JP4054412B2 - 新規多糖誘導体、その製造方法及びそれを含有する化粧料 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な多糖誘導体、更に詳しくは、水溶液としたとき透明性に優れ、しかも低濃度で優れた増粘性を示し、金属塩の共存や温度の変化による水溶液粘度の変化が少なく、更に極めて良好な乳化安定性を示す新規多糖誘導体、その製造方法及び当該多糖誘導体を含有する化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】
化粧品、トイレタリー製品、外用医薬品、水溶性塗料等の重要な構成成分の一つとして、種々のセルロースエーテル類が、増粘剤、ゲル化剤、賦形剤、エマルジョン安定剤、凝集剤として広く利用されている。このようなセルロースエーテルとしては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース等の水溶性非イオン性セルロースエーテル、カルボキシメチルセルロース、カチオン化セルロース、カチオン化ヒドロキシエチルセルロース等のイオン性セルロースエーテルなどが市販され、用いられている。
【0003】
これらセルロースエーテル類は、カーボポール等のポリアクリル酸系の増粘剤に比べて無機金属塩類、有機金属塩類共存系での水溶液の粘度安定性には比較的優れてはいるものの、同一水溶液濃度での増粘性が低く、特に化粧品やトイレタリー製品などの増粘剤あるいはエマルジョン安定剤として利用する場合、セルロースエーテル類の特性を十分に発揮させるためには使用量を多くする必要があった。しかし、セルロースエーテル類を多量に配合すると、べたつき、皮膜感等の感触面での問題が生じ、しかも、温度変化に伴う変化が大きく、安定な製品形態を維持しづらいという欠点があった。
【0004】
これに対し、例えば特開昭55-110103号公報、特開昭56-801号公報等には、非イオン性水溶性セルロースエーテルの一部に炭素数8〜24の長鎖アルキル基を導入した疎水化非イオン性セルロース誘導体が、少ない混和量で比較的高い増粘性を示すことが開示されている。また特開平3-12401号公報、特開平3-141210号公報、特開平3-141214号公報、特開平3-218316号公報等に見られるように、これらのアルキル置換セルロース誘導体を外用医薬品、化粧品等に応用しようとする試みがなされている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、これらアルキル置換セルロース誘導体は、上記セルロースエーテル類に比べて優れた増粘性を示すものの、水溶性に乏しく製品に配合する際、均一に溶解させるのに長時間を要したり、あるいは経日的な粘度安定性が悪いなどの問題があった。
【0006】
従って、これらセルロースエーテル類やアルキル置換セルロース誘導体はいずれも、化粧品及びトイレタリー製品に用いられる理想的な増粘剤として要求される性能、すなわち容易に溶解し、増粘効果に優れること、金属塩、油剤その他の添加物の共存や、温度、pHの変化による粘度への影響が少なく、経日粘度変化が少ないこと、べたつき等が少なく使用感に優れること、微生物抵抗性に優れることなどの全てを十分に満たすものではなかった。
【0007】
従って、本発明は、上記各性能を十分に満たす増粘剤及びその製造方法、並びに当該増粘剤それを含有する化粧料を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
かかる実情において、本発明者らは鋭意研究を行った結果、多糖類のヒドロキシル基の水素原子が、特定の疎水性基及び親水性基で置換された新規多糖誘導体が、水溶性に優れるとともにその水溶液が極めて低濃度で高い増粘性を示し、しかも無機金属塩、有機金属塩、油剤等の添加物、pH、温度などの影響を受けにくく安定な増粘性を示し、かつ優れた乳化安定化作用を示し、更に化粧料やトイレタリー製品に使用した場合、良好な使用感を有することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち本発明は、多糖類又はその誘導体のヒドロキシル基の水素原子の一部又は全てが、次の基(1)及び(2)
【0010】
【化3】
【0011】
〔(1)式中、Bは単結合又はヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキレン基を示し、Aは酸素原子又はカルボニル基を示し、Rは炭素数4〜43の直鎖又は分岐のアルキル基を示し、nは0又は1を示す。
(2)式中、M1及びM2は同一又は異なって、水素原子又は1価の陽イオンを示す。
なお、基(1)中のヒドロキシル基の水素原子並びに基(2)中のM1及びM2は、更に他の基(1)又は(2)で置換されていてもよい。〕
で置換されていることを特徴とする新規多糖誘導体、その製造方法及び当該新規多糖誘導体を含有する化粧料を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の新規多糖誘導体は、多糖類又はその誘導体としてセルロース類を用いた場合を例に挙げれば、その繰り返し単位は次のような一般式で例示される。
【0013】
【化4】
【0014】
〔式中、R1は同一又は異なって、(A):水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等、(B):疎水性置換基(1)、及び(C):親水性置換基(2)から選ばれる基を示し、Qは同一又は異なって、炭素数2〜4のアルキレン基を示し、a、b及びcは、同一又は異なって0〜10の数を示す。QO基、R1基、a、b及びcは、繰り返し単位内で又は繰り返し単位間で同一でも異なってもよく、また上記置換基(1)中のヒドロキシル基の水素原子並びに置換基(2)中のM1及びM2は、更に他の置換基(1)又は(2)で置換されていてもよい。〕
【0015】
本発明の新規多糖誘導体においては、上記一般式で表される構成単糖残基におけるR1として、置換基(1)及び(2)を含むが、同一の構成単糖残基中に必ず置換基(1)及び(2)が存在しなければならないという意味ではなく、一分子全体として見た場合に、置換基(1)及び(2)が導入されていればよい。残りのR1は上記のとおり、水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等である。
【0016】
疎水性置換基(1)におけるBで示される基のうち、ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキレン基としては、メチレン、エチレン、プロピレン、トリメチレン、1-メチルトリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、3-メチルテトラメチレン、1,1-ジメチルトリメチレン、ヘキサメチレン、2-ヒドロキシトリメチレン、2-ヒドロキシテトラメチレン、3-ヒドロキシトリメチレン、1-ヒドロキシメチルエチレン等が挙げられる。好ましいB1としては、単結合、エチレン、プロピレン、トリメチレン、2-ヒドロキシトリメチレン、1-ヒドロキシメチルエチレン等が挙げられる。
【0017】
疎水性置換基(1)におけるRで示される炭素数4〜43の直鎖又は分岐のアルキル基としては、例えばブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、トリコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサコシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシル基、トリアコンチル基、ヘントリアコンチル基、ドトリアコンチル基、トリトリアコンチル基、テトラトリアコンチル基、ペンタトリアコンチル基、ヘキサトリアコンチル基、ヘプタトリアコンチル基、オクタトリアコンチル基、ノナトリアコンチル基、テトラコンチル基、ネオペンチル基、2-エチルヘキシル基、2,3,4-トリメチルペンタン-3-イル基、3,5,5-トリメチルヘキシル基、3,7-ジメチルオクチル基、3,7-ジメチルオクタン-3-イル基、メチルウンデシル基、2,3,4,6,6-ペンタメチルヘプタン-3-イル基、3,7,11-トリメチルドデシル基、2-ヘキシルデシル基、2-ヘキシルウンデシル基、メチルヘプタデシル基、エチルヘキサデシル基、プロピルペンタデシル基、2-ヘキシルドデシル基、2-ヘプチルウンデシル基、イソステアリル基、メチルオクタデシル基、2-オクチルドデシル基、3,7,11,15-テトラメチルヘキサデシル基、2-デシルテトラデシル基、2-ドデシルヘキサデシル基、2-テトラデシルオクタデシル基、2-テトラデシルベヘニル基等が、好ましくは炭素数12〜18のもの、例えばドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、メチルウンデシル基、2,3,4,6,6-ペンタメチルヘプタン-3-イル基、3,7,11-トリメチルドデシル基、2-ヘキシルデシル基、2-ヘキシルウンデシル基、メチルヘプタデシル基、エチルヘキサデシル基、プロピルペンタデシル基、2-ヘキシルドデシル基、2-ヘプチルウンデシル基、イソステアリル基等が挙げられ、更に好ましくはドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、イソステアリル基等が挙げられる。
【0018】
疎水性置換基(1)において、Aは酸素原子又はカルボニル基を示すが酸素原子が好ましく、nは0又は1を示すが1が好ましい。
【0019】
これら疎水性置換基(1)は、多糖分子に直接結合しているヒドロキシル基の水素原子のみならず、多糖分子に結合しているヒドロキシエチル基やヒドロキシプロピル基のヒドロキシル基の水素原子、又は他の置換基(1)の有するヒドロキシル基の水素原子もしくは置換基(2)のM1及びM2と置換してもよい。これら疎水性置換基(1)による置換度は、構成単糖残基当たり0.0001〜1.0、特に0.002〜0.5の範囲が好ましい。
【0020】
親水性置換基(2)におけるM1及びM2で示される水素原子又は1価の陽イオンとしては、水素原子や、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属のイオンや、アンモニウムイオン又は置換アンモニウムイオンが挙げられ、なかでもナトリウムイオン、カリウムイオンが好ましい。
【0021】
これら親水性置換基(2)は、多糖分子に直接結合しているヒドロキシル基の水素原子のみならず、多糖分子に結合しているヒドロキシエチル基やヒドロキシプロピル基のヒドロキシル基の水素原子、又は置換基(1)の有するヒドロキシル基の水素原子もしくは他の置換基(2)のM1及びM2と置換してもよい。これら親水性置換基(2)による置換度は、構成単糖残基当たり0.01〜2.0、更に0.02〜1.5、特に0.1〜0.6の範囲が好ましい。
【0022】
本発明の新規多糖誘導体は、例えば多糖類又はその誘導体を、次の一般式(3)で表される化合物及び次の一般式(4)で表される化合物と反応させることにより製造できる。
【0023】
【化5】
【0024】
〔(3)式中、A、R及びnは前記と同じ意味を示し、Dはハロゲン原子、ヒドロキシル基、炭素数3〜6のエポキシ化アルキル基、又はヒドロキシル基が置換していてもよくかつハロゲン原子が置換した炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基を示す。
(4)式中、Xはハロゲン原子を示す。〕
【0025】
多糖類又はその誘導体と、化合物(3)との反応(疎水性置換基(1)の導入)、化合物(4)との反応(親水性置換基(2)の導入)は、いずれを先に行ってもよく、また精製する必要がない場合には同時に行うこともできるが、化合物(3)→化合物(4)の順で反応させるのが好ましい。
【0026】
本発明に用いられる多糖類又はその誘導体としては、セルロース、グアーガム、スターチ、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルグアーガム、ヒドロキシエチルスターチ、メチルセルロース、メチルグアーガム、メチルスターチ、エチルセルロース、エチルグアーガム、エチルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルグアーガム、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルグアーガム、ヒドロキシエチルメチルスターチ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルグアーガム、ヒドロキシプロピルメチルスターチ、プルラン等が挙げられ、なかでもセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースが好ましい。また、これらの多糖類のメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、ヒドロキシプロピル基等の置換基は、単一の置換基で置換されたものでもよいし、複数の置換基で置換されたものでもよく、その構成単糖残基当たりの置換度は0.1〜10、特に0.5〜5が好ましい。また、これら多糖類又はその誘導体の重量平均分子量は、1万〜1000万、特に5万〜500万の範囲のものが好ましい。
【0027】
以下、疎水化反応(疎水性置換基(1)の導入)、及び親水化反応(親水性置換基(2)の導入)に分けて説明する。
【0028】
〈疎水性置換基(1)の導入〉
多糖類又はその誘導体への疎水性置換基(1)の導入は、例えば、多糖類又はその誘導体(既に親水性置換基(2)の導入を経たものであってもよい。)を必要に応じ適当な溶媒に溶解又は分散させ、好ましくはアルカリの存在下、疎水化剤である前記化合物(3)と反応させることにより行われる。
【0029】
一般式(3)におけるDで示される基のうち、ハロゲン原子としては塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられ、炭素数3〜6のエポキシ化アルキル基としては2,3-エポキシプロピル基、3,4-エポキシブチル基、4,5-エポキシペンチル基、5,6-エポキシヘキシル基等が挙げられ、ヒドロキシル基が置換していてもよくかつハロゲン原子が置換した炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐のアルキル基としては2-クロロエチル基、3-クロロプロピル基、4-クロロブチル基、6-クロロヘキシル基、2-ブロモエチル基、2-ヒドロキシ-3-クロロプロピル基、1-ヒドロキシメチル-2-クロロエチル基等が挙げられる。Dのうち好ましいものとしては、塩素原子、ヨウ素原子、2,3-エポキシプロピル基、2-クロロエチル基、3-クロロプロピル基、2-ヒドロキシ-3-クロロプロピル基等が挙げられる。これら化合物(3)は、単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。化合物(3)の使用量は、多糖類又はその誘導体に対する疎水性置換基(1)の所望する導入量によって適宜調整することができるが、通常、多糖類又はその誘導体の構成単糖残基当たり、0.01〜10当量、特に0.02〜1当量の範囲が好ましい。
【0030】
本反応は、必要に応じてアルカリ存在下で行うのが好ましく、かかるアルカリとしては特に限定されないが、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩等、ピリジン、トリエチルアミン等の三級アミンなどが挙げられ、なかでも水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム等が好ましい。アルカリの使用量は、用いる化合物(3)に対して0.01〜10モル倍量、特に0.1〜5モル倍量の範囲が良好な結果を与え、好ましい。
【0031】
溶媒としては、極性溶媒、例えばイソプロピルアルコール、tert-ブチルアルコール等の低級アルコール、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフランなどが挙げられる。多糖類又はその誘導体を膨潤させて疎水化剤との反応性を高める目的で、上記溶媒に対し、1〜50重量%、更に好ましくは2〜30重量%の水を加えた混合溶媒を用いて反応を行ってもよい。
【0032】
反応温度は0〜200℃、特に30〜100℃の範囲が好ましく、また反応時間は1〜24時間、特に2〜12時間が好ましい。反応終了後は、酸を用いてアルカリを中和する。酸としては、硫酸、塩酸、リン酸等の無機酸、酢酸等の有機酸を用いることができる。
【0033】
このようにして疎水性置換基(1)を導入した多糖類を続いて親水性置換基(2)の導入反応に用いる場合には、ろ過などにより分別して、そのまま使用することもできるが、必要に応じて、熱水、含水イソプロピルアルコール、含水アセトン溶媒等で洗浄して未反応の化合物(3)や中和等により副生した塩類を除去して使用することもできる。なお、既に本反応の前に親水性置換基(2)の導入を行っている場合は、ろ過などによる分別後、必要に応じて洗浄、中和等を行った後、乾燥して本発明の新規多糖誘導体を得ることができる。
【0034】
〈親水性置換基(2)の導入〉
多糖類又はその誘導体への親水性置換基(2)の導入は、例えば、多糖類又はその誘導体(既に疎水性置換基(1)の導入を経たものであってもよい。)を必要に応じ適当な溶媒に溶解又は分散させ、好ましくはアルカリの存在下、親水化剤である前記化合物(4)と反応させることにより行われる。
【0035】
一般式(4)におけるXで示されるハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられるが、特に塩素原子が好ましい。化合物(4)の使用量は、多糖類又はその誘導体に対する親水性置換基(2)の所望する導入量によって適宜調整することができるが、通常、多糖類又はその誘導体の構成単糖残基当たり、0.01〜10当量、特に0.05〜5当量の範囲が好ましい。
【0036】
本反応は、必要に応じてアルカリ存在下で行うのが好ましく、かかるアルカリとしては特に限定されないが、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩等、ピリジン、トリエチルアミン等の三級アミンなどが挙げられ、なかでも水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、ピリジン、トリエチルアミン等が好ましい。アルカリの使用量は、用いる化合物(4)に対して1.0〜3.0モル倍量、特に1.05〜2.0モル倍量の範囲が良好な結果を与え、好ましい。
【0037】
溶媒としては、例えばイソプロピルアルコール、tert-ブチルアルコール等の低級アルコールや、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフランなどが挙げられる。また、多糖類又はその誘導体と化合物(4)との反応性を高める目的で、溶媒に対し、0.1〜100重量%、更に好ましくは1〜50重量%の水を加えた混合溶媒を用いて反応を行ってもよい。
【0038】
反応温度は-10〜80℃、特に0〜30℃の範囲が好ましい。反応終了後は、酸を用いてアルカリを中和する。酸としては、硫酸、塩酸、リン酸等の無機酸、酢酸等の有機酸を用いることができる。
【0039】
このようにして親水性置換基(2)を導入した多糖類を続いて疎水性置換基(1)の導入反応に用いる場合には、ろ過などにより分別して、そのまま使用することもできるが、必要に応じて、含水イソプロピルアルコール、含水アセトン溶媒等で洗浄して未反応の化合物(4)や中和等により副生した塩類を除去して使用することもできる。なお、既に本反応の前に疎水性置換基(1)の導入を行っている場合は、ろ過などによる分別後、必要に応じて洗浄、中和等を行った後、乾燥して本発明の新規多糖誘導体を得ることができる。
【0040】
前述したように、以上のようにして得られる本発明の多糖誘導体における置換基(1)及び(2)は、原料として用いた多糖類又はその誘導体のヒドロキシル基のみならず、他の置換基(1)が有するヒドロキシル基や置換基(2)のM1及びM2に置換する場合もあり、更にかかる置換は重畳的に起こる場合もある。すなわち、多糖類又はその誘導体のヒドロキシル基の水素原子のみが置換基(1)及び(2)で置換された化合物のほか、疎水化後にリン酸化した場合には、置換基(1)に更に置換基(1)又は(2)が置換し、また置換基(2)に更に置換基(2)が置換したものが含まれることがあり、リン酸化後に疎水化した場合には、置換基(1)に更に置換基(1)が置換し、また置換基(2)に更に置換基(2)又は(1)が置換したものが含まれることがあり、疎水化とリン酸化を同時に行った場合には、置換基(1)に更に置換基(1)又は(2)が置換し、置換基(2)に更に置換基(1)又は(2)が置換したものが含まれることがあり、更にかかる他の置換基への置換が重畳的に起こったものが含まれることもある。従って、本発明はこのような多糖誘導体のいずれをも含むものである。
【0041】
本発明の新規多糖誘導体を化粧料に使用する場合、その配合量は特に限定されないが、0.01〜10重量%、特に0.05〜3重量%が好ましい。
【0042】
本発明の新規多糖誘導体を皮膚化粧料に使用する場合は、皮膚化粧料成分として一般に使用されている界面活性剤、油分、保湿剤、皮膜形成剤、油ゲル化剤、金属酸化物、有機紫外線吸収剤、無機金属塩類、有機金属塩類、アルコール類、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、他の増粘剤、薬効成分、色素、香料等の成分と任意に組み合わせて配合することにより、種々の形態、例えば、油/水、水/油型乳化化粧料、クリーム、化粧乳液、化粧水、油性化粧水、口紅、ファンデーション、皮膚洗浄剤などとすることができる。
【0043】
本発明の新規多糖誘導体を毛髪化粧料に使用する場合は、毛髪化粧料成分として一般に使用されている界面活性剤、他の増粘剤、油ゲル化剤、金属酸化物、有機紫外線吸収剤、無機金属塩類、有機金属塩類、パール化剤、酸化防止剤、防腐剤、薬効成分、色素、香料等の成分と任意に組み合わせて配合することができる。また、毛髪の感触を向上させるために、カチオン化セルロース等のカチオン性ポリマーや、ジメチルポリシロキサン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シリコーン等のシリコーン誘導体を配合することもできる。毛髪化粧料の剤型は特に限定されず、用途に応じて、エマルジョン、サスペンジョン、ゲル、透明溶液、エアゾール等の各種剤型の毛髪化粧料一般、すなわちプレシャンプー剤、シャンプー、ヘアリンス、ヘアトリートメント、ヘアコンディショナー、コンディショニングブロー剤等とすることができる。
【0044】
本発明の化粧料は、優れた使用感及び粘度安定性を示すものであるが、金属酸化物、無機金属塩類、有機金属塩類等と併用した場合、特に良好な使用感及び粘度安定性を得ることができる。また、有機紫外線吸収剤を配合することにより、使用感及び粘度安定性に優れたサンケア化粧品等とすることができる。また、金属酸化物と有機紫外線吸収剤とを併用することにより、更に紫外線防止効果を高めることができる。
【0045】
金属酸化物としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化セリウム等が挙げられ、シリカ処理、アルミナ処理、シリカ・アルミナ処理、金属石鹸処理、脂肪酸処理、アミノ酸処理、シリコーン処理、アルキルリン酸処理、フッ素処理等を施したものであってもよい。また、これらの2種以上、又はこれらと他の有機粉体や無機粉体とを複合化したものでもよい。これらの金属酸化物の粒径、形状等は特に限定されず、単独で又は2種以上を組み合わせて配合することができる。これらの金属酸化物の配合量は、0.001〜50重量%、特に0.005〜30重量%が好ましい。
【0046】
無機金属塩類、有機金属塩類としては、化粧料に用いられる全ての1価金属塩、2価金属塩及び3価金属塩が含まれ、具体的には、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化ナトリウム、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムカリウム、塩化アルミニウム、塩化第2鉄、パラフェノールスルホン酸亜鉛及び乳酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸等の有機酸の1価金属塩、2価金属塩、3価金属塩等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができ、その配合量は、0.001〜30重量%、特に0.005〜20重量が好ましい。
【0047】
また、その他の増粘剤としては、キサンタンガム、ヒアルロン酸、ポリアンテス属(Polianthes L.)に属する植物のカルス由来の酸性ヘテロ多糖等の多糖類及びその誘導体が挙げられ、皮膜形成剤としては、ポリビニルアルコール、可溶性コラーゲン、分子量2万〜400万のポリエチレングリコール等が挙げられ、油ゲル化剤としては、デキストリン脂肪酸エステル等が挙げられる。
【0048】
また、薬効成分としては、ハマメリス、ボタン、カミツレ、カモミラ等の植物エキス類;グリシン、セリン等のアミノ酸及びその誘導体;オリゴペプチド;特開平6-223023号公報記載のグアニジン誘導体;グリチルリチン及びその塩、グリチルレチン及びその塩、アラントイン、イプシロンアミノカプロン酸及びその塩等の抗炎症剤;α-カロチン、β-カロチン、アスコルビン酸、トコフェロール等のビタミン類;タンニン類、フラボノイド類等の抗酸化剤;6-ヒドロキシヘキサン酸、8-ヒドロキシウンデカン酸、9-ヒドロキシウンデカン酸、10-ヒドロキシウンデカン酸、11-ヒドロキシウンデカン酸エチル等のヒドロキシ酸及びその塩;1-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-3-イソステアリルオキシ-2-プロパノール、1-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-3-(12-ヒドロキシステアリルオキシ)-2-プロパノール、1-(2-ヒドロキシエチルアミノ)-3-メチルオキシ-2-プロパノール等のアミン誘導体などが挙げられる。
【0049】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0050】
以下の実施例において、本発明の新規多糖誘導体の置換基(1)の置換度は、置換基(1)がエーテル結合によって多糖に導入されている場合には、Zeisel法(D. G. Anderson, Anal. Chem., 43, 894(1971))により定量し、置換基(1)がエステル結合によって多糖に導入されている場合には、試料を酸で加水分解し中和した後、ジアゾメタンでエステル化を行ってガスクロマトグラフィーで定量した。また置換基(2)の置換度は電位差滴定法により求めた。すなわち濃度既知の増粘剤溶液を調製し、これに攪拌下、重量既知の1N塩酸(和光純薬社製)を加え、これを0.1N水酸化カリウム水溶液(和光純薬社製)により滴定し、滴定数から置換度を算出した。なお、以下の実施例において「置換度」とは、構成単糖残基当たりの置換基の平均数を示す。
【0051】
実施例1
重量平均分子量80万、ヒドロキシエチル基のモル置換度1.8のヒドロキシエチルセルロース(HEC-QP4400,ユニオンカーバイド社製)80.0g、80%イソプロピルアルコール〔水:イソプロピルアルコール=20:80(重量比)〕640g及び48%水酸化ナトリウム水溶液5.5gを混合し、得られたスラリー溶液を窒素雰囲気下室温で30分攪拌した。この溶液にステアリルグリシジルエーテル3.5gを加えて80℃で8時間攪拌し、疎水化反応を行った。反応終了後、反応液を酢酸で中和し、反応生成物をろ別した。反応生成物を80%イソプロピルアルコール〔水:イソプロピルアルコール=20:80(重量比)〕800gで1回、次いでイソプロピルアルコール800gで2回洗浄した後、減圧下70℃で一昼夜乾燥し、疎水化ヒドロキシエチルセルロース誘導体73.7gを得た。
得られた疎水化ヒドロキシエチルセルロース誘導体15.0g、含水THF〔水:THF=20:80(重量比)〕150g及びピリジン14.8gを混合し、5℃に冷却した。この反応溶液に、10℃以下かつpH7〜8に保ちながら、オキシ塩化リン11.3g及び48%水酸化ナトリウム水溶液を滴下した。滴下終了後、10℃以下で2時間熟成し、リン酸化を行った。反応終了後、反応生成物をろ別した。反応生成物を70%イソプロピルアルコール〔水:イソプロピルアルコール=30:70(重量比)〕400gで3回、次いでイソプロピルアルコール300gで2回洗浄した後、減圧下70℃で一昼夜乾燥し、3-ステアリルオキシ-2-ヒドロキシプロピル基とリン酸基で置換されたヒドロキシエチルセルロース誘導体(本発明化合物1)23.4gを得た。得られたヒドロキシエチルセルロース誘導体の3-ステアリルオキシ-2-ヒドロキシプロピル基の置換度は0.0039、リン酸基の置換度は0.31であった。
【0052】
実施例2
実施例1においてヒドロキシエチルセルロースとして重量平均分子量150万、ヒドロキシエチル基のモル置換度1.8のものを用いる以外は同様の操作及び仕込み量で疎水化反応を行い、更に得られた疎水化ヒドロキシエチルセルロース15.0g、オキシ塩化リン18.5g、ピリジン24.7g及び含水THF〔水:THF=20:80(重量比)〕150gを用い、実施例1と同様の操作にてリン酸化反応、洗浄及び乾燥を行い、ヒドロキシエチルセルロース誘導体(本発明化合物2)を得た。
得られたヒドロキシエチルセルロース誘導体の3-ステアリルオキシ-2-ヒドロキシプロピル基の置換度は0.0040、リン酸基の置換度は0.48であった。
【0053】
実施例3
実施例1においてヒドロキシエチルセルロースとして重量平均分子量150万、ヒドロキシエチル基のモル置換度1.8のものを80.0g用い、ステアリルグリシジルエーテルの使用量を14.0gとする以外は同様にして疎水化反応を行い、更に実施例1と同様にしてリン酸化反応、洗浄及び乾燥を行い、ヒドロキシエチルセルロース誘導体(本発明化合物3)を得た。
得られたヒドロキシエチルセルロース誘導体の3-ステアリルオキシ-2-ヒドロキシプロピル基の置換度は0.0123、リン酸基の置換度は0.35であった。
【0054】
実施例4
実施例1においてヒドロキシエチルセルロースとして重量平均分子量150万、ヒドロキシエチル基のモル置換度1.8のものを52.6g用い、ステアリルグリシジルエーテルの使用量を3.6gとする以外は同様にして疎水化反応を行い、更に実施例1と同様にしてリン酸化反応、洗浄及び乾燥を行い、ヒドロキシエチルセルロース誘導体(本発明化合物4)を得た。
得られたヒドロキシエチルセルロース誘導体の3-ステアリルオキシ-2-ヒドロキシプロピル基の置換度は0.0041、リン酸基の置換度は0.29であった。
【0055】
実施例5
実施例1においてヒドロキシエチルセルロースとして重量平均分子量150万、ヒドロキシエチル基のモル置換度1.8のものを80.0g用い、ステアリルグリシジルエーテルに代えてドデシルグリシジルエーテルを4.0g用いる以外は同様にして疎水化反応を行い、更に実施例1と同様にしてリン酸化反応、洗浄及び乾燥を行い、ヒドロキシエチルセルロース誘導体(本発明化合物5)を得た。
得られたヒドロキシエチルセルロース誘導体の3-ドデシルオキシ-2-ヒドロキシプロピル基の置換度は0.0132、リン酸基の置換度は0.33であった。
【0056】
実施例6
重量平均分子量80万、ヒドロキシエチル基のモル置換度1.8のヒドロキシエチルセルロース(HEC-QP4400,ユニオンカーバイド社製)80.0g、80%イソプロピルアルコール〔水:イソプロピルアルコール=20:80(重量比)〕400g及び48%水酸化ナトリウム水溶液3.4gを混合し、得られたスラリー溶液を窒素雰囲気下室温で30分攪拌した。この溶液にオクチルブロマイド31.9gを加えて80℃で8時間攪拌し、疎水化反応を行った。反応終了後、反応液を酢酸で中和し、反応生成物をろ別した。反応生成物を80%イソプロピルアルコール〔水:イソプロピルアルコール=20:80(重量比)〕500gで2回、次いでイソプロピルアルコール500gで2回洗浄した後、減圧下70℃で一昼夜乾燥し、疎水化ヒドロキシエチルセルロース誘導体75.9gを得た。
得られた疎水化ヒドロキシエチルセルロース誘導体25.0g、80%含水THF〔水:THF=20:80(重量比)〕250g、ピリジン41.2g及びオキシ塩化リン30.8gを用い、実施例1と同様の方法によりリン酸化反応、洗浄及び乾燥を行い、オクチル基とリン酸基で置換されたヒドロキシエチルセルロース誘導体(本発明化合物6)39.1gを得た。
得られたヒドロキシエチルセルロース誘導体のオクチル基の置換度は0.253、リン酸基の置換度は0.42であった。
【0057】
実施例7
重量平均分子量40万、メチル基のモル置換度1.8のメチルセルロース(メトローズSM-800,信越化学工業社製)60.0g、90%tert-ブチルアルコール〔水:tert-ブチルアルコール=10:90(重量比)〕600g及び48%水酸化ナトリウム水溶液5.7gを混合し、得られたスラリー溶液を窒素雰囲気下室温で30分攪拌した。この溶液にステアリルグリシジルエーテル3.82gを加えて80℃で8時間攪拌し、疎水化反応を行った。反応終了後、反応液を酢酸で中和し、反応生成物をろ別した。反応生成物を80%イソプロピルアルコール〔水:イソプロピルアルコール=20:80(重量比)〕500gで2回洗浄した後、減圧下70℃で一昼夜乾燥し、疎水化されたメチルセルロース誘導体53.6gを得た。
得られた疎水化メチルセルロース誘導体15.0g、80%THF〔水:THF=20:80(重量比)〕150g、ピリジン4.9g及びオキシ塩化リン3.7gを用い、実施例1と同様の方法によりリン酸化反応、洗浄及び乾燥を行い、3-ステアリルオキシ-2-ヒドロキシプロピル基とリン酸基で置換されたメチルセルロース誘導体(本発明化合物7)15.0gを得た。
得られたメチルセルロース誘導体の3-ステアリルオキシ-2-ヒドロキシプロピル基の置換度は0.0028、リン酸基の置換度は0.11であった。
【0058】
実施例8
セルロース粉末(メルク社製)20.0g、tert-ブチルアルコール250g、イオン交換水30g及びテトラデシルグリシジルエーテル3.7gを加えてスラリー溶液を調製し、窒素気流下室温で30分攪拌した。更に粉末水酸化ナトリウム4.0gを加えて室温で60分攪拌した。80℃まで昇温して更に8時間攪拌し、グリセリルエーテル化反応を行った。反応終了後、酢酸で中和し、更に反応生成物をろ過し、イソプロピルアルコール200gで2回洗浄した後、70℃で減圧乾燥を行い、疎水化セルロース18.2gを得た。得られた疎水化セルロース15.0g、80%イソプロピルアルコール〔水:イソプロピルアルコール=20:80(重量比)〕150g、ピリジン24.7g及びオキシ塩化リン18.5gを用い、実施例1と同様の方法によりリン酸化反応、洗浄及び乾燥を行い、3-テトラデシルオキシ-2-ヒドロキシプロピル基とリン酸基で置換されたセルロース誘導体(本発明化合物8)11.2gを得た。
得られたセルロース誘導体の3-テトラデシルオキシ-2-ヒドロキシプロピル基の置換度は0.0057、リン酸基の置換度は0.40であった。
【0059】
実施例9
重量平均分子量150万、ヒドロキシエチル基のモル置換度1.8のヒドロキシエチルセルロース(HEC-QP100MH,ユニオンカーバイド社製)30.0g、ピリジン70g及び水5gを混合した。これを10℃以下に冷却した後、10℃以下を保ちつつこの溶液にドデカン酸クロライド13.6gを滴下した。滴下終了後、60℃まで昇温し、2時間熟成した。反応終了後、得られた反応物を80%イソプロピルアルコール〔水:イソプロピルアルコール=20:80(重量比)〕500g中に分散させた。生じた固体をろ取し、イソプロピルアルコール500gで3回洗浄した後、減圧下70℃で一昼夜乾燥し、疎水化ヒドロキシエチルセルロース誘導体27.0gを得た。
得られた疎水化ヒドロキシエチルセルロース誘導体20.0g、ピリジン25g、80%THF〔水:THF=20:80(重量比)〕200g及びオキシ塩化リン17gを用い、実施例1と同様の方法によりリン酸化反応、洗浄及び乾燥を行い、ドデカノイル基とリン酸基で置換されたヒドロキシエチルセルロース誘導体(本発明化合物9)22.5gを得た。
得られたヒドロキシエチルセルロース誘導体のドデカノイル基の置換度は0.051、リン酸基の置換度は0.33であった。
【0060】
試験例1 増粘性試験
本発明化合物又は比較化合物の各1.0gを、イオン交換水、1.0%塩化カルシウム水溶液又は1.0%塩化ナトリウム水溶液の各200mlにそれぞれ溶解し、室温で一昼夜放置後、各水溶液の粘度を測定した。
なお、粘度はブルックフィールド粘度計(12rpm,25℃)を用いて測定した。また、比較化合物としては、以下の化合物を用いた。結果を表1に示す。
【0061】
比較化合物1:実施例2で用いたヒドロキシエチルセルロース
(重量平均分子量150万,ヒドロキシエチル基のモル置換度1.8)比較化合物2:カルボキシメチルセルロース
(重量平均分子量100万,カルボキシメチル基のモル置換度0.78)
比較化合物3:ポリアクリル酸ナトリウム
(カーボポール941,グッドリッチ社製)
比較化合物4:リン酸化ヒドロキシエチルセルロース(実施例2で用いたヒドロキシエチルセルロースを疎水化を行わずに実施例2と同様の方法でリン酸化反応を行った化合物;リン酸基のモル置換度0.51)
【0062】
【表1】
【0063】
本発明の新規多糖誘導体は、透明性の高い水溶液を与えると共に、表1から明らかなように優れた増粘性を発揮し、かつ耐塩性にも優れているものであった。
【0064】
試験例2 乳化安定性試験
下記の組成の乳化液を調製し、乳化直後及び50℃で1週間又は2週間保存した場合の乳化安定性を目視により判定した。なお、乳化液が均一に乳化している場合を○、分離している場合を×とした。結果を表2に示す。
【0065】
<乳化液組成>
ワセリン 50.0重量%
ラノリン 8.0重量%
ポリオキシエチレン(5)ラウリルエーテル 0.5重量%
本発明化合物又は比較化合物 0.2重量%
水 バランス
【0066】
【表2】
【0067】
表2から明らかなように、本発明の新規多糖誘導体は、優れた乳化安定性を有しているものであった。
【0068】
実施例10 乳液
下記の組成の本発明乳液1及び比較乳液1を調製し、その粘度、乳化安定性及び使用感について比較した。なお、乳化安定性は、50℃で保存した場合の直後、1週間後及び1ヵ月後における乳液の状態を目視により判定し、使用感は、専門パネラー10名の官能試験により両者を比較した結果、より良好と回答した者の人数で示す。結果を表3に示す。
【0069】
<本発明乳液1(比較乳液1)>
本発明化合物4(又は比較化合物4) 0.5重量%
スクワラン 3.0重量%
メチルシクロポリシロキサン 15.0重量%
メチルポリシロキサン 1.0重量%
グリセリン 3.0重量%
水 バランス
【0070】
【表3】
【0071】
実施例11 乳液
下記の組成の本発明乳液2及び比較乳液2を調製し、その粘度、乳化安定性及び使用感について比較した。なお、乳化安定性は、50℃で保存した場合の直後、1週間後及び1ヵ月後における乳液の状態を目視により判定し、使用感は、専門パネラー10名の官能試験により両者を比較した結果、より良好と回答した者の人数で示す。結果を表4に示す。
【0072】
<本発明乳液2(比較乳液2)>
本発明化合物5(又は比較化合物4) 0.6重量%
スクワラン 3.0重量%
メチルシクロポリシロキサン 12.0重量%
メチルポリシロキサン 1.0重量%
パラメトキシ桂皮酸2-エチルヘキシル 5.0重量%
シリコーン被覆処理酸化亜鉛 3.0重量%
グリセリン 2.0重量%
水 バランス
【0073】
【表4】
【0074】
実施例12 化粧水
下記の組成の本発明乳液3及び比較乳液3を調製し、その粘度、乳化安定性及び使用感について比較した。なお、乳化安定性は、50℃で保存した場合の直後、1週間後及び1ヵ月後における乳液の状態を目視により判定し、使用感は、専門パネラー10名の官能試験により両者を比較した結果、より良好と回答した者の人数で示す。結果を表5に示す。
【0075】
<本発明乳液3(比較乳液3)>
本発明化合物2(又は比較化合物4) 0.25重量%
水(又は水53.3重量%+L-アルギン0.25重量%) 53.55重量%
エタノール(55v/v%) 10.0 重量%
グリセリン 2.0 重量%
パラメトキシ桂皮酸2-エチルヘキシル 3.0 重量%
メチルポリシロキサン 5.0 重量%
メチルシクロポリシロキサン 25.0 重量%
スルホ石炭酸亜鉛 0.2 重量%
自己乳化型グリセロールモノステアレート 0.7 重量%
ソルビタンモノステアレート 0.3 重量%
【0076】
【表5】
【0077】
実施例13
以下の処方で化粧水を調製した。この化粧水は安定性に優れ、使用感もべたつかず良好なものであった。
エタノール 30.0重量%
グリセリン 5.0重量%
ポリエチレングリコール1500 4.0重量%
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20EO) 0.5重量%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(30EO) 0.5重量%
本発明化合物1 0.2重量%
水 バランス
【0078】
実施例14 乳液
以下の処方で乳液を調製した。この乳液は安定性に優れ、使用感もべたつかず良好なものであった。
スクワラン 5.0 重量%
オリーブ油 8.0 重量%
ホホバ油 1.0 重量%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(10EO) 1.0 重量%
モノステアリン酸ソルビタン 1.0 重量%
本発明化合物2 0.5 重量%
ブチルパラベン 0.1 重量%
メチルパラベン 0.1 重量%
エタノール 5.0 重量%
グリセリン 3.0 重量%
香料 0.05重量%
水 バランス
【0079】
実施例15 化粧水
以下の処方で化粧水を調製した。この化粧水は50℃で1ヵ月間安定で、使用感も良好なものであった。
エタノール 5.0 重量%
グリセリン 3.0 重量%
ポリエチレングリコール1500 4.0 重量%
ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20EO) 0.3 重量%
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(30EO) 0.2 重量%
本発明化合物3 0.15重量%
p-フェノールスルホン酸亜鉛 0.2 重量%
水 バランス
【0080】
実施例16 サンケアクリーム
以下の処方でサンケアクリームを調製した。このサンケアクリームは50℃で1ヵ月以上安定で、使用感も良好なものであった。
ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシ
エチレン)シロキサン重合体 2.0 重量%
ポリオキシエチレン(20EO)ソルビタン
モノオレイン酸エステル 0.5 重量%
メチルポリシロキサン(5cs) 7.0 重量%
メチルフェニルポリシロキサン 2.0 重量%
ホホバ油 2.0 重量%
パルミチン酸デキストリン 0.5 重量%
オクチルジメチルPABA 4.0 重量%
シリコーン被覆処理微粒子酸化チタン 5.0 重量%
酸性ヘテロ多糖類 0.03重量%
硫酸マグネシウム 0.5 重量%
グリセリン 5.0 重量%
ジブチルヒドロキシトルエン 0.05重量%
本発明化合物4 0.5 重量%
水 バランス
【0081】
実施例17 ファンデーション
以下の処方でファンデーションを調製した。このファンデーションは50℃で1ヵ月以上安定で、使用感も良好なものであった。
本発明化合物7 0.2重量%
α-モノイソステアリルグリセリルエーテル 2.0重量%
アルミニウムジイソステアレート 0.2重量%
流動パラフィン 10.0重量%
ジオクタン酸ネオペンチルグリコール 5.0重量%
メチルフェニルポリシロキサン(14cs) 5.0重量%
p-メトキシ桂皮酸2-エチルヘキシル 3.0重量%
2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン 1.0重量%
シリコーン被覆処理微粒子酸化チタン 5.0重量%
シリコーン被覆処理微粒子酸化亜鉛 1.0重量%
セリサイト 2.0重量%
タルク 2.0重量%
ベンガラ 0.4重量%
黄酸化鉄 0.7重量%
黒酸化鉄 0.1重量%
硫酸マグネシウム 1.0重量%
メチルパラベン 0.2重量%
香料 微量
水 バランス
【0082】
実施例18 口紅
以下の処方で口紅を調製した。この口紅は50℃で1ヵ月以上安定で、使用感も良好なものであった。
ヒマシ油 52.0重量%
ラノリン 5.0重量%
液状ラノリン 5.0重量%
ミツロウ 4.0重量%
オゾケライト 7.0重量%
キャンデリラロウ 2.0重量%
カルナウバロウ 1.0重量%
ドデシル変性シリコーン 10.0重量%
本発明化合物1 0.2重量%
ホモメンチルサリチレート 7.8重量%
酸化チタン 1.0重量%
赤色201号 1.0重量%
赤色202号 2.0重量%
黄色4号アルミニウムレーキ 1.0重量%
赤色223号 0.1重量%
香料 微量
ブチル化ヒドロキシトルエン 0.1重量%
プロピルパラベン 0.3重量%
【0083】
【発明の効果】
本発明の新規多糖誘導体は、透明性の高い水溶液を与え、少量の添加で優れた増粘効果を示し、塩類の共存や温度による粘度変化が少なく、しかも極めて安定性に優れたエマルジョンを与える。従って、本発明の新規多糖誘導体は、化粧品、トイレタリー製品、ヘアケア製品、建材、医薬等の増粘剤、ゲル化剤、賦形剤、エマルジョン安定剤、凝集剤等として広く利用することができる。
Claims (4)
- セルロース、グアーガム、スターチ、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルグアーガム、ヒドロキシエチルスターチ、メチルセルロース、メチルグアーガム、メチルスターチ、エチルセルロース、エチルグアーガム、エチルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルグアーガム、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルグアーガム、ヒドロキシエチルメチルスターチ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルグアーガム、ヒドロキシプロピルメチルスターチ及びプルランからなる群より選ばれる多糖類又はその誘導体のヒドロキシル基の水素原子の一部又は全てが、次の基(1)及び(2)
(2)式中、M1及びM2は同一又は異なって、水素原子又は1価の陽イオンを示す。なお、基(1)中のヒドロキシル基の水素原子並びに基(2)中のM1及びM2は、更に他の基(1)又は(2)で置換されていてもよい。〕
で置換されていることを特徴とする新規多糖誘導体。 - 置換基(1)による構成単糖残基当たりの平均置換度が0.0001〜1.0であり、置換基(2)による構成単糖残基当たりの平均置換度が0.01〜2.0である請求項1記載の新規多糖誘導体。
- セルロース、グアーガム、スターチ、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルグアーガム、ヒドロキシエチルスターチ、メチルセルロース、メチルグアーガム、メチルスターチ、エチルセルロース、エチルグアーガム、エチルスターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルグアーガム、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチルグアーガム、ヒドロキシエチルメチルスターチ、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルグアーガム及びヒドロキシプロピルメチルスターチからなる群より選ばれる多糖類又はその誘導体を、次の一般式(3)で表される化合物及び次の一般式(4)で表される化合物と反応させることを特徴とする請求項1記載の多糖誘導体の製造方法。
(4)式中、Xはハロゲン原子を示す。〕 - 請求項1又は2に記載の新規多糖誘導体を含有する化粧料。
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JPH1180201A (ja) | 1999-03-26 |
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