JP7294766B2 - ヒートシール用樹脂組成物及びそれを用いたフィルム - Google Patents
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Description
関係式(I):
2≦MFR(A)/MFR(B)≦100
ポリプロピレン系樹脂(A):
(a1)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が、1.0g/10分以上、50g/10分以下であること。
(a2)示差走査熱量測定(DSC)による融解ピーク温度が110℃以上、140℃未満であること。
ポリプロピレン系樹脂(B):
(b1)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が、0.5g/10分以上、25g/10分以下であること。
(b2)示差走査熱量測定(DSC)による融解ピーク温度が140℃以上であること。
ポリプロピレン系樹脂(A)は、1種類もしくは2種類以上のポリプロピレン系重合体を含み、2種類以上の成分からなる場合、2種類以上の成分のブレンド物として下記特性(a1)~(a2)を満たせばよい。
エチレン系重合体やプロピレン系重合体は、触媒の選択により、分子量、分子量分布、分岐構造等の構造的特徴を制御できることが知られており、当業者であれば、触媒の種類により重合体の種類を区別することも可能であり、例えば、メタロセン触媒で重合されたエチレン系重合体やプロピレン系重合体をメタロセン系エチレン系重合体やメタロセン系プロピレン系重合体と称したり、メタロセン触媒以外の触媒で重合されたエチレン系重合体やプロピレン系重合体を非メタロセン系エチレン系重合体や非メタロセン系プロピレン系重合体と称したりする場合もある。
ポリプロピレン系樹脂(A)のメルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)は、1.0g/10分以上、50g/10分以下であり、好ましくは5~30g/10分、より好ましくは10~30g/10分、特に好ましくは、15~30g/10分である。メルトフローレートが1.0g/10分以上であれば、ヒートシール用フィルム成形時の負荷が増すことがなく、積層体の成形自体が容易となる。50g/10分以下であれば、ヒートシール用フィルム成形時の成形安定性が良好である。
ポリプロピレン系樹脂(A)の融解ピーク温度(DSCによる)は、110℃以上140℃未満であり、好ましくは115℃以上140℃未満であり、より好ましくは120℃以上140℃未満であり、特に好ましくは125℃以上135℃以下である。なお、融解ピーク温度を融点という場合もある。融解ピーク温度が110℃以上であれば、ポリプロピレン系樹脂(B)と組み合わせることにより得られたヒートシール用フィルムが、例えば121℃30分という高温下での滅菌処理時にフィルム同士のヒートシールを施していない部分の意図せぬ融着が起りにくい。また、融解ピーク温度が140℃未満であれば、ポリプロピレン系樹脂(B)と組み合わせることによりヒートシール強度が2.9~9.8N/15mm幅となるヒートシール温度幅を広く取り易い。
ポリプロピレン系樹脂(B)のメルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)は、0.5g/10分以上25g/10分以下であり、好ましくは0.5~15g/10分、より好ましくは0.5~10g/10分である。メルトフローレートが0.5g/10分以上であれば、ポリプロピレン系樹脂(A)と組み合わせた際、フィッシュアイなどのフィルムの外観不良を起こしにくい。25g/10分以下であれば、ポリプロピレン系樹脂(A)と組み合わせることにより得られたヒートシール用フィルムのヒートシール強度が2.9~9.8N/15mm幅となるヒートシール温度幅を広く取り易い。
ポリプロピレン系樹脂(B)の融解ピーク温度(DSCによる)は、140℃以上であり、好ましくは150℃以上、より好ましくは155℃以上、特に好ましくは160℃以上である。融解ピーク温度が140℃以上であれば、ポリプロピレン系樹脂(A)と組み合わせることにより得られたヒートシール用フィルムのヒートシール強度が2.9~9.8N/15mm幅となるヒートシール温度幅を広く取り易い。なお、ポリプロピレン系樹脂(B)の融解ピーク温度の上限は、特に制限されないが、例えば170℃以下であることが好ましい。
2≦MFR(A)/MFR(B)≦100 ‥‥ 式(I)
上記関係式(I)を満たすポリプロピレン系樹脂(A)とポリプロピレン系樹脂(B)の組み合わせは、得られたヒートシール用フィルムのヒートシール強度が2.9~9.8N/15mm幅となるヒートシール温度幅を広く取り易い。
ヒートシール用フィルムのヒートシール強度が2.9~9.8N/15mm幅となるヒートシール温度幅を広く取り易くなる理由についてはよく分かっていないが、上記関係式(I)を満たせば、ポリプロピレン系樹脂(A)とポリプロピレン系樹脂(B)の微視的な混合状態が最適化され、ポリプロピレン系樹脂(B)がシール強度上昇を抑制するような作用を及ぼし、広い弱シール温度幅を示すものと考えられる。
ポリプロピレン系樹脂(A)の配合量は30~95重量%であり、好ましくは40~95重量%、より好ましくは45~90重量%、更に好ましくは50~85重量%である。ポリプロピレン系樹脂(B)の配合量は5~70重量%であり、好ましくは5~60重量%、より好ましくは10~55重量%、更に好ましくは15~50重量%である。
ポリプロピレン系樹脂(A)とポリプロピレン系樹脂(B)の配合量が上記範囲であれば、得られたヒートシール用フィルムのヒートシール強度が2.9~9.8N/15mm幅となるヒートシール温度幅を広く取り易い。また、ヒートシール強度が29.4N/15mm幅以上となる温度が高くなり過ぎることを防ぐことが出来る。このため、160℃以下という実用的なヒートシール温度で強シールを形成することができる。
エラストマー(C)の配合量が100重量部以下であれば、得られたヒートシール用フィルムが、例えば121℃30分という高温下での滅菌処理時にフィルム同士のヒートシールを施していない部分の意図せぬ融着が起りにくく、また、高温でヒートシールした際に、29.4N/15mm幅以上のヒートシール強度を達成しやすい。
市販品の例としては、日本ポリエチレン社製商標名「カーネル」シリーズ、三井化学社製商標名「タフマーA」シリーズや「タフマーMY」シリーズ、ダウ社製商標名「アフィニティー(AFFINITY)」シリーズや「エンゲージ(ENGAGE)」シリーズ、エクソンモービル社製商標名「エグザクト(EXACT)」シリーズ等が挙げられる。
市販品の例としては、エクソンモービル社製商標名「Vistamaxx」シリーズ等が挙げられる。
本発明のヒートシール用樹脂組成物には、本発明の目的を阻害しない範囲で、その他の樹脂または添加剤等、各種の他の成分を、添加して用いることができる。
本発明のヒートシール用樹脂組成物には、本発明の効果を妨げない限り、ポリプロピレン系樹脂に添加できる酸化防止剤などの添加剤を、適宜配合することができる。
具体的には、2,6-ジ-t-ブチル-p-クレゾール(BHT)、テトラキス[メチレン-3-(3,5-ジ-t-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン(BASFジャパン社製商品名「IRGANOX 1010」)やn-オクタデシル-3-(4-ヒドロキシ-3,5-ジ-t-ブチルフェニル)プロピオネート(BASFジャパン社製商品名「IRGANOX 1076」)で代表されるフェノール系安定剤、ビス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトやトリス(2,4-ジ-t-ブチルフェニル)ホスファイトなどで代表されるホスファイト系安定剤、オレイン酸アミドやエルカ酸アミド等の高級脂肪酸アミドや高級脂肪酸エステルやシリコーンオイルで代表される滑剤、炭素原子数8~22の脂肪酸のグリセリンエステルやソルビタン酸エステル、ポリエチレングリコールエステルなどで代表される帯電防止剤、ソルビトール系造核剤(例えば、新日本理化社製商品名「ゲルオールMD」)、芳香族燐酸エステル類(例えば、ADEKA社製商品名「アデカスタブNA-21」や「アデカスタブNA-11」)、ミリケン社製商標名「Millad」シリーズ、ミリケン社製商標名「Hyperform」シリーズ、新日本理化社製商標名「エヌジェスターNU-100」、タルク、高密度ポリエチレンなどで代表される造核剤、シリカ、炭酸カルシウム、タルクなどで代表されるブロッキング防止剤や有機過酸化物などで代表される分子量調整剤や架橋助剤、ステアリン酸カルシウムなどの高級脂肪酸金属塩やハイドロタルサイト類に代表される中和剤、光安定剤、紫外線吸収剤、金属不活性剤、過酸化物、充填剤、抗菌防黴剤、抗菌剤、制菌剤、蛍光増白剤、防曇剤、難燃剤、着色剤、顔料、天然油、合成油、ワックス、更には用途に応じて有機系、無機系の難燃剤などを、添加してもよく、配合量は適宜量である。
本発明のヒートシール用樹脂組成物は、上記のポリプロピレン系樹脂(A)と上記ポリプロピレン系樹脂(B)および必要に応じてエラストマー(C)、添加剤および/またはその他樹脂を、ヘンシェルミキサー(商品名)、Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー等で混合後、単軸押出機、多軸押出機、ニーダー、バンバリミキサー等の混練機により混練する方法により得られる。また、別の形態としては、上記のポリプロピレン系樹脂(A)と上記ポリプロピレン系樹脂(B)および必要に応じてエラストマー(C)を個別に添加剤および/またはその他樹脂などをヘンシェルミキサー(商品名)、Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー等で混合後、単軸押出機、多軸押出機、ニーダー、バンバリミキサー等の混練機により混練、ペレット化したものをヘンシェルミキサー(商品名)、Vブレンダー、リボンブレンダー、タンブラーブレンダー等で混合したペレット混合物としても得ることができる。任意成分として、エラストマーやその他添加剤を使用する場合は、前記ペレット混合物を得る際に添加することもできる。また、ヘンシェルミキサー(商品名)でブレンドした混合物としたものをペレット混合物としてそのまま使用することもできる。
本発明のヒートシール用樹脂組成物は、かかる樹脂組成物を一層以上ヒートシール層として含むヒートシール用フィルム、特に、低いヒートシール強度と高いヒートシール強度を両立させるヒートシール用フィルムに好適に用いることが出来る。
その中でもサーキュラーダイを用いた水冷インフレーション成形法が透明性の観点から好ましい。
(1)MFR(単位:g/10分):ポリエチレン系樹脂は、JIS-K6922-2付属書に準拠し190℃、2.16kg荷重で測定し、ポリプロピレン系樹脂は、JIS K-7210に準拠し、230℃、2.16kg荷重で測定した。
(2)融解ピーク温度:示差走査型熱量計を用い、サンプル量5.0mgを採り、200℃で5分間保持した後、40℃まで10℃/分の降温スピードで結晶化させ、さらに10℃/分の昇温スピードで融解させたときの融解ピーク温度Tmを測定した。
(3)ヒートシール強度(単位:N/15mm幅):10mm×300mmのヒートシールバーを用い、長さ210mmに切り取ったフィルムを105℃から160℃の範囲において5℃刻みで、圧力0.5MPa、時間5秒のヒートシール条件下で溶融押出しした方向(MD)に垂直になるようにシールした。加熱処理を行ったフィルムについては、水250mlを充填し、ヒートシールした側と反対側をインパルスシールにより密封した容器を、加熱加圧殺菌機に入れ、温度121℃、時間30分の条件で加熱処理を行った(なお、加熱処理を行ったフィルムについては、下記表1~3における「加熱処理(121℃)」の欄に「有」と示し、加熱処理を行わなかったフィルムについては「無」と示す)。その後、インパルスシール側をハサミで切り取り、水を抜きフィルムを乾燥させた。
ヒートシール部が15mm幅になるようにサンプルを切り取り、引張試験器を用いて引張速度500mm/分にて引き離し、ヒートシール強度を求めた。ヒートシール温度とヒートシール強度との関係をプロットし、得られた曲線から傾きを求め、弱シール開始温度(ヒートシール強度が2.9N/15mm幅に達する温度)、弱シール終了温度(ヒートシール強度が9.8N/15mm幅に達する温度)、強シール開始温度(ヒートシール強度が29.4N/15mm幅に達する温度)を求めた。ヒートシール強度が2.9~9.8N/15mm幅であれば、容器内部の仕切り部は、製造時や輸送時においては樹脂フィルム又はシート同士が剥離し難く、使用時(混合時)においては手または器具などで容易に剥離され、29.4N/15mm幅以上であれば、十分なヒートシール強度といえる。弱シール温度範囲が6℃以上あれば容易に弱シール強度を形成できると言える。
PP1(メタロセン触媒で重合したプロピレン・α-オレフィンランダム共重合体):日本ポリプロ(株)製商品名ウィンテック WSX03(融解ピーク温度Tm:125℃、MFR:25g/10分)。
PP2(メタロセン触媒で重合したプロピレン・α-オレフィンランダム共重合体):下記<PP2の製造例>にて得られたものを用いた(融解ピーク温度Tm:110℃、MFR:35g/10分)。
PP3(メタロセン触媒で重合したプロピレン・α-オレフィンランダム共重合体):日本ポリプロ(株)製商品名ウィンテック WFX5233と、有機過酸化物(日本油脂(株)製商品名パーヘキサ25B)を230℃で単軸造粒機にて造粒してレオロジーを制御したポリプロピレン系樹脂を用いた(該ポリプロピレン系樹脂について、融解ピーク温度Tm:130℃、MFR:34g/10分)。
PP4(メタロセン触媒で重合したプロピレン・α-オレフィンランダム共重合体):日本ポリプロ(株)製商品名ウィンテック WFX6と、有機過酸化物(日本油脂(株)製商品名パーヘキサ25B)を230℃で単軸造粒機にて造粒してレオロジーを制御したポリプロピレン系樹脂を用いた(該ポリプロピレン系樹脂について、融解ピーク温度Tm:125℃、MFR:25g/10分)。
PP5(メタロセン触媒で重合したプロピレン・α-オレフィンランダム共重合体):日本ポリプロ(株)製商品名ウィンテック WFX4M(融解ピーク温度Tm:125℃、MFR:7g/10分)。
PP6(メタロセン触媒で重合したプロピレン・α-オレフィンランダム共重合体):日本ポリプロ(株)製商品名ウィンテック WFX6(融解ピーク温度Tm:125℃、MFR:2g/10分)。
PP7(チーグラー触媒で重合したプロピレン・α-オレフィンランダム共重合体):日本ポリプロ(株)製商品名ノバテックPP MG3F(融解ピーク温度Tm:145℃、MFR:8g/10分)。
PP8(チーグラー触媒で重合したプロピレン・α-オレフィンランダム共重合体):日本ポリプロ(株)製商品名ノバテックPP FY4(融解ピーク温度Tm:160℃、MFR:5g/10分)。
PP9(チーグラー触媒で重合したプロピレン単独重合体):日本ポリプロ(株)製商品名ノバテックPP FY6(融解ピーク温度Tm:160℃、MFR:2.4g/10分)。
PP10(チーグラー触媒で重合したプロピレン単独重合体):日本ポリプロ(株)製商品名ノバテックPP FL4(融解ピーク温度Tm:164℃、MFR:5g/10分)。
PP11(チーグラー触媒で重合したプロピレン単独重合体):日本ポリプロ(株)製商品名ノバテックPP SA1(融解ピーク温度Tm:160℃、MFR:25g/10分)。
PP12(チーグラー触媒で重合したプロピレン単独重合体):日本ポリプロ(株)製商品名ノバテックPP SA06GA(融解ピーク温度Tm:162℃、MFR:60g/10分)。
PP13(チーグラー触媒で重合したプロピレン単独重合体):日本ポリプロ(株)製商品名ノバテックPP FA3KM(融解ピーク温度Tm:161℃、MFR:10g/10分)。
PP14(メタロセン触媒で重合したプロピレン系エラストマー):日本ポリプロ(株)製商品名ウェルネクスRFG4VM(融解ピーク温度Tm:130℃、MFR:7g/10分)。
PP15:PP7とPP8を単軸造粒機にて重量比を40%対60%でブレンドしたもの(融解ピーク温度Tm:157℃、MFR:6g/10分)。
SEBS1(スチレン系エラストマー):クレイトン社製スチレン系エラストマー、商品名G1645M。
SEBS2(スチレン系エラストマー):クレイトン社製スチレン系エラストマー、商品名G1657M。
PEO(エチレン-α-オレフィン共重合体):三井化学社製エチレン-α-オレフィン共重合体、商品名タフマーMY-1(密度:0.885g/cm3、メルトインデックス:2.2g/10分)。
(1)予備重合触媒の製造
珪酸塩の化学処理:10リットルの撹拌翼の付いたガラス製セパラブルフラスコに、蒸留水3.75リットル、続いて濃硫酸(96%)2.5kgをゆっくりと添加した。50℃で、さらにモンモリロナイト(水澤化学社製ベンクレイSL;平均粒径=50μm)を1kg分散させ、90℃に昇温し、6.5時間その温度を維持した。50℃まで冷却後、このスラリーを減圧濾過し、ケーキを回収した。このケーキに蒸留水を7リットル加え再スラリー化後、濾過した。この洗浄操作を、洗浄液(濾液)のpHが、3.5を超えるまで実施した。回収したケーキを窒素雰囲気下110℃で終夜乾燥した。乾燥後の重量は707gであった。化学処理した珪酸塩は、キルン乾燥機により乾燥を実施した。
1台の縦型気相流動床よりなる反応器を備える気相重合反応装置を用いた。反応器(内容積2.19m3)に上記予備重合触媒を、重合体の生産量が20kg/hrとなるよう連続的に供給した。またトリイソブチルアルミニウムを6.0g/hrで連続的に供給した。反応器内の温度60℃、圧力3.0MPa、空塔速度0.35m/s、ベッド重量60kgを維持しながら、反応器内に水素及びエチレンを、それぞれ水素/プロピレン=9.1×10-4モル比、エチレン/プロピレン=0.18モル比となるように連続的に供給をし、プロピレンランダム共重合体を得た。
尚、反応熱の除去は、主に冷却した循環ガスの顕熱を利用した。
得られたプロピレンランダム共重合体は、MFRは35g/10分、エチレン含有量は4.9wt%であった。
PP9を三種三層水冷インフレ成形機の中間層用押出機に、PP13をチューブ状フィルム外側になる表面層用押出機に、PP1とPP8を重量比で95%対5%の割合でチューブ状フィルム内側になるヒートシール層用押出機に投入し、押出温度200℃で円柱状ダイから溶融押出し、10℃に調整された水にて冷却固化し、毎分3mの速度で厚さ200μm、幅91mmのキャストフィルムを外層(表面層):中間層:内層(ヒートシール層)の厚み比率が1:8:1となるように製造した。表1にフィルムの評価結果を示す。
実施例1のヒートシール層に用いた樹脂をPP1とPP8の重量比を85%対15%に代えた以外は実施例1と同様な操作を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
実施例1のヒートシール層に用いた樹脂を、PP1とPP8の重量比を75%対25%に代えた以外は実施例1と同様な操作を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
実施例1のヒートシール層に用いた樹脂を、PP1とPP8の重量比を65%対35%に代えた以外は実施例1と同様な操作を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
実施例1のヒートシール層に用いた樹脂を、PP1とPP8の重量比を42.5%対57.5%に代えた以外は実施例1と同様な操作を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
実施例1のヒートシール層に用いた樹脂を、PP1とPP8の重量比を30%対70%に代えた以外は実施例1と同様な操作を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
実施例1のヒートシール層に用いた樹脂を、PP1とPP15の重量比を75%対25%に代えた以外は実施例1と同様な操作を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
実施例1のヒートシール層に用いた樹脂を、PP1とPP7を重量比で70%対30%に代えた以外は実施例1と同様な操作を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
実施例1のヒートシール層に用いた樹脂を、PP1とPP7を重量比で50%対50%に代えた以外は実施例1と同様な操作を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
実施例1のヒートシール層に用いた樹脂を、PP1とPP7を重量比で30%対70%に代えた以外は実施例1と同様な操作を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。
実施例1のヒートシール層に用いた樹脂を、PP1とPP9を重量比で85%対15%に代えた以外は実施例1と同様な操作を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
実施例1のヒートシール層に用いた樹脂を、PP1とPP10を重量比で85%対15%に代えた以外は実施例1と同様な操作を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
実施例1のヒートシール層に用いた樹脂を、PP2とPP10を重量比で85%対15%に代えた以外は実施例1と同様な操作を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
実施例1のヒートシール層に用いた樹脂を、PP3とPP8を重量比で85%対15%に代えた以外は実施例1と同様な操作を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
実施例1のヒートシール層に用いた樹脂を、PP4とP8を重量比で85%対15%に代えた以外は実施例1と同様な操作を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
PP14とPP10とSEBS1を重量比で55%対25%対20%の割合で三種三層水冷インフレ成形機の中間層用押出機に、PP13とSEBS1を重量比で80%対20%の割合でチューブ状フィルム外側になる表面層用押出機に、PP1とPP8とSEBS2を重量比で67.5%対22.5%対10%の割合でチューブ状フィルム内側になるヒートシール層用押出機に投入した以外は実施例1と同様な操作を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
実施例16のヒートシール層に用いた樹脂を、PP1とPP8とSEBS2を重量比で52.5%対17.5%対30%に代えた以外は実施例16と同様な操作を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
実施例16のヒートシール層に用いた樹脂を、PP1とPP8とSEBS2を重量比で33%対27%対40%に代えた以外は実施例16と同様な操作を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
実施例16のヒートシール層に用いた樹脂を、PP1とPP8とSEBS1を重量比で67.5%対22.5%対10%に代えた以外は実施例16と同様な操作を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
実施例16のヒートシール層に用いた樹脂を、PP1とPP8とPEOを重量比で44%対36%対20%に代えた以外は実施例16と同様な操作を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表2に示す。
実施例1のヒートシール層に用いた樹脂を、PP5とPP8を重量比で85%対15%に代えた以外は実施例1と同様な操作を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表3に示す。実施例と比べ、2.9~9.8N/15mm幅のヒートシール強度を形成可能な温度幅が狭く、弱シール形成が困難である。
実施例1のヒートシール層に用いた樹脂を、PP5とPP11を重量比で85%対15%に代えた以外は実施例1と同様な操作を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表3に示す。実施例と比べ、2.9~9.8N/15mm幅のヒートシール強度を形成可能な温度幅が狭く、弱シール形成が困難である。
実施例1のヒートシール層に用いた樹脂を、PP5とPP12を重量比で85%対15%に代えた以外は実施例1と同様な操作を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表3に示す。実施例と比べ、2.9~9.8N/15mm幅のヒートシール強度を形成可能な温度幅が狭く、弱シール形成が困難である。
実施例1のヒートシール層に用いた樹脂を、PP6とPP8を重量比で85%対15%に代えた以外は実施例1と同様な操作を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表3に示す。実施例と比べ、2.9~9.8N/15mm幅のヒートシール強度を形成可能な温度幅が狭く、弱シール形成が困難である。
実施例1のヒートシール層に用いた樹脂を、PP1のみに代えた以外は実施例1と同様な操作を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表3に示す。105℃でのヒートシール強度が29.4N/15mm幅以上あり、弱シール形成ができなかった。
実施例1のヒートシール層に用いた樹脂を、PP5のみに代えた以外は実施例1と同様な操作を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表3に示す。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。実施例と比べ、2.9~9.8N/15mm幅のヒートシール強度を形成可能な温度幅が狭く、弱シール形成が困難である。
実施例1のヒートシール層に用いた樹脂を、PP10のみに代えた以外は実施例1と同様な操作を行い、フィルムを得た。得られたフィルムの評価結果を表3に示す。得られたフィルムの評価結果を表1に示す。実施例と比べ、2.9~9.8N/15mm幅のヒートシール強度を形成可能な温度幅が狭く、弱シール形成が困難である。
Claims (6)
- 下記特性(a1)~(a2)を満たすポリプロピレン系樹脂(A)が30重量%以上95重量%以下であり、下記特性(b1)~(b2)を満たすポリプロピレン系樹脂(B)が5重量%以上70重量%以下である樹脂組成物であって(ここで、ポリプロピレン系樹脂(A)の配合割合及びポリプロピレン系樹脂(B)の配合割合は、ポリプロピレン系樹脂(A)とポリプロピレン系樹脂(B)の合計100重量%に対する配合割合である)、ポリプロピレン系樹脂(A)とポリプロピレン系樹脂(B)の融解ピーク温度の差が20℃以上であり、ポリプロピレン系樹脂(A)のメルトフローレート(MFR(A))とポリプロピレン系樹脂(B)のメルトフローレート(MFR(B))が下記関係式(I)を満たすヒートシール用樹脂組成物。
関係式(I):
2≦MFR(A)/MFR(B)≦100
ポリプロピレン系樹脂(A):
(a1)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が、10g/10分以上、50g/10分以下であること。
(a2)示差走査熱量測定(DSC)による融解ピーク温度が110℃以上、135℃以下であること。
ポリプロピレン系樹脂(B):
(b1)メルトフローレート(230℃、2.16kg荷重)が、0.5g/10分以上、25g/10分以下であること。
(b2)示差走査熱量測定(DSC)による融解ピーク温度が140℃以上であること。 - 前記ポリプロピレン系樹脂(A)が、メタロセン系重合体を含む請求項1記載のヒートシール用樹脂組成物。
- 前記ポリプロピレン系樹脂(A)と前記ポリプロピレン系樹脂(B)の合計100重量部に対し、更にエラストマー(C)0重量部以上100重量部以下を含む請求項1又は2記載のヒートシール用樹脂組成物。
- 前記エラストマー(C)が、エチレン-α-オレフィン共重合体および/またはプロピレン-α-オレフィン共重合体および/またはスチレン系エラストマーである請求項3記載のヒートシール用樹脂組成物。
- 少なくともヒートシール層を含む1層以上からなるフィルムであって、ヒートシール層が請求項1~4のいずれか一項に記載のヒートシール用樹脂組成物からなるフィルム。
- 前記フィルムが、輸液用複室バッグ用である請求項5記載のフィルム。
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