JP3718468B2 - 半導体集積回路 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の回路ブロックを有する半導体集積回路に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、半導体集積回路を構成する、基本セル、マクロセル、および階層セルなどの回路ブロックに対する電力の供給は、回路ブロックそれぞれの周囲を取り囲むように配置されている電源配線によって行なわれている。
【0003】
図1は、従来の半導体集積回路を上から透視した場合の内部構造を示す図である。
【0004】
図1に示す半導体集積回路1には、基本セル11、2つのマクロセル12a、12b、階層セル13などの回路ブロックの他に、これら回路ブロックそれぞれの周囲に隣接する、電源用幹線14およびグランド用幹線15が配設されている。
【0005】
また、図1に示す半導体集積回路1には、各回路ブロックと、各回路ブロックを取り巻く電源用幹線14およびグランド用幹線15とを接続する、電源用接続線141およびグランド用接続線151も配設されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記半導体集積回路1では、各回路ブロックを取り巻く電源配線はその囲まれた回路ブロックのみではなく他の回路ブロックへの電源供給の役割をも果たさなければならないため比較的太い配線としなければならない。また、低層メタルを使用するため、この配線領域の下には回路ブロックを配置することができず、近年の半導体集積回路の益々のダウンサイジング化においては、上記電源配線領域がダウンサイジング化のネックになるという問題がある。
【0007】
また、上記半導体集積回路1では、特性の異なる回路ブロックごとに充分な電力を供給し、かつ、信号配線にも考慮した電源配線の配線設計が要求されるため、電源配線の配線設計に時間がかかるという問題もある。
【0008】
本発明は、上記事情に鑑み、電源配線の配線設計における手間が省かれ、チップ面積の使用効率の向上が図られた半導体集積回路を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するための本発明の半導体集積回路は、
複数の回路ブロックを有する半導体集積回路において、
所定の第1の配線層の、上記複数の回路ブロックそれぞれの上部が各回路ブロックに応じた配線密度で配線された第1の電源配線と、
上記第1の配線層よりも上層の、所定の第2の配線層に、上記複数の回路ブロックを覆って広がる、所定の配線密度で配線された第2の電源配線と、
上記第1の電源配線と上記第2の電源配線を重ねてみたときのこの第1の電源配線とこの第2の電源配線との交点上に形成された、この第1の電源配線とこの第2の電源配線とを接続するビアとを有することを特徴とする。
【0010】
本発明は、半導体集積回路の多層化技術の高度化、および、半導体集積回路の上層方向における寸法的余裕を土台になされたものであり、本発明の半導体集積回路では、複数の回路ブロックそれぞれが配置されている層よりも上層に配線されている第1の電源配線と、第1の電源配線が配線されている第1の配線層よりもさらに上層に配線されている第2の電源配線とを接続する、複数の回路ブロックそれぞれの消費電力に応じた数のビアを通じて、充分な電力が複数の回路ブロックそれぞれに対して供給される。複数の回路ブロックそれぞれに充分な電力供給を行なうビアは、回路ブロックそれぞれの消費電力に応じた配線密度で配線されたそれぞれの第1の電源配線モデルと、これら複数の回路ブロックを覆って広がる、所定の一様な密度で配線された第2の電源配線モデルとを作成し、これら第1の電源配線モデルと第2の電源配線モデルを重ね合わせて見た場合の交点上に形成されている。つまり、消費電力の大小を配線密度で表現したものと、所定の一様な配線密度のものとを重ねて交点を得るという簡易な配線方法で、複数の回路ブロックそれぞれの消費電力の大小が、本発明の半導体集積回路のビアの分布に反映されている。さらに、本発明の半導体集積回路では、電源配線が、従来の半導体集積回路のように回路ブロックを取り囲む位置ではなく、回路ブロックそれぞれの上部に位置しているために、前述した、電源配線領域が不要となりチップ面積の使用効率の向上が図られている。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0012】
図2は、本発明の一実施形態の、配線類などが取り除かれた回路ブロックを示す図である。尚、本実施形態の半導体集積回路100は、多層構造を有している。
【0013】
図2には、2つのマクロセルのうちの一方のマクロセル121aが図2の上段左側、他方のマクロセル121bが図2の上段右側、階層セル131が図2の中段右側、基本セル111が、図2の中段左側から下段にかけてL字型に配置されている。尚、図2に示される各回路ブロック間は、図1に示される各回路ブロック間よりも接近している。
【0014】
図3は、図2の中段左側から下段にかけて示されている基本セルが配置されている層よりも上層にある、第1メタル層および第2メタル層に配線されている電源配線M1および電源配線M2の、基本セルに対する配置を示す図である。
【0015】
半導体集積回路100の第1メタル層には、図3の左右方向に延びる電源配線M1が、図3に示されているような間隔で配線されており、半導体集積回路100の第2メタル層には、図3の上下方向に延びる電源配線M2が、第1メタル層における電源配線M1の間隔よりもさらに広い間隔で配線されている。尚、半導体集積回路100の第2メタル層の電源配線M2は、図3に示すように、グランド線(以下、グランド線をGNDと表記する)の次は電源線(以下、電源線をVDDと表記する)、VDDの次はGNDといった具合にGNDとVDDとが交互に配置されている。半導体集積回路100の第1メタル層に配線された電源配線M1の詳細については、説明の便宜のために省略する。尚、電源配線の配線密度は、その下方に配置されている回路ブロックにおいて消費される電力量によって決定されている。つまり、下方に配置されている回路ブロックが消費電力の大きいものであれば、配線密度は高くなり、逆に消費電力の小さいものであれば、配線密度は低くなる。
【0016】
図4は、図2の上段左側に示されているマクロセルが配置されている層よりも上層にある第4メタル層に配線されている電源配線の、マクロセルに対する配置を示す図である。
【0017】
半導体集積回路100の第4メタル層には、図4の上下方向に延びる電源配線MULが、図3の上下に延びる電源配線M2の間隔よりも狭い間隔で配線されている。半導体集積回路100の第4メタル層の電源配線MULも、図4に示すように、VDDとGNDとが交互に配置されている。
【0018】
図5は、図2の上段右側に示されているマクロセルが配置されている層よりも上層にある第4メタル層の電源配線の、マクロセルに対する配置を示す図である。
【0019】
半導体集積回路100の第4メタル層には、図5の上下方向に延びる電源配線MURが、図3の上下に延びる電源配線M2の間隔よりも僅かに広い間隔で配線されている。半導体集積回路100の第4メタル層の電源配線MURも、図5に示すように、VDDとGNDとが交互に配置されている。
【0020】
図6は、図2の中段右側に示される階層セルが配置されている層よりも上層にある第4メタル層の電源配線の、階層セルに対する配置を示す図である。
【0021】
半導体集積回路100の第4メタル層には、図6の上下方向に延びる電源配線MMRが、一部は図4に示す電源配線MULよりもさらに狭い間隔で配線され、その他は図3の上下に延びる電源配線M2の間隔と同じような間隔で配線されている。半導体集積回路100の第4メタル層に配線された電源配線も、VDDとGNDとが交互に配置されている。
【0022】
図7は、図2に示す複数の回路ブロックそれぞれの消費電力を反映した配線密度で配線された電源配線よりも、さらに上層に設けられた電源配線を示す図である。
【0023】
図7には、半導体集積回路100の、第5メタル層および第6メタル層がメッシュ状に示されている。
【0024】
半導体集積回路100の第5メタル層には、図7の左右方向に延びる電源配線M5が、図4に示す電源配線MULよりも多少狭い間隔で、複数の回路ブロック全体を覆うように配線されており、半導体集積回路100の第6メタル層には、図7の上下方向に延びる電源配線M6が、第5メタル層に配線された電源配線M5と同じ間隔で配線されている。半導体集積回路100の第5メタル層に配線された電源配線もVDDとGNDとが交互に配置されている。尚、この第5メタル層および第6メタル層に配線された電源配線の配線密度は、その下方に配置されている複数の回路ブロックそれぞれにおける消費電力とは無関係である。半導体集積回路100の第6メタル層に配置された電源配線の詳細については、説明の便宜のために省略する。
【0025】
図8は、本実施形態の半導体集積回路を上から透視した場合の内部構造を示す図である。
【0026】
図8には、メッシュ状に見える、第6メタル層と第5メタル層にそれぞれ配線された電源配線M5、M6、第4メタル層に配線された電源配線MUR、MUL、MMR、および、第2メタル層と第1メタル層にそれぞれ配線された電源配線M2、M1、および、回路ブロックの輪郭が示されている。
【0027】
また、図8には、第5メタル層(図7参照)に配置されている電源配線M5と、第4メタル層(図4から図6)に配置されている電源配線MUR、MUL、MMRとの交点、および、第5メタル層(図7参照)に配置されている電源配線M5と、第2メタル層に配置されている電源配線M2との交点が黒点で示されている。この黒点が本発明にいうビアに相当する。
【0028】
本実施形態の半導体集積回路100では、上記ビアが、第5メタル層と第2メタル層の間、および、第5メタル層と第4メタル層の間に形成されており、図8に示されるビアの分布は、下方に配置されている回路ブロックそれぞれの消費電力を反映したものとなっている。例えば、図2の上段左側に示されるマクロセル121aの方の消費電力が、図2の上段右側に示されるマクロセル121bの消費電力よりも大きいということが、それぞれの配線密度の違いによって表わされているが、このことが、図8における、上段左側と上段右側とのビアの数の違いに反映されている。さらに、図2の中段右側に示される階層セル131における消費電力が階層セル131における一方(図6では左側)に偏っているということが、図8の中段右側に示されるビアの数が一方(図8では中段中央側)に多いということに反映されている。
【0029】
以上に説明した本実施形態の半導体集積回路100では、図2に示す複数の回路ブロックそれぞれの消費電力に応じた配線密度でそれぞれの上部に配線した電源配線と、これら電源配線よりも上層に配線された、所定の一様な配線密度の電源配線とを重ねて見たときの交点上にビアが形成されている。そのビアの数は、回路ブロックそれぞれの消費電力に応じた数になっているため回路ブロックそれぞれには充分な電力供給が行なわれる。
【0030】
図2に示す複数の回路ブロックそれぞれに充分な電力供給を行なうビアは、回路ブロックそれぞれの消費電力に応じた配線密度で配線されたそれぞれの電源配線モデルと、これら複数の回路ブロックを覆って広がる、所定の一様な密度で配線された電源配線モデルとを作成し、これらを重ね合わせて見た場合の交点上に形成されている。つまり、消費電力の大小を配線密度で表現したものと、所定の一様な配線密度のものとを重ねて交点を得るという簡易な配線方法で、図2に示す複数の回路ブロックそれぞれの消費電力の大小が、本実施形態の半導体集積回路100のビアの分布に反映されている。さらに、本実施形態の半導体集積回路100では、電源配線が、従来の半導体集積回路のように回路ブロックを取り囲む位置ではなく、回路ブロックの上部に位置しているために、前述した、電源配線領域が不要となりチップ面積の使用効率の向上が図られている。
【0031】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の半導体集積回路では、基本セル、マクロセル、階層セルなどの回路ブロックそれぞれに応じた電力供給が行なわれる。
【0032】
また、本発明の半導体集積回路では、回路ブロックそれぞれに対する電力供給を、回路ブロックそれぞれの上部に配線された電源配線から受けるため、チップ面積が縮減されていると共に、回路ブロックそれぞれに発生する可能性のある局所的な電圧降下が防止されている。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の半導体集積回路を上から透視した場合の内部構造を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態の、配線類などが取り除かれた回路ブロックを示す図である。
【図3】図2の中段左側から下段にかけて示されている基本セルブロックが配置されている層よりも上層にある、第1メタル層および第2メタル層における電源配線の、基本セルに対する配置を示す図である。
【図4】図2の上段左側に示されているマクロセルブロックが配置されている層よりも上層にある第4メタル層に配線されている電源配線の、マクロセルに対する配置を示す図である。
【図5】図2の上段右側に示されているマクロセルが配置されている層よりも上層にある第4メタル層の電源配線の、マクロセルに対する配置を示す図である。
【図6】図2の中段右側に示される階層セルが配置されている層よりも上層にある第4メタル層の電源配線の、階層セルに対する配置を示す図である。
【図7】図2に示す複数の回路ブロックそれぞれの消費電力を反映した間隔で配置された電源配線よりも、さらに上層に設けられた電源配線を示す図である。
【図8】本実施形態の半導体集積回路を上から透視した場合の内部構造を示す図である。
【符号の説明】
1、100 半導体集積回路
11、111 基本セルブロック
12a、12b、121a、121b マクロセルブロック
13、131 階層セルブロック
14 電源用幹線
141 電源用接続線
15 グランド用幹線
151 グランド用接続線

Claims (9)

  1. 複数の回路ブロックを有する半導体集積回路において、
    前記回路ブロックが配置されている層よりも上層の、該複数の回路ブロックそれぞれに重なる領域に互いに分離して配線された、対応する回路ブロックのみに電力を供給する各回路ブロック毎の第1の電源配線と、
    前記第1の電源配線よりも上層の、前記複数の回路ブロックを覆って広がる均一な配線密度で配線された第2の電源配線と、
    前記第1の電源配線と前記第2の電源配線を重ねて見たときの該第1の電源配線と該第2の電源配線との交点上に形成された、該第1の電源配線と該第2の電源配線とを接続すうビアとを有することを特徴とする半導体集積回路。
  2. 請求項1に記載の半導体集積回路において、前記第1の電源配線と前記第2の電源配線は互いに直交していることを特徴とする半導体集積回路。
  3. 請求項1または2に記載の半導体集積回路において、前記第1の電源配線は電源線とグランド線が交互に配置されていることを特徴とする半導体集積回路。
  4. 請求項1、2または3に記載の半導体集積回路において、前記第2の電源配線は電源線とグランド線が交互に配置されていることを特徴とする半導体集積回路。
  5. 請求項1から4のうちいずれか1項に記載の半導体集積回路において、前記第1の電源配線は、消費電力が大きい回路ブロック上に形成された第1の電源配線ほど高い配線密度を有することを特徴とする半導体集積回路。
  6. 請求項1から5のうちいずれか1項に記載の半導体集積回路において、前記第1の電源配線と前記第2の電源配線とを接続するビアの数は、消費電力が大きい回路ブロックほど多数であることを特徴とする半導体集積回路。
  7. 複数の回路ブロックを有する半導体集積回路において、
    前記回路ブロックが配置されている層よりも上層の、該複数の回路ブロックそれぞれに重なる領域に互いに分離して配線された、対応する回路ブロックのみに電力を供給する電源線とグランド線が交互に配線された、各回路ブロック毎の第1の電源配線と、
    前記第1の電源配線よりも上層の、前記複数の回路ブロックを覆って広がる電源線とグランド線が交互に前記第1の電源配線とは直交する方向に均一な配線密度で配線された第2の電源配線と、
    前記第1の電源配線と前記第2の電源配線を重ねて見たときの該第1の電源配線と該第2の電源配線との交点上に形成された、該第1の電源配線と該第2の電源配線とを接続するビアとを有することを特徴とする半導体集積回路。
  8. 請求項7に記載の半導体集積回路において、前記第1の電源配線は、消費電力が大きい回路ブロック上に形成された第1の電源配線ほど高い配線密度を有することを特徴とする半導体集積回路。
  9. 請求項7または8に記載の半導体集積回路において、前記第1の電源配線と前記第2の電源配線とを接続するビアの数は、消費電力が大きい回路ブロックほど多数であることを特徴とする半導体集積回路。
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