JP3710750B2 - 廃棄物熱分解ガスの再燃焼炉とその制御方法 - Google Patents

廃棄物熱分解ガスの再燃焼炉とその制御方法 Download PDF

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【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明は、一般廃棄物(家庭のごみ)や産業廃棄物(工場のごみ)や廃油・廃液などの可燃性廃棄物をガス化溶融炉にて酸素を吹き込んで燃焼させるときに炉内で発生する、炭化水素、有機物、油蒸気並びにダストおよび塩化水素などの腐食性ガスが含まれる可燃性熱分解ガスを前記ダストとともに完全燃焼するための廃棄物熱分解ガスの再燃焼炉に関するもので、水噴射式ガス冷却方式や直溶炉等で発生した熱分解ガスが保有する熱をボイラで回収する方式の再燃焼炉とその制御方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
1.基本事項:直溶炉(直接にごみをガス化すると共にダストを溶融するガス化溶融炉)のように廃棄物を焼却したり、間接加熱したりすると、廃棄物からガスが発生する。このガスは熱分解ガスと呼ばれ、可燃性である。一般に、このような熱分解ガスに空気を混合して燃焼させる炉を再燃焼炉と呼び、再燃焼炉で発生した高温の燃焼ガスに水を噴霧させて冷却する方式の炉が本発明の対象になるが、このような再燃焼炉が具備すべき基本機能は下記の通りである。すなわち、
機能▲1▼:ダストが、再燃焼炉内壁に付着・成長しないこと。
【0003】
機能▲2▼:再燃焼炉内で850℃以上のガスの滞留時間が、2秒間以上であること。
【0004】
機能▲3▼:熱分解ガス中に含まれる固形可燃物(例えば、チャー)が、完全に燃焼し尽くすこと(最終的に分離されるダスト中に可燃物を殆ど含まないこと)。
【0005】
機能▲4▼:再燃焼炉出口ガス中に含まれるCOとNOxの量が極力少ないこと。
【0006】
機能▲5▼:他設備を含めた全体の設備費が過大でないこと。
【0007】
機能▲6▼:廃棄物の質、例えば、廃棄物保有燃焼潜熱(低位発熱量、LHV)が大きく変動しても、上記▲1▼〜▲5▼の基本機能を常に発揮できること。
【0008】
しかしながら、従来技術にかかる再燃焼炉では、上記基本機能を全て満足し得ない。以下、典型的な従来技術を述べ、それらの技術では上記機能が満足されない理由等について具体的に説明する。
【0009】
2.従来技術(先行技術)
1)従来技術−A(単純耐火物張り内壁構造形再燃焼炉:図9参照)
本技術では熱分解ガスに空気を混入して燃焼させ、発生した燃焼ガスは再燃焼炉51から出てガス冷却室(図示せず)にて水が噴霧されて冷却される。本技術では、熱分解ガスは大きい発熱量を有しているため単に燃焼させると極めて高温(例えば、断熱理論温度2000℃)になり、下記の問題を引き起こす。なお、この種の技術は、例えば特開平8−121728号公報に記載されている。
【0010】
(1)多量のサーマルNOx(高温で燃焼させると多量の有害なNOxが発生し、このようなNOxをサーマルノックスと呼ぶ)を発生する。すなわち、上記基本機能▲4▼が満足されない。
【0011】
(2)ガス中に含まれるダストが溶融して再燃焼炉全域の内壁と出口部内壁に衝突して付着・成長して、やがてガス流れを阻害してプラントの連続操業を不可能にする。すなわち、上記基本機能▲1▼が満足されない。
【0012】
2)従来技術−B(水噴射式耐火物張り内壁構造形再燃焼炉:図10参照)
本技術では、燃焼ガス中に冷却水を直接噴霧して再燃焼炉61のガス温度を適正な低い温度(サーマルノックスを生じず、ダストの溶融・付着問題を生じない適切な温度、例えば、900℃)にコントロールできるため、上記Aのような欠点はない。また、廃棄物のLHVが変動しても、冷却水噴霧量を変えることにより再燃焼炉61内ガス温度を適正に保つことができる。しかし、本技術では重大な問題を有する。すなわち、熱分解ガスの保有発熱量が過大であるため多量の水を噴霧しなければならない。例えば、発熱量2000kcal/Nm3で2000Nm3/hの熱分解ガスを燃焼させて900℃まで冷却するには約3000kg/hの水を噴霧しなければならない。このような多量の水を炉内に吹込むと、噴霧水を燃焼ガスと均一に混合させることは不可能であることなどから、下記の問題を引き起こす。なお、この種の技術は、例えば特開平11−182827号公報に記載されている。
【0013】
(1)熱分解ガスは燃焼した後に冷却される。すなわち、燃焼が高温で行われるため、上述の従来技術−Aと同様、2つの問題がある。勿論、燃焼は瞬間的に行われるのではなく、火焔の中で行われるため、本技術での問題は従来技術−Aよりも多少軽減されるが、依然問題は残る。
【0014】
(2)多量の水を燃焼ガスと完全に混合することは不可能ゆえ、燃焼ガスと噴霧水の混合に不均一を生じる。すなわち、部分的に過冷却な箇所と冷却が不十分な箇所があり、最終的には、それらがさらに混合されて求める温度である約900℃となる。この結果、下記問題を引き起こす。
【0015】
多量の水を早急に燃焼ガスと混合するには、火焔中にも多量の水を噴霧しなければならない。火焔は未だ燃焼し尽くしていない可燃性ガスと可燃性ダストが存在し、それらが多量の水によって過冷却されるため、一部が未燃のまま下流側へ流れてしまう。また、ガスも過冷却されることから十分燃焼し尽くさず、例えば、大気公害上問題になるCOガスが多量に残る。さらに、可燃性ダストが残ることと過冷却されること等から有害なダイオキシンが合成されたり、分解されなかったりする不都合を生じる。
【0016】
(3)再燃焼炉は本来熱分解ガスを適正に燃焼し、燃焼後のガス中の未燃ダストを完全燃焼させると共に、燃焼ガス中に含まれるダイオキシンを分解させるために規定温度、例えば900℃で2秒間滞留させる役目を有する。しかし、本技術では不均一な冷却が行われるために、燃焼ガスの炉内滞留時間は2秒間より長い時間を確保する必要がある。このことは大きいサイズの再燃焼炉を必要とすることを意味し、設備費の増大を招く。
【0017】
3)従来技術−C(循環排ガス吹き込み式再燃焼炉:図11参照)
上述のように再燃焼炉を出たガスは冷却、除塵された後、排ガスとして大気に放散される。このような冷却・除塵後の排ガスを再燃焼炉71に吹込むのが本従来技術である。すなわち、本技術では、燃焼ガス中に温度の低い循環排ガスを吹き込み混合し、再燃焼炉71のガス温度を適正な低い温度にコントロールできるため、上記Aのような欠点はない。また、廃棄物のLHVが変動しても、吹き込む排ガス量を変えることにより再燃焼炉内ガス温度を適正に保つことができる。しかし、バーナーでの燃焼は高温で行われるために燃焼直後のガス温度が高温となり、上述の従来技術−Aと同様、2つの問題がある。勿論、本技術では燃焼後に循環排ガスで冷却されるために、仮にダストが溶融しても冷却されるので、内壁への付着は軽減される結果、本技術での問題は従来技術−Aよりも多少軽減されるが、依然問題は残る。
【0018】
さらに、本技術の欠点は排ガス流量が増大し、ガスを吹き込むことにより上述の基本機能▲5▼が満足されないことである。すなわち、燃焼ガス全体の流量が増大(例えば、ガス量が40%増加)するため、後流に位置するボイラ、集塵器(バグフィルター)、ガス中の有毒ガス処理装置およびガス誘引通風機の設備費が増大する欠点がある。なお、バーナー本体に排ガスを混入させて燃焼ガス温度を低下させることによってNOxを減ずる従来技術もあるが、排ガス流量が増大する欠点は依然として残る。この種の技術は、例えば特開平7−293844号公報に記載されている。
4)従来技術−D(旋回溶融炉:図12参照)
本技術では、再燃焼炉81内で多量の空気を吹き込み一気に完全燃焼させ、燃焼ガス温度を高温(例えば1600℃)にしてガス中に含まれるダストや他の場所で発生した灰を溶融し、底部からスラグとして取り出す方式である。この方式では、多量のサーマルNOxが発生し、且つ溶融スラグにより壁の耐火物が損耗するか、または壁用の耐火物として極めて高価な高級耐火材を使用することが必要である。さらに、処理する廃棄物量が少ないか、または廃棄物(このLHVが変動するのは極く普通)のLHVが小さい場合は、再燃焼炉81へ入る熱量が不足(燃焼ガス温度をダストが溶融する温度以上にするには熱量が不足)するため、外部から余分の燃料(LPGや重油)を吹き込まねばならない欠点を有する。さらにまた、スラグが再燃焼炉内壁面やスラグ排出口に付着しないように適正に運転する必要があり、運転が非常に複雑になる。以上の結果、本従来技術は上述の再燃焼炉が保有すべき基本機能▲4▼および▲5▼を満足しない。
【0019】
本発明は上述のような各従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、水噴射式ガス冷却方式の再燃焼炉において、噴霧された水が極めて均一に燃焼ガス中に混合されて燃焼ガス温度が的確に下がり、NOxの発生やダストの溶融・付着を防止できるだけではなく、排ガス中のダイオキシン量の削減、排ガス量の増大防止などを図れる炉の構造とその制御方法を提供することである。
【0020】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために本発明の請求項1に係る廃棄物熱分解ガスの再燃焼炉は、a)一般廃棄物や産業廃棄物や廃油・廃液などの可燃性廃棄物を酸素吹き込みにより部分燃焼するか、または間接加熱すると共に酸素吹き込みにより部分燃焼するかのいずれかにより上記可燃性廃棄物が熱分解して発生する、炭化水素、有機物、油蒸気並びにダストおよび塩化水素などの腐食性ガスが含まれる可燃性熱分解ガスを前記ダストとともに完全燃焼させるための廃棄物熱分解ガスの再燃焼炉であって、b)前記再燃焼炉頂部の中心部に熱分解ガスの導入口を備え、この導入口の周囲に複数の燃焼用空気吹き込み口を周方向に設けて再燃焼領域を構成し、c)前記各空気吹き込み口を前記熱分解ガスの導入口から導入されたガス流れを中心として旋回流が発生するように傾斜させるか又はねじるとともに、d)前記各空気吹き込み口を取り囲むように円筒状空気ヘッダーを設け、この空気ヘッダー内に前記各空気吹き込み口に臨ませて冷却水を前記空気とともに炉内の前記再燃焼領域に噴霧する複数の冷却水噴霧ノズルを周方向に備えた冷却水ヘッダーを設けたことを特徴としている。
【0021】
上記の構成を有する廃棄物熱分解ガスの再燃焼炉によれば、炉頂部の導入口から流入する熱分解ガスに対し周囲から燃焼用空気が吹き込まれることにより、熱分解ガスに空気が混合されて熱分解ガスが再燃焼される。このとき多量の空気が混合されると、再燃焼ガスの温度が一気に上昇し、たとえば1600℃以上の高温になると、サーマルNOxが発生するとともに、熱分解ガス中に含まれるダストが溶融され炉壁に付着・成長するおそれがあるが、空気とともに冷却水が噴霧状になって熱分解ガス中に混合されるので、再燃焼ガスの温度が低下してNOxの発生やダストの溶融・付着が抑えられる。また、空気とともに冷却水が噴霧状になって再燃焼ガス中に吹き込まれるので、均一に混合され全体的に温度が低下する。つまり、本発明の再燃焼炉は燃焼ガスに水を噴霧して冷却するだけではなく、再燃焼バーナーの内部でも水を噴霧して冷却するので、噴霧された水が極めて均一に燃焼ガス中に混合され、燃焼ガス温度が下がりNOxの発生やダストの溶融・付着が防止できるだけではなく、排ガス中のダイオキシン量の削減、排ガス量の増大防止などの長所を有する。
【0023】
また、請求項1記載の再燃焼炉によれば、空気ヘッダー内の冷却水ヘッダーから噴射される冷却水が噴霧状になって空気と均一に混合され、複数の空気吹き込み口から空気とともに冷却水が炉内に吹き込まれる。このとき、炉内に流入する熱分解ガスの周囲で空気と冷却水が旋回流を発生するので、空気と冷却水とが熱分解ガス中に十分にかつ均一に混合され、再燃焼ガスの温度が均一に低下する。
【0024】
請求項記載のように、熱分解ガスの前記導入口の中心軸部に、冷却水噴霧管をその下端のノズルを炉内中心部に向けて設けることができる。
【0025】
請求項記載の再燃焼炉によれば、上記したように熱分解ガスの周囲から空気とともに噴霧状の冷却水を吹き込むだけでは、再燃焼ガスの温度を十分に下げることができない場合に、熱分解ガスの中心部に冷却水を噴霧状にして吹き込むことによって所定の温度まで再燃焼ガス温度を低下できる。
【0026】
請求項記載のように、前記再燃焼炉の上部に複数の冷却水噴霧管を周方向に間隔をあけ、且つ先端の噴射ノズルを再燃焼時に発生する火焔の長さ(上流・下流方向間距離)の1/2よりも先端方向寄りに冷却水が吹き込まれるように炉内の中心軸線に向けて斜め下流側に傾斜させて設けることができる。
【0027】
実際は再燃焼バーナーの熱分解ガス導入口直後で総ての熱分解ガスが瞬間的に燃焼するのではなく、火焔部全体で均一に燃焼するから、火焔に吹き込む水の吹き込み点は火焔長さの少なくとも1/2より先端方向に吹込まなければ、未燃焼部を残すおそれがあるが、本請求項の再燃焼炉によれば、未燃焼部を残すことなく、水噴霧して燃焼ガスの温度を下げることができる。
【0028】
請求項記載のように、前記再燃焼炉頂部の再燃焼領域下流方向の炉形状を、上流に向けて口径が漸次縮小する円錐台形あるいは円筒形(保炎筒形)の上端に上流方向に口径が漸次縮小する円錐台形を一体化した形状にすることが好ましい。
【0029】
請求項記載の再燃焼炉によれば、再燃焼バーナーの熱分解ガス再燃焼時の火焔が周囲の炉壁で取り囲まれ、火焔の拡がりが防止されるので、火焔が安定し、燃焼状態が良好になる。
【0030】
請求項記載のように、前記再燃焼炉頂部における熱分解ガスの導入口の中心部に、空気吹き込み管をその下端の吹き込み口を炉内に向けて設けることができる。
【0031】
冷却水の噴射だけでは燃焼ガスの温度を適切に下げられない場合があり、その場合にはやや多くの空気を吹き込む必要がある。しかし、多量の空気を熱分解ガスの周囲から吹き込むと熱分解ガスと空気の混合が悪化し、良好な燃焼が得られず、吹き消えるおそれがあるが、請求項記載の再燃焼炉によれば、再燃焼バーナー部の中心部にも空気吹き込み管を設けているので、その下端の吹き込み口から吹き込まれる空気とその周辺の空気吹き込みノズルから吹き込まれる空気との内外からの多量の空気が分解ガスに対して良好に混合される。
【0032】
請求項記載のように、冷却水供給管と燃料供給管とを切換バルブを介して前記冷却水噴霧管に接続することができる。
【0033】
請求項記載の再燃焼炉によれば、再燃焼バーナー内の熱分解ガス吹込用中心部の冷却水噴射管の下端のノズルから、熱分解ガスがその周囲から吹き込まれる空気と混合されて燃焼する直前に熱分解ガス中に冷却水が吹込まれる。もちろん、上記請求項2の再燃焼炉と同様に、空気ヘッダーの複数の空気吹き込みノズルから空気が炉内に吹込まれ、熱分解ガスと良好に混合されて燃焼する。しかも、冷却水噴射管の切換バルブを切り換えることによって、スタートアップ時の再燃焼炉のウォーミングアップ予熱時に燃料供給管からLPGや重油などの助燃料を吹込んで予熱することもできる。
【0034】
請求項記載のように、前記冷却水噴霧管あるいは前記空気吹き込み管を金属製管で製作し、その外壁面をリフラクトリ耐火物(キャスタブル耐火物あるいは磁器製セラミックス)で被覆することができる。
【0035】
請求項記載の再燃焼炉によれば、熱分解ガスの温度が高い場合に熱分解ガス中に含まれる塩化水素ガスが冷却水噴霧管あるいは空気吹き込み管の金属部分を腐食するおそれがあるが、リフラクトリ耐火物(キャスタブル耐火物あるいは磁器製セラミックス)で被覆しているので、そのようなおそれがない。
【0036】
請求項に記載のように、 前記冷却水の一部に、ごみピット内で生じたり給塵器で圧縮され塵芥物から分離されたりした汚水等を使用することができる。
【0037】
請求項記載の再燃焼炉によれば、処理の困難な汚水等を燃焼ガス中に吹き込むことにより燃焼処理できる。
【0038】
請求項記載の再燃焼炉の制御方法は、前記再燃焼炉内の断熱理論燃焼火焔温度が1400〜1600℃になるように制御し、次いで火焔に対する冷却水噴霧により900℃近く(850℃以上)まで低下させ、かつ燃焼ガスの温度は局部的でも少なくとも500℃以上になるように制御することを特徴としている。
【0039】
請求項記載の再燃焼炉の制御方法によれば、再燃焼バーナー部で燃焼ガス導入口の周囲から水を噴霧することにより断熱理論燃焼火焔温度が1400〜1600℃になるように制御されサーマルNOxの大量発生とダストが瞬間的に溶融して炉壁面に付着するのを防ぎ、次いで火焔の先端部側に吹込まれる冷却水によりダイオキシンの分解が可能な900℃まで低下させるのである。熱分解ガスは、再燃焼バーナーの導入口直後で総てが瞬間的に燃焼するのではなく、火焔部全体で均一に燃焼するので、水噴霧して冷却される燃焼ガスの温度は理想的には均一であるべきだが、実際は不均一になる。しかし、不均一になるとしても部分的には少なくとも500℃以上でなければ、未燃ガスのCOが残るので、そのような未燃ガスCOが残らないように水噴射によるガス冷却を制御している。
【0040】
請求項10記載のように、前記再燃焼バーナーの制御を、吹き込み空気量を一定に保ったうえで、冷却の吹込み水量のみをコントロールすることによって炉内温度が一定になるように行うことができる。
【0041】
請求項10記載の再燃焼炉の制御方法によれば、再燃焼バーナー(再燃焼領域)の制御が冷却水の吹込み水量のコントロールのみによって行われる。すなわち、再燃焼炉内へ導入される熱分解ガスの量と成分は変動するが、その変動に対応するため炉内温度を普通は900℃前後で一定になるように吹込み水量だけを制御すればよい。一方、吹込み空気量はこの調節ループには含めず、一定流量(やや多くする)を確保しておく。
【0042】
【発明の実施の形態】
図8は廃棄物ガス化溶融炉および再燃焼炉を含む排ガス処理設備の一例を示す概略図である。
【0043】
図8に示すように、廃棄物焼却用のガス化溶融炉1は縦型シャフト炉からなるが、この炉の下端開口に一側方に溶融スラグの取出し口2aを開口した燃焼ガス吹込み炉2が一体に連設され、この燃焼ガス吹込み炉2に酸素含有燃料ガスを吹き込む複数の燃焼バーナー2bが内側に向けて配備されている。炉1の上部に廃棄物Aの投入口1cが設けられ、給塵機5で圧縮され脱水された廃棄物Aが投入される。ごみピット3からクレーン3aで投入ホッパー5aへ投入される。投入前に廃棄物Aが粉砕機4で粉砕され、投入ホッパー5aへ投入されたのち、磁選機7にて廃棄物A中の鉄材等が吸引除去され、それから給塵機5に投入される。なお、給塵機5内で廃棄物Aを圧縮し脱水される際に生じた汚水は、後述の再燃焼炉11内に噴霧して処理される。
【0044】
炉1内に投入された廃棄物Aは、順次乾燥および熱分解されたのち、燃焼・溶融されて廃棄物A中の不燃物が溶融スラグ滴になって溶出され、取出し口2aから排出される。この溶融スラグ滴は水砕槽6に投入され、冷却・固化されてスラグとして取り出される。炉1内で発生した熱分解ガスGが炉頂部に設けられた排気口1dから、排ガス処理設備10へ排出される。排ガス処理設備10は本発明の特徴部分である水噴射式ガス冷却方式の再燃焼炉11を備え、この再燃焼炉11の頂部に設けられた再燃焼バーナー(再燃焼領域)12部のガス導入口13にガス化溶融炉1の排気口1dから排気ダクト9を介して接続される。図8中の符号Dは、ガス化溶融炉1の下部の逆円錐台部に形成されるドーム状溶融帯(溶融ドーム)を示している。排ガス処理設備10は、図8に示すように、再燃焼炉11の下流(後流)側に、減温器41と集塵器(バグフィルタ)42と誘引送風機(IDF)44と煙突45とをこの順番に一連に接続して備え、集塵器42の入り口付近に消石灰の投入部43が設けられている。本例の廃棄物焼却処理設備は、廃棄物処理量が100トン/日以下の小規模な設備で、ボイラによる熱回収を行わないものである。一方、図示は省略するが、廃棄物処理量が100トン/日以上の大規模な設備の場合にはボイラによる熱回収を行う方が総合的に見て有利であり、再燃焼炉11の下流にボイラを接続し、再燃焼炉11における熱分解ガスの燃焼後の温度が1000℃前後になるように水噴射による燃焼ガスの冷却を調整する。
【0045】
(1)実施例−1
図1は本発明の実施例−1に係る再燃焼炉の一部である再燃焼バーナー部を拡大して示す断面図である。同図に示すように、再燃焼炉11は略円筒体状で内側に耐火物炉壁11bを備えており、その頂部11aは上端中心部の熱分解ガスの入り口(ガス導入口)13に向け、漸次上向きに口径を縮小した円錐台形に形成され、ガス導入口13の周囲に円環状の座板14が一体に形成されている。この座板14には周方向に間隔をあけて、複数の空気吹き込みノズル(空気吹き込み口)15aが旋回流を発生させるように傾斜して穿設されている。また、ノズル15aを取り囲むように円筒状の燃焼用空気ヘッダー15が座板14上に装着され、空気ヘッダー15に空気導入管15bが接続されている。さらに、空気ヘッダー15内には、各ノズル15aに臨ませて複数の冷却水噴霧ノズル16aを周方向に備えたリング状冷却水ヘッダー16が設けられ、この冷却水ヘッダー16に冷却水導入管16bが接続されている。なお、空気ヘッダー15の下端周囲には外向きのフランジ15cが一体に形成され、炉11の頂端周囲に一体に形成された外向きのフランジ11cに連結具15dにて連結されている。以上のようにして、炉11の頂部に再燃焼バーナー(再燃焼領域)12が構成される。
【0046】
動作の説明
廃棄物を加熱することによって発生する熱分解ガスGは、排気ダクト9より再燃焼バーナー12へ至る。再燃焼バーナー12の中心部の導入口13から熱分解ガスGが炉11内に吹き込まれる。熱分解ガス吹込み用中心部の周囲を囲み、空気ヘッダー15が設けられており、その空気ヘッダー15の複数の空気吹き込みノズル15aから空気Bが炉11内に吹き込まれる。このノズル15aの中心軸は熱分解ガスGの吹き込み方向とはややずれているため、炉11内に吹き込まれた空気Bの流れは旋回流となって熱分解ガスGと良好に混合されて燃焼する。上述のとおり、空気ヘッダー15内の冷却水噴霧ノズル16aから空気中に吹き込まれた冷却水Wは空気Bと共に熱分解ガスGと良好に混合され、熱分解ガスGが燃焼する際に蒸発して燃焼ガスを均一に冷却する。
【0047】
なお、図示を省略しているが、初期点火用および安全用(再燃焼バーナーの火焔が消えないよう常時点灯)パイロットバーナー、火焔検知器、冷却水流量制御装置および空気流量調整装置が炉11内の頂部11aに設けられている。
【0048】
本実施例の再燃焼バーナー12の制御は冷却水Wの吹き込み水量のコントロールによって行われる。すなわち、再燃焼炉11へ至る熱分解ガスGの量と成分は変動するので、その変動に対応するために炉内温度が900℃で一定になるように吹き込み水量だけを制御している。一方、吹き込み空気量はこの調節ループには含めずに一定流量(流量は通常やや多くする)を確保し、その流量は必要に応じて時々見直して調整される。
【0049】
なお、本実施例の再燃焼炉11は熱分解ガスGの発熱量が比較的大きくない(LHV=1500kcal/Nm3以下)熱分解ガスGを導入する炉を対象とするものであり、したがって冷却水を再燃焼バーナー12内で吹き込むだけで対応できる。
【0050】
(1a)実施例−1a
図2は本発明の実施例−1aに係る再燃焼炉の一部である再燃焼バーナー部を拡大して示す断面図である。同図に示すように、本例の再燃焼炉11−1aでは上記した再燃焼炉11の頂部に設けられた再燃焼領域12に続いて、第2の再燃焼領域12−1をその上方に設けている。この再燃焼領域12aは生成熱分解ガスGの導入口13(図示せず)が下方にあって、再燃焼領域12aにおける炉11の形状は上方に向けて内径を漸次拡大した円錐台形とされ、導入口上方の再燃焼領域12−1の周囲には、空気ヘッダー15が設けられており、その空気ヘッダー15の複数の空気吹き込みノズル15aは旋回流を発生させるように偏向しており、各ノズル15aから空気Bが炉11内に吹き込まれ、旋回流を生じさせる。また空気ヘッダー15の上方には、複数の冷却水噴霧ノズル16aを周方向に間隔をあけて備えた冷却水ヘッダー16が設けられ、空気Bとともに冷却水Wが炉11の中心部に向けて噴霧される。
【0051】
その他の構成については共通しているので、共通する部材については同一の符号を用いて図2に示し、説明を省略する。なお、本例の再燃焼炉11−1aの動作については熱分解ガスが上向きに流れるか、下向きに流れるかが相違するだけで、基本的な動作については共通する。
【0052】
(1b)実施例−1b
図3(a)・(b)は本発明の実施例−1bに係る再燃焼炉の一部である再燃焼バーナー部を拡大して示す横断面図・縦断面図である。同図に示すように、本例の再燃焼炉11−1bは少なくとも炉頂部が円筒体に形成され、熱分解ガスGの導入口13がその一端部に設けられ、図3(a)のように、熱分解ガスGが炉11−1bの断面円筒形の接線方向に導入されて旋回流を生じる。導入口13の両側に空気吹き込みノズル15aが設けられ、又冷却水噴射のずる16aも設けられている。
【0053】
その他の構成については共通しているので、共通する部材については同一の符号を用いて図3に示し、説明を省略する。なお、本例の再燃焼炉11−1bの動作については、燃焼温度が高温(1200℃以上)にならない限りダスト等が炉壁に付着しないから、熱分解ガスを旋回させることによって燃焼を促進するものである。その他の基本的な動作については上記実施例と共通するので、説明を省略する。
【0054】
(2)実施例−2
図4は本発明の実施例−2に係る再燃焼炉の一部である再燃焼バーナー部を拡大して示す断面図である。同図に示すように、本例の再燃焼炉11−2は熱分解ガスGの導入口13の中心部に、冷却水噴霧管17をその下端のノズル17aを炉11内に向けて設けたことが上記の再燃焼炉11と相違している。また、冷却水噴霧管17は冷却水だけでなく、ウォーミングアップ時に燃料を炉11内に噴霧できるように、冷却水供給管18と燃料供給管19とが切換バルブ20を介して接続されている。さらに、冷却水噴霧管17の外周面はリフラクトリ耐火物あるいは磁器製セラミックスで被覆されている。その他の構成については共通しているので、共通する部材については同一の符号を用いて図4に示し、説明を省略する。
【0055】
動作と説明
本例の再燃焼炉11−2では、再燃焼バーナー12内の熱分解ガスG吹込用中心部の冷却水噴射管17のノズル17aから、熱分解ガスGが空気Bと混合されて燃焼する直前に熱分解ガスG中に冷却水Wが吹き込まれる。もちろん、上記実施例の再燃焼炉11と同様に、空気ヘッダー15の複数の空気吹き込みノズル15aから空気Bが炉11−2内に吹込まれ、吹き込まれた空気Bは旋回しながら熱分解ガスGと良好に混合されて燃焼する。また、空気ヘッダー15内の冷却水噴霧ノズル16aからヘッダー15内の空気中に吹き込まれた冷却水Wは空気Aと共に熱分解ガスGと良好に混合され、熱分解ガスGが燃焼する際に蒸発し燃焼ガスを均一に冷却する。
【0056】
また、この冷却水噴射管17の切換バルブ20を切り換えることによって、スタートアップ時の再燃焼炉のウォーミングアップ予熱時に燃料供給管19から油などの燃料を吹き込み予熱(通常は炉内温度が500℃程度に上昇するまで)し、定常運転時には再び切換バルブ20を切り換えて冷却水供給管18から冷却水を吹き込む。なお、熱分解ガスGの温度が高い場合に熱分解ガスG中に含まれる塩化水素ガスが冷却水噴霧管17を腐食するおそれがあるが、本例の場合にはリフラクトリ耐火物あるいは磁器製セラミックスで被覆しているので、そのようなおそれがない。
【0057】
本例の再燃焼炉11−2は、熱分解ガスGの温度が高い(500℃以上)場合に適用可能である。もし、熱分解ガスGの温度が400℃以下の場合は再燃焼バーナー12内で熱分解ガスGが冷え過ぎる結果、熱分解ガスG中からタール分が凝縮し、含有ダストと共に再燃焼バーナー12内に付着堆積をもたらし、バーナー不調の原因を引き起こすことがあるからである。
【0058】
(3)実施例−3
図5は本発明の実施例−3に係る再燃焼炉の一部である再燃焼バーナー部を拡大して示す断面図である。同図に示すように、本例の再燃焼炉11−3は、耐火物炉壁11bの円筒部上端に複数の冷却水噴霧管21を周方向に間隔をあけ、且つ下端の噴射ノズル21aを炉11−3内の中心軸線に向けて斜め下方に傾斜させて設けている。これらの噴射ノズル21aから噴射される冷却水が、再燃焼火焔Fの長さ(上下方向間距離:本例では1.5m)の1/2よりも先端(下端)方向寄りに吹き込まれるように、冷却水噴霧管21の長さおよび傾斜角度が設定されている。その他の構成については共通しているので、共通する部材については同一の符号を用いて図5に示し、説明を省略する。
【0059】
動作と説明
本例の再燃焼炉11−3では、実施例−1の再燃焼炉11における冷却水噴射に加えて、再燃焼火焔Fの下部1/2より先端部へ向かって水噴射が行われる。再燃焼炉11の場合、ガス組成によっては再燃焼バーナー12内に水を吹き込んで燃焼ガス温度を900℃まで下げると、火焔Fが安定せず消えることがあるという問題があるので、この問題を解決したのが本例である。
【0060】
本例の再燃焼炉11−3では、再燃焼バーナー12部で水噴射ノズル16aから水を噴霧することにより断熱理論燃焼火焔温度が1400〜1600℃になるように制御し、次いで冷却水噴霧管21のノズル21aより火焔Fに吹込む冷却水により900℃まで低下させる。実際はバーナー12の出口直後で総ての熱分解ガスGが瞬間的に燃焼するのではなく、火焔F部全体で均一に燃焼する。したがって、火焔Fに吹き込む水の吹き込み点は火焔長さ(通常、1.5m位)の少なくとも1/2より先端方向に吹込まなければ未燃焼部を残すおそれがある。また、水噴霧して冷却される燃焼ガスの温度は理想的には均一であるべきだが、実際は不均一になる。しかし、不均一になるとしても部分的には少なくとも500℃以上でなければ、未燃ガスCOが残る。そのためには、上述のように吹き込み点に注意するだけではなく、できるだけ多くのポイントから細かい水滴で吹き込むのが望ましい。
【0061】
(4)実施例−4
図6は本発明の実施例−4に係る再燃焼炉の一部である再燃焼バーナー部を拡大して示す断面図である。同図に示すように、本例の再燃焼炉11−4は、熱分解ガスGの導入口13の中心部に、空気吹き込み管22をその下端の吹き込み口22aを炉11−4内に向けて設けたことが上記の再燃焼炉11と相違している。また、金属製の空気吹き込み管22の外壁面はキャスタブル耐火物あるいは磁器製セラミックスで被覆されている。なお、図示は省略するが、空気吹き込み管22の下端の吹き込み口22aに旋回羽根を装着することによって、吹き込まれる空気を旋回させて熱分解ガスGとの混合を良好にすることもできる。その他の構成については共通しているので、共通する部材については同一の符号を用いて図6に示し、説明を省略する。
【0062】
動作と説明
冷却水の噴射だけでは燃焼ガスの温度を適切に下げられない場合があり、その場合はやや多くの空気を吹き込む必要がある。しかし、多量の空気を吹き込むと熱分解ガスGと空気Aの混合が悪化して、良好な燃焼が得られない(吹き消える)。この問題を解決したのが本実施例であり、実施例−1の再燃焼炉11に比べると本例の再燃焼炉11−4では再燃焼バーナー12部の中心部にも空気吹き込み管22を設けているので、その下端の吹き込み口22aから吹き込まれる空気とその周辺の空気吹き込みノズル15aからとの内外の空気によって熱分解ガスGには良好に混合される。また、実施例−3の再燃焼炉11−3と同じように燃焼後の火焔Fにも冷却水噴霧管21のノズル21aより水が噴霧される。
【0063】
(5)実施例−5
図7は本発明の実施例−5に係る再燃焼炉の一部である再燃焼バーナー部を拡大して示す断面図である。同図に示すように、本例の再燃焼炉11−5は熱分解ガスGの導入口13の中心部に、空気吹き込み管を兼ねた昇温バーナー管23をその下端の吹き込み口23aを炉11内に向けて設けたことが上記の再燃焼炉11と相違している。また、昇温バーナー管23には制御バルブ24aを介して燃料供給管24が接続されると共に、制御バルブ25aを介して空気供給管25を接続している。このため、スタートアップ時には昇温バーナー23として吹き込み口23aから燃料を吹き込むだけでなく、十分昇温したのちには空気の吹き込みもできる。さらに、昇温バーナー管23の外壁周面はキャスタブル耐火物あるいは磁器製セラミックスで被覆されている。その他の構成については共通しているので、共通する部材については同一の符号を用いて図7に示し、説明を省略する。
【0064】
動作と説明
再燃焼炉11−5を常温状態からスタートアップするのに、先ず重油やLPGなどの助燃料を昇温バーナー管23から炉11−5内に吹き込んで燃焼させて徐々に昇温しなければならない。すなわち、炉内温度が約500℃になった後、熱分解ガスGの再燃焼が可能になる。この昇温のためには、通常は再燃焼バーナー12とは別置の昇温バーナー23を設ける(実施例1〜4には昇温バーナーを図示していない)が、本例では昇温バーナー23と再燃焼バーナー12を合体させている。つまり、昇温時には空気供給管25の制御バルブ25aを閉じて、他方燃料供給管24の制御バルブ24aを開ける。そして、十分に昇温した後、熱分解ガスGの再燃焼を行う状態で燃料供給管24の制御バルブ24aを閉じ、空気供給管25の制御バルブ25aを開いて空気を炉1−5内に吹き込み、熱分解ガスGに混合させて再燃焼する。再燃焼状態では、上記した実施例3の再燃焼炉11−3と共通の動作をさせる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したことから明らかなように、本発明に係る熱分解ガスの再燃焼炉には、次のような優れた効果がある。
【0066】
1.ダストが再燃焼炉内壁に付着・成長しない。
【0067】
2.廃棄物の成分や廃物処理量が変動しても常に再燃焼炉内で850℃以上のガスの滞留時間が2秒間以上確保できる。この結果、ダイオキシンが分解すると共に、熱分解ガス中に含まれる固形可燃物(例えばチャー)が完全に燃焼し尽くす(最終的に分離されるダスト中に可燃物を殆ど含まない)。
【0068】
3.再燃焼炉出口ガス中に含まれるCOとNOxの量が非常に少ない。
【0069】
4.後流側の集じん器や誘引通風機などの他設備を含めた全体の設備費が安価である。
【0070】
5.廃棄物の質や廃棄物処理量が変動しても上記1〜4の効果を達成できる。
【0071】
6.噴霧された水が極めて均一に燃焼ガス中に混合されるために、燃焼ガス温度が下がりNOxの発生やダストの溶融・付着が防止出来るだけではなく、排ガス中のダイオキシン量の削減、排ガス量の増大防止等々の長所を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例−1に係る再燃焼炉の一部である再燃焼バーナー部を拡大して示す断面図である。
【図2】本発明の実施例−1に係る再燃焼炉の一部である再燃焼バーナー部を拡大して示す断面図である。
【図3】本発明の実施例−1に係る再燃焼炉の一部である再燃焼バーナー部を拡大して示す断面図である。
【図4】本発明の実施例−2に係る再燃焼炉の一部である再燃焼バーナー部を拡大して示す断面図である。
【図5】本発明の実施例−3に係る再燃焼炉の一部である再燃焼バーナー部を拡大して示す断面図である。
【図6】本発明の実施例−4に係る再燃焼炉の一部である再燃焼バーナー部を拡大して示す断面図である。
【図7】本発明の実施例−5に係る再燃焼炉の一部である再燃焼バーナー部を拡大して示す断面図である。
【図8】廃棄物ガス化溶融炉および再燃焼炉を含む排ガス処理設備の一例を示す概略図である。
【図9】従来技術−Aに係る単純耐火物張り内壁構造形再燃焼炉の概要を示す断面図である。
【図10】従来技術−Bに係る水噴射式耐火物張り内壁構造形再燃焼炉の概要を示す断面図である。
【図11】従来技術−Cに係る循環排ガス吹き込み式再燃焼炉の概要を示す断面図である。
【図12】従来技術−Dに係る旋回溶融炉の概要を示す断面図である。
【符号の説明】

11・11-1a・11-1b・11-2・11-3・11-4・11-5 再燃焼炉
11a頂部
11b耐火物炉壁
12 再燃焼バーナー(再燃焼領域)
13 熱分解ガスの入り口(ガス導入口)
14 座板
15 燃焼用空気ヘッダー
15a空気吹き込みノズル(空気吹き込み口)
16 リング状冷却水ヘッダー(水噴霧装置)
16a冷却水噴霧ノズル
17 冷却水噴霧管
17aノズル
18 冷却水供給管
19 燃料供給管
20 切換バルブ
21 冷却水噴霧管
21a噴射ノズル
22 空気吹き込み管
22a吹き込み口
23 空気吹き込み管兼用昇温バーナー管
23a吹き込み口
24 燃料供給管
24a・25a制御バルブ
25 空気供給管

Claims (10)

  1. 一般廃棄物や産業廃棄物や廃油・廃液などの可燃性廃棄物を酸素吹き込みにより部分燃焼するか、または間接加熱すると共に酸素吹き込みにより部分燃焼するかのいずれかにより上記可燃性廃棄物が熱分解して発生する、炭化水素、有機物、油蒸気並びにダストおよび塩化水素などの腐食性ガスが含まれる可燃性熱分解ガスを前記ダストとともに完全燃焼させるための廃棄物熱分解ガスの再燃焼炉であって、
    前記再燃焼炉頂部の中心部に熱分解ガスの導入口を備え、この導入口の周囲に複数の燃焼用空気吹き込み口を周方向に設けて再燃焼領域を構成し、
    前記各空気吹き込み口を前記熱分解ガスの導入口から導入されたガス流れを中心として旋回流が発生するように傾斜させるか又はねじるとともに、
    前記各空気吹き込み口を取り囲むように円筒状空気ヘッダーを設け、この空気ヘッダー内に前記各空気吹き込み口に臨ませて冷却水を前記空気とともに炉内の前記再燃焼領域に噴霧する複数の冷却水噴霧ノズルを周方向に備えた冷却水ヘッダーを設けたこと
    を特徴とする廃棄物熱分解ガスの再燃焼炉。
  2. 熱分解ガスの前記導入口の中心軸部に、冷却水噴霧管をその下端のノズルを炉内中心部に向けて設けたこと
    を特徴とする請求項1記載の廃棄物熱分解ガスの再燃焼炉。
  3. 前記再燃焼炉の上部に複数の冷却水噴霧管を周方向に間隔をあけ、且つ先端の噴射ノズルを再燃焼時に発生する火焔の長さ(上流・下流方向間距離)の1/2よりも先端方向寄りに冷却水が吹き込まれるように炉内の中心軸線に向けて斜め下流側に傾斜させて設けたこと
    を特徴とする請求項1又は2記載の廃棄物熱分解ガスの再燃焼炉。
  4. 前記再燃焼炉頂部の再燃焼領域下流方向の炉形状を、上流に向けて口径が漸次縮小する円錐台形あるいは円筒形の上端に上流方向に口径が漸次縮小する円錐台形を一体化した形状にしたこと
    を特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の廃棄物熱分解ガスの再燃焼炉。
  5. 前記再燃焼炉頂部における熱分解ガスの導入口の中心部に、空気吹き込み管をその下端の吹き込み口を炉内に向けて設けたこと
    を特徴とする請求項記載の廃棄物熱分解ガスの再燃焼炉。
  6. 冷却水供給管と燃料供給管とを切換バルブを介して前記冷却水噴霧管に接続したこと
    を特徴とする請求項記載の廃棄物熱分解ガスの再燃焼炉。
  7. 前記冷却水噴霧管あるいは前記空気吹き込み管を金属製管で製作し、その外壁面をリフラクトリ耐火物、キャスタブル耐火物あるいは磁器製セラミックスで被覆したこと
    を特徴とする請求項2、3,5又は6記載の廃棄物熱分解ガスの再燃焼炉。
  8. 前記冷却水の一部に、ごみピット内で生じたり給塵器で圧縮され塵芥物から分離されたりした汚水等を使用すること
    を特徴とする請求項1〜7のいずれか記載の廃棄物熱分解ガスの再燃焼炉。
  9. 前記再燃焼炉内の断熱理論燃焼火焔温度が1400〜1600℃になるように制御し、次いで火焔に対する冷却水噴霧により900℃近く(850℃以上)まで低下させるが、燃焼ガスの温度は局部的でも少なくとも500℃以上になるように制御すること
    を特徴とする請求項1〜8のいずれか記載の廃棄物熱分解ガスの再燃焼炉の制御方法。
  10. 前記再燃焼領域の制御を、吹き込み空気量を一定に保ったうえで、冷却用吹込み水量のみのコントロールによって炉内温度が一定になるように行うこと
    を特徴とする請求項1〜9のいずれか記載の廃棄物熱分解ガスの再燃焼炉の制御方法。
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