JP3723221B2 - フッ素化オニウム塩類、フッ素化オニウム含有硬化性組成物、およびフッ素化オニウムを使用する硬化方法 - Google Patents
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Description
発明の分野
本発明はフッ化ビニリデン含有フルオロポリマー組成物の硬化に関する。
背景技術
背景
フッ化ビニリデン単位を含有するフルオロポリマー(たとえば、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロペンなどのエチレン的不飽和モノマーのコポリマー)は、たとえば、Brullo R.A.,「Fluoroelastomer Rubber for Automotive Applications」Automotive Elastomer & Design, June 1985、「Fluoroelastomer Seal Up Automotive Future」Materials Engineering, October 1988および「Fluorocarbon Elastomers」Encyclopedia of Polymer Science and Engineering, vol.7, pp.257 et seq. (2d ed., John Wiley & Sons, 1987).などに記載されているシール類、ガスケット類およびライニングなど、高温での適用に特に有用である。その1つの理由は、このようなフルオロポリマーは、硬化したとき、熱、溶剤、腐食性薬品および蒸気による損傷に対して優れた抵抗性を有することである。しかし、硬化過程は一般に非常に遅く、硬化促進剤を使用することが必要である。このために、様々なオルガノオニウム化合物が提案されてきた。
さらに、製造工程中(特に射出成形を使用する場合)に、硬化したポリマーが一般に金型の表面に付着する。結果として、フルオロポリマーから作製された造形物品は、金型から外すとき、頻繁に裂けたり損傷したりする。また、離型剤をポリマーに組込むと、硬化した組成物の物性(たとえば、ムーニースコーチMooney Scorch、収縮、および圧縮硬化)に重大な悪影響を及ぼすことがあり、硬化した組成物の有効な商業的使用が制限される可能性がある。金型キャビティ表面へのポリマー溶着(「金型付着物」)および造形した硬化物品の金型からの剥離不良が欠陥の主な理由であり、その結果、物品が不合格になる(これは、このような物品の製造経費に加算される。)
離型問題の1つの可能な解決は、Kolbらに付与された米国特許第5,262,490号(これは本願明細書に援用される)に提案されている。Kolbらは、フルオロポリマー硬化の促進および離型特性の提供という2つの機能を果たすようにデザインされたホスホニウム塩、アンモニウム塩、スルホニウム化合物、および(場合に応じて)ポリヒドロキシ化合物を含有する組成物を記載している。
発明の開示
発明の概要
一般に、本発明は、たとえば、式:
を有するフッ化ビニリデン含有ポリマーの硬化促進剤剤として有用な1クラスの化合物を特徴とし、
式中、Qはオニウムイオンであり、A-は対イオンであり、R1、R2、R3、およびR4は、互いに独立に、(a)非フッ素化アルキル基(たとえば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはイソブチルなどの分枝アルキル基または直鎖アルキル基)、シクロアルキル(たとえば、シクロヘキシル)基、アリル基、アリール(たとえば、フェニル)基、またはアラルキル(たとえば、ベンジル)基,(b)オニウム含有基、または(c)式-(CH2)n-Y-R5を有する基であって、nは少なくとも2であり、Yは-CH2-基、-O-基、-OCH2-基、-S-基、-SO2-基、または-Z-SO2-基を含むスペーサーアームであり、ZはR6-O-基、-N(R7)-基、または-N-(H)-基であり、R6は置換または未置換のフェニレン基であり、R7は非フッ素化アルキル基(たとえば、メチルなど、分枝または直鎖のC1−C6アルキル基)、シクロアルキル基(たとえば、シクロヘキシル)、アリル基、アリール基(たとえば、フェニル)、またはアルカリル基(たとえば、ベンジル)であり、R5はフッ素化基、過フッ素化基、またはその組み合わせである基を含むが、
但し、(i)R1、R2、R3、およびR4のうち少なくとも1つは式-(CH2)n-Y-R5を有する基を含み、(ii)化合物中のフッ素原子総数は少なくとも5であり、(iii)Qがスルホニウムイオンのとき、R4基はない。
好ましい実施態様で、R1基、R2基、R3基、およびR4基の少なくとも1つは(1)炭素原子を少なくとも4個有するアルキル基、(2)式-(CH2)n-O-R5を有する基、または(3)Phがフェニル基である式-(CH2)n-Ph-O-SO2-R5を有する基を含む。R5基は(1)過フッ素化アルキル基、(2)式:
を有する過フッ素化エーテル基であって、式中pは0であるが、但しYが-O-のときpは1以上であり、mは1以上であり、xは2以上であり、Rfは過フッ素化基(たとえば、過フッ素化メチル基などのC1〜C6過フッ素化アルキル基)であり、Rf'はFまたは過フッ素化基(たとえば、過フッ素化メチル基などのC1〜C6過フッ素化アルキル基)である過フッ素化エーテル基、または(3)xが少なくとも4である式-CH2-(CF2)x-Hを有する過フッ素化アルキル基を含むことが好ましい。好ましいオニウムイオンとしては、ホスホニウムイオン、アンモニウムイオン、およびスルホニウムイオン、ならびにそれらの組み合わせがあり、ホスホニウムイオンが特に好ましい。
好ましい化合物の1例は式
を有する。
好ましい化合物の2番目の例は式:
を有する。
好ましい化合物の3番目の例は式:
を有する。
好ましい化合物の4番目の例は式:
を有する。
好ましい化合物の5番目の例は式:
を有する。
好ましい化合物の6番目の例は式:
を有する。
本発明は、上述の硬化促進剤を使用してフッ化ビニリデン単位を含むポリマーを硬化する方法、ならびにこのようなポリマーおよび上述の硬化促進剤を含む硬化性組成物も特徴とする。好ましくは、硬化は離型剤の非存在下で実行される。
本願明細書で使用される「離型剤」は、硬化した最終組成物を硬化が起こる金型から外すのに役立つ、硬化促進剤以外の物質を指す。離型剤には金型の表面に適用される物質、ならびに硬化性組成物と混合される物質が含まれる。
本願明細書で使用される「Ph」はフェニル基を指す。
本願明細書で使用される「i-Bu」はイソブチル基を指す。
本発明は、フッ素化オニウム硬化促進剤によって硬化時間が減少する硬化時間が急速な硬化性組成物を提供する。フッ素化オニウム硬化促進剤それ自体が優れた離型特性も提供し、その結果、別の離型剤の必要性がなくなる。結果として得られる硬化した物品は優れた物性を示す。
本発明の他の特徴および長所は、以下の本発明の好ましい実施態様の説明、および請求の範囲から明白になるであろう。
好ましい実施態様の説明
本発明による硬化性フッ化ビニリデン含有フルオロポリマー組成物は硬化促進剤としてフッ素化オニウム塩類を含有する。好ましい促進剤の例は、上記本発明の概要に記載の構造を有し、式中A-は有機または無機の陰イオン、たとえば、ハロゲン化物、チオ硫酸塩、ギ酸塩、シアン酸塩、チオシアン酸塩、テトラフェニルホウ酸塩、過塩素酸塩、硝酸塩、テトラフルオロホウ酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、シュウ酸塩、ステアリン酸塩、ハロ酢酸塩、パラ−トルエンスルホン酸塩、ZnCl4 2-、CdCl4 2-、NiBr4 2-、HgI3 -、硫酸塩、酢酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、水酸化物、アルコキシド、フェノキシド、トリフルオロメタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ヘキサクロロリン酸塩、ヘキサクロロスズ酸塩、ヘキサフルオロヒ酸塩、ヘキサフルオロアンチモン酸塩、2-メルカプトベンゾチアゾレート、ペルフルオロアルカンスルホンアミド陰イオン、ビスフェノキシド、または石炭酸塩であってもよい。対イオンが1より大きい負の電荷を具有する場合、1個以上のオニウム化合物に対イオン1個を使用することが可能である。
R1〜R4基およびR6基は、互いに独立に、アルキル基、アリール基、およびアルケニル基、またはその組み合わせから成る基の群から選択されることが好ましい。R基は、未置換であってもよく、配合条件下または硬化条件下で非イオン化性である1個以上の中性の非官能置換基で置換されていてもよい。このような置換基としては、たとえば、ハロゲン原子、シアノ、R'がC1−C20アルキル基、アリール基、アラルキル基、およびアルケニル基から成る基の群から選択される-OR'およびCOOR'部分などがある。さらに、R基の任意の対をお互とオニウムイオンに結合させて複素環を形成することができる。
R5はフッ素化基、過フッ素化基、またはその組み合わせである。好ましい基の例としては、フッ素化アルキル基、フッ素化アルコキシ基、過フッ素化アルキル基、過フッ素化アルコキシ基などがある。
フッ素化オニウム塩類は一般に、たとえば、ホスフィン、アミンまたはスルフィドをアルキル化剤と反応させることによって調製され、その結果、電子供与性リン原子、窒素原子、またはイオウ原子の原子価およびオルガノ−オニウム上の陽電荷が膨張する。
硬化性フッ化ビニリデン含有ポリマーの例は、前述のKolbに付与された特許、Wormに付与された米国特許第4,233,421号、およびGrootaertらに付与された米国特許第4,882,390号に記載されており、これらはすべて、本願明細書に援用される。具体例としては、ヘキサフルオロプロペン、クロロトリフルオロエチレン、2-クロロペンタフルオロプロペン、ペルフルオロアルキルビニルエーテル(たとえば、CF3OCF=CF2またはCF3CF2OCF=CF2)、テトラフルオロエチレン、1-ヒドロペンタフルオロプロペン、2-ヒドロペンタフルオロプロペン、ジクロロジフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、1,1-ジクロロフルオロエチレン、フッ化ビニルおよびそれらの混合物など、フッ素含有ポリマーの調製に一般に使用される、フッ化ビニリデンと末端不飽和モノオレフィン類とのコポリマー類およびターポリマーなどがある。フッ素非含有末端不飽和モノオレフィンモノマー、たとえば、エチレンやプロピレンをコモノマーとして使用することもできる。
上述のポリマー類にフィラーを加えて、硬化した組成物または加硫物の物性を改良することがたびたびある。フィラーを使用するとき、フィラーは、ポリマー100重量部当たり約100部まで、好ましくはポリマー100重量部当たり約1〜50部の量で、加硫処方に加えられる。使用することが可能なフィラーの例は、強化用耐熱グレードカーボンブラックまたは粘土、バライトなど、強化特性が比較的低い非黒色顔料である。1種以上のジオルガノ酸化イオウ合物、および他の従来の補助剤または成分、たとえば、緩染剤や加工助剤を硬化性化合物に加えることが望ましい場合もある。
硬化性組成物は架橋剤も含有することが好ましい。このような試薬は当該技術上周知であり、たとえば、前述のKolbやWormに付与された特許、および米国特許第4,259,463号(Moggiら)、第3,876,654号(Pattison)、および第5,384,374号(Guerraら)に記載されており、そのすべてが本願明細書に援用され、芳香族ポリヒドロキシ化合物、脂肪族ポリヒドロキシ化合物、およびその誘導体などが含まれる。配合物を使用することも可能である。好ましいポリヒドロキシ化合物は、イソプロピリデン−ビス(4-ヒドロキシベンゼン)(「ビスフェノールA」)およびヘキサフルオロイソプロピリデンビス(4-ヒドロキシベンゼン)(「ビスフェノールAF」)など、芳香族ポリヒドロキシ化合物である。
式RfSO2NHR"(R"は水素原子またはたとえば、1〜20個炭素原子、好ましくは1〜12個の炭素原子を有するアルキル基であり、Rfはたとえば、nが1〜20であるCnF2n+1などのペルフルオロアルキル、または、たとえば、nが3〜20であるCnF2n-1であるペルフルオロシクロアルキルなどのフルオロ脂肪族基であり、このような化合物はたとえば、米国特許第5,086,123号(Guerraら)に記載されている。)ものを含め、フルオロ脂肪族スルホンアミド類を加えることができる。フルオロ脂肪族スルホンアミドは好ましくはペルフルオロアルキルスルホンアミドであり、別個の化合物として加えてもよく、あるいはオルガノ−オニウム化合物の陰イオンとして加えてもよい。
物質をポリマーガムストックに混合することにより、細かく分割した固体の形で、あるいはアルコールやケトン溶剤中の溶液として、未硬化ポリマーガムにフッ素化硬化促進剤および架橋剤を加えてもよい。このようにして混合したガムストックは、一般に室温で長期間、たとえば、最高2年以上、保存することができる。
硬化の前に、酸受容体をガムストックに混合すると、その後、ストックの貯蔵寿命がさらに限定される。酸受容体は無機であっても有機であってもよい。有機受容体としては、エポキシ類、ステアリン酸ナトリウム、およびショウ酸マグネシウムなどがある。無機受容体の例としては、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化カルシウム、水酸化カルシウム、二塩基性亜リン酸鉛、酸化亜鉛、炭酸バリウム、水酸化ストロンチウム、炭酸カルシムなどがある。好ましい酸受容体は酸化マグネシウムおよび水酸化カルシウムである。酸受容体は、単独で使用することも併用することもでき、ポリマー100重量部当たり約2〜25部の範囲で使用することが好ましい。本発明の範囲から逸脱せずに、硬化系の成分全部を、ポリマーガムに配合する前に混合することが可能である。
架橋剤およびフッ素化オニウム塩の相対量は、酸受容体と混合したとき、組成物の望ましい硬化および/または離型を提供するような量で組成物中に存在する。硬化系の成分の代表的な比率は次の通りである:
酸受容体:0.5〜40phr
オニウム塩:0.2〜5mmhr
架橋剤:0.3〜10mmhr
量はすべて、ポリマー100部当たりの部(「phr」と省略)またはポリマー100g当たりのミリモル(「mmhr」と省略)で表す。上記比率は一般的な範囲である。各々の詳細な硬化時間および温度の具体的な量は、当該技術における通常の熟練者には明白であろう。
本発明に従えば、酸受容体、フッ素化オニウム塩、架橋剤、ジオルガノ酸化イオウ化合物(存在するのであれば)、および他の従来の補助剤および成分の望ましい量を、未加硫ポリマー(すなわち、ガムストック)に加え、Banburyミキサー、練りロール機、または他の便利な混合装置など、通常のゴム混合装置を使用して、未加硫ポリマーと均質に混合するかまたは配合する。最良の結果を得るためには、混合中の組成物の温度を約120℃より高温にしてはならない。混合中、成分および補助剤を硬化性ポリマー全体に一様に分布させることが必要である。
一般に、硬化過程は、このようにして得られた組成物を加圧下、約95〜約230℃の範囲の温度で成形した後、硬化することを含む。本発明の組成物は射出成形に特に有用である。通常、次に、成形生成物を約150〜約315℃、通常は約232℃の温度で、試料の断面の厚さに応じて約2時間から50時間以上、後硬化(たとえば、オーブン硬化)させる。
次に、以下の実施例を例証として、本発明をさらに説明する。
実施例
本発明のフッ素化オニウム硬化促進剤およびこのようなオニウム類を含む硬化性組成物の試料を下記の通りに調製した。反応は、他に記載がなければ室温および圧力で実施した。記載のパーセンテージは、他に記載がなければ重量パーセントである。構造上の特性化データは、NMR、IR分光分析技術により入手した。
本発明による硬化促進剤の調製に使用した前駆体フルオロアルキルホスフィン類は、ジイソブチルホスフィン(DIBP)とフルオロアルキルアリルエーテルまたはアリルフルオロスルホンアミドとの遊離基ヒドロリン酸化反応によって調製した。このようなヒドロリン酸化反応は当該技術上周知である。Rahut, M.M.et al J.Org.chem., 1961, 26, 5138、Pellon, J, J.Am Chem.soc., 1961, 83, 1915、Buckler, S.A., et al, J.Am Chem.Soc., 1961, 83, 168、Langhans, k.P., et al Z.Naturforsch 1990, 45b, 203 and Horvath, I.T.et al Science, 1994, 266, 72の教示は、非常に多いこの種の反応の例の代表である。後続の第四級ホスホニウム塩類は、これらのホスフィン類から、ホスフィンとアルキル、アリル、またはハロゲン化ベンジルとの相互作用によって調製した。
フルオロアルキルアミドホスホニウム硬化促進剤の比較例は、3-アミノプロピルジイソブチルホスフィンとメチルペルフルオロアルキルエステルとの間のアミド基転移によって調製した。反応は、溶剤を使用せずに0℃で実施し、続いてアルキルまたはハロゲン化ベンジルで第四級化した。前述のヒドロリン酸化反応と同様の様式で、DIPBとアリルアミンとの間のヒドロリン酸化により3-アミノプロピルジイソブチルホスフィンを調製した。米国特許第5,362,919号(Costelloら、)、第5,322,904号(Bierschenekら)および第4,094,911号(Mitschら)に記載の通りに、メチルペルフルオロエステルを調製した。
硬化性組成物の硬化特性およびレオロジー特性ならびに硬化したシートの物性を、以下の試験方法を使用して評価した。
無回転部レオメーター、予熱なし、振動子の振動数100cpm、弧0.5°のためのASTM D 5289-93aに従って、Monsanto Moving Die Rheometer (MDR) Model 2000Eを177℃で使用し、混合物8.0gを用いて、未硬化の、配合混合物の硬化レオロジー試験Cure Rheological Testsを実施した。最小トルク(ML)、最大トルク(MH)、MHとMLの間の差であるデルタトルク(ΔT)を報告した。ts2(トルクがMLから2単位上昇する時間)、t'50(MLより上にデルタトルクの50%上昇する時間)、およびt'90(MLより上にデルタトルクの90%上昇する時間)を報告し、それらはすべて分で報告した。
プレス硬化シートおよび後硬化シートから切り取った試料の物性を試験した。プレス硬化データは、他に記載がなければ、硬化性組成物の試料を約6.9Mpa、177℃で10分間プレスして作製した20×20×0.2cmのシートから入手した。後硬化データは上述の通りに作製し、さらに処理するか約232℃に維持した空気循環炉内で16時間シートを加熱することによって硬化させたシートから入手した。
ASTM D 412-92ε1に従い、200lb(88.9kg)ロードセルを具備したMonsanto機械的ステターを使用して、破壊時の引張強さ、破壊時の伸び率、および伸び率100%における応力を測定した。試験標本は、Die Dを使用して、プレス硬化シートまたは後硬化シートから切り取った。1”(25.4mm)ゲージの区画を使用して、クロスヘツドの移動を追跡した。テストは全て、一定のクロスヘッド移動速度20“/分(508mm/分)で三重に実行した。報告した値は3回の試験の平均であった。伸び率100%における応力、破壊時伸び率、および破壊時引張強さを、それぞれメガパスカル(MPa)、%、およびMpaの単位で報告した。
Kloeckner Ferromatic Desma Gmbh, Germanyから入手可能なDESMA966.053 ZO実験用射出成形機を使用して、射出成形性能、すなわち離型を評価した。さらに、本機は閉型力500kN、設備総力27kW、射出ピストン直径55mm、最大ピストンストローク120mm、最大射出圧200Mpa、最大射出速度400mm/秒、スクリュー直径30mmでスクリューRPMが30〜220の可塑化ユニットを具有すると説明されている。O−環の製造に使用した金型は、O−環内径48mm、O−環断面2.90mm、ランナーの長さ13mm、スプレー基底直径5.2mm、スプルーの長さ29mmの4キャビティ金型であり、各キャビティには真空の溝があった。金型鋼は、表面仕上がEDMのSTAVAXESRであった。
各実験(処方の変更)の前に、圧力0.2MPaで10分間、金型表面に50〜150ミクロンのガラスビーズで吹きつけることにより、金型を状態調整した。この金型を80℃の苛性アルカリ水溶液中で30分間状態調整し、同溶液中で10分間超音波洗浄した。洗浄後、金型を脱イオン水ですすぎ、乾燥させて、一晩貯蔵してから使用した。各処方について複数の成形サイクルを作成した。
定常状態のO−環射出成形条件は金型温泉190℃、射出バレル温度95℃、スクリューバレル温度60℃、射出速度最大の60%、射出後圧力5.5MPaで2秒間、スクリューRPM最大の35%、背圧0.5MPa、可塑化遅延最終保圧時間後2秒、および真空時間2.5秒であった。保圧時間および加熱時間はともに加硫速度によって左右され、硬化したO−環が得られるように調節した。成形品と類似の様式になるように射出能力を調節した。
上述の通りに射出成形評価Injection Molding Evaluationを実施し、評点0(最悪の離型)から評点8(最高の離型)まで評価する以下の評価システムを用いて評価した。
次の場合、離型評点0を与えた。
成品を裂かずに金型から外すことがどうしてもできず、これが各成形サイクルで確認されたとき。金型を開いたとき、成形品は裂けていても、裂けていなくてもよい。ランナーやばりを含め、あらゆるものが金型表面に強くくっつき、剥すことが困難であった。くっついたばりや成形品すべてを金型表面からはがすためには、銅ウールまたは類似物でこすることが必要であった。
次の場合離型評点1を与えた。
成品の一部だけは無傷で剥すことができたが、成形品の取外しをエアーガンで助けても非常に困難であったとき。金型を開いたとき、成形品は裂けていても、避けていなくてもよい。ランナーやばりを含め、あらゆるものが金型表面に強くくっつき、剥すことが困難であった。くっついたばりや成形品すべてを金型表面からはがすためには、銅ウールまたは類似物でこすることが必要であった。
次の場合離型評点2を与えた。
成品の大部分を無傷で剥すことができたが、成形品の取外しをエアーガンで助けても非常に困難であったとき。ランナーやばりを含め、あらゆるものが金型表面に強くくっつき、剥すことが困難であった。くっついたばりや成形品すべてを金型表面からはがすためには、銅ウールまたは類似物でこすることが必要であった。空気だけでは、くっついた成形品やばりを取り外すのに不十分であった。
次の場合離型評点3を与えた。
ほぼ全部の成品を無償で剥すことができたが、エアーガンの助けだけはかりたとき。エアーガンでランナーおよび一部のばりを取り外すことができたが、裂けが無くはなかった。金型にくっついた残りのばりを金型から外すためには、織物でこすることが必要であった。空気だけでは不十分であった。
次の場合離型評点4を与えた。
全ての成品を無傷で剥すことができたが、エアーガンの助けだけはかりたとき。ランナーは、裂けることなく外すことができたが、エアーガンで助けても、成形品は無傷ではなかった。多くのばりが裂け、金型にくっつき、金型からこれを外すためには、織物でこすることが必要であった。空気だけでは不十分であった。
次の場合離型評点5を与えた。
すべての成品およびランナーシステムを裂けることなく外すことができたが、エアーガンの助けだけはかりたとき。一部のばりが裂け、金型にくっつき、金型からこれを外すためには、織物でこすることが必要であった。金型表面にくっついたままのばりを外すには、空気だけでは不十分であった。
次の場合離型評点6を与えた。
ほぼ全部の成品およびランナーシステムを裂けることなく外すことができたが、エアーガンの助けだけはかりたとき。ばりは滅多に裂けず、金型にくっつかなかった。一部のばりが金型にくっついたとき、軽くこするかエアーガンでひと吹きすると、ばりは容易にはずれた。
次の場合離型評点7を与えた。
全てのショット、製品、ランナーシステム、およびばりを裂けることなく外すことができたが、エアーガンの最小限の助けだけはかりたとき。空気を使用せずに成形品を取り外すと、裂けることが時々あった。
次の場合離型評点8を与えた。
空気を使用せずに、一貫して、全ての製品、ランナーおよびばりを裂けることなく外すことができたとき。手で、且つ非常にわずかな力で成形品を取りはずすだけで、すべての成品、ランナーおよびばりを外すことができた。
フッ素化オニウム硬化促進剤
本発明のフッ素化オニウム硬化促進剤の調製に使用する前駆体フルオロアルキルホスフィン類またはアミド類を以下の通りに調製した。
ホスフィンA:
Cytec Industries, Inc.から入手可能なジイソブチルホスフィン(DIBP)のトルエン中固形分70%の溶液170g(0.82mol)を詰めることにより、オーバーヘッドスターラー、コンデンサー、窒素パージアダプター、温度計およびゴムセプタムを具備する1000mLの4口フラスコ内で3-(1,1-ジヒドロペルフルオロオクチルオキシ)プロピルジイソブチルホスフィン(ホスフィンA)を調製した。反応フラスコの外部加熱または冷却を行うことができるように、フラスコアセンブリを調節可能な実験用ジャッキに載せた。さらにトルエンを加えてDIBP溶液を固形分約50%に希釈した。反応フラスコを窒素で15分間パージし、DIBPの酸化を最小限に抑えるために、反応フラスコを通して窒素の陽性流れを維持した。
2番目のフラスコ内で、米国特許第5,274,159号(Pelleroteら)の実施例1に記載の通りに調製した1,1-ジヒドロペルフルオロオクチルアリルエーテル、(CF3(CF2)6CH2O-CH2-CH=CH2)、351g(0.84mol)を、トルエン約100mlおよびAldrich Chemical Company, Inc.から入手可能なアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1.3g(8.5mmol)と混合した。DIBPのトルエン溶液を約80℃に温め、2番目のフラスコ内のアリルエーテル溶液を注入ポンプにより約2.5mL/分で温いDIBPに加えた。約20分後、顕著な発熱が検知されたため、80〜95℃の温度が維持されるように、アリルエーテル添加速度および外部加熱を調節した。アリルエーテル溶液を全部加えた後、反応混合物をさらに2時間85℃に加熱して、DIPBを完全に消費させた。
31P NMR分光分析(トルアルキルホスフィン生成物の場合、外部H3PO4からδ=−40ppmアップフィールド)で測定したとき反応が完了したら、減圧下でトルエン溶剤を除去した。1H、31PNMR分光分析で、構造が所望の生成物3-(1,1-ジヒドロペルフルオロオクチルオキシ)プロピルジイソブチルホスフィンのものであることが確認された。
ホスフィンB:
ナトリウム金属28.3g(1.23mol)を詰め、ナトリウム金属を分散させるために乾燥テトラヒドロフラン500mlを加えることにより、マグネティック攪拌棒、還流コンデンサー、滴下ロートおよび窒素パージ装置を具備する三口丸底フラスコ内で3-(1,1-ジヒドロペルフルオロプロポキシ)プロピルジイソブチルホスフィン(ホスフィンB)を調製した。Aldrich Chemical Company, Inc.から入手可能な、乾燥THFにペンタフルオロプロパノール188g(1.25mol)を溶解した溶液を、滴下ロートに入れた。このペンタフルオロプロパノール溶液を、約40〜50℃の反応温度を維持するのに十分な速度でナトリウム金属にゆっくり加えた。
ナトリウム金属が完全に消費されたら、THF約200ml中に、Aldrich Chemical Company, Inc.から入手可能な臭化アリル188g(1.57mol)の溶液をゆっくり加えた。添加中に、沈殿したNaBrの形成が反応フラスコ内で確認された。臭化アリル溶液を全部加えた後、反応混合物をさらに12時間還流させた。反応混合物を室温(約24℃)に冷却し、NaBr沈殿を濾過によって除去した。
KOH10gを加えてアルカリ性にした脱イオン水2Lに、THF溶液を注ぎ込んだ。生成物下層を分離し、この様式で、さらに3回洗浄した。MgSO4を使用して生成物層を乾燥させ、濾過して蒸留した。蒸留、沸点(72〜82℃)により、所望の生成物を単離した。19F、1H NMR分光分析で、生成物の構造は1,1-ジヒドロペンタフルオロプロピルアリルエーテル(CF3CF2CH2O-CH2-CH=CH2)であると確認された。1H NMR分光分析で測定したとき、生成物は3% w/wのTHFを含有していた。ヒドロリン酸化反応で3-(1,1-ジヒドロペンタフルオロプロピル)アリルエーテルを使用したこと以外はホスフィンAに関して記載した調製方法と同様の方式で、3-(1,1-ジヒドロペルフルオロプロポキシ)プロピルジイソブチルホスフィンを調製した。
ホスフィンC:
2当量の1,1-ジヒドロペルフルオロプロピルアリルエーテル(CF3CF2CH2O-CH2-CH=CH2)を1当量のイソブチルホスフィン(H2-P-iBu)と反応させるように反応化学量論を調節したこと以外はホスフィンAの調製に使用したものと同様の方式で、ビス(3-(1,1-ジヒドロペルフルオロプロポキシ)プロピル)イソブチルホスフィン(ホスフィンC)を調製した。
ホスフィンD:
米国特許第3,442,644号(Heine)の実施例7に従って調製したN-エチル、N-アリルペルフルオロオクタンスルホンアミド、(C8F17SO2-N(Et)-CH2CH=CH2)を使用したこと以外は、ホスフィンAと同様の方式でN-エチル、N-(3-ジイソブチルホスフィノ)プロピルペルフルオロオクタンスルホンアミド(ホスフィンD)を調製した。ホスフィンDを調製する場合、100℃で60時間後に、出発アリルスルホンアミドはDIBPによって完全には消費されなかった。60時間の反応期間後の反応混合物の31P NMRスペクトルから、所望するホスフィンの約35%が形成されることがわかった。
フラスコにDIBP 38g(0.26mol)を入れた。C8F17SO2-N(Et)-CH2CH=CH2160g(0.28mol)およびAIBN5mol%を含有するトルエン溶液を、3時間かけて注入ポンプで加えた。顕著な発熱反応は認められなかったため、反応混合物の温度を100℃に上昇させた。さらに60時間、反応混合物をこの温度に加熱した。反応の進行を、ガスクロマトグラフィーおよび31P NMR分光分析でモニタリングした。この期間の後、減圧下(40〜80℃、1mmHg)での単純蒸留により、トルエン溶剤および未反応DIBPを除去した。残っている、所望の生成物と未反応のC8F17SO2-N(Et)-CH2CH=CH2の混合物を200mLの1口丸底フラスコに移した。アリルスルホンアミド出発物質を、140〜150℃、1mmHgでKugelrohr蒸留により除去すると、所望の生成物が生じた。31P、19Fおよび1Hで所望の生成物、N-エチル、N-(3-ジイソブチルホスフィノ)プロピルペルフルオロオクタンスルホンアミド、C8F17SO2-N(Et)-(CH2)3-P-(i-Bu)2の形成が確認された。生成物には1重量%未満の未反応C8F17SO2-N(Et)-CH2CH=CH2が含まれていることが1H NMR分光分析方法でわかった。
実施例1:
実施例1では、ホスフィンA[3-(1,1-ジヒドロペルフルオロオクチルオキシ)プロピルジイソブチルホスフィン]50g(0.085mol)をフラスコに入れることにより、窒素パージ流入口およびマグネティック攪拌棒を具備する200ml無気フラスコ内で本発明のフッ素化ホスホニウム硬化促進剤を調製した。次に、2-プロパノール20mlをフラスコに加えてホスフィンAを溶解し、Aldrich Chemical Co.から入手可能な塩化ベンジル10.8g(0.085mol)をホスフィン溶液に加えた。生じた混合物を約50℃に12時間加熱した。ホスフィンは定量的にトリアルキルベンジルホスホニウムハライドに変換されたことが、反応混合物の31P NMR分光分析からわかった。出発ホスフィンの31P NMR化学シフトデータはδ=−40ppmであるが、ホスホニウムの化学シフトはδ=+32ppmの領域で確認される。2-プロパノールを真空下で除去し、生成物(3-(1,1-ジヒドロペルフルオロオクチルオキシ)プロピルジイソブチルベンジルホスホニウムクロリド)をさらに真空下、50℃で約12時間乾燥させた。1H、31Pおよび19F NMRスペクトルで所望の生成物の構造が確認された。
実施例2〜4:
実施例2〜4では、ホスフィンAの代わりに実施例2ではホスフィンBを使用し、実施例3ではホスフィンCを使用し、実施例4ではホスフィンDを使用したこと以外は実施例1と同様の方式で、本発明のフッ素化ホスホニウム硬化促進剤を製造した。
実施例5:
2-アリルフェノールおよびDIBPを使用したこと以外はホスフィンAと同様の方式で3-(2-ヒドロキシフェニル)プロピルジイソブチルホスフィンを最初に調製することにより、2-((3-ジイソブチルベンジルホスホニウムクロリド)プロピル)フェニルペルフルオロオクタンスルホネートを製造した。コンデンサー、機械的スターラー、および滴下ロートを具備した3口反応容器にNaH3.6g(0.09mol)、鉱油中60%分散液、および乾燥THF350mLを入れた。
別のフラスコ内で、上述の3-[2-ヒドロキシフェニル]プロピルジイソブチルホスフィンをTHF50mLに溶解した。室温で、このホスフィン溶液をNaH分散液にゆっくり加えた。H2ガス放出の欠如によって決定したNaHの消費後、3M Co., St.Paul, MNから入手可能なFluorinertTM Electronic Liquid FC-72 100mL中に、やはり3M Co.から入手可能なFluoradTMペルフルオロオクタンスルホニルフルオリドFX-8 44.5g(0.09mol)の溶液をホスフィン溶液に滴下した。得られた混合物を、約16時間加熱して還流させた(約45℃)。19F NMR分光分析法で反応を追跡し、NMRスペクトルで、CFCl3から+40ppmダウンフィールドにおけるフッ化スルホニルのシグナルがもはや検出されなかったとき、反応が完了したと考えた。
生成混合物を水および塩化メチレンで抽出することによって、反応混合物を作った。有機層を合併し、MgSO4で乾燥させ、減圧下で溶剤を除去した。生成物61.6g(収率88%)が粘性の淡褐色油として単離された。1H、31P、19F NMR分光分析法で、生成物の構造が適切であることが確認された。
このようにして得られたホスフィン中間体2-(プロピル(3-ジイソブチルホスフィン))フェニルペルフルオロオクタンスルホネート51.3g(0.072mol)を、別のフラスコ内で、2-プロパノール約50mlに溶解した。この混合物に、塩化ベンジル9.0g(0.071mol)を加え、の反応混合物を約50℃に16時間温めた。反応混合物から溶剤を除去し、生成物を真空下で乾燥させることにより、所望の生成物が得られた。
実施例6:
実施例1に記載のホスホニウムの合成と同様の方式で、3-(1,1-ジヒドロペルフルオロオクチルオキシ)プロピルジイソブチルアリルホスホニウムクロリドを調製した。この手順で、出発ホスフィンA(50.0g、0.085mol)をエタノール40gに溶解した。この溶液を塩化アリル(Aldrich Chemical Co.から入手可能)8.5g(0.112mol、1.3モル過剰)と混合した。この反応混合物を45℃に12時間加熱した。ホスフィンAから所望のホスホニウムへの変換を31P NMR分光分析法でモニタリングした。回転蒸発後、真空下、室温でさらに乾燥させることにより溶剤を除去して、ホスホニウム生成物を単離した。生成物3-(1,1-ジヒドロペルフルオロオクチルオキシ)プロピルジイソブチルアリルホスホニウムクロリドが淡橙色の粘性油として、収率約80〜90%で単離された。
硬化性組成物
各硬化性組成物に使用した成分を、二本ロール機で標準方法を使用して混合した。ポリヒドロキシ架橋剤4,4'-(ヘキサフルオロイソプロピリデン)ジフェノール(ビスフェノールAF)、および水酸化カルシウムはAldrich Chemical Company, Inc.から市販されている。酸化マグネシウムは「Maglite D」として入手でき、カーボンブラックは「Thermax MT, ASTM N990」として入手できる。試薬の量を、ゴム100部当たりの部(pphr)、またはゴム100部当たりのmmol(mmhr)で記載する。
実施例7:
実施例7では、従来の二本ロール機で標準方法を使用して、以下の成分を一緒に混合することにより、本発明の硬化性組成物を調製した。3M Co.からFluorelTM Fluoroelastomer FC-2145として入手可能なフッ化化ビニリデン(60重量%)とヘキサフルオロプロピレン(40重量%)のフッ素含有コポリマー100g、ビスフェノール-AF2.1gおよび上記実施例1として調製したフッ素化オニウム硬化促進剤0.92g(1.29mmhr)のメタノール溶液(固形分約50%)。次に、Ca(OH)2 6g、MgO 3gおよびカーボンブラック30gを、粉砕すべき組成物に加えた。確実に均質の混合物とするためにさらに混合した後、Monsanto Moving Die Rheometerを177℃で12分間使用して、生じた硬化性組成物の硬化特性を分析した。結果を表1に報告する。
多量の硬化性組成物を約6.9MPa、177℃で10分間プレスして、プレス硬化シートを作製した。このようにして得られたプレス硬化シートの物性を評価した。プレス硬化シートの試料を232℃で16時間さらに処理するか硬化させると後硬化シートが生じ、この物性も評価した。プレス硬化シートおよび後硬化シートの試験結果を表2および表3に報告する。
実施例8〜11:
実施例8〜11では、使用するフッ素化オニウム硬化促進剤を次のように変更したこと以外は実施例7と同様の方式で、本発明の硬化性組成物を調製して評価した。実施例8は上記実施例2として調製した化合物を使用し、実施例9は上記実施例3として調製した化合物を使用して調製し、実施例10は上記実施例4として調製した化合物を使用して調製し、実施例11は上記実施例5として調製した化合物を使用して調製した。データを表1〜4に報告する。
実施例12:
使用するフッ素化オニウム硬化促進剤を次のように変更したこと以外は実施例7と同様の方式で、実施例12の硬化性フルオロエラストマー組成物を調製して評価した。実施例6に記載のホスホニウム化合物を使用し、1.29mmhrの代わりにオニウム0.662phr(1mmhr)を使用した。データを表1〜5に報告する。
比較例C1〜C3
比較例C1では、使用したオニウム硬化促進剤がAldrich Chemical Company, Inc.から市販されており一般に使用されるベンジルトリフェニルホスホニウムクロリドであったこと以外は、実施例7に記載の通りに硬化性組成物を調製して評価した。
比較例C2では、マグネティック攪拌棒、窒素流入口アダプターおよびゴムセプタムを具備し、PCR Cprp.から入力可能なメチルペルフルオロオクタノエート28.5g(0.067mol)を入れた1口無気フラスコ内で、使用するオニウム硬化促進剤、N-3-(ジイソブチルベンジルホスホニウムクロリド)プロピルペルフルオロオクタン酸アミドを調製したこと以外は、実施例7に記載の通りに硬化性組成物を調製して評価した。ペルフルオロオクタノエートを0℃に冷却し、3-アミノプロピルジイソブチルホスフィン12.8g(0.063mol)を注射器で加えた。生じた混合物を0℃で1〜1.5時間攪拌した。反応混合物の赤外線スペクトルは、1790cm-1におけるメチルエステルカルボニル伸長は存在せず、1700〜1710cm-1における新しいカルボニル伸長が存在することを示した。さらに、生成混合物のガスクロマトグラフィーで、新しい生成物1種が形成されていたことが確認された。
反応混合物を約45℃に温め、メタノールで固形分約50%に希釈した後、塩化ベンジル7.9g(0.063mol)を加え、反応を12時間続けた。反応混合物の31P NMRスペクトルは+30ppmにおける一重項のみで構成され、ホスフィンが完全に消費されていたことがわかった。溶剤を除去し、生成物を真空下で乾燥させることにより、非常に粘性で、淡褐色の油である生成物が単離された。生成物をP、1Hおよび19F NMR分光分析法で特性化した。
比較例C3では、メチルフルオロオクタノエートの代わりにメチルペルフルオロブトキシエトキシエタノエートを使用したこと以外は比較例C2のオニウム硬化促進剤と同様の方式で、使用するオニウム硬化促進剤を調製したこと以外は、実施例7に記載の通りに硬化性組成物を調製して評価した。
比較例のデータを表1〜4に報告する。
表1のデータから、比較例C1、非フッ素化オニウムと比較するとき、本発明のオニウム硬化促進剤を使用すると、より急速に硬化することがわかる。
表2の結果から、本発明の硬化性組成物は許容できる初期硬化特性を備えた硬化物品を提供することがわかる。
表3のデータから、本発明の硬化性組成物は許容できる後硬化特性を備えた硬化物品を提供することがわかる。
ASTM法D-395-89を使用して、圧縮硬化データを入手した。O-環を177℃で12分間プレス硬化し、232℃で16時間、後硬化した。O-環を200℃で70時間、25%圧縮した。データ(表4に表示)を、試験後に残留している圧縮のパーセントとして報告する。
表4の結果から、本発明の硬化性組成物は比較例C2およびC3より優れた圧縮硬化特性を備えた硬化物品を提供することがわかる。
実施例13:
実施例13では、使用するフッ素含有コポリマーを米国特許第5,285,002号(Grootaert)の実施例3に記載の通りに調製したこと以外は実施例7と同様の方式で本発明の硬化性組成物を製造した。
比較例C4:
比較例C4では、使用するフッ素含有コポリマーを米国特許第5,285,002号(Grootaert)の実施例3に記載の通りに調製したこと以外は比較例C1と同様の方式で硬化性組成物を製造した。
射出成形評価を実施し、評点0(最悪の離型)から評点8(最高の離型)まで用いて、上述の通りに評価した。
表5のデータから、本発明のフッ素化オニウム硬化促進剤を使用すると、現在使用されている市販のオニウム硬化促進剤と比較して、離型評点が改善することがわかる。
上記表1〜5の全ての結果を比較すると、本発明のフッ素化硬化促進剤は、速やかな硬化速度、物性を喪失しないこと、改善された射出成形離型特性および評価した比較例に比べて一般的に改善された圧縮硬化特性の組み合わせを示す。
実施例14〜18:
フッ素ターポリマー70.2%の硬化性エラストマー混合物:
実施例14では、FluorelTMフルオロエラストマーFC-2145の代わりにフッ素含有ターポリマー100gを使用したこと以外は実施例7の通りに本発明の硬化性組成物を製造して評価した。使用した個々のターポリマーは、米国特許第5,285,002号(Grootaert)の実施例5に記載の通りに製造した。また、フッ素化ホスホニウムクロリド(実施例1の通りに調製)とビスフェノールAFのナトリウム塩(米国特許第4,912,171号(Grootaertら)の実施例22に記載の通りに調製)を反応させることにより、ビスフェノール−AF0.42g(1.25mmhr)をフッ素化オニウム硬化促進剤と反応させた。
二本ロール機を用いて、下表6に記載の酸受容体およひカーボンブラックをビスフェノール-AF-オニウム反応生成物およびフッ素含有ターポリマーと混合した。試薬の量はゴム100当たりの部(phr)またはゴム100部当たりのミリモル(mmhr)である。二本ロール機を使用して、ビスフェノール-AFの最終量が2.1pphrとなるように、ビスフェノール-AF1.68g(5.0mmhr)をエタノール溶液として混合物に追加した。
本発明のターポリマー硬化性組成物を試験した硬化レーロジーの結果を表7に示す。それぞれ177℃で15分間および232℃で16時間加熱した、プレス硬化シートおよび後硬化シートから機械的特性データ入手した。データを表8および表9に記載する。
実施例15〜18では、それぞれ実施例8〜11の通りに製造したオニウム硬化促進剤を使用したこと以外は実施例14と同様の方式で、本発明の硬化性組成物を製造した。データを表8および表9に報告する。
比較例C5〜C7
比較例C5では、使用したオニウム硬化促進剤が、米国特許第4,912,171号(Grootaertら)の実施例16に記載の通りに調製したトリブチルメトキシプロピルホスホニウムクロリドであったこと以外は実施例14と同様の方式で硬化性組成物を製造して評価した。
比較例C6では、使用したオニウム硬化促進剤が比較例C2に記載のフルオロアルキルアミドオニウムであったこと以外は実施例14と同様の方式で硬化性組成物を製造して評価した。
比較例C7では、使用したオニウム硬化促進剤が比較例C3に記載のフルオロアルキルアミドオニウムであったこと以外は実施例14と同様の方式で硬化性組成物を製造して評価した。
表7のデータから、本発明のオニウム硬化促進剤を使用したとき比較例に比べて同様またはそれ以上の硬化を示すことがわかる。
表8の結果から、本発明の硬化性組成物は許容できる初期硬化特性を備えた硬化物品を提供することがわかる。
表9の結果から、本発明の硬化性組成物は許容できる後硬化特性を備えた硬化物品を提供することがわかる。
ASTM法D-395-89を使用して、圧縮硬化データを入手した。O-環を177℃で12分間プレス硬化し、232℃で16時間、後硬化した。O-環を200℃で70時間、25%圧縮した。データ(表10に表示)を、試験後に残留している圧縮のパーセントとして報告する。
表10の結果から、本発明の硬化性組成物は改善された圧縮硬化特性を備えた硬化物品を提供することがわかる。
例14〜18およびC5〜C7に従って調製した組成物の離型性能も評価した。結果を表11に報告する。
表11の結果から、本発明のフッ素化オニウム硬化促進剤を使用すると、他のオニウム硬化促進剤に比べて改善された離型評点を示すことがわかる。
表7〜11に記載の全ての結果を比較すると、本発明のフッ素化硬化促進剤は、速やかな硬化速度、物性を喪失しないこと、改善された射出成形離型特性および評価した比較例に比べて一般的に改善された圧縮硬化特性の組み合わせを示す。
他の実施態様は以下の請求の範囲の範囲内である。
Claims (3)
- (a)フッ化ビニリデン単位を含む少なくとも1種の硬化性ポリマーと、
(b)式
を有し、
式中Qはオニウムイオンであり、A-は対イオンであり、R1、R2、R3、およびR4は、互いに独立に、(a)非フッ素化アルキル基、シクロロアルキル基、アリル基、アリール基、またはアラルキル基,(b)オニウム含有基、または(c)式-(CH2)n-Y-R5を有する基であって、nは少なくとも2であり、Yは-CH2-基、-O-基、-OCH2-基、-S-基、-SO2-基、または-Z-SO2-基を含むスペーサーアームであり、ZはR6-O-基、-N(R7)-基、または-N-(H)-基であり、R6は置換または未置換のフェニレン基であり、R7は非フッ素化アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、アリール基またはアルカリル基であり、R5はフッ素化基、過フッ素化基、またはその組み合わせである基を含むが、
但し、(i)R1、R2、R3、およびR4のうち少なくとも1つは式-(CH2)n-Y-R5を有する基を含み、(ii)前記化合物中のフッ素原子総数は少なくとも5であり、(iii)Qがスルホニウムのとき、R4基はない、
少なくとも1種の硬化促進剤と、
を含む硬化性組成物。 - フッ化ビニリデン単位を含むポリマーを、式
を有し、
式中Qはオニウムイオンであり、A-は対イオンであり、R1、R2、R3およびR4は、互いに独立に、(a)非フッ素化アルキル基、シクロロアルキル基、アリル基、アリール基、またはアラルキル基,(b)オニウム含有基、または(c)式-(CH2)n-Y-R5を有する基であって、nは少なくとも2であり、Yは-CH2-基、-O-基、-OCH2-基、-S-基、-SO2-基、または-Z-SO2-基を含むスペーサーアームであり、ZはR6-O-基、-N(R7)-基、または-N-(H)-基であり、R6は置換または未置換のフェニレン基であり、R7は非フッ素化アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、アリール基またはアルカリル基であり、R5はフッ素化基、過フッ素化基、またはその組み合わせである基を含むが、
但し、(i)R1、R2、R3、およびR4のうち少なくとも1つは式-(CH2)n-Y-R5を有する基を含み、(ii)化合物中のフッ素原子総数は少なくとも5であり、(iii)Qがスルホニウムのとき、R4基はない、
硬化促進剤と配合することを含む、
フッ化ビニリデン単位を含むポリマーの硬化方法。 - 離型剤の非存在下で前記ポリマーを硬化することを含む請求項2に記載の方法。
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