JP3725069B2 - 基板処理システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば基板にレジスト膜を形成し、露光後の基板に対して現像を行い所望のパターンを形成する基板処理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
半導体デバイスの製造プロセスにおいては、半導体ウエハなどの基板にレジスト液を塗布し、フォトマスクを用いてそのレジスト膜を露光し、それを現像することによって所望のレジストパターンを基板上に作製するフォトリソグラフィ技術が用いられている。
【0003】
このフォトリソグラフィは、図11の概略図に示すように塗布現像装置1Aに露光装置1Bを接続した基板処理システムによって行われる。塗布現像装置1Aは、例えば半導体ウエハ(以下ウエハという)を処理する場合を例にとると、ウエハキャリアCを搬入出するキャリアステ−ジ11、このキャリアステ−ジ11に載置されたキャリアCからウエハを取り出す受け渡しアーム12と、処理ブロック13及びインターフェイスステ−ション14からなり、露光装置1Bに接続される。受け渡しアーム12を介して処理ステ−ション13に搬入されたウエハWは、塗布ユニット15にてレジスト膜が形成され、露光装置1Bにて露光され、その後処理ステ−ション13に戻されて現像ユニット16にて現像処理され、受け渡しアーム12を介してキャリアステージ11に戻される。図中17は処理ステーション13内部でウエハの搬送を行うメインアーム、18は例えば塗布ユニット15や現像ユニット16における処理の前にウエハの加熱や冷却を行う加熱部や冷却部などを棚状に備えた棚ユニットである。
【0004】
この後ウエハは、キャリアステージ11の横に接続された検査ユニット19に受け渡しアーム12により受け渡され、検査ユニット19では、ウエハW上に形成されたレジストパターンの線幅、レジストパターンと下地パターンとの重なり具合、レジストの塗布ムラ及び現像欠陥などについて検査を行う。そして合格と判定されたウエハWは次工程に送られるが、不合格と判定されたウエハWは図示しない洗浄ユニットに送られてレジストを溶解除去し、当該塗布、現像が行われる前の状態に戻す。そしてこのウエハWは再び基板処理システムに送られ、再度同様の処理が行われる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述のように塗布現像装置1Aに検査ユニット19を組み込んだシステムでは、塗布現像装置1Aの例えば塗布ユニット14等の各ユニットのスループットに対して検査ユニット19のスループットが最低であること、つまり検査ユニット19の処理時間が律速になった場合に、ウエハが塗布現像装置1Aと検査ユニット19との間で滞留してしまい、装置全体から見るとスループットが低下してしまうという問題がある。
【0006】
今後、塗布ユニット15や現像ユニット16を多段に積層したり、インターフェイスステーション14を改良したりすることにより、塗布現像装置1Aの検査ユニット19以外の各部のスループットが高くなる傾向にある。このため既述のようなウエハの滞留を抑えるために検査ユニット19のスループットを向上させることが要求されるが、測定自体の時間を短くすることは容易ではない。また塗布現像装置1Aでレシピを変えた場合にも、塗布現像装置1Aの各部のスループットが変化してしまう。
【0007】
このように塗布現像装置1Aのユニット数やレシピを変更した場合に各部のスループットが変化し、検査ユニット19のスループットが最低になってしまう場合があり、この場合塗布現像装置1A全体のスループットを低下させないようにするには、検査ユニット19のスループットを塗布現像装置1Aの各部のスループットの変化にあわせて、柔軟に調整することが要求される。
【0008】
本発明はこのような事情の下になされたものであり、その目的は、検査部を備えた検査ステーションを処理ステーションに接続して基板処理システムを構成するにあたり、検査ステーションの処理時間が最長にならないように検査部のスループットを調整する技術を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数枚の基板が収納されたキャリアが搬入出されるキャリア搬入出部とこのキャリア搬入出部に載置されたキャリアに対して基板の受け渡しを行うための受け渡し手段とを含むキャリアステ−ションと、
このキャリアステ−ションに隣接して設けられ、基板に塗布液を塗布する処理部と、この処理部と前記受け渡し手段との間で基板の受け渡しを行う主搬送手段と、を含む処理ステーションと、
前記キャリアステ−ションに隣接して設けられ、処理後の基板を検査する検査部を備えた検査ステ−ションと、
前記キャリアステーションと、前記処理処理ステーションと、前記検査ステーションの各々のスループットを求め、前記検査ステーションのスループットが最低である場合に、検査ステーションの処理時間を短縮して当該検査ステーションのスループットが最低とならないように調整するためのスループット制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0010】
ここで前記スループット制御部は、前記検査部における基板の測定頻度を減少させ、又は測定ポイント数を減少させて当該検査部の処理時間を短縮し、これによりこの検査ステーションのスループットが最低とならないように調整するものである。
【0011】
このような構成では、例えばレシピの変更時などのスループット変更時に、スループット制御部により、当該検査ステーションのスループットが最低とならないように、前記検査部の処理時間を制御しているので、検査ステーションとキャリアステーションとの間での基板の滞留が抑えられ、基板処理システム全体のスループットを向上させることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の基板処理システムを塗布、現像装置に適用した場合の、実施の形態に係る塗布、現像装置100に露光装置200を接続してなる基板処理システムの全体の概略を示す平面図、図2は塗布、現像装置100の概略を示す斜視図である。塗布、現像装置100は、キャリアステ−ション2と処理ステ−ション3とインタ−フェイスステ−ション4と検査ステ−ション5とから構成されている。
【0013】
前記キャリアステ−ション2は、複数枚例えば25枚の基板であるウエハWが棚状に保持された搬送容器をなすウエハキャリア(以下単に「キャリア」という)Cが塗布、現像装置100に対して搬入出され、例えば4個のキャリアCが各々所定位置に位置決めされた状態でX方向に配列されるキャリア搬入出部(キャリアステ−ジ)21と、このキャリア搬入出部21に載置されたキャリアCに対してウエハWの受け渡しを行う受け渡し手段である受け渡しア−ム22と、を備えている。この受け渡しア−ム22は、X、Z方向に移動自在でかつ鉛直軸回りに回転自在な基台に進退自在なア−ムを設けて構成されている。
【0014】
前記処理ステ−ション3は、前記キャリアステ−ション2に対して、Y方向に隣接して設置されると共に、中央にメイン搬送ア−ムなどと呼ばれている主搬送手段をなすウエハ搬送部31(以下メイン搬送ア−ムという)を備えており、このメイン搬送ア−ム31のY方向で見たときの前後には、夫々棚32、33が設けられている。これら棚32、33は、複数のユニットが積み上げられて構成されており、図3に示すようにそれらユニットに対してウエハを加熱するための低温加熱ユニット及び高温加熱ユニットを含む加熱ユニット301と、ウエハを冷却するための冷却ユニット303、ウエハの位置合わせをするためのアライメントユニット303、ウエハの受け渡しを行うステ−ジを備えた受け渡しユニット304,305などが割り当てられている。なお図3に示すユニットの割り当てはイメ−ジを示す便宜上のもので、この割り当てに拘束されるものではない。
【0015】
キャリアステ−ション2から処理ステ−ション3を見て前記メイン搬送ア−ム31の右側には、下段側に1個の塗布部である塗布ユニット34と、1個の反射防止膜形成ユニット35が設けられ、上段側に2個の現像部である現像ユニット36が設けられている。前記メイン搬送ア−ム31は昇降自在、鉛直軸まわりに回転自在、進退自在に構成されており、ウエハWを棚32、33の各ユニット、塗布ユニット34、反射防止膜形成ユニット35及び現像ユニット36の間で受け渡す役割をもっている。
【0016】
塗布ユニット34は、例えばウエハWをスピンチャックにより保持して回転させ、ウエハWの中心部にレジストを供給し、遠心力により引き伸ばしてウエハW上にレジストを塗布するものである。また反射防止膜形成ユニット35は、化学増幅型のレジストを用いると露光時にレジスト膜の下側で反射が起こるので、これを防止するために、ウエハの表面に塗布液を塗布して反射防止膜を形成するためのものである。さらに現像ユニット36は、露光後のウエハWの表面に現像液を塗布して現像を行うものである。
【0017】
またインタ−フェイスステ−ション4は、前記棚33の受け渡しユニット306と露光装置200との間をウエハWを搬送するための搬送手段をなす搬送ア−ム41と、露光後のウエハWの周縁部を露光するための周縁露光ユニット42と、図示していないがバッファ用のウエハ保持棚などを備えている。周縁露光ユニット42は、ウエハWの周縁にレジストが付いていると剥がれてパ−ティクルになるので、当該周縁を露光しておいて現像液によりレジストを除去するためのものであり、ウエハWを載置してX,Y方向に移動可能なX,Yステ−ジと露光機とを備えている。
【0018】
前記検査ステ−ション5は、前記キャリアステ−ション2に対してX方向に隣接しており、処理後のウエハWを検査する検査部6が複数個上下に配列されている(複数段設けられている)。この検査部6は、塗布処理後のウエハWに塗布されたレジスト塗布状態や露光処理後のウエハW表面の露光状態や現像処理後のウエハW表面の露光状態などを検査するものであり、具体的にはレジストパターンの線幅、レジストパタ−ンと下地膜との重なり具合、現像欠陥、レジストの塗布ムラ及び露光状態などについて検査を行うためのものである。
【0019】
なおこの例では検査部6の配置段数は3段としてあるが、2段でも4段以上でもよいし、また1段であってもよい。以下においてこの検査部をパターン検査部と呼ぶことにすると、パタ−ン検査部6は、例えば図4に示すようにウエハWの図示しない搬送口を備えた筐体60と、この筐体60内に設けられ、ウエハWを水平に支持してその向きを調整できるように構成された載置部をなす回転載置台61と、この回転載置台61上のウエハWの表面を撮像するための撮像手段をなすCCDカメラ62と、このCCDカメラ62をX,Y、Z方向に移動させるための駆動部をなすカメラ駆動部63とを備え、このCCDカメラ62で得られたウエハの画像をデ−タ処理部64であるパーソナルコンピュータなどにて解析することによって検査を行う。図中65は照明手段である。
【0020】
また前記検査ステ−ション5は、前記パタ−ン検査部6との間でウエハWの受け渡しを行うための補助搬送手段である、Z方向に移動自在でかつ鉛直軸回りに回転自在な基台に進退自在なア−ムを設けて構成された補助ア−ム51と、この補助ア−ム51及び前記キャリアステ−ション2の受け渡しア−ム22の間でウエハWの受け渡しをするときにウエハWが一旦載置される中間載置部52と、を備えている。この検査ステ−ション5は、全体が筐体で囲まれると共に例えば底部に図示しないキャスタが取り付けられた1個のユニットとして構成され、キャリアステ−ション2に対して接続、切り離しができるようになっている。
【0021】
前記中間載置部52は、例えば図5に示すように多数の例えば25枚のウエハWが棚状に保持できるように多数の段部53が形成されると共に受け渡しア−ム22及び補助ア−ム51がアクセス(受け渡し)できるように両側が開口して構成されている。この中間載置部52では、例えば前記段部53の一段を受け渡しア−ム22から補助ア−ム51への検査前ウエハWの受け渡し専用の搬入用受け渡し部、他の一段を補助ア−ム51から受け渡しア−ム22への検査後ウエハWの受け渡し専用の搬出用受け渡し部、残りがウエハが一時的に載置されるバッファ用として割り当てられている。
【0022】
この例では中間載置部52のいずれの段のウエハWについても受け渡しア−ム22及び補助ア−ム51がアクセスできるが、そのためにはア−ム22、51側でどの段にウエハWが収納されているかを把握している必要があり、例えばア−ム22、51に光反射センサからなるマッピングセンサを設ける必要がある。中間載置部52はこのような構成とする代わりに図6に示すように多段の載置部である載置台54の上に2段の載置台を設け、下段側を受け渡しア−ム22から補助ア−ム51への検査前ウエハWの受け渡し専用の搬入ステ−ジ55、上段側を補助ア−ム51から受け渡しア−ム22への検査後ウエハWの受け渡し専用の搬出ステ−ジ56としてもよい。なお詳しくはウエハWは3本の突起50の上に載せられ、その下にア−ム22、51の進入スペ−スが確保されている。このように構成すれば、補助ア−ム51がウエハWを取りに行く位置と置きに行く位置とが決まっているので補助ア−ム51にマッピングセンサを設けなくて済む。
【0023】
ここでこのような基板処理システムにおけるウエハの流れについて説明すると、外部からレジストパタ−ンを形成すべき基板である例えば25枚のウエハWが収納されたキャリアCがキャリアステ−ション2のキャリア搬入出ステ−ジ21に搬入され、受け渡しア−ム22によりこのキャリアC内からウエハWが取り出される。ウエハWは、受け渡しア−ム22から棚32の受け渡しユニット304を介してメイン搬送ア−ム31に受け渡され、処理ステーション2では、棚32(あるいは33)の冷却ユニット→反射防止膜形成ユニット35→低温加熱ユニット301→高温加熱ユニット301→冷却ユニット302→塗布ユニット34→低温加熱ユニット301→冷却ユニット302に順次搬送されて、レジストが塗布される。この後ウエハは、棚33の受け渡しユニット305からインタ−フェイスステ−ション4を経て露光装置200に送られる。
【0024】
露光装置200にて露光されたウエハWは、逆の経路で処理ステ−ション3に戻され、メイン搬送ア−ム31により現像ユニット36に搬送され、現像処理される。なお詳しくは、ウエハWは、現像処理の前に加熱処理及び冷却処理される。現像処理されたウエハWは上述と逆の経路で受け渡しア−ム22に受け渡され、その後中間載置部52の搬入用受け渡し部に搬送される。
【0025】
このとき検査ステ−ション5のいずれかのパタ−ン検査部6に空きがあれば、前記搬入用受け渡し部に置かれたウエハWは補助ア−ム51によりパタ−ン検査部6に搬送されるが、いずれのパタ−ン検査部6も使用中であれば、補助ア−ム51は待機し、検査の終わったウエハWを中間載置部52の搬出用受け渡し部に搬送した後、それまで待っていた搬入用中間載置部52上のウエハWをパタ−ン検査部6に搬送する。パタ−ン検査部6に搬入されたウエハWはパタ−ンの線幅、パタ−ンと下地膜との重なり具合、現像ムラ及び現像欠陥などが検査され、パタ−ン検査結果が合格であるウエハWは補助ア−ム51により搬出用受け渡し部を会して受け渡しア−ム22により例えば元のキャリアC内に戻される。なお不合格となったウエハWは例えばパタ−ン検査部6にてマ−キングされて合格品と区別されてから元のキャリアC内に戻されるかあるいは例えば検査ステ−ション5内またはキャリアステ−ション2内の図示しない不合格品回収用の収納部に搬送される。
【0026】
ここで中間載置部52のバッファ用の載置部は、搬入用受け渡し部又は搬出用受け渡し部が使用中である場合に、これらが空くまでウエハWを一時的に載置するために用いられる。なお上記の実施例においては、現像処理後にウエハW表面を検査する場合について説明したが、夫々の検査は塗布処理前,塗布処理後、露光処理後など、各処理工程の前後に適宜行うことができる。
【0027】
続いて本実施の形態の塗布、現像装置100の制御系に関して述べると、この制御系では、各塗布、現像装置100全体を制御する機能や、パターン検査装置6にて検査された測定データに基づいて、塗布、現像装置100の各処理部や露光装置200のパラメータを調整する機能や、各キャリアステ−ション2や処理ステーション3、インターフェイスステーション4、露光装置200、検査ステーション5の各スループットを計算し、検査ステーション5のスループットを調整する機能を備えている。
【0028】
本発明では、検査ステーション5のスループットを調整する機能に特徴があるので、この機能に関する部分について、図7により説明すると、図中7は塗布、現像装置100のコントローラであり、スループット制御部をなすものである。なおこの例では当該機能に関する構成のみを記載し、その他の機能に関する構成については省略してある。図中71は、例えば処理ステーション3の塗布ユニット34などのモジュールの数や各モジュールの処理時間等を入力するための入力装置であり、例えば塗布、現像装置100の外面に設けられた操作パネル部の中に組み込まれている。ここでモジュールとは、処理ステーション3の塗布ユニット34、反射防止膜形成ユニット35、現像ユニット36、棚32,33に設けられた加熱ユニット301や冷却ユニット302、受け渡しユニット304、305、露光装置200などをいう。
【0029】
また72はCPU(中央処理ユニット)、73はスループット計算の元になる値、例えば受け渡しアーム22やメイン搬送アーム31の処理時間等が格納された第1の記憶部であり、74は第2の記憶部である。第2の記憶部74はスループット計算プログラム75と、測定頻度調整プログラム76と、を備えている。
【0030】
ここでスループット計算プログラム75では、後述のようにキャリアステーション2、処理ステーション3、露光装置200、検査ステーション5のスループットの計算が行われ、また測定頻度調整プログラム76は、スループット計算プログラム75の計算結果に基づいて検査ステーション5の処理時間が最長であるか(スループットが最低であるか)否かを判断し、処理時間が最長であれば測定頻度を少なくする作業が行われる。なお70はバスである。
【0031】
続いて本発明の特徴的な部分である検査ステーション5のスループットの自動調整について説明する。上述の基板処理システムでは、レシピの変更時にスループット計算を行うが、ここでレシピの変更とは、例えば塗布、現像装置100や露光装置200のプロセスレシピを変更したり、並列処理を行うモジュール数を変更したりすることをいう。
【0032】
ここではモジュール数の変更を行う場合を例にして図8により説明する。先ずレシピの変更があると、自動的またはオペレータが入力装置71に変更後のモジュール数を入力する(ステップS1)。次いでスループット計算プログラム75により各工程における処理時間を計算する(ステップS2)。
【0033】
この際スループットは、キャリアステーション2、処理ステーション3、インターフェイスステーション4、検査ステーション5、露光装置200について計算され、夫々のステーション2〜5でのスループットを決定する要素は、キャリアステーション2では受け渡しアーム22、処理ステーション3ではメイン搬送アーム31と処理ステーション3の各モジュール、インターフェイスステーション4では搬送アーム41、検査ステーション5では各パターン検査装置6である。
【0034】
以下に夫々のスループットを決定する要素の処理時間の計算の一例について説明する。先ずキャリアステーション2の受け渡しアーム22の処理時間は例えば20秒に設定されている。ここで処理時間とはキャリアステージ21のウエハを棚32の受け渡しユニット305に搬送して、再びキャリアステージ21に戻るまでの時間であり、この値は例えば予め第1の記憶部73に格納されている。
【0035】
また処理ステーション3のメイン搬送アーム31の処理時間は、処理ステーション2の搬送工程数に依存し、上述のように搬送工程数が9つの場合(受け渡しユニット304→冷却ユニット302→反射防止膜形成ユニット35→低温加熱ユニット301→高温加熱ユニット301→冷却ユニット302→塗布ユニット34→低温加熱ユニット301→冷却ユニット302→受け渡しユニット305)、一工程あたりの搬送時間が3秒であるので、3秒×9工程=27秒となる。ここで一工程あたりの搬送時間は、例えば2枚のアームの内の一方で所定のモジュールから処理済のウエハを受け取り、他方のアームで次のウエハを当該モジュールに受け渡す時間のことであり、例えば予め第1の記憶部73に格納される。また搬送工程数は例えばオペレータにより入力装置71に入力される。
【0036】
処理ステーション3の各モジュールの処理時間は、次の(1)式により計算される。
処理時間={(レシピ設定時間)+(A)}/並列モジュール数…(1)
ここでAは、各モジュールの処理において、ウエハの受け渡しとプロセスレシピ以外に要する時間のことであって、オーバーヘッド時間と呼ばれるものであり、例えば第1の記憶部73に格納されている。また並列モジュール数とは、例えば同じレシピで同じ目的の処理を行うモジュールの数をいう。
【0037】
各モジュールにて処理時間が計算されるが、例えば処理時間が最長の例を示すと、例えば現像ユニット36は、レシピ設定時間が60秒、Aが10秒、並列処理モジュール数が2であり、スループットが(60+10)/2=35秒となる。ここで並列処理モジュール数は、例えばオペレータにより入力装置71に入力される。
【0038】
インターフェイスステーション4の搬送アーム41の処理時間は例えば30秒に設定されており、この処理時間とはウエハを棚33の受け渡しユニット305から露光装置200に搬送して、再び棚33の受け渡しユニット305に戻るまでの時間であり、この値は、例えば予め第1の記憶部73に格納されている。
【0039】
検査ステーション5のパターン検査装置6の処理時間は、次の(2)式により計算される。
処理時間={(レシピ設定時間)+(B)}/並列モジュール数…(2)
ここでレシピ設定時間は測定ポイント数に依存するものであり、Bは各パターン検査装置6の処理において、ウエハの受け渡しとレシピ設定時間以外に要するオーバーヘッド時間のことであって、例えば第1の記憶部73に格納されている。なお並列モジュール数は、例えば同じ検査を行うパターン検査装置6の数をいう。
【0040】
各パターン検査装置6にて処理時間が計算されるが、例えば処理時間が最長の例を示すと、例えばレシピ設定時間が45秒、Bが10秒、並列モジュール数が1であり、処理時間が(45+10)/1=55秒となる。
【0041】
露光装置200の処理時間は、露光装置200がウエハを受け取って露光処理を行い、インターフェイスステーション4の搬送アーム41にウエハを受け渡すまでの時間をいい、例えば40秒に設定されていて、この処理時間は予め第1の記憶部73に格納されている。
【0042】
こうして、スループット計算プログラム75にて各要素の処理時間を得、測定頻度調整プログラム76では、スループット計算プログラム75の計算結果に基づいてパターン検査装置6の処理時間が最長時間(律速時間)であるか否かを判断し(ステップS3)、検査装置の処理時間が最長時間でなければ、測定頻度の変更を行うことなくそのままの条件で、処理を続ければよいので、このプログラムを終了する。
【0043】
一方上述の例のように、各要素の処理時間が、受け渡しアーム22が20秒、メイン搬送アーム31が27秒、モジュールが35秒、搬送アーム41が30秒、パターン検査装置6が55秒、露光装置200が40秒であって、パターン検査装置6の処理時間が律速時間となる場合には、ステップS4に進んで例えばキャリアステーション2の受け渡しアーム22のプログラムの一部を変更して測定頻度を例えば1/2に落とす作業を行ない(ステップS4)、再びパターン検査装置6のスループットの計算を行う(ステップS2)。ここで受け渡しアーム22のプログラムの一部を変更して測定頻度を1/2にするとは、中間載置部52の搬入用受け渡し部に測定対象とするウエハを1個おきに搬送するということであり、測定しないウエハは受け渡しアーム22により中間載置部52のバッファ部に搬送するようにしてもよいし、受け渡しアーム22によりキャリアステージ21の元のキャリアCに搬送するようにしてもよい。
【0044】
この場合パターン検査装置6のスループットは、測定頻度が1/2であるので、並列モジュール数が2ということに相当し、上述の(2)式より処理時間は(45秒+10秒)/2=27.5秒となる。この後、測定頻度調整プログラム76において、再びパターン検査装置6のスループットが最長時間(律速時間)であるか否かを判断し(ステップS3)、律速時間ではない場合には条件を変更する必要がないので、このプログラムを終了する。律速時間である場合には再び受け渡しアーム22のプログラムの一部を変更して測定頻度を例えば1/2に落とす作業を行なう。
【0045】
このような実施の形態では、検査ステーション5のスループットが最低(パターン検査装置6の処理時間が最長時間)である場合には、自動的に測定頻度を調整して、検査ステーション5の処理時間を短縮することにより、検査ステーション5のスループットが最低にならないようにしているので、検査ステーション5と処理ステーション3との間での基板の滞留が防止され、基板処理システム全体のスループットの向上を図ることができる。
【0046】
具体的には、上述の基板処理システムにてウエハを連続的に処理する場合のスループットは、次の(3)式により計算される。
【0047】
T=3600/T1(wph)…(3)
ここでT1は各要素の中の処理時間の最長時間(律速時間)であり、上述の測定頻度の調整を行った場合の例では、各要素の処理時間は、受け渡しアーム22が20秒、メイン搬送アーム31が27秒、モジュールが35秒、搬送アーム41が30秒、パターン検査装置6が27.5秒、露光装置200が40秒であるので、露光装置200の処理時間が律速時間となり、装置全体のスループットはT=3600/40(wph)=90(wph)となる。
【0048】
一方測定頻度の調整を行わない場合には、パターン検査装置6の処理時間が55秒であって律速時間となり、装置全体のスループットはT=3600/55(wph)=65(wph)となる。このように検査ステーション5の処理時間が最長にならないように測定頻度を調整することにより、基板処理システムのスループットを65(wph)から90(wph)に高めることができる。
【0049】
続いて本発明の他の実施の形態について説明する。この実施の形態は、パターン検査装置6のコントローラ8に、スループットの調整機能を持たせた例である。パターン検査装置6のコントローラ8について、当該機能に関する部分に関して説明すると、このコントローラ8はスループット制御部をなすものであり、例えば図9に示すように、入力装置81と、CPU82と、第1の記憶部83と、スループット計算プログラム85と、測定ポイント数調整プログラム86とを備えた第2の記憶部84と、を備えている。これら入力装置81と、CPU82と、第1の記憶部83と、スループット計算プログラム85とは、上述の実施の形態の塗布、現像装置100のコントローラ7と同様の機能を有するものである。また前記測定ポイント数調整プログラム86は、スループット計算プログラム85の計算結果に基づいてパターン検査装置6のスループットが最低か否かを判断し、最低であれば測定ポイント数を例えば1/2に落とす作業を行なう。
【0050】
このような構成では、例えばモジュール数の変更時(ステップS1)に、スループット計算プログラム85によりスループットを決定する要素である、キャリアステーション2の受け渡しアーム22と、処理ステーション3のメイン搬送アーム31とモジュールと、インターフェイスステーション4の搬送アーム41と、検査ステーション5の各パターン検査装置6と、露光装置200との処理時間を計算し(ステップS2)、測定ポイント数調整プログラム86において、前記計算結果に基づいて検査装置6の処理時間が最長時間(律速時間)であるか否かを判断し(ステップS3)、検査装置6の処理時間が最長時間でなければ、測定ポイント数の変更を行うことなくそのままの条件で、処理を続ければよいので、このプログラムを終了する。
【0051】
一方パターン検査装置6の処理時間が律速時間となる場合には、ステップS4に進んで検査装置6のカメラ駆動部63のプログラムの一部を変更して測定ポイント数を例えば20ポイントから10ポイントに1/2に落とす作業を行ない(ステップS4)、再び検査装置6のスループットの計算を行う(ステップS2)。この後、測定ポイント数調整プログラム86において、再び検査装置6のスループットが最長時間(律速時間)であるか否かを判断し(ステップS3)、律速時間ではない場合には条件を変更する必要がないので、このプログラムを終了する。律速時間である場合には再びカメラ駆動部63のプログラムの一部を変更して測定ポイント数を例えば1/2に落とす作業を行なう。
【0052】
この場合パターン検査装置6のスループットは、測定ポイント数を1/2にすることにより、レシピ設定時間が1/2となり、上述の例では(2)式より検査装置6の処理時間は、{(45/2)秒+10秒}/2=32.5秒となる。
【0053】
このような実施の形態においても、検査ステーション5のスループットが最低(検査装置6の処理時間が最長時間)である場合には、自動的に測定ポイント数を調整することにより検査装置6の処理時間を短縮し、検査ステーション5のスループットが最低にならないようにしているので、基板処理システム全体のスループットの向上を図ることができる。具体的には、上述の基板処理システムにてウエハを連続的に処理する場合のスループットは、上述の測定ポイント数の調整を行った場合の例では、各要素の処理時間は、受け渡しアーム22が20秒、メイン搬送アーム31が27秒、モジュールが35秒、搬送アーム41が30秒、パターン検査装置6が32.5秒、露光装置200が40秒であるので、露光装置200の処理時間が律速時間となり、装置全体のスループットは(3)式よりT=3600/40(wph)=90(wph)となって、測定ポイント数の調整を行わない場合(65wph)に比べて、基板処理システムのスループットが高められる。
【0054】
以上において、本発明では中間載置部52は、キャリアステーション2の内部に設けるようにしてもよい。また測定頻度を減少させるために、キャリアステーション2の受け渡しアーム22のプログラムを変更する代わりに、検査ステーション5又はキャリアステーション2に全てのウエハを載置する載置部を設けてここに受け渡しアーム22により全てのウエハを一旦載置し、ここから補助アーム51により例えば1個おきに、ウエハを検査装置6に搬送するように、補助アーム51のプログラムを制御してもよい。
【0055】
さらに本発明では、化学増幅型レジスト以外のレジストを用いる場合などに、ウエハ表面に反射防止膜を形成する代わりに、ウエハ表面を疎水化してからレジスト液を塗布するようにしてもよい。この場合疎水化ユニットは棚32,33に組み込まれる。また基板としてはウエハに限られるものではなく、液晶ディスプレイ用のガラス基板であってもよい。
【0056】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、処理ステーションとキャリアステーションを介して検査ステーションが接続された基板処理システムにおいて、検査ステーションの処理時間が最長にならないようにしているので、検査ステーションとキャリアステーションとの間での基板の滞留が押さえられ、システム全体のスループットを高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の全体構成を示す概略平面図である。
【図2】図1の実施の形態を示す概略斜視図である。
【図3】図1の実施の形態の一部を示す概略縦断側面図である。
【図4】上記の実施の形態で用いられるパタ−ン検査部の内部を示す側面図である。
【図5】上記の実施の形態で用いられる中間載置部の一例を示す斜視図である。
【図6】上記の実施の形態で用いられる中間載置部の他の例を示す斜視図である。
【図7】上記の実施の形態の制御系を示すブロック図である。
【図8】上記の実施の形態の作用を説明するためのフロー図である。
【図9】本発明の他の実施の形態の制御系を示すブロック図である。
【図10】上記の他の実施の形態の作用を説明するためのフロー図である。
【図11】従来の検査装置を備えた塗布、現像装置を示す平面図である。
【符号の説明】
100 塗布、現像装置
200 露光装置
2 キャリアステ−ション
21 キャリア搬入出部
22 第1の受け渡しア−ム
3 処理ステ−ション
31 メイン搬送ア−ム
34 塗布ユニット
35 反射防止膜形成ユニット
36 現像ユニット
4 インタ−フェイスユニット
5 検査ステ−ション
51 補助ア−ム
52 中間載置部
6 パタ−ン検査部
7 塗布、現像装置のコントローラ
8 検査装置のコントローラ
73,83 第1の記憶部
74,84 第2の記憶部
75,85 スループット計算プログラム
76 測定頻度調整プログラム
86 測定ポイント数調整プログラム

Claims (7)

  1. 複数枚の基板が収納されたキャリアが搬入出されるキャリア搬入出部とこのキャリア搬入出部に載置されたキャリアに対して基板の受け渡しを行うための受け渡し手段とを含むキャリアステ−ションと、
    このキャリアステ−ションに隣接して設けられ、基板に塗布液を塗布する処理部と、この処理部と前記受け渡し手段との間で基板の受け渡しを行うための主搬送手段と、を含む処理ステーションと、
    前記キャリアステ−ションに隣接して設けられ、処理後の基板を検査するための検査部を備えた検査ステ−ションと、
    前記キャリアステーションと、前記処理ステーションと、前記検査ステーションの各々のスループットを求め、前記検査ステーションのスループットが最低である場合に、検査ステーションの処理時間を短縮して当該検査ステーションのスループットが最低とならないように調整するためのスループット制御部と、を備えたことを特徴とする基板処理システム。
  2. 複数枚の基板が収納されたキャリアが搬入出されるキャリア搬入出部とこのキャリア搬入出部に載置されたキャリアに対して基板の受け渡しを行うための受け渡し手段とを含むキャリアステ−ションと、
    このキャリアステ−ションに隣接して設けられ、基板にレジストを塗布する塗布部と、露光後の基板に対して現像を行う現像部と、塗布部及び現像部に対して基板の搬送を行うと共に前記受け渡し手段との間で基板の受け渡しを行うための主搬送手段と、を含む処理ステ−ションと、
    前記処理ステーションに隣接して設けられ、レジストが塗布された基板を対して露光処理を行う露光装置と、
    前記処理ステーションと露光装置との間で基板の受け渡しを行うための搬送手段を備えたインターフェイスステーションと、
    前記キャリアステ−ションに隣接して設けられ、処理後の基板を検査するための検査部と、を備えた検査ステ−ションと、
    前記キャリアステーションと、前記処理ステーションと、前記インターフェイスステーションと、前記検査ステーションと、前記露光装置との各々のスループットを求め、前記検査ステーションのスループットが最低である場合に、検査ステーションの処理時間を短縮して当該検査ステーションのスループットが最低とならないように調整するためのスループット制御部と、を備えたことを特徴とする基板処理システム。
  3. 検査ステ−ションは検査部との間で基板の受け渡しを行う補助搬送手段を備え、
    キャリアステ−ション内、または検査ステ−ション内、あるいはキャリアステ−ションと検査ステ−ションとに跨がった位置のいずれかに基板を一旦載置するための中間載置部を設け、
    処理ステ−ションで処理された基板を、キャリアステ−ションの受け渡し手段により中間載置部を介して前記補助搬送手段に受け渡すことを特徴とする請求項1又は2いずれかに記載の基板処理システム。
  4. 前記スループット制御部は、前記検査ステーションのスループットが最低である場合に、検査部における基板の測定頻度を減少させて当該検査部の処理時間を短縮し、これによりこの検査ステーションのスループットが最低とならないように調整することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理システム。
  5. 前記スループット制御部では、キャリアステーションの受け渡し手段から中間載置部に搬送する基板の数を減少させて、基板の測定頻度を減少させることを特徴とする請求項3又は4記載の基板処理システム。
  6. 前記スループット制御部は、前記検査ステーションのスループットが最低である場合に、検査部における基板の測定ポイント数を減少させて当該検査部の処理時間を短縮し、これにより検査ステーションのスループットが最低とならないように調整することを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の基板処理システム。
  7. 検査部は、基板を略水平に載置するための載置部と、この載置部に際置された基板の表面を撮像するための撮像手段と、前記載置部と撮像手段とを相対的に略水平方向に移動させるための駆動部と、前記撮像手段により得られた基板表面の画像を解析するためのデータ処理部と、を備え、前記駆動部の移動を制御することにより、基板の測定ポイント数を減少させることを特徴とする請求項6記載の基板処理システム。
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