JPH0680187B2 - マグネトロンスパツタ装置の磁場調節方法 - Google Patents

マグネトロンスパツタ装置の磁場調節方法

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JPH0680187B2
JPH0680187B2 JP62034543A JP3454387A JPH0680187B2 JP H0680187 B2 JPH0680187 B2 JP H0680187B2 JP 62034543 A JP62034543 A JP 62034543A JP 3454387 A JP3454387 A JP 3454387A JP H0680187 B2 JPH0680187 B2 JP H0680187B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、ターゲット材の局所的なエロージョンの発
生を抑えて、長寿命化を図ったマグネトロンスパッタ装
置の磁場調節方法に関するものである。
〔従来の技術〕
従来のマグネトロンスパッタ装置を第11図によって説明
する。この図において、1は強磁性体からなるターゲッ
ト材で、この裏面に内側磁極2と、これを取り囲むよう
に、これと反対の極性を持つ外側磁極3とが配置されて
いる。前記ターゲット材1は通常、銅やステンレスの非
磁性材のバッキングプレート上に貼り付けて使われる
が、本明細書では、前記バッキングプレートは磁界の分
布に影響を与えることはないので省略して描かれてい
る。4はコイルで、これに電流を流すことにより内側磁
極2を励磁するものである。なお、各磁極2,3は電磁石
に代えて永久磁石を用いてもよい。これらの各部は真空
容器中に収容されている。
使用にあたっては、コイル4に励磁電流を流し、ターゲ
ット材1に図示矢印方向の磁界を与えながら、例えば、
Arイオンでターゲット材1をたたき、スパッタを被加工
物(図示せず)に施すものである。
第12図は従来のマグネトロンスパッタ装置の他の例であ
り、第11図のものが長方形であるのに対し、円形である
点で相違する。
さて、第11図,第12図において、内側,外側磁極2,3に
よる漏洩磁界のうち、ターゲット材1に平行な成分でタ
ーゲット材1の表面から飛び出した電子を捕獲し、それ
によってガス分子のイオン化を促進させることにより高
速スパッタリングを可能にしている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
このような従来のマグネトロンスパッタ装置では、ター
ゲット材1の表面付近で捕獲された電子は第11図の矢印
で示した半円弧状の磁場のドーム内に閉じ込められ、ド
ームに沿って運動する。したがって、ターゲット材1の
表面でのスパッタの施され方の程度はターゲット材1の
上面での磁界の水平分布のみならず垂直成分の分布によ
っても左右される。
第13図(a),(b)はターゲット材1が強磁性体(例
えば鉄,コバルト等)の場合のターゲット材1の上面
(第11図のA-B線上)での磁場の水平および垂直成分を
それぞれ示す。
また、第14図は、第11図のA-B間のターゲット材1のエ
ロージョンの様子を示す断面図である。この図からわか
るように、エロージョンの部分は局所的に進行し、ター
ゲット材1の寿命を著しく縮めるという問題点があっ
た。
この解決方法の一つとして、ターゲット材1に数多くの
縦溝を設けること(GTターゲット:日本金属学会報第25
巻第6号P562,1986参照)によって、ターゲット材1の
全面に水平磁場を発生させることが提案されているが、
ターゲット材1の加工が容易でないという欠点があっ
た。
本発明者はエロージョンが進行する場所は、磁場の水平
成分の強度の分布とは直接的には関係なく、磁場の垂直
成分の極性の変化する位置、つまり垂直成分が零になる
点とよく対応することを見出した。
これは、第11図において電子がターゲット材1の面上に
おいてドーム状磁界内に沿って運動すると同時に、垂直
磁場の勾配が存在する方向に対しても周期的な運動をし
ており、垂直成分が零になる点付近で前記電子の濃度が
高くなるためと考えられる。また、ターゲット材1のエ
ロージョンが起こると第13図(b)に示すように漏れ磁
場が大きくなり、その場所での垂直磁場の勾配も大きく
なるため局所的なエロージョンがさらに進行する。
この発明は、上記の欠点を解決するためになされたもの
で、エロージョンの発生を可及的に防止し、ターゲット
材の寿命を長くし、また、ターゲット面でスパッターさ
れる領域が広がることからサブストレート上に成膜され
た膜の厚さや物性値が均一化するといった長所をもつマ
グネトロンスパッタ装置の磁場調節方法を提供すること
を目的とする。
〔問題点を解決するための手段〕
この発明にかかるマグネトロンスパッタ装置の磁場調節
方法は、ターゲット材の裏側の前記両磁極間に強磁性体
を配置し、この強磁性体の長さならびに磁化の強さおよ
びターゲット材との間隔を調整することにより前記両磁
極からの漏れ磁場の前記ターゲット材に垂直な成分の磁
場の強さを前記ターゲット材の水平位置に対する関数と
し、その勾配を前記ターゲット材の外部において前記両
磁極間中央部では減少させて前記関数の値を所定範囲に
亘って零近傍とし、かつ前記両磁極に近い部分ではそれ
ぞれ前記関数の勾配を大きく前記関数の値を大きくする
構成としたものである。
〔作用〕
この発明においては、ターゲット材の外部において、前
記磁極間中央部の垂直磁場の強度およびその勾配が減少
し、なおかつ前記磁場に近い部分では前記垂直磁場の勾
配が増大するため、スパッタ時においてマグネトロンモ
ードが安定に保たれ局所的なエロージョンが防止され
る。
〔実施例〕
第1図はこの発明の一実施例を示すもので、第11図のA-
Bの部分に相当する断面図である。この図において、符
号1〜4は第11図と同じであり、5はこの発明により配
置された板状の永久磁石である。すなわち、例えば前記
ターゲット材1の磁化された方向と同一方向磁化された
フェライト,希土磁石等の永久磁石5を内側磁極2と外
側磁極3の間で、かつターゲット材1の裏側に配置す
る。
次に、作用について説明する。
永久磁石5は両磁極2,3の作る磁界によって発生してい
るターゲット材1の中の磁化の向きと同一方向を持ち、
永久磁石5がターゲット材1の上面において、前記両磁
極間中央部で水平磁場と垂直磁場の勾配を減少させるよ
うに作用する。また、両磁極の上部付近では前記永久磁
石5による磁界の影響は小さいので、その結果、両磁極
付近の垂直磁場の勾配は増大する。
永久磁石5はターゲット材1の上面の磁場を打ち消す磁
石の働きをし、ターゲット材1のエロージョンが進行
し、ターゲット材1上の漏れ磁場が大きくなると、永久
磁石5の磁化の強さが大きくなり、ターゲット材1上の
漏れ磁場が大きくなるのを防止し、エロージョンが局所
的に大きくなるのを防ぐ作用を有する。
第2図(a),(b)は、第1図の実施例のA-B間にお
ける磁場の水平成分および垂直成分を示す図である。ま
た、第3図は、第1図のA-B部分でのエロージョンの様
子を示すものである。
第3図に示されるように、従来のマグネトロンスパッタ
装置でスパッタを行った場合に見られるV字形のエロー
ジョンは見られず、エロージョンは広範囲にわたって比
較的均一に起こっている。永久磁石5は通常のマグネト
ロンスパッタ装置に簡単に取り付けることができ、ま
た、ターゲット材1のエロージョンの領域が広がったこ
とにより成膜された膜厚もより均一となる。
上記における永久磁石5は、マグネトロンの両磁極2,3
間距離の20〜80%、より好ましくは40〜60%の幅があれ
ばよい。また、永久磁石5としては板状に限らず棒状の
ものを並置しても同様の効果が得られる。
第4図はこの発明の他の実施例を示すものである。この
図で、6は非磁性材料からなるバックプレートで、この
バックプレート6の下面側に永久磁石5を埋め込んだも
のである。
第5図の実施例はバックプレート6の上面側に埋め込ん
だものであり、さらに第6図の実施例はバックプレート
6の下面に取り付けたものである。
この他、第7図に示すようにターゲット材1の下面側に
埋め込むようにすることもできる。
上記の各実施例はいずれも永久磁石5をその磁化の方向
がターゲット材1に平行な場合であったが、これは垂直
であってもよい。このような場合の実施例を第8図に示
す。
この実施例では、永久磁石5が垂直に設けられており、
これによって磁極2,3によってターゲット材1内の磁束
を打ち消すようになる。
第9図は、第8図に示す永久磁石5を複数個、かつター
ゲット材1からの距離を変化させて配置したものであ
り、両磁極間中央部の垂直磁場の勾配を滑らかに減少さ
せ、かつ両磁極付近では増大させるのに有効である。
第10図(a),(b)は、第8図の実施例のA-B間にお
ける磁場の水平成分および垂直成分を示す図である。こ
の図で、曲線(a)は理想的成分を示し、曲線(b)は
この発明による磁石分布を示す。ただし、ターゲット材
1上において前記磁極間中央部での磁場の垂直成分の勾
配を減少させ、かつ両磁極付近では増大させるために、
永久磁石5の磁化の強さ,または永久磁石5の上面とタ
ーゲット材1間の距離を適当に選ぶものとする。
さて、永久磁石5の磁化が強いと第10図(b)の曲線
(b)に示されるように、永久磁石5の真上付近で垂直
磁場の勾配が部分的に逆転することがある。第10図
(b)の曲線(a)で示す垂直磁場分布が理想である
が、しかし、部分的な逆転があっても第13図の(b)の
従来例のように両磁極間中央部ではなく、両磁極に近い
部分でそれぞれ垂直磁場の勾配が十分小さければこの発
明の目的は達成される。
上記においては、内側磁極2と外側磁極3からの漏れ磁
場のターゲット材1に垂直な成分の勾配をターゲット材
1の外部において前記両磁極間の中央部で減少させ、な
おかつ両磁極付近で増大させるための手段として永久磁
石5を用いたが、これは強磁性体であればよく、両磁極
2,3が作る磁界で容易に強く磁化する軟磁性体,あるい
は永久磁石5と同効の磁場を発生する電磁石を採用する
こともできる。
また、この発明は、強磁性体のターゲット材に特に有効
であるが、非磁性体のターゲット材の場合にもエロージ
ョン領域を拡大することができる。
〔発明の効果〕
この発明は以上説明したように、ターゲット材の裏側の
前記両磁極間に強磁性体を配置し、この強磁性体の長さ
ならびに磁化の強さおよびターゲット材との間隔を調整
することにより前記両磁極からの漏れ磁場の前記ターゲ
ット材に垂直な成分の磁場の強さを前記ターゲット材の
水平位置に対する関数とし、その勾配を前記ターゲット
材の外部において前記両磁極間中央部では減少させて前
記関数の値を所定範囲に亘って零近傍とし、かつ前記両
磁極に近い部分ではそれぞれ前記関数の勾配を大きく前
記関数の値を大きくするようにしたので、きわめて簡単
な構成によって、ターゲット材の垂直磁場の勾配が下が
り、かつ垂直磁場が零に近い範囲がターゲット材上で広
くとれ、電子濃度の分散が図れ、かつ前記両磁極間の近
くでは前記垂直磁場の勾配が大きくなるために電子のタ
ーゲット上面から逸脱も防げるので、マグネトロンモー
ドが安定に保たれターゲット材のエロージョンが均一に
行われ、ターゲット材の長寿命化が図れるとともに、良
質のスパッタリングを行うことができる利点がある。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例を示す要部の断面図、第2
図(a),(b)は、第1図の実施例のA-B間における
磁場の水平成分および垂直成分を示す図、第3図は、第
1図のA-B部分でのターゲット材のエロージョンの様子
を示す図、第4図〜第9図はいずれもこの発明の他の実
施例を示す要部の断面図、第10図(a),(b)は、第
8図の実施例のA-B間における磁場の水平成分および垂
直成分を示す図、第11図,第12図は従来のマグネトロン
スパッタ装置の一例を示す要部の斜視図、第13図
(a),(b)は、第11図のA-B部分での磁場の水平成
分および垂直成分を示す図、第14図は、第11図のA-B間
のターゲット材のエロージョンの様子を示す図である。 図中、1はターゲット材、2は内側磁極、3は外側磁
極、4はコイル、5は永久磁石、6はバックプレートで
ある。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】内側磁極と、この内側磁極を取り囲んだ反
    対の極性を持つ外側磁極と、これら両磁極上にまたがっ
    て配置されたターゲット材とを有するプレーナマグネト
    ロンスパッタ装置における磁場調節方法であって、前記
    ターゲット材の裏側の前記両磁極間に強磁性体を配置
    し、この強磁性体の長さならびに磁化の強さおよびター
    ゲット材との間隔を調整することにより前記両磁極から
    の漏れ磁場の前記ターゲット材に垂直な成分の磁場の強
    さを前記ターゲット材の水平位置に対する関数とし、そ
    の勾配を前記ターゲット材の外部において前記両磁極間
    中央部では減少させて前記関数の値を所定範囲に亘って
    零近傍とし、かつ前記両磁極に近い部分でそれぞれ前記
    関数の勾配を大きく前記関数の値を大きくすることを特
    徴とするマグネトロンスパッタ装置の磁場調節方法。
JP62034543A 1986-08-26 1987-02-19 マグネトロンスパツタ装置の磁場調節方法 Expired - Lifetime JPH0680187B2 (ja)

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