JP3726398B2 - 半導体装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体装置に係り、特に、光情報処理や光通信、あるいは光を用いた画像形成装置の光源として利用される面発光型半導体レーザ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光交換あるいは光情報処理などの分野に用いるために、面発光レーザ(VCSEL:Vertical Cavity Surface Emitting Laser)を2次元集積化した面発光レーザアレイが必要とされており、更にはその面発光レーザの大規模化すなわち発光点の多数化が望まれている。
しかし、そのレーザを独立駆動させるためには、発光点が増えるにつれて電極配線も増加し、各発光点が近接している場合現実的な配線設計は不可能もしくは難しくなる。発光点がM×N個でn側を共通電極とした場合、p側の電極配線は、M×N本必要となり、さらにn側は共通電極パッドが1つあればよいが、p側にはM×N個の電極パッドが必要となる。例えば、100×100個の発光点をもつ独立駆動型面発光レーザアレイでは、p側電極配線は1万本となり、p側電極パッドも1万個必要となる。これは、発光点間の配線数および電極パッドに必要な面積が増加すること、すなわち配線密度および電極パッド面積が増加し、作製が難しくなること、コストが増加することなどの大きな問題を引き起こすことになる。
【0003】
そこで、面発光レーザはアレイをマトリックス駆動する方法が検討され、アール・エー・モルガン(R.A.Morgan)らによって10×10個の発光点をもつマトリックス駆動型面発光レーザアレイ(IEEE.PHOTONICS.TECHNOLOGY.LETTERS,VOL.6、pp.913ー917、1994)が、エム・オレンスタイン(M.Orenstein)らによって32×32個の発光点をもつマトリックス駆動型面発光レーザアレイ(ELECTRONICS.LETTERS,VOL.27、pp.437ー438、1991、およびU.S.P.5031187)が報告されている。
【0004】
マトリックス駆動型面発光レーザアレイでは、発光点がM×N個であっても、配線数はM+N本、電極パッドはM+N個だけあればよい。例えば、上記32×32個の発光点をもつ面発光レーザアレイを独立駆動型とした場合、配線数、電極パッド共に1024(32×32)本/個必要であるのに対して、マトリックス駆動型面発光レーザアレイでは64(32+32)の配線および電極パッド数で足りることになる。そして発光点数が増加する程この差異は顕著となる。以上説明してきたように、マトリックス駆動型においては配線密度および電極パッドに必要な面積の増加は独立駆動型面発光レーザアレイに比べて著しく少ない。
【0005】
エム・オレンスタインらによって報告されている32×32個の発光点をもつマトリックス駆動型面発光レーザアレイでは、図14にそのレーザ構造を3×3個分だけ抜き出して示すように、まず、分子線エピタキシー技術を用いて、半絶縁性のガリウムヒ素(GaAs)基板51上に、 n+型のGaAsからなる下部クラッド層52と、この下部クラッド層52上に形成されたそれぞれの膜厚が媒質内波長の1/4であるAlAsとGaAsとを交互に積層した総膜厚数μmのn側多層反射膜53と、In0.2Ga0.8Asで構成された量子井戸3層をGaAs10nmで挟んだ構造をもつ媒質内波長の膜厚をもつアンドープ活性領域54と、それぞれの膜厚が媒質内波長の1/4であるAlAsとGaAsとを交互に積層した総膜厚数μmのp側多層反射膜55とを順次成長させる。なお、ドーパントにはSi,Beをそれぞれn型、p型用に用いている。次に,n側配線の分離のためにリアクティブイオンエッチング技術を用いて、図中56に示す配線分離用溝を作成し、縦方向に32本の行を設ける。溝の深さは下部クラッド層52を貫通して半絶縁性のGaAs基板51に達しているがこれは各コラムの電気的分離を行うためである。溝はポリイミドを用いて埋められ、次にフォトリソ工程と金属蒸着技術により、横方向に32本の列すなわちp側多層反射膜55の上面に32本のp側金属配線57を設ける。各列はプロトンを活性領域54までインプランテーション(図示せず)することにより電気的に分離されている。各行の手前端は n+GaAs52が表面に出る様にエッチングされ、その上面に電極パッド58が設けられている。また、各列の右端にもp側金属(Au)配線57上面に電極パッド59が設けられている。i列j行面の発光点(ij)を発光させる場合には,i列の電極パッドとj列の電極パッドとを通して発光点(ij)のレーザに必要な電流を注入し、他の配線をオープンにすればよい。なお、このレーザは基板下面から光が出射する構造となっている。
【0006】
このように、両電極を基板の一方の面側に配設したマトリックス駆動型の面発光レーザでは、下側になる各配線間の電気的分離を行う必要があり、そのために半絶縁性のGaAs基板を用いている。
【0007】
しかしながら、半絶縁性のGaAs基板は、導電性のGaAs基板に比べて転位が多く存在する。現在もっともエッチピット密度(EPD:転位に対応するピット)が少ないGaAs基板であっても、半絶縁性GaAs基板では約1500/cm2のEPDが含まれ、一方シリコンドープのGaAs基板では 約50/cm2のEPDしか存在しない。 シリコンドープ基板を代表とする導電型基板と比較して、半絶縁性基板に転位が多く含まれているのはGaAs基板に限ったことではなく、InP基板などの化合物半導体基板全般に共通の現象である。
【0008】
半導体レーザの寿命劣化の大きな要因の一つは、基板にある転位が、結晶成長時に、基板上に成長するエピタキシャル層に伝搬していくことによることもよく知られている。従って、半絶縁性基板上に形成された半導体レーザは、導電性基板上に形成された半導体レーザに比べると、転位の影響を受け寿命劣化や特性劣化を引き起こす確率が高く、歩留まり低下、コスト高などの問題を発生させる。
【0009】
このように、半導体レーザにおいては、基板の転位に起因する寿命劣化や特性劣化が深刻な問題となっているが、この問題は半導体レーザのみならずGaAsIC、フォトディテクタ、FETなどにも同様であった。また、マトリックス駆動型面発光レーザアレイや、GaAsIC,FETなどの光・電気素子を集積化したオプトエレクトロニクス素子にも、素子間の絶縁のために半絶縁性基板を使用することが多い。すなわち、半絶縁性基板を必要としているデバイスは多くあるが、その半絶縁性基板はデバイス特性を低下させる原因となる転位が多いという問題があった。
【0010】
そこでこの問題を解決すべく、転位の少ない導電性化合物半導体基板上に高抵抗の化合物半導体結晶成長層を形成し、転位の少ない半絶縁性結晶基板として用いる方法が提案されている(特開昭60−211912、特公平3−236218)。
【0011】
特開昭60−211912では、EPDが 500/cm2以下のシリコンドープのGaAs基板上に、有機金属気相成長法を用いてバナジウムドープのGaAs層を50μm成長している。原料ガスとしてはGa(CH3)3、AsH3、 VO(OC25)3を用い、H2をキャリアガスとして、 700℃で成長を行っている。その結果エピタキシャル層のEPDは基板のEPDより低く、比抵抗5×107Ω・cm以上で、 低転位の半絶縁性基板として、デバイスへの使用に十分耐え得るものであると記載されている。また、いおうドープInP基板上に鉄ドープInPエピタキシャル層を成長させ、比抵抗10×107Ω・cm以上を得ることが出来たとされている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来、転位の少ない半絶縁性基板として導電性基板上に半絶縁性エピタキシャル層を用いる方法が提案されているが、この半絶縁性エピタキシャル層の比抵抗は、10×107Ω・cm程度である。
しかしながら、前述したようなマトリックス駆動型面発光半導体レーザ装置を、このように導電性基板上に半絶縁性エピタキシャル成長層を介して形成した場合、各電極間の絶縁が十分ではないという問題がある。
【0013】
例えば、図14に示したマトリックス駆動型半導体レーザアレイにおいては、行方向すなわちn側配線の分離を半絶縁性エピタキシャル層に分離溝を設けることによっておこなった場合、各n側配線間の電気的分離を十分にするためには半絶縁性エピタキシャル層を厚くし抵抗を高める必要がある。例えば、図15に示すようにn側の配線と絶縁分離のための溝を形成し抵抗値を計算してみる。すなわち基板としてシリコンドープのGaAs基板61を用い、バナジウムドープの半絶縁性エピタキシャル層62を形成し、配線分離のための溝63を形成する。そしてその上にn側配線のための電極64を形成する。この時、電極の面積は100μm×100mmで、バナジウムドープ半絶縁性エピタキシャル成長層の膜厚は1μmとする。金属とエピタキシャル層界面にあるコンタクト抵抗と、シリコンドープGaAs基板の内部抵抗を除いた、バナジウムドープ半絶縁性エピタキシャル層の内部抵抗は、(バナジウムドープ半絶縁性エピタキシャル層の比抵抗:10×107Ω・cm )×(距離すなわちバナジウムドープ半絶縁性エピタキシャル層の厚み:1μm×2)÷(n側配線のための電極面積:100μm×100mm)で求められ、20kΩとなる。この抵抗値を大きくするためには、同じ材料の場合バナジウムドープ半絶縁性エピタキシャル層の膜厚を厚くする必要があるが10μmとしても抵抗値は200kΩにしかならず、また実際の結晶成長は分子線エピタキシー法や有機金属気相成長法を用いるがこれらの方法では10μmの膜厚を得ることは、成長時間、コストの面からも現実的ではない。なお、金属とエピタキシャル層界面にあるコンタクト抵抗は条件によっては問題となるが、シリコンドープのGaAs基板の内部抵抗はバナジウムドープ半絶縁性エピタキシャル層の内部抵抗に比べ著しく小さく無視することができる。
【0014】
また、厚いバナジウムドープ半絶縁性エピタキシャル層を用いる場合は、この厚さに応じて深い溝を形成する必要があり、この溝形成のためのエッチング工程では多大な時間を要する上、サイドエッチも増大し、微細なパターンを形成することが出来ないという問題がある。
【0015】
本発明は前記実情に鑑みてなされたもので、長寿命かつ高精度で信頼性の高い半導体装置を提供することを目的とする。
【0016】
またさらに、マトリックス駆動型面発光半導体レーザ装置を提供することを目的とする。
【0017】
そこで本発明では、半導体層特にGaAs半導体でpn接合を形成し逆バイアスをかけたときに高抵抗となることに着目してなされたもので、半絶縁性GaAs基板に比べて転位密度を低くすることのできる導電性のGaAs基板、特にシリコンドープのGaAs基板上にAlxGa1-xAs層(x:0≦x≦1)を結晶成長し、この上層に半導体レーザ素子を形成するに際し、基板とレーザ発光領域との間にpn接合を形成し、このpn接合により、基板との絶縁分離を行うようにしたことを特徴とする。
【0018】
すなわち、本発明における半導体装置の第1では、第1導電型の半導体基板と、前記第1導電型の半導体基板上に配設された複数の半導体素子と、前記半導体素子が配設された複数の島領域を前記第1導電型の半導体基板に形成する分離溝と、前記第1導電型の半導体基板と前記半導体素子との間に配設された接合障壁とを具備し、前記接合障壁は、第1導電型の半導体層と第2導電型の半導体層とからなる複数のpn接合を積層した積層膜であり、前記分離溝を隔てて配設されていることを特徴とする。
【0019】
そして、前記接合障壁は、前記分離溝を隔てて隣接する前記半導体素子のp電極間またはn電極間に電位差が生じると逆バイアスとなることを特徴とする。
【0020】
好ましくは、前記積層膜は、AlxGa1-xAs層(x:0≦x≦1)で構成されている。
【0021】
また、前記島領域は、ストライプ状に形成されていることを特徴とする。
【0022】
また、好ましくは、前記複数の半導体素子は、前記各島領域に一つづつ配設されていることを特徴とする。
【0023】
次に、本発明に係る半導体装置の第2では、第1導電型の半導体基板と、前記第1導電型の半導体基板上に配設された接合障壁と、前記接合障壁上に、下部半導体多層反射膜と、下部スぺーサ層と、活性層と、上部スペーサ層と、上部半導体多層反射膜とを積層して形成された複数の面発光型半導体レーザ素子と、前記面発光型半導体レーザ素子が配設された複数の島領域を前記第1導電型の半導体基板に形成する分離溝とを具備し、前記接合障壁は、第1導電型の半導体層と第2導電型の半導体層とからなる複数のpn接合を積層した積層膜であり、前記分離溝を隔てて配設され、前記面発光型半導体レーザ素子は、マトリックス状に配列されていることを特徴とする。
【0024】
また、前記面発光型半導体レーザ素子は、電流狭窄構造であることを特徴とする。
【0026】
ところで絶縁膜の上にエピタキシャル成長を行うのは困難であり、欠陥を生起しやすいという問題もあるが、かかる構成によれば、絶縁膜を介在させることなく順次エピタキシャル成長層を形成する際にpn接合障壁を形成するように半導体層を形成するのみでよいため、成膜時には絶縁膜に関係なく膜質の良好なエピタキシャル成長層を形成することができ、特性の大幅な向上と、素子の薄型化および高精度化をはかることが可能となる。
【0027】
特に、半導体基板として、より転位の少ないシリコンドープの半導体基板を用いることにより、信頼性の高い半導体装置を得ることが可能となる。
【0028】
また前記pn接合障壁は、障壁が高いAlxGa1-xAs層(x:0≦x≦1)で構成することにより、より絶縁性を高めることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
すなわち、この半導体装置の一例として、図1に概念図を示すように、シリコンドープのGaAs基板1上に、AlGaAs層またはGaAs層で構成する少なくとも1組のp型半導体およびn型半導体の積層膜2、この上層にGaAs層等からなる半導体素子形成層3、配線のための電極4が形成されており、これらは溝5を隔ててストライプ状をなすように配列されている。
【0030】
また本発明の構造を用いた半導体装置の製造方法としては、例えば分子線エピタキシー法によって、シリコンドープのGaAs基板1上に、膜厚0.1μm、キャリア濃度1×1018cm-3のp型GaAs層と膜厚0.1μm、キャリア濃度1×1018cm-3のn型GaAs層とを積層したものを5組積層した、計1μmの積層膜2と、GaAs層などの半導体層3を積層する。ここで配線のための電極4は,半導体層3を積層したのちに蒸着し、分離溝5形成時に同時にエッチングするようにしてもよい。また、熱処理後に溝をポリイミドなどの絶縁膜で埋めて平坦化した後に電極形成用の導体層を形成し、改めて配線のパターニングを行うようにしてもよい。
【0031】
一方、分離溝5を隔てて隣接する両電極4間の抵抗のうち、金属とエピタキシャル層界面にあるコンタクト抵抗とシリコンドープGaAs基板の内部抵抗を用いた電極間の抵抗は、理想的には次のように考えれられる。両電極4間に電位差が生じた場合、逆バイアスとなるpn接合面は5組づつ計10組発生し、各pn接合面では0.5Vの逆バイアスがかかるが、この程度でブレークダウンが発生せず、抵抗は非常に大きくなる。抵抗を「接合面の逆デバイス電位差(0.5V)÷(飽和電流Js×接合面の面積:この場合100μm×100μmとする)」から求めると、1015Ωを越える高抵抗となる。ここで,Jsはq×(Dp×pn0/Lp+Dn×np0/Ln)から求めた。ここでqは素電荷,Dは拡散係数で[ボルツマン定数×絶対温度×移動度÷素電荷]で求めたもの、Lは拡散長で[(拡散常数と小数キャリアのライフタイム)の平方根]で求めたもの、pn0とnp0は平衡状態の小数キャリア濃度で[イントリンジックなGaAsのキャリア濃度の二乗を多数キャリア濃度で割ったもの]より求めた値を使用した。なお、イントリンジックなGaAsのキャリア濃度は106cm-3を、移動度はn型GaAsでは1000cm2-1-1、p型GaAsでは100cm2-1-1を、ライフタイムは10-8sを用いた。
【0032】
すなわち、一組のpn接合で1015オームの抵抗が得られ、また複数のpn接合があれば更に高抵抗を実現することができる。このようにして本発明によれば上層に形成する半導体層の組成をそこなうことなく、隣接する2つのn側電極4間の電気抵抗を著しく大きくすることができ、極めて高抵抗の絶縁分離を行うことが可能となる。
【0033】
る。
【0034】
以下、本発明の実施例について、図面を参照しつつ説明する。
【0035】
図2は、本発明の第1の実施例のマトリックス駆動型面発光レーザ装置を示す平面図、図3および図4はそれぞれ図2のAーB断面説明図、CーD断面説明図であり、この断面説明図は、1素子周辺を拡大している。なお図2は、見易くするためにp型電極(点線)形成前の状態を示すものとする。
【0036】
このマトリックス駆動型面発光レーザ装置は、シリコンドープのn型ガリウムヒ素(GaAs)基板21上に形成された0.2μm程度の薄いアンドープのGaAsバッファ層22と、膜厚0.1μm、キャリア濃度1×1018cm-3のp型GaAs層と膜厚0.1μm、キャリア濃度1×1018cm-3のn型GaAs層とを積層したものを5組、計1μm積層した積層障壁膜23、1×1019cm-3のシリコンドープn−GaAsコンタクト層24を積層した後、更にこの上層に、Al0.9Ga0.1AsとGaAsとをそれぞれの膜厚が媒質内波長の1/4となるように交互に積層した総膜厚約2μm、1×1018cm-3のシリコンドープn型多層反射膜25と、In0.2Ga0.8Asで構成された量子井戸層3層を膜厚10nmのGaAs層で挟んだ構造をもつ媒質内波長の膜厚をもつアンドープ活性領域26と、Al0.9Ga0.1AsとGaAsとをそれぞれの膜厚が媒質内波長の1/4となるように交互に積層した総膜厚約2μm、1×1018cm-3のマグネシウムドープのp型多層反射膜27とで構成され、この上層にAuからなるp側電極31が形成された半導体柱が形成されている。またこの半導体柱の相対向する2辺から所定の間隔を隔てた位置にこれらの2辺に沿ってストライプ状の分離溝29が形成されている。そしてこの分離溝29に囲まれた領域に露呈するシリコンドープn−GaAsコンタクト層24上にAuGe層からなるn側電極28が形成され、半導体柱内にそれぞれ1次元レーザアレイが形成せしめられていることを特徴とする。さらにこのアレイの各素子間は、積層障壁膜23まで到達するように形成されたプロトン打ち込み領域30によって絶縁分離されている。次にこのマトリックス駆動型面発光半導体レーザアレイの製造工程について説明する。
【0037】
まず、図5に示すように、有機金属気相成長(MOCVD)法により、シリコンドープのn型GaAs(100)基板21上に、0.2μm程度のGaAsバッファ層22と、膜厚0.1μm、キャリア濃度1×1018cm-3のp型GaAs層と膜厚0.1μm、キャリア濃度1×1018cm-3のn型GaAs層とを積層したものを5組、計1μm積層した積層障壁膜23、1×1019cm-3のシリコンドープn−GaAsコンタクト層24を積層する。そして、さらにこの上層に、Al0.9Ga0.1AsとGaAsとをそれぞれの膜厚が媒質内波長の1/4となるように交互に積層した総膜厚約2μm、1×1018cm-3のシリコンドープn型多層反射膜25と、In0.2Ga0.8Asで構成された量子井戸層3層を膜厚10nmのGaAs層で挟んだ構造をもつ媒質内波長の膜厚をもつアンドープ活性領域26と、Al0.9Ga0.1AsとGaAsとをそれぞれの膜厚が媒質内波長の1/4となるように交互に積層した総膜厚約2μm、1×1018cm-3のマグネシウムドープのp型多層反射膜27とを順次積層する。そしてこのp型多層反射膜27の最上層はGaAs層とし1×1019cm-3のドーピングを施す。ここで原料ガスとしては、トリメチルガリウム、トリメチルアルミニウム、トリメチルインジウム、ドーパント材料としてはシクロペンタジニウムマグネシウム、シランを用い、成長時の基板温度は700℃とし、真空を破ることなく、原料ガスを順次変化し、連続して成膜をおこなった。
【0038】
続いて図6に示すように、フォトリソグラフィーにより結晶成長層上にレジストマスクRを形成し、四塩化炭素をエッチングガスとして用いた、反応性イオンエッチングにより、n型GaAsコンタクト層24の表面若しくはこのn型GaAsコンタクト層24の途中までエッチングし、幅30μm程度のストライプ状の半導体柱sを形成する。
【0039】
この後、図7に示すように 、H2SO4:H22:H2Oの比率が1:1:10のエッチング液によりさらに2μmだけ細くなるように側面からエッチングを行う。
【0040】
そして、図8に示すようにレジストマスクを残したまま、上方からエレクトロンビーム法によりn型GaAsコンタクト層24上にn型電極28としてAuGe層を蒸着する。そしてリフトオフにより、n型GaAsコンタクト層24上のAuGe層を残して他の領域のAuGe層をレジストと共に剥離する。
【0041】
続いて、図9に示すようにフォーカスドイオンビーム法を用いて、各半導体柱S中の間中央で、GaAs基板21に到達する深さまで、このストライプに沿って幅2μmの溝29を形成する。
【0042】
この後、図10に示すように、ポリイミド膜30を塗布し、半導体柱の周りを埋め、表面の平坦化をはかった後、この上層にAu層31を蒸着し、前記n側電極とは直交する方向に伸長するストライプ状のp側電極を形成する。
【0043】
このようにして図2乃至4に示したマトリックス駆動型面発光レーザアレイが完成する。 この装置ではn側電極配線はp型GaAs層とn型GaAs層とを積層した積層障壁膜23で電気的に分離されており、高密度化に際しても、クロストークのおそれはない。またこのように転位が少なく信頼性の高いシリコンドープのGaAs基板上で十分な絶縁分離をはかりつつ、高密度に集積化された2次元のレーザアレイを構成しており、特性の劣化もなく十分な信頼性を発揮する
ことができる。
【0044】
なお、この例ではマトリックス駆動型面発光レーザアレイについて説明したが、トランジスタなどの駆動回路をも同様にこの基板上に形成するのも容易であり、またレーザ素子に限定されることなくGaAsIC、フォトディテクタ、FETなど、駆動回路と光電気素子を集積化したオプトエレクトロニクス素子などにも適用可能である。
【0045】
また、前記実施例ではpn接合を10層の積層膜で構成したが、1組の積層膜でもよいし、また、バッファ層あるいは半導体基板との間でpn接合を形成するように、1層の半導体層を形成するようにしてもよい。また、この半導体層がコンタクト層を兼ねるようにしてもよいことはいうまでもない。本発明の第2の実施例として、図11に示すように、バッファ層をp型GaAs層32で構成し、このバッファ層とコンタクト層24との間に逆方向のpn接合を形成するようにしてもよい。他の構造については前記第1の実施例と同様に構成する。
【0046】
また、前記実施例では、分離溝29で囲まれたストライプ状の半導体柱を形成し、これに1次元のレーザアレイを配列したが、次に本発明の第3の実施例として、図12に平面図、図13にそのAーB断面図を示すように、各素子毎に分離溝29で囲まれ、独立した円柱状の半導体柱Sを形成するようにしてもよい。これにより、素子分離は完全となる。
【0047】
さらにまた、前記第1の実施例のように列ごと、前記第2の実施例のように素子ごとに分離溝で囲むようにすることなく、ブロック毎に分離溝を形成するようにしてもよい。
【0048】
さらに前記実施例の構造に加えて、半導体柱を構成するp型多層反射膜27または、n型多層反射膜25の一部をAlAs層またはAlGaAs層で構成しておき、前記実施例と同様にして半導体柱を形成し、これらAlAs層またはAlGaAs層の断面を露呈せしめ、同様に水蒸気雰囲気中で所定時間酸化することにより半導体柱の中心部を除く領域を酸化してAl23層とし、電流狭窄構造をとるようにしてもよい。
【0049】
さらにGaAs基板に限定されることなく、InP基板等を用いてもよい。
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明によれば、転位密度が低い基板を用いて基板の転位が原因となる特性劣化を引き起こすことなく、各素子間の電気的分離を良好に実現することができ、高密度で信頼性の高い半導体装置を形成することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半導体レーザ装置を示す説明図
【図2】本発明の第1の実施例のマトリックス駆動型面発光レーザ装置を示す平面図
【図3】同マトリックス駆動型面発光レーザ装置のAーB断面説明図
【図4】同マトリックス駆動型面発光レーザ装置のCーD断面説明図
【図5】同半導体レーザ装置の製造工程図
【図6】同半導体レーザ装置の製造工程図
【図7】同半導体レーザ装置の製造工程図
【図8】同半導体レーザ装置の製造工程図
【図9】同半導体レーザ装置の製造工程図
【図10】同半導体レーザ装置の製造工程図
【図11】本発明の第2の実施例のマトリックス駆動型面発光レーザ装置を示す図
【図12】本発明の第3の実施例のマトリックス駆動型面発光レーザ装置を示す平面図
【図13】同マトリックス駆動型面発光レーザ装置のAーB断面説明図
【図14】従来例の半導体レーザを示す図
【図15】従来例の半導体レーザを示す説明図
【符号の説明】
1 n型ガリウムひ素(GaAs)基板
2 酸化膜
3 アンドープエピタキシャル成長層
4 n側電極
5 分離溝
21 n型ガリウムヒ素(GaAs)基板
22 アンドープのGaAsバッファ層
23 積層障壁膜
24 シリコンドープn−GaAsコンタクト層
25 シリコンドープn型多層反射膜
26 アンドープ活性領域
27 マグネシウムドープのp型多層反射膜
28 n側電極
29 分離溝
s 半導体柱
30 プロトン打ち込み領域
31 p側電極
32 p型GaAs層(バッファ層)

Claims (7)

  1. 第1導電型の半導体基板と、
    前記第1導電型の半導体基板上に配設された複数の半導体素子と、
    前記半導体素子が配設された複数の島領域を前記第1導電型の半導体基板に形成する分離溝と、
    前記第1導電型の半導体基板と前記半導体素子との間に配設された接合障壁と
    を具備し、
    前記接合障壁は、第1導電型の半導体層と第2導電型の半導体層とからなる複数のpn接合を積層した積層膜であり、前記分離溝を隔てて配設されている
    ことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記接合障壁は、前記分離溝を隔てて隣接する前記半導体素子のp電極間またはn電極間に電位差が生じると逆バイアスとなる
    ことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
  3. 前記積層膜は、AlxGa1-xAs層(x:0≦x≦1)で構成されている
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の半導体装置。
  4. 前記島領域は、ストライプ状に形成されている
    ことを特徴とする請求項1乃至3記載の半導体装置。
  5. 前記複数の半導体素子は、前記各島領域に一つづつ配設されている
    ことを特長とする請求項1乃至4記載の半導体装置。
  6. 第1導電型の半導体基板と、
    前記第1導電型の半導体基板上に配設された接合障壁と、
    前記接合障壁上に、下部半導体多層反射膜と、下部スぺーサ層と、活性層と、上部スペーサ層と、上部半導体多層反射膜とを積層して形成された複数の面発光型半導体レーザ素子と、
    前記面発光型半導体レーザ素子が配設された複数の島領域を前記第1導電型の半導体基板に形成する分離溝と
    を具備し、
    前記接合障壁は、第1導電型の半導体層と第2導電型の半導体層とからなる複数のpn接合を積層した積層膜であり、前記分離溝を隔てて配設され、
    前記面発光型半導体レーザ素子は、マトリックス状に配列されている
    ことを特徴とする半導体装置。
  7. 前記面発光型半導体レーザ素子は、電流狭窄構造である
    ことを特徴とする請求項6記載の半導体装置。
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