JP3708683B2 - 防滑性シート及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、不織布にポリエチレン系樹脂からなる層を設けたことを特徴とする防滑性シートに関し、さらに詳しくは、食器棚、押入れ、下駄箱等に用いる家庭用棚シートやテーブルクロス等に好ましく用いられる防滑性シートに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
食器棚、押入れ、下駄箱等の棚シートには、主にポリエチレン樹脂からなるフィルムとポリエチレン発泡シートとの積層シートが用いられているが、表面が平滑で食器等と密着するので、通気性が悪く、乾燥性に問題がある。また、耐熱性が低く、変形し易い上に、柔らかな風合いがなく見栄えが悪い。
【0003】
不織布とポリオレフィン系樹脂との積層シートに関して、実開平4−132936号公報、5−86590号公報、6−46571号公報等に不織布と酢酸ビニル共重合体等のエラストマーフィルムを積層したシートが開示されているが、これらのものは、別途フィルムを準備し、接着剤もしくは接着性の溶融樹脂で貼り合わせる工程が必要であり、エラストマーフィルムを薄肉化することが困難であった。また、防滑性を有するフィルムを得るためには高価な樹脂をブレンドしたり、上記のように加工工程が複雑なため、コストアップは避けられず、さらには樹脂臭がある等の問題がある。
【0004】
そこで、臭いがなく、通気性や乾燥性が良好で、食器棚、押入れ、下駄箱、テーブルクロス等に好ましく用いることができる防滑性シート及びそれを効率よく製造方法の出現が望まれている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような状況下で、通気性や乾燥性が良好で、臭いがない防滑性シート及びそれを効率よく製造する方法を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意研究を重ねた結果、不織布に特定のポリエチレン系樹脂の層を設けることにより、また押出ラミネート法により効率よく製造できることにより、前記目的を達成しうることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
【0007】
即ち、本発明は、以下の防滑性シート及び、その製造方法を提供することを目的とするものである。
(1)不織布に密度0.89g/cm3 以下のポリエチレン系樹脂からなる5〜30μmの層を積層したことを特徴とする防滑性シート。
(2)ポリエチレン系樹脂が以下の(1) 〜(5) を満足するエチレン・α−オレフィン共重合体100〜75重量%と密度0.92g/cm3 以下の低密度ポリエチレン0〜25重量%とからなる上記(1)に記載の防滑性シート。
【0008】
エチレン・α−オレフィン共重合体:
(1) 密度が、0.86〜0.89g/cm3 であり、
(2) MIが、1〜50g/10分であり、
(3) Mw/Mnが、1.8〜3.0であり、かつ
(4) α−オレフィンの炭素数が6以上であり、かつ、
(5) コモノマーの分岐数が1000炭素原子中20個以上である
(3)不織布がスパンンド法によるポリプロピレン樹脂製不織布である上記(1)又は(2)に記載の防滑性シート。
(4)ポリエチレン系樹脂層側の静摩擦係数が0.50〜1.0である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の防滑性シート。
(5)不織布に密度0.89g/cm3 以下のポリエチレン系樹脂を固化した時の樹脂量が5〜30g/m2 となるように押出ラミネート法により成形してなることを特徴とする防滑性シートの製造方法。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を具体的に説明する。
1.不織布
本発明の防滑性シートを構成している不織布には、熱接着や接着剤による接合等のボンディング工程を経た製品不織布は勿論のこと、これらのボンディング工程を経ていない、いわゆる不織ウェブも含まれる。用いられる繊維としては、特に制限はないが、ポリプロピレン,ポリエチレン,ポリエチレンテレフタレート(PET),ポリアミド,ポリウレタン,セルロース系繊維及びこれらの複合繊維が好ましく用いられる。中でもポリプロピレンがより好ましく用いられる。
【0010】
不織布の製造方法にも特に制限はなく、かさ高さや緩衝性が得られる方法から適宜選択される。スパンボンド,スパンレース,熱風カード,熱エンボスカード,メルトブロー等公知の方法にて製造することができるが、中でも、通気性の確保や緩衝性等の点からスパンボンド法よるものが好ましく用いられる。
このスパンボンド法は、一工程で製造できることや、疎水性に優れ、かさ高で通気性もあり、緩衝性を有するものが得られやすいことから好適である。特に、3次元的に空隙があり、通気性がよく、かつ2デニール程度の繊維であることや熱エンボス加工がしてあることから表面が凹凸状であり、物と密着することがないことが、本発明の防滑シートの用途である食器棚、押入れ、下駄箱用シートに好適である。
【0011】
また、スパンボンド法とメルトブロー法の複合繊維、具体的には、スパンボンド法/メルトブロー法/スパンボンド法というように複合させたものや、スパンボンド法/メルトブロー法のように複合させたものも、目付ムラがなく、外観が良好であり、好ましく用いられる。
不織布の目付についても、特に制限はないが、通常20〜200g/m2 、好ましくは30〜100g/m2 である。200g/m2 を超えると、不織布の原料コスト高となり経済的でなく、20g/m2 未満では、工業的に安定した品質のものが得られにくいという問題がある。
不織布には、抗菌剤、消臭剤、防カビ剤、着色顔料等を適宜配合してよい。また、表面に図柄等を印刷してもよい。
【0012】
2.ポリエチレン系樹脂
不織布上に積層するポリエチレン系樹脂は、密度0.89g/cm3 以下のものであり、その層厚みは、5〜30μmの範囲、好ましくは10〜20μmの範囲である。
密度が0.89g/cm3 を超えると十分な防滑性が得られず、シートが滑り易くなり使い勝手が悪くなる。
層厚みは、5μm未満では、十分な防滑性が得られず、またピンホールが発生しやすくなる。他方、30μmを超えても防滑性には大きく影響しなくなり、コスト高になる。
【0013】
なお、この層厚みは、ポリエチレン系樹脂の層を意味し、不織布に浸透した樹脂の層を含まない。
従来このような低密度のポリエチレン系樹脂を不織布上に5〜30μmの範囲の薄肉で設けた例はない。低密度で剛性が極めて低いポリエチレン系樹脂を別途成形し、それを不織布上に接着することは実際上難しく、従来のポリエチレン系樹脂を押出ラミネート法により層を形成しようとしても安定して成膜できなかった。また、充分な接着強度が得られなかった。
本発明に用いるポリオレフィン系樹脂としては、以下のエチレン・α−オレフィン共重合体100〜75重量%と密度0.92g/cm3 以下の低密度ポリエチレン0〜25重量%とからなるものが好ましい。押出ラミネート時のネックインを抑え、より高速成形安定性を得るために、エチレン・α−オレフィン共重合体90〜75重量%と密度0.92g/cm3 以下の低密度ポリエチレン10〜25重量%との組成物とするのがより好ましい。
【0014】
このエチレン・α−オレフィン共重合体は、以下の(1) 〜(5) を満足するものを好ましく用いることができる。
(1) 密度が、0.86〜0.89g/cm3 のものである。0.86g/cm3 未満では、機械的強度が低下し好ましくない。一方、0.89g/cm3 を越えると滑り止め効果が低下する。なお、密度はJIS K−7112に準拠して測定したものである。
(2) MIが、1〜50g/10分であり、好ましくは、1〜10g/10分のものである。MIが、1〜50g/10分の範囲を逸脱するものは、成形性が悪く望ましくない。なお、MIはJIS K−7210に準拠して測定したものである(測定条件:荷重2160g、温度:190℃)。
(3) Mw/Mnが、1.8〜3.0であり、好ましくは、Mw/Mnが1.8〜2.5のものである。これが3.0を超えるものは、べとつきや悪臭がある場合がある。なお、Mw(重量平均分子量)/Mn(数平均分子量)は、GPC法により測定したものである。
(4) α−オレフィンの炭素数は6個以上であり、好ましくは、8〜18個の範囲のものである。炭素数が6未満では、適切な防滑性が得られない場合がある。このα−オレフィンとしては、1−ヘキセン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウンデセン、1−ドデセン等の直鎖状モノオレフィン、3−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、2,2,4−トリメチルペンテン等の分岐状モノオレフィン等を挙げることができる。これらのα−オレフィンは、それぞれ単独で用いてもよく、二種類以上を組み合わせて用いてもよい。
(5) 共重合体の直鎖の炭素数1000個当たりの分岐数が20個以上、好ましくは35個上、さらに好ましくは50個以上である。α−オレフィンにもよるが、20個以上ないと低密度とならない。また、分岐数が多いものは、プロピレン・エチレン共重合体との相溶性が高くなる傾向がある。この値は、1,2,3−トリクロロベンゼン/重ベンゼン(90/10(体積比))混合溶媒に溶解した試料を用いて、13C−NMRスペクトル(測定装置は日本電子社製EX−400を使用)から求める。スクトルの帰属及びα−オレフィンの定量方法は、Pooter M.D.,J. Appl. Polym. Sci.,42,399 (1991)等による。
【0015】
上記のエチレン・α−オレフィン共重合体は、次に示すようなメタロセン系触媒を用いて製造したものを好ましく用いることができる。
メタロセン系触媒は、特開昭58−19309号公報、特開昭61−130314号公報、特開平3−163088号公報、特開平4−300887号公報、特開平4−211694号公報、特表平1−502036号公報等に記載されるようなシクロペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基、インデニル基、置換インデニル基等を1又は2個配位子とする遷移金属化合物、及び該配位子が幾何学的に制御された遷移金属化合物が挙げられ、活性点の性質が均一であることを特徴とするものである。これらの遷移金属化合物中の遷移金属としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウムを好ましく挙げることができる。
【0016】
具体的なメタロセン系触媒としては、シクロペンタジエニルジルコニウムトリクロリド、ペンタメチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)ジルコニウムジクロリド、ビス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムジアルキル、インデニルジルコニウムトリクロリド、ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、ジメチルシリレン−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(ジメチルシリレン)(ジメチルシリレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(ジメチルシリレン)−ビス(2−メチル−4−フェニルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(ジメチルシリレン)−ビス(ベンゾインデニル)ジルコニウムジクロリド、エチレン−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(エチレン)(エチレン)−ビス(インデニル)ジルコニウムジクロリド、(エチレン)(エチレン)−ビス(3−メチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(エチレン)(エチレン)−ビス(4,7−ジメチルインデニル)ジルコニウムジクロリド、(第3級ブチルアミド)(テトラメチル−η5-シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロリド、(第3級ブチルアミド)ジメチル(テトラメチル−η5-シクロペンタジエニル)シランジルコニウムジクロリド、(メチルアミド)(テトラメチル−η5-シクロペンタジエニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロリド等及びこれらの化合物におけるジルコニウムをハフニウム、又はチタンに置換したものを挙げることができる。
【0017】
また、同時に用いられる助触媒としては、上記の公報に記載されているものを用いることができる。好ましい助触媒として、鎖状又は環状アルミノキサン(例えば、メチルアルミノキサン)、イオン性化合物(例えば、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)硼酸N,N−ジメチルアンモニウム、テトラフェニル硼酸トリエチルアンモニウム)、ルイス酸(例えば、トリフェニル硼酸、トリス(ペンタフルオロフェニル)硼酸等の硼素化合物)、アルキルアルミニウム(例えば、トリエチルアルミニウム、イソブチルアルミニウム等のトリアルキルアルミニウム)等を挙げることができる。
また、重合方法としては、気相法、溶液法等いずれの方法でもよい。
【0018】
また、密度0.92g/cm3 以下の低密度ポリエチレン樹脂としては、高圧法で製造された低密度ポリエチレン(LDPE)やMg−Ti複合型触媒に代表される高活性触媒で製造された直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)を好ましく用いることができる。
これらのエチレン・α−オレフィン共重合体及び低密度ポリエチレンには、常用される添加剤、具体的には酸化防止剤、中和剤、スリップ剤、アンチブロッキング剤、帯電防止剤、顔料等を必要に応じて配合することができる。
【0019】
上記のような特定のポリエチレン系樹脂を用いることで、本発明の防滑性シートは、ポリエチレン系樹脂側の静摩擦係数が好ましくは、0.5〜1.0、より好ましくは0.60〜0.90に調整することができる。0.5未満では十分な防滑性が得られず、他方1.0を超えると製造工程、印刷工程でロールとの滑りが悪くなり、ランイスピードを上げるとシワが出る問題やブロッキングが生じて、梱包時、取り出し時のハンドリングの問題が発生する場合がある。
なお、この静摩擦係数は、ASTM D−1894法に準拠し、棚板との滑りを想定して測定したものである。具体的には、静摩擦試験機の摩擦面に2mm厚の軟質ポリ塩化ビニル製木目プリントベニア板を木目プリント面を上にして固定し、滑り片に防滑性シートをポリエチレン樹脂層が木目プリント面と接触するように固定して、本法に基づく速度条件で摩擦面の傾斜角度を変化させて測定した。静摩擦試験機は東洋精機社製のものを用いた。
【0020】
3.防滑性シートの製造方法
本発明の防滑性シートの製造方法は、不織布に上記の密度0.89g/cm3 以下のポリエチレン系樹脂を固化した時の樹脂量が5〜30g/m2 となるように押出ラミネート法により成形することを特徴とするものである。
具体的には、上記のポリエチレン系樹脂をTダイ型押出機で溶融押出しながら不織布と直接重ねて、ニップロールで圧着させる方法である。
【0021】
このニップロールは、フラットロールの他に、主に静摩擦係数を調整するために凹凸ロールを使用することもできる。凹凸の大きさ、間隔は、所望の静摩擦係数が得られるように適宜調整すればよい。
特に、上記のエチレン・α−オレフィン共重合体100〜75重量%と密度 0.92g/cm3 以下の低密度ポリエチレン0〜25重量%とからなるポリエチレン系樹脂を用いることで、ピンホールのないものが、高速成形できるようになる。
溶融押出する量は、本発明の防滑性シートのポリエチレン系樹脂層の厚みにほぼ相当する固化した時の樹脂量が5〜30g/m2 となるような量である。この一部は不織布に浸透するので、溶融温度、不織布の空隙率等とで調整すれはよい。
【0022】
【実施例】
以下に、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
〔実施例1〕
不織布としては、PPスパンボンド不織布(目付 70g/m2 、出光石油化学製「ストラテック・RW2070」)を使用した。
【0023】
ポリエチレン系樹脂としては、下記の特性を有するエチレン・α−オレフィン共重合体(ダウ・ケミカル製「エンゲージ・EG8200」)を使用した。
エンゲージ・EG8200
・密度 :0.871g/cm3
・MI : 4.3 g/10分
・Mw/Mn : 2.0
・α−オレフィン : 1−オクテン
・分岐数 : 64.0
上記のポリエチレン系樹脂をTダイ型押出機で溶融混練し、厚み20μmに相当する量押し出しながら、上記の不織布に重ねて、ニップロールで圧着させて、積層し、防滑性シートを製造した。次いでグラビア印刷機で不織布側に図柄を印刷した。
【0024】
ポリエチレン系樹脂の層のムラも見られず、また層が形成されない部分もなく、安定して製造できた。また、印刷工程においてもロールとポリエチレン樹脂層との滑り不足によるシワ発生もなく、効率よく製造できた。
この防滑性シートを食器棚に敷いて、シートの滑り性や水でぬれたコップを置き、コップの乾燥状況等を調べた。ポリエチレン系樹脂の発泡シートの片面にポリエチレン系樹脂フィルムを積層した市販の家庭用棚シート(ポリエチレン系発泡シート側の静摩擦係数は0.29)に比べて、滑りにくく、コップ内の乾燥が速いことがわかった。
本発明の上記の防滑性シートの静摩擦係数(ポリエチレン系樹脂層側)は、0.77であった。
【0025】
〔実施例2〕
実施例1のポリエチレン系樹脂層に上記のエチレン・α−オレフィン共重合体(ダウ・ケミカル製「エンゲージ・EG8200」)80重量%と低密度ポリエチレン(東ソー製「ペトロセン212(密度0.912g/cm3 )」)20重量%のポリエチレン系樹脂組成物を用いた以外は実施例1と同様にして製造した。
ダイス出口でのネッキングが小さく、成形は非常に良好であった。また、印刷工程においてもロールとポリエチレン樹脂層との滑り不足によるシワ発生もなく、効率よく製造できた。
この防滑性シートを食器棚に敷いて、シートの滑り性や水でぬれたコップを置き、コップの乾燥状況等を調べた。ポリエチレン系樹脂の発泡シートの片面にポリエチレン系樹脂フィルムを積層した市販の家庭用棚シート(ポリエチレン系発泡シート側の静摩擦係数は0.29)に比べて、滑りにくく、コップ内の乾燥が速いことがわかった。
実施例2の防滑性シートの静摩擦係数(ポリエチレン系樹脂層側)は、0.65であった。
【0026】
〔比較例1〕
実施例1のポリエチレン系樹脂層にエチレン・α−オレフィン共重合体(ダウ・ケミカル製「アフィニティー・PL1845」)を用いた以外は実施例1と同様にして製造した。
アフィニティー・PL1845
・密度 :0.908g/cm3
・MI : 3.4g/10分
・Mw/Mn : 2.3
・α−オレフィン : 1−オクテン
・分岐数 : 20.5
この防滑性シートを食器棚に敷いて、シートの滑り性や水でぬれたコップを置き、コップの乾燥状況等を調べた。ポリエチレン系樹脂の発泡シートの片面にポリエチレン系樹脂フィルムを積層した市販の家庭用棚シート(ポリエチレン系発泡シート側の静摩擦係数は0.29)よりも滑り易く、防滑性が不十分であった。
比較例1の防滑性シートの静摩擦係数(ポリエチレン系樹脂層側)は、0.16であった。
【0027】
【発明の効果】
本発明の不織布と特定のポリエチレン系樹脂との積層構造とした防滑性シートは、十分な防滑性はもとより、臭いがなく、通気性や乾燥性が良好なシートを提供できる。
特定のポリエチレン系樹脂を用いることで防滑層を薄肉化でき、押し出しラミネート法で成形可能であり、生産性が高い。また、防滑性シート同士のブロッキングが発生せず、取扱も良好である。
【0028】
本発明の防滑性シートは、食器棚、押入れ、下駄箱等に用いる家庭用棚シートやテーブルクロスとして好適である。

Claims (5)

  1. 不織布に密度0.89g/cm3 以下のポリエチレン系樹脂からなる5〜30μmの層を積層したことを特徴とする防滑性シート。
  2. ポリエチレン系樹脂が以下の(1) 〜(5) を満足するエチレン・α−オレフィン共重合体100〜75重量%と密度0.92g/cm3 以下の低密度ポリエチレン0〜25重量%とからなる請求項1に記載の防滑性シート。
    エチレン・α−オレフィン共重合体:
    (1) 密度が、0.86〜0.89g/cm3 であり、
    (2) MIが、1〜50g/10分であり、
    (3) Mw/Mnが、1.8〜3.0であり、
    (4) α−オレフィンの炭素数が6以上であり、かつ、
    (5) コモノマーの分岐数が1000炭素原子中20個以上である
  3. 不織布がスパンンド法によるポリプロピレン樹脂製不織布である請求項1又は2に記載の防滑性シート。
  4. ポリエチレン系樹脂層側の静摩擦係数が0.50〜1.0である請求項1〜3のいずれかに記載の防滑性シート。
  5. 不織布に密度0.89g/cm3 以下のポリエチレン系樹脂を、固化した時の樹脂量が5〜30g/m2 となるように、押出ラミネート法により成形してなることを特徴とする防滑性シートの製造方法。
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