JP3544870B2 - 液体添加剤含浸粉末エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物及びこれを用いた樹脂組成物、並びにこれら組成物からなる成形物 - Google Patents

液体添加剤含浸粉末エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物及びこれを用いた樹脂組成物、並びにこれら組成物からなる成形物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体添加剤含浸粉末エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物、及びこれを用いた樹脂組成物、並びにこれら組成物からなる成形物に関し、さらに詳しくは、従来のエチレン−酢酸ビニル共重合体に液体添加剤を混練した組成物に較べて、混練が容易で、しかも品質良く製造することができ、かつ液体添加剤の樹脂マスターバッチとしても好適な液体添加剤含浸粉末エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物、及びこれを熱可塑性樹脂又は合成ゴムに配合した樹脂組成物、並びにこれら組成物を成形した成形物に関する。
【0002】
【従来の技術】
エチレン−酢酸ビニル共重合体は、一般に、柔軟性に富み、強靭で、かつ耐寒性に優れ、ヒートシールが良好であることから、農業用フィルム、ストレッチフィルム、ラップフィルム、保護フィルム、粘着性フィルム等に使用されるだけでなく、押出し、ドライ、ノンソルベントの各ラミネーション用フィルム材料としても好適であるため、味噌、コンニャク、液体スープ等の水物食品包材、粉薬、削り節、コーヒー、お茶の葉等の乾燥医薬食品用包材、乾燥材包剤、カイロ包材等のシール材フィルム等に広く使用されている。
しかし、エチレン−酢酸ビニル共重合体を上記各種用途に使用する際、場合によっては、エチレン−酢酸ビニル共重合体に液体添加剤を配合する必要がある。エチレン−酢酸ビニル共重合体に固体の添加剤を練り込む場合は、通常のミキサーや押出機で混練すれば、容易に分散し、良好な混練品が得られるが、液体の添加剤の場合は、混練中に樹脂がうまく混練できずに滑ってしまったり、混練中に液体添加剤がミキサーや押出機等から漏れてしまったりする問題点があった。
そのため、エチレン−酢酸ビニル共重合体に液体添加剤を混練する際に生じる上記問題点を解消し、分散性良くかつ多量の液体添加剤でも混練することが可能な方策について、これまで数多くの試みがなされてきたが、いずれも十分に満足の行くものではなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、エチレン−酢酸ビニル共重合体に液体添加剤を混練した際に、分散性良くかつ多量の液体添加剤でも混練することができるエチレン−酢酸ビニル共重合体組成物を提供し、さらには、これをマスターバッチとして配合した樹脂組成物又はこれら組成物を用いて成形した品質の良好な成形物を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意研究を重ねた結果、液体添加剤を特定の物性と粒度を有する粉末状のエチレン−酢酸ビニル共重合体に含浸させることにより、上記課題が解決できることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて完成に至ったものである。
【0005】
すなわち、本発明によれば、メルトフローレートが0.1〜100g/10分、酢酸ビニル含有量が3〜35重量%、平均粒径が0.8〜1.5mmの粉末状エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に、防曇剤及び粘着付与剤からなる群から選択される少なくとも1種の液体添加剤5〜100重量部を、ヘンシェルミキサー又はリボンブレンダーで混合することにより、含浸させてなる液体添加剤含浸粉末エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物が提供される。
【0006】
また、本発明によれば、上記の液体添加剤含浸粉末エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物1〜99重量%に、熱可塑性樹脂又は合成ゴム99〜1重量%を混合又は混練してなる樹脂組成物が提供される。
【0007】
さらにまた、本発明によれば、上記の樹脂組成物を、押出成形、射出成形、回転成形又は圧縮成形してなる成形物が提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。
【0009】
1.エチレン−酢酸ビニル共重合体
本発明に使用されるエチレン−酢酸ビニル共重合体は、高圧ラジカル重合法と呼ばれる重合方法によって製造される。この重合方法は、例えば、モノマーであるエチレンと酢酸ビニルとを高圧ポンプを使用して反応器に圧送し、反応温度150〜350℃、反応圧力100〜300MPaの条件下で有機過酸化物等のラジカル発生触媒を用いて行われる。
本発明では、エチレン−酢酸ビニル共重合体は、特定の物性、すなわち、特定のメルトフローレートと酢酸ビニル含有量を有し、しかも、特定の粒度(平均粒径)をもつことが重要である。
エチレン−酢酸ビニル共重合体のメルトフローレートは、0.1〜100g/10分、好ましくは、0.5〜30g/10分、さらに好ましくは、1〜5g/10分である。メルトフローレートは、JIS K7210に準拠して設定されるが、0.1g/10分未満であると、加工性が悪化し、一方、100g/10分を越えると、耐熱性及び機械的強度が悪化するので望ましくない。
また、エチレン−酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル含有量は、3〜35重量%、好ましくは、10〜25重量%である。酢酸ビニル含有量は、JIS K6730に準拠して設定されるが、3重量%未満であると、柔軟性、透明性、及び粘着性が劣り、一方、35重量%を越えると、機械的強度及び耐熱性が悪化するので望ましくない。
さらに、粉末状のエチレン−酢酸ビニル共重合体の平均粒径は、0.01〜1.5mm、好ましくは、0.05〜0.5mmである。これが0.01mm未満であると、飛散しやすく取扱が困難になり、一方、1.5mmを越えると、液体添加剤が含浸しにくくなるので望ましくない。
【0010】
2.液体添加剤
本発明に使用される液体添加剤は、常温で液体である樹脂用添加剤の他に、常温では固体であるがエチレン−酢酸ビニル共重合体の融点では溶融して液体となる(すなわち、エチレン−酢酸ビニル共重合体の融点未満の融点を有する)樹脂用添加剤をも包含する。これらの液体添加剤としては、防曇剤、滑剤、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、粘着付与剤等がある。
防曇剤としては、ジグリセリンモノラウレート、ジグリセリンモノミリステート、ジグリセリンモノパルミテート、ジグリセリンモノステアリレート、ジグリセリンモノベヘネート、ジグリセリンモノオレート等のジグリセリン脂肪酸エステル;グリセリンモノラウレート、グリセリンモノミリステート、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンモノベヘネート、グリセリンモノオレート等のグリセリン脂肪酸エステル;ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、オレイルアルコール等の高級脂肪族アルコール等を例示できる。
滑剤としては、パラフィンワックス、流動パラフィン等のワックス;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン等のシリコーンオイル;オレフィン酸アマイド、エルカ酸アマイド等の脂肪酸アマイド等を例示できる。
酸化防止剤としては、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオート、ジステアリルペンタエルスリトールジフォスファイト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステアリル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、2,5,7,8−テトラメチル−2(4’,8’,12’−トリメチルトリデシル)クロマン6−オール等を例示できる。
光安定剤としては、ビス(1−オクチロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート等を例示できる。
紫外線吸収剤としては、フェニル・サリシレート、p−t−ブチルフェニル・サリシレート、2−ヒドロキシ−4−メトキシ・ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシ・ベンゾフェノン、4−ドデシロキシ−2−ヒドロキシ・ベンゾフェノン、ヒドロキシフェニル・ベンゾトリアゾール誘導体等を例示できる。
粘着付与剤としては、ポリブテン、クロマンインデンオイル、液体テレピン系粘着付与剤等を例示できる。
これらの液体添加剤の内で、防曇剤や粘着付与剤は、樹脂に対する添加量が多いので、利用価値が高く、特に好ましい。
エチレン−酢酸ビニル共重合体に対する液体添加剤の添加量は、粉末状エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に対して、通常は、0.01〜200重量部、好ましくは、5〜100重量部である。添加量が0.01重量部未満であると、液体添加剤の添加効果がなく、一方、200重量部を越えると、液体添加剤がエチレン−酢酸ビニル共重合体に十分含浸しないので望ましくない。
【0011】
3.液体添加剤含浸粉末エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物
本発明の液体添加剤含浸粉末エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物は、前述した特定の物性と粒度を有する粉末状のエチレン−酢酸ビニル共重合体に所定量の液体添加剤を含浸させることにより調製される。
液体添加剤を含浸させる方法は、特に限定するものではないが、例えば、常温または加熱した液体添加剤を規定量計量して規定量の粉末状エチレン−酢酸ビニル共重合体に加え、ヘンシェルミキサーやリボンブレンダー等の混合機で混合することにより行われる。また、粉末状エチレン−酢酸ビニル共重合体に液体添加剤をさらに十分含浸させたい場合には、上記混合した後、常温または加熱した状態で5分〜24時間静置する方法により行い得る。
本発明の液体添加剤含浸粉末エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物には、本発明の特性を損なわない範囲で少量の他の粉末状樹脂を配合してもよい。その際、配合の仕方としては、原料として使用する粉末状エチレン−酢酸ビニル共重合体の中に他の粉末状樹脂を配合するか、或いは調製された液体添加剤含浸粉末エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物の中に他の粉末状樹脂を配合するかのいずれの方法であってもよい。
このような他の粉末状樹脂としては、高圧法低密度ポリエチレン、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体、超低密度エチレン−α−オレフィン共重合体、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー、スチレン系エラストマー等が挙げられる。
【0012】
4.樹脂組成物
本発明の樹脂組成物は、前述した液体添加剤含浸粉末エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物を液体添加剤の樹脂マスターバッチとして用いて、これに熱可塑性樹脂又は合成ゴムを配合することにより調製される。
本発明に使用される熱可塑性樹脂又は合成ゴムとしては、液体添加剤含浸粉末エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物と相溶性のあるポリオレフィン系樹脂が好ましいが、ポリオレフィン系樹脂以外の熱可塑性樹脂や合成ゴムも使用できる。その際、配合する熱可塑性樹脂又は合成ゴムは、必ずしも1種のものに限られるものではなく、2種以上のものを同時に併用することもできる。そして配合する熱可塑性樹脂又は合成ゴムの形態は、粉末状、ペレット状、フレーク状、ブロック状等のいかなる形態であってもよい。
ポリオレフィン系樹脂としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体、高圧法低密度ポリエチレン、直鎖状低密度エチレン−α−オレフィン共重合体、超低密度エチレン−α−オレフィン共重合体、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン、アイオノマー等を例示できるが、この中では、エチレン−酢酸ビニル共重合体が最も好ましく使用される。
ポリオレフィン系樹脂以外の熱可塑性樹脂又は合成ゴムとしては、ポリスチレン、ポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、ポリエーテル、ポリカーボンエート、ポリエステル、ポリアミド、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルエーテルケトン、アクリルゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム、エチレンプロピレンゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、クロロプレンゴム、シリコーンゴム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、ブチルゴム、フッ素ゴム等を例示できる。
液体添加剤含浸粉末エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物と熱可塑性樹脂又は合成ゴムとの配合割合は、前者が1〜99重量%に対して後者が99〜1重量%の割合である。
【0013】
5.成形物
本発明の液体添加剤含浸粉末エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物は、これをそのまま成形して成形物とすることもできるが、前述したように、マスターバッチとしても使用することができる。
マスターバッチとして使用する場合は、熱可塑性樹脂又は合成ゴム1〜99重量%と液体添加剤含浸粉末エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物99〜1重量%とを混合または混練し、前述の樹脂組成物とした後、これを成形して成形物とすることができる。ここで、混合とは、各種ブレンダー等の混合機等を用いて混合することを意味し、混練とは、バンバリーミキサーや押出機等を用いて混練することを意味する。
成形手段は、特に限定するものではないが、例えば、押出成形、射出成形、回転成形、圧縮成形等を例示できる。これらの中でも、フィルム、シート等を成形する押出成形が特に好ましい。
【0014】
【実施例】
以下に、本発明について実施例及び比較例を挙げてさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に特に限定されるものではない。
【0015】
実施例1
メルトフローレートが3g/10分、酢酸ビニル含有量が18重量%、平均粒径が0.8mmの粉末状エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部と、液体防曇剤であるジグリセリン脂肪酸エステル25重量部とを、ヘンシェルミキサーで常温にて混合し、液体防曇剤含浸粉末エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物を得た。
この液体防曇剤含浸粉末エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物は、粉末表面に液体防曇剤の滲み出しもなく、さらさらしており、取扱いやすかった。
【0016】
比較例1
実施例1の含浸方法に代えて、混練方法で実施した。すなわち、実施例1と同一の組成であるメルトフローレートが3g/10分、酢酸ビニル含有量が18重量%、平均粒径が0.8mmの粉末状エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部と、液体防曇剤であるジグリセリン脂肪酸エステル25重量部とを、混練温度120℃でバンバリーミキサーで混練したが、樹脂が滑ってしまい混練することができなかった。
【0017】
実施例2
メルトフローレートが3g/10分、酢酸ビニル含有量が18重量%、平均粒径が0.8mmの粉末状エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部と、液体粘着付与剤であるポリブテン25重量部とを、ヘンシェルミキサーで常温にて混合し、液体粘着付与剤含浸粉末エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物を得た。
この液体粘着付与剤含浸粉末エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物は、粉末表面に液体粘着付与剤の滲み出しもなく、さらさらしており、取扱いやすかった。
【0018】
比較例2
実施例2の含浸方法に代えて、混練方法で実施した。すなわち、実施例2と同一の組成であるメルトフローレートが3g/10分、酢酸ビニル含有量が18重量%、平均粒径が0.8mmの粉末状エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部と、液体粘着付与剤であるポリブテン25重量部とを、混練温度120℃でバンバリーミキサーで混練したが、樹脂が滑ってしまい混練することができなかった。
【0019】
実施例3
メルトフローレートが2g/10分、酢酸ビニル含有量が15重量%のペレット状エチレン−酢酸ビニル共重合体90重量%と、実施例1で得た液体防曇剤含浸粉末エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物10重量%とを混合した後、その混合物を40mmφインフレーションフィルム押出機に投入し、押出温度160℃、ブロー比2、吐出量15kg/hrで押出し、厚さ30μmのフィルムを成膜した。
加工する際の押出加工性、フィルムの曇り度、光沢、防曇性および外観を評価した。評価方法は次の通りであって、評価結果は表1に示したが、すべての評価結果は良好であった。
押出加工性:押出加工中に、吐出変動が無く、フィルム厚みの変動が無く、安定加工できるものを合格とする。
曇り度:JIS K−7105に準拠した。
光沢:JIS K−7105に準拠した。角度は、60°で行った。
防曇性:500ccのビーカーに水を150cc加え、上面の入口全面にフィルムを張り付けて密閉し、この密閉したビーカーを温度60℃の恒温水槽に入れ、3日後にビーカー入口に張ったフィルムに付着した水滴の付着面積を肉眼で観察し、水滴付着面積の割合で判定した。水滴付着面積の割合が20%未満のものを合格とする。
外観:フィルムを肉眼で観察し、フィルムにフィッシュアイ、ダラ、ムラ等がないものを合格とする。
【0020】
【表1】
Figure 0003544870
【0021】
比較例3
液体防曇剤含浸用に使用した平均粒径が0.8mmの粉末状エチレン−酢酸ビニル共重合体に代えて、平均粒径が1.8mmの粉末状エチレン−酢酸ビニル共重合体を使用した以外は、実施例1を実施し、液体防曇剤含浸粉末エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物を得た。
次いでこれを実施例3で使用した液体防曇剤含浸粉末エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物に代えた以外は、実施例3を実施し、実施例3と同じく厚さ30μmのフィルムを得た。このフィルムを実施例3と同様に評価したところ、防曇性は、不合格であった。
【0022】
実施例4
メルトフローレートが1.5g/10分、酢酸ビニル含有量が18重量%のペレット状エチレン−酢酸ビニル共重合体85重量%と、実施例2で得た液体粘着付与剤含浸粉末エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物15重量%とを混合した後、その混合物を40mmφインフレーションフィルム押出機に投入し、押出温度160℃、ブロー比1.5、吐出量30kg/hrで押出し、厚さ200μmのフィルムを成膜した。
加工する際の押出加工性、フィルムの曇り度、光沢、粘着性および外観を評価した。評価方法は、粘着性以外は全て前記の通りであった。粘着性は、次の通りであり、評価結果は表2に示したが、すべての評価結果は良好であった。
粘着性:ASTM D3354に準拠して行い、測定値が500g/100cm以上のものを合格とする。ただし、粘着加速条件は、温度50℃のオーブン中に荷重4kg/100cmの重りを乗せ、経過時間24時間である。
【0023】
【表2】
Figure 0003544870
【0024】
比較例4
液体粘着付与剤含浸用に使用した平均粒径が0.8mmの粉末状エチレン−酢酸ビニル共重合体に代えて、平均粒径が1.8mmの粉末状エチレン−酢酸ビニル共重合体を使用した以外は、実施例2を実施し、液体粘着付与剤含浸粉末エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物を得た。
次いでこれを実施例4で使用した液体粘着付与剤含浸粉末エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物に代えた以外は、実施例4を実施し、実施例4と同じく厚さ200μmのフィルムを得た。このフィルムを実施例4と同様に評価したところ、粘着性は不合格であった。
【0025】
【発明の効果】
本発明の液体添加剤含浸粉末エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物は、エチレン−酢酸ビニル共重合体に液体添加剤を混練した従来の組成物に較べて、製造が容易であり、しかも液体添加剤を均一に規定量配合できるばかりでなく、多量の液体添加剤であっても配合することができる。そのため、この液体添加剤含浸粉末エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物は、特に液体添加剤用のマスターバッチとしての利用価値が高く、このマスターバッチを使用した樹脂組成物からは、良好な物性を示す成形物が容易に得られるという顕著な効果がある。

Claims (3)

  1. メルトフローレートが0.1〜100g/10分、酢酸ビニル含有量が3〜35重量%、平均粒径が0.8〜1.5mmの粉末状エチレン−酢酸ビニル共重合体100重量部に、防曇剤及び粘着付与剤からなる群から選択される少なくとも1種の液体添加剤5〜100重量部を、ヘンシェルミキサー又はリボンブレンダーで混合することにより、含浸させてなる液体添加剤含浸粉末エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物。
  2. 請求項1に記載の液体添加剤含浸粉末エチレン−酢酸ビニル共重合体組成物1〜99重量%に、熱可塑性樹脂又は合成ゴム99〜1重量%を混合又は混練してなる樹脂組成物。
  3. 請求項に記載の樹脂組成物を、押出成形、射出成形、回転成形又は圧縮成形してなる成形物。
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