JP3711395B2 - 共回り防止キャップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボルト・ナットの締結時に、ナットまたはボルトのいずれか一方に装着されて共回りを防ぐための共回り防止キャップに関する。
【0002】
【従来の技術】
木材からなる構造用部材の接合には、各種の連結金物とボルト・ナットが多用される。かかる接合構造の一般的な形態は、プレート状あるいはほぞパイプ状の連結部を有する連結金物を一方の部材や基礎等に固定し、他方の部材には前記連結部に対応するスリットやほぞ孔を形成して、そのスリットやほぞ孔に連結金物の連結部を挿し込み、当該他方の部材の側面から連結部を貫通するようにボルトを挿通して反対側の側面に配したナットと締結するというものである。このような接合形態では、通常、ボルト・ナットが締結される部材の側面に座ぐり穴を形成して、この座ぐり穴にボルトやナットの頭部を沈めている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記のように連結金物とボルト・ナットを介して部材を接合する形態では、部材の側方からインパクトレンチ等の締付工具を用いてボルトを回すと同時に、反対側からレンチ等の工具でナットを押さえてナットの共回りを防ぐ。そのため、工具類を使用するためのスペースが部材の両側に必要となる。
【0004】
しかしながら、例えば図4に示すような部位では、基礎1に固定した連結金物2と柱3との接合に際して、基礎1上に先付けされた土台4が、柱3に形成されたボルト穴7のナット5側を塞いでしまう。そのため、レンチ等でナット5を押さえるためのスペースを確保することができず、ボルト6を回すときにナット5の共回りを生じる。したがって、このような納まりでは、基礎1に土台4を取り付ける前に柱3を立設するといった施工手順の制約を受けることとなり、納まりの設計や部材開発においてもそのような施工手順を考慮しなければならなくなる。
【0005】
そこで本発明は、図示のように工具を使用できない部位であっても、ボルト・ナットのいずれか一方を座ぐり穴内に固定し得るような共回り防止キャップを提供することを解決課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明の共回り防止キャップは、ナットまたはボルトの頭部に挿装される六角筒状のキャップ本体と、このキャップ本体の6箇所の側面のうち互いに隣接しない3箇所の側面からそれぞれ側方に突出する3個の爪片とを備え、前記爪片が当該ナットまたはボルトを取り付けるために形成された座ぐり穴に嵌め込まれて、座ぐり穴の内周面に対し弾性的に掛止するように形成されたことを特徴とする。
【0007】
この共回り防止キャップは、ボルトまたはナットのいずれか一方を座ぐり穴に固定するためのもので、ナットを押さえてボルトを回す場合はナット側に挿装される。共回り防止キャップをナットに挿装した状態で、ナットとともに座ぐり穴に嵌め込むと、キャップ本体の側方に突出した爪片が座ぐり穴の内周面に引っ掛かってナットの回転を拘束する。したがって、ナットをレンチ等で押さえなくとも、ボルトを回すだけで両者を締結することができる。反対にボルトを固定してナットを回すときは、この共回り防止キャップはボルトの頭部に挿装される。
【0008】
ボルト・ナットの頭部は六角形状が最も一般的であるため、キャップ本体も六角筒状に形成される。そして、このキャップ本体の6箇所の側面のうち互いに隣接しない3箇所の側面からそれぞれ爪片を突出させることにより、共回り防止キャップを座ぐり穴内で安定させ、かつその軸芯を座ぐり穴の軸芯に対して精度良く一致させることができる。
【0009】
また、この共回り防止キャップをフランジ付きナットに対して使用する場合は、キャップ本体の底縁部から側方に張り出す安定片を設け、この安定片をフランジ付きナットのフランジ面に沿うように形成するのが好ましい。この構成によれば、キャップ本体とフランジ付きナットとの間に多少の遊びがあっても、キャップ本体の軸芯がフランジ付きナットの軸芯に対して傾くことを防止しやすくなる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。
【0011】
図1〜図3は、六角ナットまたは六角ボルト用として形成された本発明の共回り防止キャップ10と、その共回り防止キャップ10を一般的なフランジ付き六角ナット50に挿装したときの使用状態を示す。
【0012】
この共回り防止キャップ10は、例えば厚さ1mm程度の薄鋼板を折曲加工して形成されたもので、六角ナットまたは六角ボルトの頭部(以下、これらを「六角部51」という。)に挿装される六角筒状のキャップ本体11と、このキャップ本体11の側方に突出した3個の爪片12とを備えている。
【0013】
キャップ本体11の内寸は、六角部51の外寸とほぼ等しくなるように形成されている。キャップ本体11の内寸と六角部51との間には若干の遊びがあってもよいが、キャップ本体11の内寸を六角部51の外寸と同じか、それよりも僅かに小さく形成して、キャップ本体11の側面に設けた切開部13を押し開きながら六角部51に嵌装するようにすると、キャップ本体11と六角部51との軸芯を精度良く一致させることができる。キャップ本体11の高さは、六角部51に対して安定的に挿装される範囲であれば特に限定されないが、木材等に形成される座ぐり穴70(図4参照)の深さと同じか、それよりもやや小さい寸法とするのが実用的である。
【0014】
爪片12は、例示の形態ではキャップ本体11を構成する6箇所の側面のうち互いに隣接しない3箇所の側面からそれぞれ突出し、キャップ本体11の軸芯に対して互いに120度の中心角をなすように配置されている。各爪片12は、キャップ本体11を構成する薄鋼板から延長された帯板状の部分を外方に折り返して形成されており、その先端部はキャップ本体11側に向かって折曲されている。この爪片12は薄鋼板自体のバネ弾性によって若干変形しうるようになっており、3個の爪片12の外接円の径が、木材等に形成される座ぐり穴70(図2中に二点鎖線で示した円)の径よりも若干大きくなるように形成されている。
【0015】
また、キャップ本体11の底縁部には、側方に張り出す安定片14が3箇所に設けられている。これらの安定片14は、キャップ本体11を構成する6箇所の側面のうち前記爪片12が設けられていない側面にそれぞれ配置されている。各安定片14は、フランジ付き六角ナット50のフランジ面52に沿うように若干傾斜して張り出しており、六角部51に挿装されたキャップ本体11がフランジ付き六角ナット50の六角部51に対して傾斜するのを防ぐ作用をなす。
【0016】
このような構成を有する共回り防止キャップ10をナットに挿装して、木材等に形成された座ぐり穴70に押し込むと、キャップ本体11の側方に突出した爪片12が弾性変形しながら、座ぐり穴70の内周面を外向きに押圧して突っ張る。図2から明らかなように、爪片12は等間隔で3個設けられているので、ナット及びキャップ本体11の軸芯は座ぐり穴70の軸芯に対してよく一致する。さらに、座ぐり穴70の内周面に対して、ちょうど爪片12の側縁が食い込むように引っ掛かるので、簡素な構造でありながら、極めて効果的に座ぐり穴70内での回転を拘束することができる。
【0017】
したがって、例えば前記図4に示したような部位においても、ナット5にこの共回り防止キャップ10を挿装して柱3の座ぐり穴70に予め押し込んでおけば、レンチ等でナット5を押さえずとも、ボルト6のみを回して締結することができる。また、ナット5が座ぐり穴70から脱落するのも防止される。ボルト6側を固定してナット5を回す場合には、この共回り防止キャップ10をボルト6の頭部に挿装する。
【0019】
【発明の効果】
本発明の共回り防止キャップをボルト・ナットのいずれか一方に挿装して座ぐり穴に嵌め込むことにより、当該一方のボルトまたはナットが螺合時に共回りするのを防ぐことができる。これにより、レンチ等の工具類が使用しにくい部位においても、ボルト・ナットの締結作業を確実かつ効率的に実施することができる。
【0020】
そして、ボルト・ナットの締結部位における片締めが可能となることにより、工具類の使用スペースを考慮した納まりを意識せずに済むので、納まりや部材設計の自由度も増大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態にかかる共回り防止キャップと、その使用例を示す斜視図である。
【図2】 前記共回り防止キャップをフランジ付き六角ナットに挿装した状態の上面図である。
【図3】 前記共回り防止キャップをフランジ付き六角ナットに挿装した状態の斜視図である。
【図4】 木材からなる部材の接合形態の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 共回り防止キャップ
11 キャップ本体
12 爪片
14 安定片
5 ナット
50 フランジ付きナット
52 フランジ面
6 ボルト
70 座ぐり穴
Claims (2)
- ナットまたはボルトの頭部に挿装される六角筒状のキャップ本体と、このキャップ本体の6箇所の側面のうち互いに隣接しない3箇所の側面からそれぞれ側方に突出する3個の爪片とを備え、前記爪片が当該ナットまたはボルトを取り付けるために形成された座ぐり穴に嵌め込まれて、座ぐり穴の内周面に対し弾性的に掛止するように形成されたことを特徴とする共回り防止キャップ。
- キャップ本体の底縁部から側方に張り出す安定片を備え、この安定片がフランジ付きナットのフランジ面に沿うように形成されたことを特徴とする請求項1に記載の共回り防止キャップ。
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