アーク蒸発源とマグネトロンスパッタ蒸発源との磁界の相互干渉を抑制し、それぞれの蒸発源が具備する機能を十分に発揮させることにより、所望の膜厚分布および膜質の皮膜を高速度で形成させることができる複合成膜装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に係る複合成膜装置が採用した手段は、同一の真空チャンバ内にアーク蒸発源とスパッタ蒸発源とが配置され、これら2種の蒸発源を交互、または同時に放電させて前記真空チャンバ内に配置された基板の表面に皮膜を成膜する複合成膜装置において、前記アーク蒸発源またはスパッタ蒸発源の少なくとも一方に主磁場発生手段が付設されると共に、この主磁場発生手段が付設された蒸発源を成膜に使用しないときにこの主磁場発生手段が発生する磁場を弱めるための補助磁場発生手段が付設されてなることを特徴とするものである。
【0016】
本発明の請求項2に係る複合成膜装置が採用した手段は、請求項1に記載の複合成膜装置において、前記補助磁場発生手段は、電磁石であることを特徴とするものである。
【0017】
本発明の請求項3に係る複合成膜装置が採用した手段は、請求項2に記載の複合成膜装置において、前記補助磁場発生手段は、前記アーク蒸発源またはスパッタ蒸発源の後方にこれら前記アーク蒸発源またはスパッタ蒸発源と同心状に配置されたリング状の電磁石であることを特徴とするものである。
【0018】
本発明の請求項4に係る複合成膜装置が採用した手段は、請求項3に記載の複合成膜装置において、前記アーク蒸発源またはスパッタ蒸発源は、円板状であることを特徴とするものである。
【0019】
本発明の請求項5に係る複合成膜装置が採用した手段は、請求項1乃至4のうちの何れか一つの項に記載の複合成膜装置において、前記補助磁場発生手段は、前記主磁場発生手段が発生する磁場と相乗し得るように構成されてなることを特徴とするものである。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係る複合成膜装置を、下記の各添付図面を順次参照しながら説明する。図1(a)は複合成膜装置の平面断面示概念図であり、図1(b)は図1(a)のA−A線断面図である。図2(a)は新型アーク蒸発源の放電により基板の表面に皮膜を成膜する例を示す複合成膜装置の平面断面示概念図であり、図2(b)はUBMスパッタ蒸発源の放電により基板の表面に皮膜を成膜する例を示す複合成膜装置の平面断面示概念図である。また、図3(a)は新型アーク蒸発源の放電により基板の表面に皮膜を成膜する他の例を示す複合成膜装置の平面断面示概念図であり、図3(b)はUBMスパッタ蒸発源の放電により基板の表面に皮膜を成膜する他の例を示す複合成膜装置の平面断面示概念図である。
なお、これら各添付図面において、主磁場発生手段である磁石については図示省略してある。
【0021】
先ず、図1(a),(b)を参照しながら、本実施の形態1に係る複合成膜装置の構成を説明する。図に示す符号1は、複合成膜装置である。この複合成膜装置1は真空チャンバ2を備えており、この真空チャンバ2内の相対する内壁の内側のそれぞれに円板状の新型アーク蒸発源3が配設されている。また、これら新型アーク蒸発源3,3と90°位相を変えた真空チャンバ2内の相対する内壁の内側のそれぞれに円板状のUBMスパッタ蒸発源4が設けられている。なお、新型アーク蒸発源3とUBMスパッタ蒸発源4とは必ずしも90°位相でなくてもよい。また、新型アーク蒸発源3とUBMスパッタ蒸発源4は円板状に限定されず、角形であっても良い。
【0022】
そして、前記真空チャンバ2の底部であって、かつこの真空チャンバ2の径方向の中心位置には、この真空チャンバ2の外方位置に設けられてなるバイアス電源6から電流が供給される基板載置台5が配設されている。勿論、前記新型アーク蒸発源3、UBMスパッタ蒸発源4のそれぞれには、図示しない主磁場発生手段が設けられている。なお、前記基板載置台5の上に配設されてなるものは基板10である。
【0023】
さらに、前記新型アーク蒸発源3それぞれの背面側、つまり前記真空チャンバ2の外側位置に、補助磁場発生手段であるリング状の第1電磁石7が新型アーク蒸発源3と同心状に配設されている。また、前記UBMスパッタ蒸発源4それぞれの背面側である真空チャンバ2の外側位置に、補助磁場発生手段であるリング状の第2電磁石8がUBMスパッタ蒸発源4と同心状に配設されている。
【0024】
以下、本実施の形態に係る複合成膜装置1の新型アーク蒸発源3の放電、またはUBMスパッタ蒸発源4の放電によって、基板10の表面に皮膜を成膜する成膜の仕方を、図2(a),(b)、図3(a),(b)を順次参照しながら説明する。
【0025】
先ず、図2(a)を参照しながら、本実施の形態に係る複合成膜装置1の新型アーク蒸発源3の放電によって基板10の表面に皮膜を成膜する場合の例を説明する。この例の場合には、第2電磁石8,8に通電(ON)して、磁力線の向きがUBMスパッタ蒸発源4,4の電磁場と逆向きの磁場を発生させる。一方、第1電磁石7,7はOFFとし、通電しない。
【0026】
これにより、UBMスパッタ蒸発源4,4の電磁場の磁力線が相殺、または微弱化される。つまり、本実施の形態に係る複合成膜装置1によれば、新型アーク蒸発源3の電磁場が、UBMスパッタ蒸発源4,4の電磁場の影響を受けるようなことがない。従って、新型アーク蒸発源3の放電により基板10の表面に、所望の膜厚分布で、膜質が優れた皮膜を高速度で成膜することができる。
【0027】
図2(b)を参照しながら、本実施の形態に係る複合成膜装置1のUBMスパッタ蒸発源4の放電により基板10の表面に皮膜を成膜する場合の例を説明する。この例の場合には、第1電磁石7,7に通電(ON)して、磁力線の向きが新型アーク蒸発源3,3の電磁場と逆向きの磁場を発生させる。一方、第2電磁石8,8はOFFとし、通電しない。
【0028】
これにより、新型アーク蒸発源3,3の電磁場の磁力線が相殺、または微弱化される。つまり、本実施の形態に係る複合成膜装置1によれば、UBMスパッタ蒸発源4,4の電磁場が、新型アーク蒸発源3,3の電磁場の影響を受けるようなことがない。従って、UBMスパッタ蒸発源4の放電により基板10の表面に、所望の膜厚分布で、膜質が優れた皮膜を高速度で成膜することができる。
【0029】
図3(a)を参照しながら、本実施の形態に係る複合成膜装置1の新型アーク蒸発源3の放電により基板10の表面に皮膜を成膜する場合の他の例を説明する。この例の場合には、第2電磁石8,8に通電(ON)して、磁力線の向きがUBMスパッタ蒸発源4,4の電磁場と逆向きの磁場を発生させる。また、第1電磁石7,7に通電して、磁力線の向きが新型アーク蒸発源3の電磁場と同方向の磁場を発生させる。
【0030】
これにより、UBMスパッタ蒸発源4,4の電磁場の磁力線が相殺、または微弱化され、新型アーク蒸発源3の電磁場が、UBMスパッタ蒸発源4,4の電磁場の影響を受けるようなことがなくなるだけでなく、新型アーク蒸発源3の磁場が強化される。従って、プラズマ密度が増加するから、新型アーク蒸発源3の放電により特性、機能が優れた皮膜を高速度で成膜することができる。
【0031】
図3(b)を参照しながら、本実施の形態に係る複合成膜装置1のUBMスパッタ蒸発源4の放電により基板10の表面に皮膜を成膜する場合の他の例を説明する。この例の場合には、第1電磁石7,7に通電して、磁力線の向きが新型アーク蒸発源3,3の電磁場と逆向きの磁場を発生させる。また、第2電磁石8,8に通電して、磁力線の向きがUBMスパッタ蒸発源4の電磁場と同方向の磁場を発生させる。
【0032】
これにより、新型アーク蒸発源3,3の電磁場の磁力線が相殺、または微弱化され、UBMスパッタ蒸発源4,4の電磁場が、新型アーク蒸発源3,3の電磁場の影響を受けるようなことがなくなるばかりでなく、UBMスパッタ蒸発源4の磁場が強化される。従って、プラズマ密度が増加するから、UBMスパッタ蒸発源4の放電により、基板10の表面に特性、機能が優れた皮膜を高速度で成膜することができる。
【0033】
なお、新型アーク蒸発源3とUBMスパッタ蒸発源4とを同時に放電させて基板10の表面に皮膜を成膜する場合には、第1電磁石7および第2電磁石に通電する電流の向きと強さとを相互に調整する。そして、所望の皮膜特性を引き出しながら、磁場の相互干渉が最小になるように調整する必要がある。このような調整操作は、その調整モードを予め設定しておき、コンピュータ制御することが可能である。
【0034】
ところで、以上では、同一の真空チャンバ2内に新型アーク蒸発源3とUBMスパッタ蒸発源4が設けられている複合成膜装置1の場合を説明した。しかしながら、同一の真空チャンバ2内に、一般のアーク蒸発源とマグネトロンスパッタ蒸発源とが設けられている複合成膜装置に対しても、本発明の技術的思想を適用することができる。また、以上では、同一の真空チャンバ2内に一対ずつの新型アーク蒸発源3とUBMスパッタ蒸発源4が設けられている複合成膜装置1の場合を説明したが、これらは各1つずつであっても良く、これらの個数が相違していても構わない。また、新型アーク蒸発源3とUBMスパッタ蒸発源4との背面にリング状の電磁石を同心状に配置したが、永久磁石を設けると共に、開閉式のシールドを設けて、必要に応じて磁力線を遮断する構成にすることもできる。
さらに、新型アーク蒸発源3とUBMスパッタ蒸発源4との背面のそれぞれに電磁石を設けたが、何れか一方にだけ設けることもできる。従って、上記実施の形態によって、本発明の複合成膜装置の構成が限定されるものではない。
【0035】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明の請求項1乃至5に係る複合成膜装置によれば、補助磁場発生手段である電磁石に通電し、また通電を停止することにより主磁場発生手段によるアーク蒸発源、またはスパッタ蒸発源の磁場を相殺または弱めることができる。従って、アーク蒸発源、とスパッタ蒸発源との相互干渉を防止することができるから、アーク蒸発源、またはスパッタ蒸発源の放電により基板の表面に、所望の膜厚分布で、膜質が優れた皮膜を高速度で成膜することができる。
【0036】
さらに、本発明の請求項5に係る複合成膜装置によれば、補助磁場発生手段である電磁石に通電することによって主磁場発生手段によるアーク蒸発源、またはスパッタ蒸発源の磁場を相殺または弱める一方、スパッタ蒸発源、またはアーク蒸発源の磁場を強めることができる。従って、アーク蒸発源とスパッタ蒸発源との相互干渉を防止することができるのに加えて、プラズマ密度が増大するから、アーク蒸発源またはスパッタ蒸発源の放電により基板の表面に特性、機能が優れた皮膜をより一層高速度で成膜することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係り、図1(a)は複合成膜装置の平面断面示概念図、図1(b)は図1(a)のA−A線断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係り、図2(a)は新型アーク蒸発源の放電により基板の表面に皮膜を成膜する例を示す複合成膜装置の平面断面示概念図、図2(b)はUBMスパッタ蒸発源の放電により基板の表面に皮膜を成膜する例を示す複合成膜装置の平面断面示概念図である。
【図3】本発明の実施例に係り、図3(a)は新型アーク蒸発源の放電により基板の表面に皮膜を成膜する他の例を示す複合成膜装置の平面断面示概念図、図3(b)はUBMスパッタ蒸発源の放電により基板の表面に皮膜を成膜する他の例を示す複合成膜装置の平面断面示概念図である。
【図4】従来例1に係る複合成膜装置の側面断面示概念図である。
【図5】従来例2に係る複合成膜装置の側面断面示概念図である。
【図6】従来例3に係る新型アーク蒸発源を備えた真空蒸着装置の概略構成図である。
【図7】新型アーク蒸発源とUBMスパッタ蒸発源を備えた従来例4に係り、図7(a)は複合成膜装置の平面断面示概念図であり、図7(b)は図7(a)のB−B線断面図である。
【符号の説明】
1…複合成膜装置
2…真空チャンバ
3…新型アーク蒸発源
4…UBMスパッタ蒸発源
5…基板載置台
6…バイアス電源
7…第1電磁石
8…第2電磁石
10…基板
Claims (5)
- 同一の真空チャンバ内にアーク蒸発源とスパッタ蒸発源とが配置され、これら2種の蒸発源を交互、または同時に放電させて前記真空チャンバ内に配置された基板の表面に皮膜を成膜する複合成膜装置において、前記アーク蒸発源またはスパッタ蒸発源の少なくとも一方に主磁場発生手段が付設されると共に、この主磁場発生手段が付設された蒸発源を成膜に使用しないときにこの主磁場発生手段が発生する磁場を弱めるための補助磁場発生手段が付設されてなることを特徴とする複合成膜装置。
- 前記補助磁場発生手段は、電磁石であることを特徴とする請求項1に記載の複合成膜装置。
- 前記補助磁場発生手段は、前記アーク蒸発源またはスパッタ蒸発源の後方にこれら前記アーク蒸発源またはスパッタ蒸発源と同心状に配置されたリング状の電磁石であることを特徴とする請求項2に記載の複合成膜装置。
- 前記アーク蒸発源またはスパッタ蒸発源は、円板状であることを特徴とする請求項3に記載の複合成膜装置。
- 前記補助磁場発生手段は、前記主磁場発生手段が発生する磁場と相乗し得るように構成されてなることを特徴とする請求項1乃至4のうちの何れか一つの項に記載の複合成膜装置。
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