JP3726385B2 - 皮革様シート状物およびその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はシート状物に関する。さらに詳しくは、従来にない、ドレープ性と寸法安定性と透湿性に優れた皮革様シート状物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、皮革様シート状物は不織布、織編物、およびそれらの複合体あるいはそれらにバインダーを含浸したもの(以下基材と総称する。)の表面に高分子弾性体を塗布したり、起毛加工を施したりすることにより得られる。
【0003】
しかしながら、上記の基材にはそれぞれ一長一短があり、皮革様シート状物として全ての特性を満たすものは未だ得られていないのが現状である。基材として織物を用いた場合は、ドレープ性が不十分であり、風合い、質感もフィルムライクなものしか得られなかった。編物を用いた場合、ある程度のドレープ性は得られるものの、編物と天然皮革では構造が全く異なるため、風合いは天然皮革とは異なるものであり、また厚みといった点においても厚いものしか得ることができなかった。
【0004】
さらに、これら織編物を基材として用いた場合は、皮革様外観を得るためには表面に厚い被覆層を設けて基材表面の凹凸を隠す必要があり、そのために透湿性が低下し、風合いがゴムライクになる他、タッチ、外観が人工的なものしか得られないという問題点があった。
【0005】
不織布と天然皮革は構造的に類似しているため、不織布を基材として用いた場合、ドレープ性が良好で柔軟なシート状物を得ることができるが、強力、寸法安定性が不十分であった。不織布に高分子弾性体等のバインダーを含浸することにより、これら欠点をある程度改善することができるが、今度は風合いがゴムライクになり、ドレープ性、透湿性が低下したものしか得られなかった。特開昭60−71775号公報に例示されているようなバインダーを含まない高絡合不織布を用いることにより極めて透湿性、ドレープ性に優れた皮革様シート状物を得ることができるが、厚さが薄い場合は強力、形態安定性が不十分であった。
【0006】
柔軟性と形態安定性を両立する目的で単に不織布と織編物を一体化した複合シート状物では、風合いに充実感がなく、また、上記織編物と不織布の両方の長所を兼ね備えた基材として、特開昭60−75685号公報に極細繊維3次元絡合体と織編物の複合シートが提案されており、これによりある程度柔軟性、強力に優れた皮革様シート状物を得ることができるが、不織布と織編物とを強固に複合をすると不織布と織編物がお互いに動きの自由度を阻害するために風合いが低化し、逆に風合いを重視して弱く複合した場合には染色工程で不織布と織編物が剥離するという問題があった。さらに特公平5−24272号公報に極細化可能な不織布と極細化可能な繊維からなる織編物を積層、交絡処理してなる混成不織布に弾性高分子体を含浸処理した後、極細化可能な繊維を極細化することを特徴とするシート状物の製造方法が提案されているが、シート内部に高分子弾性体が存在するため、風合いがゴムライクになることは避けられず、また、透湿性の低いものしか得られなかった。
【0007】
以上述べたように、未だ、十分な透湿性と柔軟性と寸法安定性を満足する皮革様シート状物は得られていなかった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来にない、透湿性と柔軟性と寸法安定性に優れた皮革様シート状物を得ることにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明の皮革様シート状物は、前記課題を解決するために以下の構成を有する。
【0010】
すなわち、非ポリエステル系高分子からなる繊維を用いてなる不織布とポリエステル系高分子からなる繊維を用いてなる織編物が絡合一体化したシート状物であって、実質的にシート内部にはバインダーが存在せず、前記織編物を構成する繊維束の周囲に外部空隙を有し、前記シート状物の厚み方向の断面において、外部空隙の断面積を空隙内部の織編物を構成する繊維束の断面積で割った値R1が0.25〜2.5の範囲にあることを特徴とする皮革様シート状物である。
【0011】
また、本発明の皮革様シート状物の製造方法は、前記課題を解決するために以下の構成を有する。
【0012】
すなわち、不織布と織編物を一体化せしめて基材を形成した後、織編物を構成する繊維の一部分を除去せしめることにより該織編物を構成する繊維束の周囲および内部の少なくともいずれかに空隙を形成することを特徴とする皮革様シート状物の製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の皮革様シート状物は、不織布と織編物が絡合一体化したシート状物である。また、実質的にシート内部にはバインダーが存在せず、織編物を構成する繊維(以下、織編物構成繊維と略す。)の束の周囲に外部空隙を有し、該シート状物の厚み方向の断面において、外部空隙の断面積を空隙内部の織編物を構成する繊維束の断面積で割った値R1が0.25〜2.5の範囲にあるものである。さらに繊維束内部に空隙が存在し、繊維束断面において、内部空隙の断面積を繊維束内部の繊維の断面積の和で割った値R2が0.15〜1.5の範囲にあることにより、不織布の特長である良好な風合いと柔軟性、また、織編物の特長である強力と形態安定性をすべて兼ね備え、さらに透湿性にも優れた皮革様シート状物が得られて好ましい。
【0014】
本発明でいう不織布と織編物が絡合一体化しているというのは、不織布構成繊維の一部が織編物の目を貫通し、あるいは、貫通後にお互いに絡合して不織布と織編物が一体化している形態をいう。このような形態であることにより、強力、形態安定性、柔軟性を兼ね備えたシート状物を得ることができる。
【0015】
またここでいうシート内部とは、シートの厚さをTとした場合、シートの表側および裏側から0.1T以上内側の部分のことである。
【0016】
また、ここでいう実質的にバインダーが存在しないということは、バインダーが全く存在しないか、極微量存在したとしても基材の強力、通気性、柔軟性にほとんど影響を与えない量であることをいう。
【0017】
また、ここでいう断面とは織物構成繊維束の軸方向に対して垂直な面のことをいう。
【0018】
また、ここでいう織物構成繊維束とは織物構成繊維がヤーン状に集合したもののことをいい、織編物がモノフィラメントからなっている場合はそのモノフィラメント1本で織物構成繊維束とみなす。
【0019】
また、ここでいう外部空隙、内部空隙とは、それぞれ、後述する織編物構成繊維束の境界で囲まれる領域の外部、内部に存在する空隙のことをいう。
【0020】
前記外部空隙、織編物構成繊維束、織物構成繊維の断面積は、それぞれの境界線を決定し、該境界に囲まれた部分の面積を測定して得ることができる。空隙及び織物構成繊維の境界線を決定する方法としては、例えば断面の形態が変化しないようにしてカミソリなどで切断したシート状物の断面を電子顕微鏡あるいは光学顕微鏡により断面像を拡大して撮影した後、目視により境界線を決定する方法や、断面像をコンピュータで画像処理し、画像濃度の急激に変化する点を結んで境界線とする方法を採用することができる。
【0021】
図2に示すように、前記方法により決定した境界線で囲まれる1個の外部空隙周囲に1個の織編物構成繊維束しか存在しない場合は、該境界線によって囲まれた範囲の面積を外部空隙の断面積とする。
【0022】
図3に示すように、前記方法により決定した境界線で囲まれる1個の外部空隙内に複数の織編物構成繊維束が存在する場合、外部空隙の面積を、外部空隙の内部に存在する全ての織編物構成繊維束の面積を合計で割った値をR1とする。
【0023】
なお、今まで述べた外部空隙の断面積には外部空隙内に存在する織編物構成繊維の断面積は含まれない。
【0024】
織物構成繊維束の境界線は、織物構成繊維束の最外周の織物構成繊維断面の中心を結んだ線とする。
【0025】
境界線に囲まれた部分の面積を求める方法としては、例えば、該境界線を方眼紙上にトレースして境界線に囲まれた内部のマス目を数える方法や、積分法などによりコンピューターで面積を求める方法を採用することができる。
【0026】
また、これらの断面積を測定する際には、できるだけ多くの箇所を測定するのが好ましく、本発明においては5ヵ所ランダムにサンプリングを行い、それらの値の平均値を採用する。織編物構成繊維束の交差する点の周囲では空隙の断面積が正確に測定できないのでこのような点はサンプリングの際に除外する。内部空隙の断面積は織編物構成繊維束の断面積から該繊維束内に含まれる織編物構成繊維の断面積の和を差し引いたもののことをいう。織物構成繊維の断面積は空隙、織編物構成繊維束の断面積と同様にして求めることができる。本発明の外部空隙は織編物構成繊維の経糸、緯糸のいずれか一方または両方に存在してもかまわない。また織物構成繊維束と隣接する様な形態、位置関係であってもよいし織物構成繊維束を囲むような形態、位置関係であってもよい。
【0027】
本発明の内部空隙も織編物構成繊維の経糸、緯糸のいずれか一方または両方に存在してもかまわない。
【0028】
このような空隙を形成する方法としては特に制限はないが、例えば、不織布と織編物を一体化した後に織編物構成繊維の一部分を除去する方法や、織物構成繊維に膨潤作用による方法を採用することができる。
【0029】
本発明において、膨潤作用による方法とは、例えば、織物構成繊維を膨潤させたのち、乾燥等により膨潤状態を元に戻して脱膨潤させる方法のことをいう。
【0030】
織物としては本発明の目的を満足するものであれば特に制限はない。用いる繊維としては、綿等の天然繊維、レーヨンなどの半合成繊維、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート等の合成繊維を目的に応じて単独あるいは組み合わせて適宜選択することができる。また、糸の形態としては通常の丸断面の他に中空断面、三角型やY型の異型断面、あるいは2種類以上のポリマーの複合糸、海島型繊維、ブレンド糸などを目的に応じて適宜選択することができる。糸加工についても特に制限はなく、仮撚り加工糸、捲縮糸、無撚り、甘撚りから強撚まで目的に応じて適宜選択することができる。また組織、密度に制限はなく、平織や綾織、経編み、筒編み等適宜採用することができる。
【0031】
本発明の不織布としては特に制限はなく、短繊維不織布、長繊維不織布いずれでもかまわない。また、製造方法もスパンボンド法、メルトブロー法、フラッシュ紡糸法、ニードルパンチ法、水流交絡法、抄紙法等、適宜採用することができる。
【0032】
材質としては、ナイロン6、ナイロン6、6等のポリアミド、ポリエチレンテレフタート、共重合成分を含むポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリアクリロニトリル、綿等を単独あるいは混合して用いることができる。繊維の形態としては通常の丸断面の他に、中空断面、三角型やY型の異型断面、あるいは2種類以上のポリマーの複合糸、海島型繊維、ブレンド糸などを目的に応じて適宜選択することができる。特に溶解性の異なる2種類以上のポリマーをあわせて紡糸した後に少なくとも1成分を溶解除去する方法を用いると、繊維と繊維の間に空間ができるので、柔軟性に優れたシート状物を得ることができる。このような場合の除去成分としては例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、共重合ポリスチレン、ポリエステル、共重合ポリエステル等を用いることができる。
【0033】
繊維の形成方法については特に制限はなく、通常の紡糸、延伸工程を採用することもできるし、スーパードロー法、あるいは2種類以上の成分を紡糸した後に剥離して分割する方法などを採用することができる。該極細繊維および/または極細繊維束と該織編物を一体化する方法についても特に制限はないが、ニードルパンチや高圧柱状流体による絡合処理を例示することができる。また不織布と織編物はどのような形態で一体化していてもよく、織物構成繊維と不織布構成繊維同士が直接絡合していてもよいし、不織布構成繊維が織編物の目の間を貫通することにより両者が剥離することなく一体化していてもよい。該織編物は基材の中央部に存在しても、いずれか側の表面周囲に存在してもいずれでもよい。
【0034】
また、本発明は織編物がポリエステル系高分子、不織布が非ポリエステル系高分子からなることが好ましく、さらに好ましくは織編物がポリエステル系高分子、不織布がポリアミド系高分子であることが望ましい。このような組み合わせをとることにより、織編物と不織布を一体化した後に織編物をアルカリ減量加工することにより織編物構成繊維の周囲に容易に空隙を形成することができる。特にポリエステル系高分子からなる織編物とポリアミド系高分子からなる不織布との組み合わせからなる本発明の皮革様シート状物は寸法安定性、柔軟性、また、銀面を有する場合は銀面の耐久性の点で最も優れた組み合わせとなる。
【0035】
また、織編物と不織布が実質的に一浴で染色可能な素材からなることは染色が1度ですむので、染色による劣化を最小限に抑えることができる観点から好ましい。ここでいう一浴で染色可能であるというのは、必ずしも同一の染料で染色可能な場合だけでなく、同一の条件で染色可能な場合も含まれる。すなわち、片方の繊維の染色条件においてもう片方の繊維が劣化しないこと、染料、助剤等を混合した場合にコンプレックスを形成して凝集、沈殿を起こさないこと、染色可能な温度、pHがほぼ同じであることが好ましい。具体的な例としては常圧可染性ポリエチレンテレフタレートとポリアミドの組み合わせ、あるいはカチオン可染性ポリエチレンテレフタレートとポリアクリロニトリルの組み合わせを例示することができる。
【0036】
また本発明の皮革様シート状物は、少なくとも片方の面が銀面状外観を有する場合に特に他の基材と比較して特徴を発揮することができる。
【0037】
ここでいう銀面状外観とは、一見したところプレーンで平滑性が高く、銀付き天皮革様外観を呈する外観のことをいう。このような外観を有するものであれば形態に特に制限はなく、(1)高分子弾性体が基材表面を完全に被覆するような形態や、(2)繊維が極めて緻密に集合して一体化した形態や、より好ましくは(3)高分子弾性体と繊維がミクロに混在した形態のいずれであってもよい。
【0038】
前記(1)の高分子弾性体としては、特に制限はなく、ポリ塩化ビニル、ポリアクリル酸エステル共重合体、ポリアミノ酸ポリウレタン共重合体、シリコーン樹脂などを用いることができるが、風合いを柔軟にする点で特にポリウレタンが好ましい。ポリウレタンの種類としては特に制限はなく、例えばポリエーテルジオール系、ポリエステルジオール系、ポリカーボネートジオール系ポリウレタンを用いることができる。また、必要に応じて架橋剤を加えてもよい。また必要に応じて、コラーゲンやフィブロインなどの蛋白質、酸化防止剤、紫外線吸収剤などの耐候剤、顔料、染料、難燃剤、撥水剤等を含むことができる。基材に付与する方法としては、特に制限はなく、基材の表面に直接塗布する方法、基材と膜を別々に形成した後に両者を張り合わせる方法を採用することができる。基材の表面に直接塗布する方法としては、リバースロールコーティング、ナイフコーティング、グラビアコーティング、スリットコーティング、スプレー等の方法を用いることができる。また基材と膜を別々に形成した後に両者を張り合わせる方法としては、フィルムを単独で形成した後に基材と一体化する方法や、離型紙上に膜を形成した後に基材上に転写する方法を採用することができる。また、銀面層を多層構造として基材との接着性、耐擦過性、外観等の特性を向上することもできる。高分子弾性体を凝固せしめる方法としては、本発明の目的を満足するものであれば、乾式法、湿式法いずれの方法でもかまわない。
【0039】
前記(2)の形態を得る手段としては、例えば、極細繊維の緻密な立毛を形成した後に、絡合処理やプレス処理を施す方法を採用することができる。また、必要に応じて極微量のバインダーを付与したり、繊維同士を融着せしめることにより、銀面の耐久性や平滑性を向上せしめることができる。
【0040】
前記(3)の場合も前記(1)と同様の物質、方法を採用することができるが、特に、銀面状外観を有する層が0.2d以下の極細繊維および/または極細繊維束からなり、交絡点間距離が200ミクロン以下である繊維交絡体とその極細繊維間の空隙部分に存在する樹脂からなることが好ましい。このような層と組み合わせることにより、基材の柔軟性、透湿性を損なうことなく、銀付調の皮革様シート状物を得ることができる。
【0041】
なお、本発明においては、交絡点間距離とは次の方法で求めた値のことをいい、繊維の交絡の緻密さを示す1つの尺度として値が小さい程、交絡が緻密であることを示すもののことをいう。図8は銀面層における構成繊維を表面側から観察したときの構成繊維の一例をモデル的に示す拡大模式図である。構成繊維をf 1、f 2、f 3……とし、そのうち任意の2本の繊維f 1、f 2が交絡する点を点a1とし、a1で上になっている繊維f 2が他の繊維の下になる形で交差している点までたどっていき、その交差した点をa2(f 2とf 3の交絡点)とする。同様にa3、a4、a5……とする。次にこうして求めた交絡点の間の距離直線水平距離a1a2、a2a3、a3a4……を測定し、これら多数の測定値の平均値を求め、これを繊維交絡点間距離とする。このような銀面層を得る方法としては、特に限定はないが、極細繊維を得る方法としては、通常の単成分紡糸方法の他に海島型繊維あるいはブレンド繊維を形成した後に1成分以上を除去する方法や、複合繊維を分割する方法、繊維をフィブリル化する方法などを例示することができる。このような場合の除去成分としては、例えば、ポリエチレン、ポリスチレン、共重合ポリスチレン、ポリエステル、共重合ポリエステル等を用いることができる。また除去する際の溶媒としてはトリクロロエチレン、トルエン、ベンゼン、ヘキサン等の有機溶媒、アルカリ性水溶液、酸性水溶液、界面活性剤水溶液あるいは、これらを混合したものを用いることができる。複合繊維としては接着性の低いポリマーや熱や溶剤により収縮、膨潤差を生じるポリマーを組み合わせて用いることができる。このようなポリマーの組み合わせとしてはポリアミド系高分子とポリエステル系高分子の組み合わせを例示することができる。複合繊維の形態としてはサイドバイサイド型、星形等を例示することができる。分割の方法としては機械的に分割する方法、繊維を収縮させ、その収縮応力を利用する方法、繊維を膨潤させその膨潤応力を利用する方法等を用いることができる。繊維をフィブリル化する方法としては繊維内部に微細な空隙を形成した後に機械的にフィブリル化せしめる方法を採用することができる。
【0042】
交絡点間距離を200ミクロン以下にする方法としては、基材表面を高圧柱状流体により絡合処理する方法を例示することができる。
【0043】
また、本発明は前記(3)の銀面状外観を有する層が高分子弾性体と繊維がミクロに混在した形態のより好ましい例として、銀面状外観を有する層が、微少なユニット膜が多数集合した構造からなることが好ましい。ここでいうユニット膜とは独立した膜状のものであって、基材表面を被覆、あるいは基材と一体化した構造を有するもののことをいい、ユニット膜とユニット膜の間には微小空隙が存在するのが好ましい。
【0044】
本発明の微少なユニット膜のサイズは、品位の点で、一見したところあたかも1つの連続膜のように見えるほうが好ましいので、面積は0.1平方センチメートル以下が好ましく、0.01平方センチメートル以下がより好ましい。また品位の点でも折れ皺を細かくするという点で小さい方が好ましい。したがって衣料用に用いる場合はできるだけ小さくした方がよいが、靴などに用いる場合は必ずしも0.1平方センチメートル以下でなくともよい。
【0045】
前記構造の第一の特徴は、高い耐擦過性と柔軟性を両立せしめた点といえる。すなわち、耐擦過性についてはユニット膜を硬くして、耐久性を向上せしめると同時に、シート状物の屈曲に対しては微小空隙が存在することにより、柔軟性を得ることができる。
【0046】
第二の特徴はしっとりしたタッチおよびナチュラルな外観が得られる点にある。すなわち、ユニット膜と微小空隙が混在するため、従来の均一でプラスチックライクなものではなく、しっとりした、自然なタッチ、外観が得られる。
【0047】
第三の特徴は高い通気性、透湿性が得られる点にある。すなわち、ユニット膜とユニット膜の間に微小空隙があるため、空気や水蒸気などの気体が極めて容易に通過できる。
【0048】
このユニット膜とユニット膜は完全に分離した状態であっても、一部が繋がった状態であってもよい。また、ユニット膜同士がより柔軟な物質で連結されていても構わない。ユニット膜を構成する物質としては特に制限はなく、上述のフィルム状連続膜の場合と同様の物質を用いることができる。
【0049】
本発明の微小空隙の大きさは特に制限されるものではないが、表面の品位の点からは好ましくは0.1mm以下が好ましく、0.01mm以下がより好ましい。一方、柔軟性の点からは膜の厚さの1/3以上の大きさが好ましく、より好ましくは膜の厚さ以上であり、さらに好ましくは膜の厚さの2倍以上である。したがって基材や膜の材質、厚さ、目標とする柔軟性等により、適宜選択することができる。
【0050】
全体に対する微小空隙の面積の割合としては1〜30%の範囲が好ましい。1%以下であれば本発明の効果が得られない傾向にあり、30%以上であれば品位や表面の耐久性が低下する傾向がある。
【0051】
微小空隙から毛羽あるいは立毛状の繊維が露出していることはシート状物の表面タッチを改善する観点から好ましい。このことにより、表面に毛羽またはうぶ毛が生じ、触ったときに心地よいタッチを得ることができる。
【0052】
該繊維の長さは特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0053】
毛倒れがスムーズになり、よりなめらかで心地よい感触を得る観点から、該毛繊維の太さは0.5d以下が好ましい。
【0054】
また、本発明の目的を達成するのに、ユニット膜の厚さは、特に制限はないが、10ミクロン以下であることが好ましい。ユニット膜が薄いほど柔軟で通気性が高く、また自然な外観を得ることができる。
【0055】
このような微少なユニット膜が多数集合した構造を形成するにあたっては、本発明の目的を達成するものならば特に制限はない。微少なユニット膜が多数集合した構造の銀面層を1段階で形成してもよいし、いったん離型紙上に形成した後に、基材上に転写してもかまわない。あるいは以下に例示するようにいったん連続膜を形成した後に微少なユニット膜に分割する方法により比較的容易に形成することができる。
【0056】
該連続膜を分割するにあたって、機械的に分割する方法としては、乾燥状態での揉み加工、液中での揉み加工、擦過処理等を用いることができる。分割処理の前に、熱処理や薬品で結晶化したり、製膜の際に架橋剤を加えたり、あるいは分割処理を冷却下で行うことは分割を容易に行えるため好ましい。
【0057】
溶解により除去する方法としては特に制限はないが、例えば製膜時に、後で除去可能な成分を混合し、連続膜形成後に除去する方法を採用することができる。また、例えばアルカリ性水溶液中で加熱しながら揉み加工することにより比較的容易に、微少なユニット膜が多数集合した構造を形成することができる。
【0058】
次に、本発明の皮革様シート状物の製造方法を詳細に説明する。
【0059】
本発明は不織布と織編物を一体化せしめて基材を形成した後、該織編物を構成する繊維束の周囲および内部の少なくともいずれかに空隙を形成せしめるものである。あらかじめ織編物構成繊維束内部に空隙を形成しても、不織布と織編物を絡合一体化せしめる際に、不織布構成繊維および織編物構成繊維の少なくともいずれかが織編物構成繊維束内に入り込み、風合いを硬くする場合があるからである。かかる空隙を形成する方法としては、たとえば織編物を構成する繊維の一部分を除去せしめる方法を取ることができる。除去する方法としては特に制限はないが、アルカリ減量加工により空隙を形成せしめることは、織編物構成繊維の強度低下を抑えながら柔軟性を得ることができ好ましく行われる。この方法による場合は、織編物はポリエチレンテレフタレート、共重合ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル高分子のごとき、アルカリ処理により減量可能である繊維を含むのが好ましい。この場合の織編物構成繊維は減量可能な繊維のみから構成されていてもよいし、減量可能な繊維と減量しない繊維の混合物から構成されていてもよい。また、この場合のアルカリ処理は特に制限はなく、常温あるいは加熱した水酸化ナトリウム水溶液処理等の各種の方法を採用することができる。また、その際に、界面活性剤などの減量促進剤を添加することもできる。
【0060】
また、空隙を形成する手段としては織編物を構成する繊維に膨潤、脱膨潤処理を施す方法が、織編物の強度を低下させることなく、基材を柔軟化することができるので好ましい。この場合、繊維が膨潤したときの体積と脱膨潤後の体積の差に相当する空隙が形成される。繊維を膨潤させる方法は特に制限はなく、例えば、ポリエチレンテレフタレートに対しては、塩化メチレン、O−クロロフェノール等、ナイロン6に対してはベンジルアルコール等の溶剤、またはその溶液、またはそのエマルジョンによる各種の処理を採用することができる。また、脱膨潤処理も特に限定されることはなく、繊維内に取り込まれた溶剤を乾燥により除去する方法等を採用することができる。
【0061】
【実施例】
以下、本発明を具体的に実施例を用いて説明する。
【0062】
本発明に用いた各測定方法を下記に示す。
【0063】
[断面積の測定方法]
1つのサンプルに対して無作為に5ヵ所サンプリングを行い、常法にしたがって走査型電子顕微鏡にて500倍に拡大した試料の断面写真を撮影した。目視により織編物構成繊維、外部空隙の各々の境界線を決定し、該断面写真上に書き込んだ。織物構成繊維束の最外周に存在する繊維の断面の中心を結んで織物構成繊維束の境界線とし、同様に該断面写真上に書き込んだ。この段階でサンプリング箇所が織編物構成繊維束の交差する点の周囲で空隙の断面積が正確に測定できないと思われたものについてはサンプリングをやりなおした。これらの境界線を1mm間隔の方眼紙上にトレースした。境界線で囲まれた範囲内に完全に含まれているマス目は1平方mm、一部のみ含まれているマス目は0.5平方mmとして各々の断面積を測定した。前記方法で織編物構成繊維、織編物構成繊維束、外部空隙、断面積を測定し、面積の比を求めた。それぞれの織編物構成繊維束の断面積から該繊維束内の織編物構成繊維の面積の和を差し引いて内部空隙の面積とした。これらの値のそれぞれの平均値をもってR1、R2を決定した。
【0064】
[実施例1]
0.4デニールのナイロン繊維に捲縮を付与した後、切断しカードおよびクロスラッパーを用いてウェブとし、さらにニードルパンチを施し、不織布を得た。
【0065】
別途、1.5デニールのポリエチレンテレフタレート繊維からなる平織物を作製し、先ほどの不織布と重ね合わせてニードルパンチを施して織物と不織布が一体化したシート状物を得た。このシート状物に水流を30kg/平方センチメートルの圧力の水流を噴射した後に熱プレスして基材を得た。
【0066】
市販のポリウレタンをDMF−トルエン混合溶媒にて希釈し、先ほどの基材にナイフコーターにて塗布し、乾燥した。その後、表面層をサンドペーパーにて研削すると同時に立毛を形成した。
【0067】
それを95℃、30g/lの水酸化ナトリウム水溶液中で減量加工した。得られたものを十分に水洗後、常法にて酸性染料で染色した後、分散染料で染色を施した。断面を観察したところ、織物構成繊維を囲むように空隙が生じていた。このシート状物のR1は約0.33であった。またR2は約0.28であった。
【0068】
得られた皮革様シート状物は柔軟性に優れしっとりした風合いを有するものであった。
【0069】
また、手で引っ張ったところ、ほとんど寸法変化の生じない形態安定性に優れたものであった。
【0070】
さらに透湿性を測定したところ7920g/m2 /24hrであり、快適性に優れた物であった。
【0071】
[比較例1]
水酸化ナトリウム水溶液中で減量加工を行わない以外は実施例1と同じ工程により、皮革様シート状物を得た。得られたシート状物の断面を観察したところ、実施例1で観察された様な空隙はみられなかった。
【0072】
得られた皮革様シート状物は極めて硬いペーパーライクな風合いで衣料用途には適さないものであった。
【0073】
[比較例2]
30g/l水酸化ナトリウム水溶液の替わりに、5g/l水酸化ナトリウム水溶液中で減量加工を行う以外は同じ工程により、皮革様シート状物を得た。得られたシート状物の断面を観察したところ、織物構成繊維束を囲むように空隙が生じていた。このシート状物のR1は約0.03であった。またR2は約0.52であった。
【0074】
得られた皮革様シート状物は、手で引っ張ったところ、ほとんど寸法変化の生じない形態安定性に優れたものであったが、風合いは比較例1で得られたシート状物よりは若干柔軟ではあるものの、極めて粗硬なペーパーライクなものであった。
【0075】
[比較例3]
30g/l水酸化ナトリウム水溶液の替わりに90g/l水酸化ナトリウム水溶液中で減量加工を行う以外は同じ工程により、皮革様シート状物を得た。得られたシート状物の断面を観察したところ、織物構成繊維束を囲むように空隙が生じていた。このシート状物のR1は約5.7であった。またR2は約9.0であった。
【0076】
得られた皮革様シート状物は、風合いは極めて柔軟なものであったが、引っ張ると伸びて表面に大きなしわ状の凹凸が発生し手を離しても元に戻らず、形態安定性に乏しいものであった。
【0077】
[比較例4]
実施例1で用いたものと同じポリウレタンを基材に含浸し、湿式にて凝固せしめた後、十分に水洗、乾燥を行った。その後ポリウレタン塗布以後は実施例1と同一の処理を施して皮革様シート状物を得た。断面を観察したところ、織物構成繊維束を囲むように空隙が生じていた。このシート状物のR1は約0.32であった。またR2は約0.39であった。得られた皮革様シート状物は柔軟性に乏しく、ゴム感のあるパカパカした風合いのものであって、衣料用途には適さないものであった。
【0078】
また透湿性は1330g/m2 /24hrであり、実施例1のシート状物と比較すると快適性に劣るものであった。
【0079】
[実施例2]
ポリスチレンを海成分として50部、極細成分としてナイロンが50部からなる割合で1フィラメント中に極細繊維成分が多数含まれる形態の混合紡糸繊維のステープルを用いてカード、クロスラッパーを通してウェブを形成し、しかる後、ニードルパンチを施し、不織布を作製した。
【0080】
別途、1.5デニールのナイロン繊維の周囲にPVA繊維をカバリングしたヤーンからなる平織物を作製し、前記不織布と重ね合わせてニードルパンチを施して織物と不織布が一体化したシート状物を得た。
【0081】
このシート状物に50kg/平方センチメートルの圧力で水流を噴射した。次に該シート状物を熱プレスして基材を得た。
【0082】
実施例1で用いたポリウレタン溶液を先ほどの基材にグラビアコーターにて塗布し、乾燥した。その後、塗布面を加熱エンボスロールにてプレスした。次にトリクロルエチレン中にて浸漬、絞液を繰り返してポリスチレンを完全に除去した後に乾燥を行った。さらに熱水中にて浸漬、絞液を繰り返してPVAを完全に除去した後に乾燥を行った。得られたシート状物を常法にて酸性染料で染色を施した。
【0083】
断面を観察したところ、織物構成繊維束を囲むように空隙が生じていた。
【0084】
このシート状物のR1は約0.43であった。またR2は約0.08であった。得られた皮革様シート状物は実施例1のシート状物と比較するとやや芯のある風合いではあるが、優れた柔軟性、風合い、形態安定性、快適性を全て満足するものであった。
【0085】
[実施例3]
ポリスチレンを海成分として60部、島成分としてナイロンが40部からなる割合で1フィラメント中に島繊維成分が30本含まれる形態の海島型複合繊維からなる平織物を作製し、実施例2の不織布と重ね合わせてニードルパンチを施して織物と不織布が一体化したシート状物を得た。
【0086】
このシート状物に30kg/平方センチメートルの圧力で水流を噴射した。次に該シート状物を熱プレスして基材を得た。
【0087】
実施例1で用いたポリウレタン溶液を先ほどの基材に50g/平方メートルの塗布量になるようにグラビアコーターにて塗布し、乾燥した。その後、塗布面を加熱エンボスロールにてプレスした。次にトリクロルエチレン中にて浸漬、絞液を繰り返してポリスチレンを完全に除去した後に乾燥を行った。得られたシート状物を常法にて酸性染料で染色を施した。
【0088】
断面を観察したところ、織物構成繊維を囲むように空隙が生じていた。このシート状物のR1は約0.75であった。またR2は約0.43であった。得られた皮革様シート状物は実施例1、2のシート状物と同様に優れた柔軟性、風合い、形態安定性、快適性を全て満足するものであった。
【0089】
[実施例4]
1.0dの常圧可染ポリエチレンテレフタレート繊維からなる平織物を作製し、実施例2の不織布と重ね合わせてニードルパンチを施して織物と不織布が一体化したシート状物を得た。このシート状物に実施例3と同様の交絡処理、プレス処理を施して基材を得た。実施例1とは別の市販のポリウレタンをDMF−トルエン混合溶媒にて希釈し、10%溶液とした。
【0090】
基材に先ほどのポリウレタン溶液をグラビアコーターにて塗布し、乾燥後、加熱エンボスロールにてプレスした。
【0091】
次にトリクロルエチレン中にて浸漬、絞液を繰り返してポリスチレンを完全に除去した後に乾燥を行った。得られたシート状物を95℃、30g/lの水酸化ナトリウム水溶液で処理後、十分に水洗した後、常法にて分散染料と酸性染料で同時に染色した。断面を観察したところ、織物構成繊維を囲むように空隙が生じていた。このシート状物のR1は約0.45であった。またR2は約0.14であった。得られた皮革様シート状物は実施例1〜3のシート状物と同様に優れた柔軟性、風合い、形態安定性、快適性を全て満足するものであった。
【0092】
また該皮革様シート状物を適当な大きさに切り取り、衣服の肘部に添付して耐久性の着用試験を行ったところ、3ヶ月後も品位の大きな低下はみられなかった。
【0093】
[比較例5]
常圧可染ポリエチレンテレフタレートの替わりにカチオン可染性を有するポリエチレンテレフタレートを用いた以外は水酸化ナトリウム水溶液による処理まで実施例4と同じ処理を施し、皮革様シート状物を得た。常法にて酸性染料で染色後、さらに常法にてカチオン染料で染色を施した。断面を観察したところ、織物構成繊維を囲むように空隙が生じていた。
【0094】
このシート状物のR1は約0.44であった。またR2は約0.14であった。
【0095】
得られた皮革様シート状物は実施例1〜3のシート状物と同様に優れた柔軟性、風合い、形態安定性、快適性を全て満足するものであった。
【0096】
しかし、実施例4と同様の耐久性の着用試験を行ったところ、約2ヶ月後には銀面割れおよびももけが発生し、実施例4のシート状物と比較して耐久性が劣るものであった。
【0097】
[実施例5]
実施例2で用いたポリウレタンのDMF−トルエン溶液にポリスチレンを溶解せしめたのち、実施例2と同様に基材に塗付した。その後、実施例2と全く同様の処理を行った。得られたシート状物の表面を拡大して観察したところ、微小ユニット膜とそのすき間に存在する微小空隙からなる構造を形成しており、実施例2よりも柔軟性に優れ、かつ、しっとりした表面タッチとナチュラルな外観を有するものであった。
【0098】
【発明の効果】
本発明によれば、十分な透湿性と柔軟性と寸法安定性を満足する皮革様シート状物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の皮革様シート状物の一例をモデル的に示す模式的概略断面図である。
【図2】本発明の皮革様シート状物の断面における外部空隙断面積、内部空隙断面積、織編物構成繊維束断面積、織編物構成繊維断面積の一例をモデル的に示す模式的概略図である。
【図3】本発明の皮革様シート状物の断面における外部空隙断面積の一例をモデル的に示す概略図である。
【図4】本発明の皮革様シート状物の断面における内部空隙断面積の一例をモデル的に示す概略図である。
【図5】本発明の皮革様シート状物の断面における織編物構成繊維束断面積の一例をモデル的に示す概略図である。
【図6】本発明の皮革様シート状物の断面における織編物構成繊維断面積の一例をモデル的に示す概略図である。
【図7】本発明の皮革様シート状物の断面における外部空隙断面積、内部空隙断面積、織編物構成繊維束断面積、織編物構成繊維断面積の他の一例をモデル的に示す概略図である。
【図8】本発明の皮革様シート状物の銀面層における構成繊維を表面側から観察したときの構成繊維の一例をモデル的に示す概略拡大模式図である。
【符号の説明】
1:不織布
2:織編物構成繊維
3:織編物構成繊維束

Claims (11)

  1. 非ポリエステル系高分子からなる繊維を用いてなる不織布とポリエステル系高分子からなる繊維を用いてなる織編物が絡合一体化したシート状物であって、実質的にシート内部にはバインダーが存在せず、前記織編物を構成する繊維束の周囲に外部空隙を有し、前記シート状物の厚み方向の断面において、外部空隙の断面積を空隙内部の織編物を構成する繊維束の断面積で割った値R1が0.25〜2.5の範囲にあることを特徴とする皮革様シート状物。
  2. 繊維束内部に内部空隙が存在し、繊維束断面において、内部空隙の断面積を繊維束内部の繊維の断面積の和で割った値R2が0.15〜1.5の範囲にあることを特徴とする請求項1に記載の皮革様シート状物。
  3. 不織布がポリアミド系高分子からなる繊維を用いてなることを特徴とする請求項1または2に記載の皮革様シート状物。
  4. 織編物と不織布が実質的に一浴で染色可能であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の皮革様シート状物。
  5. 少なくとも片方の面が、銀面状外観を有することを特徴とする請求項1に記載の皮革様シート状物。
  6. 銀面状外観を有する面が、0.2d以下の極細繊維および/または極細繊維束からなり、前記極細繊維間の空隙部分に樹脂が存在し、かつ、交絡点間距離が200ミクロン以下である繊維交絡体によって形成されてなることを特徴とする請求項に記載の皮革様シート状物。
  7. 少なくとも片方の面が、ユニット膜が多数集合した構造を有し、かつ、銀面状外観を有することを特徴とする請求項に記載の皮革様シート状物。
  8. 不織布と織編物を一体化せしめて基材を形成した後、織編物を構成する繊維の一部分を除去せしめることにより該織編物を構成する繊維束の周囲および内部の少なくともいずれかに空隙を形成することを特徴とする皮革様シート状物の製造方法。
  9. 織編物がポリエステル系高分子からなる繊維を用いてなり、かつ、不織布が非ポリエステル系高分子からなる繊維を用いてなることを特徴とする請求項8に記載の皮革様シート状物の製造方法。
  10. アルカリ減量加工により空隙を形成せしめることを特徴とする請求項8または9に記載の皮革様シート状物の製造方法。
  11. 織編物を構成する繊維に膨潤作用によって空隙を形成せしめることを特徴とする請求項8または9に記載の皮革様シート状物の製造方法。
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