JP3722303B2 - 調理用焜炉の被加熱物温度検知装置および調理用焜炉 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、被加熱物を支持すると共にバーナの炎が外側へ露出しないようにバーナの炎を囲う支持部材を備えた調理用焜炉において、支持部材上に載置された被加熱物の温度を検知する調理用焜炉の被加熱物温度検知装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、調理用焜炉としては、複数の爪状突起が形成された五徳によって鍋等の被加熱物を支持するものが用いられていた。この焜炉では、被加熱物の底と焜炉の天板との間の隙間からバーナの炎や炎の熱気が五徳の外側に露出してしまうので、それによって被加熱物の取手が加熱され、被加熱物の取手が持ちづらいという不具合があった。
【0003】
そこで、例えば、図3に示すような炎露出防止型の調理用焜炉が提案されている。この焜炉は、焜炉本体110と、この焜炉本体110内に設けられ、被加熱物Mを加熱するバーナ140と、焜炉本体110上に載置され、被加熱物Mを支持する支持部材(いわゆる五徳)120とを備えている。支持部材120は、バーナ140の炎を囲うように環状に形成されると共に内部に空洞を有し、、その上面が全周にわたって被加熱物Mの底面に当接して、バーナ140の炎や熱気が支持部材120の外側へ露出しないようになっている。この焜炉は更に、焜炉本体110内に設けられバーナ140の燃焼による排気ガスを支持部材120の内側の空間(上記空洞)から外部に排出するための排気通路134と、この排気通路134を通じて排気ガスを支持部材120の内側の空間から外部に強制的に排出する排気ファン135とを備えている。
【0004】
焜炉本体110内の中央部分には、ロッド161が上下方向に配設され、このロッド161の上端部に被加熱物Mの底面の温度を検出するための感熱ヘッド160が取り付けられている。ロッド161の下端部は、焜炉本体110内に設けられた支持枠144の下方に延出したブラケット144bによって上下動可能に支持されている。ロッド161の下端部近傍にはフランジ162が形成されており、ブラケット144bとフランジ162との間にばね163が介装されている。このばね163によって、ロッド161および感熱ヘッド160は上方(すなわち被加熱物M)に向かって付勢され、これにより、被加熱物Mを支持部材120上に載置した際に、感熱ヘッド160の上端部が無理なく確実に被加熱物Mの底部に当接するようになっている。この焜炉では、感熱ヘッド160によって被加熱物Mの底部の温度を検出して被加熱物Mの過熱を検知できるようになっている。
【0005】
ロッド161および感熱ヘッド160の周囲には、両端部が開放された保護筒164が配設されている。保護筒164とロッド161および感熱ヘッド160との間には空隙が形成されている。保護筒164の上端部は支持部材120の上面121よりも低くなるように設定されており、被加熱物Mを支持部材120上に載置しても保護筒164の上端部が被加熱物Mの底面に接触して損傷することがないようになっている。保護筒164の下端部は支持枠144の底板に挿通されている。排気ファン135による強制排気によって燃焼空間内が負圧になることにより、保護筒164の下端の開口から空気が吸引され、この空気流が保護筒164内を上昇通過し、保護筒164の上端部と被加熱物Mの底面との隙間から支持部材120に向かって放射状に吹き出すようになっている。これにより、感熱ヘッド160を冷却すると共に感熱ヘッド160にバーナ140の炎が直接接触することを防止し、感熱ヘッド160に対する炎の影響を軽減している。保護筒164の下部には複数の開口164aが形成されており、下端の開口から吸引された空気の一部が開口164aから保護筒164外に排出されるようになっている。この空気は、バーナ140の燃焼用の二次空気となると共に、保護筒164の外周面に沿って上昇し保護筒164を炎から保護するようになっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
このように、図3に示した焜炉では、強制排気によって燃焼空間内が負圧になり、保護筒164の下端の開口から吸引される空気流によって感熱ヘッド160の冷却が行われるようになっていた。しかしながら、この吸引空気量は僅かであるため、感熱ヘッド160の冷却が十分でなかった。また、保護筒164は一重であるため、この保護筒164自体が燃焼炎によって容易に加熱されてしまうため、多量の輻射熱を放射し、この輻射熱が感熱ヘッド160に到達する。このため、感熱ヘッド160自体の温度が上昇してしまい、被加熱物Mの底面の温度を正確に測定することができなくなるという問題があった。
【0007】
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、燃焼炎や防炎部材からの輻射熱等の影響を排除して被加熱物の温度を正確に検知することができる調理用焜炉の被加熱物温度検知装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の調理用焜炉の被加熱物温度検知装置は、被加熱物を加熱するバーナと、被加熱物を支持すると共にバーナの炎が外側へ露出しないようにバーナの炎を囲う支持部材と、バーナの燃焼による排気ガスを支持部材の内側の空間から外部に排出するための排気通路と、この排気通路を通じて排気ガスを支持部材の内側の空間から外部に強制的に排出する排気ファンとを備えた調理用焜炉に用いられる被加熱物温度検知装置であって、前記支持部材の内側の空間に配設され、支持部材上に載置された被加熱物の温度を測定する温度センサと、この温度センサを囲むようにして2重に配設された保護用内筒および保護用外筒からなり、バーナの炎の影響による温度センサの温度上昇を防止する保護部材と、前記保護用内筒の下側に配設され、前記保護用内筒の内部に冷却空気を送り込んで温度センサを冷却する冷却ファンとを備えており、冷却ファンによる冷却空気が保護用内筒の内部を上昇して温度センサを冷却したのち、保護用内筒と保護用外筒との間の空隙を通って下降し、保護用外筒の下端部からその外部に流出するように構成されたものである。
【0009】
この装置では、温度センサを囲むようにして2重に配設された保護用内筒および保護用外筒からなる保護部材によって温度センサに対するバーナの炎の接触と輻射熱とが遮断されると共に、冷却ファンから保護用内筒の内部に送り込まれた冷却空気によって温度センサが冷却され、バーナの炎の影響による温度センサの温度上昇が防止される。冷却後の空気流は、保護用内筒と保護用外筒との間の空隙を通って下降し、保護用外筒の下端部からその外部に排出される。また、保護用外筒はバーナの炎によって加熱され、相当の輻射熱を放射するが、これは保護用内筒によって温度センサに到達するのを遮断される。
【0010】
請求項2記載の調理用焜炉は、被加熱物を加熱するバーナと、被加熱物を支持すると共にバーナの炎が外側へ露出しないようにバーナの炎を囲う支持部材と、バーナの燃焼による排気ガスを支持部材の内側の空間から外部に排出するための排気通路と、この排気通路を通じて排気ガスを支持部材の内側の空間から外部に強制的に排出する排気ファンと、被加熱物温度検知装置とを備えたものである。ここで、前記被加熱物温度検知装置は、前記支持部材の内側の空間に配設され、支持部材上に載置された被加熱物の温度を測定する温度センサと、この温度センサを囲むようにして2重に配設された保護用内筒および保護用外筒からなり、バーナの炎の影響による温度センサの温度上昇を防止する保護部材と、前記保護用内筒の下側に配設され、前記保護用内筒の内部に冷却空気を送り込んで温度センサを冷却する冷却ファンとを備えており、冷却ファンによる冷却空気が保護用内筒の内部を上昇して温度センサを冷却したのち、保護用内筒と保護用外筒との間の空隙を通って下降し、保護用外筒の下端部からその外部に流出するように構成されている。
【0011】
この調理用焜炉における被加熱物温度検知装置では、温度センサを囲むようにして2重に配設された保護用内筒および保護用外筒からなる保護部材によって温度センサに対するバーナの炎の接触と輻射熱とが遮断されると共に、冷却ファンから保護用内筒の内部に送り込まれた冷却空気によって温度センサが冷却され、バーナの炎の影響による温度センサの温度上昇が防止される。冷却後の空気流は、保護用内筒と保護用外筒との間の空隙を通って下降し、保護用外筒の下端部からその外部に排出される。また、保護用外筒はバーナの炎によって加熱され、相当の輻射熱を放射するが、これは保護用内筒によって温度センサに到達するのを遮断される。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明の一実施の形態に係る被加熱物温度検知装置を含む調理用焜炉の構成を表す断面図である。この調理用焜炉は、焜炉本体10と、この焜炉本体10内に設けられ、鍋等の被加熱物Mを加熱するバーナ40と、焜炉本体10上に載置され、被加熱物Mを支持する支持部材(いわゆる五徳)20とを備えている。
【0018】
焜炉本体10は、内部にバーナ40等を収容する筐体11を有している。筐体11の前面には、バーナ40の点火および消火を指示するための点消火ボタン12が配設されている。点消火ボタン12の裏側には、点消火スイッチ13が配設されており、点消火ボタン12が押圧されると点消火スイッチ13に接触するようになっている。点消火スイッチ13は筐体11内に設けられた制御装置50に接続されている。この制御装置50は例えばマイクロコンピュータによって構成されている。
【0019】
筐体11の上面は開放されており、その開放された上面を覆うように天板14が配設されている。天板14の中央部には開口14aが形成されている。天板14上には、開口14aを覆うように内天板15が載置されており、バーナ40を被加熱物Mからの吹きこぼれから保護するようになっている。内天板15の周縁部は開口14aの周縁部上面によって支持されている。内天板15の中央部には開口15aが形成され、この開口15aを通して、バーナ40の炎が支持部材20上に載置された被加熱物Mに接触するようになっている。
【0020】
支持部材20は、バーナ40の炎を囲うように環状に形成され、その上面が全周にわたって被加熱物Mの底面に当接して、バーナ40の炎や熱気が支持部材20の外側へ露出するのを防止するようになっている。支持部材20内は中空になっており、底部は開放されている。支持部材20は、例えばプレス成形によって形成され、材質は例えばステンレスをほうろうでコーティングしたものである。支持部材20の外周側の下端部は天板14の開口14aの周縁部の上面によって支持されている。支持部材20の内周側には、支持部材20の中心部に向かって張り出すように段部22が形成されており、この段部22によってバーナ40の炎を広く被加熱物Mの底に接近させることができるようになっている。支持部材20の内周側の下端部は内天板15の上面によって支持されている。
【0021】
段部22より上側に位置する支持部材20の内周側の側面には、周方向に略等間隔で複数の開口23が形成されており、この開口23を通してバーナ40の燃焼による排気ガスを支持部材20の内部の中空空間に案内できるようになっている。支持部材20の内部には、内部の中空空間を内側と外側とに分ける仕切り板25が設けられている。
【0022】
内天板15の下方には燃焼筐30が配設されている。この燃焼筐30は、上部が開放された内外二重壁構造に構成され、外壁31の上端部は天板14の開口14aの周縁部下面に当接している。燃焼筐30の内壁32の上端部は、内天板15の開口15aの周縁部の下面に当接し、この開口15aの周縁部を下面から支持している。内壁32の上部には中心部に向かって張り出した張出部33が形成されており、この張出部33の下の空間にバーナ40が配置されている。
【0023】
燃焼筐30の外壁31と内壁32との間の空間は、内天板15の外周側の位置に形成された開口15bを介して支持部材20の中空空間に連通されており、支持部材20の中空空間と共に排気ガスを排出するための排気通路34を構成している。この排気通路34は、天板14の奥部に形成された排気口14bに連通している。排気口14bの近傍の排気通路34内には、排気ファン35が配設されており、排気ガスを支持部材20の開口23を介して支持部材20の内側の空間から排気通路34に吸引し、排気口14bから外部に強制的に排気できるようになっている。排気ファン35は、直流または交流の排気用ファンモータ(図示せず)によって駆動されるようになっている。
【0024】
バーナ40は、リングバーナによって構成されており、内周部には内側に向かって開口する炎孔41が周設されている。炎孔41の近傍には、点火プラグ42および失火センサ43が配設されている。点火プラグ42は制御装置50に接続されており(図示せず)、制御装置50の指示に基づいて点火するようになっている。失火センサ43は熱電対によって構成されており、この熱電対の熱起電力によってバーナ40の点火または失火の状態の検出が行われるようになっている。そして、失火センサ43の出力に基づいて、バーナ40が点火しているときにはガス混合管中に配設された電磁安全弁(図示せず)が開弁状態に保持され、バーナ40が失火すると電磁安全弁が閉弁されるようになっている。
【0025】
バーナ40の外周部は、有底筒状の支持枠44の上端の開口部に嵌着されている。支持枠44は燃焼筐30の内側に配設されており、その外周面と燃焼筐30の内壁32との間には空隙が形成されている。バーナ40と燃焼筐30の張出部33との間にも支持枠44と燃焼筐30との間の空隙に連通する空隙が形成されている。これらの空隙は、バーナ40の燃焼に必要な二次空気を案内する二次空気通路45を構成している。支持枠44の底板には複数の開口44aが形成されており、ここからもバーナ40の燃焼に必要な二次空気を案内できるようになっている。
【0026】
バーナ40の底部の一部には、バーナ40にガスを供給するためのガス混合管46の一端部が接続されている。このガス混合管46の他端部は、比例弁47を介して図示しないガス供給源に接続されている。比例弁47は、図1には図示しない比例弁駆動装置により駆動されるようになっている。比例弁駆動装置は、制御装置50に接続されており、制御装置50の制御により比例弁47の開放量(すなわちガス供給量)を調節するようになっている。
【0027】
焜炉本体10内の中央部分には、ロッド61が上下方向に配設され、このロッド61の上端部に、被加熱物Mの底面の温度を検出する温度センサとしての感熱ヘッド60が取り付けられている。ロッド61の下端部は、支持枠44の下方に延出したブラケット44bによって上下動可能に支持されている。ロッド61の下端部近傍にはフランジ62が形成されており、ブラケット44bとフランジ62との間にばね63が介装されている。このばね63により、ロッド61および感熱ヘッド60は上方(すなわち被加熱物M)に向かって付勢され、これにより、被加熱物Mを支持部材20上に載置した際に、感熱ヘッド60の上端部が無理なく確実に被加熱物Mの底部に当接するようになっている。感熱ヘッド60は制御装置50に接続されており(図示せず)、制御装置50は、感熱ヘッド60の出力信号に応じて、比例弁47を調節しバーナ40の燃焼量を調節し、空焚き等による被加熱物Mの過熱を防止できるようになっている。
【0028】
ロッド61および感熱ヘッド60の周囲には、両端部が開放された保護用内筒64が配設されている。保護用内筒64とロッド61および感熱ヘッド60との間には空隙が形成されている。保護用内筒64の上端部は支持部材20の上面21よりも低くなるように設定されており、被加熱物Mを支持部材20上に載置したときに保護用内筒64の上端部と被加熱物Mの底面との間に所定量の隙間が形成されるようになっている。保護用内筒64の下端部は、支持枠44の底板に挿通されてこれに固着されると共に、末広がりの形状を有している。
【0029】
保護用内筒64の外側には、上下端が開放されると共に保護用内筒64と同軸の保護用外筒70が、保護用内筒64との間に空隙を形成するようにして配設されている。保護用外筒70の下端部は支持枠44の底板に固着され、この下端部の周面には、ほぼ等間隔に多数の開口72が形成されている。保護用外筒70の上端部は、支持部材20の上面と同じ高さに位置するように設定されており、被加熱物Mが支持部材20上に配置されたときに、保護用外筒70の上端部が被加熱物Mの底面に当接するようになっている。
【0030】
なお、保護用内筒64の上端部と支持部材20の上面との距離(すなわち、支持部材20上に被加熱物Mを載置した場合における保護用内筒64の上端部と被加熱物Mの下面との距離)L1と、保護用外筒70の下端部の開口72の大きさL2とは、一定となるように構成する。
【0031】
保護用内筒64およびロッド61の下側には、ファンモータ75によって回転駆動される冷却ファン76が配設されている。ファンモータ75は制御装置50によって回転制御されるようになっている。冷却ファン76によって保護用内筒64の下端部開口から流入した空気は、保護用内筒64内を上昇通過して感熱ヘッド60を冷却したのち、保護用内筒64の上端部と被加熱物Mの底面との間を通って保護用内筒64と保護用外筒70との空隙内に流入し、さらに、この空隙内を下降して、保護用外筒70の下端部の開口72から保護用外筒70の外部(燃焼空間内)に流出するようになっている。
【0032】
次に、以上のような構成の調理用焜炉の動作を説明する。
【0033】
まず、使用に際し、調理者が点消火ボタン12を押圧し点火を指示する。これにより、点消火スイッチ13はオンの状態となり、制御装置50に点火信号を出力する。制御装置50は、点火信号に応じて図示しない比例弁駆動装置に制御信号を出力して比例弁47を開放させると共に、点火プラグ42にも制御信号を出力して点火プラグ42とバーナ40との間に火花放電を生じさせバーナ40を点火させる。バーナ40の炎は、図1において一点鎖線で示したように、一旦中心に向かって集まりながら上昇する。
【0034】
制御装置50は、また、点火信号に応じて図示しない排気用ファンモータに制御信号を出力して回転を開始させ、排気ファン35を回転させる。これにより、支持部材20の開口23の周辺の排気ガスは開口23から吸引され、排気通路34および排気口14bを通って外部に排出される。
【0035】
制御装置50は、また、点火信号に応じてファンモータ75に制御信号を出力して冷却ファン76の回転を開始させる。これにより、筐体11内における支持枠44の下側空間にある比較的低温度の空気が冷却ファン76によって保護用内筒64の内部に送り込まれる。
【0036】
図2は、図1の調理用焜炉のうち、保護用内筒64、保護用外筒70および冷却ファン76を含む要部の断面とその作用とを表すものである。なお、ここでは、説明上直接関係のない要素および符号は図示を省略している。
【0037】
この図に示すように、冷却ファン76によって保護用内筒64の下端部開口から流入した空気は、保護用内筒64内を上昇通過して感熱ヘッド60を冷却したのち、保護用内筒64の上端部と被加熱物Mの底面との間を通って保護用内筒64と保護用外筒70との空隙内に流入する。この空気流は、さらに、保護用内筒64と保護用外筒70との空隙内を下降して、保護用外筒70の下端部の開口72を通って保護用外筒70の外部に流出する。したがって、感熱ヘッド60は低温度の空気によって常時強制的に冷却されることとなり、その異常な温度上昇が防止される。また、保護用外筒70の外部に流出した空気流の一部はバーナ40の燃焼に利用される一方、残りはそのまま支持部材20の開口23を通って排気される。この場合、保護用外筒70の外部に流出した空気流は、感熱ヘッド60を冷却した後のものとはいえ、バーナ40による燃焼排気ガスに比べると格段に温度が低くなっている。したがって、この比較的低温の空気が排気ガスに混入することから、排気ファン35によって排出される排気温度が低減することとなる。
【0038】
一方、バーナ40の炎(図1の一点鎖線)は保護用外筒70に接触するため、保護用外筒70の温度はかなり上昇し、保護用外筒70の内面からその内部空間に輻射熱が放射される。しかしながら、この輻射熱の大部分は保護用内筒64によって遮られ、感熱ヘッド60に直接到達する熱量は僅かとなる。このため、感熱ヘッド60が燃焼炎による熱によって異常に上昇することを効果的に防止することができる。
【0039】
このように、本実施の形態では、感熱ヘッド60の強制的冷却を行うと共に、感熱ヘッド60の保護筒を2重にし、燃焼炎を保護用外筒70で遮断すると同時に保護用外筒70からの輻射熱を保護用内筒64によって遮断するようにしたので、感熱ヘッド60の不要な温度上昇を効果的に防止することができる。このため、感熱ヘッド60によって被加熱物Mの底面の温度を正確に測定することができ、被加熱物Mにおける調理温度のコントロールや空炊き防止を適切に行うことが可能となる。また、強制的空冷を行うことから、排気温度を下げることができるという利点もある。
【0040】
なお、本実施の形態では、保護用外筒70の上端部は、支持部材20の上面と同じ高さに固定的に設定し、支持部材20上に被加熱物Mを載置したときに被加熱物Mの下面に当接するように構成したが、感熱ヘッド60と同様に、保護用外筒70を上下動可能に支持すると共にこれをばねによって上方に付勢しておき、被加熱物Mを支持部材20上に載置した際に保護用外筒70の上端部が無理なく確実に被加熱物Mの底部に当接するように構成してもよい。
【0041】
また、本実施の形態では、保護用外筒70の下端を支持枠44の上面に固着すると共に、この保護用外筒70の下端部の周面に多数の開口72を形成するようにしたが、これに限るものではなく、保護用外筒70の下端部を支持枠44の上面から完全に離間させて空隙を形成し、ここから冷却後の空気流を保護用外筒70の外部に排出させるようにしてもよい。この場合、保護用外筒70の固定は、例えば、保護用外筒70の内面と保護用内筒64の外面との間を複数の支持部材で連結することによって行うことが可能である。
【0042】
また、本実施の形態では、感熱ヘッド60の強制的冷却と感熱ヘッド60の保護筒の2重化という2つの手段によって感熱ヘッド60の温度上昇防止を図るようにしたが、これに限るものではなく、これらのいずれか一方の手段のみを用いるようにしてもよい。この場合には、両手段を用いる場合よりも感熱ヘッド60の冷却効果は小さくなることが考えられるが、従来の自然冷却および単一の保護筒という構成に比べると、感熱ヘッド60の冷却効果は大きいことは明らかである。
【0043】
また、本実施の形態では、感熱ヘッド60を保護を2重化するように構成したが、これに限るものではなく、3重化以上に構成することも可能である。
【0044】
また、本実施の形態に係る調理用焜炉の被加熱物温度検知装置では、1つのバーナを備えた焜炉に適用する場合について説明したが、これに限るものではなく、2以上のバーナを備えた焜炉に適用することも可能である。また、リング状のバーナ40に加えてグリル用のバーナを別途備えた焜炉に適用することも可能である。また、調理用焜炉は、移動可能なもののみならず、システムキッチン内に組み込まれた組込型のものにも適用可能である。
【0045】
【発明の効果】
以上説明したように請求項1記載の調理用焜炉の被加熱物温度検知装置および請求項2記載の調理用焜炉によれば、温度センサを囲むようにして2重に配設された保護用内筒および保護用外筒からなる保護部材によって温度センサに対するバーナの炎の接触と輻射熱とを効果的に遮断すると共に、冷却ファンによって温度センサを強制的に冷却するようにしたので、バーナの炎の影響による温度センサの温度上昇を防止することができる。これにより、調理物の温度管理や空炊き防止を適切に行うことが可能になるという効果がある。そのうえ、強制的空冷を行うことから、排気温度を下げることができるという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る被加熱物温度検知装置を含む調理用焜炉の構成を表す断面図である。
【図2】図1に示した調理用焜炉の要部および作用を説明するための断面図である。
【図3】従来の炎露出防止型の調理用焜炉の一構成例を表す断面図である。
【符号の説明】
10 焜炉本体
20 支持部材
34 排気通路
35 排気ファン
40 バーナ
50 制御装置
M 被加熱物
60 感熱ヘッド
64 保護用内筒
70 保護用外筒
75 ファンモータ
76 冷却ファン
Claims (2)
- 被加熱物を加熱するバーナと、被加熱物を支持すると共にバーナの炎が外側へ露出しないようにバーナの炎を囲う支持部材と、バーナの燃焼による排気ガスを支持部材の内側の空間から外部に排出するための排気通路と、この排気通路を通じて排気ガスを支持部材の内側の空間から外部に強制的に排出する排気ファンとを備えた調理用焜炉に用いられる被加熱物温度検知装置であって、
前記支持部材の内側の空間に配設され、支持部材上に載置された被加熱物の温度を測定する温度センサと、
この温度センサを囲むようにして2重に配設された保護用内筒および保護用外筒からなり、バーナの炎の影響による温度センサの温度上昇を防止する保護部材と、
前記保護用内筒の下側に配設され、前記保護用内筒の内部に冷却空気を送り込んで温度センサを冷却する冷却ファンと
を備え、
冷却ファンによる冷却空気が保護用内筒の内部を上昇して温度センサを冷却したのち、保護用内筒と保護用外筒との間の空隙を通って下降し、保護用外筒の下端部からその外部に流出するように構成した
ことを特徴とする調理用焜炉の被加熱物温度検知装置。 - 被加熱物を加熱するバーナと、被加熱物を支持すると共にバーナの炎が外側へ露出しないようにバーナの炎を囲う支持部材と、バーナの燃焼による排気ガスを支持部材の内側の空間から外部に排出するための排気通路と、この排気通路を通じて排気ガスを支持部材の内側の空間から外部に強制的に排出する排気ファンと、被加熱物温度検知装置とを備えた調理用焜炉であって、
前記被加熱物温度検知装置は、
前記支持部材の内側の空間に配設され、支持部材上に載置された被加熱物の温度を測定する温度センサと、
この温度センサを囲むようにして2重に配設された保護用内筒および保護用外筒からなり、バーナの炎の影響による温度センサの温度上昇を防止する保護部材と、
前記保護用内筒の下側に配設され、前記保護用内筒の内部に冷却空気を送り込んで温度センサを冷却する冷却ファンと
を備え、
冷却ファンによる冷却空気が保護用内筒の内部を上昇して温度センサを冷却したのち、保護用内筒と保護用外筒との間の空隙を通って下降し、保護用外筒の下端部からその外部に流出するように構成した
ことを特徴とする調理用焜炉。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27991095A JP3722303B2 (ja) | 1995-10-04 | 1995-10-04 | 調理用焜炉の被加熱物温度検知装置および調理用焜炉 |
Applications Claiming Priority (1)
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