JP3715906B2 - 電気泳動表示装置、及び該電気泳動表示装置の駆動方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、帯電泳動粒子を移動させて表示を行う電気泳動表示装置及びその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
デジタル技術の目覚しい進歩により、個人が扱うことのできる情報量は飛躍的に増大している。これにともない、情報の出力手段として、低消費電力かつ薄型の表示装置の開発が盛んに行われるようになった。中でも液晶表示装置は、こうしたニーズに対応できる表示装置として活発な開発が行われ商品化されている。しかしながら、現在の液晶表示装置には、画面を見る角度や、反射光により画面上の文字が見ずらく、また光源のちらつき・低輝度等から生じる視覚へ負担が重いという問題があり、この問題が未だ十分に解決されていない。このため、低消費電力、視覚への負担軽減などの観点から反射型表示装置が期待されている。
【0003】
その一つとして、Harold D. Lees等により電気泳動表示装置が提案されている(米国特許USP3612758公報)。
【0004】
図27(a) は、その電気泳動表示装置の構造の一例を示す図であるが、この種の電気泳動表示装置は、所定間隙を開けた状態に配置された一対の基板1a,1bと、これらの基板1a,1bの間に充填された絶縁性液体2と、該絶縁性液体2に分散された多数の着色帯電泳動粒子3と、それぞれの基板1a,1bに沿うように各画素に配置された表示電極15a,15bと、を備えている。なお、符号7は、画素と画素との間に設けられた隔壁であって、着色帯電泳動粒子3の他の画素への移動を防止し、均一表示を維持するために設けられたものである。この装置において、着色帯電泳動粒子3は、正極性又は負極性に帯電されているため、表示電極15a,15bに印加される電圧の極性に応じていずれかの表示電極15a又は15bに吸着されるが、絶縁性液体2及び着色帯電泳動粒子3はそれぞれ異なる色に着色されているため、着色帯電泳動粒子3が観察者側の表示電極15aに吸着されている場合には該粒子3の色が視認され(図27(b) 参照)、着色帯電泳動粒子3が他側の表示電極15bに吸着されている場合には絶縁性液体2の色が視認されることとなる(図27(a) 参照)。したがって、印加電圧の極性を画素毎に制御することによって、様々な画像を表示することができる。以下、このタイプの装置を“上下移動型”とする。
【0005】
しかしながら、このような上下移動型の電気泳動装置では、絶縁性液体2に染料やイオンなどの発色材を混合しなくてはならず、このような発色材の存在は、新たな電荷の授受をもたらすために電気泳動動作において不安定要因として作用しやすく、表示装置としての性能や寿命、安定性を低下させる場合があった。
【0006】
かかる問題を解決するものとして、図28に示すタイプの電気泳動表示装置(以下“水平移動型電気泳動表示装置”とする)が特開昭49−5598号公報や特開昭49−024695号公報や特開平11−202804号公報に開示されている。かかる水平移動型電気泳動表示装置は、所定間隙を開けた状態に配置された一対の基板1a,1bと、これらの基板1a,1bの間に充填された絶縁性液体2と、該絶縁性液体2に分散された多数の着色帯電泳動粒子3と、各画素に配置された一対の表示電極25a,25bと、を備えているが、一対の表示電極25a,25bは、上述のタイプのように絶縁性液体2を挟み込むように配置されているのではなく、一方の基板1bに沿うように並べて配置されている。かかる水平移動型電気泳動表示装置の場合、絶縁性液体2は透明であれば良くて発色材を混入する必要が無いため、上述のような問題を回避できる。そして、該装置においては、一方の表示電極25aは帯電泳動粒子3と同じ色(例えば、黒色)の着色層で被覆されていて、他方の表示電極25bは他の色(例えば、白色)の着色層で被覆されている。着色帯電泳動粒子3は、それらの表示電極25a,25bへ印加する電圧の極性に応じて水平に(基板に沿う方向に)移動し、表示電極25a又は25bに吸着されるが、着色帯電泳動粒子3が表示電極25aに吸着されている場合には表示電極25bの色の方が視認され易くなり(図28(a) 参照)、着色帯電泳動粒子3が表示電極25bに吸着されている場合には画素全体が帯電泳動粒子3と同じ色に視認される(図28(b) 参照)。したがって、印加電圧の極性を画素毎に制御することにより、種々の画像を表示することができる。
【0007】
ところで、画素がマトリックス状に配置された表示装置を、電気的にアドレスする方式としては大別して、アクティブマトリックス方式と単純マトリックス方式の2つがある。
【0008】
アクティブマトリックス方式では、各画素それぞれに対して薄膜トランジスタ(TFT)などのスイッチング素子を形成し、各画素に印加する電圧を画素ごとに独立に制御する。この方式を用いれば、水平移動型電気泳動表示装置を、高い表示コントラストで駆動することが可能である。しかしながら一方で、
・ アクティブマトリックス方式はプロセスコストが高い
・ 薄膜トランジスタのプロセス温度が高くポリマー基板上への形成が困難である
といった問題を抱える。この問題は、低コストでフレキシブルなディスプレイを目指すペーパーライクディスプレイにおいては特に重要である。これらの問題を解決するために、印刷プロセスが適用可能なポリマー材料による薄膜トランジスタの形成プロセスや、基板加熱を要しないTFT転写方式によるプロセスが提案されているが、実用化の可能性は未だ未知数である。
【0009】
一方、単純マトリックス方式は、アドレスのために必要な構成要素がX−Y電極ラインのみであるから低コストであり、ポリマー基板上への形成も容易である。選択画素に対して書き込み電圧を印加する場合は、選択画素を交点とするX電極ラインとY電極ラインに対して、書き込み電圧に相当する電圧を印加すればよい。ところが、電気泳動表示装置を単純マトリックス方式により駆動しようとすると、選択された画素の周辺画素まで一部書き込まれてしまうという現象(いわゆるクロストーク現象)が発生し、表示コントラストが著しく劣化してしまう。これは電気泳動表示装置が、書き込み電圧に対して明確な閾値特性を持たないために必然的に発生する問題である。
【0010】
このような問題を解決するものとして、原理的に閾値を持たない電気泳動表示において、一対の表示電極に加えて制御電極を付加し、それら3電極構造によって単純マトリックス駆動を実現する提案がなされている。
【0011】
このような3電極構造に関する提案はほとんどが上下移動型電気泳動表示装置に関してなされたものであり、例えば特公昭61−016074号公報(USP4203106)がある。
【0012】
水平移動型電気泳動表示装置における3電極構造の提案は唯一、特許公報第02740048号(USP5345251、特表平8−507154号公報)においてなされている。但しその公報においては、絶縁性液体2は透明ではなく着色されていると考えられ、前述の特開昭49−5598号公報及び特開平11−202804号公報及び本発明が対象とする、絶縁性液体が透明であることを特徴とする水平移動型電気泳動表示装置とは異なるものである。
【0013】
特許公報第02740048号では制御電極の配置に関して2つの構成(第1の構成及び第2の構成)が開示されている。第1の構成では、制御電極(グリッドライン)は、図29(a) に符号36aで示すように、フェースプレート1bに対して25−116μmの間隔で対向配置された後方プレート1a上に形成される。なお、符号35aは陰極素子を示し、符号35bは陽極素子を示し、符号37は陽極素子上に形成されたクロム層、符号38はクロム層上に形成されたフォトレジストを示す。なお、これらのクロム層37及びフォトレジスト38によって、陰極素子35aと陽極素子35bの境界に約0.3μmの段差が形成されている。
【0014】
また、第2の構成では、制御電極(グリッドライン)は、図29(b) に符号36bで示すように、フェースプレート1b上の陰極素子35aと陽極素子35bとの間に配置されている。
【0015】
なお、第1構成、第2構成いずれのタイプにおいても、一画素内には、複数のライン電極が集合したフォーク状陰極素子35aと、この陰極素子35aの各ライン間に配置された複数のライン電極が集合したフォーク状陽極素子35bがフェースプレート1b上に配置される(図30参照)。図30においては説明の便宜上、陰極素子35a、陽極素子35bともに1ラインで構成される場合について示してある。
【0016】
次に、図29(a) に示す電気泳動表示装置(第1構成)の基本動作について、図31に沿って説明する。帯電泳動粒子3には、黄色で負極性に帯電されたものを用いた。
【0017】
いま、グリッドライン36aに0V、陽極素子35bに0V、陰極素子35aに約+12Vの電圧を印加すると、帯電泳動粒子3は陰極素子35aの表面に移動し、画素は黄色表示状態となる(図31(a) 参照)。
【0018】
次に、グリッドライン36aに0V、陽極素子35bに+15V、陰極素子35aに0Vの電圧を印加すると、帯電泳動粒子3は陽極素子35bを覆うように移動する(図31(b) 参照)。
【0019】
さらに、同図(a) の状態の後、グリッドライン36aに書き込み禁止電圧として負電圧を印加すると、帯電泳動粒子3の陽極素子35bへの移動は阻止される(同図(c) 参照)。
【0020】
一方、第2の構成においては、グリッドライン36bに書き込み禁止電圧を印加した画素では、陰極素子35aと陽極素子35bとの間における帯電泳動粒子3の移動(画素書き込み)が禁止され、そのような書き込み禁止電圧を印加しない画素では、陰極素子35a及び陽極素子35bに印加する電圧に従って帯電泳動粒子3が移動して画素書き込みがなされる。なお、この第2の構成においては、グリッドライン36bを含めた駆動に関係する全ての構成要素35a,35bが同一プレート1b上に配置されるため、両プレート1a,1bを貼り合わせる工程での位置合わせを簡素化できる。
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述した第1及び第2の構成の水平移動型電気泳動装置は、主に次に述べるような問題点を抱えていた。
【0022】
(1) 表示コントラストの低下
第1の構成においては、段差を高くしすぎると、陰極素子35aと陽極素子35bとの間に電圧を印加しても、一部の帯電泳動粒子3が段差を越えられずに段差底部に残留してしまい(図33(a) の符号G1参照)、陽極素子35bを覆う粒子数が不足して表示コントラストが低下するという問題があった。このような問題を回避するには、段差をあまり高くしなければ(例えば帯電泳動粒子3の直径程度にすれば)良いが、その場合には、段差による帯電泳動粒子3の移動抑制効果が不十分となってしまう。そのため、図33(b) に示すようにグリッドライン36aに電圧を印加して帯電泳動粒子3の移動を阻止しようとしても、一部の帯電泳動粒子3は、符号G2で示すように段差を越えて移動してしまい、結果としてクロストーク現象を引き起こし表示コントラストが低下するという重要な問題が発生する。
【0023】
(2) 消費電力の増加等
その場合(つまり、図33(b) に示すように、段差が低い電気泳動表示装置において、グリッドライン36aへの印加電圧によって帯電泳動粒子3の移動を阻止しようとする場合)でも、グリッドライン36aに印加する電圧を十分に大きくすることによって、符号G2で示されるような移動粒子の発生は回避できる。しかし、該印加電圧を大きくすると、消費電力が増加してしまうという問題や、素子内の絶縁部材中に高電圧によって注入された電荷が電圧除去後も残留し、この残留電荷のもたらす意図せぬ電界によって帯電泳動粒子3の動作状態が不安定になる、という新たな問題が発生する。
【0024】
(3) 表示コントラストの制限
上述のように段差を低くした場合には、図33(c) に符号G3で示すように、帯電泳動粒子3が、凹部(陰極素子35aの部分の凹部)に収容され切れずに陽極素子35bの方へ溢れ出てしまい、その結果、表示コントラストが低下してしまうという問題があった。
【0025】
段差を低くしたままでこのような問題を解決する方法としては、陰極素子35aの面積を大きくして凹部の容積を増加させてやる方法がある。この方法を採れば、陰極素子と陽極素子との面積比が小さくなってしまって表示コントラストが低下するという問題があった。
【0026】
また、特表平8−507154号公報で開示された電気泳動表示装置においては、電極構成的に表示コントラストが制限されてもいる。図30に示すように、フォーク状陰極素子35aとフォーク状陽極素子35bとが互いに対向するようにフェースプレート1b上に同一高さに配置されているが、相互の絶縁のためには、離間させておく必要がある。そのため、離間させた分だけ1画素内における素子面積(陰極素子35aを配置する面積、陽極素子35bを配置する面積)を小さくせざるを得ず、結果として表示コントラストが低下してしまうという問題があった。
【0027】
(4) 高精細表示装置の製造が困難
また、各フォーク状素子35a,35bが同一平面内に配置されるような構成では、表示部が高精細になるほど、各素子が細くなるとともに、素子間のギャップ間隔も細くせざる得なくなる。このため、製造工程において、素子間の電気的ショート部が発生し易く、高精細表示装置の製造が困難である。
【0028】
(5) 一方向書き込みに制限
さらに、特表平8−507154号公報で開示された第1の構成においては、段差による帯電泳動粒子の移動抑制効果は下段側から上段側への方向に限定され、上段側から下段側への移動はむしろ加速される。従って、書き込み方向は一方向のみに限られ、最初に全画面の帯電泳動粒子3を下段側に集め全面リセットしたのち、一方向への書き込みを行なうという駆動法に限定されてしまう。書き込みを双方向に対して行なうことはできず、画面の一部のみを選択的に書き換えるような駆動はできないという問題があった。
【0029】
また、プレート1a,1bをフレキシブルな材料にて構成する場合、電気泳動表示装置は折り曲げることができる反面、後方プレート1aとフェースプレート1bとの間隙を精度良く保つことが困難である。第1の構成では、グリッドライン36aと陰極素子35a等とは互いに異なるプレート1a,1bに形成されていて間隙が変動し易く、帯電泳動粒子3の制御性が悪くなるという問題があった。また、グリッドライン36aと陰極素子35a等とは互いに異なるプレート1a,1bに形成されているため、プレート1a,1bの貼り合わせ工程においては、グリッドライン36aと陰極素子35a等とが対向するように、精度の良い位置合わせが必要となり、貼り合わせ作業が煩雑になるという問題があった。
【0030】
これに対して、第2の構成においては、グリッドライン36bと陰極素子35a等とは同じプレート1bに配置されていることから上述のような問題が発生せず、フレキシブルなプラスチック基板をプレートに用いて、解像度の高い表示装置の実現をすることができる。また、プレート貼り合わせ作業も簡素化される。
【0031】
しかし、かかる第2構成のものでは、帯電泳動粒子3は、陰極素子35aと陽極素子35bとの間の移動こそ禁止されるものの、図32(a) (b) に示すようにグリッドライン36bから遠ざかるように移動してしまって分布の偏りが発生し、陰極素子35a又は陽極素子35bの表面に均一に分散されるようには配置されず、表示コントラストが著しく低下してしまうという問題があった。また、図32(a) (b) に示すように、後方プレート1aの側にまで一旦移動してしまった帯電泳動粒子3は、グリッドライン36bや陰極素子35a等へ印加される電圧の極性を変えただけでは後方プレート1aからは遊離せず、制御不能になってしまうという問題があった。
【0032】
そこで、本発明は、上述した問題を解決する電気泳動表示装置及びその駆動方法を提供することを目的とするものである。
【0033】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記事情を考慮してなされたものであり、所定間隙を開けた状態に配置された第1及び第2基板と、これらの基板の間隙に配置された絶縁性液体と、該絶縁性液体に分散された複数の着色帯電泳動粒子と、を備えた電気泳動表示装置において、前記基板の間隙に前記第2基板に沿って段部が配置されることに基づき、前記絶縁性液体の厚い部分に対向する下段面と、前記絶縁性液体の薄い部分に対向する上段面とが各画素に形成され、該下段面に沿うように第1表示電極が配置され、前記上段面に沿うように第1制御電極と第2表示電極とが配置され、前記第1制御電極は、前記第2表示電極と比較して、前記第1表示電極に近接して配置され、印加電圧を変えることにより、前記第1表示電極と前記第2表示電極との間の前記帯電泳動粒子の移動を許可または禁止する電極であることを特徴とする。
【0034】
【発明の実施の形態】
以下、図1乃至図20を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
【0035】
本発明に係る電気泳動表示装置は、例えば図1(a)(b)に符号D1で示すように、所定間隙を開けた状態に配置された第1及び第2基板1a,1bと、これらの基板1a,1bの間隙に配置された絶縁性液体2と、該絶縁性液体2に分散された複数の着色帯電泳動粒子3と、を備えている。そして、これらの基板1a,1bの間隙に第2基板1bに沿って段部4が配置されることに基づき、絶縁性液体2の厚い部分に対向する下段面F1と、絶縁性液体2の薄い部分に対向する上段面F2とが各画素Pに形成されている。
【0036】
また、下段面F1に沿うように第1表示電極5aが配置され、上段面F2に沿うように第1制御電極6aと第2表示電極5bとが配置されている。ここで、前記第1制御電極6aは、前記第2表示電極5bと比較して前記第1表示電極5aに近接する側に配置されている。つまり、前記第2基板1b上に段部4が形成され、その下段に第1表示電極5aが配置され、上段に第2表示電極5bが配置され、該段部4の中段に第1制御電極6aが配置されている。
【0037】
なお、第1制御電極6aの幅や形状は特に限定されるものではなく、帯電泳動粒子3の移動を抑制するような電気的ゲートバリア(詳細は後述)を形成しうるものであればよい。図1(a)(b)では、第1制御電極6aは第2表示電極5bとほぼ同様の大きさに形成されているが、図2に符号16aで示すように、凹部Eの近傍にだけ形成されていても良い。
【0038】
また、図1に示す電気泳動表示装置D1では、下段面F1(すなわち、凹部E)は画素Pのほぼ中央部に1つだけ配置され、かつ円形に形成されているが(図3参照)、配置位置・個数や配置形状はこれらのものに限定されるものではない。例えば、
・ 画素の中央部から偏心した位置に形成しても、
・ 円以外の形状であっても(例えば、図4に符号E1で示す四角形形状や図5に符号E2で示すストライプ形状であっても)、
・ 各画素に2つ以上ずつ形成しても(例えば、図6に符号E3で示すように2つずつ形成しても、図7に符号E4で示すように4つずつ形成しても)、
良い。
【0039】
一方、図1及び図3に示す凹部Eは円柱状をしているが、帯電泳動粒子3が表示電極5a,5bの間を移動できるものであれば限定はない。例えば、図8に符号E5で示すように、入り口の方が底部に比べて狭くなったような逆テーパ形状であっても、図9に符号E6で示すように入り口の方が底部に比べて広くなったようなテーパ形状であっても良い。また、図10に示すように、凹部E7の底部を緩やかな曲面で湾曲させても良い。
【0040】
また、各画素の形状は四角形でなくても、他の形状(例えば、図11に示す六角形形状)であっても良い。
【0041】
さらに、図1に示す電気泳動表示装置では、“第1表示電極5aが占める領域P1”の方が“第2表示電極5bが占める領域P2”によって囲まれるように構成されているが、その関係が逆であっても良い。すなわち、“第1表示電極が占める領域”を画素周縁部に形成し“第2表示電極が占める領域”を画素中央部に配置すると良い。具体的には、“第2表示電極が占める領域”を環状に配置しても良い。
【0042】
ところで、画素サイズが125μm×125μmの場合には、帯電泳動粒子3の粒径を0.5〜10μmとし、第1基板1aと第2基板1bとの間隙を10〜100μmとし、段部4の段差寸法は5〜70μm程度にすれば良い。一般的には、段部4の段差寸法は、帯電泳動粒子3の粒径の数倍〜数百倍にすると良い。
【0043】
ところで、図12に示すように、前記第1基板1aの側に第2制御電極6bを配置しても良い。この電極6bは第1基板1aのほぼ全面に形成しておくと良く、透明にすると良い。なお、このように配置した第2制御電極6bに適正な電圧を印加した場合には、段部4の高さ(段差)を泳動粒子径の数十倍程度に高くした場合であっても帯電泳動粒子3を第1表示電極5aから第2表示電極5bに円滑に移動させることができ、帯電泳動粒子3の凹部への残留や、該残留に伴うコントラストの低下を防止できる。
【0044】
また、これらの電極5a,5b,6a,6bにはそれぞれ引き回し配線(図示z方向に互いにずれる状態で互いに絶縁された状態に配置配置されたもの)を接続し、それらの引き回し配線を介して各電極5a,5b,6a,6bに電圧印加手段を接続して電圧を印加するようにすると良い。
【0045】
またさらに、第2表示電極面が、段差構造の形成する凹部以外の表示部を完全に覆うように形成されてもよい。こうすることで、各電極の引き回し配線が第2表示電極面により完全に遮蔽され、帯電泳動粒子の駆動に対する配線からの漏れ電界の影響を防止することができる。電圧によって表示を行う方式である電気泳動表示装置の場合、配線からの漏れ電界によって、表示劣化が発生するという大きな問題があった。本発明では、このような配線からの漏れ電界の遮蔽のため、新たにシールド電極等を設けることなく、表示電極に遮蔽効果を持たせることができるため、構成のコンパクト化、製造容易化をおこなうことができる。
【0046】
図5、7は、本発明における電気泳動表示装置の平面図であるが、第2表示電極面が、段差構造の形成する凹部以外の表示部を完全に覆うように一体に形成されている。このことによって、第2表示電極の遮蔽効果により、第1表示電極や第1制御電極の引き回し配線からの漏れ電界による、帯電泳動粒子の不必要な駆動(つまり、表示劣化)を防止することができる。このような遮蔽効果は、本発明の構成上の顕著な特徴である、階層的な電極配置に由来するものであり、特許公報第02740048号に開示されているような、2つの表示電極が嵌合して配置されてなる従来の構成では不可能であり、明らかにことなるものである(図30参照)。
【0047】
ところで、本発明に係る電気泳動表示装置は、第1表示電極5a又は第2表示電極5bを覆う位置に移動させた帯電泳動粒子3を、絶縁性液体2を介して視認するものであり、水平移動型である。このため、絶縁性液体2は、帯電泳動粒子3を視認できる程度に透明にすると良い。そして、いずれか一方の表示電極5a又は5bには着色帯電泳動粒子3と同じ色を付し、他方の表示電極5b又は5aには異なる色を付すと良い。例えば、着色帯電泳動粒子3を黒色、第1表示電極5aを黒色、第2表示電極5bを白色としても良いが、もちろんこれに限られるものではなく、配色の組み合せは自由である。また、カラー表示をしたい場合には、着色帯電泳動粒子3を黒色、一方の表示電極5a又は5bを黒色、他方の表示電極5b又は5aを適宜赤・緑・青色とすると良い。なお、電極に色を付す方法としては、
・ 電極自体を着色する方法
・ 電極とは別に着色層を設ける方法
・ 電極を覆うように形成した絶縁層を利用する方法(例えば、絶縁層自体の色を利用したり、絶縁層に着色材料を混ぜ込む方法)、
を挙げることができる。
【0048】
なお、一方の電極を黒色とし他方の電極を白色とする場合、それらの面積比は3:7程度にすると良い。例えば、第1表示電極5aを黒色とし、第2表示電極5bを白色とする場合、第1表示電極5aが占める領域P1は画素面積の10〜30%とし、第2表示電極5bが占める領域P2は画素面積の90〜70%程度にすると良い。
【0049】
その他の構成について説明する。
【0050】
各画素の周囲を取り囲むように隔壁部材7を配置しても良い。これにより、画素間における帯電泳動粒子3の移動を防止できる。隔壁材料としてはポリマー樹脂を使用すると良い。隔壁形成にはどのような方法を用いてもよい。例えば、光感光性樹脂層を塗布した後露光及びウエット現像を行う方法、又は別に作製した障壁を接着する方法、印刷法によって形成する方法等を用いることができる。
【0051】
また、電極5a,5b,…を覆うように絶縁層を形成すると良く、絶縁層を形成した場合には、各電極5a,5b,…から帯電泳動粒子3への電荷注入を防止できる。この絶縁層に用いる材料としては、薄膜でもピンホールが形成されにくく、低誘電率の材料、具体的には、アモルファスフッ素樹脂、高透明ポリイミド、PET等が好ましい。
【0052】
さらに、基板1a,1bには、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルサルフォン(PES)等のポリマーフィルム或いはガラス、石英等の無機材料を使用することができる。
【0053】
第1表示電極5aの材料は、パターニング可能な導電性材料ならどのようなものを用いてもよい。第2制御電極6bの材料は、パターニング可能な導電性材料ならどのようなものを用いても良く、例えばITO(インジウム・ティン・オキサイド)を用いると良い。
【0054】
またさらに、帯電泳動粒子3としては、絶縁性液体中で正極性又は負極性の良好な帯電特性を示す材料を用いると良い。例えば、ポリエチレン、ポリスチレン等の樹脂を用いると良く、黒色に着色する場合にはそれらの樹脂にカーボンなどを混ぜると良い。
【0055】
また、絶縁性液体2には、シリコーンオイル、トルエン、キシレン、高純度石油等の無色透明液体を使用すると良い。
【0056】
なお、本実施の形態に係る電気泳動表示装置では、図3に示すように、図示x方向には複数の走査電極線X1,X2,X3,…が配置されており、各走査電極線X1,X2,X3,…は、該方向xに沿って配置される画素(例えば、P11,P12,P13,…)の各第1制御電極6aに電気的に接続されている。また、図示y方向には複数の第1信号電極線YA1,YA2,YA3,…や第2信号電極線YB1,YB2,YB3,…が配置されており、第1信号電極線YA1,YA2,YA3,…は、該方向yに沿って配置される画素(例えば、P11,P21,P31,…)の各第1表示電極5aに電気的に接続され、第2信号電極線YB1,YB2,YB3,…は、該方向yに沿って配置される画素(例えば、P11,P21,P31,…)の各第2表示電極5bに電気的に接続されている。なお、この図においては3×3個の画素のみが示されているが、もちろんこれに限られるものではない。
【0057】
(製造法の説明)
まず第2基板1bに第1表示電極5aを形成する。
【0058】
次いで、段部4、第1制御電極6aおよび第2表示電極5bを形成する。形成には、蒸着、スパッタリング、フォトリソグラフィ、エッチング、めっき法、モールドあるいは印刷法を用いると良い。例えば、段部形成材料を基板全面に形成し、その表面に第1制御電極6aを形成(成膜・パターニング)する。さらにその上に、段部形成材料を形成し、第2表示電極膜、レジスト膜を順次全面に形成した後、最上面のレジスト膜をパターニングする。最後に、最上面のレジストパターンをマスク層として、第2表示電極膜、段部形成材料を順次ドライエッチングまたはウエットエッチングすることによって段部4を形成する。
【0059】
その後、基板1a,1bを貼り合わせ、絶縁性液体2や帯電泳動粒子3を注入する。
【0060】
(単純マトリクス駆動方法)
以下、本発明における単純マトリックス駆動法ついて説明する。
【0061】
上述した第1制御電極6aの電圧を低くした状態で、第1表示電極5a及び第2表示電極5bの間に電圧を印加する。その印加電圧の極性を画素毎に制御すると、帯電泳動粒子3はいずれかの電極5a又は5bに吸着されるが、その作用を利用して画像を表示することができる。
【0062】
そして、第1制御電極6aの電圧を高くすると、各画素の表示状態は保持される。
【0063】
本実施の形態では、一方の表示電極(例えば、第1表示電極5a)から他方の表示電極(例えば、第2表示電極5b)に対して帯電泳動粒子3を移動させるに際し、
・ 帯電泳動粒子3を一方の表示電極(例えば、第1表示電極5a)から第1制御電極6aの近傍に移動させる第一の過程、
を実施すると良い。この第一の過程においては、帯電泳動粒子3を正極性に帯電させている場合には、
「移動元である表示電極の駆動電圧>第1制御電極6aの制御電圧>移動先である表示電極の駆動電圧」
とし、帯電泳動粒子3を負極性に帯電させている場合には、
「移動元である表示電極の駆動電圧<第1制御電極6aの制御電圧<移動先である表示電極の駆動電圧」
とすれば良い。そして、図12に示すように第2制御電極6bを設けている場合には、帯電泳動粒子3を正極性に帯電させている場合には、
「移動元である表示電極の駆動電圧>第2制御電極6bの制御電圧>移動先である表示電極の駆動電圧」
とし、帯電泳動粒子3を負極性に帯電させている場合には、
「移動元である表示電極の駆動電圧<第2制御電極6bの制御電圧<移動先である表示電極の駆動電圧」
とすれば良い。
【0064】
また、上述した第一の過程を実施した後、
・ 第一の過程によって第1制御電極6aの近傍に移動されてきた帯電泳動粒子3を、他方の表示電極(例えば、第2表示電極5b)に移動させる第二の過程、を実施すると良い。この第二の過程においては、帯電泳動粒子3を正極性に帯電させている場合には、
「第二過程における第1制御電極6aの制御電圧>第一過程における第1制御電極6aの制御電圧」
とし、帯電泳動粒子3を負極性に帯電させている場合には、
「第二過程における第1制御電極6aの制御電圧<第一過程における第1制御電極6aの制御電圧」
にすると良い。
【0065】
書き込み方法については複数のバリエーションが考えられる。まず、各電極との配線方式に関しては、
・ 各画素の第1制御電極6aが走査電極線に、表示電極5a,5bが信号電極線に配線される場合と、
・ 各画素の第1制御電極6aが信号電極線に、表示電極5a,5bが走査電極線に配線される場合と
の2通りがある。また、書き込み方向については、
・ 最初に画面全体を一方の状態にリセットしたのち、各走査ラインに書き換えが必要な画素についてのみ一方向の書き込みをおこなう場合と、
・ 各走査ラインに白状態・黒状態の双方向に対して書き込みをおこなう場合、とがある。
【0066】
(双方向書き込み)
以下、このような駆動方法の一例(双方向書き込み)を具体的数値を用いて図13に沿って詳述する。
【0067】
いま、図13(a) に示すように、第1制御電極6aに書き込み許可電圧として制御電圧Vc=0Vを印加している状態で、第1表示電極5aの電圧をVd1=+20Vとし、第2表示電極5bの電圧をVd2=−20Vとすると、正極性に帯電されている帯電泳動粒子3は、第2表示電極5bの側に移動する。
【0068】
これに対して、同図(b) に示すように、第1制御電極6aに書き込み許可電圧として制御電圧Vc=0Vを印加している状態で、第1表示電極5aの電圧をVd1=−20Vとし、第2表示電極5bの電圧をVd2=+20Vとすると、正極性に帯電されている帯電泳動粒子3は、第1表示電極5aの側に移動する。
【0069】
また、帯電泳動粒子3が第1表示電極5aを覆っている状態で、第1制御電極6aに書き込み禁止電圧(保持電圧)として制御電圧Vc=+80Vを印加する。これにより、第1制御電極間(6a,6a間)には電気的ゲートバリアが形成され、帯電泳動粒子3の第2表示電極5bへの移動が禁止される(同図(c)(d)参照)。さらに、帯電泳動粒子3が第2表示電極5bを覆っている状態で、第1制御電極6aに書き込み禁止電圧(保持電圧)として制御電圧Vc=+80Vを印加する。これにより、第1制御電極間(6a,6a間)には電気的ゲートバリアが形成され、帯電泳動粒子3の第1表示電極5aへの移動が禁止される(同図(e)(f)参照)。
【0070】
(一方向書き込み)
では次に、単純マトリクス駆動の一例として、図14及び図15を用いて一方向書き込みについて説明する。ここで、図14は、1つの画素を例にとって白状態保持の後に黒反転する場合の印加電圧や反射率の変化の様子を示すタイミングチャート図であり、同図(a) は、第1表示電極5aに印加される駆動電圧Vd1の変化の様子を示す図であり、同図(b) は、第2表示電極5bに印加される駆動電圧Vd2の変化の様子を示す図であり、同図(c) は、第1制御電極6aに印加される制御電圧Vcの変化の様子を示す図であり、同図(d) は反射率の変化を示す図である。また、図15は、図14のように駆動される場合における帯電泳動粒子3の移動や電界ベクトルの様子を模式的に示す図であり、同図(a) は期間0〜Taのときの様子を示す図であり、同図(b) は期間Ta〜Tbのときの様子を示す図であり、同図(c) は期間Tb以降のときの様子を示す図である。なお、ここでは、帯電泳動粒子3の帯電極性を正極性とし、第1表示電極5aを黒色とし、第2表示電極5bを白色としている。
【0071】
いま、図15(a) に示すように、帯電泳動粒子3を第1表示電極5aの方に吸着させて凹部E内に配置している状態で、期間0〜Taにおいて、
駆動電圧Vd1=0V(図14(a) 参照)
駆動電圧Vd2=0V(同図(b) 参照)
制御電圧Vc=+80V(同図(c) 参照)
とする。この制御電圧Vcによって、相対向する第1制御電極6a及び6aの間には電気的ゲートバリアが発生し、帯電泳動粒子3は、制御電圧Vcによって表示電極側に押し付けられ凹部Eに封じ込められた状態となる。このため、外部からは、帯電泳動粒子3よりも第2表示電極5bの方が明瞭に視認することができ、画素としては白(反射率70%程度の白表示状態)を表示することとなる。
【0072】
次に、期間Ta〜Tbにおいて、Vd1>Vc>Vd2となるような電圧、すなわち、
駆動電圧Vd1=+40V(図14(a) 参照)
駆動電圧Vd2=0V(同図(b) 参照)
制御電圧Vc=+10V(同図(c) 参照)
とする。これによって、図15(b) に示すように、第1表示電極5a上にある泳動粒子3を引き上げる上向きの電界ベクトル(図中の矢印参照)が十分に形成され、全ての泳動粒子3は高い段差(段部4の段差)を乗り越えて第2表示電極5bへと移動する。そして、第2表示電極5bが、黒色の帯電泳動粒子3によって覆われるため、画素としては黒色(反射率5%程度の黒表示状態)を表示することとなる(図14(d) 参照)。またこの電界は、泳動粒子3の移動に効率よく利用されるように形成されるため、駆動電圧を低減することができている。このように本発明の特徴の一つである駆動方法によって、従来構造(特許公報第02740048号)において懸念された、段差が高くなることでおきる段差底部への泳動粒子2の残留はまったく観察されない。
【0073】
その後、Tb以降の期間においては、期間0〜Taと同じ電圧を印加するため、帯電泳動粒子3は、制御電圧Vc=+80Vによって第2表示電極側に押し付けられ第1表示電極5aへの移動が禁止されて、黒表示が保持されることとなる。
【0074】
このような一方向書き込みによって複数の画素を駆動する場合の駆動方法について、図16に沿って説明する。ここで、第1制御電極6aは走査電極線に接続し、第1表示電極5aは信号電極線に接続し、第2表示電極5bは接地したとする。
【0075】
まず、全ての走査電極線にVc=−10Vを印加し、全ての信号電極線にVd1=−40Vを印加する。これにより、各画素の帯電泳動粒子3は図16(a) に示すように凹部Eへと移動し、画面全体は白状態にリセットされる。
【0076】
書き込みは順番に走査電極線を選択しながら行なう。選択期間においては、走査電極線に書き込み許可電圧としてVc=+10Vを印加し、表示したい画像データに相当する信号を各信号電極線に印加する。例えば、黒状態を書き込みたい画素にはVd1=+40Vなる電圧を印加すると、図16(b) に示すように帯電泳動粒子3は第2表示電極5bを覆うように移動する。また、白状態を保持したい画素(すなわち、同図(a) のようにリセットされた状態を保持したい画素)には、Vd1=0V,Vc=+10Vの電圧を印加すると良い(同図(c) 参照)。以上のようにして、選択期間において所望の画素に対してのみ黒状態への一方向書き込みが行なわれる。
【0077】
一方、非選択期間においては、第1制御電極6aにはVc=+80Vの電圧が印加され、第1制御電極6a,6aの間には、泳動粒子3の通過を禁止する電気的ゲートバリアが形成される。この結果、各信号電極線に黒書き込み信号が印加された状態(同図(d)(f)参照)、または黒書き込み信号が印加されない状態(同図(e)(g)参照)のそれぞれにおいて、表示状態が良好に保持される。
【0078】
またこのとき、本発明の構成では表示電極5a,5bの近傍において、表示電極の垂直方向に泳動粒子を押さえ込む電界が形成されるために、特表平8−507154号公報に記載の第2の構成(図32参照)で問題であったような表示電極面内での泳動粒子3の偏りや、上基板側への貼りつき等の問題が発生するようなことはない。
【0079】
(高速書き込み動作)
次に図17及び図18を用いて、高速書き込み動作について説明する。この高速書き込みは、特表平8−507154号公報で開示された構成では困難であって、本発明の大きな特徴の一つである。ここで、図17は、1つの画素を例にとって白状態保持の後に黒反転する場合の印加電圧や反射率の変化の様子を示すタイミングチャート図であり、同図(a) は、第1表示電極5aに印加される駆動電圧Vd1の変化の様子を示す図であり、同図(b) は、第2表示電極5bに印加される駆動電圧Vd2の変化の様子を示す図であり、同図(c) は、第1制御電極6aに印加される制御電圧Vcの変化の様子を示す図であり、同図(d) は反射率の変化を示す図である。また、図18は、図17のように駆動される場合における帯電泳動粒子3の移動や電界ベクトルの様子を模式的に示す図であり、同図(a) は期間0〜Taのときの様子を示す図であり、同図(b) は期間Ta〜Tcのときの様子を示す図であり、同図(c) は期間Tc〜Tbのときの様子を示す図であり、同図(d) は期間Tb以降のときの様子を示す図である。なお、ここでは、帯電泳動粒子3の帯電極性を正極性とし、第1表示電極5aを黒色とし、第2表示電極5bを白色としている。
【0080】
いま、図18(a) に示すように、帯電泳動粒子3を第1表示電極5aの方に吸着させて凹部E内に配置している状態で、期間0〜Taにおいて、
駆動電圧Vd1=0V(図17(a) 参照)
駆動電圧Vd2=0V(同図(b) 参照)
制御電圧Vc=+80V(同図(c) 参照)
とする。この制御電圧Vcによって、相対向する第1制御電極6a及び6aの間には電気的ゲートバリアが発生し、帯電泳動粒子3は、制御電圧Vcによって表示電極側に押し付けられ凹部Eに封じ込められた状態となる。このため、外部からは、帯電泳動粒子3よりも第2表示電極5bの方が明瞭に視認することができ、画素としては白(反射率70%程度の白表示状態)を表示することとなる。
【0081】
次に、期間Ta〜Tcにおいて、Vd1>Vc>Vd2となるような電圧、すなわち、
駆動電圧Vd1=+40V(図17(a) 参照)
駆動電圧Vd2=0V(同図(b) 参照)
制御電圧Vc=+10V(同図(c) 参照)
を印加する。これによって、第1表示電極5a上にある泳動粒子3を引き上げる上向きの電界ベクトル(図18(b) 中の矢印参照)が形成され、第一段階として全ての泳動粒子3は第1表示電極5aから第1制御電極6aにまで引き上げられる。
【0082】
このように全ての泳動粒子3が第1制御電極6aの近傍(或いは第1制御電極6aの上側)にまで移動するタイミングで、期間Tc〜Tbにおいて、第2段階として、第1制御電極6aの制御電圧をVc=+80Vとする(図17(c) 参照)。この制御電圧によって、泳動粒子3を第2表示電極5bにまで移動せしめる電界ベクトルが形成され、泳動粒子3の第2表示電極5bへの移動が加速されて、最終的に全ての泳動粒子が第2表示電極5bに移動することとなる(図18(c) 参照)。そして、第2表示電極5bが、黒色の帯電泳動粒子3によって覆われるため、画素としては黒色(反射率5%程度の黒表示状態)を表示することとなる(図17(d) 参照)。
【0083】
その後、Tb以降の期間においては、期間0〜Taと同じ電圧を印加するため、帯電泳動粒子3は、制御電圧Vc=+80Vによって第2表示電極側に押し付けられ第1表示電極5aへの移動が禁止されて、反射率5%程度の黒表示が保持されることとなる(図18(d) 参照)。
【0084】
以上のような駆動方法により高速書き込みがおこなわれる。この駆動方法では、図14に示した駆動方法のようにTa〜Tbの期間(すなわち、帯電泳動粒子3が第1表示電極5aから第2表示電極5bに移動する間)ずっと書き込み電圧を印加しているわけではなく、帯電泳動粒子3が第1表示電極5aから第1制御電極6aの近傍に移動するTa〜Tcの期間のみ、書き込み電圧を印加する。このことにより、単純マトリクス駆動において、高速書き換えを実現することができる。つまり、泳動粒子3が制御電極6aの近傍にまで移動し、その状態で制御電極6aに制御電圧(Vc=+80V)が印加されてしまえば、泳動粒子3を第2表示電極5bに押し付ける電界ベクトルが形成されており、その後どのような電圧が第1表示電極5aに印加されても、泳動粒子3は第2表示電極5bに移動する。よって、順番に走査電極線を選択しながら行なう単純マトリクス駆動において、1本の走査電極線に費やす書き換え時間を短縮でき(すなわち、泳動粒子3が第1表示電極5aから第2表示電極5bに移動するTa〜Tbの期間から、第1表示電極5aから制御電極6a近傍に移動するTa〜Tcの期間に短縮することができ)、よって本発明の高速書き込み駆動は、走査電極線の数が大幅に増加する表示装置の高精細化や大判化において、大きな利点を有することとなる。
【0085】
(駆動動作)
次に、図12に示した電気泳動表示装置D3の駆動方法について、図19及び図20に沿って説明する。ここで、図19は、1つの画素を例にとって白状態保持の後に黒反転する場合の印加電圧や反射率の変化の様子を示すタイミングチャート図であり、同図(a) は第1表示電極5aに印加される駆動電圧Vd1の変化の様子を示す図であり、同図(b) は、第2表示電極5bに印加される駆動電圧Vd2の変化の様子を示す図であり、同図(c) は、第1制御電極6aに印加される制御電圧Vc1の変化の様子を示す図であり、同図(d) は、第2制御電極6bに印加される制御電圧Vc2の変化の様子を示す図であり、同図(e) は反射率の変化を示す図である。また、図20は、図19のように駆動される場合における帯電泳動粒子3の移動や電界ベクトルの様子を模式的に示す図であり、同図(a) は期間0〜Taのときの様子を示す図であり、同図(b) は期間Ta〜Tbのときの様子を示す図であり、同図(c) は期間Tb以降のときの様子を示す図である。ここでは、帯電泳動粒子3の帯電極性を正極性とし、第1表示電極5aを黒色とし、第2表示電極5bを白色としている。なお、全期間において、第2表示電極5bは接地し(すなわち、図19(b) においてVd2=0V)、第2制御電極6bにはVc2=+10Vを印加した(図19(d) 参照)。
【0086】
本駆動法では一方向書き込みを行うため、初期動作として全面リセットを行う。
【0087】
いま、図20(a) に示すように、帯電泳動粒子3を第1表示電極5aの方に吸着させて凹部E内に配置している状態で、期間0〜Taにおいて、
駆動電圧Vd1=0V(図19(a) 参照)
駆動電圧Vd2=0V(同図(b) 参照)
制御電圧Vc1=+80V(同図(c) 参照)
制御電圧Vc2=+20V(同図(d) 参照)
とする。この制御電圧Vc1によって、相対向する第1制御電極6a及び6aの間には電気的ゲートバリアが発生し、帯電泳動粒子3は、制御電圧Vc1によって表示電極側に押し付けられ凹部Eに封じ込められた状態となる。このため、外部からは、帯電泳動粒子3よりも第2表示電極5bの方が明瞭に視認することができ、画素としては白(反射率70%程度の白表示状態)を表示することとなる。
【0088】
次に、期間Ta〜Tbにおいて、Vd1>Vc1>Vd2及びVd1>Vc2>Vd2となるような電圧、すなわち、
駆動電圧Vd1=+40V(図19(a) 参照)
駆動電圧Vd2=0V(同図(b) 参照)
制御電圧Vc1=+10V(同図(c) 参照)
制御電圧Vc2=+20V(同図(d) 参照)
を印加する。Vd1>Vc1>Vd2の条件により、図20(b) に示すように、第1表示電極5a上にある泳動粒子3を引き上げる上向きの電界ベクトル(図中の矢印参照)が形成される。またさらにそれをサポートする役割として、第2制御電極6bにVd1>Vc2>Vd2の条件を満たす定常電圧を印加することで、泳動粒子3を引き上げる上向きの電界ベクトルが十分に形成されることになる。これにより、全ての泳動粒子3は高い段差(段部4の段差)を乗り越えて第2表示電極5bへと移動する。よって、段部4が泳動粒子径の数十倍という非常に高い構成となった場合にも、凹部Eへの帯電泳動粒子3の残留が発生するようなことはない。
【0089】
その後、Tb以降の期間においては、期間0〜Taと同じ電圧を印加するため、帯電泳動粒子3は、制御電圧Vc1=+80VとVc2=+20Vとによって第2表示電極側に押し付けられ第1表示電極5aへの移動が禁止されて、反射率5%程度の黒表示が保持されることとなる。
【0090】
次に、本実施の形態の効果について説明する。
【0091】
本発明の構成上の顕著な特徴は、第1表示電極5aが下段面F1に沿うように配置されると共に、第2表示電極5bが上段面F2に沿うように配置されており、それらの電極の間に第1制御電極6aが配置されていることにある。このような階層的な電極の配置により、従来の電気泳動表示装置(すなわち、特表平8−507154号公報に開示された電気泳動表示装置)の問題点を解決し、以下のような効果を奏する。
【0092】
(1) 表示コントラストを高くできる(安定した表示コントラストの実現)。
従来の電気泳動表示装置では、図33(a) に符号G1で示すように、段差を高くしすぎると、一部の帯電泳動粒子3が段差を越えられずに段差底部に残留してしまい、表示コントラストが低下するという問題があった。
【0093】
本発明に係る電気泳動表示装置においては、表示装置の書き換え期間において、下段面F1に配置された第1表示電極5aと上段面F2に配置された第2表示電極5bとの間を、全ての帯電泳動粒子3が(残留することなく)移動される必要がある。本発明では、これらの表示電極5a,5bの間に第1制御電極6aが配置されているため、該電極6aに適切な電圧を適切なタイミングで印加することによって、段部4が高くても帯電泳動粒子3の円滑な移動を実現でき、下段面F1への粒子残留を回避できる。したがって、表示コントラストが低下してしまうような問題は発生しない。
【0094】
また、段差を低くする必要はないため、段差による帯電泳動粒子3の移動抑制効果を十分に保持することができる。したがって、図33(b) に符号G2で示すような、帯電泳動粒子3の移動も阻止できる。
【0095】
水平移動型電気泳動装置において、クロストーク現象などの見られない、安定した表示コントラストが得られる単純マトリックス駆動が実現された。これは新規な構成と駆動方法によって、従来問題であった、選択画素での泳動粒子の書き込み不良や、非選択画素での泳動粒子のホールド不良によるクロストークの発生を、ほぼ完全に抑えこめたことによる。
【0096】
(2) 消費電力を低減できる。
従来装置では、段差を低くした場合には、帯電泳動粒子3の移動阻止のためにグリッドライン36aに印加する電圧を大きくする必要があった。
【0097】
本発明によれば、第1制御電極6a,6aによって形成される電気的ゲートバリアにより、泳動粒子3の移動を効果的に制御できるようになったため、該制御電極6aに印加する電圧を小さくできる(駆動電圧の低減)。
【0098】
つまり、本発明の構成においては、段差上部の第2表示電極5bと段差下部の第1表示電極5aとの間を泳動粒子3が移動することとなり、このとき全ての泳動粒子3が、段差中段の制御電極6a,6aの間を通過することとなる。このため、この制御電極6aに印加される比較的低い電圧によって形成される電気的ゲートバリアによって、泳動粒子3の移動を効果的に制御することができる。このため、制御電圧の低減を実現できる。
【0099】
また、特表平8−507154号公報で開示された電気泳動表示装置のように、第1表示電極と第2表示電極(すなわち、陰極素子35aと陽極素子35b)が同一平面内に対向するように平行配置される場合、泳動粒子3を平行に移動させるような電界の他に垂直方向の電界も形成され、印加される電圧の有効利用の点では不利であった。これに対して、本発明のように、第1表示電極5aと第2表示電極5bとが垂直配置されるような構成の場合、形成される垂直方向の電界を、泳動粒子3の表示電極間の移動に有効に利用することが可能となり、結果として書き換え電圧の低減を実現することができる。
【0100】
(3) 表示コントラストの向上が実現された。
本発明によれば、段部4の段差を十分に高く設定できるため、全ての泳動粒子3を凹部E内に収納することが可能となる。したがって、第1表示電極5aの面積を小さくして、第1表示電極5aと第2表示電極5bとの面積比を大きく設定でき、その分、コントラストを大幅に高めることができる。
【0101】
一方、特表平8−507154号公報で開示された電気泳動表示装置においては、絶縁のために陰極素子35aと陽極素子35bとを離間させておく必要があったため、その離間分だけ、陰極素子35aを配置する面積(或いは陽極素子35bを配置する面積)を小さくせざるを得ず、結果として表示コントラストが低下してしまうという問題があった。
【0102】
しかし、本発明によれば、第1表示電極5aと第2表示電極5bとは異なる高さ(面内垂直方向の階層的な電極配置)で配置されているため、面内水平方向に各電極間の絶縁をとるためのギャップを設定する必要がない。したがって、従来装置と比べて表示コントラストを高く設定できる。
【0103】
第2表示電極がライン電極のときは、このライン電極間のギャップ間隔の分、コントラストを損してしまうが、この位置に隔壁7を配置することによって、このギャップ間隔を有効に利用している。また、第2表示電極がライン電極でなく、全面ベタ電極のとき、表示コントラストを最大とすることができる。しかしこの場合、第2表示電極の電圧を各画素で変えることができないため、双方向書き込み駆動をすることはできず、一方向書き込み駆動に限定されてしまう。(この書き込み駆動の詳細については後述する)
【0104】
(4) 高精細表示装置の製造が容易となった。
従来のように各フォーク状素子35a,35bが同一平面内に配置されるような構成では、表示部が高精細になるほど、各素子が細くなるとともに、素子間のギャップ間隔も細くせざる得なくなる。このため、製造工程において、素子間の電気的ショート部が発生し易く、高精細表示装置の製造が困難であった。
【0105】
これに対して、本発明のように階層的な電極配置とすることで、表示部が高精細となっても、各電極の絶縁は段部4の垂直方向に十分とれるため、高精細な表示装置の作製が容易となる。
【0106】
本実施の形態によれば、第1制御電極6aや各表示電極5a,5bはいずれも第2基板1bの側に配置されていることから、上述した第1構成の電気泳動表示装置(図29(a) 参照)と違い、基板間隙が多少変動しても表示品質が悪くなることはない。したがって、基板1a,1bにフレキシブルな材料を用いることができるとともに、製造工程にて基板1a,1bの位置合わせを簡略化できて製造を簡単にできる(基板貼り合わせ作業の簡素化)。
【0107】
(5) 双方向書き込み駆動が可能になった。
本発明の構成においては、泳動粒子3を、段差下部の第1表示電極5aと段差上部の第2表示電極5bとの間で移動させることによって表示の書き換えをおこなう。このとき全ての泳動粒子3が、段差中段の制御電極6aの間を通過することとなる。このため、この制御電極6aに印加される電気的ゲートバリアによって、上段から下段、下段から上段の双方向において泳動粒子3の移動を阻止することができる。これにより、双方向書き込みが可能となり、画面の一部のみを選択的に書き換えるような駆動が実現できる。
【0108】
このため、初期全面リセットの必要がなく、また表示画面の一部分のみを書き換える部分書き換え駆動ができるようになった。
【0109】
(6) 高速書き込み駆動が可能となった。
このため、表示装置の高精細化や大判化による走査ライン数の増加に対しても、単純マトリクス駆動により高速アドレス可能な電気泳動表示装置を提供することができるようになった。
【0110】
(7) その他
本発明によれば、第1制御電極6aが表示電極5a,5bの間に配置されているため、図32(a) (b) に示したような帯電泳動粒子の偏りを防止でき、適正な表示ができる。
【0111】
本発明によれば、第2表示電極面が、段差構造の形成する凹部以外の表示部を覆うように形成されてなるため、第2表示電極による遮蔽効果により、引き回し配線からの漏れ電界による表示劣化を防止することができる。
【0112】
【実施例】
以下、実施例に沿って本発明を更に詳細に説明する。
【0113】
(実施例1)
本実施例では、図1及び図3に示す構成の電気泳動表示装置を作製し、双方向書き込みによる単純マトリックス駆動を行なった。なお、図3では3×3の画素のみを示すが、実際に作製した表示装置の画素数は20×20とした。また、一画素サイズは120μm×120μmとし、第1表示電極5aが占める領域P1は画素面積の30%とし、第2表示電極5bが占める領域P2は画素面積の70%とした(面積比は3:7)。
【0114】
次に、本実施例に係る電気泳動表示装置の製造方法について説明する。
【0115】
第2基板としての厚さ200μmのPETフィルム1bに、Alを成膜しフォトリソグラフィーおよびウエットエッチングによりパターニングして第1表示電極5aを形成した。その電極の表面には暗黒色の着色層を形成した。
【0116】
次に、20μmの厚さのエポキシ樹脂にて段部4を形成し、その上面には、Alを成膜しフォトリソグラフィーおよびウエットエッチングによりパターニングして第1制御電極6aを形成した。この第1制御電極6aを覆うように4μmの膜厚のエポキシ樹脂を塗布して段部を形成し、その表面には、Alを成膜しフォトリソグラフィーおよびウエットエッチングによりパターニングして第2表示電極5bを形成した。
【0117】
最後に、第2表示電極5bをマスクとして、O2ガスによる反応性ドライエッチングにより段部材料であるエポキシ樹脂をエッチングし、段部4を形成した。この結果、高さ24μmの段部4に第2表示電極5bが配置され、さらにその4μm下の層に、第1制御電極6aが配置され、そのさらに20μm下の層に第1表示電極5aが配置された構造体が形成された。次に、アルミナなどの白色顔料を分散させたアクリル樹脂からなる絶縁着色層を全面に形成した。
【0118】
また、第1基板としての厚さ200μmのPETフィルム1aには、光感光性エポキシ樹脂を塗布した後、露光及びウエット現像を行うことによって50μm高さの隔壁7を各画素の境界部分に形成した。そして、形成された隔壁内に絶縁性液体2及び黒色帯電泳動粒子3を充填した。絶縁性液体2としては、シリコーンオイルを使用した。黒色帯電泳動粒子3としては、ポリスチレンとカーボンの混合物で、平均粒径2μmのものを使用した。シリコーンオイル中での泳動粒子3の極性は正帯電を示した。次に、第1基板1aと第2基板1bとの接着面に熱融着性の接着層パターンを形成し、第2基板1bの隔壁上に、位置合わせを行ないながら第1基板1aを置き、熱をかけて張り合わせシート状の表示パネルを完成した。この表示パネルに不図示の電圧印加回路を接続して駆動特性を評価した。
【0119】
以下、本実施例における駆動方法の説明を行なう。
【0120】
本実施例においては、図21に示すように信号を印加し、図22に示すような表示をした。ここで、図21は、市松模様を表示している3×3の画素を順次反転させていく場合の印加電圧を示すタイミングチャート図であり、符号X1,X2,X3は、各走査ライン(走査電極線)X1,X2,X3を介して第1制御電極6aに印加される信号を示し、符号YA1,YA2,YA3は、各第1信号ライン(第1信号電極線)YA1,YA2,YA3を介して各第1表示電極5aに印加される信号を示し、符号YB1,YB2,YB3は、各第2信号ライン(第2信号電極線)YB1,YB2,YB3を介して各第2表示電極5bに印加される信号を示す。本実施例では、1走査ライン選択期間(0〜T0、T0〜T1、T1〜T2、 T2〜T3)を50msecに設定した。また、図22は、図21のように駆動される場合における表示状態を示す図であり、同図(a) は期間T0のもの、同図(b) は期間T1のもの、同図(c) は期間T2のもの、同図(d) は期間T3のものを示す図である。本実施例においては双方向への書き込みが可能であるので、実施例2と異なり、初期動作として全面リセットをする必要はない。初期表示パターンとして図22(a) に示すパターンを与えたとする。
【0121】
期間T0〜T1において、選択走査ラインであるX1に対しては書き込み許可信号VC=0Vを印加し、非選択走査ラインであるX2、X3に対しては書き込み禁止信号VC=+80Vを印加する。そして、画素P11,P13に相当する第1信号ラインYA1、YA3および第2信号ラインYB1、YB3にそれぞれに白表示書き込みパルスとしてVd1=−20V、Vd2=+20Vを印加し、画素P12に相当する第1信号ラインYA2および第2信号ラインYB2にそれぞれに黒表示書き込みパルスとして、Vd1=+20V、Vd2=−20Vを印加した。その結果、選択走査ラインX1の全ての画素が書き換えられ反転表示され、また非選択走査ラインX2、X3における各画素では初期表示状態が保持された(図22(b) 参照)。
【0122】
以下、期間T1〜T2、T2〜T3において同様の駆動を行なった結果、目的の反転表示パターンが良好なコントラストで得られた。得られた表示には、クロストーク現象、及び泳動粒子の移動不良、保持不良によるコントラストの劣化は一切認められず、白表示と黒表示の平均的なコントラストは10:1程度の高い値を示した。
【0123】
(実施例2)
本実施例では、図1に示す電気泳動表示装置を作製し、一方向書き込みによる単純マトリックス駆動を行った。
【0124】
なお、表示装置の画素数は20×20とし、一画素サイズは120μm×120μmとし、第1表示電極5aと第2表示電極5bとの面積比は2:8とした。
【0125】
次に、本実施例に係る電気泳動表示装置の製造方法について説明する。
【0126】
第2基板としての厚さ180μmのPESフィルム1bの全面に、アルミナなどの白色顔料を分散させたアクリル樹脂からなる絶縁着色層を形成した。次に、暗黒色の炭化チタン膜を成膜し、フォトリソグラフィー及びドライエッチングによりパターニングし、第1表示電極5aを形成した。
【0127】
次に、30μmの厚さの透明エポキシ樹脂にて段部4を形成し、その上面には、ITO薄膜をマグネトロンスパッタ法によって低温成膜したのちフォトリソグラフィーおよびウエットエッチングによりパターニングして第1制御電極6aを形成した。この第1制御電極6aを覆うように5μmの膜厚のエポキシ樹脂を塗布して段部を形成し、その表面には、ITO薄膜をマグネトロンスパッタ法によって低温成膜したのちフォトリソグラフィーおよびウエットエッチングによりパターニングして第2表示電極5bを形成した。なお、この第2表示電極5bは、実施例1のように各画素毎に別体で形成するのではなくて、基板1bのほぼ全面に沿うように形成し、各画素共通とした。
【0128】
最後に、第2表示電極5bをマスクとして、O2ガスによる反応性ドライエッチングにより段部材料であるエポキシ樹脂をエッチングし、段部4を形成した。この結果、高さ35μmの段部4に第2表示電極5bが配置され、さらにその5μm下の層に、第1制御電極6aが配置され、そのさらに30μm下の層に第1表示電極5aが配置された構造体が形成された。次に、アクリル樹脂からなる透明絶縁層をスピンコートにより全面に形成した。その他の構成や製造方法は実施例1と同様とした。
【0129】
以下、本実施例で実施した駆動方法を、図23及び図24に沿って説明する。ここで、図23は、白保持状態にある3×3の画素を適宜黒反転させていく場合の印加電圧を示すタイミングチャート図であり、符号X1,X2,X3は、各走査ライン(走査電極線)X1,X2,X3を介して第1制御電極6aに印加される信号を示し、符号YA1,YA2,YA3は、各信号ラインYA1,YA2,YA3を介して各第1表示電極5aに印加される信号を示し、符号YBは第2表示電極5bに印加される信号を示す。本実施例では、1走査ライン選択期間(0〜T0、T0〜T1、 T1〜T2、 T2〜T3)を50msecに設定した。またさらに、図24は、図23のように駆動される場合における表示状態を示す図であり、同図(a) は期間T0のもの、同図(b) は期間T1のもの、同図(c) は期間T2のもの、同図(d) は期間T3のものを示す図である。本実施例においては、全期間において、第2表示電極5bは接地した(図23においてYB=0)。
【0130】
本実施例では一方向書き込みを行うため、初期動作として全面リセットを行った。具体的には、図23の期間0〜T0に示すように、全走査ラインX1,X2,X3を介して第1制御電極6aには−10Vの電圧を印加し、各信号ラインYA1,YA2,YA3を介して各第1表示電極5aには−40Vの電圧を印加した。これにより、全画素は白リセットされて、その表示状態は図24(a) に示すようになる。
【0131】
次の期間T0〜T1では、1行目の真中の画素P12だけを黒反転させた。具体的には、1本目の選択走査ラインX1にはVc=+10Vの電圧を印加し、他の非選択走査ラインX2,X3にはVc=+80Vの電圧を印加した。そして、真中の信号ラインYA2にはVd1=+40Vの電圧を印加し、他の信号ラインYA1、YA3の電圧はVd1=0Vとした。これにより、1行目の真中の画素P12だけが黒反転されて、その表示状態は図24(b) に示すようになる。つまり、黒反転される画素では、第1表示電極5aの電圧Vd1=+40V、第1制御電極6aの電圧Vc=+10Vとされ、第2表示電極5bの電圧Vd2=0Vとされる。
【0132】
次の期間T1〜T2では2行目の両端の画素P21,P23を黒反転させ、期間T2〜T3では3行目の真中の画素P32を黒反転させた。
【0133】
なお、表示状態を保持するには、第1制御電極6aの電圧をVc=+80Vにすれば良い。
【0134】
本実施例によれば、目的の反転表示パターンが良好なコントラストで得られた。得られた表示には、クロストーク現象、及び泳動粒子の移動不良、保持不良によるコントラストの劣化は一切認められず、白表示と黒表示の平均的なコントラストは12:1程度の高い値を示した。
【0135】
(実施例3)
本実施例では、図1に示す電気泳動表示装置を作製し、一方向書き込みによる高速書き込み単純マトリックス駆動を行なった。なお、表示装置の画素数は20×20とし、一画素サイズは120μm×120μmとし、第1表示電極5aと第2表示電極5bとの面積比は3:7とした。
【0136】
本実施例においては、第1表示電極5aや第2表示電極5bや第1制御電極6aや凹部E2を図5に示す形状とした。その他の構成や製造方法は実施例1と同様とした。
【0137】
以下、本実施例で実施した駆動方法を、図25及び図26に沿って説明する。ここで、図25は、白保持状態にある3×3の画素を適宜黒反転させていく場合の印加電圧を示すタイミングチャート図であり、符号X1,X2,X3は、各走査ライン(走査電極線)X1,X2,X3を介して第1制御電極6aに印加される信号Vcを示し、符号YA1,YA2,YA3は、各信号ラインYA1,YA2,YA3を介して各第1表示電極5aに印加される信号Vd1を示し、符号YBは第2表示電極5bに印加される信号Vd2を示す。本実施例では、1走査ライン選択期間(t0〜t1、t1〜t2、t2〜t3)を25msecに設定した。また、図26、図25のように駆動される場合における表示状態を示す図であり、同図(a) は時刻t0のもの、同図(b) は時刻t1のもの、同図(c) は時刻t2のもの、同図(d) は時刻t3のもの、同図(e) は時刻t4のものを示す図である。本実施例においては、全期間において、第2表示電極5bは接地した(図25においてYB=0)。
【0138】
本実施例では一方向書き込みを行うため、実施例2と同様の電圧印加によって、初期動作として全面リセットを行った。すなわち、図25の期間0〜t0に示すように、全走査ラインX1,X2,X3を介して第1制御電極6aには−10Vの電圧を印加し、各信号ラインYA1,YA2,YA3を介して各第1表示電極5aには−40Vの電圧を印加した。これにより、全画素は白リセットされて、その表示状態は図26(a) に示すようになる。
【0139】
次の期間t0〜t1では、1行目の真中の画素P12だけを黒反転させた。具体的には、1本目の選択走査ラインX1にはVc=+10Vの電圧を印加し、他の非選択走査ラインX2,X3にはVc=+80Vの電圧を印加した。そして、真中の信号ラインYA2にはVd1=+40Vの電圧を印加し、他の信号ラインYA1、YA3の電圧はVd1=0Vとした。これにより、1行目の真中の画素P12においては帯電泳動粒子3は図18(b) の位置に移動し(灰色表示され)、その表示状態は図26(b) に示すようになる。
【0140】
次の期間t1〜t2では、1本目の走査ラインX1の電圧Vcを+10Vから+80Vに切り替え、真中の信号ラインYA2の電圧Vd1を+40Vから0Vに切り替えた。これにより、1行目の真中の画素P12においては制御電圧Vc=+80Vにより泳動粒子3の第2表示電極5bへの移動が加速され(図18(c) 参照)、黒表示がなされる。そして、2本目の選択走査ラインX2の電圧Vcを+80Vから+10Vに切り替え、1本目と3本目の信号ラインYA1、YA3の電圧はVd1=+40Vとした。これにより、2行目の両端の画素P21,P23においては帯電泳動粒子3は図18(b) の位置に移動し、灰色表示がなされる。真中の信号ラインYA2の電圧Vd1は0Vとし、真中の画素P24においては白状態を保持した。なお、3本目の走査ラインX3の電圧は+80Vのままとし、書き換えは行わなかった。その結果、表示状態は図26(c) のようになった。
【0141】
以下、期間t2〜t3、t3〜t4において選択画素パターンに従って同様の駆動を行なった結果、目的の表示パターンが良好なコントラストで得られた。なお期間t3〜t4は、最後の選択ラインX3上の画素P32において泳動粒子3が制御電極6aから第2表示電極5b上に移動する期間である。得られた表示には、クロストーク現象、及び泳動粒子の移動不良、保持不良によるコントラストの劣化は一切認められず、白表示と黒表示の平均的なコントラストは10:1程度の高い値を示した。また、実施例1、2と比べて、1ラインに費やす選択期間が50msecから25msecに短縮することができ、高速書き込みを実現できた。
【0142】
【発明の効果】
本発明によれば、表示電極の間に第1制御電極が配置されているため、該制御電極に適切な電圧を適切なタイミングで印加することによって、段部が高くても帯電泳動粒子の円滑な移動を実現でき、下段面への粒子残留を回避できる。したがって、表示コントラストが低下してしまうような問題は発生しない。
【0143】
また、本発明によれば、第1制御電極によって形成される電気的ゲートバリアにより、泳動粒子の移動を効果的に制御できるようになったため、該制御電極に印加する電圧を小さくできる。
【0144】
本発明によれば、段部の段差を十分に高く設定できるため、全ての泳動粒子を凹部内に収納することが可能となる。したがって、第1表示電極の面積を小さくして、第1表示電極と第2表示電極との面積比を大きく設定でき、その分、コントラストを大幅に高めることができる。
【0145】
本発明によれば、階層的な電極配置とすることで、表示部が高精細となっても、各電極の絶縁は段部の垂直方向に十分とれるため、高精細な表示装置の作製が容易となる。
【0146】
本発明によれば、双方向書き込みや高速書き込みが可能となる。
【0147】
本発明によれば、引き回し配線からの漏れ電界による表示劣化を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る電気泳動表示装置の構造の一例を示す図。
【図2】本発明に係る電気泳動表示装置の構造の他の例を示す図。
【図3】本発明に係る電気泳動表示装置の配線の一例を示す回路図。
【図4】凹部の他の例を示す図。
【図5】凹部の他の例を示す図。
【図6】凹部の他の例を示す図。
【図7】凹部の他の例を示す図。
【図8】凹部の他の例を示す図。
【図9】凹部の他の例を示す図。
【図10】凹部の他の例を示す図。
【図11】画素の他の形状を示す図。
【図12】本発明に係る電気泳動表示装置の構造の他の例を示す図。
【図13】双方向書き込みの場合における帯電泳動粒子3の移動や電界ベクトルの様子を模式的に示す図。
【図14】1つの画素を例にとって白状態保持の後に黒反転する場合の印加電圧や反射率の変化の様子を示すタイミングチャート図。
【図15】図14のように駆動される場合における帯電泳動粒子3の移動や電界ベクトルの様子を模式的に示す図。
【図16】一方向書き込みの場合における帯電泳動粒子3の移動や電界ベクトルの様子を模式的に示す図。
【図17】1つの画素を例にとって白状態保持の後に黒反転する場合の印加電圧や反射率の変化の様子を示すタイミングチャート図。
【図18】図17のように駆動される場合における帯電泳動粒子3の移動や電界ベクトルの様子を模式的に示す図。
【図19】1つの画素を例にとって白状態保持の後に黒反転する場合の印加電圧や反射率の変化の様子を示すタイミングチャート図。
【図20】図19のように駆動される場合における帯電泳動粒子3の移動や電界ベクトルの様子を模式的に示す図。
【図21】市松模様を表示している3×3の画素を順次反転させていく場合の印加電圧を示すタイミングチャート図。
【図22】図21のように駆動される場合における表示状態を示す図。
【図23】白保持状態にある3×3の画素を適宜黒反転させていく場合の印加電圧を示すタイミングチャート図。
【図24】図23のように駆動される場合における表示状態を示す図。
【図25】白保持状態にある3×3の画素を適宜黒反転させていく場合の印加電圧を示すタイミングチャート図。
【図26】図25のように駆動される場合における表示状態を示す図。
【図27】電気泳動表示装置の従来構造の一例を示す図。
【図28】電気泳動表示装置の従来構造の他の例を示す図。
【図29】電気泳動表示装置の従来構造の他の例を示す図。
【図30】陰極素子や陽極素子の配置形状を示す図。
【図31】従来の電気泳動表示装置の作用を説明するための図。
【図32】従来の電気泳動表示装置における問題点を説明するための図。
【図33】従来の電気泳動表示装置における問題点を説明するための図。
【符号の説明】
1a,1b 第1及び第2基板
2 絶縁性液体
3 着色帯電泳動粒子
4 段部
5a 第1表示電極
5b 第2表示電極
6a 第1制御電極
6b 第2制御電極
D1 電気泳動表示装置
D2 電気泳動表示装置
D3 電気泳動表示装置
F1 下段面
F2 上段面
P11,P12,… 画素
Claims (6)
- 所定間隙を開けた状態に配置された第1及び第2基板と、これらの基板の間隙に配置された絶縁性液体と、該絶縁性液体に分散された複数の着色帯電泳動粒子と、を備えた電気泳動表示装置において、
前記基板の間隙に前記第2基板に沿って段部が配置されることに基づき、前記絶縁性液体の厚い部分に対向する下段面と、前記絶縁性液体の薄い部分に対向する上段面とが各画素に形成され、
該下段面に沿うように第1表示電極が配置され、前記上段面に沿うように第1制御電極と第2表示電極とが配置され、
前記第1制御電極は、前記第2表示電極と比較して、前記第1表示電極に近接して配置され、印加電圧を変えることにより、前記第1表示電極と前記第2表示電極との間の前記帯電泳動粒子の移動を許可または禁止する電極であることを特徴とする電気泳動表示装置。 - 前記第1基板の全面に第2制御電極が配置され、前記第2制御電極は、定常電圧が印加されることにより、前記第1表示電極上の前記泳動粒子を上方に引き揚げ、前記第2表示電極上の前記泳動粒子を前記第2表示電極に押し付ける電界を形成する電極であることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置。
- 所定間隙を開けた状態に配置された第1及び第2基板と、これらの基板の間隙に配置された絶縁性液体と、該絶縁性液体に分散された複数の着色帯電泳動粒子と、を備え、前記基板の間隙に前記第2基板に沿って段部が配置されることに基づき、前記絶縁性液体の厚い部分に対向する下段面と、前記絶縁性液体の薄い部分に対向する上段面とが各画素に形成され、該下段面に沿うように配置された第1表示電極と、前記上段面に沿うように配置された第2表示電極と、前記上段面に沿うように、かつ前記第2表示電極と比較して、前記第1表示電極により近接して配置され、印加電圧を変えることにより、前記第1表示電極と前記第2表示電極との間の前記帯電泳動粒子の移動を許可または禁止する電極である第1制御電極とを有する電気泳動表示装置を駆動する電気泳動表示装置の駆動方法であって、
前記第1制御電極が前記第1表示電極と前記第2表示電極との間の前記帯電泳動粒子の移動を許可するに際しては、前記帯電泳動粒子を一方の表示電極から前記第1制御電極の近傍に移動させる第一の過程と、該第一の過程によって第1制御電極の近傍に移動されてきた帯電泳動粒子を他方の表示電極に移動させる第二の過程と、を実施することにより、前記帯電泳動粒子を一方の表示電極から他方の表示電極に移動させる、
ことを特徴とする電気泳動表示装置の駆動方法。 - 前記第一の過程においては、前記帯電泳動粒子を正極性に帯電させている場合には、移動元である表示電極の駆動電圧>第1制御電極の制御電圧>移動先である表示電極の駆動電圧とし、前記帯電泳動粒子を負極性に帯電させている場合には、移動元である表示電極の駆動電圧<第1制御電極の制御電圧<移動先である表示電極の駆動電圧とする、ことを特徴とする請求項3に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
- 前記帯電泳動粒子を正極性に帯電させている場合には、移動元である表示電極の駆動電圧>第2制御電極の制御電圧>移動先である表示電極の駆動電圧とし、前記帯電泳動粒子を負極性に帯電させている場合には、移動元である表示電極の駆動電圧<第2制御電極の制御電圧<移動先である表示電極の駆動電圧とする、ことを特徴とする請求項4に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
- 前記第二の過程においては、前記帯電泳動粒子を正極性に帯電させている場合には、第二過程における第1制御電極の制御電圧>第一過程における第1制御電極の制御電圧とし、前記帯電泳動粒子を負極性に帯電させている場合には、第二過程における第1制御電極の制御電圧<第一過程における第1制御電極の制御電圧とする、ことを特徴とする請求項3乃至5のいずれか1項に記載の電気泳動表示装置の駆動方法。
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