JP3711990B2 - イモビライザーシステム - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、遠隔操作によりエンジン始動を行うことができる車両に適用されるイモビライザーシステムに関する。
【0002】
【従来の技術および解決しようとする課題】
車両の盗難防止を目的とするイモビライザーシステムが知られている。イモビライザーシステムはイグニッションキー内蔵のトランスポンダに記憶されたID番号を照合した後、キーのID番号と登録番号とが一致した場合にのみエンジン始動を許可するものであり、不正な手段によるエンジン始動を禁止することにより車両の盗難を防止することができる。
【0003】
一方、リモコンエンジンスタータと呼ばれるリモートコントローラを用いて遠隔操作によりエンジン始動を行うことができる装置も知られているが、このような装置を用いて遠隔操作によりエンジン始動を行う場合についても、車両の盗難防止を目的とするイモビライザーシステムの機能を阻害しないことが望ましい。
【0004】
本発明の目的は、遠隔操作によりエンジン始動した場合に、盗難防止効果を維持することができるイモビライザーシステムを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
実施の形態を示す図1および図2に対応づけて説明すると、請求項1に記載の発明は、車両の外部からの操作に基づいてエンジン始動を許可するエンジン始動許可手段3と、イグニッションシリンダー1Aに差込まれたイグニッションキー1を特定するキーIDを前記イグニッションキー1から送信するキーID送信手段11と、前記キーID送信手段11から送信された前記キーIDを受信するとともに受信された前記キーIDを予め登録された登録キーIDと照合するキーID照合手段4と、前記エンジン始動許可手段3によりエンジン始動が許可された後に前記キーID照合手段4において前記キーIDが受信されない場合、および前記キーID照合手段4での照合によりIDが一致しない場合には、車両の盗難を防止するための所定の動作を行うように制御するとともに、前記エンジン始動許可手段3によりエンジン始動が許可された後に前記キーID照合手段4においてIDが一致した場合には、前記所定の動作を行わないように制御する制御手段5とを備えることにより上述の目的が達成される。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のイモビライザーシステムにおいて、前記制御手段5は前記所定の動作として車両の走行を禁止するものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のイモビライザーシステムにおいて、前記制御手段5は前記所定の動作としてエンジンを強制停止するものである。
【0006】
【発明の効果】
請求項1に記載の発明によれば、エンジン始動許可手段によりエンジン始動が許可された後に、キーID照合手段においてキーIDが受信されない場合、およびキーID照合手段での照合によりIDが一致しない場合には、車両の盗難を防止するための所定の動作を行わせるので、盗難防止効果を損ねることなく遠隔操作によるエンジン始動を可能とすることができる。
請求項2に記載の発明によれば、制御手段は車両の走行を禁止するので、盗難を確実に防止することができる。
請求項3に記載の発明によれば、制御手段はエンジンを強制停止するので、盗難を確実に防止することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
−第1の実施の形態−
以下、図1〜図4を用いて、本発明によるイモビライザーシステムの第1の実施の形態について説明する。
【0008】
図1において、1はキーシリンダ1Aに差込まれるイグニッションキーであり、後述する車両に設置された送受信機2との間で交信するためのトランスポンダ11、およびトランスポンダ11に接続されたキーアンテナ12を内蔵する。図2に示すように、トランスポンダ11はキーアンテナ12で受信した車両アンテナ21からの電波を受けて不図示のコンデンサに蓄電する電荷変換部11aと、イグニッションキー1固有のキーID番号を記憶するEEPROM11cと、EEPROM11cからキーID番号を読み出すとともに車両アンテナ21との間での電波の送受信を制御する制御部11bとを備える。
【0009】
電荷変換部11aに蓄積された電荷は、車両アンテナ21への送信時の送信電力として、あるいは制御部11bの電源として利用される。電波の送信時には制御部11bがEEPROM11cからキーID番号を読み出し、読み出されたキーID番号の搬送電波がキーアンテナ12から車両アンテナ21に向けて送信される。
【0010】
図1において、2はイグニッションキー1との間で送受信を行う送受信機である。図2に示すように、送受信機2は電波の送受信を切換える送受信スイッチ22と、送信電波の搬送波信号を出力する発振器23と、車両アンテナ21により受信した受信電波を復調する復調器24と、電波送受信のタイミング等を制御する制御部25とを備える。
【0011】
図1において、SW1はイグニッションシリンダー1Aに差込んだイグニッションキー1をイグニッションオン位置まで回転させることによりオンするイグニッションスイッチ、SW2はそのイグニッションキー1をさらにスタータオン位置まで回転させるとオンするスタータスイッチである。スタータスイッチSW2のオンにより、スタータモータ70に電流が供給される。
【0012】
図1において、3はリモートコントローラ31からの固有のID番号を含む電波をアンテナ32を介して受信したときにエンジンを始動させるエンジンスタータである。エンジンスタータ3はリモートコントローラ31から送出された電波を受信すると、予め記憶されたID番号と受信されたID番号とを照合し、両者が一致した場合には、イグニッションをオンするとともにスタータモータ70に向けて電流を供給する。なお、イグニッションをオンする動作は、イグニッションスイッチSW1をオンするのと同等の動作を意味する。またこのとき、エンジンスタータ3は後述するイモビライザーユニット4に向けて所定のスタータ信号を送出する。これにより運転者はイグニッションキー1をキーシリンダ1Aに差込まず、例えば車両の外側からエンジン始動を行えるように構成されている。
【0013】
図1において、4はCPU41と、登録キーID番号を記憶したメモリ42とを備えるイモビライザーユニットである。イモビライザーユニット4はエンジン始動を許可するエンジン始動許可信号、およびエンジン始動を禁止するエンジン始動禁止信号を後述するエンジンコントロールモジュール5に向けて出力する。
【0014】
図1に示すように、送受信機2の復調器24から出力される復調信号はイモビライザーユニット4のCPU41に入力される。復調信号が入力されると、CPU41は復調信号に含まれるキーID番号と、メモリ42に記憶されている登録キーID番号とを照合し、両者が一致していればエンジン始動許可信号をエンジンコントロールモジュール5に向けて出力する。またこのとき、CPU41はエンジン始動許可信号がイグニッションキー1の操作に基づくものであることを示す識別信号である「A信号」をエンジン始動許可信号と併せて出力する。
【0015】
CPU41における照合の結果、復調信号に含まれるキーID番号と、登録キーID番号とが互いに一致しなければ、CPU41はエンジン始動禁止信号をエンジンコントロールモジュール5に向けて出力する。
【0016】
一方、エンジンスタータ3から出力されるスタータ信号もイモビライザーユニット4のCPU41に入力される。スタータ信号を受けると、CPU41はエンジン始動許可信号とともに、エンジン始動許可信号がリモートコントローラ31の操作に基づくものであることを示す識別信号である「B信号」をエンジンコントロールモジュール5に向けて出力する。
【0017】
図1に示すエンジンコントロールモジュール(ECM)5は、エンジンに関する種々の制御を行うためのものであり、入力された識別信号を判別するためのA信号およびB信号のコードが記憶されたメモリ51を備える。エンジンコントロールモジュール5はエンジン燃料噴射装置61、エンジン点火装置62、シフトロックコントローラ63、アンチロックブレーキシステム(ABS)コントロールユニット64、車速センサー65、スロットルセンサー66、警告装置67およびホーン68とそれぞれ接続されている。
【0018】
エンジンコントロールモジュール5はイモビライザーユニット4からのエンジン始動許可信号を受けると、エンジンを始動させるための信号を燃料噴射装置61および点火装置62に向けて出力する。またこのとき、エンジン始動許可信号とともに入力された識別信号をメモリ51に記憶されたコードと照合することにより、識別信号がA信号であるかB信号であるか、すなわち、入力されたエンジン始動信号がイグニッションキー1の操作に由来するものであるか、あるいはリモートコントローラ31の操作に由来するものであるかを判別する。
【0019】
次に、第1の実施の形態のイモビライザーシステムの動作について説明する。図3はイモビライザーユニット4のCPU41で行われる処理を示すフローチャートである。図4の動作はイグニッションオンによりスタートする。ステップS1ではイグニッションスイッチSW1の状態を読み込み、イグニッションスイッチSW1がオンしていると判定されればステップS5へ進み、イグニッションスイッチSW1がオフしていると判定されればステップS2へ進む。ステップS2ではエンジンスタータ3からのスタータ信号を受信したか否か判断し、スタータ信号を受信したと判定されればステップS3へ進み、受信していないと判定されればステップS1へ戻る。ステップS3ではエンジン始動許可信号とともに、そのエンジン始動許可信号がリモートコントローラ31の操作に基づくものであることを示すB信号をエンジンコントロールモジュール5に向けて出力し、ステップS1へ戻る。
【0020】
一方、ステップS5では送受信機2からイグニッションキー1に向けて電波を送信し、ステップS6へ進む。ステップS6では送受信機2がイグニッションキー1から送信された電波を受信し、読取られたキーID番号とメモリ42に記憶されている登録キーID番号とを照合する。ステップS6において両者のID番号が一致すると判定されればステップS8へ進み、両者が一致しないと判定されればステップS7へ進む。
【0021】
ステップS7ではエンジン始動禁止信号をエンジンコントロールモジュール5に向けて出力し、シーケンスを終了する。一方、ステップS8ではエンジン始動許可信号とともに、そのエンジン始動許可信号がイグニッションキー1の操作に基づくものであることを示すA信号をエンジンコントロールモジュール5に向けて出力し、シーケンスを終了する。
【0022】
次に、図4を用いてエンジンコントロールモジュール5での処理について説明する。図4の処理はイグニッションオンによりスタートする。まず、ステップS11ではシフトロックコントローラ63に向けてシフトレバー(不図示)の駆動禁止指令を出力し、パーキング位置からのシフトレバーの移動を禁止する。次に、ステップS12ではイモビライザーユニット4からエンジン始動禁止信号が入力されているか否か判断し、エンジン始動禁止信号がすでに入力されていると判定されればステップS13へ進み、エンジン始動禁止信号がまだ入力されていないと判定されればステップS14へ進む。なお、エンジン始動禁止信号の入力は図3のステップS7の動作に対応するものである。
【0023】
ステップS13ではエンジンの燃料噴射装置61および点火装置62の動作を禁止してエンジンを停止させ、シーケンスを終了する。一方、ステップS14ではイモビライザーユニット4からのエンジン始動許可信号が入力されているか否か判断し、エンジン始動許可信号がすでに入力されていると判定されればステップS15へ進み、エンジン始動許可信号がまだ入力されていないと判定されればステップS12へ戻る。なお、エンジン始動許可信号の入力は図3のステップS3およびステップS8のいずれかの動作に対応するものである。
【0024】
ステップS15では燃料噴射装置61や点火装置62等にエンジン始動のための適切な動作を指示する指令を送出してエンジンを始動し、ステップS16へ進む。ステップS16ではイモビライザー4から送出された識別信号とメモリ51に記録されたA信号およびB信号のコードとを比較することにより、すでにA信号を受信しているか否か判断し、すでにA信号が受信されていると判定されればステップS17へ進み、まだA信号が受信されていないと判定されればステップS16を繰返す。A信号の受信は図3のステップS8の動作に対応するものである。ステップS17ではシフトロックコントローラ64に向けてシフトロック解除を指令する信号を出力する。これにより、シフトレバーをパーキング位置から移動することが可能となる。
【0025】
以下、車両の操作に即して、エンジン始動から車両を走行させるまでの動作について説明する。
【0026】
<リモートコントローラの操作に基づくエンジン始動の場合>
まず、リモートコントローラ31の操作によってエンジン始動を行う場合の動作について述べる。イグニッションキー1をキーシリンダ1Aに差込むことなくリモートコントローラ31を操作した場合、リモートコントローラの操作によってイグニッションオンの状態となり、また、エンジンスタータ3の出力によりスタータモータ70が駆動される。エンジンスタータ3によってエンジン始動が行われた場合、図3のステップS1の判断は否定され、ステップS2の判断が肯定されるから、ステップS3においてエンジン許可信号がB信号とともにイモビライザーユニット4からエンジンコントロールモジュール5に向けて送出されることになる。
【0027】
一方、図4のエンジンコントロールモジュール5での処理はイグニッションオンによりスタートし、まず、ステップS11においてシフトレバーの駆動が禁止される。次にステップS12の判断は否定され、ステップS14の判断は肯定されるので、ステップS15においてエンジン始動が行われる。しかし、このとき、未だエンジンコントロールモジュール5はイモビライザー4から送出されるA信号を受信していないので、ステップS17へは進むことなくステップS16を繰返すこととなり、シフトレバーの駆動が禁止された状態に維持される。したがって、運転者は車両を発進させることができない。
【0028】
リモートコントローラ31の操作によりエンジン始動を行った後、運転者が正規のイグニッションキー1をキーシリンダ1Aに差込み、イグニッションキー1をイグニッションオン位置まで操作した場合には、イグニッションスイッチSW1がオンし、図3のステップS1の判断が肯定される。そしてステップS5において送受信機2からイグニッションキー1に向けて電波が送信されるので、トランスポンダ11の電荷変換部11aにおいて電荷が蓄積される。これにより、トランスポンダの送信動作が開始され、イグニッションキー1から送受信機2に向けてキーID番号が送信される。正規のイグニッションキー1であれば、送受信機2での受信、復調により得たキーID番号と、イモビライザーユニット4のメモリ42に記憶された登録ID番号とは一致するので、ステップS6における判断が肯定される。したがって、ステップS8においてイモビライザー4からエンジンコントロールモジュール5に向けてA信号が送出される。A信号が送出された後は、図4のステップS16の判断が肯定されるので、ステップS17に進みシフトレバーの駆動が許可される。このため車両を発進させることが可能となる。
【0029】
リモートコントローラ31の操作によりエンジン始動を行った後、正規のものでないイグニッションキー1をキーシリンダ1Aに差込み、イグニッションオン位置まで操作した場合には、図3のステップS6の判断が否定されるので、ステップS7においてエンジン始動禁止信号が送信される。このため図4のステップS12の判断が肯定され、ステップS13においてエンジンが強制停止されることとなる。
【0030】
リモートコントローラ31の操作によりエンジン始動を行った後、不正な手段により、例えばイグニッションスイッチSW1を短絡した場合には、キーID番号が送信されないのでステップS6の判断が否定され、ステップS7においてエンジン始動禁止信号が送信される。したがって、同様にエンジンが強制停止される。
【0031】
<イグニッションキーの操作に基づくエンジン始動の場合>
次に、イグニッションキー1の操作によってエンジン始動を行う場合の動作について説明する。正規のイグニッションキー1をキーシリンダ1Aに差込み、イグニッションオン位置まで操作すると、イグニッションスイッチSW1がオンし、図3のステップS1の判断が肯定されるのでステップS5へ進む。ステップS5において送受信機2からイグニッションキー1に向けて電波が送信されるので、上述のようにトランスポンダ11の送信動作が開始され、イグニッションキー1から送受信機2に向けてキーID番号が送信される。正規のイグニッションキー1であれば送受信機2での受信、復調により得たキーID番号と、メモリ42に記憶された登録ID番号とは一致するので、ステップS6における判断が肯定される。したがって、ステップS8においてイモビライザー4からエンジンコントロールモジュール5に向けてエンジン始動許可信号およびA信号が送出される。
【0032】
イグニッションキー1をスタータオン位置まで操作すると、スタータスイッチSW2がオンするので、スタータモータ70が駆動される。一方、図4におけるステップS12の判断は否定され、ステップS14の判断は肯定されるのでステップS15においてエンジンが始動される。また、すでにA信号が送信されているので、ステップS16の判断が肯定されてステップS17へ進む。ステップS17ではシフトレバーの駆動を許可するので、車両の発進が可能となる。
【0033】
正規のものでないイグニッションキー1を用いてエンジン始動しようとした場合、あるいは不正の手段によりイグニッションスイッチSW1を短絡した場合には、図3のステップS6の判断が否定されるので、ステップS7においてエンジン始動禁止信号が送信される。このため図4のステップS12の判断が肯定され、ステップS13においてエンジンが強制停止されることとなる。
【0034】
以上のように、第1の実施の形態ではリモートコントローラ31の操作に基づいてエンジン始動を行った場合には、さらにイグニッションキー1のキーID番号を所定の登録キーID番号と照合し、両者が一致しない限りシフトレバーの駆動を禁止している。このため正規のイグニッションキー1による操作を経ない限り車両を発進させることができないので、盗難防止効果を損ねることなく遠隔操作によるエンジン始動を可能とすることができる。
【0035】
第1の実施の形態ではイグニッションキー1から送信されたキーID番号と登録キーID番号とを照合し、両者が一致しない限りエンジンを停止し、またはシフトレバーの駆動を禁止することにより車両の盗難を防止しているが、車両の盗難を防止するための他の種々の動作を採用することができる。例えば、シフトレバーの駆動を禁止する代りに、車速センサー65等により車両の走行を検出したときにホーン68を鳴動させたり、エンジンを停止させたり、ABSコントロールユニット64に指令を出力することにより車輪をロックさせたりすることにより盗難を防止するようにしてもよい。また、車速センサー65、スロットルセンサー66、あるいはエンジン回転数センサー(不図示)の検出値が一定値に到達したときにエンジンを停止させたり、エンジンの回転数の上昇を禁止したりすることにより盗難を防止するようにしてもよい。また、エンジンを強制停止する代りに、上述の種々の動作を採用してもよい。
【0036】
車両の盗難防止のための動作とともに、警告装置67によって運転者に異常を知らせるための警告を行うようにしてもよい。例えば、車両のパネルの警告ランプを点灯し、あるいは車内のブザーを鳴動することにより警告することができる。このような警告を行うことにより、正規のドライバーが運転している場合に、そのドライバーがその状況、すなわち盗難防止のための所定の動作に移行していることを迅速に把握することができる。
【0037】
−第2の実施の形態−
以下、図5〜図7を用いて、本発明にイモビライザーシステムの第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態は図1および図2に示す構成について第1の実施の形態と同一構成を採るので、その説明は省略する。
【0038】
図5はイグニッションスイッチSW1がオンした場合の動作を示すフローチャートであり、ステップS101〜ステップS108はエンジンコントロールモジュール5の動作を、ステップS111〜ステップS115はイモビライザーユニット4の動作をそれぞれ示している。
【0039】
図5のステップS101ではイグニッションスイッチSW1(図1)の状態を読み込み、イグニッションスイッチSW1がオンしていると判定されればステップS102へ進み、オフしていると判定されればステップS101を繰返す。ステップS102ではイモビライザーユニット4に向けて照合命令を送信し、ステップS103へ進む。ステップS103ではイモビライザーユニット4から照合が一致したことを示す信号を受信したか否か判断し、受信したと判定されればステップS104へ進み、受信しなかったと判定されればステップS108へ進む。ステップS108では燃料の噴射や点火を止めることによりエンジンの始動を禁止してシーケンスを終了する。
【0040】
一方、ステップS104ではイモビライザーユニット4からA信号を受信しているか否か判断し、受信していると判定されればステップS105へ進み、受信していないと判定されればステップS106へ進む。ステップS105ではシフトレバーの駆動を許可し、S106へ進む。ステップS106ではエンジン始動を許可し、ステップS107へ進む。S107ではフラグFをリセットし、シーケンスを終了する。
【0041】
図5のステップS111ではトランスポンダ11への送信を行い、ステップS112へ進む。ステップS112ではトランスポンダ11から送られたIDが受信されるのを待って、ステップS113へ進む。ステップS113ではキーIDの照合を行い、照合の結果IDが一致すると判定されればステップS114へ進み、照合不能の場合、およびIDが一致しないと判定されればステップS115へ進む。
【0042】
ステップS114ではIDの一致を知らせる信号、およびA信号をエンジンコントロールモジュール5に向けて送信し、シーケンスを終了する。一方、ステップS115ではIDの照合不能またはIDの不一致を知らせる信号をエンジンコントロールモジュール5に向けて送信し、シーケンスを終了する。
【0043】
次に、図6はリモートコントローラ31によってエンジン始動させる場合における動作を示し、ステップS201〜ステップS203はエンジンスタータ3の動作を、ステップS211〜ステップS212はイモビライザーユニット4の動作を、ステップS221〜ステップS226はエンジンコントロールモジュール5の動作をそれぞれ示している。
【0044】
図6のステップS201ではエンスタIDの受信を待って、ステップS202へ進む。ステップS202ではエンスタIDの照合を行い、ステップS203においてその照合結果をイモビライザーユニット4に向けて送信する。
【0045】
図6のステップS211ではエンジンスタータ3からの照合結果の受信を待って、ステップS212へ進む。ステップS212ではエンスタIDの照合結果に応じて、IDが一致していればID一致を知らせる信号、およびB信号を、IDが一致しなければIDの不一致を知らせる信号をそれぞれエンジンコントロールモジュール5に向けて送信し、シーケンスを終了する。
【0046】
図6のステップS221ではイモビライザーユニット4からの照合結果に応じてエンスタIDが正規のIDであると判定されればステップS223へ進み、正規のIDでないと判定されればステップS227へ進む。ステップS223ではイモビライザーユニット4からB信号が受信されているか否か判断し、受信されていると判定されればステップS224へ進み、受信されていないと判定されればステップS227へ進む。ステップS227ではエンジン始動を禁止してシーケンスを終了する。
【0047】
一方、ステップS224ではシフトレバーの駆動を禁止してステップS225へ進む。ステップS225ではエンジン始動制御を行い、ステップS226へ進む。ステップS226ではフラグFをセットしてシーケンスを終了する。
【0048】
図7はエンジン始動後におけるエンジンコントロールモジュール5の動作を示す。図7のステップS301ではフラグFの状態を読み込み、フラグFがセットされていると判定されればステップS302へ進み、フラグFがセットされていないと判定されればシーケンスを終了する。ステップS302では車両の走行の有無を判断し、走行していると判定されればステップS303へ進み、走行していないと判定されればステップS302を繰返す。ステップS303ではエンジンを停止する制御を行い、シーケンスを終了する。
【0049】
以上のように、第2の実施の形態では、エンジン始動に際してB信号を受信している場合にはフラグFをセットする一方で(ステップS226)、A信号を受信した場合にはフラグFをリセットしている(ステップS107)。そして、フラグFがセットされているにもかかわらず車両の走行が検出された場合には、エンジンを停止するようにしているので(ステップS303)、第1の実施の形態と同様、リモートコントローラ31によりエンジンが始動され、かつキーIDが正規のものと確認されていない場合には、車両の走行が禁止される。したがって、高度の盗難防止効果を発揮することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態のイモビライザーシステムを示すブロック図。
【図2】イグニッションキーおよび送受信機の構成を示すブロック図。
【図3】イモビライザーユニットの動作シーケンスを示すフローチャート。
【図4】エンジンコントロールモジュールの動作シーケンスを示すフローチャート。
【図5】第2の実施の形態において、イグニッションスイッチがオンした場合の動作を示すフローチャート。
【図6】リモートコントローラ31によってエンジン始動させる場合における動作を示すフローチャート。
【図7】エンジン始動後におけるエンジンコントロールモジュールの動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
1 イグニッションキー
1A イグニッションシリンダー
3 エンジンスタータ
4 イモビライザーユニット
5 エンジンコントロールモジュール
11 トランスポンダ
67 警告装置_

Claims (3)

  1. 車両の外部からの操作に基づいてエンジン始動を許可するエンジン始動許可手段と、
    イグニッションシリンダーに差込まれたイグニッションキーを特定するキーIDを前記イグニッションキーから送信するキーID送信手段と、
    前記キーID送信手段から送信された前記キーIDを受信するとともに受信された前記キーIDを予め登録された登録キーIDと照合するキーID照合手段と、
    前記エンジン始動許可手段によりエンジン始動が許可された後に前記キーID照合手段において前記キーIDが受信されない場合、および前記キーID照合手段での照合によりIDが一致しない場合には、車両の盗難を防止するための所定の動作を行うように制御するとともに、前記エンジン始動許可手段によりエンジン始動が許可された後に前記キーID照合手段においてIDが一致した場合には、前記所定の動作を行わないように制御する制御手段とを備えることを特徴とするイモビライザーシステム。
  2. 前記制御手段は前記所定の動作として車両の走行を禁止するものであることを特徴とする請求項1に記載のイモビライザーシステム。
  3. 前記制御手段は前記所定の動作としてエンジンを強制停止するものであることを特徴とする請求項1に記載のイモビライザーシステム。
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