JP3711701B2 - シャ−プペンシル - Google Patents

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、芯繰り出し機構を内蔵するシャ−プペンシルの軸筒の後端に前記芯繰り出し機構を作動せしめるノック部材を有するシャ−プペンシルに関する。
【０００２】
【従来の技術】
軸筒の後端に前記芯繰り出し機構を作動せしめるノック部材を有するシャ−プペンシルの１例として、特開平６−２５５２９７号公報に記載されている、第５図がある。軸筒内に移動自在に配置された、芯を複数貯蔵する芯タンクの後方には、嵌着体３０が圧入されており、その嵌着体３０は、その後方部を軸筒の後端から露出させている。一方、芯タンクの前方には、芯の把持・解放を行うチャック体が固定されており、それら、チャック体や芯タンクは、スプリングによって後方（前記嵌着体３０の方向）に付勢されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来技術にあっては、芯の繰り出し操作を行う場合、スプリングが密着するまで押圧操作をしてしまうことがあり、その様な現象が増加するとスプリングの張力を弱らせてしまうものであった。そして、スプリングの張力の減衰によって芯の保持力が弱まり、強いては、筆記の最中に芯が没入してしまい、非常に煩わしい、違和感のあるシャ−プペンシルになってしまうもであった。
ここで、前記軸筒の内面に、押圧操作をした際、前記嵌着体３０の前方に形成されている鍔部が当接する段部などを形成することも考えられるが、軸筒を成形する金型などが複雑なものとなってしまい、その結果、金型が高価なものとなってしまい実用的ではない。
【０００４】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、芯繰り出し機構を内蔵するシャ−プペンシルの軸筒の後端に前記芯繰り出し機構を作動せしめるノック部材を有するシャ−プペンシルであって、芯を貯蔵する芯タンクを少なくとも前記芯繰り出し機構の１つの構成要件とすると共に、その芯タンクの後端を軸筒の後端より突出せしめ、その突出部分に前記ノック部材を圧入すると共に、そのノック部材の内面に内接径の小さい縦リブと、内接径の大きい縦リブとを設け、その内接径の小さい縦リブを前記芯タンクに当接し得るようなし、また、内接径の大きい縦リブを、前記ノック部材を操作した際、軸筒に当接し得るようなし、更に、そのノック部材の内接径の大きい縦リブで芯タンクに着脱自在に圧入したことを要旨とするものである。
【０００５】
【実施例】
第１例を図１〜図３に示し説明する。軸筒１の内部には、複数の芯を貯蔵する芯タンク２が前後動可能に配置されている。その芯タンク２の前方には、芯の把持・解放を行うチャック体３が固定されており、そのチャック体３の中間部にはチャック体３の閉鎖、拡開を行うチャックリング４が囲繞された状態で取り付けられている。また、前記軸筒１と芯タンク２との間には、コイルスプリングなどの弾撥部材（チャックスプリング）５が張設されており、前記芯タンク２とチャック体３を後方に付勢している。符号６は、前記軸筒１の前端に螺着などによって着脱自在に取り付けられた先部材であり、その先部材６には芯の後退を阻止する芯戻り止め部材７が圧入されている。
【０００６】
前記芯タンク２の後方は、軸筒１の後端部８より突出しており、その突出した部分（突出部９）の内側には、消しゴム１０が着脱自在に圧入されている。
また、前記芯タンク２の突出部９には、芯タンク２を押圧するノック部材１１が着脱自在に圧入されている。以下、そのノック部材１１について詳述する。ノック部材１１の内面の後方には、内接径の小さい短い縦リブ１２と、内接径の大きい長い縦リブ１３とが交互に放射状に形成されている。そして、その内接径の大きい長い縦リブ１３の内接径は、前記芯タンク２の外径と略同様になっている。つまり、この長い縦リブ１３によってノック部材１１が芯タンク２の突出部９に着脱自在に圧入されているのである。
【０００７】
ここで、前記短い縦リブ１２の前端は、前記芯タンク２の後端部に当接しており、芯タンク２への挿入位置規制をしている。また、前記長い縦リブ１３の前端は、ノック部材１１を押圧し芯の繰り出し操作を行った際、前記軸筒１の後端部８に当接し得るようになっている。そして、その当接時においては、前記チャックスプリング５は、完全には密着せず、適宜の、例えば、チャックリングがチャック体から外れ芯が解放する程度の収縮範囲を有している。
尚、前記ノック部材１１の外周筒部１４は、前記軸筒１の後方部を覆う位置まで形成されており、ノック部材というよりは、キャップのようになっており、シャ−プペンシルとしての美観を向上させていると共に、軸筒の後部をガイドとし、ノック部材の押圧操作によって発生する振れ（ぐらつき）を防止している。。
また、前記短い縦リブ１２の断面形状は、長い縦リブ１３の断面形状とは異にしている。短い縦リブ１２の断面形状を略四角状とすることにより、前記芯タンクの後端部との接触面積を多くしているのである。芯繰り出し操作を行った際に圧力が加わる箇所であり、縦リブの破損などを防止している。
尚符号１５は、ノック部材１１に一体に形成されたクリップであるが、そのクリップ１５を別部材として形成し、ノック部材に固定しても良い。
【０００８】
第２例を図４に示し説明する。内接径の小さい縦リブと、内接径の大きい縦リブとを同一のリブに形成した例である。詳述すると、ノック部材１６の内面には、４本の縦リブ１７が放射状に形成されており、その後部は、内接径の小さいリブ部１８となっており、そのリブ部１８の前方は、内接径の大きいリブ部１９となっている。勿論、内接径の小さいリブ部１８の前端面が芯タンクの後端部と当接し、内接径の大きいリブ部１９の前端面が軸筒の後端部と当接するのである。
【０００９】
第３例を図５に示し説明する。前記第２例のリブの形成位置を変えた例であり、前記第２例においては、リブ１７の１つをクリップ１５の側に形成しているのに体し、本第３例ではリブ１７をクリップ１５とは離れた位置に形成してある。具体的には、リブ１７をクリップ１５とは、軸筒を中心とし４５度の回転方向の位置に形成してある。射出成形などによってノック部材を成形するときの、成形の容易性、寸法並びに外観形状の正確性を考慮してのことであり、なるべく樹脂が充填されやすいようにしたのである。ちなみに、第２例においては、クリップとリブとが同一箇所にあるため、その部分に樹脂が多く流れなけらばならず、成形した後においては、その部分に、極めて稀ではあるがひけ（凹部）などが発生してしまう危険性ある。
【００１０】
【発明の効果】
本発明は、芯繰り出し機構を内蔵するシャ−プペンシルの軸筒の後端に前記芯繰り出し機構を作動せしめるノック部材を有するシャ−プペンシルであって、芯を貯蔵する芯タンクを少なくとも前記芯繰り出し機構の１つの構成要件とすると共に、その芯タンクの後端を軸筒の後端より突出せしめ、その突出部分に前記ノック部材を圧入すると共に、そのノック部材の内面に内接径の小さい縦リブと、内接径の大きい縦リブとを設け、その内接径の小さい縦リブを前記芯タンクに当接し得るようなし、また、内接径の大きい縦リブを、前記ノック部材を操作した際、軸筒に当接し得るようなし、更に、そのノック部材の内接径の大きい縦リブで芯タンクに着脱自在に圧入したので、長期に渡り良好な筆記を行うことができ、また、製品を安価に製作することができる。
【図面の簡単な説明】
【図１】 本発明の第１例を示す縦断面図。
【図２】 本発明のノック部材を示す縦断面図。
【図３】 本発明のノック部材の底面図。
【図４】 第２例のノック部材を示す縦断面図。
【図５】 第３例のノック部材を示す底面図。
【符号の説明】
１ 軸筒
２ 芯タンク
３ チャック体
４ チャックリング
５ チャックスプリング
６ 先部材
７ 芯戻り止め部材
８ 後端部
９ 突出部
１０ 消しゴム
１１ ノック部材
１２ 短い縦リブ
１３ 長い縦リブ
１４ 外周筒部
１５ クリップ
１６ ノック部材
１７ 縦リブ
１８ 内接径の小さいリブ部
１９ 内接径の大きいリブ部

Claims (1)

1. 芯繰り出し機構を内蔵するシャ−プペンシルの軸筒の後端に前記芯繰り出し機構を作動せしめるノック部材を有するシャ−プペンシルであって、芯を貯蔵する芯タンクを少なくとも前記芯繰り出し機構の１つの構成要件とすると共に、その芯タンクの後端を軸筒の後端より突出せしめ、その突出部分に前記ノック部材を圧入すると共に、そのノック部材の内面に内接径の小さい縦リブと、内接径の大きい縦リブとを設け、その内接径の小さい縦リブを前記芯タンクに当接し得るようなし、また、内接径の大きい縦リブを、前記ノック部材を操作した際、軸筒に当接し得るようなし、更に、そのノック部材の内接径の大きい縦リブで芯タンクに着脱自在に圧入したことを特徴とするシャ−プペンシル。

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