JP2958676B2 - 炎漏出防止型コンロ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、鍋の底面に全周に亙っ
て当接可能な環状の五徳を備え、バーナからの炎が五徳
の外側へ漏出しないようにした炎漏出防止型コンロに関
する。

【０００２】

【従来の技術】複数の爪状突起が立設された五徳では、
鍋底と天板との間に隙間が形成され、バーナからの炎や
炎の燃焼が完結した後の熱気が該隙間を通って五徳の外
側に漏出する。すると、漏出した炎や熱気によって鍋の
取手が加熱され鍋を五徳から降ろす際に取手が持ちづら
いという不具合が生じる。そこで、鍋底に対して全周に
亙って当接可能な環状の五徳を天板上に設け、炎や熱気
が五徳の外側に漏出しないようにして鍋の取手が加熱さ
れないようにしたコンロが考えられる。但し、このよう
に炎や熱気が外側に漏出しないようにすると、別途にバ
ーナの燃焼により生じる排気を排出する機構を設けなけ
ればならない。そこで、天板の上面のうちの五徳の内側
に露出する面に窓穴を開設して、該窓穴から天板の下方
に設けた内部空間を介してバーナの排気を排出すること
が考えられる。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところが、上記環状の
五徳を備えたコンロでは、五徳の内径より小さな鍋は五
徳の内側に嵌まり込んでしまい使用することができな
い。一方、内径の小さな五徳を用いれば大きな鍋でも小
さな鍋でも五徳に載置することはできるものの、炎が鍋
底に接する面積が狭まり、大きな鍋を用いて調理を行な
う場合には熱効率が低下するという不具合が生じる。

【０００４】そこで本発明は、上記の問題点に鑑み、大
小いずれの鍋でも使用することができ、かつ熱効率が低
下しない炎漏出防止型コンロを提供することを目的とす
る。

【０００５】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項１の発明は、鍋の底面に全周に亙って当接可
能な環状の五徳を備え、バーナからの炎が五徳の外側へ
漏出しないようにしたコンロにおいて、該五徳を中空に
形成し該五徳の中空空間を排気通路を介して排気口に連
通すると共に、上記中空空間が五徳の中心に向かって張
り出すように五徳の内周面に段部を設け、上記中空空間
内に連通する窓穴を五徳の内周面に該段部を挟んで上側
と下側とに各々周設したことを特徴とする。

【０００６】請求項２の発明は、鍋の底面に全周に亙っ
て当接可能な環状の五徳を備え、バーナからの炎が五徳
の外側へ漏出しないようにしたコンロにおいて、該五徳
を中空に形成し該五徳の中空空間を排気通路を介して排
気口に連通すると共に、上記五徳の内周面を下方に向か
ってすぼまる漏斗状に形成し、上記中空空間内に連通す
る窓穴を五徳の内周面に上下複数段に周設したことを特
徴とする。

【０００７】炎漏出防止型コンロ。

【０００８】請求項３の発明は、鍋の底面に全周に亙っ
て当接可能な環状の五徳を備え、バーナからの炎が五徳
の外側へ漏出しないようにしたコンロにおいて、該五徳
を中空に形成し該五徳の中空空間を排気通路を介して排
気口に連通すると共に、上記五徳の内周面を下方に向か
ってすぼまる漏斗状に形成し、上記中空空間内に連通す
る窓穴を上下方向に長手のスリット状に形成し五徳の内
周面に周設したことを特徴とする。

【０００９】請求項４の発明は、請求項１または請求項
２の発明において、上記窓穴の各上方に位置させて、各
窓穴の周設径よりも内径を小さくした環状の庇を設けた
ことを特徴とする。

【００１０】請求項５の発明は、請求項１乃至請求項４
のいずれかの発明において、上記窓穴の開口面積の周設
方向に沿った総和は上方にいくほど広くなるように設定
されていることを特徴とする。

【００１１】請求項６の発明は、請求項１乃至請求項５
のいずれかの発明において、上記窓穴から排気を吸引し
強制排気する排気ファンを備え、鍋底の高さを検知し、
鍋底の高さに応じてバーナの燃焼量の増減と排気ファン
の回転数の増減とのうちの少なくとも一方を行なう制御
手段を有することを特徴とする。

【００１２】請求項７の発明は、請求項１乃至請求項６
のいずれかの発明において、上記バーナは環状の内側に
炎孔を周設した内炎孔式リングバーナであることを特徴
とする。

【００１３】

【作用】請求項１の発明によれば、五徳の内径より大き
な鍋は五徳の上面に載置し、五徳の内径より小さい鍋は
段部に載置する。そして、鍋を五徳の上面に載置した状
態ではバーナの燃焼排気は鍋底にぶつかりその後放射状
に拡散するので鍋底に近い窓穴から排出される。また、
鍋を段部に載置した状態では段部の下側に設けた下段の
窓穴を介して燃焼排気が排出される。

【００１４】また、請求項２の発明では、大きな鍋は請
求項１の発明と同じく五徳の上面に載置するが、五徳の
内周面を上記のごとく漏斗状に形成しているので、該上
面の内径より小径の鍋は内周面に載置させる。そして、
鍋を五徳の上面に載置した状態ではバーナの燃焼排気は
主に鍋底に最も近い最上段の窓穴を介して排出される。
また、鍋を内周面に載置した場合には鍋底より下側に位
置する窓穴を介して燃焼排気が排出される。

【００１５】尚、請求項２の発明のように五徳の内周面
を漏斗状に形成すると、鍋の径によっては内周面のいず
れの位置にも鍋が載置される。この場合、請求項３の発
明のように窓穴を上下方向に長手のスリット状に形成す
ると、鍋がいずれの位置に載置されても常に窓穴と鍋底
との位置関係が一定で、かつ鍋底に最も近い位置に窓穴
を開口させることができる。

【００１６】ところで、五徳の内周面に窓穴を開設する
と鍋から煮こぼれた煮汁が窓穴を介して五徳内に侵入し
易くなる。この場合、請求項４の発明にように窓穴を覆
うように庇を設けると煮汁が窓穴に侵入することを防止
することができ、また、庇の上に鍋を載置することもで
きる。

【００１７】ところで、炎は鍋底に当たり鍋底に沿って
放射状に拡がるので鍋底に近い窓穴から主に排気が行わ
れ、また、炎（熱気）がこのように鍋底に近い窓穴から
排気されると炎が鍋底に接する時間が長くなり熱効率が
向上する。そこで請求項５の発明は窓穴の開口面積の総
和を、上方にいくほど広くし、極力上方から排気される
ようにし、熱効率が更によくなるようにした。

【００１８】また、鍋が五徳の内側に載置され燃焼排気
を下の窓穴のみで行なわなければならない場合には、燃
焼量が多すぎると排気不足により燃焼用の二次空気が十
分に吸引できず燃焼不良を生じ易くなる。この場合に請
求項６の発明によれば、鍋を五徳の内側に載置した状態
において燃焼量が多すぎる時には排気ファンの回転数を
上げたり、バーナの最大燃焼量を強制的に下げて燃焼不
良を防止することができ、また、例えば鍋が段部や副五
徳に載置されても五徳の上面に載置されていた時と同じ
高回転数で排気ファンを回転させることにより熱効率が
低くなる場合には、排気ファンの回転数を下げて、熱効
率の低下を防止することができる。

【００１９】尚、請求項７の発明のように内炎孔式リン
グバーナを用いると、内炎孔式リングバーナからの炎は
中心に向かって集まりながら上昇し、鍋底に当たってそ
れ以上の上昇が制限されると共に鍋底に沿って放射状に
拡散するので、五徳の上面に鍋が載置されている状態で
は、炎は一気に鍋底まで上昇し、その後鍋底に沿って放
射状に拡がるので、ほとんどの排気は上段の窓穴から排
気され、熱効率が更によくなる。

【００２０】

【実施例】図１乃至図３を参照して、１はコンロ本体で
あり、該本体１の上面の天板１０ｂに着脱される内天板
１０ａに形成した開口１１の周縁部上面に五徳２を着脱
自在に載置すると共に、開口１１の周縁部下面に筒状の
燃焼筐３を垂設し、該燃焼筐３内にバーナ４を収納し
た。

【００２１】上記五徳２は図２に示すごとく、環状に形
成されており、プレス成形され内部は中空になってい
る。鍋Ｐを五徳２に載置すると上面２１は全周に亙って
鍋底ＰＢに当接する。また、五徳２の内周には五徳２の
中心に向かって張り出す段部２２が形成され、該段部２
２より上に位置する内周面２３ａには周方向に略等間隔
で複数の窓穴２４ａが開設され、段部２２より下に位置
する内周面２３ｂには周方向に略等間隔で複数の窓穴２
４ｂが開設されている。尚、上段の窓穴２４ａの開口径
は下段の窓穴２４ｂの開口径より大きくなるように設定
されている。また、五徳２の外周面２５には同じく略等
間隔で複数の冷却窓２６が開設されている。そして、該
五徳２の内部には五徳２の中空空間を内側と外側とに分
ける仕切り板２７を設けた。但し、該仕切り板２７を設
けなくてもよいが、仕切り板２７を設けない場合には窓
穴２４ａ・２４ｂと冷却窓２６とが一致しないように両
者を相互にずらして開設することが望ましい。また、段
部２２には内側に向かって下り傾斜する溝２２ａを複数
設け、煮汁等が五徳２の内側にこぼれると該溝２２ａに
集まった後、バーナ４の下方に設けた図外の汁受皿に落
ちるようにした。尚、溝２２ａは上段の窓穴２４ａとは
一致するが下段の窓穴２４ｂに対しては一致しないよう
に設けれている。このように設けることにより、鍋Ｐを
段部２２に載置した際に溝２２ａを伝って漏れる排気は
上段の窓穴２４ａから吸引され外気に漏れる心配が無
く、一方、溝２２ａに集まった煮汁が下段の窓穴２４ｂ
から五徳２の内部に侵入することを防止することができ
る。

【００２２】バーナ４は内側に向かって開口する炎孔４
０を周設した内炎孔式リングバーナで構成されており、
燃焼筐３内に、周囲に空隙４１を存して挿入される有底
筒状の支持枠４２の上端の開口部にバーナ４を嵌着し
た。燃焼筐３の上部は炎孔４０よりも内方に張り出して
張出部３０を形成しており、この張出部３０とバーナ４
との間に上記空隙４１に連なる二次空気通路４１ａを形
成した。また、ばね４５ｃで上方に付勢される感熱ヘッ
ド４５の外周との間に所定の隙間４５Ａを存する保護筒
４４を該感熱ヘッド４５に保持させ、該保護筒４４を支
持枠４２の底板部の中央の開口４３に隙間を存して上下
動自在に挿通し、五徳２に鍋Ｐを載置したとき鍋底ＰＢ
に感熱ヘッド４５が押接され、鍋底ＰＢの過熱が生じた
ときに感熱ヘッド４５が鍋底ＰＢの温度を検知して、制
御装置７を介して電磁安全弁７４を閉弁させバーナ４の
燃焼を停止し得るようにした。尚、感熱ヘッド４５は支
持枠４２の下方に延出したブラケット４２ａにばね４５
ｃ及びロッド４５ａを介して保持されている。従って、
保護筒４４の上端と感熱ヘッド４５の上端とは常に所定
間隔４４Ａが確保され鍋Ｐを段部２２に載置しても保護
筒４４の上端は鍋底ＰＢに上記所定間隔４４Ａを存して
離れ接触することはない。保護筒４４の下端開口から吸
引され、保護筒４４内を上昇してきた空気は保護筒４４
と感熱ヘッド４５との隙間４５Ａを通り上記所定間隔４
４Ａから放射状に吹出し、感熱ヘッド４５を冷却すると
共に感熱ヘッド４５に炎Ｆが直接接触することを防止す
ることにより感熱ヘッド４５が炎Ｆの温度を検知すると
いう不具合を防止している。燃焼用の二次空気は、上記
二次空気通路４１ａのほか開口４３と保護筒４４との間
の隙間や支持枠４２の底板部に形成した開口４６から燃
焼筐３内に導入される。尚、保護筒４４の周面の下部に
は穴４４ａが貫設されており、保護筒４４の下端開口か
ら吸引された空気は隙間４５Ａによって空気の通路面積
が狭まっているため一部が該穴４４ａから保護筒４４の
外側へ分流し燃焼用の二次空気とすると共に保護筒４４
の外周面に沿って空気を上昇させ炎Ｆが保護筒４４に直
接接しないようにし、更に、穴４４ａを通り抜ける際に
保護筒４４自体を空冷するようにした。尚、図中４７は
点火プラグであり、４８は失火センサである。該失火セ
ンサ４８は熱電対からなり、熱起電力により電磁安全弁
７４を開弁状態に保持するものであり、炎Ｆが失火する
と電磁安全弁７４が閉弁するように構成されている。ま
た、上記のごとく感熱ヘッド４５はロッド４５ａの上端
に固定支持されており、該ロッド４５ａは感熱ヘッド４
５と共に昇降する。また該ロッド４５ａの下部にはフラ
ンジ４５ｂが取り付けられている。一方、該フランジ４
５ｂの近傍には上下に所定間隔を存して２個のマイクロ
スイッチ７１・７２が配設されている。両マイクロスイ
ッチ７１・７２の所定間隔は五徳２の上面２１と段部２
２との段差に等しく、図１に示すように、五徳２の上面
２１に鍋Ｐが載置されている状態ではフランジ４５ｂに
よってマイクロスイッチ７１がオンになり、小さな径の
鍋を段部２２に載置すればフランジ４５ｂは上記段差と
同じ距離下がり、マイクロスイッチ７２がオンになる。
また、両マイクロスイッチ７１・７２は共に制御装置７
に接続され、該制御装置７はマイクロスイッチ７１・７
２のオン・オフ状態から鍋が五徳の上面２１に載置され
ているのか段部２２に載置されているのか、また上面２
１及び段部２２のいずれにも鍋が載置されていないこと
を検知することができる。尚、窓穴２４ａ及び窓穴２４
ｂの内側近傍に温度センサを設け、鍋Ｐが上面に載置さ
れている場合には両温度センサが高温を検知し、段部２
２に載置されている場合には窓穴２４ｂ側のセンサのみ
が高温を検知し、鍋が載置されていない場合には両セン
サ共に低温を検知することにより、鍋Ｐの有無及び載置
位置を検知するようにしてもよい。

【００２３】燃焼筐３は内外２重壁構造に構成されてお
り、燃焼筐３の２重壁間の空間を燃焼筐３の上面に嵌着
された内天板１０ａに設けた開口３１を介して五徳２の
中空空間に連通する排気通路５とした。該排気通路５
は、天板１０ｂの奥部に開設した排気口５０に連通して
おり、更に、排気通路５に排気ファン６を介設して強制
排気を行なえるようにした。尚、燃焼筐３は図３に示す
ように筐体３ａの上部開口に内天板１０ａを重ねて形成
され、天板１０ｂに係合すると共に上面に五徳２が配置
されるように構成したが、天板１０ｂに内天板１０ａを
一体に形成し、あるいは五徳２に内天板１０ａを一体に
形成してもよい。

【００２４】調理を開始する際に、鍋Ｐが五徳２に載置
されていない状態ではバーナ４に点火されないようにす
ることが望ましい。制御装置７は鍋Ｐの載置による感熱
ヘッド４５の下降をマイクロスイッチ７１・７２の内の
いずれか一方のオンにより検知し鍋が載置されている状
態で、点消火ボタンＢを押操作し点消火スイッチＳがオ
ンになると排気ファン６を作動させ、かつ点火プラグ４
７とバーナ４との間に火花放電させ点火するようにし
た。該火花点火によりバーナ４に点火されると炎Ｆは上
記のごとく一旦中心に向かって集まりながら上昇する。
この時保護筒４４の外周面に沿って空気が上昇している
ので、炎Ｆは保護筒４４に直接接触することはない。ま
た、通路４１ａを通って導入される空気は炎孔４０の上
方から炎Ｆに向かって吹きつけられることになるので炎
Ｆは上方から押さえられ、開口１１の周面に炎Ｆが接触
せず、また鍋底ＰＢに炎Ｆが接触するまで炎Ｆが放射状
に拡がらない。従って、例えば鍋Ｐが五徳の上面２１に
載置されている場合には、炎Ｆは鍋底ＰＢに当たりそれ
以上の上昇が阻止されると鍋底ＰＢに沿って放射状に拡
がる。そして、上記排気ファン６の作動により主に上段
の窓穴２４ａを介して排気通路５へと吸引される。特に
本実施例では開口１１の直径を炎孔４０の直径より小さ
くなるように張出部３０を形成し、下段の窓穴２４ｂの
開口面積の総和よりも上段の窓穴２４ａの開口面積の総
和の方が広くなるように窓穴２４ａの開口径を窓穴２４
ｂの開口径より大きくしたので、炎Ｆは張出部３０を迂
回し一旦中央に集まりながら上昇する。そして、その後
窓穴２４ａに向かって鍋底ＰＢに沿って放射状に拡がる
ので、鍋底ＰＢに熱気が接触する時間を長くすることが
でき、かつ煮汁が直接炎孔４０にかからなくすることが
できる。尚、下段の窓穴２４ｂの開口径は上段の窓穴２
４ａの開口径より小さいので排気の吸引量が少なく、従
って炎Ｆはほとんどが窓穴２４ａに向かって流れ、その
流れる途中で炎Ｆの燃焼は完結し熱気となる。該熱気が
窓穴２４ａに近づくと段部２２によって熱気が通る通路
ＰＡの上下方向の幅が狭められ、熱気は窓穴２４ａに吸
い込まれる直前まで鍋底ＰＢに接触し、鍋Ｐ内の調理物
を加熱する。

【００２５】五徳２の中空空間は上記仕切り板２７によ
り内側の空間２Ａと外側の空間２Ｂとに仕切られてお
り、上記窓穴２４ａから吸い込まれた熱気は内側の空間
２Ａ内に入る。すると、熱気は仕切り板２７にぶつかっ
た後、開口３１を通って排気通路５内へと流れていく。
一方、排気ファン６の作動により空間２Ａ・２Ｂは共に
負圧になるため、冷却窓２６からは外部の空気が空間２
Ｂ内に導入される。このように空間２Ｂ内には熱気はほ
とんど入り込まず外部の空気が導入されるので、五徳２
の外側部分はバーナ４の燃焼中であっても空気により冷
却され熱くはならない。そして、空間２Ｂ内の空気は空
間２Ａ内の熱気と共に開口３１を通って排気通路５へと
流れる。

【００２６】内周面２３ａの直径より小さい鍋を用いて
調理を行う場合には、鍋は段部２２に載置される。この
場合、炎Ｆは鍋底ＰＢにぶつかり鍋底ＰＢに沿って放射
状に拡がる熱気となって段部２２の内周面２３ｂに設け
た窓穴２４ｂに吸い込まれる。尚、該状態では窓穴２４
ａは大気に露出されるが、窓穴２４ａは冷却穴２６と同
じく冷却用の空気を吸い込むように機能するので問題は
ない。ところで、小さな径の鍋を使用する場合には炎や
熱気が鍋底に接する面積が狭いため、マイクロスイッチ
７２がオンになり制御装置７は制御７３の開度を絞る指
示を出してバーナの最大燃焼量を制限し適正な燃焼量に
することが望ましい。また、燃焼量を絞ることによって
対応するのでは無く、制御装置７を介して排気ファン６
の回転数を上げて窓穴２４ｂを介しての熱気の吸い込み
量を増加させてもよい。ところで、このようなバーナ２
の燃焼量の増減制御や排気ファン６の回転数制御は、鍋
が上面２１に載置されているか段部２２に載置されてい
るかに応じて制御装置７が行なう。尚、鍋が上面２１と
段部２２とのいずれにも載置されず上記マイクロスイッ
チ７１・７２の双方がオフになると消火し、あるいは燃
焼量を絞るようにした。尚、点消火スイッチＳがオフに
なると消火するが、オンの場合にはマイクロスイッチ７
１・７２のいずれかの再度のオンにより再点火され、ま
たは燃焼量に対する絞りが解除されるようにした。

【００２７】図４は他の実施例を示し、このものでは五
徳２の内周面２３を下方に向かってせばまる漏斗状に形
成し、該内周面２３に上下２段に窓穴２４ａ・２４ｂを
周設した。また、内周面２３には上下方向に長手の溝２
４ｃを設け鍋Ｐからこぼれた煮汁等が該溝２４ｃに集ま
った後、バーナ４の下方に設けた図外の汁受皿に落ちる
ようにした。尚、該溝２４ｃは上段の窓穴２４ａとは一
致するが下段の窓穴２４ｂに対しては一致しないように
設けれている。このように設けることにより、溝２４ｃ
を伝って漏れる排気は上段の窓穴２４ａから吸引され外
気に漏れる心配が無く、一方、溝２４ｃに集まった煮汁
が下段の窓穴２４ｂから五徳２の内部に侵入することを
防止することができる。そして、この場合には、鍋の径
の大きさによって鍋の高さが無段階に変化するので、感
熱ヘッド４５の昇降位置を無段階に検出し、該検出値に
基づいて制御装置７によりバーナ４の燃焼量や排気ファ
ン６の回転数を比例制御させることが望ましい。

【００２８】また、図５に示すように、両窓穴２４ａ・
２４ｂの間に位置する環状の庇８ａ・８ｂを着脱自在に
設けた。庇８ｂは、下段の窓穴２４ｂを上方から覆うべ
く、該窓穴２４ｂの周設径よりも内径が小さくなるよう
に形成されており、また、上段の窓穴２４ａを上方から
覆うべく上段の窓穴２４ａの周設径よりも内径を小さく
した環状の庇８ａを五徳２の上面２１に着脱自在に載置
した。従って、大きな鍋は上段の庇８ａに載置し、小さ
な鍋は下段の庇８ｂに載置する。尚、本実施例の場合も
上段の窓穴２４ａの開口径の方が下段の窓穴２４ｂより
大きくなるように設定している。また、本実施例では窓
穴２４ａ・２４ｂを庇８ａ・８ｂで覆うので煮汁等がこ
ぼれても窓穴２４ａ・２４ｂ内に流れ込む心配はない。
尚、庇８ａ及び庇８ｂは上記のように五徳２に対して着
脱自在に設けてもよいが一体に形成してもよい。また、
この場合には庇８ａ・８ｂによって煮汁が導かれるので
上記溝２４ｃは設けない。尚、内周面２３すべてを漏斗
状に形成したが、上面２１から一旦垂直に連なる部分を
設けその下を漏斗状に形成してもよく、その場合には垂
直の部分に窓穴２４ａを開設することが望ましい。

【００２９】更に、図６に示すように、窓穴を上下２段
に設けるのでは無く上下方向に長手のスリット状の窓穴
２４ｄを設けるようにしてもよい。この場合、窓穴２４
ｄの横幅は上方にいくにしたがって広くなり窓穴２４ｄ
の開口面積の周設方向に沿った総和が上方にいくほど広
くなるように設定されている。また、該窓穴２４ｄに対
して交互になるように溝２４ｅを設け、該溝２４ｅの上
端部に五徳２の内部空間に連なる窓２４ｆを形成し、溝
２４ｅに沿って流れる排気を吸い込み外気に排気が漏出
しないようにした。また、開口３１の周囲を円形に盛り
上げると共に、仕切り板２７ａを設けてスリット状の窓
穴２４ｄから五徳２の内部空間に入った煮汁が開口３１
を通って排気通路５内に侵入しないようにした。

【００３０】また、上記各実施例共に中心に向かって開
口する環状のバーナを用いているので、外側に向かって
開口する炎孔を備えた通常のバーナを用いる場合に比較
して炎は放射状に拡がる前に一旦内側に集まり、炎や熱
気が鍋底に接する時間を長くすることができ、熱効率を
向上させることができる。また、炎孔の炎吹出し方向を
バーナの中心に対して横方向に所定角度傾けることによ
り、五徳２の内側での炎や熱気の流れを渦状の乱流にし
て炎や熱気が鍋底に接する時間を更に延ばして熱効率を
更に向上させることができる。

【００３１】ところで、上記各実施例では、窓穴２４ａ
・２４ｂを開放したままにしたが、操作により窓穴２４
ａ・２４ｂを個別に開閉するシャッタを五徳２内に設
け、上面２１に鍋Ｐを載置した際には下段の窓穴２４ｂ
を閉じ、逆に段部２２や庇８ｂに鍋を載置した際には上
段の窓穴２４ａを閉じるようにしてもよい。尚、該シャ
ッタの開閉操作は手動で行っても電動等で行ってもよ
い。

【００３２】ところで、上記図１乃至図３に示した実施
例では１つに段部を設け窓穴を上下２段に形成したが、
段部を複数段設け、各段部の上下に窓穴を各々設けても
よく、また、図４または図５に示した実施例でも窓穴を
上下３段以上に設けてもよい。

【００３３】尚、上記実施例では１口のコンロについて
説明したが、２口以上のコンロや内部にグリルを備えた
ガステーブルに適用してもよい。また、上記各実施例で
は内炎孔式リングバーナを用いたが、炎孔が外周面に周
設された外火バーナや炎孔が上面に設けられた上火バー
ナ等の他の形式のバーナを用いてもよい。また、上記図
１乃至図５に示した各実施例では上段の窓穴２４ａの開
口径を下段の窓穴２４ｂの開口径より大きくすることに
より窓穴の開口面積の周設方向に沿った総和が上方にい
くほど広くなるようにしたが、同じ開口径の窓穴の個数
で開口面積の総和を調整してもよい。

【００３４】

【発明の効果】以上の説明から明らかなように、五徳の
内周面に上下に窓穴を開設し、両窓穴の間に位置して段
部を設けたり五徳の内周面を漏斗状に形成したので、小
さな鍋でも段部や漏斗状の内周面に載置することにより
使用することができ、また大きな鍋を用いる場合には炎
や熱気に接する面積を多く確保し得るので熱効率が低下
しない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の構成を示す図

【図２】五徳の斜視図

【図３】五徳の詳細を示す図１の部分拡大図

【図４】五徳の第２の実施例の構成を示す部分拡大図

【図５】五徳の第３の実施例の構成を示す部分拡大図

【図６】五徳の第４の実施例の構成を示す部分拡大図

【符号の説明】

１ 本体 ２ 五徳 ４ バーナ ５ 排気通路 ６ 排気ファン ７ 制御装置 ８ａ 庇 ８ｂ 庇 ２２ 段部 ２４ａ 窓穴 ２４ｂ 窓穴 ２６ 冷却窓 ４４ 保護筒 ４５ 感熱ヘッド Ｐ 鍋

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒松 政男 愛知県名古屋市中川区福住町２番26号 リンナイ株式会社内 (72)発明者 八木 和男 愛知県名古屋市中川区福住町２番26号 リンナイ株式会社内 (72)発明者 矢野 宏治 愛知県名古屋市中川区福住町２番26号 リンナイ株式会社内 (56)参考文献 特開 昭63−220017（ＪＰ，Ａ) 実開 平１−66246（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−175533（ＪＰ，Ｕ) 特公 平５−13067（ＪＰ，Ｂ２) 実公 昭57−46907（ＪＰ，Ｙ２) (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) F24C 3/00 - 3/12 F24C 15/10 F24C 15/20

Claims (7)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 鍋の底面に全周に亙って当接可能な環
   状の五徳を備え、バーナからの炎が五徳の外側へ漏出し
   ないようにしたコンロにおいて、該五徳を中空に形成し
   該五徳の中空空間を排気通路を介して排気口に連通する
   と共に、上記中空空間が五徳の中心に向かって張り出す
   ように五徳の内周面に段部を設け、上記中空空間内に連
   通する窓穴を五徳の内周面に該段部を挟んで上側と下側
   とに各々周設したことを特徴とする炎漏出防止型コン
   ロ。
2. 【請求項２】 鍋の底面に全周に亙って当接可能な環
   状の五徳を備え、バーナからの炎が五徳の外側へ漏出し
   ないようにしたコンロにおいて、該五徳を中空に形成し
   該五徳の中空空間を排気通路を介して排気口に連通する
   と共に、上記五徳の内周面を下方に向かってすぼまる漏
   斗状に形成し、上記中空空間内に連通する窓穴を五徳の
   内周面に上下複数段に周設したことを特徴とする炎漏出
   防止型コンロ。
3. 【請求項３】 鍋の底面に全周に亙って当接可能な環
   状の五徳を備え、バーナからの炎が五徳の外側へ漏出し
   ないようにしたコンロにおいて、該五徳を中空に形成し
   該五徳の中空空間を排気通路を介して排気口に連通する
   と共に、上記五徳の内周面を下方に向かってすぼまる漏
   斗状に形成し、上記中空空間内に連通する窓穴を上下方
   向に長手のスリット状に形成し五徳の内周面に周設した
   ことを特徴とする炎漏出防止型コンロ。
4. 【請求項４】 上記窓穴の各上方に位置させて、各窓
   穴の周設径よりも内径を小さくした環状の庇を設けたこ
   とを特徴とする請求項１または請求項２記載の炎漏出防
   止型コンロ。
5. 【請求項５】 上記窓穴の開口面積の周設方向に沿っ
   た総和は上方にいくほど広くなるように設定されている
   ことを特徴とする請求項１乃至請求項４のいずれかに記
   載の炎漏出防止型コンロ。
6. 【請求項６】 上記窓穴から排気を吸引し強制排気す
   る排気ファンを備え、鍋底の高さを検知し、鍋底の高さ
   に応じてバーナの燃焼量の増減と排気ファンの回転数の
   増減とのうちの少なくとも一方を行なう制御手段を有す
   ることを特徴とする請求項１乃至請求項５のいずれかに
   記載の炎漏出防止型コンロ。
7. 【請求項７】 上記バーナは環状の内側に炎孔を周設
   した内炎孔式リングバーナであることを特徴とする請求
   項１乃至請求項６のいずれかに記載の炎漏出防止型コン
   ロ。