JP3709271B2 - いなり寿司製造機のいなり寿司仕上げ成形機構 - Google Patents

いなり寿司製造機のいなり寿司仕上げ成形機構 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、いなり寿司を機械的に連続して製造するための自動化されたいなり寿司製造機のいなり寿司仕上げ成形機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のいなり寿司製造機は、間欠搬送機構によって間欠搬送され、所定位置に停止された油揚の切口部を、上下一対の掴持用爪を有する油揚開口機構によって開口し、供給機構から供給される、所定形状、大きさに成形されて寿司飯を、その充填機構によって開口部から油揚内部へ押し込み充填し、いなり寿司を製造するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来のいなり寿司製造機によって製造されるいなり寿司は、油揚の前端開口部が開いたままの半成形品であるから、開口部の油揚余端を内側へ折り込んで仕上げを行なっている。
従来、上記仕上げは、作業員が手作業で行なっているため、作業が煩雑である上、手間と時間がかかって効率が悪く、また、いなり寿司製造機そのものも完全に自動化されてなく、半自動であるから、仕上げ用の作業員が不可欠であり、ために費用が嵩んで製造コストがアップする等の問題がある。
【0004】
【目的】
本発明は、上記従来の技術の有するこのような問題点に鑑みてなされたもので、いなり寿司製造機の次工程として装備することで、開口部の油揚余端の折り込み及びいなり寿司前端部の仕上げ成形を機械化によって効率良く、かつ形状的に形良く行なうことができると共に、いなり寿司の製造コストの低減化をも図り得るようにしたいなり寿司製造機のいなり寿司仕上げ成形機構を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のいなり寿司製造機のいなり寿司仕上げ成形機構は、載置した油揚を、一定間隔をおいて一定方向へ間欠的に搬送する間欠搬送機構の一側に配置したいなり寿司製造機構によって油揚内部へ寿司飯を充填してなる半成形いなり寿司の間欠搬送される方向へ順次配置した第1折り込み機構と、第2折り込み機構とを備え、前記第2折り込み機構は、前記第1折り込み機構により、前記半成形いなり寿司における前端開口部の上部油揚余端を下部内側へ折り込んで成形したいなり寿司の上部前端を下方へ圧縮自在となるよう、上下動自在な成形型と、前後方向へスライド自在にして、かつ先端にて、前記いなり寿司前端の既折り込み油揚の端末を、下部油揚と寿司飯との間へ押し込んで折り込むスライド板と、前記成形型の上下駆動機構と、前記スライド板の前後駆動機構とからなることを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るいなり寿司製造機のいなり寿司仕上げ成形機構の実施形態につき図面を参照して説明する。
図1は本発明機構の一部断面した側面図を示し、図2は本発明機構を装備したいなり寿司製造機の一部切欠した平面図を示し、図3は本発明機構のいなり寿司仕上げ成形状態の断面図を示し、図4は第1折り込み機構の側面図を示し、図5は第1折り込み機構の油揚余端折り込み状態の側面図を示す。
【0007】
図2に示したように、フレーム1の上面には、半截された油揚2を一定の間隔をおいて矢印イが示す一定方向へ間欠的に搬送するための間欠搬送機構3を水平に配置してある。
【0008】
上記間欠搬送機構3は図2に示したように、複数の搬送コマ4・・・を互いに枢着により無端状に連結し、駆動スプロケット5と図示しない従動スプロケットに巻き掛けして形成され、図示しないモータ等の駆動源によって間欠的に回転される。
【0009】
上記各搬送コマ4・・・の上面には、図1ないし図5に示したように、油揚載置用凹部6を形成してあり、該凹部6の底壁外側部には、後述する油揚開口機構の下部掴持用爪の挿通用孔7を上下方向へ貫通して形成してある。
【0010】
図2に示したように、上記間欠搬送機構3の一側には、その間欠回転方向へ順に、いなり寿司製造機構Aと、第1折り込み機構Bと、第2折り込み機構Cを各配置してある。
【0011】
上記いなり寿司製造機構Aは、油揚開口機構8と、図示しない寿司飯充填機構と、これらの図示しない駆動機構とで構成されている。
上記油揚開口機構8は、油揚2の切口上下を掴持して開口する上下一対の掴持用爪8a、8aを備えて構成されている。
【0012】
上記いなり寿司製造機構Aによると、上記油揚開口機構8の上下一対の掴持用爪8a、8aにより油揚げ2の切口上下を掴持して上下方向へ対称に引張ることで図4に示したように開口し、所定の形状、大きさに成形された寿司飯9を、図示しない寿司飯充填機構によって開口部10から油揚2内部へ押し込み充填し、図4に示した如く、前端の開口部10が開いたままの状態の半成形いなり寿司aを製造する。
【0013】
上記第1折り込み機構Bは、図2及び図4並びに図5に示したように、フレーム1上面に基端をボルト11、11等にて固定して立設した支持アーム12の先端水平部に上端をビス止等にて固定して下方へ垂設した支持板13と、上端を支持板13の上部一側の側板14に支軸15にて軸支し、上記支持板13と一定の間隔をおいて上下方向へ回動自在に設けられている成形用板16と、該成形用板16と、上記支持板13の各上端間に張設し、成形用板16に上方への回動力を付勢しているバネ17と、このバネ力に抗して成形用板16を、図4に示した上昇位置から図5に示した略垂直状態に押し下げ回動する上下動自在な上下駆動機構18とで構成されている。
【0014】
上記成形用板16は図4及び図5に明示した如く、下部内側に、半成形いなり寿司aにおける前端開口部10の上部油揚余端2aを下部内側へ折り込むと同時に、半成形いなり寿司aの前端部を圧縮成形するための油揚折り込み兼成形部19を設けてある。
【0015】
即ち、上記油揚折り込み兼成形部19は、側面略半円弧形状にして、内面を曲面に形成してあると共に、内向きに上部湾曲片19aと下部湾曲片19bを突設してあり、上記内面中央部に、側面略半円形状の突条19cを突出して形成されている。
【0016】
さらに、上記成形用板13の上端一側には押下げ片19dを突設してあり、これが上記した上下駆動機構18により押し下げられることで、成形用板13はバネ力に抗して下方へ回転下降される。
【0017】
上記第2折り込み機構Cは図1ないし図3に示したように、上記第1折り込み機構Bによって折り込み成形されたいなり寿司a1 を、上方から下方へ圧縮成形する成形型20と、前後方向へスライドするスライド板21と、成形型20の上下駆動機構22と、スライド板21の前後駆動機構23とで構成されている。
【0018】
上記成形型20は図3に明示した如く、垂直な背面板20aと、該背面板20aの上端から前方上方へ傾斜上昇する頂面板20bと、該頂面板20b前端から下部前方へ傾斜下降する前面板20cとで側面略コ型にして、この前面板20cによっていなり寿司a1 の上部前端24を圧縮成形するよう形成されている。
【0019】
上下駆動機構22は、図1及び図2に示したように、フレーム1上面に固定したブロック25に一対の昇降軸26、27を貫通並設し、該昇降軸26、27の上端と下端は各水平な連結板28、29にて一体に連結され、上部の連結板28先端に固定して、下方へ垂設した昇降板30下端に、上記成形型20を、その背面板20aを固定して支持し、一方の昇降軸26下端を、図示しないモータ等の駆動源によって回転されるカム機構等に連動連結して構成されている。
【0020】
上記スライド板21は図1に示したように、フレーム1上面に立設した軸承板31と、該軸承板31に固定した軸受部材32に、軸受33、34を介在して前後方向(図1において左右方向)へ水平に貫通してスライド自在な駆動軸35の先端に固定して前後方向へスライド自在となるよう配置して構成されている。
【0021】
上記前後駆動機構23は図1に示したように、フレーム1等に支軸36にて軸支した駆動アーム37の先端と、前記駆動軸35の後端に固定した作動板38を、アジャスターボルト39等にて連結し、上記駆動アーム37の他端37aを、図示しないモータ等の駆動源によって回動されるクランク機構、カム機構等と連動連結して構成されている。
【0022】
而して、上記構成としたいなり寿司仕上げ成形機構によれば、次のようにしていなり寿司の仕上げ成形を行なう。
いなり寿司製造機構Aによって、図4に示した如く、油揚2内部に寿司飯9を充填して半成形いなり寿司aを成形し、該半成形いなり寿司aは間欠搬送機構3の間欠回転によって、図4に示したように第1折り込み機構Bへ搬送されて停止する。
【0023】
第1折り込み機構Bでは、その成形用板16が上下駆動機構18によって、バネ力に抗して押し下げ回動されると、先ず、油揚折り込み兼成形部19の上部湾曲片19aによって、開口部10上部の油揚余端2aが押し下げられ、次いで、下部湾曲片19bにより油揚余端2aは図5に示した如く、内側(寿司飯側)へ折り込まれる。これにより、開口部10左右の油揚余端2b、2bも図6に示したように内側へ折り込まれると同時に、油揚折り込み兼成形部19の内面及び突条19cにより半成形いなり寿司a前部は圧縮成形され、図6に示したようないなり寿司a1 が成形される。
【0024】
このように成形されたいなり寿司a1 は、間欠搬送機構3の間欠回転によって次工程の第2折り込み機構Cへ搬送され、図1に示したように停止する。
【0025】
次いで、上下駆動機構22によって成形型20は、図1中実線で示した位置から図3に示したように押圧下降される。この時、前面板20c内面によっていなり寿司a1 の上部前端24が下部内方へ圧縮されるので、寿司飯9と共に油揚余端2aは押圧され、当該油揚余端2aは下方へ延出されることとなる。
【0026】
次いで、前後駆動機構23によってスライド板21が前方へスライドされると、その先端21aで、上記油揚余端2aの端末2cを内側へ押し込み、図3に示したように、油揚下部2dと、寿司飯9との間へ深く押し込んで折り込む。
【0027】
上記成形型20の上昇復帰及びスライド板21の後退復帰後、いなり寿司a1 を取り出し、下部油揚余端2eを上方へ折り込むことで図7に示したいなり寿司a1 を成形することができる。
【0028】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、油揚開口部の余端の折り込み仕上げと、いなり寿司の圧縮成形を同時に、かつ機械的に行なうことができるので、形状的に形の良いいなり寿司を効率良く製造できると共に、油揚余端が、油揚下部と寿司飯との間へ深く押し込まれた状態に折り込まれるから、いなり寿司の移動、搬送中等に、折り込み部分が開いてしまったり、形が崩れるようなことがなく、所定の形状が保たれ、長時間商品価値を維持することができ、さらに、いなり寿司製造の完全自動化を図れるから、当該いなり寿司の製造コストを大幅に低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るいなり寿司製造機のいなり寿司仕上げ成形機構の実施形態を示す一部断面した側面図である。
【図2】本発明機構を装備したいなり寿司製造機を一部切欠して示す平面図である。
【図3】本発明機構の一部を示す拡大断面図である。
【図4】いなり寿司製造機の第1折り込み機構を示す一部断面した側面図である。
【図5】同上いなり寿司第1折り込み機構の作動状態を一部断面して示す側面図である。
【図6】同上仕上げ折り込み機構によって成形したいなり寿司を示す斜視図である。
【図7】いなり寿司を示す斜視図である。
【図8】いなり寿司を示す縦断面図である。
【符号の説明】
a 油揚
2a 上部油揚余端
2c 端末
2d 下部油揚
3 間欠搬送機構
10 寿司飯
20 成形型
20a 背面板
20b 頂面板
20c 前面板
22 上下駆動機構
23 前後駆動機構
A いなり寿司製造機構
B 第1折り込み機構
C 第2折り込み機構
a 半成形いなり寿司
1 いなり寿司

Claims (1)

  1. 載置した油揚を、一定間隔をおいて一定方向へ間欠的に搬送する間欠搬送機構の一側に配置したいなり寿司製造機構によって油揚内部へ寿司飯を充填してなる半成形いなり寿司の間欠搬送される方向へ順次配置した第1折り込み機構と、第2折り込み機構とを備え、前記第2折り込み機構は、前記第1折り込み機構により、前記半成形いなり寿司における前端開口部の上部油揚余端を下部内側へ折り込んで成形したいなり寿司の上部前端を下方へ圧縮自在となるよう、上下動自在な成形型と、前後方向へスライド自在にして、かつ先端にて、前記いなり寿司前端の既折り込み油揚の端末を、下部油揚と寿司飯との間へ押し込んで折り込むスライド板と、前記成形型の上下駆動機構と、前記スライド板の前後駆動機構とからなることを特徴とするいなり寿司製造機のいなり寿司仕上げ成形機構。
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