JPH10298326A - 多孔性フィルム用樹脂組成物及びこれから製造される多孔性フィルム - Google Patents

多孔性フィルム用樹脂組成物及びこれから製造される多孔性フィルム

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JPH10298326A
JPH10298326A JP12337997A JP12337997A JPH10298326A JP H10298326 A JPH10298326 A JP H10298326A JP 12337997 A JP12337997 A JP 12337997A JP 12337997 A JP12337997 A JP 12337997A JP H10298326 A JPH10298326 A JP H10298326A
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JP
Japan
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porous film
ethylene
mpa
resin composition
weight
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JP12337997A
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English (en)
Inventor
Shigeo Fujitani
茂男 藤谷
Koichi Nishimura
光一 西村
Nobuyuki Takahashi
信行 高橋
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NUC Corp
Original Assignee
Nippon Unicar Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 機械的特性、柔軟性、延伸加工性、ヒートシ
ール性等に優れ、しかも良好な通気性を有する多孔性フ
ィルム用樹脂組成物及びこれを用いて製造される多孔性
フィルムの提供。 【解決手段】 (A)特定の物性を有する直鎖状エチレ
ン−α−オレフィン共重合体100重量部と、(B)特
定の物性を有する超低密度エチレン−α−オレフィン共
重合体30〜200重量部と、(C)特定の物性を有す
るエチレン−酢酸ビニル共重合体15〜100重量部と
からなる樹脂組成物100重量部に対して、(D)無機
質粉体50〜250重量部と、(E)有機系滑剤0.1
〜5重量部とを配合してなることを特徴とする多孔性フ
ィルム用樹脂組成物及び該組成物を用いて溶融成形した
フィルムを延伸加工して得られる多孔性フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多孔性フィルム用
樹脂組成物及びこれを用いて製造される多孔性フィルム
に関する。さらに詳しくは、、機械的特性、柔軟性、延
伸加工性、ヒートシール性等に優れ、しかも良好な通気
性を有する多孔性フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】無機質粉体を配合したエチレン系樹脂組
成物からなるフィルム、シート等を延伸加工して多孔性
フィルムを製造する方法は、既に知られている。しかし
ながら、この方法の場合、樹脂組成物中に多量の無機質
粉体を配合するため、未延伸原反の製造時には、ドロー
ダウン性が悪く、また原反の延伸加工時には、フィルム
の延伸性が悪く、その結果、延伸むらが発生する。更
に、困ったことには、延伸倍率を高くすると、得られた
多孔性フィルムの通気性は良いが、機械的強度が弱かっ
たり、柔軟性に欠けたり、ヒートシール性が劣る等の欠
点がある。
【0003】そのため、こうした問題点を改善するため
に、これまで次のような多孔性フィルム用樹脂組成物が
提案されている。 すなわち、(1)線状低密度ポリエ
チレンに充填剤と液状又はワックス状の炭化水素重合体
を配合してなるエチレン系樹脂組成物(特開昭58−1
5538号公報)や、(2)線状低密度ポリエチレン、
高圧法低密度ポリエチレン、充填剤、ポリヒドロキシ飽
和炭化水素、及びエポキシ基含有有機化合物よりなるエ
チレン系樹脂組成物(特開昭59−140235号公
報)や、(3)線状(直鎖)低密度ポリエチレン、超低
密度ポリエチレン、及び充填剤よりなるエチレン系樹脂
組成物(特開昭62−151429号公報)や、(4)
超低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン及び/
又は高密度ポリエチレン、高圧法低密度ポリエチレン、
及び充填剤からなるエチレン系樹脂組成物(特開平1−
185337号公報)である。
【0004】しかしながら、これら従来の多孔性フィル
ム用樹脂組成物には、種々の問題点がある。すなわち具
体的には、(1)の場合、樹脂成分が線状低密度ポリエ
チレンのみの1成分系であると、フィルムの機械的強度
の面では改善されるものの、未延伸原反を製造する際の
加工安定性が悪かったり、原反を延伸する際の延伸加工
性が悪かったりし、その上得られた多孔性フィルムの柔
軟性、通気性等が不十分であったりするため、満足でき
るものではない。また(2)の場合、樹脂成分が線状低
密度ポリエチレンと高圧法低密度ポリエチレンの2成分
系であると、未延伸原反を製造する際の加工安定性は改
善されるものの、原反を延伸する際の延伸加工性や得ら
れた多孔性フィルムの柔軟性、通気性等の点で劣り、十
分満足できるものではない。また(3)の場合、樹脂成
分が線状低密度ポリエチレンと超低密度ポリエチレンの
2成分系であると、多孔性フィルムの柔軟性は改善され
るものの、未延伸原反を製造する際の加工安定性や多孔
性フィルムのヒートシール性等が劣り、十分満足できる
ものではない。さらに(4)の場合、樹脂成分が超低密
度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレンおよび/また
は高密度ポリエチレン、及び高圧法低密度ポリエチレン
の3成分系であると、未延伸原反を製造する際の加工安
定性は改善されるものの、原反を延伸する際の延伸加工
性や多孔性フィルムのヒートシール性等の点で劣り、十
分満足できるものではない。このように、これまで提案
されてきた多孔性フィルム用樹脂組成物からは、ヒート
シール性及び柔軟性に優れ、しかも通気性、機械的特性
及び延伸性も良好な多孔性フィルムを得ることが困難で
ある。
【0005】したがって、上述した従来の多孔性フィル
ム用樹脂組成物のもつ問題点を解消するため、未延伸原
反を製造する際の加工安定性がよく、機械的特性、柔軟
性、延伸加工性、ヒートシール性等に優れ、しかも良好
な通気性を有する多孔性フィルム用樹脂組成物及びこれ
を用いて製造される多孔性フィルムの出現が望まれてい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、未延
伸原反を製造する際の加工安定性がよく、機械的特性、
柔軟性、延伸加工性、ヒートシール性等に優れ、しかも
良好な通気性を有する多孔性フィルム用樹脂組成物及び
これを用いて製造される多孔性フィルムを提供すること
である。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記した
従来の多孔性フィルム用樹脂組成物のもつ問題点を解消
するために鋭意努力した結果、特定の3成分系からなる
エチレン系樹脂組成物に特定量の無機質粉体と特定量の
有機系滑剤とを配合してなる多孔性フィルム用樹脂組成
物及びこれを用いて製造される多孔性フィルムにより、
上記目的を達成できることを見いだした。本発明は、こ
れらの知見に基づいて完成に至ったものである。
【0008】すなわち、本発明によれば、(A)密度が
0.916〜0.940g/cm3、メルトインデック
スが0.1〜20g/10分、引張強さが20MPa以
上、1%シーカントモジュラスが200MPa以上の直
鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体100重量部
と、(B)密度が0.860〜0.915g/cm3
メルトインデックスが0.1〜10g/10分、引張強
さが7MPa以上、1%シーカントモジュラスが120
MPa以下の超低密度エチレン−α−オレフィン共重合
体30〜200重量部と、(C)酢酸ビニル含有量が1
0〜30重量%、メルトインデックスが0.5〜20g
/10分のエチレン−酢酸ビニル共重合体15〜100
重量部とからなる樹脂組成物100重量部に対して、
(D)平均粒径が0.1〜35μmの無機質粉体50〜
250重量部と、(E)有機系滑剤0.1〜5重量部と
を配合してなることを特徴とする多孔性フィルム用樹脂
組成物が提供される。
【0009】また本発明によれば、上記の多孔性フィル
ム用樹脂組成物を用いて溶融成形したフィルムを延伸加
工して得られる多孔性フィルムが提供される。
【0010】本発明は、上述した如く、特定の3成分系
からなるエチレン系樹脂組成物に特定量の無機質粉体と
特定量の有機系滑剤とを配合してなる多孔性フィルム用
樹脂組成物及びこれを用いて製造される多孔性フィルム
に係わるものであるが、その好ましい態様としては、次
のものが包含される。
【0011】(1)(A)直鎖状エチレン−α−オレフ
ィン共重合体及び/又は(B)超低密度エチレン−α−
オレフィン共重合体が、シングルサイト触媒を用いて製
造された前記特定の物性値を有する重合体であることを
特徴とする前記多孔性フィルム用樹脂組成物。 (2)(D)無機質粉体が、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、炭酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネ
シウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム、酸化亜鉛、酸化カルシウム、酸化マグネシ
ウム、酸化チタン、タルク、シリカ、クレー、カオリ
ン、けい藻土、アルミナ、マイカ、ガラス粉、シラスバ
ルーン、ゼオライト、及びケイ酸白土よりなる群から選
ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴とする
前記多孔性フィルム用樹脂組成物。 (3)(E)有機系滑剤が、ワックス類、脂肪酸類、脂
肪酸アマイド類、脂肪酸エステル類、脂肪族アルコール
類、金属石鹸類、及びシリコーンオイル類よりなる群か
ら選ばれる少なくとも1種の化合物であることを特徴と
する前記多孔性フィルム用樹脂組成物。 (4)上記(1)〜(3)記載の多孔性フィルム用樹脂
組成物を用いて溶融成形したフィルムを延伸加工して得
られる多孔性フィルム。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の多孔性フィルム用
樹脂組成物及びこれを用いて製造される多孔性フィルム
について詳細に説明する。
【0013】1.A成分(直鎖状エチレン−α−オレフ
ィン共重合体) 本発明に使用する直鎖状エチレン−α−オレフィン共重
合体は、エチレンとα−オレフィン、例えば炭素原子数
3ないし12のα−オレフィン、との共重合体である。
α−オレフィンの具体例としては、プロピレン、ブテン
−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン−1、オクテ
ン−1、デセン−1、ドデセン−1等を挙げることがで
きる。この直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体
は、密度、メルトインデックス、引張強さ、及び1%シ
ーカントモジュラスで特定の物性値を有する。すなわ
ち、密度は、0.916〜0.940g/cm3である
(密度は、JIS K7112に準拠して測定され
る)。密度が0.916g/cm3未満であると、フィ
ルムの機械的強度、腰の強さ、耐熱性等が劣り、一方密
度が0.940g/cm3を超えると、フィルムの柔軟
性が劣るので望ましくない。また、メルトインデックス
は、0.1〜20g/10分である(メルトインデック
スは、JIS K7210に準拠して測定される)。メ
ルトインデックスが0.1g/10分未満であると、未
延伸原反を製造する際に加工性が劣り、一方メルトイン
デックスが20g/10分を超えると、フィルムの機械
的強が劣るので望ましくない。また、引張強さは、20
MPa以上である(引張強さは、JIS K7127に
準拠して測定される)。引張強さが20MPa未満であ
ると、フィルムの機械的強度が劣るので望ましくない。
また、1%シーカントモジュラスは、200MPa以上
である(1%シーカントモジュラスは、JIS K71
27に準拠して測定される)。1%シーカントモジュラ
スが200MPa未満であると、フィルムに腰の強さが
なくなるので望ましくない。
【0014】本発明の直鎖状エチレン−α−オレフィン
共重合体を製造するのに用いられる触媒としては、公知
のものならば何でも良く、特に制限されるものではな
い。そのため、本発明では、従来から使用されている触
媒であっても、又は最近注目されているシングルサイト
触媒であっても、いづれでも用いることができる。
【0015】従来から使用されている触媒としては、チ
ーグラー系触媒、フィリップス系触媒、スタンダード系
触媒等が挙げられる。チーグラー系触媒と呼ばれるもの
は、チタン化合物、バナジウム化合物等の遷移金属化合
物からなる主触媒と、有機アルミニウム等の有機金属化
合物からなる助触媒と、ケイ素、チタン、マグネシウム
等の酸化物又は塩化物からなる触媒担体とから構成され
ている。フィリップス系触媒と呼ばれるものは、酸化ク
ロムからなる主触媒と、ケイ素、アルミニウム等の酸化
物からなる触媒担体とから構成されている。さらに、ス
タンダード系触媒と呼ばれるものは、酸化モリブデンか
らなる主触媒と、アルミニウムの酸化物からなる触媒担
体とから構成されている。
【0016】一方、シングルサイト触媒は、エチレンに
対して高活性を持ち、活性点が同種(シングルサイト)
であることから、一般にシングルサイト触媒と呼ばれる
が、別名としてメタロセン触媒又はカミンスキー触媒と
呼ばれる場合もある。この触媒で製造されたエチレン−
α−オレフィン共重合体は、従来のチーグラー系触媒や
フィリップス系触媒で製造されたものに比べて、組成分
布や分子量分布が非常に狭いため、機械的特性に優れて
いる。
【0017】このシングルサイト触媒の主成分として
は、下記式(1)〜(3)で表されるメタロセン化合物
が用いられる。
【0018】
【化1】 (Cp)mMRnR′p ・・・(1) [式中、Cpは、置換又は未置換シクロペンタジエニル
基であり、Mは、周期表第4〜10族の遷移金属であ
り、R及びR′は、それぞれハロゲン、炭素数1〜20
の炭化水素基又はヒドロカルボキシ基から選択される置
換基である。また、mは1〜3、nは0〜3、pは0〜
3の数であって、かつm+n+pはMの酸化状態に等し
い。]
【0019】
【化2】 (C5R′mpR″s(C5R′m)MQ3-p-x およびR″s(C5R′m2MQ′ ・・・(2) [式中、C5R′m は、置換シクロペンタジエニル基で
あり、各R′は、同一であっても異なっていてもよく、
水素、又は炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル
基、アリール基、アルキルアリール基又はアリールアル
キル基から選択される置換基、又は互いに結合してC4
〜C6環の一部を形成する2個の炭素原子基であり、
R″は、1個又はそれ以上の炭素、ゲルマニウム、ケイ
素、燐もしくは窒素原子、又はそれらの組合わせであ
り、これらは、2個のC5R′m環上を置換してそれらを
橋渡しする基又は1個のC5R′m 環上を置換してMに
橋渡しする基を含有し、pが0である場合には、xは1
であり、その他の場合には、xは常に0であり、各Q
は、同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜2
0のアリール基、アルキル基、アルケニル基、アルキル
アリール基、アリールアルキル基又はハロゲンから選択
される置換基であり、Q′は、炭素数1〜20のアルキ
リデン基である。また、sは0又は1であるが、sが0
である場合には、mは5、pは0、1又は2であり、一
方sが1である場合には、mは4、pは1である。] なお、上記一般式(1)及び(2)で示されるメタロセ
ン化合物に関しては、特開平8−134121号公報、
特表平8−509773号公報、特表平8−51029
0号公報等に詳細に記載されている。
【0020】
【化3】 [式中、Mは、周期表第3〜10族又はランタノイドの
金属原子であり、Cpは、Mにη5結合様式で結合して
いる置換又は未置換のシクロペンタジエニル基であり、
Zは、ホウ素又は周期表14族の元素、もしくは硫黄原
子又は酸素原子を含有する原子団であり、その際、該原
子団は、20個までの水素原子以外の原子を有するか、
又はCp及びZは、一緒になって縮合環系を形成し、X
は、互いに独立してアニオン性配位子又は30個までの
水素原子以外の原子を有する中性ルイス塩基配位子であ
る。また、nは0、1、2、3又は4で、かつMの原子
価より2少ない数であり、そしてYは、Z及びMと結合
するアニオン性又は非アニオン性配位子で、かつ窒素原
子、燐原子、酸素原子又は硫黄原子を含んでおり、そし
て20個までの水素原子以外の原子を有するか、又は必
要に応じてY及びZは、一緒になって縮合環系を形成す
る。] なお、一般式(3)で表されるメタロセン化合物に関し
ては、特開平6−306121号公報、特表平7−50
0622号公報等に詳細に記載されている。
【0021】上記シングルサイト触媒の場合、前記した
主成分以外に、さらに活性化共触媒が用いられる。該共
触媒としては、高重合度又は低重合度のアルミノオキサ
ン、特にメチルアルミノオキサンが適当である。これ以
外としては、いわゆる変性アルミノオキサンも上記共触
媒としての使用に適している。
【0022】また、上記シングルサイト触媒を用いた直
鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体の重合は、溶液
重合法、懸濁重合法、気相重合法等の従来から公知の方
法により行われる。この場合、重合条件としては、重合
温度は0〜250℃、重合圧力は高圧(50MPa以
上)、中圧(10〜50MPa)又は低圧(常圧〜10
MPa)であることが一般的である。
【0023】2.B成分(超低密度エチレン−α−オレ
フィン共重合体) 本発明に使用する超低密度エチレン−α−オレフィン共
重合体は、エチレンとα−オレフィン、例えば炭素原子
数3ないし12のα−オレフィン、との共重合体であ
る。α−オレフィンの具体例としては、プロピレン、ブ
テン−1、ヘキセン−1、4−メチルペンテン、オクテ
ン−1、デセン−1、ドデセン−1等を挙げることがで
きる。
【0024】この超低密度エチレン−α−オレフィン共
重合体は、密度、メルトインデックス、引張強さ、及び
1%シーカントモジュラスで特定の物性値を有する。す
なわち、密度は、0.860〜0.915g/cm3
ある(密度は、JIS K7112に準拠して測定され
る)。密度が0.860g/cm3未満であると、フィ
ルムの耐引裂き性、耐突刺し性、耐熱性等が劣り、一方
密度が0.915g/cm3を超えると、フィルムの柔
軟性が劣るので望ましくない。また、メルトインデック
スは、0.1〜10g/10分である(メルトインデッ
クスは、JIS K7210に準拠して測定される)。
メルトインデックスが0.1g/10分未満であると、
未延伸原反を製造する際に加工性が劣り、一方メルトイ
ンデックス10g/10分を超えると、フィルムの機械
的強度が劣るので望ましくない。また、引張強さは、7
MPa以上である(引張強さはJIS K7127に準
拠して測定される)。引張強さが7MPa未満である
と、フィルムの機械的強度が劣るので望ましくない。ま
た、1%シーカントモジュラスは、120MPa以下で
ある(1%シーカントモジュラスは、JIS K712
7に準拠して測定される)。1%シーカントモジュラス
が120MPaを超えると、フィルムの柔軟性が劣るの
で望ましくない。
【0025】本発明の超低密度エチレン−α−オレフィ
ン共重合体を製造するための方法としては、従来から知
られているいかなる製法も用いることができ、特に限定
するものではないが、そのうち、例えば本願出願人の日
本ユニカー社が技術提携している米国のユニオンカーバ
イド社が開発した方法やシングルサイト触媒を使用した
方法が特に好ましい。
【0026】ユニオンカーバイド社が開発した方法は、
特開昭59−230011号公報に詳細に記載されてい
る。この方法によれば、超低密度エチレン−α−オレフ
ィン共重合体は、次のようにして連続的に製造される。
すなわち、(a)α−オレフィン:エチレンのモル比が
0.35:1〜8.0:1である、エチレンと少なくと
も1種のα−オレフィンとからなる原料ガスと、(b)
25モル%以上の少なくとも1種の希釈ガスとを含有す
る気体混合物は、まず流動床反応帯域中で10〜80℃
の温度、かつ7MPa以下の圧力下に、次式:
【0027】
【化4】MgmTi(OR)np〔ED〕q [式中、Rは、炭素数1〜14の脂肪族ないしは芳香族
炭化水素基、又は基COR′を表し、その際R′は、炭
素原子数1〜14の脂肪族又は芳香族炭化水素基を表
し、Xは、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子及びその混
合物からなる群から選択されるハロゲン原子を表し、E
Dは、脂肪族又は芳香族のアルキルエステル、脂肪族エ
ーテル、環式エーテル及び脂肪族ケトンからなる群から
選択される有機電子供与化合物を表す。また、mは0.
5〜56であり、nは0、1又は2であり、pは2〜1
16であり、qは2〜85である。]で表わされる先駆
体組成物からなる触媒系の粒子と連続的に接触させ、次
いで前記先駆体組成物は、不活性キャリア材料で希釈す
るとともに、次式:
【0028】
【化5】Al(R′)dX′ef [式中、X′は、塩素原子又は基OR″を表わし、R′
及びR″は、炭素数1〜14の飽和炭化水素基を表わ
す。また、eは0〜1.5、fは0又は1であって、か
つd+e+fは3である。]で表わされる有機アルミニ
ウム化合物でもって完全に活性化させる。その際、上記
活性化化合物の使用量は、前記反応帯域中における全ア
ルミニウム:チタンのモル比が10:1〜400:1と
なるようにすることが好ましい。
【0029】また、本発明の超低密度エチレン−α−オ
レフィン共重合体を製造するためには、シングルサイト
触媒を使用した方法も好ましい。その場合、前記したA
成分(直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体)の場
合に述べた如く、触媒の主成分としては、下記式(1)
〜(3)で表されるメタロセン触媒が用いられる。
【0030】
【化1】 (Cp)mMRnR′p ・・・(1) [式中、Cpは、置換又は未置換シクロペンタジエニル
基であり、Mは、周期表第4〜10族の遷移金属であ
り、R及びR′は、それぞれハロゲン、炭素数1〜20
の炭化水素基又はヒドロカルボキシ基から選択される置
換基である。また、mは1〜3、nは0〜3、pは0〜
3の数であって、かつm+n+pはMの酸化状態に等し
い。]
【0031】
【化2】 (C5R′mpR″s(C5R′m)MQ3-p-x およびR″s(C5R′m2MQ′ ・・・(2) [式中、C5R′m は、置換シクロペンタジエニル基で
あり、各R′は、同一であっても異なっていてもよく、
水素、又は炭素数1〜20のアルキル基、アルケニル
基、アリール基、アルキルアリール基又はアリールアル
キル基から選択される置換基、又は互いに結合してC4
〜C6環の一部を形成する2個の炭素原子基であり、
R″は、1個又はそれ以上の炭素、ゲルマニウム、ケイ
素、燐もしくは窒素原子、又はそれらの組合わせであ
り、これらは、2個のC5R′m環上を置換してそれらを
橋渡しする基又は1個のC5R′m 環上を置換してMに
橋渡しする基を含有し、pが0である場合には、xは1
であり、その他の場合には、xは常に0であり、各Q
は、同一であっても異なっていてもよく、炭素数1〜2
0のアリール基、アルキル基、アルケニル基、アルキル
アリール基、アリールアルキル基又はハロゲンから選択
される置換基であり、Q′は、炭素数1〜20のアルキ
リデン基である。また、sは0又は1であるが、sが0
である場合には、mは5、pは0、1又は2であり、一
方sが1である場合には、mは4、pは1である。] なお、上記一般式(1)及び(2)で示されるメタロセ
ン化合物に関しては、特開平8−134121号公報、
特表平8−509773号公報、特表平8−51029
0号公報等に詳細に記載されている。
【0032】
【化3】 [式中、Mは、周期表第3〜10族又はランタノイドの
金属原子であり、Cpは、Mにη5結合様式で結合して
いる置換又は未置換のシクロペンタジエニル基であり、
Zは、ホウ素又は周期表14族の元素、もしくは硫黄原
子又は酸素原子を含有する原子団であり、その際、該原
子団は、20個までの水素原子以外の原子を有するか、
又はCp及びZは、一緒になって縮合環系を形成し、X
は、互いに独立してアニオン性配位子又は30個までの
水素原子以外の原子を有する中性ルイス塩基配位子であ
る。また、nは0、1、2、3又は4で、かつMの原子
価より2少ない数であり、そしてYは、Z及びMと結合
するアニオン性又は非アニオン性配位子で、かつ窒素原
子、燐原子、酸素原子又は硫黄原子を含んでおり、そし
て20個までの水素原子以外の原子を有するか、又は必
要に応じてY及びZは、一緒になって縮合環系を形成す
る。] なお、一般式(3)で表されるメタロセン化合物に関し
ては、特開平6−306121号公報、特表平7−50
0622号公報等に詳細に記載されている。
【0033】上記シングルサイト触媒の場合、前記した
主成分以外に、さらに活性化共触媒が用いられる。該共
触媒としては、高重合度又は低重合度のアルミノオキサ
ン、特にメチルアルミノオキサンが適当である。これ以
外としては、いわゆる変性アルミノオキサンも上記共触
媒としての使用に適している。
【0034】また、上記シングルサイト触媒を用いた超
低密度エチレン−α−オレフィン共重合体の重合は、溶
液重合法、懸濁重合法、気相重合法等の従来から公知の
方法により行われる。この場合、重合条件としては、重
合温度は0〜250℃、重合圧力は高圧(50MPa以
上)、中圧(10〜50MPa)又は低圧(常圧〜10
MPa)であることが一般的である。
【0035】3.C成分(エチレン−酢酸ビニル共重合
体) 本発明に使用されるエチレン−酢酸ビニル共重合体は、
エチレンと酢酸ビニルとを、高圧反応器に送り込み、反
応温度150〜350℃、反応圧力100〜300MP
aの条件下、有機過酸化物等のラジカル発生触媒の存在
下で、共重合させて得られるものである。
【0036】このエチレン−酢酸ビニル共重合体は、酢
酸ビニル含有量及びメルトインデックスで特定の物性値
を有する。すなわち、酢酸ビニル含有量は、10〜30
重量%である(酢酸ビニル含有量の測定は、JIS K
6730に準拠して測定される)。酢酸ビニル含有量が
10重量%未満であると、ヒートシール性の改善効果が
なく、また柔軟性も劣り、一方酢酸ビニル含有量が30
重量%を超えると、機械的特性が劣るので望ましくな
い。また、メルトインデックスは、0.5〜20g/1
0分である(メルトインデックスは、JIS K721
0に準拠して測定される)。メルトインデックスが0.
5g/10未満であると、未延伸原反を製造する際に加
工性が劣り、一方メルトインデックスが20g/10分
を超えると、フィルムの機械的強度が劣るので望ましく
ない。
【0037】4.D成分(無機質粉体) 本発明において使用される無機質粉体としては、例え
ば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、炭酸バリウ
ム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸バリウ
ム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜
鉛、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化チタン、
タルク、シリカ、クレー、カオリン、けい藻土、アルミ
ナ、マイカ、ガラス粉、シラスバルーン、ゼオライト、
ケイ酸白土等の無機質粉体が挙げられる。この場合、無
機質粉体の平均粒径は、0.1〜35μmであり、特に
望ましくは、1〜5μmであることが好ましい。平均粒
径が0.1μm未満であると、無機質粉体の樹脂成分へ
の分散が悪くなり、一方平均粒径が35μmを超える
と、未延伸原反を延伸する際に、気孔の生成が不均一に
なり、その結果、水分を透過させるような粗大な気孔が
生じたり、また機械的強度が劣るので望ましくない。
【0038】5.E成分(有機系滑剤) 本発明において使用される有機系滑剤は、通常熱可塑性
樹脂の成形加工時に用いられる公知のものであり、これ
に該当するものとしては、例えば、パラフィンワック
ス、ポリエチレンワックス等のワックス類、ステアリン
酸、ヒドロキシステアリン酸等の脂肪酸類、ステアリン
酸アマイド、オレイン酸アマイド、エルカ酸アマイド等
の脂肪酸アマイド類、クエン酸ジエステル、2−エチル
ヘキサン酸エステル等の脂肪酸エステル類、パルミチル
アルコール、ステアリルアルコール等の脂肪族アルコー
ル類、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛等の
金属石鹸類、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニル
ポリシロキサン等のシリコーンオイル類等が挙げられ
る。
【0039】6.多孔性フィルム用樹脂組成物 本発明の多孔性フィルム用樹脂組成物に配合される
(A)〜(E)成分の配合量は、特定の割合であること
が必要である。
【0040】まず、(A)〜(C)の樹脂成分について
は、直鎖状エチレン−α−オレフィン共重合体(A)1
00重量部に対して、超低密度エチレン−α−オレフィ
ン共重合体(B)30〜200重量部と、エチレン−酢
酸ビニル共重合体(C)15〜100重量部とを配合す
る。超低密度エチレン−α−オレフィン共重合体(B)
の配合量が30重量部未満であると、柔軟性改良効果が
なく、その結果、フィルムの延伸性が劣り、一方その配
合量が200重量部を超えると、フィルムの機械的特性
が劣り、その結果、フィルムの腰がなくなるので望まし
くない。また、エチレン−酢酸ビニル共重合体(C)の
配合量が15重量部未満であると、ヒートシール性の改
良効果がなく、またフィルムの延伸性が劣り、一方その
配合量が100重量部を超えると、フィルムの機械的特
性が劣るので望ましくない。
【0041】また、無機質粉体(D)と有機系滑剤
(E)の両成分については、上記樹脂成分(A)、
(B)及び(C)からなる樹脂組成物100重量部に対
して、無機質粉体(D)50〜250重量部と、有機系
滑剤(E)0.1〜5重量部とを配合する。無機質粉体
(D)の配合量が50重量部未満であると、所定の通気
性が得られず、一方その配合量が250重量部を超える
と、未延伸原反を加工する際に加工性が悪くなり、また
無機質粉体の分散性も悪くなり、その結果、均一な孔径
の気孔が形成されず、フィルムの柔軟性及び機械的強度
も劣るので望ましくない。また、有機系滑剤(E)の配
合量が0.1重量部未満であると、フィルムを延伸する
際に均一な厚みのフィルムが得られず、一方その配合量
が5重量部を超えると、未延伸原反を加工する際に加工
性が悪くなり、その結果、フィルム表面に滑剤がブリー
ドアウトしてフィルムがべとつくので望ましくない。
【0042】本発明の多孔性フィルム用樹脂組成物に
は、得られた多孔性フィルムの加工性やフィルム特性を
損なわない範囲で、他の樹脂成分、例えば、高密度ポリ
エチレン、高圧法低密度ポリエチレン、エチレン−アク
リル酸エチル共重合体、アイオノマー、ポリプロピレ
ン、スチレン系エラストマー等を配合してもよく、また
同様に、熱可塑性樹脂の成形加工時に通常用いられる安
定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、帯電防止
剤、分散剤、中和剤、架橋剤、抗菌剤、香料、加工助
剤、顔料、着色剤等の各種添加剤や補助資材を配合して
もよい。本発明の多孔性フィルム用樹脂組成物は、前記
した如く、所定量の上記3種類の樹脂成分と2種類の添
加剤成分に、必要に応じてさらに上記の他の樹脂成分や
各種添加剤、補助資材等を適当量配合したのち、一般的
な方法、例えばニーダー、バンバリーミキサー、コンテ
ィニュアスミキサー、押出機等を用いて均一に混合混練
することにより製造される。
【0043】7.多孔性フィルム 本発明の多孔性フィルムは、上記多孔性フィルム用樹脂
組成物を、まず通常フィルム成形時に使用されるTダイ
押出機やインフレーション法等による押出機により、樹
脂温度180〜280℃で未延伸原反を製造し、次いで
この未延伸原反を一軸または二軸に延伸することにより
製造され得る。この場合、延伸倍率は、適宜選択されう
るが、得られたフィルムの通気性、透湿性、強度のバラ
ンスを保つため、通常1.2〜4.0倍であることが好
ましい。
【0044】得られた多孔性フィルムは、機械的特性、
柔軟性、延伸加工性、ヒートシール性等に優れ、しかも
良好な通気性を有するため、通気性の要求される分野で
あるオムツ等の衛生材料用、建築用防水シート用、ホッ
トカイロ用等に好適である。
【0045】
【実施例】以下に、実施例に基づいて本発明をさらに詳
細に説明するが、本発明は、これらの実施例によって何
ら限定されるものではない。
【0046】実施例1 (A)チーグラー系触媒を使用して製造した密度が0.
918g/cm3、メルトインデックス(以下、MIと
記す。)が3.5g/10分、引張強さが23MPa、
1%シーカントモジュラス(以下、1%Mと記す。)が
209MPaの直鎖状エチレン−ヘキセン−1共重合体
(日本ユニカー社製)100重量部と、(B)前記ユニ
オンカーバイド社が開発した方法で製造した密度が0.
910g/cm3、MI が2.5g/10分、引張強
さが17MPa、1%M が113MPaの超低密度エ
チレン−ヘキセン−1共重合体(米国ユニオンカーバイ
ド社製)100重量部と、(C)酢酸ビニル含有量が1
5重量%、 MI が1.5g/10分のエチレン−酢
酸ビニル共重合体(日本ユニカー社製)90重量部とか
らなる樹脂組成物100重量部に対して、(D)平均粒
径が2.4μmの炭酸カルシウム110重量部と、
(E)有機系滑剤(花王社製、花王ワックス230−
2)1.3重量部とをバンバリーミキサーに投入し、温
度160℃で10分間混合混練したのち、造粒してペレ
ットを得た。次いで該ペレットをTダイ押出機に投入
し、樹脂温度230℃、加工速度20m/分の条件で押
出し、チルロールで冷却しながら厚さ70μmの未延伸
フィルム原反を得たのち、このフィルム原反を延伸して
多孔性フィルムを作成した。
【0047】得られた多孔性フィルムの物性は、下記の
測定方法で評価した。 破断点強度及び伸び率:JIS Z1707に準拠して
測定した。 引裂き強度:JIS K7128に準拠して測定した。 ヒートシール強度:JIS Z1707に準拠して測定
した。なお、ヒートシール温度は160℃で行った。 通気度:JIS P8117に準拠して測定した。 透湿度:JIS Z0208に準拠して測定した。
【0048】評価の結果は、次の通りであった。
【0049】実施例2 実施例1において、(B)成分を、前記ユニオンカーバ
イド社が開発した方法で製造した密度が0.900g/
cm3、MI が5g/10分、引張強さが16MP
a、 1%M が99MPaの超低密度エチレン−ヘキ
セン−1共重合体(米国ユニオンカーバイド社製)85
重量部とし、かつ(D)成分を、炭酸カルシウム140
重量部とした以外は、実施例1と同様に行った。
【0050】得られた多孔性フィルムを評価したとこ
ろ、その結果は、次の通りであった。
【0051】実施例3 実施例1において、(B)成分として、密度0.870
g/cm3、MI 5g/10分、引張強さ8MPaお
よび 1%M 3MPaのシングルサイト触媒を使用し
て製造した超低密度エチレン−オクテン−1共重合体
(米国ダウケミカル社製)を100重量部に代えた以外
は実施例1と同様に行い、得られた多孔性フィルムを評
価した。
【0052】その結果は、次の通りであった。
【0053】比較例1 実施例1において、(B)成分を超低密度エチレン−ヘ
キセン−1共重合体20重量部とした以外は、実施例1
と同様に行った。その結果、延伸性は悪化し、均一な厚
みの多孔性フィルムを得ることができなかった。
【0054】比較例2 実施例1において、(C)成分をエチレン−酢酸ビニル
共重合体10重量部とした以外は、実施例1と同様に行
った。その結果、延伸性は悪化し、均一な厚みの多孔性
フィルムを得ることができなかった。
【0055】比較例3 実施例1において、(D)成分を炭酸カルシウム40重
量部とした以外は、実施例1と同様に行った。その結
果、得られた多孔性フィルムの通気性、透湿性は、次の
通り不十分であった。 通気度 :26000秒/100cc 透湿度 : 125g/m2/日
【0056】比較例4 実施例1において、(B)成分を、超低密度エチレン−
ヘキセン−1共重合体に代えて、エチレン−プロピレン
共重合体(日本合成ゴム社製、EP−01P)100重
量部とした以外は、実施例1と同様に行った。その結
果、得られた多孔性フィルムの通気性、透湿性、破断点
強度は、次の通り低下し、不十分であった。
【0057】比較例5 実施例1において、(C)成分を、エチレン−酢酸ビニ
ル共重合体に代えて、密度が0.922、 MI が
2.4の高圧法低密度ポリエチレン(日本ユニカー社
製)90重量部とした以外は、実施例1と同様に行っ
た。その結果、得られた多孔性フィルムのヒートシール
強度は、次の通り低下し、不十分であった。
【0058】比較例6 実施例1において、(E)成分である有機系滑剤の配合
量を7重量部とした以外は、実施例1と同様に行った。
その結果、得られた多孔性フィルムは、その表面に有機
系滑剤がブリードアウトしてしまい、商品価値を全く無
くなってしまった。
【0059】
【発明の効果】本発明の多孔性フィルム用樹脂組成物
は、特定の3成分系からなるエチレン系樹脂組成物に特
定量の無機質粉体と特定量の有機系滑剤とを配合するこ
とにより、未延伸原反フィルムを製造する際の加工安定
性に優れ、またこれを延伸加工して製造した多孔性フィ
ルムは、非常に柔軟性に優れ、通気性、透湿性及び機械
的強度も良好で、さらにヒートシール性に優れている。
また、本発明の多孔性フィルム用樹脂組成物に用いられ
る直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体及び
/又は超低密度エチレン−α−オレフィン共重合体とし
て、シングルサイト触媒を使用して製造される重合体を
用いると、得られる多孔性フィルムは、さらに機械的特
性や柔軟性が向上し、しかも延伸性が良好になり、高品
質の製品が得られる。本発明の多孔性フィルムは、、機
械的特性、柔軟性、延伸加工性、ヒートシール性等に優
れ、しかも良好な通気性を有するため、通気性の要求さ
れる分野であるオムツ等の衛生材料用、建築用防水シー
ト用、ホットカイロ用等に好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29L 7:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)密度が0.916〜0.940g
    /cm3、メルトインデックスが0.1〜20g/10
    分、引張強さが20MPa以上、1%シーカントモジュ
    ラスが200MPa以上の直鎖状エチレン−α−オレフ
    ィン共重合体100重量部と、(B)密度が0.860
    〜0.915g/cm3、メルトインデックスが0.1
    〜10g/10分、引張強さが7MPa以上、1%シー
    カントモジュラスが120MPa以下の超低密度エチレ
    ン−α−オレフィン共重合体30〜200重量部と、
    (C)酢酸ビニル含有量が10〜30重量%、メルトイ
    ンデックスが0.5〜20g/10分のエチレン−酢酸
    ビニル共重合体15〜100重量部とからなる樹脂組成
    物100重量部に対して、(D)平均粒径が0.1〜3
    5μmの無機質粉体50〜250重量部と、(E)有機
    系滑剤0.1〜5重量部とを配合してなることを特徴と
    する多孔性フィルム用樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の多孔性フィルム用樹脂
    組成物を用いて溶融成形したフィルムを延伸加工して得
    られる多孔性フィルム。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4533483B2 (ja) * 1999-05-20 2010-09-01 三井・デュポンポリケミカル株式会社 熱可塑性樹脂組成物
JP2019119827A (ja) * 2018-01-10 2019-07-22 興人フィルム&ケミカルズ株式会社 通気性フィルム
TWI810347B (zh) * 2018-08-23 2023-08-01 日商Dic股份有限公司 密封膠膜、積層膜及包裝材

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JP2019119827A (ja) * 2018-01-10 2019-07-22 興人フィルム&ケミカルズ株式会社 通気性フィルム
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