JP3711593B2 - 脱毛装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、美容などの目的のために体毛を取り除くために使用する脱毛装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来から体毛を取り除くために使用する脱毛装置として、例えば、特開平3ー178603号公報、ヨーロッパ特許公報第613345号、ヨーロッパ特許公報第0467733号、ヨーロッパ特許公報第0596283号が知られている。
【0003】
上記の従来例において、特開平3ー178603号公報には脱毛要素とくし状のコームを設けたものが開示してあり、また、ヨーロッパ特許公報第613345号やヨーロッパ特許公報第0467733号にはコームやブラシが脱毛手段に取付けられ、回転するものが開示してある。また、ヨーロッパ特許公報第0596283号には脱毛手段を有する回転シリンダに毛を起こすためのブラシを回転シリンダの回転中心から偏心した位置で回転するように取付けたもの、すなわち、回転する脱毛手段に取付けられたブラシが毛を起こすために自転し且つ公転するものが開示してある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来例のうち特開平3ー178603号公報、ヨーロッパ特許公報第613345号、ヨーロッパ特許公報第0467733号のものは器具の進行か回転によって毛を起こすものであり、寝た毛やくせ毛などを一度の毛起こし動作で起こすことができず、起こされない毛が残るという問題があり、更に、肌の凹凸に追従しにくくていっそう起こされない毛が残るという問題がある。
【0005】
また、ヨーロッパ特許公報第0596283号に示された従来例にあっては、ブラシが回転することで復数回毛が起こされるが、回転するブラシは自転のみでなく公転もするので、脱毛手段が肌に接する前に回転するブラシが肌から離れてしまうものであり、このため、せっかく起こされた毛が再び寝てしまい、脱毛手段でクランプして脱毛されない場合が発生するという問題があった。
【0006】
本発明の課題は、寝た毛やくせ毛を確実に起毛させ、連続的に起毛させた状態を続けることにより毛の根元を確実に掴んで脱毛効率を高め、毛の根元を掴むことで脱毛刺激を低減することができる脱毛装置を提供するにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の脱毛装置は、毛を掴んで引き抜くための脱毛手段を備えた脱毛装置において、外周に複数の毛起こし部材を突設した回転体からなる毛起こし手段を脱毛装置の前方に配置し、毛起こし手段に脱毛手段の回転乃至回動軸と平行で且つこの軸から離間した回転軸を設けて成ることを特徴とするものであり、脱毛装置の前方に配置した外周に毛起こし部材を設けた回転体からなる毛起こし手段により連続的に起毛させ続け、このようにして連続して起毛されて整毛された状態で回転体の後方に位置する脱毛装置により毛の根元を掴んで脱毛をするものである。
【0008】
また、毛起こし部材がブラシであると、毛起こし及び整毛が効果的に行えることになる。
また、毛起こし部材が可撓性を有するフィンであると、毛起こし及び整毛が効果的に行えることになる。
また、回転体に刺激付与手段を設けると、皮膚に刺激を与えることにより脱毛手段により脱毛する際の脱毛刺激を低減することができることになる。
【0009】
また、刺激付与手段が、回転体の回転により肌に振動を与えるために回転体の重心位置を回転中心から離れた位置に偏位させるための質量偏位物であると、振動により肌に刺激をして脱毛刺激を低減すると共に肌を振動させることで毛を起毛し易くなるものである。
また、質量偏位物が、毛起こし部材を偏位配置して構成してあると、振動により肌に刺激をして脱毛刺激を低減すると共に肌を振動させることで毛を起毛し易くするための構成を簡略化できることになる。
【0010】
また、毛起こし部材への肌への押し付け力を規制するための規制手段を設けてあると、毛起こし部材の肌への接触抵抗を少なくすることができる。
ここで、規制手段が少なくとも回転体の前方に設けた肌当て部材であったり、あるいは回転体の前方に設けた肌当て部材だけでなく、回転体の後方にも肌当て部材を設けたものであったり、あるいは規制手段が回転体の軸方向の両側に設けられた部材であったりすることで、簡単な構成で規制手段を構成することができる。
【0011】
また、肌当て部材の上面に肌伸ばし部材を設けることで、肌伸ばし部材で肌を伸ばした状態で回転体で連続して起毛し、このようにして連続して起毛されて整毛された状態で回転体の後方に位置する脱毛装置により毛の根元を掴んで脱毛をすることができる。
また、規制手段が回転体をフロート乃至スイング自在としていることで、肌に追従し、毛を確実に起毛できる。
【0012】
また、毛起こし手段をフロート乃至スイング自在に支持してあることで、毛起こし手段による肌への押し付け抵抗を少なくできる。
また、肌当て部材がくし状の整毛コームであると、くし状の整毛コームにより寝た毛やくせ毛を整毛した状態で回転体で連続して確実に起毛し、このようにして連続して起毛されて整毛された状態で回転体の後方に位置する脱毛装置により毛の根元を掴んで脱毛をすることができる。
【0013】
また、規制手段が回転体に対して回転自在な肌当て部材であることで、回転体の肌への接触抵抗を少なくすることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明の一実施形態を図1乃至図10に基づいて詳述する。
添付図面に示す実施形態の脱毛装置は以下のような構成となっている。すなわち、本体1は二つ割りのハウジング10内に電動機11を内蔵した基体5を内装し、電源ジャック14とスイッチ15を設けて構成してある。基体5は電動機収納部51に電動機11をはめ込んで収納し、電動機11の出力軸に設けたピニオン12に中間歯車13がかみ合っている。ここで、中間歯車13にギア131が一体に形成してある。基体5には確動カム収納凹部52が設けてあって、確動カム17に一体に形成された軸16が基体5を貫通して軸受90を介して回転自在に取付けられており、確動カム17は上記確動カム収納凹部52内に収納してある。
【0015】
軸16の一端にはギア132が固着してあって、ギア132は中間ギア13に一体に設けたギア131とかみ合っており、電動機11の回転をピニオン12、中間歯車13を介してギア132へ回転を伝達して該ギア132と一体回転する軸16を連設した確動カム17を回転するようになっている。
確動カム17の他端部には偏芯軸19が偏芯して取付けてある。偏芯軸19にはリンク8が取付けられ、リンク8は基体5に軸82により回転自在に取付けられたギア81に圧入固定されたピン83によって取付けられ、確動カム17が回転し、偏芯軸19が回転することで、リンク8によって軸82を中心にギア81が往復動するようになっている。
【0016】
回動基台33は軸34により基体カバー5bと基体カバー5aとに回動自在に取付けてある。この場合、軸34は基体カバー5bと基体カバー5aに固定し、回動基台33に固定された軸受け33a、33bに遊挿する。フレーム38はフック381によりハウジング10に固定的に設けた取付台91に着脱自在に取付けてある。
【0017】
回動基台33には図3に示すように長穴336が設けてあり、長穴336の両側に所定間隔を隔てて係止溝332が設けてある。可動爪32は一端部が毛の挟持部となっており、両側の突片部が支点部325となっており、また、支点部325が係止溝332に回動の支点となるように差し込んである。回動基台33の一端部にはギア334が設けてあり、ギア81にかみ合っていて、ギア81の往復回動によって回動基台33を往復回動するようになっている。
【0018】
開閉手段を構成する開閉レバー35、36は図8に示すように、それぞれ一方に溝351、361を有し、可動爪32の毛を挟持する側と反対側の端部329をそれぞれ係合しており、この係合部分が固定爪31に対して支点部325を支点として毛を挟持するために押圧するための力点となっている。
また、溝351、361は可動爪32を一つおきに係合している。また開閉レバー35、36の他端は外周に円弧溝353、363を形成してローラ356、366にそれぞれ係合し、後述のローラ356、366の相反する方向の揺動により開閉レバー35、36に貫通し回動基台33に固定された軸75に案内され相反する方向に往復動するようになっている。
【0019】
可動爪32は支点部325を支点として開閉レバー35、36の相反する方向の往復動により揺動して一つおきの固定爪31の両側で同時に押圧して毛を挟持して回動基台33の回動により毛を引き抜くものである。
図7に示すように、確動カム17は円筒状をしていて外周面の両側にX形状に交差する交差部を持つ2条の確動カム溝171、172が設けてある。この確動カム溝171、172は互いに相反する方向に蛇行している。
【0020】
開閉カム63、73は基体5に圧入固定された揺動軸62、72により回動自在に軸支してあり、また、開閉カム63、73の上面部の上記揺動軸62、72から偏心した位置に軸631、731の下部を圧入固定してあり、この軸631、731の上部にローラ356、366を回動自在に取付けてある。ローラ356、366は開閉レバー35、36の円弧溝353、363に係合して摺動自在に連結してある。また、開閉カム63、73から側方に突部を設けてあり、この突部に設けた軸孔632、732にこま66a、66bが回転自在に取付けてある。ここで、軸631、731の位置とこま66a、66bの軸支位置とは開閉カム63、73の揺動軸62、72を中心にして互いに反対方向に位置している。
【0021】
回転自在に取付けたこま66a、66bをそれぞれ確動カム溝171、172に摺動自在にはめ込んであって、確動カム17が回転することで、こま66a、66bを介して開閉カム63、73の他端に設けた揺動自在なローラ356、366を互いに相反する方向に揺動させるようになっている。
脱毛手段2はフレーム38と、フレーム38内に回動自在に配置された爪支持部材である回動基台33と、回動基台33に対し所定間隔を保つように移動不能に取付けられた固定爪31と、これらの固定爪31間に並設されて支点部325を回動基台33の係止溝332に揺動自在に支持された可動爪32と、可動爪32を可動するための開閉レバー35、36と、肌当て部材39で構成してある。そして、回動基台33に並設する爪は上記のように回動基台33とともに回動するもので、回動基台33に対して動かない固定爪31と、回動基台33とともに回動し且つ回動基台33に対して揺動自在となった可動爪32とで構成してある。また、ローラ2000は回動基台33に対して揺動自在に取付けられている。また、固定爪31は外周端部が毛の挟持部となっている。
【0022】
図6に示すように、フレーム38の側方内側には長穴382が設けてあり、肌当て部材39の両外側面に設けたボス3913が上下移動自在に係合してある。また、肌当て部材39内側には一対の支点3914が対向して設けてあり、この支点3914が基体カバー5a、5bに設けた溝5a1、5b1に係合し、支点3914を中心にして基台5に対して肌当て部材39が回動自在となっている。
【0023】
肌当て部材39は前述のようにボス3913によりフレーム38に上下動自在に取付けられると共にフレーム38のフック381により本体1から着脱されるようになっている。
このようにして肌当て部材39はフレーム38と一体に着脱されると共に肌の凹凸に対して回動して追従を良くし、肌当たりを良くするものである。
【0024】
次に、脱毛用の爪を含む駆動ブロックのフロートを説明する。図1、図10に示すように爪を含む駆動ブロックは下端に配置したばね45で上下動自在に押圧してある。
駆動ブロックの側方には基体カバー5a、5bに突リブ5a2、5b2が設けてあり、フロートばね900に設けた穴に係合して弾性的に上下移動自在に支持してある。
【0025】
上記爪を含む駆動ブロックは図10に示すように肌当て部材39が肌に押し付けられる時に肌当て部材39に設けた支点3914を介して爪を含む駆動ブロックばね45を押圧してフロートするようになっている。次に、図2、図3、図4に示すように、肌当て部材39の肌面に接する面には脱毛装置の進行方向の前方に肌伸ばし部材391を突設させてあり、脱毛時に肌を引き伸ばして脱毛刺激を低減している。この肌伸ばし部材391はゴム等の摩擦の大きい弾性体の方が肌の引き伸ばし効果がある。もちろん、肌当て部材39をゴム等で形成してもよい。また、ローラ399は軸3911に回転自在に設けられていて、肌の滑りを良くし、肌を脱毛装置の進行方向に引っ張らないようにしている。
【0026】
次に、本発明の外周に毛起こし部材1001を設けた回転体1000により構成される毛起こし手段について詳述する。
図6に示すように、肌当て部材39の前方に肌伸ばし部材391を設け、この肌伸ばし部材391と脱毛手段2との間の位置に回転体1000を配置して回転体1000の両端部を肌当て部材39に回転自在に取付けてある。回転体1000の外周には毛起こし部材1001が設けてある。ここで回転体1000の軸と脱毛手段2の回転乃至回動軸とは平行となっていて両者は離間している。なお、本実施形態においては回転体1000の外周にブラシ1002よりなる毛起こし部材1001を設けた例が示してある。
【0027】
回転体1000を回転する駆動伝達機構は以下のような構成となっている。すなわち、図1、図2に示すように、確動カム17の一端部に軸173が固定されており、この軸173にフレキシブル回転軸を構成するばね41の一端部が固定してあり、また、このばね41の他端部はカバー5aに回転自在に取付けられた軸4の一端部に固定してあり、確動カム17を回転することで、フレキシブル回転軸を構成するばね41を介して軸4を回転するようになっている。一方、回転体1000の一端部にはフレキシブル回転軸を構成するばね43の一端部が固定してあり、該ばね43の他端部に連結部材42の一端部が固定してある。連結部材42の他端部は多角形状をしており、前記軸4の一方に設けた多角形状の孔を有する取付け部401に上記連結部材42の多角形状をした端部421が着脱自在に取付けてあり、軸4の回転をばね41を介して回転体1000に伝達するようになっている。そして、脱毛手段2の前方で、図2、図5、図11に示すように毛を起こすように器具の進行方向(A方向)に対して同一方向(C方向)に回転するようになっており、脱毛手段2は回転体1000と反対方向(B方向)へ毛を引き抜くように構成してある。
【0028】
また、図9に示すように、肌当て部材39のスイングで、ばね43の変形と、連結部材42の取付け部401からの上下動により、肌当て部材39と一体に回転体1000が肌に追従し、基台5に対して回転体1000が上下動自在にフロートするように構成してある。このように基台5に対して回転体1000が上下動自在にフロートするように構成することで、更に肌当たりが良くて肌に追従するようになる。
【0029】
しかして、上記のように、回転体1000に回転力が伝達されて回転体1000が回転駆動することで、図11に示すように、肌伸ばし部材391と脱毛手段2との間において、毛起こし部材1001により寝た毛やくせ毛を確実に起こし、回転により連続的に起毛させた状態を維持しながら脱毛手段2の爪31、32により毛の根元を掴み、毛流れ方向に毛を引き抜くのである。このことで、脱毛の刺激が少なく、毛切れもなく、また、効率良く爪31、32に導入され、効率良く脱毛できることになる。なお、図中イは肌を示し、ロは毛を示している。
【0030】
また、前方の肌伸ばし部材391と後方に位置するローラ399により、回転体1000に設けた毛起こし部材1001の肌への接触抵抗が少なくなるように、毛起こし部材1001の外周先端を前記肌伸ばし部材391とローラ399の上端とを結ぶ線と略面一となるように構成してある。つまり、肌伸ばし部材391とローラ399とが毛起こし部材1001への肌への押し付け力を規制する規制手段を構成している。ここで、規制手段としては肌伸ばし部材391と脱毛手段2の肌接触面とで構成してもよい。この場合は、毛起こし部材1001の外周先端を、肌伸ばし部材391と脱毛手段2の肌接触面とを結ぶ線と略面一とするものである。
【0031】
肌伸ばし部材391は図6、図11に示すように、くし状のコームで形成してあり、毛を整毛し、毛を起こすようにしてあり、コームの先端には器具の進行方向と直交するようにフィン391aを複数列設けてあり、起毛をさせ、肌当たりを良くしている。
図10には本発明の器具において肌当て部材39及び脱毛手段2を肌に押し付けた場合におけるフロート状態を示している。ここで、矢印方向の力が作用すると、肌当て部材39は駆動部と一体にフロートするようにしてあり、図6、図10に示すように、フレーム38の上端よりも下方にフロート可能とし、肌当て部材39及び脱毛手段2に押し付けによる抵抗が少なくなるようにしている。
【0032】
次に、回転体1000に設けた毛起こし部材1001の他の実施形態を図12乃至図18に基づいて詳述する。
すなわち図10の実施例ではブラシ1002よりなる毛起こし部材1001を回転体1000の外周部に設けたが、図12、図13に示す実施形態においては、回転体1000の外周部に軸方向及び周方向に可撓性を有するフィン1003を複数設けて、該フィン1003を毛起こし部材1001とした例を示している。ここで、フィン1003は回転体1000と交差する方向に設けてあり、また複数のフィン1003を回転体1000の周方向に配置してある。このフィン1003は肌との抵抗を少なくするために、また根元を厚く先端が薄肉となる形状をしていて可撓性を有しているものである。しかして、回転体1000が回転することで、図13(c)のようにフィン1003の先端の薄肉部分が肌に当たって変形し、フィン1003の先端部と回転体1000との間に毛ロが入りやすくして、フィン1003の先端の肌に当たって変形した部分で毛ロをすくい上げて毛ロを起こすことになり、肌当たりが良く、寝た毛やくせ毛を根元から起毛し、毛ロの根元側の高さを肌から高くして、脱毛手段2により毛を掴みやすくして脱毛効率を高めている。そして、フィン1003を周方向に複数個設けることで、回転体1000の回転により毛が連続的に起毛状態を維持されることになる。
【0033】
ここで、図13(d)のようにフィン1003を弧状に形成して先端に引っ掛け部を設けるようにしておくと、引っ掛け部によってより効率的に且つ正確に起毛することができるものである。
図14には他の実施形態が示してある。この実施形態においては、回転体1000の外周部の軸方向及び周方向に多数のブラシ毛1005と多数の弾性突起体1004とが突設してある。ここで、ブラシ毛1005は弾性突起体1004よりも径が細く、且つブラシ毛1005の先端が弾性突起体1004の先端よりも突出長さが長くなっている。弾性突起体1004はブラシ毛1005を束にしたものであってもよい。しかして、この実施形態においては、回転体1000を回転することにより、長さの長いブラシ毛1005で長い毛を起こし、長さの短い径の太い弾性突起体1004により短い毛を起毛して効率的な脱毛ができるようにしてある。
【0034】
また、図15には更に他の実施形態が示してある。この実施形態においては、回転体1000の外周部にブラシ1002を設けてあるが、ブラシ1002の周方向におけるブラシ列間に回転体1000の軸方向に平行となった弾性を有する薄肉のフィン1006を周方向に複数設けてある。ここで弾性を有するフィン1006は皮膚への刺激付与手段となっている。しかして、回転体1000を回転することで、ブラシ1002により毛を起毛させるとともに、弾性を有するフィン1006により皮膚に機械的刺激を与えることにより、脱毛刺激を低減するようになっている。
【0035】
また、図16には更に他の実施形態が示してある。この実施形態においては、弾性を有する薄肉のフィン1007を回転体1000の軸方向に平行に複数配置し且つ周方向にも複数配置した例を示している。この実施形態では毛を整毛し、押さえ付けないようになっている。
また、図17には更に他の実施形態が示してある。この実施形態においては、回転体1000に回転体1000の重心位置が回転中心から偏心した位置に偏位するように質量偏位物1008を設けたものであり、回転体1000を回転することで肌に振動させて毛を起毛し易くしたものである。
【0036】
また、図示を省略しているが、質量偏位物を毛起こし部材1001により構成し、回転軸1000に対して毛起こし部材1001を偏位して配置することで、回転帯1000の重心の一を回転中心から偏位させ、このことにより肌に振動を与えるようにしてもよい。
また、図18には更に他の実施形態が示してある。この実施形態においては、回転体1000に回転自在な肌当て輪体1009を設けて回転体1000の肌との接触抵抗を少なくしている。
【0037】
なお、図13、図14、図16、図18等において、肌との接触抵抗を少なくするためブラシ毛やフィンの軸方向のピッチPは0.5〜3mmとするのが好ましい。
図19、図20には本発明における毛起こし部材1001を有する回転体1000を回転駆動させる他の実施形態を示している。
【0038】
脱毛手段2の構成及び作用は前述の実施形態と同様であるので説明は省略する。確動カム17に固定されているギヤ132の側面にギヤ3002を設けて、ギヤ3002が確動カム17と一体に回転するようになっている。基体カバー5aに固定して設けられた軸受け3007に軸3000が回転自在に設けてあり、この軸3000の一方に設けたギヤ3001がギヤ3002により回転を伝達されるようになっている。肌当て部材39に設けた軸3005にギヤ3004が取付けてあり、前記軸3000の他端に設けたギヤ3003がギヤ3004に回転を伝達するようになっている。図19、図20に示すようにギヤ3004はベルト3006が係合し、ベルト3006により回転体1000を回転駆動し、毛起こし部材1001を回転駆動するようになっている。
【0039】
ここで、回転体1000は肌当て部材39に回転自在に取付けられ、ベルト3006及びギア3004とともにフレーム38の着脱により取り外し可能としてあり、ギヤ3003、ギヤ3004が係合自在となっていてベルト3006の軸間距離が変化しないようにしてある。
また、ギヤ3004の回転軸3005の中心と肌当て部材39のスイングの中心とが一致するようにしてある。このようにスイングの中心と軸間距離を変えないように肌当て部材39をリンクとして回転伝達することで、回転体1000が肌当て部材39と一体にスイング可能となり、肌に追従し、毛を起毛し、脱毛することができると共に、前記実施例のばね43の変形がなく、駆動伝達を確実にすることができるものである。
【0040】
また、ベルト3006は回転体1000の過負荷に対する摩擦クラッチとなり、毛の巻き込みなどによる破壊を防止することができるものである。
また、ベルト3006の代わりにギヤやローラでも駆動伝達を行うことができるものである。
【0041】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載の発明にあっては、毛を掴んで引き抜くための脱毛手段を備えた脱毛装置において、外周に複数の毛起こし部材を突設した回転体からなる毛起こし手段を脱毛装置の前方に配置し、毛起こし手段に脱毛手段の回転乃至回動軸と平行で且つこの軸から離間した回転軸を設けてあるので、回転体が回転駆動して、回転体の外周に突設した複数の毛起こし部材により寝た毛やくせ毛を確実に起こし、回転体の回転により連続的に起毛させた状態を維持しながら脱毛手段により毛の根元を掴み、毛流れ方向に毛を引き抜くことができ、脱毛効率を高め脱毛刺激を低減することができるものである。
【0042】
また、請求項2記載の発明にあっては、上記請求項1記載の効果に加えて、毛起こし部材がブラシであるので、毛起こし及び整毛が効果的に行えるものである。
また、請求項3記載の発明にあっては、上記請求項1記載の効果に加えて、毛起こし部材が可撓性を有するフィンであるので、肌への接触抵抗を少なくし、寝た毛やくせ毛を効率良く起毛し、整毛することにより、脱毛効率を高めると共に肌当たりを良くするものである。
【0043】
また、請求項4記載の発明にあっては、上記請求項1記載の効果に加えて、回転体に刺激付与手段を設けてあるので、皮膚に刺激を与えることで脱毛手段により脱毛する際の脱毛刺激を低減することができるものである。
また、請求項5記載の発明にあっては、上記請求項4記載の効果に加えて、刺激付与手段が、回転体の回転により肌に振動を与えるために回転体の重心位置を回転中心から離れた位置に偏位させるための質量偏位物であるので、振動により肌に刺激をして脱毛刺激を低減すると共に肌を振動させることで毛を起毛し易くなるものである。
【0044】
また、請求項6記載の発明にあっては、上記請求項5記載の効果に加えて、質量偏位物が、毛起こし部材を偏位配置して構成してあるので、刺激付与手段を簡単な構成で形成できて、振動により肌に刺激をして脱毛刺激を低減すると共に肌を振動させることで毛を起毛し易くするための構成を簡略化できることになる。また、請求項7記載の発明にあっては、上記請求項1記載の効果に加えて、毛起こし部材への肌への押し付け力を規制するための規制手段を設けてあるので、毛起こし部材の肌への接触抵抗を少なくすることができ、この結果、低負荷で脱毛効率のよい脱毛装置を提供できるものである。
【0045】
また、請求項8記載の発明にあっては、上記請求項7記載の効果に加えて、規制手段が少なくとも回転体の前方に設けた肌当て部材であるので、簡単な構成で規制手段を構成することができるものである。
また、請求項9記載の発明にあっては、上記請求項8記載の効果に加えて、回転体の後方にも肌当て部材を設けてあるので、簡単な構成で規制手段を構成することができるものである。
【0046】
また、請求項10記載の発明にあっては、上記請求項7記載の効果に加えて、規制手段が回転体の軸方向の両側に設けられた部材であるので、簡単な構成で規制手段を構成することができるものである。
また、請求項11記載の発明にあっては、上記請求項8又は請求項10記載の効果に加えて、肌当て部材の上面に肌伸ばし部材を設けてあるので、肌伸ばし部材で肌を伸ばした状態で回転体で連続して起毛し、このようにして連続して起毛されて整毛された状態で回転体の後方に位置する脱毛装置により毛の根元を掴んで脱毛をすることができるものである。
【0047】
また、請求項12記載の発明にあっては、上記請求項7記載の効果に加えて、規制手段が回転体をフロート乃至スイング自在としているので、肌に追従し、毛を確実に起毛して効率の良い脱毛を行うことができるものである。
また、請求項13記載の発明にあっては、上記請求項1記載の効果に加えて、毛起こし手段をフロート乃至スイング自在に支持してあるので、毛起こし手段による肌への押し付け抵抗を少なくできるものである。
【0048】
また、請求項14記載の発明にあっては、上記請求項8記載の効果に加えて、肌当て部材がくし状の整毛コームであるので、くし状の整毛コームにより寝た毛やくせ毛を整毛した状態で回転体で連続して確実に起毛し、このようにして連続して起毛されて整毛された状態で回転体の後方に位置する脱毛装置により毛の根元を掴んで脱毛をすることができるものである。
【0049】
また、請求項15記載の発明にあっては、上記請求項7記載の効果に加えて、規制手段が回転体に対して回転自在な肌当て部材であるので、回転体の肌への接触抵抗を少なくすることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の正面断面図である。
【図2】図1のXーX線断面図である。
【図3】図1YーY線断面図である。
【図4】図1ZーZ線断面図である。
【図5】同上の上面図である。
【図6】同上の肌当て部材や毛起こし手段を示す分解斜視図である。
【図7】同上の本体の駆動ブロックの分解斜視図である。
【図8】同上の固定爪及び可動爪の取付けを示す分解斜視図である。
【図9】同上の肌当て部材と毛起こし手段のスイング状態を示す説明図である。
【図10】同上の肌に押し当てて下方にフロートした状態の正面断面図である。
【図11】同上の動作を説明する動作説明図である。
【図12】同上の他の実施形態の動作説明図である。
【図13】同上の毛起こし手段の実施形態を示し、(a)は斜視図であり、(b)は断面図であり、(c)は作用説明図であり、(d)は他の実施形態の断面図である。
【図14】同上の毛起こし手段の更に他の実施形態を示し、(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。
【図15】同上の毛起こし手段の更に他の実施形態を示し、(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。
【図16】同上の毛起こし手段の更に他の実施形態の斜視図である。
【図17】同上の毛起こし手段の更に他の実施形態の斜視図である。
【図18】同上の毛起こし手段の更に他の実施形態を示し、(a)は斜視図であり、(b)は断面図である。
【図19】同上の回転体を駆動する他の実施形態を示す正面断面図である。
【図20】図19のWーW線の断面図である。
【符号の説明】
2 脱毛手段
1000 回転体
1001 毛起こし部材
Claims (15)
- 毛を掴んで引き抜くための脱毛手段を備えた脱毛装置において、外周に複数の毛起こし部材を突設した回転体からなる毛起こし手段を脱毛装置の前方に配置し、毛起こし手段に脱毛手段の回転乃至回動軸と平行で且つこの軸から離間した回転軸を設けて成ることを特徴とする脱毛装置。
- 毛起こし部材がブラシであることを特徴とする請求項1記載の脱毛装置。
- 毛起こし部材が可撓性を有するフィンであることを特徴とする請求項1記載の脱毛装置。
- 回転体に刺激付与手段を設けて成ることを特徴とする請求項1記載の脱毛装置。
- 刺激付与手段が、回転体の回転により肌に振動を与えるために回転体の重心位置を回転中心から離れた位置に偏位させるための質量偏位物であることを特徴とする請求項4記載の脱毛装置。
- 質量偏位物が、毛起こし部材を偏位配置して構成してあることを特徴とする請求項5記載の脱毛装置。
- 毛起こし部材への肌への押し付け力を規制するための規制手段を設けて成ることを特徴とする請求項1記載の脱毛装置。
- 規制手段が少なくとも回転体の前方に設けた肌当て部材であることを特徴とする請求項7記載の脱毛装置。
- 回転体の後方にも肌当て部材を設けて成ることを特徴とする請求項8記載の脱毛装置。
- 規制手段が回転体の軸方向の両側に設けられた部材であることを特徴とする請求項7記載の脱毛装置。
- 肌当て部材の上面に肌伸ばし部材を設けて成ることを特徴とする請求項8又は請求項10記載の脱毛装置。
- 規制手段が回転体をフロート乃至スイング自在としていることを特徴とする請求項7記載の脱毛装置。
- 毛起こし手段をフロート乃至スイング自在に支持して成ることを特徴とする請求項1記載の脱毛装置。
- 肌当て部材がくし状の整毛コームであることを特徴とする請求項8記載の脱毛装置。
- 規制手段が回転体に対して回転自在な肌当て部材であることを特徴とする請求項7記載の脱毛装置。
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