JP3708294B2 - 歯磨剤組成物 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、金属塩の共存や温度変化、経時によっても粘度の変化が少なく、安定な歯磨剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、歯磨剤には粉末成分と液体成分の分離を防ぎ、歯磨剤に適度な粘弾性と形状を与えるため、種々の粘結剤が配合されている。このような粘結剤としては、例えばヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カラギーナン等が使用されている。なかでも、カルボキシメチルセルロースナトリウムは生理的に不活性で水に容易に溶解し、他の成分との相溶性や安定性がよく、比較的安価であることから、広く用いられている。
【0003】
しかしながら、これらの粘結剤は、歯磨剤を調製する際、粉末状のものを直接配合するのが困難で、多価アルコール等の分散剤を必要としていた。また、配合してから時間がたつと粘度が増大し、使用に困難な固さにまで達することがあった。加えてカルボキシメチルセルロースナトリウムを配合した場合、配合時に金属塩と錯体を形成するため粘結剤が凝集を起こし安定に分散できないという問題があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、金属塩の共存や温度変化、経時による粘度の変化が少なく、安定な歯磨剤組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
かかる実状において本発明者らは鋭意研究を行った結果、粘結剤として多糖類又はその誘導体のヒドロキシル基の水素原子を特定の疎水性置換基及びスルホン酸基を含む置換基で置換した多糖誘導体を用いれば、金属塩の共存や温度変化、経時による粘度の変化の少ない、安定性に優れた歯磨剤組成物が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、多糖類又はその誘導体のヒドロキシル基の水素原子の一部又は全てが、次の基(A)及び(B)
(A)ヒドロキシル基が置換していてもよく、またオキシカルボニル基(−COO−又は−OCO−)又はエーテル結合が挿入されていてもよい炭素数10〜43の直鎖又は分岐のアルキル基、アルケニル基又はアシル基(該置換基(A)のヒドロキシル基の水素原子は更に置換基(A)又は置換基(B)で置換されていてもよい)
(B)ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数1〜5のスルホアルキル基又はその塩(該置換基(B)のヒドロキシル基の水素原子は更に置換基(A)又は置換基(B)で置換されていてもよい)
で置換されており、置換基(A)による構成単糖残基当たりの平均置換度が0.0001〜1.0であり、置換基(B)による構成単糖残基当たりの平均置換度が0.01〜2.0である多糖誘導体
を含有する歯磨剤組成物を提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明で用いられる多糖誘導体は、多糖類又はその誘導体としてセルロース類を用いた場合を例に挙げれば、その繰返し単位は次のような一般式で例示される。
【0008】
【化1】
Figure 0003708294
【0009】
〔式中、Rは同一又は異なって、(1):水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等、(2):疎水性置換基(A)、(3):ヒドロキシル基が置換してもよいスルホアルキル基(B)から選ばれる基を示し、Aは同一又は異なって、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、a、b及びcは、同一又は異なって0〜10の数を示す。AO基、R基、a、b及びcは、繰り返し単位内で又は繰り返し単位間で同一でも異なってもよく、また上記置換基(A)及び(B)のヒドロキシル基は更に他の置換基(A)又は(B)で置換されていてもよい。置換基(A)及び(B)のそれぞれの構成単糖残基当たりの置換度は、平均して置換基(A)が0.0001〜1.0、置換基(B)が0.01〜2.0であり、残部は基(1)である。〕
【0010】
本発明で用いれらる多糖誘導体においては、上記一般式で表される構成単糖残基におけるRとして、疎水性置換基(A)とヒドロキシル基が置換していてもよいスルホアルキル基(B)とを含むが、同一の構成単糖残基中に必ず置換基(A)及び(B)が存在しければならないという意味ではなく、一分子全体として見た場合に、置換基(A)及び(B)が上記の平均置換度で導入されていればよい。残りのRは上記のとおり、水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等である。
【0011】
疎水性置換基(A)における炭素数10〜43のアルキル基及びアルケニル基としては、直鎖アルキル基として、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基、ヘントリアコンチル基、ドトリアコンチル基、トリトリアコンチル基、テトラトリアコンチル基、ペンタトリアコンチル基、ヘキサトリアコンチル基、ヘプタトリアコンチル基、オクタトリアコンチル基、ノナトリアコンチル基、テトラコンチル基等が、分岐アルキル基として、メチルウンデシル基、メチルヘプタデシル基、エチルヘキサデシル基、メチルオクタデシル基、プロピルペンタデシル基、2−ヘキシルデシル基、2−オクチルドデシル、2−ヘプチルウンデシル基、2−デシルテトラデシル基、2−ドデシルヘキサデシル基、2−テトラデシルオクタデシル基、2−テトラデシルベヘニル基等が、アルケニル基として、デセニル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデセニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニル基、トリコセニル基、テトラコセニル基、ペンタコセニル基、ヘキサコセニル基、ヘプタコセニル基、オクタコセニル基、ノナコセニル基、トリアコンテニル基、オレイル基、リノレイル基、リノレニル基等が挙げられる。これらのうち、炭素数12〜36、特に16〜24の直鎖又は分岐のアルキル基及びアルケニル基が好ましく、また、安定性の点から、アルキル基、特に直鎖アルキル基が好ましい。疎水性置換基(A)としては、これらアルキル基及びアルケニル基のほか、これらにヒドロキシル基が置換した2−ヒドロキシアルキル基、1−ヒドロキシメチルアルキル基、2−ヒドロキシアルケニル基、1−ヒドロキシメチルアルケニル基等、エーテル結合が挿入されている2−ヒドロキシ−3−アルコキシプロピル基、2−アルコキシ−3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシ−3−アルケニルオキシプロピル基、2−アルケニルオキシ−3−ヒドロキシプロピル基等、1位にオキソ基が置換した1−オキソアルキル基及び1−オキソアルケニル基(すなわちアシル基)、並びにオキシカルボニル基が挿入されている基を挙げることができるが、ヒドロキシル基が置換していてもよいアルキル基、アルケニル基、アルコキシプロピル基、アルケニルオキシプロピル基、及びアシル基が好ましく、特に、安定面や製造面から、2−ヒドロキシアルキル基、アルコキシヒドロキシプロピル基が好ましい。
【0012】
これら疎水性置換基(A)は、多糖分子に直接結合しているヒドロキシル基の水素原子のみならず、多糖分子に結合しているヒドロキシエチル基やヒドロキシプロピル基のヒドロキシル基の水素原子、又は他の置換基(A)又は(B)の有するヒドロキシル基の水素原子と置換してもよい。これら疎水性置換基(A)による置換度は、構成単糖残基当たり0.0001〜1.0の範囲内で適宜調整することができるが、0.001以下では増粘性が乏しく、0.1以上では水への膨潤が難しくなるため、構成単糖残基当たり0.001〜0.1が好ましい。
【0013】
ヒドロキシル基が置換してもよいスルホアルキル基(B)としては、2−スルホエチル基、3−スルホプロピル基、3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基、2−スルホ−1−(ヒドロキシメチル)エチル基等が挙げられ、安定面や製造面より3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基が好ましい。これら置換基(B)は、その全てあるいは一部がNa、K等のアルカリ金属、Ca、Mg等のアルカリ土類金属類、アミン類等の有機カチオン基、アンモニウムイオンなどとの塩となっていてもよい。これら置換基(B)も、多糖分子に直接結合しているヒドロキシル基の水素原子のみならず、多糖分子に結合しているヒドロキシエチル基やヒドロキシプロピル基のヒドロキシル基の水素原子又は他の置換基(A)又は(B)の有するヒドロキシル基の水素原子と置換してもよい。これら置換基(B)による置換度は、構成単糖残基当たり0.01〜2.0の範囲内で、疎水性置換基(A)の導入量などによって適宜調整できるが、構成単糖残基当たり0.01〜1.0、特に0.02〜0.5の範囲が好ましい。
【0014】
本発明に用いられる多糖誘導体の原料となる多糖類又はその誘導体としては、セルロース、グアーガム、スターチ等の多糖類;これらにメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等が置換した誘導体が挙げられる。これらの置換基は、構成単糖残基中に単独で又は複数の組合せで置換することができ、多糖誘導体の例としては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルグアーガム、ヒドロキシエチルスターチ、メチルセルロース、メチルグアーガム、メチルスターチ、エチルセルロース、エチルグアーガム、エチルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルグアーガム、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルグアーガム、ヒドロキシエチルメチルスターチ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルグアーガム、ヒドロキシプロピルメチルスターチ等が挙げられる。これら多糖類又はその誘導体のうち、セルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースが好ましく、特にヒドロキシエチルセルロースが好ましい。また、上記多糖誘導体の置換基は、ヒドロキシエチル基やヒドロキシプロピル基のヒドロキシル基に更に置換して、例えばポリオキシエチレン鎖等を形成することで、構成単糖残基当たり3.0を超える置換度も可能であり、その構成単糖残基当たりの置換度は0.1〜〜10.0、特に0.5〜5.0が好ましい。また、これら多糖類又はその誘導体の重量平均分子量は、1万〜1000万、更に10万〜500万、特に50万〜200万の範囲が好ましい。
【0015】
本発明の歯磨剤組成物において、多糖誘導体は1種又は2種以上を組合わせて用いることができ、全組成中に0.05〜5.0重量%配合するのが好ましく、特に0.1〜2.0重量%、更に0.2〜1.0重量%配合すると経日変化が少ないので好ましい。また、このときの歯磨剤の粘度としては、2,000〜6,000mPa・sであることが望ましい。
【0016】
本発明で用いられる多糖誘導体の疎水化反応は、多糖類又はその誘導体のヒドロキシル基の水素原子を部分的に疎水化(疎水性置換基(A)の導入)及びスルホン化(スルホン酸基を有する置換基(B)の導入)することにより得られ、疎水化反応とスルホン化反応はいずれを先に行ってもよく、また同時に行ってもよい。
【0017】
多糖類又はその誘導体の疎水化反応は、多糖類又はその誘導体を適当な溶媒に溶解又は分散させ、必要に応じてアルカリの存在下、炭素数10〜40の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル基を有するグリシジルエーテル、エポキシド、ハライド及びハロヒドリン、並びに炭素数10〜40の直鎖又は分岐の飽和又は不飽和のアシル基を有するエステル、酸ハライド及びカルボン酸無水物から選ばれる疎水化剤と反応させることにより行われる。
【0018】
多糖類又はその誘導体のスルホン化反応は、多糖類又はその誘導体を適当な溶媒に溶解又は分散させて、必要に応じてアルカリの存在下、スルホン化剤と反応させることにより行われる。スルホン化剤としては、ビニルスルホン酸、3−ハロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、3−ハロプロパンスルホン酸及びこれらの塩がコスト及び反応性の面から好ましく、これらスルホン化剤は単独で又は2種以上を組合わせて使用することができる。
【0019】
前述したように、以上のようにして得られる本発明の多糖誘導体における置換基(A)及び(B)は、原料として用いた多糖類又はその誘導体のヒドロキシル基のみならず、他の置換基(A)や置換基(B)が有するヒドロキシル基に置換する場合もあり、更にかかる置換は重畳的に起こる場合もある。すなわち、多糖類又はその誘導体のヒドロキシル基の水素原子のみが置換基(A)及び(B)で置換された化合物のほか、疎水化後にスルホン化した場合には、置換基(A)に更に置換基(A)又は(B)が置換し、また置換基(B)に更に置換基(B)が置換したものが含まれることがあり、スルホン化後に疎水化した場合には、置換基(A)に更に置換基(A)が置換し、また置換基(B)に更に置換基(B)又は(A)が置換したものが含まれることがあり、疎水化とスルホン化を同時に行った場合には、置換基(A)に更に置換基(A)又は(B)が置換し、置換基(B)に更に置換基(A)又は(B)が置換したものが含まれることがあり、更にかかる他の置換基への置換が重畳的に起こったものが含まれることもある。従って、本発明はこのような多糖誘導体のいずれをも含むものである。
【0020】
本発明の歯磨剤組成物には、通常の歯磨剤に用いられる成分、例えば、研磨剤、湿潤剤、発泡剤、他の粘結剤、甘味剤、防腐剤、薬効成分、香料、収れん剤等を、本発明の効果を損なわない範囲において適宜配合することができる。
【0021】
研磨剤としては水酸化アルミニウム、炭酸カルシウム、第二リン酸カルシウム、無水ケイ酸、炭酸マグネシウム等を、湿潤剤としてはグリセリン、ソルビトール、プロピレングリコール等の多価アルコール等を、発泡剤としてはラウリル硫酸ナトリウム、脂肪酸モノグリセライドアルカリ金属塩等を用いることができる。
また、甘味剤としてはサッカリンナトリウム、アスパラテーム等を防腐剤としては安息香酸ナトリウム等を、薬効成分としては塩化リゾチーム、デキストラナーゼ、ヒノキチオール、ビタミン類、フッ化物等が、香料としてはメントール、アネトール、カルボン等が、収れん剤としては重曹、乳酸アルミニウム、ミョウバン、塩化亜鉛、クエン酸亜鉛、タンニン酸、食塩等が挙げられる。
【0022】
これらの成分の配合量は特に制限されないが、研磨剤の場合通常0〜80重量%、好ましくは10〜50重量%であり;湿潤剤の場合通常0〜90重量%、好ましくは10〜70重量%であり;発泡剤の場合通常0〜10重量%、好ましくは0.5〜2.0重量%であり;収れん剤の場合通常0〜50重量%、好ましくは5〜35重量%である。
【0023】
本発明の歯磨剤組成物の形態としては、練歯磨、潤性歯磨、液状歯磨等が挙げられ、このうち練歯磨が好ましい。また、本発明歯磨剤組成物は、常法に従い上記成分を混合することにより製造できる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0025】
なお、以下の実施例において、本発明の新規多糖誘導体の疎水性置換基(A)の置換度は、置換基(A)が1位にオキソ基を有しない場合(エーテルを形成している場合)には、Zeisel法(D. G. Anderson, Anal. Chem., 43, 894(1971))により定量し、置換基(A)が1位にオキソ基を有する場合(エステルを形成している場合)には、試料を酸で加水分解し中和した後ジアゾメタンでエステル化を行ってガスクロマトグラフィーで定量した。またスルホアルキル基(B)の置換度は、コロイド滴定法により求めた。すなわち濃度既知の増粘剤溶液を調製し、これに撹拌下、重量既知のN/200メチルグリコールキトサン溶液(和光純薬,コロイド滴定用)を加え、更にトルイジンブルー指示薬溶液(和光純薬,コロイド滴定用)を数滴加えた。これをN/400ポリビニル硫酸カリウム溶液(和光純薬,コロイド滴定用)により逆滴定し、滴定量から置換度を算出した。また、以下の実施例において「置換度」とは、構成単糖残基当たりの置換基の平均数を示す。
【0026】
製造例1
(1)攪拌機、温度計及び冷却管を備えた1000mlのガラス製セパラブル反応容器に、重量平均分子量約150万、ヒドロキシエチル基の置換度1.8のヒドロキシエチルセルロース(HEC−QP100M,ユニオンカーバイド社製)80g、80%イソプロピルアルコール640g及び48%水酸化ナトリウム水溶液5.5gを加えてスラリー液を調製し、窒素雰囲気下室温で30分間攪拌した。これにステアリルグリシジルエーテル6.2gを加え、80℃で8時間反応させて疎水化を行った。疎水化反応終了後、反応液を酢酸で中和し、反応生成物をろ別した。反応生成物を50℃のイソプロピルアルコール500gで2回、次いでアセトン500gで2回洗浄し、減圧下70℃で1昼夜乾燥し、疎水化されたヒドロキシエチルセルロース誘導体69.4gを得た。
【0027】
(2)攪拌機、温度計及び冷却管を備えた500mlのガラス製セパラブル反応容器に、(1)で得られた疎水化ヒドロキシエチルセルロース誘導体20.0g、70%イソプロピルアルコール200g及び48%水酸化ナトリウム水溶液1.33gを仕込んでスラリー液を調製し、窒素気流下室温で30分間攪拌した。反応液に3−クロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウム15.8g及び48%水酸化ナトリウム水溶液6.67gを加え、50℃で3時間スルホン化を行った。反応終了後、反応液を塩酸で中和し生成物をろ別した。生成物を70%イソプロピルアルコール340gで1回、次いでイソプロピルアルコール120gで2回洗浄後、減圧下70℃で1昼夜乾燥し、3−ステアリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基と3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基で置換されたヒドロキシエチルセルロース誘導体18.1gを得た。
【0028】
得られたヒドロキシエチルセルロース誘導体の3−ステアリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基の置換度は0.008、3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基の置換度は0.3であった。
【0029】
試験例1
表1に示す処方の歯磨剤を常法により製造し、保存開始日を第0日として5℃及び25℃で保存した後の歯磨剤の粘度を、B型粘度計(No.7,2.5rpm)を用いて測定した。結果を表2及び表3に示す。
なお、比較品1〜3は粘結剤を配合する際、用いる湿潤剤の2/5を分散剤として用いて配合し、本発明品1、2は粘結剤を粉体のまま直接配合した。(なお、比較品1〜3と同じ処方で粘結剤を粉体のまま直接配合した場合は、粘結剤が継粉になり安定分散できなかった。)また、比較品3は粘度が1000mPa・s以下で練歯磨として使用に耐え得る形態に達しなかった。
【0030】
【表1】
Figure 0003708294
【0031】
【表2】
Figure 0003708294
【0032】
【表3】
Figure 0003708294
【0033】
表2及び表3から明らかなように、本発明の歯磨剤は、粘度の経時変化が少なく、優れた安定性を有している。
【0034】
実施例1
下記の処方で練歯磨剤を常法に従い調製した。この練歯磨剤は経時的に安定で、使用感の優れたものであった。
【0035】
【表4】
特級精製食塩(平均粒径250μm) 15.0(重量%)
重曹(平均粒径100μm) 20.0
ソルビトール 14.0
グリセリン 8.0
多糖誘導体(製造例1) 1.5
ラウリル硫酸ナトリウム 2.0
サッカリンナトリウム 0.1
水酸化アルミニウム 20.0
香料 0.8
水 バランス
【0036】
実施例2
下記の処方で練歯磨剤を常法に従い調製した。この練歯磨剤は経時的に安定で、使用感の優れたものであった。
【0037】
【表5】
特級精製食塩(平均粒径250μm) 20.0(重量%)
ソルビトール 14.0
グリセリン 8.0
多糖誘導体(製造例1) 1.5
ラウリル硫酸ナトリウム 2.0
サッカリンナトリウム 0.1
水酸化アルミニウム 35.0
香料 0.8
水 バランス
【0038】
【発明の効果】
本発明の歯磨剤組成物は、金属の共存や温度変化、経時による粘度の変化が少なく、安定である。

Claims (4)

  1. 多糖類又はその誘導体のヒドロキシル基の水素原子の一部又は全てが、次の基(A)及び(B)
    (A)ヒドロキシル基が置換していてもよく、またオキシカルボニル基(−COO−又は−OCO−)又はエーテル結合が挿入されていてもよい炭素数12〜36の直鎖又は分岐のアルキル基(該置換基(A)のヒドロキシル基の水素原子は更に置換基(A)又は置換基(B)で置換されていてもよい)
    (B)ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数1〜5のスルホアルキル基又はその塩(該置換基(B)のヒドロキシル基の水素原子は更に置換基(A)又は置換基(B)で置換されていてもよい)
    で置換されており、置換基(A)による構成単糖残基当たりの平均置換度が0.0001〜1.0であり、置換基(B)による構成単糖残基当たりの平均置換度が0.01〜2.0である多糖誘導体を含有する歯磨剤組成物。
  2. 多糖誘導体の置換基(A)が、ヒドロキシル基が置換していてもよく、エーテル結合が挿入されていてもよい炭素数12〜36の直鎖又は分岐のアルキル基から選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載の歯磨剤組成物。
  3. 多糖誘導体の置換基(B)が、2−スルホエチル基、3−スルホプロピル基、3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基及び2−スルホ−1−(ヒドロキシメチル)エチル基から選ばれる1種又は2種以上である請求項1又は2記載の歯磨剤組成物。
  4. 多糖誘導体が、セルロース、グアーガム、スターチ、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルグアーガム、ヒドロキシエチルスターチ、メチルセルロース、メチルグアーガム、メチルスターチ、エチルセルロース、エチルグアーガム、エチルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルグアーガム、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルグアーガム、ヒドロキシエチルメチルスターチ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルグアーガム及びヒドロキシプロピルメチルスターチからなる群より選ばれる多糖類又はその誘導体を原料とするものである請求項1〜3のいずれかに記載の歯磨剤組成物。
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