JPH1134252A - 高透明柔軟フィルム - Google Patents

高透明柔軟フィルム

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JPH1134252A
JPH1134252A JP19113997A JP19113997A JPH1134252A JP H1134252 A JPH1134252 A JP H1134252A JP 19113997 A JP19113997 A JP 19113997A JP 19113997 A JP19113997 A JP 19113997A JP H1134252 A JPH1134252 A JP H1134252A
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JP
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weight
random polypropylene
film
intermediate layer
mfr
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JP19113997A
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Masahiro Asuka
政宏 飛鳥
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 透明性及び柔軟性に優れ、十分な機械的強度
を有し、風合いに優れた透明柔軟フィルムを提供する。 【解決手段】 エチレン含有率が3〜4重量%、MFR
が0.5〜5であるランダムポリプロピレンよりなる表
面層1,2と、プロピレン及び/またはブテン−1含有
率が50重量%以上である非晶質ポリオレフィン20〜
100重量%と、エチレン含有率が3〜4重量%、MF
Rが0.5〜5であるランダムポリプロピレンを80〜
0重量%含む組成の中間層3、あるいはメタロセン触媒
を用いて重合された線状ポリエチレン樹脂50〜100
重量%と、エチレン含有率3〜4重量%、MFRが0.
5〜5であるランダムポリプロピレン樹脂50〜0重量
%とを含有する組成の中間層3とを積層してなる高透明
柔軟フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、様々な製品の包装
に用いられる包装用フィルムや高透明性及び柔軟性が要
求される様々な用途に適した高透明柔軟フィルムに関
し、より詳細には、複数のポリオレフィン系樹脂層を積
層してなる高透明柔軟フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、繊維、衣料、パン、麺、トイレッ
トペーパーなどの様々な製品の包装に包装用フィルムが
用いられている。この種の包装用フィルムでは、透明感
及び光沢感に優れており、柔軟で風合いの良いものが求
められている。
【0003】上記のような包装用フィルムとしては、従
来、軟質ポリ塩化ビニルフィルムが多用されてきた。し
かしながら、軟質ポリ塩化ビニルフィルムでは、可塑剤
のブリードアウトによる衛生上の問題があった。
【0004】他方、軟質ポリ塩化ビニルフィルムに代わ
るものとして、オレフィン系共重合体を用いた軟質フィ
ルムや、オレフィン系ポリマーを主成分とするブレンド
ポリマーからなる軟質フィルムも提案されている。しか
しながら、オレフィン系共重合体からなる軟質フィルム
では、共重合段階においてα−オレフィンの含有量を高
くすることが難しく、得られるフィルムが柔軟になりす
ぎ、適度な強度を有するように構成することが困難であ
った。また、オレフィン系ポリマーを主成分としてブレ
ンドしてなるフィルムでは、ブレンドすべき複数種のポ
リマーを所定の配合で均一に混合することが難しく、所
望とする機械的強度を備えたものを得ることが困難であ
るという問題があった。
【0005】また、ポリプロピレンフィルムに柔軟性を
付与するために、低結晶性または非結晶性のポリマーで
あるEPR(エチレン−プロピレンゴム)などを添加す
る方法も知られているが、EPRなどのポリプロピレン
への分散性が十分でなく、透明性が十分でないという問
題があった。
【0006】このような問題を解決するものとして、特
開平7−290649号公報には、ランダムポリプロピ
レンよりなる外層と、水添ジエン系共重合体10〜50
重量%とランダムポリプロピレン90〜50重量%とよ
りなる中間層と、ランダムポリプロピレンよりなる内層
とを順に積層してなるオレフィン系フィルムが提案され
ている。この構成により、霞度5%未満(30μm厚換
算)であり、透明かつ柔軟なフィルムが得られるとされ
ている。
【0007】しかしながら、汎用のポリプロピレンに水
添ジエン系共重合体を配合する場合、水添ジエン系共重
合体をポリプロピレン100重量部に対し、少なくとも
10重量部以上配合しないと、十分な柔軟性が得られな
かった。また、水添ジエン系共重合体を大量に配合した
場合には、柔軟性は高められるものの、水添ジエン系共
重合体が均一に分散されず、光学的特性の低下を招いた
り、大量配合による水添ジエン系共重合体の低分子物の
ブリードによる品質の劣化が生じたりするという問題も
あった。さらに、一般に、水添ジエン系共重合体は高価
であり、コストが高くつくという問題もあった。
【0008】他方、特開平5−77371号公報には、
(A)プロピレン含有率50重量%以上の非晶質のポリ
オレフィン20〜100重量%と、結晶性ポリプロピレ
ン80〜0重量%とを含有してなる層と、(B)結晶性
ポリプロピレンからなる層とを積層してなる積層フィル
ムが開示されている。この積層フィルムでは、上記構成
を備えるため、透明感及び光沢感に優れ、柔軟性におい
ても優れているとされている。しかしながら、柔軟性に
優れるあまり、機械的強度が十分でないという問題があ
る。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上述
した従来の軟質フィルムの欠点を解消し、衛生上、公害
上の問題が生じ難く、柔軟性、透明性及び光沢性におい
て優れており、かつ十分な機械的強度を有する高透明柔
軟フィルムを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、プロピレン及び/またはブテン−1成分含有率が5
0重量%以上である非晶質ポリオレフィン20〜100
重量%と、エチレン含有率が3〜4重量%であり、MF
Rが0.5〜5であるランダムポリプロピレン80〜0
重量%よりなる中間層の両面に、エチレン含有率が3〜
4重量%であり、MFRが0.5〜5であるランダムポ
リプロピレンよりなる表面層が積層されてなることを特
徴とする高透明柔軟フィルムである。
【0011】また、請求項2に記載の発明は、メタロセ
ン触媒を用いて重合された線状ポリエチレン樹脂50〜
100重量%と、エチレン含有率が3〜4重量%であ
り、MFRが0.5〜5であるランダムポリプロピレン
50〜0重量%よりなる中間層の両面に、エチレン含有
率が3〜4重量%であり、MFRが0.5〜5であるラ
ンダムポリプロピレンよりなる表面層が積層されてなる
ことを特徴とする高透明柔軟フィルムである。
【0012】以下、請求項1,2に記載の発明にかかる
高透明柔軟フィルムの詳細を説明する。 (ランダムポリプロピレン)請求項1,2に記載の発明
では、表面層が、エチレン含有率が3〜4重量%であ
り、MFRが0.5〜5であるランダムポリプロピレン
により構成されている。
【0013】上記ランダムポリプロピレンは、エチレン
含有率が、3〜4重量%の範囲にあるため、高透明柔軟
フィルムに十分な風合いと高い透明性を付与する。すな
わち、ランダムポリプロピレンのエチレン含有率が3重
量%未満の場合には、風合いが低下し、4重量%を超え
ると十分な機械的強度が得られない。また、MFRが
0.5未満では、成膜時の表面状態が悪くなり易く、透
明性が低下し、逆にMFRが5を超えると、フィルムの
機械的強度が低下する。
【0014】(非晶質ポリオレフィン)請求項1に記載
の発明では、中間層が、上記特定の非晶質ポリオレフィ
ンを20〜100重量%の範囲で含む。すなわち、上記
中間層は、上記特性の非晶質ポリオレフィンのみからな
ってもよく、あるいは非晶質ポリオレフィンとランダム
ポリプロピレンとのブレンド物であってもよい。
【0015】上記非晶質ポリオレフィンにおけるブテン
−1含有率、またはブテン−1及びプロピレンの合計の
含有率が50重量%以上であることが必要である。ブテ
ン−1含有率、またはブテン−1及びプロピレン含有率
が50重量%未満の場合には、上記ランダムポリプロピ
レンとの相溶性が低下する。
【0016】上記非晶質ポリオレフィンとは、沸騰n−
ヘプタン不溶分、すなわち、n−ヘプタンによるソック
スレー抽出不溶分が70重量%以下、好ましくは60重
量%以下のものである。沸騰n−ヘプタン不溶分が70
重量%より大きいと、非晶質部分の比率が少なくなり、
得られるフィルムに目的とする十分な柔軟性を付与する
ことができない。
【0017】また、上記非晶質ポリオレフィンの数平均
分子量は、好ましくは、1000〜200000、さら
に好ましくは1500〜10000である。数平均分子
量が200000を超えると、フィルムの成形が難しく
なることがあり、1000未満では機械的強度が不足す
ることがある。
【0018】請求項1に記載の発明では、非晶質ポリオ
レフィンは単独で用いられてもよく、2種以上併用され
てもよい。上記非晶質ポリオレフィンとしては、具体的
には、ブテン−1含有率、またはブテン−1及びプロピ
レン含有率が50重量%以上である、ポリブテン−1、
ブテン−1・エチレン共重合体、プロピレン・ブテン−
1共重合体、プロピレン・ブテン−1・エチレン3元共
重合体、ブテン−1・ヘキセン−1・オクテン−1の3
元共重合体、ブテン−1・ヘキセン−1・4−メチルペ
ンテン−1の3元共重合体などを挙げることができる。
【0019】(請求項1に記載の発明における中間層)
請求項1に記載の発明における中間層は、上記非晶質ポ
リオレフィン単独で構成されていてもよく、あるいは上
記非晶質ポリオレフィンと、内外層に用いられている上
記特定のランダムポリプロピレンとからなる混合物であ
ってもよい。すなわち、中間層は、非晶質ポリオレフィ
ンを20〜100重量%、好ましくは25〜100重量
%、より好ましくは50〜100重量%含むように構成
されている。非晶質ポリオレフィン含有割合が20重量
%未満の場合には、非晶質部分の割合が少なくなり、得
られたフィルムに十分な柔軟性を付与することができな
い。
【0020】請求項1に記載の発明における高透明柔軟
フィルムの中間層の厚みは、特に限定されるわけではな
いが、風合いを高めるには、好ましくは、フィルム全体
の厚みの50〜90%とすることが望ましい。中間層の
厚みが50%未満及び90%を超えると、風合いが低下
することがある。
【0021】(請求項1に記載の発明に係る高透明柔軟
フィルムの製造)請求項1に記載の発明に係る高透明柔
軟フィルムは、図1に示すように、上記ランダムポリプ
ロピレンよりなる表面層1及び表面層2の間に中間層3
として上記非晶質ポリオレフィン単独、または上記非晶
質ポリオレフィンとランダムポリプロピレンとの混合物
からなる層を配置した構造を有する。
【0022】製造に際しては、各層を構成する樹脂組成
物を、それぞれ混練機を用いて170〜250℃、好ま
しくは190〜230℃で加熱溶融状態で混練し、しか
る後、多層押出機を用いて多層押出し、表面温度が40
℃以下の冷却ロールで冷却することにより得ることがで
きる。
【0023】なお、上記混練機としては、適宜の混練機
を用いることができ、例えば、一軸押出機、二軸押出
機、バンバリーミキサー、混練ロール、ブラベンダ、ニ
ーダーなどを用いることができる。また、多層押出しに
際しては、表面を平滑にし、結晶の生成を抑制し得るた
め、Tダイ法が好ましく用いられる。
【0024】(線状ポリエチレン樹脂)請求項2に記載
の発明では、中間層が、メタロセン触媒を用いて重合さ
れた線状ポリエチレン樹脂50〜100重量%を含む。
この線状ポリエチレン樹脂としては、エチレンの単独重
合体、あるいはエチレンとα−オレフィンとの共重合体
を挙げることができる。α−オレフィンとしては、例え
ば、プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキ
セン、4−メチル−1−ペンテン、及び1−オクテンな
どを例示することができる。
【0025】また、上記線状ポリエチレン樹脂のMFR
(190℃)は0.1〜5.0が好ましく、より好まし
くは0.6〜3の範囲にあるものが好適に用いられる。
MFRが0.1未満の場合には、流動性が低くなりす
ぎ、生産性が低下することがあり、5.0を超えると金
型から出た溶融樹脂がドローダウンし、安定に製造する
ことが困難となることがある。
【0026】(メタロセン触媒)請求項2に記載の発明
において用いられる上記線状ポリエチレン樹脂は、メタ
ロセン触媒を用いて重合されている。メタロセン触媒
は、一般に、遷移金属をπ電子系の不飽和化合物で挟ん
だ構造の化合物をいい、ビス(シクロペンタジエニル)
金属錯体が代表的なものである。
【0027】本発明においては、上記メタロセン触媒と
しては、より具体的には、チタン、ジルコニウム、ニッ
ケル、パラジウム、ハフニウム、白金などの四価の遷移
金属に、1つまたはそれ以上のシクロペンタジエニル環
及びその類縁体がリガンド(配位子)として存在する化
合物を用いることができる。
【0028】上記リガンドの具体例としては、シクロペ
ンタジエニル環;炭化水素基、置換炭化水素基もしくは
炭化水素置換メタロイド基により置換されたシクロペン
タジエニル環;シクロペンタジエニルオリゴマー環;イ
ンデニル環;炭化水素基、置換炭化水素基もしくは炭化
水素置換メタロイド基により置換されたインデニル環な
どを例示することができる。
【0029】これらのπ電子系不飽和化合物以外に、リ
ガンドとして、塩素、臭素などの一価のアニオンリガン
ド、もしくは二価のアニオンキレートリガンド、炭化水
素、アルコキシド、アリールアミドなどのアミド、アリ
ールオキシド、アリールホスフィドなどのホスフィド、
シリル基、置換シリル基などが遷移金属原子に配位結合
されていてもよい。
【0030】置換する上記炭化水素基としては、例え
ば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、アミ
ル基、イソアミル基、ヘキシル基、イソブチル基、ヘプ
チル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、セチル基、
2−エチルヘキシル基、フェニル基などを挙げることが
できる。
【0031】上記メタロセン触媒としては、より具体的
には、シクロペンタジエニルチタニウムトリス(ジメチ
ルアミド)、メチルシクロペンタジエニルチタニウムト
リス(ジメチルアミド)、ビス(シクロペンタジエニ
ル)チタニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチ
ルシクロペンタジエニル−tert−ブチルアミドジル
コニウムジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシク
ロペンタジエニル−tert−ブチルアミドハフニウム
ジクロリド、ジメチルシリルテトラメチルシクロペンタ
ジエニル−p−n−ブチルフェニルアミドジルコニウム
クロリド、メチルフェニルシリルテトラメチルシクロペ
ンタジエニル−tert−ブチルアミドハフニウムジク
ロリド、インデニルチタニウムトリス(ジメチルアミ
ド)、インデニルチタニウムトリス(ジエチルアミ
ド)、インデニルチタニウムトリス(ジ−n−プロピル
アミド)、インデニルチタニウムビス(ジ−n−ブチル
アミド)、インデニルチタニウムビス(ジ−n−プロピ
ルアミド)等が例示できる。
【0032】上記メタロセン触媒において、その金属の
種類や配位子の構造を変更したり、メタロセン触媒を特
定の共触媒(助触媒)と組み合わせたりすることによ
り、各種オレフィンの重合の際の触媒作用を効果的に発
揮させることができる。例えば、上記メタロセン触媒に
共触媒としてメチルアルミノキサン(MAO)やホウ素
系化合物等を加えた触媒系において重合を行ってもよ
い。このような共触媒を使用する場合、共触媒の使用割
合は、モル比で、メタロセン化合物:共触媒=1:10
〜1000000とすることが好ましく、より好ましく
は1:50〜5000である。
【0033】重合条件については特に限定されず、例え
ば、不活性媒体を用いる溶液重合法、実質的に不活性媒
体の存在しない塊状重合法、気相重合法などを利用する
ことができる。重合温度についても、特に限定されず、
一般的に、−100〜300℃、重合圧力も特に限定さ
れないが、一般的には、常圧〜100kg/cm2 程度
とされる。
【0034】メタロセン触媒は、活性点の性質が均一で
あるという特徴を有し、各活性点が同じ活性度を備えて
いるので、合成するポリマーの分子量、分子量分布、組
成及び組成分布の均一性が高められる。従って、メタロ
セン触媒を用いて重合されたポリオレフィンは分子量分
布が狭く、共重合体の場合には、どの分子量成分にも共
重合体成分がほぼ等しい割合で導入される。
【0035】メタロセン触媒を重合触媒として得られる
線状ポリエチレン樹脂としては、アフィニティー(ダウ
ケミカル社製、商品名)、エンゲージ(ダウケミカル社
製、商品名)、EXACT(エクソン・ケミカル社製、
商品名)、エボリュー(三井石油化学社製、商品名)、
ユメリット(宇部興産社製、商品名)などが市販されて
いる。
【0036】(その他の添加物)請求項1,2に記載の
発明に係る高透明柔軟フィルムでは、本発明の目的を阻
害しない範囲で、フィルムの改質を目的として、適宜の
添加物を添加してもよい。このような添加物としては、
タルク、炭酸カルシウムなどの無機質充填剤、ガラス繊
維もしくはカーボン繊維などの強化剤、熱安定剤、酸化
防止剤、光安定剤、難燃剤、可塑剤、帯電防止剤、離型
剤、発泡剤、滑剤、ブロッキング剤などを挙げることが
できる。
【0037】(請求項2に記載の発明に係る高透明柔軟
フィルムの製造)請求項2に記載の発明にかかる高透明
柔軟フィルムも、請求項1に記載の発明に係る高透明柔
軟フィルムと同様にして製造し得る。すなわち、各層を
構成する樹脂もしくは樹脂組成物を適宜の混練機を用
い、170〜250℃、好ましくは190〜230℃で
加熱溶融状態で混練し、多層押出することにより得るこ
とができる。この場合、フィルム表面を平滑にし、結晶
の生成を抑制するには、Tダイ法が好ましく用いられ
る。また、押出後の冷却に際しては、好ましくは、表面
温度が40℃以下の冷却ロールに接触させることにより
行われ、それによって表面性状が優れた高透明柔軟フィ
ルムを得ることができる。
【0038】なお、得られるフィルムの積層構造につい
ても、請求項1に記載の発明と同様であり、図1に示す
ように、表面層2、中間層3及び表面層1が順に積層さ
れている。
【0039】(作用)請求項1に記載の発明では、表面
層が、エチレン含有率が3〜4重量%であり、MFRが
0.5〜5の範囲にあるランダムポリプロピレンにより
構成されているため、フィルム表面の風合いが高められ
るとともに、表面層における透明性が高められる。ま
た、中間層が、プロピレン及び/またはブテン−1成分
含有率が50重量%以上である非晶質ポリオレフィン、
または該非晶質ポリオレフィンを上記特定の割合でラン
ダムポリプロピレンと混合してなる組成を有するため、
中間層が十分な機械的強度を有するとともに、優れた柔
軟性及び透明性を発揮する。
【0040】請求項2に記載の発明では、請求項1に記
載の発明と同様に、表面層が上記特定のランダムポリプ
ロピレンにより構成されているので、高透明柔軟フィル
ムの表面の風合いが高められるとともに、表面層の透明
性が高められる。また、中間層が、上記メタロセン触媒
を用いて重合された線状ポリエチレン樹脂、または該線
状ポリエチレン樹脂を上記特定の割合でランダムポリプ
ロピレンと混合してなる混合物により構成されているの
で、中間層が十分な柔軟性、機械的強度及び透明性を有
する。
【0041】
【実施例】以下、本発明の非限定的な実施例を説明する
ことにより、本発明を明らかにする。
【0042】(実施例1)図1に示した表面層1及び表
面層2が、エチレン含有率3.8重量%、MFR=1.
8のランダムポリプロピレンAからなるように、かつ中
間層3が、非晶質ポリオレフィンとしてのプロピレン−
ブテン−1共重合体(プロピレンとブテン−1の共重合
割合はモル比でプロピレン/ブテン−1=65/35、
数平均分子量6500、沸騰n−ヘプタン不溶分5重量
%)からなるように、3層押出Tダイ法によってフィル
ムを成形し、20℃の表面温度の冷却ロールで冷却し、
表面層の厚みが各10μm、中間層の厚みが20μm、
全体の厚みが40μmのフィルムを得た。
【0043】(実施例2)中間層を構成する材料とし
て、実施例1で用いたランダムポリプロピレンA25重
量%と、実施例1で用いた非晶質ポリオレフィンとして
のプロピレン−ブテン−1共重合体75重量%とを混合
してなる樹脂組成物を用いたことを除いては、実施例1
と同様にしてフィルムを得た。
【0044】(実施例3)中間層を構成する材料とし
て、実施例1で用いたランダムポリプロピレンA50重
量%と、実施例1で用いた非晶質ポリオレフィンとして
のプロピレン−ブテン−1共重合体50重量%とを混合
してなる樹脂組成物を用いたことを除いては、実施例1
と同様にしてフィルムを得た。
【0045】(実施例4)表面層1及び表面層2を構成
する材料として、エチレン含有率3.8重量%、MFR
=2.0/10分のランダムポリプロピレンBを用い、
中間層を構成する材料として、線状ポリエチレンとして
のエチレン及びオクテン−1の共重合体である線状ポリ
エチレン樹脂(オクテン−1含有率7.5重量%、密度
0.915g/cm3 、MFR=1.0)を用い、これ
らの樹脂材料をTダイ法により押出し、表面温度20℃
の冷却ロールで冷却して成膜し、フィルムを得た。
【0046】(実施例5)中間層を構成する材料とし
て、実施例4で用いた線状ポリエチレン樹脂85重量%
と、ランダムポリプロピレンB15重量%とを混合して
なる樹脂組成物を用いたことを除いては、実施例4と同
様にしてフィルムを得た。
【0047】(比較例1)表面層を構成する材料とし
て、エチレン含有率3.2重量%、MFR=9のランダ
ムポリプロピレンCを、中間層を構成する材料として、
表面層を構成するのに用いたランダムポリプロピレンC
50重量%と、実施例1で用いた非晶質ポリオレフィン
としてのプロピレン−ブテン−1共重合体50重量%と
を混合してなる樹脂組成物を用いたことを除いては、実
施例1と同様にしてフィルムを得た。
【0048】(比較例2)中間層を構成する材料とし
て、実施例1で用いたランダムポリプロピレンA90重
量%と、実施例1で用いた非晶質ポリオレフィンとして
のプロピレン−ブテン−1共重合体10重量%とを混合
してなる樹脂組成物を用いたことを除いては、実施例1
と同様にしてフィルムを得た。
【0049】(比較例3)中間層を構成する材料とし
て、実施例4で用いた線状ポリエチレン樹脂40重量%
と、実施例4で用いたランダムポリプロピレンB60重
量%とを混合してなる樹脂組成物を用いたことを除いて
は、実施例4と同様にしてフィルムを得た。
【0050】(評価)実施例1〜5及び比較例1〜3で
得られた各フィルムについて、フィルム強度、透明
性、柔軟性及び触感評価を以下の要領で評価した。
また、実施例1〜3及び比較例1,2については、グ
ロス及びきらめき感を以下の要領で評価した。
【0051】フィルム強度…JIS K7113「降
伏点」の測定によりフィルム強度を測定した。 透明性…JIS K7105「ヘイズ」の測定により
透明性を評価した。ヘイズ値が小さい程透明性に優れて
いる。 柔軟性…JIS K7113に準じ、弾性率を測定
し、柔軟性を評価した。
【0052】触感評価…フィルムの風合い及びしわの
発生し易さを以下の4段階の評価基準で官能評価した。 4…柔らかく、良好であり、しわの発生が少ない。 3…柔らかく、良好であるが、しわの発生が起こり易
い。 2…やや硬い。 1…硬く、しゃりしゃり感が残存する。
【0053】グロス…JIS K7105「グロス」
の測定により透明性を評価した。グロス値が大きい程透
明性に優れている。 きらめき感…フィルムの表面を観察し、以下の3段階
の評価基準で官能評価した。 ○:ビニロンのようなきらめき感が得られている。 △:延伸ポリプロピレンのような光沢が得られている。 ×:全く光沢感が見られない。 実施例1〜5及び比較例1,2の各層の構成を下記の表
1に、評価結果を下記の表2に示す。
【0054】
【表1】
【0055】
【表2】
【0056】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に
よれば、表面層が上記特定のエチレン含有率及びMFR
値を有するランダムポリプロピレンにより構成されてお
り、中間層が上記特定のプロピレン及び/またはブテン
−1含有率を有する非晶質ポリオレフィンまたは該非晶
質ポリオレフィンを上記特定の割合でランダムポリプロ
ピレンと混合してなる組成により構成されているため、
十分な機械的強度を有するだけでなく、透明性及び柔軟
性に優れた透明柔軟フィルムを提供することが可能とな
る。
【0057】同様に、請求項2に記載の発明によれば、
表面層が上記特定のランダムポリプロピレンにより構成
されており、かつ中間層が、上記メタロセン触媒を用い
て重合された線状ポリエチレン樹脂、または該線状ポリ
エチレン樹脂を上記特定の割合でランダムポリプロピレ
ンと混合してなる組成により構成されているため、十分
な機械的強度を有するだけでなく、透明性及び柔軟性に
優れた透明柔軟フィルムを提供することが可能となる。
【0058】よって、請求項1,2に記載の発明に係る
透明柔軟フィルムは、各種製品の包装用フィルムなど、
様々な用途において好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1,2に記載の発明に係る透明柔軟フィ
ルムの構造を説明するための模式的断面図。
【符号の説明】
1…表面層 2…表面層 3…中間層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 23/20 C08L 23/20

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プロピレン及び/またはブテン−1成分
    含有率が50重量%以上である非晶質ポリオレフィン2
    0〜100重量%と、エチレン含有率が3〜4重量%で
    あり、MFRが0.5〜5であるランダムポリプロピレ
    ン80〜0重量%よりなる中間層の両面に、エチレン含
    有率が3〜4重量%であり、MFRが0.5〜5である
    ランダムポリプロピレンよりなる表面層が積層されてな
    ることを特徴とする高透明柔軟フィルム。
  2. 【請求項2】 メタロセン触媒を用いて重合された線状
    ポリエチレン樹脂50〜100重量%と、エチレン含有
    率が3〜4重量%であり、MFRが0.5〜5であるラ
    ンダムポリプロピレン50〜0重量%よりなる中間層の
    両面に、エチレン含有率が3〜4重量%であり、MFR
    が0.5〜5であるランダムポリプロピレンよりなる表
    面層が積層されてなることを特徴とする高透明柔軟フィ
    ルム。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003103726A (ja) * 2001-09-28 2003-04-09 Idemitsu Unitech Co Ltd 多層フィルムおよび表面保護フィルム
US6607392B2 (en) 2000-07-13 2003-08-19 Sumitomo Wiring Systems, Ltd. Ground joint connector
JP2011079287A (ja) * 2009-09-14 2011-04-21 Mitsubishi Plastics Inc 原子力発電養生用難燃性樹脂フィルム
CN105644094A (zh) * 2015-12-29 2016-06-08 东莞市正新包装制品有限公司 一种po热收缩膜

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