JP3544872B2 - 液体添加剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体組成物、及びこれを用いた樹脂組成物並びにこれら組成物からなる成形物 - Google Patents

液体添加剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体組成物、及びこれを用いた樹脂組成物並びにこれら組成物からなる成形物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体添加剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体組成物、及びこれを用いた樹脂組成物、並びにこれら組成物からなる成形物に関し、さらに詳しくは、従来のエチレン−α−オレフィン共重合体に液体添加剤を混練した組成物に較べて、混練が容易で、しかも品質良く製造することができ、かつ液体添加剤の樹脂マスターバッチとしても好適な液体添加剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体組成物、及びこれを熱可塑性樹脂又は合成ゴムに配合した樹脂組成物、並びにこれら組成物を成形した成形物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エチレン−α−オレフィン共重合体は、一般に、高圧法低密度ポリエチレンに較べ、機械的強度、衝撃強度、耐ストレスクラッキング性、耐熱性、剛性等に優れているため、フィルム・シートを始め、パイプ、電線被覆材料、射出成形品、回転成形品等に広く使用されている。
しかし、エチレン−α−オレフィン共重合体を上記各種用途に使用する際、場合によっては、エチレン−α−オレフィン共重合体に液体添加剤を配合する必要がある。エチレン−α−オレフィン共重合体に固体の添加剤を練り込む場合は、通常のミキサーや押出機で混練すれば、容易に分散し、良好な混練品が得られるが、液体の添加剤の場合は、混練中に樹脂がうまく混練できずに滑ってしまったり、混練中に液体添加剤がミキサーや押出機等から漏れてしまったりする問題点があった。
そのため、エチレン−α−オレフィン共重合体に液体添加剤を混練する際に生じる上記問題点を解消し、分散性良くかつ多量の液体添加剤でも混練することが可能な方策について、これまで数多くの試みがなされてきたが、いずれも十分に満足の行くものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、エチレン−α−オレフィン共重合体に液体添加剤を混練した際に、分散性良くかつ多量の液体添加剤でも混練することができるエチレン−α−オレフィン共重合体組成物を提供し、さらには、これをマスターバッチとして配合した樹脂組成物又はこれら組成物を用いて成形した品質の良好な成形物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、液体添加剤を特定の物性と粒度を有するグラニュラー状のエチレン−α−オレフィン共重合体に含浸させることにより、上記課題が解決できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成に至ったものである。
【0005】
すなわち、本発明によれば、メルトフローレートが0.1〜50g/10分、密度が0.86〜0.94g/cm 、平均粒径が0.5〜1.5mmのグラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体100重量部に、防曇剤及び粘着付与剤からなる群から選択される少なくとも1種の液体添加剤5〜100重量部を、ヘンシェルミキサー又はリボンブレンダーで混合することにより、含浸させてなる液体添加剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体組成物が提供される。
さらに、本発明によれば、グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体は、嵩密度が0.2〜0.5g/cmであることを特徴とする上記の液体添加剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体組成物が提供される。
【0006】
また、本発明によれば、上記いずれかの液体添加剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体組成物1〜99重量%に、熱可塑性樹脂又は合成ゴム99〜1重量%を混合又は混練してなる樹脂組成物が提供される。
【0007】
さらにまた、本発明によれば、上記の樹脂組成物を、押出成形、射出成形、回転成形又は圧縮成形してなる成形物が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0009】
1.エチレン−α−オレフィン共重合体
本発明に使用されるエチレン−α−オレフィン共重合体は、エチレンとα−オレフィン、例えば炭素数3〜12のα−オレフィンとの共重合体である。α−オレフィンとしては、プロピレン、ブテン−1、4−メチルペンテン−1、ヘキセン−1、オクテン−1、デセン−1、ドデセン−1等を挙げることができる。
上記エチレン−α−オレフィン共重合体を製造するのに使用される触媒は、チーグラー系触媒、フィリップス系触媒、又はスタンダード系触媒と呼ばれるマルチサイト系触媒、或いはメタロセン系触媒と呼ばれるシングルサイト系触媒である。チーグラー系触媒は、チタン化合物やバナジウム化合物等の遷移金属化合物からなる主触媒、有機アルミニウム等の有機金属化合物からなる助触媒、及びケイ素、チタン、マグネシウム等の酸化物からなる触媒担体から構成され、フィリップス系触媒は、酸化クロムからなる主触媒、及び珪素、アルミニウム等の酸化物からなる触媒担体から構成され、スタンダード系触媒は、酸化モリブデンからなる主触媒、及びアルミニウムの酸化物からなる触媒担体から構成される。一方、メタロセン触媒は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周期表第3族または第4族の遷移金属化合物からなる主触媒、アルミノオキサン等の有機アルミニウム化合物からなる共触媒、及び場合によってはケイ素、チタン、マグネシウム、アルミニウム等の酸化物からなる触媒担体から構成される。
本発明に使用されるエチレン−α−オレフィン共重合体は、特定の物性と粒度を有するグラニュラー状のものであることが重要である。
物性の面では、メルトフローレートが0.1〜50g/10分、好ましくは0.5〜5g/10分、密度が0.86〜0.94g/cm、好ましくは0.88〜0.91g/cmである。メルトフローレートが0.1g/10分未満であると、押出し加工性が劣り、一方、50g/10分を越えると、機械的特性が悪くなるので望ましくない。また、密度が0.86g/cm未満であると、耐熱性が劣り、一方、0.94g/cmを越えると、柔軟性、可撓性、低温特性が悪くなるので望ましくない。
一方、粒度の面では、エチレン−α−オレフィン共重合体は、液体添加剤の含浸を容易にするためにグラニュラー状であることが必要であり、嵩密度が0.2〜0.5g/cm、平均粒径が0.5〜1.5mmの性状を有することが望ましい。嵩密度が0.2g/cm未満であると、押出機中でグラニュラーの混練効果が悪く、生産性に劣り、一方、0.5g/cmを越えると、均一に液体添加剤が含浸されないので望ましくない。また、平均粒径が0.5mm未満であると、液体添加剤の吸収がよすぎて、かえって均一な含浸が得られず、一方、1.5mmを越えると、グラニュラー状物の形状が不統一になり、均一な含浸が得られないので望ましくない。
かかる形状を有するグラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体は、例えば、特公昭50−32110号、同52−45750号、同53−8666号、同56−18132号、同56−22444号、同61−363号、同61−26805号、同62−44004号、同62−56166号公報等に記載されたユニポール法と呼ばれる重合方法によって製造される。具体的には、このユニポール法によれば、グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体は、例えば、エチレン4〜98重量%およびα−オレフィン96〜2重量%からなるモノマー流体と、場合により水素等の希釈ガスとを含有する気体混合物を、表面積50〜100m/g、平均粒径50〜200μm、細孔直径5〜20nmの無機酸化物多孔体からなる担体に重合触媒成分を担持させた重合触媒の存在下、気相流動床反応器中で、10〜105℃の温度、0.5〜7MPaの圧力、1.5〜10Gmf等の条件下で反応させることにより製造できる。
なお、上記製造条件中、Gmfとは、流動床において流動化を達成するのに必要とされる最小のガス流量に対する略語であり、シー.ワイ.ウエンおよびワイ.エイチ.ユ両氏の論文「流動化機構」、Chemical Engineering Progress Symposium Series, Vol.62, p.100−111(1966)に詳細に説明されている。
【0010】
2.液体添加剤
本発明に使用される液体添加剤は、常温で液体である樹脂用添加剤の他に、常温では固体であるがエチレン−α−オレフィン共重合体の融点では溶融して液体となる(すなわち、エチレン−α−オレフィン共重合体の融点未満の融点を有する)樹脂用添加剤をも包含する。これらの液体添加剤としては、防曇剤、滑剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、粘着付与剤等がある。
防曇剤としては、ジグリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノミリステート、ジグリセリンモノパルミテート、ジグリセリンモノステアリレート、ジグリセリンモノベヘネート、ジグリセリンモノオレート等のジグリセリン脂肪酸エステル;グリセリンモノラウレート、グリセリンモノミリステート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンモノオレート等のグリセリン脂肪酸エステル;ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール等の高級脂肪族アルコール等を例示できる。
滑剤としては、パラフィンワックス、流動パラフィン等のワックス;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーンオイル;オレフィン酸アマイド、エルカ酸アマイド等の脂肪酸アマイド等を例示できる。
酸化防止剤としては、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオート、ジステアリルペンタエルスリトールジフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、2,5,7,8−テトラメチル−2(4’,8’,12’−トリメチルトリデシル)クロマン6−オール等を例示できる。
光安定剤としては、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート等を例示できる。
紫外線吸収剤としては、フェニル・サリシレート、p−t−ブチルフェニル・サリシレート、2−ヒドロキシ−4−メトキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ・ベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシ・ベンゾフェノン、ヒドロキシフェニル・ベンゾトリアゾール誘導体等を例示できる。
粘着付与剤としては、ポリブテン、クロマンインデンオイル、液体テレピン系粘着付与剤等を例示できる。
これらの液体添加剤の内で、防曇剤や粘着付与剤は、樹脂に対する添加量が多いので、利用価値が高く、特に好ましい。
エチレン−α−オレフィン共重合体に対する液体添加剤の添加量は、グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体100重量部に対して、通常は、0.01〜200重量部、好ましくは、5〜100重量部である。添加量が0.01重量部未満であると、液体添加剤の添加効果がなく、一方、200重量部を越えると、液体添加剤がエチレン−α−オレフィン共重合体に十分含浸しないので望ましくない。
【0011】
3.液体添加剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体組成物
本発明の液体添加剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体組成物は、前述した特定の物性と粒度を有するグラニュラー状のエチレン−α−オレフィン共重合体に所定量の液体添加剤を含浸させることにより調製される。
液体添加剤を含浸させる方法は、特に限定するものではないが、例えば、常温または加熱した液体添加剤を規定量計量して規定量のグラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体に加え、ヘンシェルミキサーやリボンブレンダー等の混合機で混合することにより行われる。また、グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体に液体添加剤をさらに十分含浸させたい場合には、上記混合した後、常温または加熱した状態で5分〜24時間静置する方法により行い得る。
本発明の液体添加剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体組成物には、本発明の特性を損なわない範囲で少量の他の粉末状樹脂を配合してもよい。その際、配合の仕方としては、原料として使用するグラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体の中に他の粉末状樹脂を配合するか、或いは調製された液体添加剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体の中に他の粉末状樹脂を配合するかのいずれの方法であってもよい。
このような他の粉末状樹脂としては、高圧法低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー、スチレン系エラストマー等が挙げられる。
【0012】
4.樹脂組成物
本発明の樹脂組成物は、前述した液体添加剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体組成物を液体添加剤の樹脂マスターバッチとして用いて、これに熱可塑性樹脂又は合成ゴムを配合することにより調製される。
本発明に使用される熱可塑性樹脂又は合成ゴムとしては、液体添加剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体組成物と相溶性のあるポリオレフィン系樹脂が好ましいが、ポリオレフィン系樹脂以外の熱可塑性樹脂や合成ゴムも使用できる。その際、配合する熱可塑性樹脂又は合成ゴムは、必ずしも1種のものに限られるものではなく、2種以上のものを同時に併用することもできる。そして配合する熱可塑性樹脂又は合成ゴムの形態は、粉末状、ペレット状、フレーク状、ブロック状等のいかなる形態であってもよい。
ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体、超低密度エチレン−α−オレフィン共重合体、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー等を例示できるが、この中では、直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体、超低密度エチレン−α−オレフィン共重合体が最も好ましく使用される。
ポリオレフィン系樹脂以外の熱可塑性樹脂又は合成ゴムとしては、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、ポリエーテル、ポリカーボンエート、ポリエステル、ポリアミド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、アクリルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム等を例示できる。
液体添加剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体組成物と熱可塑性樹脂又は合成ゴムとの配合割合は、前者が1〜99重量%に対して後者が99〜1重量%の割合である。
【0013】
5.成形物
本発明の液体添加剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体組成物は、これをそのまま成形して成形物とすることもできるが、前述したように、マスターバッチとしても使用することができる。
マスターバッチとして使用する場合は、熱可塑性樹脂又は合成ゴム1〜99重量%と液体添加剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体組成物99〜1重量%とを混合または混練し、前述の樹脂組成物とした後、これを成形して成形物とすることができる。ここで、混合とは、各種ブレンダー等の混合機等を用いて混合することを意味し、混練とは、バンバリーミキサーや押出機等を用いて混練することを意味する。
成形手段は、特に限定するものではないが、例えば、押出成形、射出成形、回転成形、圧縮成形等を例示できる。これらの中でも、フィルム、シート等を成形する押出成形が特に好ましい。
【0014】
【実施例】
以下に、本発明について実施例及び比較例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に特に限定されるものではない。
【0015】
実施例1
チーグラー系触媒を用いてユニポール法により製造した、メルトフローレートが1g/10分、密度が0.90g/cm、嵩密度が0.4g/cm、平均粒径が0.8mmのグラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体100重量部と、液体防曇剤であるジグリセリン脂肪酸エステル11重量部とを、ヘンシェルミキサーで常温にて混合し、液体防曇剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体組成物を得た。
この液体防曇剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体組成物は、グラニュラー表面に液体防曇剤の滲み出しもなく、さらさらしており、取扱いやすかった。
【0016】
比較例1
実施例1の含浸方法に代えて、混練方法で実施した。すなわち、実施例1と同一の組成である、チーグラー系触媒を用いてユニポール法により製造した、メルトフローレートが1g/10分、密度が0.90g/cm、嵩密度が0.4g/cm、平均粒径が0.8mmのグラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体100重量部と、液体防曇剤であるジグリセリン脂肪酸エステル11重量部とを、バンバリーミキサーで混練温度130〜140℃にて混練したが、樹脂が滑ってしまい混練することができなかった。
【0017】
実施例2
チーグラー系触媒を用いてユニポール法により製造した、メルトフローレートが1g/10分、密度が0.90g/cm、嵩密度が0.4g/cm、平均粒径が0.8mmのグラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体100重量部と、液体粘着付与剤であるポリブテン18重量部とを、ヘンシェルミキサーで常温にて混合し、液体粘着付与剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体組成物を得た。
この液体粘着付与剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体組成物は、グラニュラー表面に液体粘着付与剤の滲み出しもなく、さらさらしており、取扱いやすかった。
【0018】
比較例2
実施例2の含浸方法に代えて、混練方法で実施した。すなわち、実施例2と同一の組成である、チーグラー系触媒を用いてユニポール法により製造した、メルトフローレートが1g/10分、密度が0.90g/cm、嵩密度が0.4g/cm、平均粒径が0.8mmのグラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体100重量部と、液体粘着付与剤であるポリブテン18重量部とを、バンバリーミキサーで混練温度130〜140℃にて混練したが、樹脂が滑ってしまい混練することができなかった。
【0019】
実施例3
チーグラー系触媒を用いてユニポール法により製造した、メルトフローレートが2g/10分、密度が0.92g/cmのペレット状エチレン−α−オレフィン共重合体90重量%と、実施例1で得た液体防曇剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体組成物10重量%とを混合した後、その混合物を40mmφインフレーションフィルム押出機に投入し、押出温度190〜200℃、ブロー比2、吐出量18kg/hrで押出し、厚さ40μmのフィルムを成膜した。
その間、加工する際の押出加工性、フィルムの曇り度、光沢、防曇性および外観を評価した。評価方法は、次の通りであって、評価結果は、表1に示したが、すべての評価結果は良好であった。
押出加工性:押出加工中に、吐出変動が無く、フィルム厚みの変動が無く、安定加工できるものを合格とする。
曇り度:JIS K−7105に準拠した。
光沢:JIS K−7105に準拠した。角度は、45°で行った。
防曇性:500ccのビーカーに水を150cc加え、上面の入口全面にフィルムを張り付けて密閉し、この密閉したビーカーを温度60℃の恒温水槽に入れ、3日後にビーカー入口に張ったフィルムに付着した水滴の付着面積を肉眼で観察し、水滴付着面積の割合で判定した。水滴付着面積の割合が20%未満のものを合格とする。
外観:フィルムを肉眼で観察し、フィルムにフィッシュアイ、ダラ、ムラ等がないものを合格とする。
【0020】
【表1】
Figure 0003544872
【0021】
比較例3
液体防曇剤含浸用に使用した平均粒径が0.8mmのグラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体に代えて、平均粒径が2mmのグラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体を使用した以外は、実施例1と同様の操作を実施し、液体防曇剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体組成物を得た。
次いでこれを実施例3で使用した液体防曇剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体組成物に代えた以外は、実施例3と同様の操作を実施し、実施例3と同じく厚さ40μmのフィルムを得た。このフィルムを実施例3と同様に評価したところ、防曇性は、不合格であった。
【0022】
実施例4
チーグラー系触媒を用いてユニポール法により製造した、メルトフローレートが1.5g/10分、密度が0.92g/cmのペレット状エチレン−α−オレフィン共重合体80重量%と、実施例2で得た液体粘着付与剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体組成物20重量%とを混合した後、その混合物を40mmφインフレーションフィルム押出機に投入し、押出温度190〜200℃、ブロー比2、吐出量18kg/hrで押出し、厚さ40μmのフィルムを成膜した。
その間、加工する際の押出加工性、フィルムの曇り度、光沢、粘着性および外観を評価した。評価方法は、粘着性以外は全て前記の通りであった。粘着性は、次の通りであり、評価結果は表2に示したが、すべての評価結果は良好であった。
粘着性:ASTM D3354に準拠して行い、測定値が500g/100cm以上のものを合格とする。ただし、粘着加速条件は、温度50℃のオーブン中に荷重4kg/100cmの重りを乗せ、経過時間24時間である。
【0023】
【表2】
Figure 0003544872
【0024】
比較例4
液体粘着付与剤含浸用に使用した平均粒径が0.8mmのグラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体に代えて、平均粒径が2mmのグラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体を使用した以外は、実施例2と同様の操作を実施し、液体粘着付与剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体組成物を得た。
次いでこれを実施例4で使用した液体粘着付与剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体組成物に代えた以外は、実施例4と同様の操作を実施し、実施例4と同じく厚さ40μmのフィルムを得た。このフィルムを実施例4と同様に評価したところ、粘着性は不合格であった。
【0025】
【発明の効果】
本発明の液体添加剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体組成物は、エチレン−α−オレフィン共重合体に液体添加剤を混練した従来の組成物に較べて、製造が容易であり、しかも液体添加剤を均一に規定量配合できるばかりでなく、多量の液体添加剤であっても配合することができる。そのため、この液体添加剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体組成物は、特に液体添加剤用のマスターバッチとしての利用価値が高く、このマスターバッチを使用した樹脂組成物からは、良好な物性を示す成形物が容易に得られるという顕著な効果がある。

Claims (4)

  1. メルトフローレートが0.1〜50g/10分、密度が0.86〜0.94g/cm 、平均粒径が0.5〜1.5mmのグラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体100重量部に、防曇剤及び粘着付与剤からなる群から選択される少なくとも1種の液体添加剤5〜100重量部を、ヘンシェルミキサー又はリボンブレンダーで混合することにより、含浸させてなる液体添加剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体組成物。
  2. グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体は、嵩密度が0.2〜0.5g/cmであることを特徴とする、請求項1に記載の液体添加剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体組成物。
  3. 請求項1又は2に記載の液体添加剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体組成物1〜99重量%に、熱可塑性樹脂又は合成ゴム99〜1重量%を混合又は混練してなる樹脂組成物。
  4. 請求項3に記載の樹脂組成物を、押出成形、射出成形、回転成形又は圧縮成形してなる成形物。
JP31453698A 1998-11-05 1998-11-05 液体添加剤含浸グラニュラー状エチレン−α−オレフィン共重合体組成物、及びこれを用いた樹脂組成物並びにこれら組成物からなる成形物 Expired - Fee Related JP3544872B2 (ja)

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