JP3716258B2 - 入力信号の幾何学補正システム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、入力信号の幾何学補正システムに関するものであり、特に入力信号のアスペクトや解像度によらない入力信号の幾何学補正システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
プロジェクタが映像を曲面上のスクリーンに投影するときに、スクリーンの形状により投影された映像が歪んでしまうことがある。その歪みを補正するために幾何学的な補正処理を行うアプリケーションを備えたコンピュータをプロジェクタに接続し、プロジェクタにより投影される映像の基となる入力信号を解析し、適当な補正データを入力信号に加えて入力信号を変形し、変形した入力信号に対応する映像をプロジェクタが曲面上のスクリーンに投影することで歪みのない映像を提供する段取りを採る。
【0003】
そのような歪みのない映像を提供する従来の代表的な幾何学補正システムの構成図を図10に示す。図10に示す入力信号の幾何学補正システムは、曲面スクリーン1と、映像を投射するプロジェクタ2と、演算処理用のコンピュータ4と、入力信号をプロジェクタ2へ出力する映像出力装置(ビデオやDVDプレイヤーといった映像出力装置)5により構成される。
【0004】
プロジェクタ2とコンピュータ4は、コンピュータ4で為される補正処理の補正データをプロジェクタ2に送信する通信用ケーブル6で接続されている。
【0005】
映像出力装置5からの入力を受けたプロジェクタ2は、曲面スクリーン1に映像を投影する。その際、スクリーンが曲面であるため、投影した映像に幾何学的な歪みが発生する。
【0006】
コンピュータ4は、ユーザーからの操作を受け、幾何学変形用の数値を演算することで、対応の補正結果を出力し、その補正結果をプロジェクタ2へ送信する。
【0007】
しかし、このシステム構成に関して以下の問題が生じる。
第1の問題点は、入力信号のアスペクトの変化に対処できないということである。
第2の問題点は、入力信号の解像度の変化に対処できないということである。
第3の問題点は、映像出力装置5からの入力信号に対し特定の比率の映像信号だけ幾何学補正を行うシステム構成でしかないということである。
その理由は、入力信号の幾何学補正をに当たっては、ユーザーからの操作による補正処理をコンピュータ4で受け、対応の補正データをプロジェクタ2へ送信するといった片方向通信で行うだけであり、幾何学補正を行うコンピュータ4内蔵のアプリケーションに、プロジェクタ2からの信号情報を伝えることができないシステム構成となっているためである。入力信号の効率よい幾何学補正を行う際には、プロジェクタからの入力信号に含まれる情報(アスペクト、解像度など)を参照しておきたいところである。
【0008】
投射画像の歪みの補正に関する従来技術として特許文献1に記載の技術がある。この技術では、被投射体に投射される映像の歪みをリアルタイムで補正することができ、ひいては種々の舞台演出に臨機応変に迅速に対応することができるようにするために、映像データを供給するコンピュータと、このコンピュータから供給された映像データに基づく映像をスクリーンに投射するプロジェクターと、このプロジェクターからスクリーンに投射されたときの映像が、スクリーンに垂直方向から投射されたときの正面投射映像になるように映像データを補正するコンピュータとを具備している構成を採っているが、コンピュータがプロジェクタからの信号情報の解析を考慮した補正を行うものではなく、正面投射映像を作成するために入力信号に対しコンピュータからの補正データをプロジェクタに送信するだけの片方向通信を行うものでしかないので、上記問題点に対処できない。
【0009】
【特許文献1】
特開2000−314923号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記事情を鑑みて、本発明では不定な入力信号が入力されたプロジェクタとコンピュータとの間で、双方向通信を行うことにより、コンピュータが入力信号などの情報をプロジェクタから入手して、その信号に合致した補正を行う入力信号の幾何学補正システムを提供することを目的とする。
【0011】
また、現在、処理速度の問題で、演算を外部のコンピュータに依存しているが、処理速度が解決した場合、プロジェクタ内部に幾何学補正機能を搭載し、外部のコンピュータに依存せず、プロジェクタのみで、あらゆる信号の幾何学補正に対処する入力信号の幾何学補正システムを提供することを目的とする。
【0012】
また、プロジェクタとコンピュータ間の双方向通信の機能を活用し、入力補正の自動化を可能とする入力信号の幾何学補正システムを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を解決するため、請求項1に記載の発明は、画像に関する入力信号があって、前記入力信号を基にして画像を投影する画像投影手段により投影された画像が、曲面状の被投影手段に投影され、前記被投影手段に投影された画像が幾何学的な歪みを有する場合に、前記入力信号の画像の幾何学的補正を行うことを特徴とする入力信号の幾何学補正システムであって、画像に関する入力信号を前記画像投影手段に出力する入力信号出力手段と、画像の歪みを解析し、対応する解析結果に基づき、補正情報を生成し、前記補正情報を前記画像投影手段に送信する入力信号幾何学補正手段とを有し、前記画像投影手段は、前記入力信号幾何学補正手段より前記補正情報を受信し、前記補正情報に基づき前記入力信号を変形し、変形した前記入力信号を基にして画像を前記被投影手段に投影することを特徴とし、前記画像投影手段と、前記入力信号幾何学補正手段は双方向通信形態をとることで、前記画像投影手段より前記入力信号幾何学補正手段への入力信号の信号情報の送信、前記入力信号幾何学補正手段より前記画像投影手段への補正情報の送信を行い、前記入力信号幾何学補正手段は、補正情報を生成するために画像の歪みを解析する際、前記画像投影手段より前記信号情報を受信し、前記信号情報のうち画像の歪みを生む情報を参照することを特徴とする。
【0014】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、前記入力信号幾何学補正手段は、前記画像投影手段内部に搭載されていることを特徴とする。
【0015】
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の発明において、使用者による歪み補正の入力を受ける入力手段をさらに有し、前記入力信号幾何学補正手段は、前記入力手段より受信する歪み補正に関する入力情報により、前記補正情報を生成することを特徴とする。
【0016】
請求項4に記載の発明は、請求項1から3の何れか1項に記載の発明において、前記画像投影手段より前記被投影手段に投影された画像を取り込む画像入力手段をさらに有し、前記入力信号幾何学補正手段は、前記画像入力手段より受信する画像の画像情報により、前記補正情報を生成することを特徴とする。
【0017】
請求項5に記載の発明は、請求項1から3の何れか1項に記載の発明において、使用者による音声の入力を受ける音声入力手段をさらに有し、前記入力信号幾何学補正手段は、前記音声入力手段より受信する音声の音声情報により、前記補正情報を生成することを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の発明は、請求項1から5の何れか1項に記載の発明において、前記信号情報の有する画像の歪みを生む情報は、画像のアスペクトに関する情報であることを特徴とする。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項1から5の何れか1項に記載の発明において、前記信号情報の有する画像の歪みを生む情報は、画像の解像度に関する情報であることを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本実施形態は本発明の好適な実施の一例であり、本発明の実施形態は、これに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
【0021】
<実施の形態1の構成>
図1に示すように、実施の形態1の入力信号の幾何学補正システムは、曲面スクリーン1(または、球面、壁の角、カーテンなど、平面ではなく、何らかの幾何学的な補正を必要とするスクリーン(図9参照))と、映像を投射するプロジェクタ2と、演算処理用のコンピュータ4と、映像出力装置(ビデオやDVDプレイヤーといった映像出力装置)5により構成される。
【0022】
プロジェクタ2とコンピュータ4は、双方向通信が可能な通信用ケーブル6で接続されており、双方の情報をやり取りできるものとする。
【0023】
プロジェクタ2またはコンピュータ4は、図2に示すスライドバー7のような簡易な入力手段と、スライドバー7からの入力値を受け、保持してある近似式を使用して、幾何学変形用の数値を演算する近似式演算装置8と、画像の拡大縮小処理を行うことが可能なスケーラー(画像処理装置)9と、スケーラー9による変形結果を出力する出力装置10とを含む。実施の形態1に於いてはコンピュータ4がこれらの装置を含むものとする。これらの装置は、それぞれ概略、つぎのように動作する。
【0024】
映像出力装置5からの入力を受けたプロジェクタ2は、曲面スクリーン1に映像を投影する。その際、スクリーンが曲面であるため、投影した映像に幾何学的な歪みが発生する。
【0025】
コンピュータ4は、ユーザーからの操作を受け、スライドバー7からの入力とプロジェクタ2から通信用ケーブル6を通して得られた入力信号情報(アスペクトや解像度等)を利用し、幾何学変形用の数値を演算する近似式演算装置8を通して、スケーラー9で画像に変形をかけ、変形結果を出力装置10で出力する。
なお、幾何学変形の技術に関しては既知のもので構わない。
【0026】
<実施の形態1の動作>
次に、図3のフローチャートを参照して、実施の形態1の全体の動作について、詳細に説明する。
【0027】
まず、プロジェクタ2は、映像出力装置5から映像の入力信号情報を受ける(ステップA1)。
【0028】
次に、プロジェクタ2で、入力された入力信号情報の種別、アスペクトなどを判別する(ステップA2)。
【0029】
さらに、プロジェクタ2自身に現在保存されている補正データを基に、映像(画像)を変形する(ステップA3)。
【0030】
プロジェクタ2は、ステップA3にて変形した映像(画像)を曲面スクリーン1に投射する(ステップA4)。
【0031】
この際、投影された映像が歪んでいる場合、ユーザーの入力を受け付ける。ユーザーは、スライドバー7から、補正したい数値を入力する(ステップA5)。
【0032】
ユーザーの入力を受けたコンピュータ4は、通信用ケーブル6を経て、プロジェクタ2から信号情報を得る(ステップA6)。
【0033】
コンピュータ4は、プロジェクタ2より受信した信号情報を基に、スケーラー9に対し、出力用に信号情報に合わせて、映像のサイズを変形させる。さらに、その変形後の映像に対して、ユーザーによって入力された数値を使用して、近似式演算装置8の演算処理による近似式で算出した幾何学変形用の数値を、足しあわせる(ステップA7)。
上記変形処理のイメージとしては、まず初めに基となる画像の解像度とアスペクトを決定し、次にその画像に対して、近似式で補正された幾何学補正分の数値を、足しあわせるようなものであると捉えれば良い。
【0034】
コンピュータ4は、ステップA7で得られた変形用のデータを出力装置10に出力させ、該変形用データを通信用ケーブル6を通して、プロジェクタ2に送る(ステップA8)。
【0035】
プロジェクタ2は、前述したステップA3、ステップA4の処理を経由して、映像を曲面スクリーン1に投射する。
【0036】
曲面スクリーン1に投射された歪みが正常に補正されるまでフィードバックをかけていく。つまり、ステップA5、A6、A7、A8、A3、A4を繰り返し行うことになる。
【0037】
<実施の形態2の構成>
次に、本発明の実施の形態2の構成について図面を参照して詳細に説明する。
【0038】
図4に示すように、実施の形態2の入力信号の幾何学補正システムは、曲面スクリーン1(または、球面、壁の角、カーテンなど、平面ではなく、何らかの幾何学的な補正を必要とするスクリーン(図9参照))と、映像を投射し、演算処理も行うプロジェクタ2と、映像出力装置(ビデオやDVDプレイヤーといった映像出力装置)5により構成される。
【0039】
プロジェクタ2は、図2に示すスライドバー7のような簡易な入力手段と、スライドバー7からの入力値を受け、保持してある近似式を使用して、幾何学変形用の数値を演算する近似式演算装置8と、画像の拡大縮小処理を行うことが可能なスケーラー(画像処理装置)9と、スケーラー9による変形結果を出力する出力装置10とを含む。これらの装置は、それぞれ概略、つぎのように動作する。
【0040】
映像出力装置5からの入力を受けたプロジェクタ2は、曲面スクリーン1に映像を投影する。その際、スクリーンが曲面であるため、投影した映像に幾何学的な歪みが発生する。
【0041】
プロジェクタ2は、ユーザーからの操作を受け、スライドバー7からの入力と入力信号情報(アスペクトや解像度等)を利用し、幾何学変形用の数値を演算する近似式演算装置8を通して、スケーラー9で画像に変形をかけ、変形結果を出力装置10で出力する。
【0042】
従って図4に示す実施の形態2は、実施の形態1にて図1からコンピュータ4を消去した構成を採っており、図2に示す幾何学補正を行う装置構成はプロジェクタ2内部に搭載されており、図3に示す動作処理にて、外部のコンピュータ4の補助を必要とすることがない。
【0043】
<実施の形態2の動作>
次に、図5のフローチャートを参照して、実施の形態2の動作について説明する。
【0044】
まず、プロジェクタ2は、映像出力装置5から映像の入力信号情報を受ける(ステップB1)。
【0045】
次に、プロジェクタ2で、入力された入力信号情報の種別、アスペクトなどを判別する(ステップB2)。
【0046】
さらに、プロジェクタ2自身に現在保存されている補正データを基に、映像(画像)を変形する(ステップB3)。
【0047】
プロジェクタ2は、ステップB3にて変形した映像(画像)を曲面スクリーン1に投射する(ステップB4)。
【0048】
この際、投影された映像が歪んでいる場合、ユーザーの入力を受け付ける。ユーザーは、プロジェクタ2が有するスライドバー7から、補正したい数値を入力する(ステップB5)。
【0049】
ユーザーの入力を受けたプロジェクタ2は、信号情報を得る(ステップB6)。
【0050】
プロジェクタ2は、ステップB6の信号情報を基に、スケーラー9に対し、出力用に信号情報に合わせて、映像のサイズを変形させる。さらに、その変形後の映像に対して、ユーザーによって入力された数値を使用して、近似式演算装置8の演算処理による近似式で算出した幾何学変形用の数値を、足しあわせる(ステップB7)。
上記変形処理のイメージとしては、まず初めに基となる画像の解像度とアスペクトを決定し、次にその画像に対して、近似式で補正された幾何学補正分の数値を、足しあわせるようなものであると捉えれば良い。
【0051】
プロジェクタ2は、ステップB7で得られた変形用のデータを出力装置10に出力させる(ステップB8)。
【0052】
プロジェクタ2は、前述したステップB3、ステップB4の処理を経由して、映像を曲面スクリーン1に投射する。
【0053】
曲面スクリーン1に投射された歪みが正常に補正されるまでフィードバックをかけていく。つまり、ステップB5、B6、B7、B8、B3、B4を繰り返し行うことになる。
【0054】
<実施の形態3の構成>
次に、本発明の実施の形態3について、図面を参照して詳細に説明する。
【0055】
図6に示すように、実施の形態3の入力信号の幾何学補正システムは、曲面スクリーン1(または、球面、壁の角、カーテンなど、平面ではなく、何らかの幾何学的な補正を必要とするスクリーン(図9参照))と、映像を投射するプロジェクタ2と、演算処理用のコンピュータ4と、映像出力装置(ビデオやDVDプレイヤーといった映像出力装置)5と、プロジェクタ2に備え付けられた、映像入力装置として自動入力を行うカメラ11により構成される。
【0056】
プロジェクタ2とコンピュータ4は、双方向通信が可能な通信用ケーブル6で接続されており、双方の情報をやり取りできるものとする。
【0057】
プロジェクタ2またはコンピュータ4は、図2に示すスライドバー7のような簡易な入力手段と、図7に示す映像の自動入力処理を行うカメラ11からの入力値を受け、保持してある近似式を使用して、幾何学変形用の数値を演算する近似式演算装置8と、画像の拡大縮小処理を行うことが可能なスケーラー(画像処理装置)9と、スケーラー9による変形結果を出力する出力装置10とを含む。実施の形態3に於いてはコンピュータ4がこれらの装置を含むものとする。これらの装置は、それぞれ概略、つぎのように動作する。
【0058】
映像出力装置5からの入力を受けたプロジェクタ2は、曲面スクリーン1に映像を投影する。その際、スクリーンが曲面であるため、投影した映像に幾何学的な歪みが発生する。
【0059】
コンピュータ4は、カメラ11による映像の自動入力処理による入力と入力信号情報(アスペクトや解像度等)を利用し、幾何学変形用の数値を演算する近似式演算装置8を通して、スケーラー9で画像に変形をかけ、変形結果を出力装置10で出力する。
【0060】
従って図6に示す実施の形態3は、実施の形態1の図1にてカメラ11等の映像入力装置を付加した構成を採っており、幾何学補正に伴うユーザーからの入力手段による入力処理を行うことなく、映像入力装置自身の自動入力処理により幾何学補正を行うことを可能にするものである。ただし、映像入力装置自身の自動入力処理による幾何学補正が行われても、ユーザーがその補正に不満を抱くのであれば、スライドバー7による入力補正を行えばよい。
【0061】
なお、上記カメラ11は実施の形態3に示すようにプロジェクタ2に備え付けるだけでなく、プロジェクタ2内部に搭載したシステム構成であっても良いし、コンピュータ4と連動しており、コンピュータ4に備え付けられていても良いし、コンピュータ4内に搭載されている構成でも良い。
【0062】
また、カメラに代表される映像入力装置を使用するところを、マイクのような音声入力装置を使用して、ユーザーが音声で入力したデータでも、該データを幾何学補正用のデータとして取り扱い、本発明で示す幾何学補正を可能とする構成を採っても良い。
【0063】
<実施の形態3の動作>
次に、図8のフローチャートを参照して、実施の形態3の動作について図6の幾何学補正システムの構成に沿って説明する。
【0064】
まず、プロジェクタ2は、映像出力装置5から映像の入力信号情報を受ける(ステップC1)。
【0065】
次に、プロジェクタ2で、入力された入力信号情報の種別、アスペクトなどを判別する(ステップC2)。
【0066】
さらに、プロジェクタ2自身に現在保存されている補正データを基に、映像(画像)を変形する(ステップC3)。
【0067】
プロジェクタ2は、ステップC3にて変形した映像(画像)を曲面スクリーン1に投射する(ステップC4)。
【0068】
この際、投影された映像が歪んでいる場合、ユーザーは何もすることはなく、カメラ11からの自動入力処理が行われる。プロジェクタ2は、曲面スクリーン1に映像を投影し、補正の実行命令を受けた瞬間から、カメラ11を使用し、補正したい数値が入力される(ステップC5)。
【0069】
カメラ11の入力を受けたコンピュータ4は、通信用ケーブル6を経て、プロジェクタ2から信号情報を得る(ステップC6)。
【0070】
コンピュータ4は、プロジェクタ2より受信した信号情報を基に、スケーラー9に対し、出力用に信号情報に合わせて、映像のサイズを変形させる。さらに、その変形後の映像に対して、ユーザーによって入力された数値を使用して、近似式演算装置8の演算処理による近似式で算出した幾何学変形用の数値を、足しあわせる(ステップC7)。
上記変形処理のイメージとしては、まず初めに基となる画像の解像度とアスペクトを決定し、次にその画像に対して、近似式で補正された幾何学補正分の数値を、足しあわせるようなものであると捉えれば良い。
【0071】
コンピュータ4は、ステップC7で得られた変形用のデータを出力装置10に出力させ、該変形用データを通信用ケーブル6を通して、プロジェクタ2に送る(ステップC8)。
【0072】
プロジェクタ2は、前述したステップC3、ステップC4の処理を経由して、映像を曲面スクリーン1に投射する。
【0073】
曲面スクリーン1に投射された歪みが正常に補正されるまでフィードバックをかけていく。つまり、ステップC5、C6、C7、C8、C3、C4を繰り返し行うことになる。
【0074】
従って実施の形態3の動作処理は、実施の形態1のそれに対し、ユーザーからの入力処理を、カメラ11からの自動入力処理としている点が異なり、この場合、ユーザーは、何もすることはなく、プロジェクタは、曲面スクリーンに映像を投影し、補正の実行命令を受けた瞬間から、カメラを使用し、カメラとプロジェクタとコンピュータ間で、フィードバック処理を行い、自動的に幾何学補正を実行する。この補正は、カメラによって撮像された曲面スクリーンに投影された映像の歪みが、直線に近似するまで、繰り返される。
【0075】
なお、実施の形態3では、コンピュータ4による幾何学補正データ出力の場合について説明したが、実施の形態2のようなコンピュータ4が存在しないシステム、つまり幾何学補正機能をプロジェクタ2内に搭載したシステムで動作可能であることを敷衍しておく。
【0076】
【発明の効果】
以上の説明から、本発明はプロジェクタとコンピュータとで双方向通信を行うことにより、コンピュータが入力信号などの情報をプロジェクタから入手して、その信号に合致した補正を行うため、あらゆる信号(解像度、アスペクトなど)に対応できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1における入力信号の幾何学補正システムである。
【図2】プロジェクタ2またはコンピュータ4が有する幾何学補正を行う各装置の構成図である。
【図3】実施の形態1の動作フローチャートである。
【図4】実施の形態2における入力信号の幾何学補正システムである。
【図5】実施の形態2の動作フローチャートである。
【図6】実施の形態3における入力信号の幾何学補正システムである。
【図7】プロジェクタ2またはコンピュータ4が有する幾何学補正を行う各装置の構成図である。
【図8】実施の形態3の動作フローチャートである。
【図9】曲面スクリーン1のサンプル一覧である。
【図10】従来の入力信号の幾何学補正システムである。
【符号の説明】
1 曲面スクリーン
2 プロジェクタ
3 投射面
4 コンピュータ
5 映像出力装置
6 通信用ケーブル
7 スライドバー
8 近似式演算装置
9 スケーラー
10 出力装置
11 カメラ

Claims (7)

  1. 画像に関する入力信号があって、前記入力信号を基にして画像を投影する画像投影手段により投影された画像が、曲面状の被投影手段に投影され、前記被投影手段に投影された画像が幾何学的な歪みを有する場合に、前記入力信号の画像の幾何学的補正を行うことを特徴とする入力信号の幾何学補正システムであって、
    画像に関する入力信号を前記画像投影手段に出力する入力信号出力手段と、
    画像の歪みを解析し、対応する解析結果に基づき、補正情報を生成し、前記補正情報を前記画像投影手段に送信する入力信号幾何学補正手段とを有し、
    前記画像投影手段は、前記入力信号幾何学補正手段より前記補正情報を受信し、前記補正情報に基づき前記入力信号を変形し、変形した前記入力信号を基にして画像を前記被投影手段に投影することを特徴とし、
    前記画像投影手段と、前記入力信号幾何学補正手段は双方向通信形態をとることで、前記画像投影手段より前記入力信号幾何学補正手段への入力信号の信号情報の送信、前記入力信号幾何学補正手段より前記画像投影手段への補正情報の送信を行い、前記入力信号幾何学補正手段は、補正情報を生成するために画像の歪みを解析する際、前記画像投影手段より前記信号情報を受信し、前記信号情報のうち画像の歪みを生む情報を参照することを特徴とする入力信号の幾何学補正システム。
  2. 前記入力信号幾何学補正手段は、前記画像投影手段内部に搭載されていることを特徴とする請求項1に記載の入力信号の幾何学補正システム。
  3. 使用者による歪み補正の入力を受ける入力手段をさらに有し、
    前記入力信号幾何学補正手段は、前記入力手段より受信する歪み補正に関する入力情報により、前記補正情報を生成することを特徴とする請求項1または2に記載の入力信号の幾何学補正システム。
  4. 前記画像投影手段より前記被投影手段に投影された画像を取り込む画像入力手段をさらに有し、
    前記入力信号幾何学補正手段は、前記画像入力手段より受信する画像の画像情報により、前記補正情報を生成することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の入力信号の幾何学補正システム。
  5. 使用者による音声の入力を受ける音声入力手段をさらに有し、
    前記入力信号幾何学補正手段は、前記音声入力手段より受信する音声の音声情報により、前記補正情報を生成することを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の入力信号の幾何学補正システム。
  6. 前記信号情報の有する画像の歪みを生む情報は、画像のアスペクトに関する情報であることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の入力信号の幾何学補正システム。
  7. 前記信号情報の有する画像の歪みを生む情報は、画像の解像度に関する情報であることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の入力信号の幾何学補正システム。
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