JP2000503637A - フッ素化ホスホニウム塩 - Google Patents

フッ素化ホスホニウム塩

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JP2000503637A JP9-523649A JP52364997A JP2000503637A JP 2000503637 A JP2000503637 A JP 2000503637A JP 52364997 A JP52364997 A JP 52364997A JP 2000503637 A JP2000503637 A JP 2000503637A
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ミネソタ マイニング アンド マニュファクチャリング カンパニー
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Abstract

(57)【要約】 式(I): (式中、A-は対イオンであり、R1、R2、R3およびR4は、独立に(a)非フッ素化アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、リール基またはアラルキル基;(b)オニウム含有基;または、(c)式−(CH2n−Y−R5(式中、nは少なくとも2であり;Yは、−CH2−基、−O−基、−OCH2−基、−S−基、−SO2−基または−Z−SO2−基を含有するスペーサーアームであり;Zは−R6−O−基、−N(R7)−基または−N(H)−基であり;R6は置換または未置換フェニレン基であり;R7はHまたは非フッ素化アルキル基、シクロアルキル基、アリール基もしくはアルカリル基であり;R5はフッ素化基、過フッ素化基またはそれらの組み合わせである)を有する基を含有し、ただし、(i)R1、R2、R3およびR4の少なくとも1つは式−(CH2n−Y−R5を有する基を含有し;(ii)前記化合物中の総フッ素原子数は少なくとも5である)を有する化合物。本発明は、含フッ化ビニリデンポリマーおよび上記化合物を含有する組成物、並びにかかる組成物を硬化するための方法をさらに含む。

Description

【発明の詳細な説明】 フッ素化ホスホニウム塩 技術分野 本発明はフッ素化オニウム塩と、含フッ化ビニリデンフルオロポリマー組成物 を硬化する際の該化合物の使用とに関する。 背景技術 フッ化ビニリデン単位を含有するフルオロポリマー(例えば、フッ化ビニリデ ンとヘキサフルオロプロパンなどのエチレン系不飽和モノマーとのコポリマー) は、例えばブルーロ アール エー(Brullo R. A.)、「自動車への用 途のためのフルオロエラストマーゴム(Fluoroelastomer Ru bber for Automotive Applications)」、オー トモーティブ エラストマー&デザイン(Automotive Elasto mer&Design) 、1985年6月、「フルオロエラストマーシールアップ 自動車の将来(Fluoroelastomer Seal Up Autom otive Future)」、マテリアルズ エンジニアリング(Materi als Engineering)、1988年10月および「フルオロカーボン エラストマー(Fluorocarbon Elastomers)」、エンサイ クロペディア オブ ポリマー サイエンス アンド エンジニアリング(En cyclopedia of PolymerScience and Eng ineering)」、7巻、257ページ以降(第2版、ジョン ウィリー&サ ンズ(John Wiley&Sons)に記載されるシール、ガスケットおよ びライニ ングを含む高温における用途に特に利用性を有する。1つの理由は、かかるフル オロポリマーは、硬化されるとき、熱、溶媒、浸食性化学物質および蒸気による 悪影響に優れた耐性を有することである。しかしながら、その硬化工程は一般に 非常に緩徐であり、硬化促進剤の使用を必要とする。種々の有機オニウム化合物 がこの目的に提案されている。 また、製造工程中には(特に、射出成形が使用される場合には)、硬化後のポリ マーは、一般に金型の表面に接着される。結果として、フルオロポリマーから調 製される成形物品は、金型から離脱されるとき、避けたり、損傷したりすること が多い。また、ポリマーに離型剤を添加すると、硬化後の組成物の物理的性質に 重篤な悪影響を与えることがあるり(例えば、ムーニー スコーチ、縮み、圧縮 硬化)、硬化組成物の商品価値が損なわれることがある。金型のキャビティ表面 へのポリマーの付着(「金型汚損」)および成形硬化物品の金型からの剥離不良は 欠陥品を製造する主な原因となり、物品が拒否される(かかる物品の製造費の上 昇につながる)。 離型問題に対処しうる1解決法は、(本明細書に参考文献として引用されてい る)コルブ(Kolb)らの米国特許第5,262,490号に提案されている 。コルブ(Kolb)は、ホスホニウム塩またはアンモニウム塩、スルホニウム 化合物および(選択的に)ポリヒドロキシ化合物を含有し、フルオロポリマーの 硬化を促進し、かつ離型性を提供する2つの機能を同時に実施するように設計さ れた組成物について記載している。 発明の開示 一般に、本発明は、式: (式中、A-は対イオンであり、R1、R2、R3およびR4は、独立に(a)非フ ッ素化アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基または イソ−ブチル基などの分岐鎖または直鎖アルキル基)、シクロアルキル基(例えば 、シクロヘキシル基)、アリル基、アリール基(例えば、フェニル基)またはア ラルキル基(例えば、ベンジル基);(b)オニウム含有基;または、(c)式 −(CH2n−Y−R5(式中、nは少なくとも2であり;Yは、−CH2−基、 −O−基、−OCH2−基、−S−基、−SO2−基または−Z−SO2−基を含 有するスペーサーアームであり;Zは−R6−O−基、−N(R7)−基または− N(H)−基で、R6は置換または未置換フェニレン基で、R7は非フッ素化アル キル基(メチル基などの分岐鎖または直鎖C1−C6アルキル基、シクロアルキル 基(例えば、シクロヘキシル基)、アリル基、アリール基(例えば、フェニル基) もしくはアルカリル基(例えば、ベンジル基)であり;R5はフッ素化基、過フ ッ素化基またはその組み合わせである)を有する基を含有し、ただし、(i)R1 、R2、R3およびR4の少なくとも1つは式−(CH2n−Y−R5を有する基 を含有し;(ii)化合物中の総フッ素原子数は少なくとも5である)を有し、 フッ化ビニリデン含有ポリマーのための硬化促進剤などとして有用な新規分類の 化合物を特徴とする。 好ましい実施態様において、R1、R2、R3およびR4基の少なくとも1つは( 1)炭素原子数が少なくとも4であるアルキル基;(2)式を−(CH2n−O −R5有する基;(3)式−(CH2n −Ph−O−SO2−R5(式中、Phはフェニル基である)を有する基を含有 する。R5は好ましくは、(1)過フッ素化アルキル基;(2)式: (式中、pは0に等しいかまたは1以上で、ただしYが−O−であるとき、pは 1以上であり、mは1以上であり、xは2以上であり、Rfは過フッ素化アルキ ル基(例えば、過フッ素化メチル基などのC1−C6過フッ素化アルキル基)であ り、Rf,はFまたは過フッ素化アルキル基(例えば、過フッ素化メチル基などの C1−C6過フッ素化アルキル基)である)を有する過フッ素化エーテル基;また は、(3)式−CH2−(CF2x−H(式中、xは少なくとも4である)を有 するフッ素化アルキル基である。 好ましい化合物の一実施例は、式:を有する。 好ましい化合物の第2の実施例は、式: を有する。 好ましい化合物の第3の実施例は、式: を有する。 好ましい化合物の第4の実施例は、式: を有する。 好ましい化合物の第5の実施例は、式: を有する。 好ましい化合物の第6の例は、式: を有する。 本発明は、上記の硬化促進剤を使用して、フッ化ビニリデンを含有するポリマ ーを硬化する方法、並びにかかるポリマーおよび上記硬化促進剤を含有する硬化 可能な組成物をさらに特徴とする。好ましくは、硬化は離型剤の不在下にて実施 される。 本明細書において使用される、 「離型剤」は、硬化が起きる金型から、最終硬化組成物を離脱する際の助力と なる、硬化促進剤以外の材料をいう。離型剤は、金型 表面に塗布される材料並びに硬化可能な組成物とともに混合される材料を含む。 「Ph」はフェニル基をいう。 「i−Bu」はイソブチル基をいう。 本発明は、フッ素化オニウム硬化促進剤により、硬化時間が短縮された、硬化 時間の短い硬化可能な組成物を提供する。フッ素化オニウム硬化促進剤自体、離 型性が良好で、それによって別の離型剤を使用する必要性がなくなる。得られた 硬化物品は物理的性質が良好である。 本発明の別の特徴および利点は、その好ましい実施態様の以下の説明および請 求の範囲から明らかになるだろう。 好ましい実施態様の説明 本発明による硬化可能なフッ化ビニリデン含有フルオロポリマー組成物は、硬 化促進剤としてフッ素化オニウム塩を含有する。好ましい促進剤の例は、上記発 明の開示に記載した構造を有し、対イオンA-は、例えばハライド、チオスルフ ェート、ホルメート、シアネート、チオシアネート、テトラフェニルボレート、 パークロレート、ニトレート、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロホスフ ェート、オキサレート、ステアレート、ハロアセテート、パラートルエンスルホ ネート、ZnCl4 2-、CdCl4 2-、HgI3 -、サルフェート、アセテート、ホ スフェート、ホスホネート、ハイドロキシド、アルコキシド、フェノキシド、ト リフルオロメタンスルホネート、ベンゼンスルホネート、ヘキサクロロホスフェ ート、ヘキサクロロスタネート、ヘキサフルオロアルセネート、ヘキサフルオロ アンチモネート、2−メルカプトベンゾチアゾレート、パーフルオロアルカンス ルホンアミドアニオン、ビスフェノキシドまたは フェネートなどの有機アニオンであっても、無機アニオンであってもよい。対イ オンが2以上の陰性電荷を有する場合には、単一の対イオンは2つ以上のオニウ ム化合物に使用され得る。 R1乃至R4およびR6基は好ましくは、独立に、アルキル基、アリール基、ア リル基およびアルケニル基またはその組み合わせからなるラジカルの群から選択 される。Rは未置換であっても、化合または重合条件下で非イオン性である1つ 以上の中性、非官能性置換基で置換されてもよい。かかる置換基は、例えば、ハ ロゲン原子、シアノ、OR’および−COOR’部分(式中、R’は、C1−C2 0 アルキル、アリール、アラルキルおよびアルケニルラジカルからなる群から選 択される)を含む。また、R基の任意の対を互いに、またオニウム塩と結合して 、複素環を形成してもよい。 R5基は、フッ素化基、過フッ素化基またはその組み合わせである。好ましい 基の例は、フッ素化および過フッ素化アルキルおよびアルコキシ基を含む。 フッ素化オニウム塩は、一般に、例えばホスフィンとアルキル化剤とを反応さ せて、電子供与性リン原子の原子価および有機オニウムの陽性電荷を増す。 硬化可能なフッ化ビニリデンを含有するポリマーの例は、本明細書に参考文献 として引用されている、上記コルブ(Kolb)の特許;ウォーム(Worm) 、米国特許第4,233,421号;およびグルータエルト(Grootaer t)ら、米国特許第4,882,390号に記載されている。特定の例は、フッ 化ビニリデンと、ヘキサフルオロプロペン、クロロトリフルオロエチレン、2− クロロペンタフルオロプロペン、パーフルオロアルキルビニルエーテル(例えば 、CF3OCF=CF2またはCF3CF2OCF=CF2)、テトラフルオロエチ レン、1−ヒドロペンタフルオロプロ パン、2−ヒドロペンタフルオロプロパン、ジクロロジフルオロエチレン、トリ フルオロエチレン、1,1−ジクロロフルオロエチレン、ビニルフルオリドおよ びその混合物などの含フッ素ポリマーを調製するために一般に使用される末端不 飽和モノオレフィンとのコポリマーおよびテルポリマーを含む。フッ素を含有し ない末端不飽和モノオレフィンモノマー、例えばエチレンまたはプロピレンがコ モノマーとして使用されてもよい。 硬化後の組成物または加硫化物の物理特性を改良するために、フィラーを上記 ポリマーに添加することが多い。フィラーが使用されるとき、ポリマー100重 量部あたり約100部までの量が、好ましくはポリマー100重量部あたり約1 乃至50部の量が加硫調合物に添加される。使用され得るフィラーの例は、補強 用熱等級カーボン黒またはクレー、バライト等などの比較的低強化特性の非黒色 顔料である。1つ以上の二有機酸化硫黄化合物および例えば、遅延剤および処理 補助剤のような他の従来の補助剤または成分を硬化可能な組成物に添加すること が望ましい場合もある。 硬化可能な組成物は、好ましくは架橋剤を同様に含有する。かかる添加剤は周 知で、例えば参考文献として本明細書に引用されている、上記のコルブ(Kol b)およびウォーム(Worm)の特許および米国特許第4,259,463号 (モギ(Moggi)ら)、同第3,876,654号(パッチソン(Patti son))および同第5,384,374号(グエラ(Guerra)ら)に当 該技術上記載されており、芳香族ポリヒドロキシ化合物、脂肪族ポリヒドロキシ 化合物およびその誘導体を含んでもよい。配合物が同様に使用されてもよい。好 ましいポリヒドロキシ化合物は、イソプロピリデン−ビス(4−ヒドロキシ−ベ ンゼン)(「ビスフェノールA」)およびヘキサフルオロ−イソプロピリデンビ ス(4−ヒドロ キシベンゼン)(「ビスフェノールAF」)などの芳香族ポリヒドロキシ化合物 である。 式RfSO2NHR(式中、R”は水素原子または例えば炭素原子数が1乃至2 0、好ましくは炭素数が1乃至12であるアルキルラジカルであり、Rfは、例 えばCn2n+1で、nは1乃至20のパーフルオロアルキルまたは例えばCn2n -1 で、nは3乃至20のパーフルオロシクロアルキルなどのフルオロ脂肪族ラジ カルである)のものを含み、例えば米国特許第5,086,123号(グエンサ ー(Guenther)ら)に記載されている、フルオロ脂肪族スルホンアミド が添加されてもよい。フルオロ脂肪族スルホンアミドは、好ましくはパーフルオ ロアルキルスルホンアミドで、別の化合物として添加されても、有機オニウム化 合物のアニオンとして添加されてもよい。 フッ素化硬化促進剤および架橋剤は、細分割された固形物の形状で、またはア ルコールまたはケトン溶媒の溶液としてポリマーガムストックに材料を混合する ことにより、未硬化のポリマーガムに添加されてもよい。このように混合される と、ガムストックは一般に室温で長期間、例えば2年以上保存され得る。 硬化前に、酸受容体がガムストックに混合されると、それによりストック物の 保存寿命はより限定される。酸受容体は無機物であっても、有機物であってもよ い。有機受容体は、エポキシ、ステアリン酸ナトリウムおよびシュウ酸マグネシ ウムを含む。無機受容体の例には、酸化マグネシウム、酸化鉛、酸化カルシウム 、水酸化カルシウム、二塩基亜リン酸鉛、酸化亜鉛、炭酸バリウム、水酸化スト ロンチウム、炭酸カルシウム等が挙げられる。好ましい酸受容体は、酸化マグネ シウムおよび水酸化カルシウムである。酸受容体は単独で使用されても、併用し て使用されてもよく、好ましくはポリマー の100重量部あたり約2乃至25部の範囲の量が使用される。硬化系の成分の 全ては、本発明の範囲を逸脱することなしに、ポリマーガムに添加される前に混 合され得る。 架橋剤およびフッ素化オニウム塩の相対量は、酸受容体と混合されたとき、組 成物の望ましい硬化および/または離型性を提供するほどの量が組成物中に含有 される。代表的な硬化系成分割合は以下のようである: 酸受容体:0.5乃至40phr オニウム塩:0.2乃至5mmhr 架橋剤:0.3乃至10mmhr 全ての分量は、ポリマ−100部あたりの部で示されるか(「phr」と略す)、 またはポリマー100グラムあたりのミリモル数で示される(「mmhr」と略 す)。これらの割合は大まかな範囲である。各個々の硬化時間および温度の各値 は当業者にあきらかである。 本発明によると、酸受容体、フッ素化オニウム塩、架橋剤、二有機酸化硫黄成 分(任意に使用される場合)および他の従来の補助剤または成分の望ましい分量 が未加硫ポリマー(すなわち、ガムストック)に添加され、バンベリー(Ban bury)ミキサー、ロールミルまたは任意の他の便利な混合装置などの任意の 通常のゴム性の混合装置を使用することにより、十分に混合または化合させる。 最良の結果を得るために、混合中の組成物の温度は約120℃を越えるべきでは ない。混合中は、成分および補助剤を硬化可能なポリマー中に均一に分布させる ことが必要である。 硬化工程は、一般に約95℃乃至約230℃の範囲の温度で加圧下にて得られ た組成物を成形し、次いで硬化するステップを含む。本発明の組成物は、射出成 形に特に有用である。成形後の製品は、試料の断面厚さに応じて、通常約150 ℃乃至約315℃の間の温 度で、通常約2時間乃至50時間以上の間あと硬化される(例えば、オーブン硬 化)。 本発明は、本明細書において以下の実施例によりさらに説明される。 実施例 本発明のフッ素化ホスホニウム硬化促進剤の試料およびかかるオニウムを含有 する硬化可能な組成物は、以下のように調製される。反応は、特に明記しない限 り室温および加圧下にて実施される。記載した割合は、特に瞑ししない限り、重 量パーセントである。構造特性データは、NMR、IRスペクトル技法により入 手した。 本発明による硬化促進剤を調製するために使用される前駆体フルオロアルキル ホスフィンは、ジイソブチルホスフィン(DIBP)とフルオロアルキルアリル エーテルまたはアリルフルオロスルホンアミドとのフリーラジカルハイドロホス ホリル化反応により調製される。かかるハイドロホスホリル化反応は当該技術上 周知である。ラウト(Rahut)、M.M.らJ.Org.Chem.、196 1年、26巻、5138ページ;ペロン(Pellon) J.、J.Am.C hem.Soc.、1961年、83巻1915ページ;バックラー(Buck ler) S.A.ら、J.Am.Chem.Soc.、1961年、83巻、 168ページ;ランガンズ(Langhans) K.P.ら、Z.Natur forsch、1990年、45b巻、203ページおよびホルバシュ(Hor vash) I.T.ら、Science、1994年、266巻、72ページ の内容は、この種の反応の大多数の例として一般的である。その後の4級ホスホ ニウム塩は、ホスフィンとアルキル、アリルまたはベンジルハライドとの相互作 用により、これらのホスフィンか ら調製された。 フルオロアルキルアミドホスホニウム硬化促進剤の比較例は、3−アミノプロ ピルジイソブチルとメチルパーフルオロアルキルエステルとのアミド基転移反応 により調製された。これらの反応は溶媒なしで0℃にて実施され、次いでアルキ ルまたはベンジルハライドで4級化された。3−アミノプロピルジイソブチルホ スフィンは、過去に記載したハイドロホスホリル化反応と同様の様式で、DIB Pとアリルアミンとのハイドロホスホリル化により調製された。メチルパーフル オロエステルは、米国特許第5,362,919号(コステロ(Costell o)ら)、同第5,322,904号(ビアシェンク(Biershenk)ら )および同第4,094,911号(ミッシュ(Mitsch)ら)に記載され ているように調製した。 硬化可能な組成物の硬化およびレオロジー特性並びに硬化後のシートの物理的 性質は、以下の試験方法を使用して評価された: 硬化レオロジー試験は、モンサント ムービング ダイ レオメーター(Mo nsanto Moving Die Rheometer(MDR)型番20 00Eを177℃にて、ASTM D5289−93aにより、混合物8.0g 量について、ローターレスレオメーター、前加熱なし、オシレーター周波数10 0cpmおよび0.5゜arcで使用して、未硬化の化合混合物について実施し た。最小トルク(ML)、最大トルク(MH)およびデルタトルク(ΔT)、MHとML との差を記録した。tS2(トルクがMLから2単位上昇するまでの時間)、t’5 0(トルクがMLからデルタトルクの50%上昇するまでの時間)およびt’9 0(トルクがMLからデルタトルクの90%上昇するまでの時間)も分単位で報 告した。 プレス硬化およびあと硬化シートから切り取られた試料について 物理特性を試験した。特に明記しないかぎり、プレス硬化データは、硬化可能な 組成物試料を約6.9MPa、177℃にて10分間圧縮成型することにより調 製した20×20×0.2cmシートから得た。あと硬化データは、上記のよう に調製してから、約232℃に維持した空気循環式オーブン中でシートを16時 間加熱することによりさらに処理または硬化したシートから得た。 ASTM D412−92ε1による200lb(88.9kg)ロードセル付 きモンサント(Monsanto)メカニカルテスターを使用して、破断時の引 っ張り強度、破断時の伸長および100%伸長時の応力を測定した。DieDを 使用して試験試料をプレス硬化シートまたはあと硬化シートから切り取った。1 ”(25.4mm)ゲージ部分を使用して、クロスヘッド排出を実施した。試験 は全て一定のクロスヘッド排出速度20”/分(508mm/分)で3回実施し た。報告の値は3回の試験の平均であった。100%伸長時の応力、破断時の伸 長および破断時の引っ張り強度をメガパスカル(MPa)、%およびMPa単位で 報告した。 射出成形性能の評価、すなわち離型性は、ドイツのクロエックナー フェロマ ティック デスマ ジーエムビーエッチ(Kloeckner Ferroma tic Desma Gmbh)社製のDESMA966.053 ZO la b射出成形装置を使用して実施した。この装置は、型締力500kN、設置総電 力27kW、射出ピストン直径55mm、最大ピストンストローク120mm、 最大射出圧200MPa、最大射出速度400mm/秒およびスクリュー直径3 0mmおよびスクリューRPM30〜220の可塑化単位を有するとさらに記載 されている。Oリングを製造するために使用される金型は、Oリングの内径48 mm、Oリングの横断面2.90mm、ランナー長さ13mm、スプルー基部直 径5.2mm、ス プルー長さ29mmの4キャビティ金型で、各キャビティは真空カナルを備えた 。金型のスチール鋼はSTAVAXESRで、表面仕上げはEDMであった。 金型表面を50〜150ミクロンのガラスビーズで、0.2MPa加圧下で、 10分間噴射することにより、各実験(調合物の変更)前に、金型を調整した。 次いで金型を80℃の水性苛性溶液中で30分間調整し、溶液中で10分間超音 波洗浄した。洗浄後、使用前に金型を脱イオン水ですすぎ、乾燥し、終夜保存し た。複数回の成形サイクルを各調合物について実施した。 定常状態のOリング射出成形条件は、成形温度190℃、射出バレル温度95 ℃、スクリューバレル温度60℃、最大射出速度60%、射出後2秒圧5.5M Pa、最大スクリューRPM35%、背圧0.5MPa、保圧時間終了後の可塑 化遅延2秒および真空時間2.5秒であった。保圧時間および加熱時間はともに 加硫速度に依存しており、硬化済みOリングを得るように調整した。ショットサ イズは、成形される部分に同様のバリを与えるように調整した。 射出成形評価は上記のように実施し、以下のような判定0(離型最悪)乃至判 定8(離型最良)の範囲の判定システムを用いて評価した: 離型判定0: いかなる手段によっても、裂けることなく、製品が金型から離脱せず、各成 形サイクルで観察されたとき。金型が開けられたとき、成形後の製品は裂けてい ても、裂けていなくてもよい。ランナーおよびバリを含むあらゆるものが金型表 面に強力に固定され、離脱が困難であった。金型表面から固定されたバリまたは 成形後の製品を離脱するためには、銅ウール等でこすり取ることが必要であった 。 離型判定1: 製品のわずかが一片として離脱されるが、エアーガンで離型を援助してもか なりの困難を伴うとき。金型が開けられたとき、成形後の製品は裂けていても、 裂けていなくてもよい。ランナーおよびバリを含むあらゆるものが金型表面に強 力に固定され、離脱が困難であった。金型表面から固定されたばりまたは成形後 の製品を離脱するためには、銅ウール等でこすり取ることが必要であった。 離型判定2: 製品のほとんどが一片として離脱されるが、エアーガンで離型を援助しても かなりの困難を伴うとき。ランナーおよびバリを含むあらゆるものが金型表面に 強力に固定され、離脱が困難であった。金型表面から固定されたばりまたは成形 後の製品を離脱するためには、銅ウール等でこすり取ることが必要であった。固 定された製品またはバリを離型するために空気だけでは不十分であった。 離型判定3: 製品のほぼ全ての部分が、エアーガンによる援助だけで一片として離脱され るとき。ランナーおよび一部のバリはエアーガンで離脱されたが、裂けずに離脱 されることはなかった。金型に固定されて残ったバリは、金型から離脱するため の布でこする必要があった。空気だけでは不十分であった。 離型判定4: 全ての製品が、エアーガンによる援助だけで一片として離脱され得たとき。 ランナーは裂けることなく離脱され得たが、エアーガンで援助しても製品は一片 では離型されなかった。多数のバリが裂けて、金型に固定され、金型から除去す るための布でこする必要があった。エアーガンだけでは不十分であった。 離型判定5: 全ての製品およびランナーシステムが裂けることなく、エアー ガンの援助だけで離脱され得たとき。一部のバリが裂けて、金型に固定され、金 型から除去するための布でこする必要があった。金型表面に固定されて残ったバ リを除去するためには空気だけでは不十分であった。 離型判定6: 製品およびランナーシステムのほぼ全ての部分が、エアーガンの援助だけで 、裂けることなく、離脱され得たとき。バリが裂けて金型に固定されるのはまれ であった。バリが金型に固定されるようなときは、軽くこするか、またはエアー ガンから短く噴射するだけでバリを簡単に除去することができた。 離型判定7: ショット、製品、ランナーシステムおよびバリの全てが、裂けることなく、ご くわずかにエアーガンを使用するだけで、離脱され得たとき。エアーを使用しな くとも、裂けることなく離型できることもあった。 離型判定8: 製品、ランナーおよびバリが全て、エアーを使用しなくても、裂けることな く常に離脱され得たとき。手でわずかに力をくわえるだけでの離型が、製品、ラ ンナーおよびバリの全てを離脱するために必要なことであった。 フッ素化ホスホニウム硬化促進剤 本発明のフッ素化ホスホニウム硬化促進剤を調製する際に使用される前駆体フ ルオロアルキルホスフィンは以下のように調製された。 ホスフィンA: オーバーヘッド攪拌器、冷却器、窒素ガス流入アダプター、温度 計およびゴム隔離板を備えた1000mLの4頸フラスコに、サイテック イン ダストリー社(Cytec IndustoriesInc.)製のジイソブチ ルホスフィン(DIBP)170gの70%固形物のトルエン溶液(0.82モ ル)を添加することにより、3−(1,1−ジヒドロパーフルオロオクチルオキ シ)プロピルジイソブチルホスフィン(ホスフィンA)を調製した。反応フラス コを外部から加熱または冷却できるように、フラスコ一式を実験スタンドに取り 付けた。追加のトルエンを添加して、DIBP溶液を約50%固形物になるまで 希釈した。DIBPの酸化を最小にするために、反応フラスコに15分間窒素を 混入し、反応フラスコ中で窒素が正の気流で流れるように維持した。 第2のフラスコには、米国特許第5,274,159号(ペレライト(Pel lerite)ら)の実施例1に記載されるように、1,1−ジヒドロパーフル オロオクチルアリルエーテル(CF3CF2)6CH2O−CH2−CH=CH2)31 5g(0.84モル)を、トルエン約100mlおよびアルドリッチケミカル社 (Aldrich Chemical Company Inc.)製のアゾビ スイソブチロニトリル(AIBN)1.3g(8.5ミリモル)と混合した。D IBPのトルエン溶液を約80℃に加温し、第2のフラスコ中のアリルエーテル 溶液を加温したDIBPに約2.5mL/分の速度でシリンジポンプを介して添 加した。約20分後に、注目すべき発熱が観察され、温度80乃至95℃が維持 されるように、アリルエーテルの添加速度および外部からの加熱を調節した。ア リルエーテル溶液を完全に添加後、反応混合物を85℃で、さらに2時間加熱し 、DIBPが完全に消費されるようにした。 31P NMR分光分析(トリアルキルホスフィン産物は、外部基準H3PO4と してδ=−40ppm高磁場にシフト)で測定し て、反応が終了したら、トルエン溶媒を減圧下で除去した。1H、31P NMR 分光分析は、構造物が望ましい産物3−(1,1−ジヒドロパーフルオロオクチ ルオキシ)プロピルジイソブチルホスフィンであることを確認した。 ホスフィンB: 磁気式攪拌子、還流冷却器、添加ロートおよび窒素ガス流入口を備えた3頸丸 底フラスコに、金属のナトリウム塩28.3g(1.23モル)を添加し、次い で乾燥テトラヒドロフラン500mlを添加して、金属ナトリウムを分散させる ことにより、3−(1,1−ジヒドロパーフルオロプロポキシ)プロピルジイソ ブチルホスフィン(ホスフィンB)を調製した。アルドリッチ ケミカル社(A ldrich Chemical Company,Inc.)社製のペンタフ ルオロプロパノール188g(1.25モル)を溶解した乾燥THF溶液を添加 ロートに注いだ。ペンタフルオロプロパノール溶液は、反応物の温度を約40乃 至50℃に維持するほど十分な速度で徐々に金属ナトリウムに添加した。 金属ナトリウムが完全に消費されたら、アルドリッチ ケミカル社(Aldr ich Chemical Company,Inc.)社製の臭化アリル18 8g(1.57モル)のTHF約200ml溶液を徐々に添加した。添加中に反 応フラスコ中にNaBrの沈殿形成が観察された。臭化アリル溶液の添加終了後 に、反応混合物をさらに12時間還流した。反応混合物を室温(約24℃)にま で冷却し、NaBrの沈殿物を濾別した。 KOH10gを添加してアルカリ性にした脱イオン水2LにTHF溶液を加え た。低層の産物を分離し、この様式で3回以上洗浄した。反応産物層をMgSO4 を使用して乾燥し、濾過し、蒸留した。 望ましい産物を蒸留(b.p.72〜82℃)で単離した。19F、1H NMR 分光分析は、反応産物の構造が1,1−ジヒドロペンタフルオロプロピルアリル エーテル(CF3CF2CH2O−CH2−CH=CH2)であることを確認した。1 H NMR分光分析で測定したとき、反応産物は3%w/wTHFを含有した。 次いで、3−(1,1−ジヒドロペンタフルオロプロピル)アリルエーテルがハ イドロホスホリル化反応に使用された以外は、ホスフィンAについて記載した調 製方法と同様の方法で、3−(1,1−ジヒドロパーフルオロプロポキシ)プロ ピルジイソブチルホスフィンを調製した。 ホスフィンC: 1,1−ジヒドロパーフルオロプロピルアリルエーテル(CF3CF2CH2O −CH2−CH=CH2)2当量をイソブチルホスフィン(H2−P−iBu)1 当量と反応させられるように反応化学量論を調節した以外は、ホスフィンAの調 整法に使用したものと同様の方法で、ビス(3−(1,1−ジヒドロパーフルオ ロプロポキシ)プロピル)イソブチルホスフィン(ホスフィンC)を調製した。 ホスフィンD: 米国特許第3,442,664号(ハイン(Heine))の実施例7により調 製された、N−エチル,N−アリルパーフルオロオクタンスルホンアミド(C8 17SO2- N(Et)−CH2CH=CH2)が使用された以外は、ホスフィン Aと同様の方法で、N−エチル,N−(3−ジイソブチルホスフィノ)プロピル パーフルオロオクタンスルホンアミド(ホスフィンD)を調製した。ホスフィン Dを調製する際に、出発物質のアリルスルホンアミドは、1 00℃にて60時間の反応後にDIBPによって完全に消費されなかった。反応 混合物の31P NMRスペクトルは望ましいホスフィンの約35%が形成された ことを示した。 フラスコにDIBP38g(0.26モル)を添加した。C817SO2−N( Et)−CH2CH=CH2160g(0.28モル)を含有するトルエン溶液と 5モル%AIBNをシリンジを介して3時間かけて添加した。注目すべき発熱は 観察されず、反応混合物を100℃に上昇させた。反応混合物をこの温度でさら に60時間加熱した。反応の進行をガスクロマトグラフィーおよび31PNMR分 光分析によりモニターした。この期間の経過後、トルエン溶媒および未反応のD IBPを、減圧下にて(40乃至80℃@1mmHg)蒸留して除去した。残っ た望ましい産物と未反応のC817SO2−N(Et)−CH2CH=CH2を、2 00mLの1頸丸底フラスコに移した。アリルスルホンアミド出発物質を140 乃至150℃、1mmHgにてクーゲルロー(Kugelrohr)蒸留により 除去した。31P、19Fおよび1Hは、望ましい産物N−エチル,N−(3−ジイ ソブチルホスフィノ)プロピルパーフルオロアクタンスルホンアミドC817S O2−N(Et)−(CH23−P−(i−Bu)2が形成されたことを確認した 。1HNMRは、産物が1重量%未満の未反応のC817SO2−N(Et)−C H2CH=CH2を含有することを確認した。 実施例1: 実施例1において、窒素ガス流入口、磁気的攪拌子を備えた200mLフラス コ中に、ホスフィンA[3−(1,1−ジヒドロパーフルオロオクチルオキシ) プロピルジイソブチルホスフィン]50g(0.085モル)を添加することに より、本発明のフッ素化ホ スホニウム硬化促進剤を調製した。次に、2−プロパノールをフラスコに添加し て、ホスフィンAを溶解し、アルドリッチケミカル社製(Aldrich Ch emical Co.)の塩化ベンジル10.8g(0.085モル)をホスフ ィン溶液に添加した。得られた混合物を約50℃で12時間加熱した。反応混合 物の31PNMRは、ホスフィンはトリアルキルベンジルホスホニウムハライドに 定量的に変換されたことを示した。出発物質のホスフィンの31PNMRの化学シ フトはδ=−40ppmであるが、ホスホニウムの化学シフトはδ=+32pp mの領域で観察される。2−プロパノールを減圧下で除去し、反応産物(3−( 1,1−ジヒドロパーフルオロオクチルオキシ)プロピルジイソブチルベンジル ホスホニウムクロライド)を真空下、50℃にて約12時間さらに乾燥した。1 H、31Pおよび19FNMRスペクトルは望ましい反応産物の構造を確認した。 実施例2〜4 実施例2〜4において、実施例2ではホスフィンAの代わりにホスフィンBを 使用し、実施例3ではホスフィンCを使用し、実施例4ではホスフィンDを使用 した以外は、実施例1と同様の方法で、本発明のフッ素化ホスホニウム硬化促進 材を調製した。 実施例5: 最初に、2−アリルフェノールおよびDIBPを使用した以外は、ホスフィン Aと同様の方法で3−(2−ヒドロキシフェニル)プロピルジイソブチルホスフ ィンを調製することにより、2−((3−ジイソブチルベンジルホスホニウムク ロライド)プロピル)フェニルパーフルオロオクタンスルホネートを製造した。 次いで、冷却器、 動力攪拌器および添加ロートを備えた3頸フラスコに、NaH3.6g(0.0 9モル)の鉱物油中60%分散物および乾燥THF350mLを添加した。 別のフラスコにおいて、上記の3−[2−ヒドロキシフェニル]プロピルジイ ソブチルホスフィン25.0g(0.09モル)をTHF50mLに溶解した。 このホスフィン溶液を室温にてNaH分散物に徐々に添加した。H2ガスの発生 が消失することにより判定して、NaHが消費された後、ミネソタ州セントポー ルの3M社(3M Co.)製のFluoradTMパーフルオロオクタンスルホ ニルフルオライドFX−8 44.5g(0.09モル)の、3M社(3M C o.)製のFluorinertTMElectronic LiquidFC− 72 100mL溶液をホスフィン溶液に滴加した。次いで、得られた混合物を 16時間加熱環流(約45℃)した。反応は19FNMRでモニターし、CFCl3 から+40ppm低磁場のスルホニルフルオライドのシグナルがNMRスペク トル上で完全に消失したら、反応は終了したと考えた。 反応産物の混合物を水および塩化メチレンで抽出した。有機層を併せて、Mg SO4で乾燥し、減圧下で溶媒を除去した。反応産物を、粘性の淡茶色の油61 .6g(収率88%)として単離した。1H、31P、19FNMR分光分析による 特徴付けは、反応産物が適正は構造を有することを確認した。 別のフラスコにおいて、得られたホスフィン中間体2−(プロピル(3−ジイ ソブチルホスフィン)フェニルパーフルオロオクタンスルホネート51.3g( 0.072モル)を2−プロパノール約50mlに溶解した。この混合物に、塩 化ベンジル9.0g(0.071モル)を添加して、反応混合物を約50℃にて 、16時間加温した。反応混合物から溶媒を除去し、真空下で乾燥することによ り、望ましい反応産物を得た。 実施例6: 実施例1に記載したホスホニウムの合成と同様の方法で、3−(1,1−ジヒド ロパーフルオロオクチルオキシ)プロピルジイソブチルアリルホスホニウムクロ ライドの調製を実施した。この手順において、出発物質のホスフィンA(50. 0g、0.085モル)をエタノール40gに溶解した。次いでこの溶液を塩化 アリル(アルドリッチケミカル社(Aldrich Chemical Co. )製)8.5g(0.112モル、1.3モル過剰)と混合した。反応混合物を 45℃にて12時間加熱した。ホスフィンAの望ましいホスホニウムへの変換は 、31PNMR分光分析によりモニターした。回転留去により溶媒を除去し、次い で室温、真空下にてさらに乾燥することにより、ホスホニウム産物を単離した。 反応産物3−(1,1−ジヒドロパーフルオロオクチルオキシ)プロピルジイソ アリルホスホニウムクロライドを、淡橙色の粘性の油として、収率約80乃至9 0%で単離した。 硬化可能な組成物 各硬化可能な組成物に使用される成分は、標準的な方法を使用して2ロールミ ル上で混合した。ポリヒドロキシ架橋剤、4,4’−(ヘキサフルオソイソプロ ピリデン)ジフェノール(ビスフェノールAF)および水酸化カルシウムはアル ドリッチケミカル社(Aldrich Chemical Co.)製である。 酸化マグネシウムは「MagliteD」として、カーボン黒は「Therma xMT,ASTMN990」として購入可能である。試薬の分量は、樹脂100 に対する部(parts per hundred ru bber)、(pphr)または樹脂100に対するミリモル(mmoles p er hundred parts rubber)、(mmhr)単位で記載 されている。 実施例7: 実施例7において、標準的な方法を使用して、従来の2ロールミル上で以下の 成分を一緒に混合することにより、本発明の硬化可能な組成物を調製した:Fl uorelTMFluoroelastomer FC−2145として3M社( 3M Co.)から購入可能な含フッ素フッ化ビニリデンコポリマー100g(6 0重量%)、ビスフェノール−AF2.1g(6.1ミリモル)および実施例1 に上記したように調製されたフッ素化オニウム硬化促進剤0.92g(1.29 mmhr)のメタノール溶液(約50%固形物)およびカーボン黒30gを混合 される組成物に添加した。さらに混合して、均質な混合物を得てから、モンサン トムービングダイレノメーター(Monsanto Moving Die R henometer)を177℃で12分間使用して、得られた硬化可能な組成 物の硬化特性を、分析した。結果を表1に報告する。 所与の量の硬化可能な組成物を約6.9MPa、177℃にて10分間圧縮す ることにより圧縮硬化シートを調製した。物理特性について、得られた圧縮硬化 シートを評価した。圧縮硬化シート試料をさらに232℃にて16時間処理、す なわち硬化し、あと硬化シートを得、物理特性について評価した。圧縮硬化シー トおよびあと硬化シートの試験結果を表2および表3に報告する。 実施例8〜11: 実施例8〜11において、使用したフッ素化オニウム硬化促進剤 を以下のように変えた以外は、本発明の硬化可能な組成物を調製し、評価した: 実施例8は、実施例2に上記したように調製した化合物を使用し、実施例9は、 実施例3に上記したように調製した化合物を使用して調製し、実施例10は、実 施例4に上記したように調製した化合物を使用して調製し、実施例11は、実施 例5に上記したように調製した化合物を使用して調製した。データを表1乃至4 に報告する。 実施例12:使用したフッ素化オニウム硬化促進剤を以下のように変えた以外は 、実施例7と同様の方法で、実施例12の硬化可能なフルオロエラストマー組成 物を調製し、評価した:実施例6に記載したホスホニウム化合物を使用し、オニ ウム0.662phr(1mmhr)を1.29mmhrの代わりに使用した。 データを表1〜5に報告する。 比較例C1〜C3 比較例C1において、使用したオニウム硬化促進剤が、アルドリッチケミカル 社(Aldrich Chemical Co.)製の普通に使用される硬化促 進剤である、ベンジルトリフェニルホスホニムクロライドであった以外は、硬化 可能な組成物を調製し、評価した。 比較例C2において、使用したオニウム硬化促進剤、N−3−(ジイソブチル ベンジルホスホニウムクロライド)プロピルパーフルオロ酢酸アミドを、磁気式 攪拌子、窒素ガス導入アダプターおよびゴム分離膜を備え、PCR社(PCR Co.)製のメチルパーフルオロオクタノエート28.5g(0.067モル) を添加した1頸空気遮断フラスコ中で調製した以外は、実施例7のように、硬化 可能な組成物を調製し、評価した。パーフルオロオクタノエートを0℃ に冷却し、3−アミノプロピルジイソブチルホスフィン12.8g(0.063 モル)をシリンジで添加した。得られた混合物を0℃で1乃至1.5時間攪拌し た。反応混合物の赤外線スペクトルは、1790cm-1のメチルエステルカルボ ニルの伸縮振動が損失し、1700乃至1710cm-1に新たなカルボニル伸縮 振動が出現したことを示した。また、反応産物混合物のガスクロマトグラフは、 1つの新たな産物が形成されたことを確認した。 反応混合物を約45℃に加温し、メタノールで約50%固形物まで希釈し、次 いで塩化ベンジル7.9g(0.063モル)を添加し、反応を12時間継続し た。反応混合物の31PNMRは+30ppmのシングルレットのみで、ホスフィ ンが完全に消費されたことを示している。高粘性で、淡茶色油の反応産物を溶媒 除去し、真空下にて反応産物を乾燥することにより単離した。反応産物の特徴付 けは、P、1Hおよび19FNMR分光分析により実施した。 比較例C3において、メチルパーフルオロブトキシエトキシエタノエートをメ チルパーフルオロオクタノエートの代わりに使用した以外は比較例C2のオニウ ム硬化促進剤と同様な方法で、使用したオニウム硬化促進剤を調製した以外は実 施例7のように、硬化可能な組成物を調製し、評価した。 比較例のデータを表1〜4に報告する。 表1のデータは、比較例の非フッ素化オニウムと比較して、本発明のオニウム 硬化促進剤を使用したとき、硬化がより速やかであることを示している。 表2に示す結果は、本発明の硬化可能な組成物は、初期硬化特性が許容できる 硬化物品を提供することを示している。 表3の結果は、本発明の硬化可能な組成物はあと硬化特性が許容できる硬化物 品を提供することを示している。 圧縮硬化データは、ASTM方法D−395−89を使用して得た。Oリング は177℃で12分間圧縮硬化し、232℃で16時間あと硬化した。Oリング は200℃で70時間で25%圧縮した。 データ(表4に示す)は、試験後に残った圧縮の割合として報告する。 表4の結果は、本発明の硬化可能な組成物は、比較例C2およびC3より優れ た圧縮硬化特性を有する硬化物品を提供することを示している。 実施例13: 実施例13では、使用した含フッ素コポリマーを米国特許第5,285,00 2号(グロータエルト(Grootaert))の実施例3により記載されるよう に調製した以外は、実施例7と同様に本発明の硬化可能な組成物を調製した。 比較例C4: 比較例C4では、使用した含フッ素コポリマーを米国特許第5, 285,002号(グロータエルト(Grootaert))の実施例3により記 載されるように調製した以外は、実施例C1と同様に本発明の硬化可能な組成物 を調製した。 射出成形評価は、判定0(最悪の離型性)乃至判定8(最良の離型性)を用い て上記のように実施し、評価した。 表5の結果は、本発明のフッ素化オニウム硬化促進剤を使用したとき、現在使 用されている市販のオニウム硬化促進剤と比較して、離型性の判定が改善された ことを示している。 上記の表1乃至5の結果を全て比較するとき、本発明のフッ素化オニウム硬化 促進剤は、評価した比較例に対して、硬化速度の速やかさ、物理特性の損失のな さ、および射出成形の離型特性の改善並びに圧縮硬化特性の概ねの改善のいくつ かを示している。 実施例14〜18 70.2%フッ素ターポリマーの硬化可能なエラストマー混合物 実施例14では、FluorelTMフルオロエラストマーFC −2145の代わりに含フッ素ターポリマーを使用した以外は、実施例7のよう に、本発明の硬化可能な組成物を製造し、評価した。米国特許第第5,285, 002号(グロータエルト(Grootaert))の実施例5に記載したように 使用したターポリマーを製造した。また、フッ素化ホスホニウムクロライド(実 施例1のように調製した)と(米国特許第第4,912,171号(グロータエ ルト(Grootaert)ら)の実施例22に記載したように調製した)ビス フェノールAFのナトリウム塩とを反応させることにより、ビスフェノール−A F0.42g(1.25mmhr)をフッ素化オニウム硬化促進剤とを反応させ た。 以下の表6に記載した酸受容体およびカーボン黒をビスフェノール−AF−オ ニウム反応産物および含フッ素ターポリマーと2ロールミル上で混合した。反応 物質の分量は樹脂100に対する部(parts per hundred r ubber)(phr)または樹脂100部に対するミリモル(mmhr)単位 である。ビスフェノール−AFの追加の1.68g(5.0mmhr)を、ビス フェノール−AFの最終分量が2.1pphrであるように、エタノール溶液と して2ロールミル上で混合した。 本発明のターポリマー硬化可能組成物を試験した硬化レオロジーの結果を表7 に示す。177℃で15分および232℃で16時間、それぞれ加熱した圧縮硬 化シートおよびあと硬化シートから機械特性データを得た。 実施例15〜18では、実施例8〜11のように製造したオニウム硬化促進剤 をそれぞれ使用した以外は、実施例14と同様の方法で、本発明の硬化可能な組 成物を製造した。データを表8および表9に報告する。 比較例C5〜C7 比較例C5では、米国特許第4,912,171号(グロータエルト(Gro otaert)ら)の実施例16に記載したように調製されたトリブチルメトキ シプロピルホスホニウムクロライドであ った以外は、実施例14と同様の方法で、使用したオニウム硬化促進剤を製造し 、評価した。 比較例C6では、使用したオニウム硬化促進剤が比較例C2で記載したように フルオロアルキルアミドオニウムであった以外は、実施例14と同様の方法で硬 化可能な組成物を製造し、評価した。 比較例C7では、使用したオニウム硬化促進剤が、比較例C3で記載したフル オロアルキルアミドオニウムであった以外は、実施例14と同様の方法で硬化可 能な組成物を製造し、評価した。 表7のデータは、本発明のオニウム硬化促進剤を使用したとき、比較例に対し て、硬化速度が同等または速やかであることを示している。 表8の結果は、本発明の硬化可能な組成物は、初期硬化特性が許容できる硬化 物品を提供することを示している。 表9の結果は、本発明の硬化可能な組成物は、あと硬化特性が許容できる硬化 物品を提供することを示している。 ASTM方法D−395−89を使用して圧縮硬化データを得た。Oリングは 177℃にて12分間圧縮硬化され、232℃にて16時間あと硬化された。O リングは200℃で70時間で25%圧縮された。データ(表10に示す)は、 試験後に残った圧縮物の割合として報告されている。 表10の結果は、本発明の硬化可能な組成物は、圧縮硬化特性が改良された硬 化物品を提供することを示している。 実施例14〜18およびC5〜C7によって調製された組成物の離型性能を同 様に評価した。結果を表11に報告する。 表11:本発明のターポリマー実施例の離型性能:実施例 離型性判定 14 6 15 7 16 6 17 6 18 7 C5 5 C6 5 C7 0 表11の結果は、本発明のフッ素化オニウム硬化促進剤を使用したとき、他の オニウム硬化促進剤と比較して、離型判定が改良されたことを示している。 表7〜11に記載した結果を全て比較したとき、本発明のフッ素化オニウム硬 化促進剤は、比較例に対して、硬化速度の速やかさ、物理的特性の損失のなさ、 および射出成形の離型性の改良並びに圧縮硬化特性の概ねの改良のいくつかを示 す。 他の実施態様は以下の請求の範囲の範囲内である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ムーア,ジョージ,ジー.,アイ. アメリカ合衆国,ミネソタ 55133―3427, セント ポール,ポスト オフィス ボッ クス 33427

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.式: (式中、A-は対イオンであり、R1、R2、R3およびR4は、独立に(a)非フ ッ素化アルキル基、シクロアルキル基、アリル基、アリール基またはアラルキル 基;(b)オニウム含有基;または、(c)式−(CH2n−Y−R5(式中、 nは少なくとも2であり;Yは、−CH2−基、−O−基、−OCH2−基、−S −基、−SO2−基または−Z−SO2−基を含有するスペーサーアームであり; Zは−R6−O−基、−N(R7)−基または−N(H)−基であり;R6は置換 または未置換フェニレン基であり;R7はHまたは非フッ素化アルキル基、シク ロアルキル基、アリル基、アリール基もしくはアルカリル基であり;R5はフッ 素化基、過フッ素化基またはそれらの組み合わせである)を有する基を含有し、 ただし、(i)R1、R2、R3およびR4の少なくとも1つは式−(CH2n−Y −R5を有する基を含有し;(ii)前記化合物中の総フッ素原子数は少なくと も5である)を有する化合物。 2.前記R1、R2、R3およびR4基の少なくとも1つが、炭素原子数が少なく とも4であるアルキル基を含有する請求項1記載の化合物。 3.前記R1、R2、R3およびR4基の少なくとも1つが、式−(CH2n−O −R5を有する基を含有する請求項1記載の化合 物。 4.前記R1、R2、R3およびR4基の少なくとも1つが、式−(CH2n−P h−O−SO2−R5を有する基を含有する請求項1記載の化合物。 5.前記R5基が過フッ素化アルキル基である請求項1記載の化合物。 6.前記R5基が、式:(式中、pは0に等しいかまたは1以上で、ただしYが−O−であるとき、pは 1以上であり、mは1以上であり、xは2以上であり、Rfは過フッ素化アルキ ル基であり、RfはFまたは過フッ素化アルキル基である)を有する過フッ素化 エーテル基である請求項1記載の化合物。 7.R5基が式:−CH2−(CF2x−H(式中、xは少なくとも4である) を有するフッ素化アルキル基である請求項1記載の化合物。 8.式: を有する請求項1記載の化合物。 9.式: を有する請求項1記載の化合物。 10.式:を有する請求項1記載の化合物。 11.式: を有する請求項1記載の化合物。 12.式: を有する請求項1記載の化合物。 13.式:を有する請求項1記載の化合物。
JP9-523649A 1995-12-21 1996-11-26 フッ素化ホスホニウム塩 Pending JP2000503637A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008231435A (ja) * 2001-01-31 2008-10-02 Three M Innovative Properties Co フルオロポリマー組成物
JP2010100630A (ja) * 2002-04-05 2010-05-06 Univ Of South Alabama 官能化されたイオン性液体およびこの使用方法

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