JPH1112304A - 新規多糖誘導体、その製造方法及びそれを含有する化粧料 - Google Patents

新規多糖誘導体、その製造方法及びそれを含有する化粧料

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JPH1112304A
JPH1112304A JP16827497A JP16827497A JPH1112304A JP H1112304 A JPH1112304 A JP H1112304A JP 16827497 A JP16827497 A JP 16827497A JP 16827497 A JP16827497 A JP 16827497A JP H1112304 A JPH1112304 A JP H1112304A
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polysaccharide
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JP16827497A
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Tetsuya Miyajima
哲也 宮島
Tamotsu Kohama
有 小濱
Tomohito Kitsuki
智人 木附
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【解決手段】 多糖類又はその誘導体のヒドロキシル基
の水素原子の一部又は全てが、次の基(A)など(A)
ヒドロキシル基が置換していてもよく、またオキシカル
ボニル基(−COO−又は−OCO−)又はエーテル結
合が挿入されていてもよい炭素数10〜43の直鎖又は
分岐のアルキル基、アルケニル基又はアシル基(該置換
基(A)のヒドロキシル基の水素原子は更に置換基又は
架橋剤で置換されていてもよい)で置換されていること
を特徴とする新規多糖誘導体、その製造方法及びそれを
含有する化粧料。 【効果】 透明性の高い水溶液を与え、少量の添加で優
れた増粘効果を示し、かつ塩類の共存や温度による粘度
変化が少なく、しかも優れた乳化安定性を示し、化粧品
やトイレタリー製品用の増粘剤、ゲル化剤等として有用
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規な多糖誘導
体、更に詳しくは、水溶液としたとき透明性に優れ、し
かも低濃度で優れた増粘性を示し、金属塩、界面活性剤
及び水溶性アルコールの共存や温度の変化による水溶液
粘度の変化が少なく、更に極めて良好な乳化安定性を示
す新規多糖誘導体、その製造方法及び当該多糖誘導体を
含有する化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】化粧品、トイレタリー製品、外用医薬
品、水溶性塗料、建築材料等の重要な構成成分の一つと
して、種々のセルロースエーテル類が、増粘剤、ゲル化
剤、賦形剤、エマルジョン安定剤、凝集剤として広く利
用されている。このようなセルロースエーテルとして
は、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒ
ドロキシプロピルメチルセルロース、エチルヒドロキシ
エチルセルロース等の水溶性非イオン性セルロースエー
テル、カルボキシメチルセルロース、カチオン化セルロ
ース、カチオン化ヒドロキシエチルセルロース等のイオ
ン性セルロースエーテルなどが市販され、用いられてい
る。
【0003】これらセルロースエーテル類は、カーボポ
ール等のポリアクリル酸系の増粘剤に比べて無機金属塩
類、有機金属塩類共存系での水溶液の粘度安定性には比
較的優れてはいるものの、同一水溶液濃度での増粘性が
低く、特に化粧品やトイレタリー製品などの増粘剤ある
いはエマルジョン安定剤として利用する場合、セルロー
スエーテル類の特性を十分に発揮させるためには使用量
を多くする必要があった。しかし、セルロースエーテル
類を多量に配合すると、べたつき、皮膜感等の感触面で
の問題が生じ、しかも、温度変化に伴う変化が大きく、
安定な製品形態を維持しづらいという欠点があった。
【0004】これに対し、例えば特開昭55-110103号公
報、特開昭56-801号公報等には、非イオン性水溶性セル
ロースエーテルの一部に炭素数8〜24の長鎖アルキル
基を導入した疎水化非イオン性セルロース誘導体が、水
に少量混和して比較的高い増粘性を示すことが開示され
ている。また特開平3-12401号公報、特開平3-141210号
公報、特開平3-141214号公報、特開平3-218316号公報等
に見られるように、これらのアルキル置換セルロース誘
導体を外用医薬品、化粧品等に応用しようとする試みが
なされている。しかし、これらアルキル置換セルロース
誘導体は、上記セルロースエーテル類に比べて優れた増
粘性を示すものの、水溶性に乏しく製品に配合する際、
均一に溶解させるのに長時間を要したり、あるいは経日
的な粘度安定性が悪いなどの問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】化粧品及びトイレタリ
ー製品に用いられる理想的な増粘剤としては、容易に溶
解し、増粘効果に優れること、共存する金属塩、界面活
性剤、油剤、水溶性アルコール、その他の添加物や、温
度、pHの変化による粘度への影響が少なく、経日粘度変
化が少ないこと、べたつき等が少なく使用感に優れるこ
と、微生物抵抗に優れることなどが挙げられる。しか
し、上記のセルロースエーテル類やアルキル置換セルロ
ース誘導体は、これらの要求性能の全てを十分に満たす
ものではなかった。
【0006】従って、本発明は、低濃度で高い増粘性を
発揮し、その粘度が無機金属塩、有機金属塩、界面活性
剤、温度、pH等の影響を受けにくく、しかも化粧料やト
イレタリー製品に使用した場合、良好な使用感を有し、
優れた増粘性、乳化安定性を発揮する新規多糖誘導体、
その製造方法及びそれを含有する化粧料を提供すること
を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる実情において、本
発明者らは鋭意研究を行った結果、多糖類のヒドロキシ
ル基の水素原子を、特定の疎水性置換基及びスルホン酸
基を含む置換基で置換し、分子間及び/又は分子内で架
橋して得られる新規多糖誘導体が、水溶性に優れ、その
水溶液が低濃度で高い増粘性を示し、しかも無機金属
塩、有機金属塩、界面活性剤、水溶性アルコール、pH、
温度等の影響を受けにくく安定な増粘性を示し、かつ優
れた乳化安定化作用を示し、更に化粧料やトイレタリー
製品に使用した場合、良好な使用感を有することを見出
し、本発明を完成するに至った。
【0008】すなわち本発明は、多糖類又はその誘導体
のヒドロキシル基の水素原子の一部又は全てが、次の基
(A)及び(B) (A)ヒドロキシル基が置換していてもよく、またオキ
シカルボニル基(−COO−又は−OCO−)又はエー
テル結合が挿入されていてもよい炭素数10〜43の直
鎖又は分岐のアルキル基、アルケニル基又はアシル基
(該置換基(A)のヒドロキシル基の水素原子は更に置
換基(A)、置換基(B)又は架橋剤で置換されていて
もよい) (B)ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数1〜
5のスルホアルキル基又はその塩(該置換基(B)のヒ
ドロキシル基の水素原子は更に置換基(A)、置換基
(B)又は架橋剤で置換されていてもよい)で置換され
ており、置換基(A)による構成単糖残基当たりの平均
置換度が0.0001〜1.0であり、置換基(B)に
よる構成単糖残基当たりの平均置換度が0.01〜2.
0であり、かつ架橋剤により分子内及び/又は分子間で
架橋していることを特徴とする新規多糖誘導体、その製
造方法及びそれを含有する化粧料を提供するものであ
る。
【0009】本発明の新規多糖誘導体は、多糖類又はそ
の誘導体を、(a)炭素数10〜40の直鎖又は分岐の
アルキル基又はアルケニル基を有するグリシジルエーテ
ル、エポキシド、ハライド、ハロヒドリン、並びに炭素
数10〜40の直鎖又は分岐の飽和又は不飽和のアシル
基を有するエステル、酸ハライド及びカルボン酸無水物
から選ばれる疎水化剤、(b)ビニルスルホン酸、ヒド
ロキシル基が置換していてもよいハロC1〜C5アルカン
スルホン酸及びそれらの塩から選ばれるスルホン化剤、
並びに(c)架橋剤と反応させることにより製造するこ
とができる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の新規多糖誘導体は、多糖
類又はその誘導体としてセルロース類を用いた場合を例
に挙げれば、その繰返し単位は次のような一般式で例示
される。
【0011】
【化1】
【0012】〔式中、Rは同一又は異なって、(1):
水素原子、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、
ヒドロキシプロピル基等、(2):疎水性置換基
(A)、(3):ヒドロキシル基が置換してもよいスル
ホアルキル基(B)、(4):架橋化に伴い導入された
置換基から選ばれる基を示し、Aは同一又は異なって、
炭素数2〜4のアルキレン基を示し、a、b及びcは、
同一又は異なって0〜10の数を示す。AO基、R基、
a、b及びcは、繰り返し単位内で又は繰り返し単位間
で同一でも異なってもよく、また上記置換基(A)、
(B)及び架橋化に伴い導入された置換基のヒドロキシ
ル基は更に他の置換基(A)、(B)又は架橋剤で置換
されていてもよい。置換基(A)及び(B)のそれぞれ
の構成単糖残基当たりの置換度は、平均して置換基
(A)が0.0001〜1.0、置換基(B)が0.0
1〜2.0であり、残部は基(1)又は(4)であ
る。〕
【0013】本発明の多糖誘導体においては、上記一般
式で表されるくり返し単位におけるRとして、疎水性置
換基(A)、ヒドロキシル基が置換していてもよいスル
ホアルキル基(B)及び架橋化に伴い導入された置換基
を含む。ただし、同一のくり返し単位中に必ず(A)、
(B)及び架橋化に伴い導入された置換基が存在しなく
てもよい。一分子全体として見たときに、(A)、
(B)が置換基として導入され、かつ分子内及び/又は
分子間で架橋していればよい。その置換度が平均して、
くり返し単位1個当たり(A)が0.0001〜1.
0、(B)が0.01〜2.0である。残りのRは前記
水素、メチル基、エチル基、ヒドロキシエチル基、ヒド
ロキシプロピル基又は架橋化に伴い導入された置換基等
である。
【0014】疎水性置換基(A)における炭素数10〜
43のアルキル基及びアルケニル基としては、直鎖アル
キル基として、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、
トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキ
サデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデ
シル基、イコシル基、ヘンイコシル基、ドコシル基、ト
リコシル基、テトラコシル基、ペンタコシル基、ヘキサ
コシル基、ヘプタコシル基、オクタコシル基、ノナコシ
ル基、トリアコンチル基、ヘントリアコンチル基、ドト
リアコンチル基、トリトリアコンチル基、テトラトリア
コンチル基、ペンタトリアコンチル基、ヘキサトリアコ
ンチル基、ヘプタトリアコンチル基、オクタトリアコン
チル基、ノナトリアコンチル基、テトラコンチル基等
が、分岐アルキル基として、メチルウンデシル基、メチ
ルヘプタデシル基、エチルヘキサデシル基、メチルオク
タデシル基、プロピルペンタデシル基、2−ヘキシルデ
シル基、2−オクチルドデシル、2−ヘプチルウンデシ
ル基、2−デシルテトラデシル基、2−ドデシルヘキサ
デシル基、2−テトラデシルオクタデシル基、2−テト
ラデシルベヘニル基等が、アルケニル基として、デセニ
ル基、ウンデセニル基、ドデセニル基、トリデセニル
基、テトラデセニル基、ペンタデセニル基、ヘキサデセ
ニル基、ヘプタデセニル基、オクタデセニル基、ノナデ
セニル基、イコセニル基、ヘンイコセニル基、ドコセニ
ル基、トリコセニル基、テトラコセニル基、ペンタコセ
ニル基、ヘキサコセニル基、ヘプタコセニル基、オクタ
コセニル基、ノナコセニル基、トリアコンテニル基、オ
レイル基、リノレイル基、リノレニル基等が挙げられ
る。これらのうち、炭素数12〜36、特に16〜24
の直鎖又は分岐のアルキル基及びアルケニル基が好まし
く、また、安定性の点から、アルキル基、特に直鎖アル
キル基が好ましい。疎水性置換基(A)としては、これ
らアルキル基及びアルケニル基のほか、これらにヒドロ
キシル基が置換した2−ヒドロキシアルキル基、1−ヒ
ドロキシメチルアルキル基、2−ヒドロキシアルケニル
基、1−ヒドロキシメチルアルケニル基等、エーテル結
合が挿入されている2−ヒドロキシ−3−アルコキシプ
ロピル基、2−アルコキシ−3−ヒドロキシプロピル
基、2−ヒドロキシ−3−アルケニルオキシプロピル
基、2−アルケニルオキシ−3−ヒドロキシプロピル基
等、1位にオキソ基が置換した1−オキソアルキル基及
び1−オキソアルケニル基(すなわちアシル基)、並び
にオキシカルボニル基が挿入されている基を挙げること
ができるが、ヒドロキシル基が置換していてもよいアル
キル基、アルケニル基、アルコキシプロピル基、アルケ
ニルオキシプロピル基、及びアシル基が好ましく、特
に、安定面や製造面から、2−ヒドロキシアルキル基、
アルコキシヒドロキシプロピル基が好ましい。
【0015】これら疎水性置換基(A)は、多糖分子に
直接結合しているヒドロキシル基の水素原子のみなら
ず、多糖分子に結合しているヒドロキシエチル基やヒド
ロキシプロピル基のヒドロキシル基の水素原子又は他の
置換基(A)、(B)若しくは架橋化に伴い導入された
置換基の有するヒドロキシル基の水素原子と置換しても
よい。これら疎水性置換基(A)による置換度は、構成
単糖残基当たり0.0001〜1.0の範囲内で適宜調
整することができるが、構成単糖残基当たり0.000
5〜0.1、特に0.001〜0.01が好ましい。
【0016】ヒドロキシル基が置換してもよいスルホア
ルキル基(B)としては、2−スルホエチル基、3−ス
ルホプロピル基、3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル
基、2−スルホ−1−(ヒドロキシメチル)エチル基等
が挙げられ、安定面や製造面より3−スルホ−2−ヒド
ロキシプロピル基が好ましい。これら置換基(B)は、
その全てあるいは一部がNa、K等のアルカリ金属、C
a、Mg等のアルカリ土類金属類、アミン類等の有機カ
チオン基、アンモニウムイオンなどとの塩となっていて
もよい。これら置換基(B)も、多糖分子に直接結合し
ているヒドロキシル基の水素原子のみならず、多糖分子
に結合しているヒドロキシエチル基やヒドロキシプロピ
ル基のヒドロキシル基の水素原子又は他の置換基
(A)、(B)若しくは架橋化に伴い導入された置換基
の有するヒドロキシル基の水素原子と置換してもよい。
これら置換基(B)による置換度は、構成単糖残基当た
り0.01〜2.0の範囲内で、疎水性置換基(A)の
導入量などによって適宜調整できるが、構成単糖残基当
たり0.01〜1.0、特に0.02〜0.5の範囲が
好ましい。
【0017】本発明に用いられる多糖類又はその誘導体
としては、セルロース、グアーガム、スターチ等の多糖
類;これらにメチル基、エチル基、ヒドロキシエチル
基、ヒドロキシプロピル基等が置換した誘導体が挙げら
れる。これらの置換基は、構成単糖残基中に単独で又は
複数の組合せで置換することができ、多糖誘導体の例と
しては、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチ
ルグアーガム、ヒドロキシエチルスターチ、メチルセル
ロース、メチルグアーガム、メチルスターチ、エチルセ
ルロース、エチルグアーガム、エチルスターチ、ヒドロ
キシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルグアーガ
ム、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒドロキシエチルメ
チルセルロース、ヒドロキシエチルメチルグアーガム、
ヒドロキシエチルメチルスターチ、ヒドロキシプロピル
メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルグアーガ
ム、ヒドロキシプロピルメチルスターチ等が挙げられ
る。これら多糖類又はその誘導体のうち、セルロース、
ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチ
ルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースが好まし
く、特にヒドロキシエチルセルロースが好ましい。ま
た、上記多糖誘導体の置換基は、ヒドロキシエチル基や
ヒドロキシプロピル基のヒドロキシル基に更に置換し
て、例えばポリオキシエチレン鎖等を形成することで、
構成単糖残基当たり3.0を超える置換度も可能であ
り、その構成単糖残基当たりの置換度は0.1〜〜1
0.0、特に0.5〜5.0が好ましい。また、これら
多糖類又はその誘導体の重量平均分子量は、1万〜10
00万、10万〜500万、特に50万〜200万の範
囲が好ましい。また、本発明の新規多糖誘導体は1種又
は2種以上を組合わせて用いることもできる。
【0018】本発明の新規多糖誘導体は、多糖類又はそ
の誘導体のヒドロキシル基の水素原子を部分的に疎水化
(疎水性置換基(A)の導入)、スルホン化(スルホン
酸基を有する置換基(B)の導入)及び架橋化すること
により得られ、疎水化反応、スルホン化反応、架橋化反
応はどの順序で行ってもよく、また2つあるいは3つの
全ての反応を同時に行ってもよい。以下、疎水化反応、
スルホン化反応、架橋化反応に分けて説明する。
【0019】〈疎水化反応〉多糖類又はその誘導体の疎
水化反応は、多糖類又はその誘導体を適当な溶媒に溶解
又は分散させ、炭素数10〜40の直鎖又は分岐のアル
キル基又はアルケニル基を有するグリシジルエーテル、
エポキシド、ハライド、ハロヒドリン、アシルハライ
ド、並びに炭素数10〜40の直鎖又は分岐の飽和又は
不飽和のアシル基を有するエステル、酸ハライド及びカ
ルボン酸無水物から選ばれる疎水化剤と反応させること
により行われる。
【0020】上記疎水化剤のうち、グリシジルエーテ
ル、エポキシド、ハライド及びアシルハライドが特に好
ましく、これら疎水化剤は、単独で又は2種以上を組み
合わせて使用することができる。疎水化剤の使用量は、
多糖類又はその誘導体への疎水性置換基の所望する導入
量によって適宜調整することができるが、通常、多糖類
又はその誘導体の構成単糖残基当たり、0.0001〜
1.0当量、特に0.0005〜0.1当量の範囲が好
ましい。
【0021】疎水化反応は、必要に応じてアルカリ存在
下で行うのが好ましく、かかるアルカリとしては特に限
定されないが、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水
酸化物、炭酸塩、重炭酸塩等が挙げられ、なかでも水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水
酸化マグネシウム等が好ましい。アルカリの使用量は、
用いる疎水化剤に対して1〜1000モル倍量、特に1
00〜500モル倍量が良好な結果を与え、好ましい。
【0022】溶媒としては、低級アルコール、例えばイ
ソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール等
が挙げられる。多糖類又はその誘導体を膨潤させて疎水
化剤との反応性を高める目的で、低級アルコールに対
し、1〜50重量%、更に好ましくは2〜30重量%の
水を加えた混合溶媒を用いて反応を行ってもよい。
【0023】反応温度は0〜200℃、特に30〜10
0℃の範囲が好ましい。反応終了後は、酸を用いてアル
カリを中和する。酸としては、硫酸、塩酸、リン酸等の
無機酸、酢酸等の有機酸を用いることができる。また、
途中で中和することなく次の反応を行ってもよい。
【0024】このようにして得られた疎水化多糖類を続
いてスルホン化反応、架橋化反応に用いる場合には、中
和せずそのまま用いることができるほか、必要に応じろ
過などにより分別したり、熱水、含水イソプロピルアル
コール、含水アセトン溶媒等で洗浄して未反応の疎水化
剤や中和等により副生した塩類を除去して使用すること
もできる。なお、既に疎水化反応の前にスルホン化反応
あるいは架橋化反応を行っている場合は、中和し、ろ過
などによる分別後、必要に応じて洗浄等を行った後、乾
燥して本発明の新規多糖誘導体を得ることができる。
【0025】〈スルホン化反応〉多糖類又はその誘導体
のスルホン化反応は、多糖類又はその誘導体を適当な溶
媒に溶解又は分散させて、スルホン化剤と反応させるこ
とにより行われる。
【0026】スルホン化剤のうち、ヒドロキシル基が置
換していてもよいハロC1〜C5アルカンスルホン酸にお
ける置換ハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、
臭素原子等が挙げられる。また、これらの塩としては、
ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシ
ウム塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、アン
モニウム塩等が挙げられる。スルホン化剤としては、ビ
ニルスルホン酸、3−ハロ−2−ヒドロキシプロパンス
ルホン酸、3−ハロプロパンスルホン酸が好ましく、こ
れらスルホン化剤は単独で又は2種以上を組み合わせて
使用することができる。スルホン化剤の使用量は、多糖
類又はその誘導体へのスルホン酸基の所望する導入量に
よって適宜調整できるが、通常、多糖類又はその誘導体
の構成単糖残基当たり、0.01〜10当量、特に0.
03〜5当量の範囲が好ましい。
【0027】スルホン化反応は、必要に応じてアルカリ
存在下で行うのが好ましく、かかるアルカリとしては特
に限定されないが、アルカリ金属又はアルカリ土類金属
の水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩等が挙げられ、なかでも
水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウ
ム、水酸化マグネシウム等が好ましい。アルカリの使用
量は、用いるスルホン化剤に対して1.0〜3.0モル
倍量、特に1.05〜1.5モル倍量が良好な結果を与
え、好ましい。
【0028】溶媒としては、低級アルコール、例えばイ
ソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール等
が挙げられる。また、多糖類又は疎水化多糖類とスルホ
ン化剤との反応性を高める目的で、低級アルコールに対
し、0.1〜100重量%、更に好ましくは1〜50重
量%の水を加えた混合溶媒を用いて反応を行ってもよ
い。
【0029】反応温度は0〜150℃、特に30〜10
0℃の範囲が好ましい。反応終了後は、酸を用いてアル
カリを中和する。酸としては、硫酸、塩酸、リン酸等の
無機酸、酢酸等の有機酸を用いることができる。また途
中で中和することなく次の反応を行ってもよい。
【0030】このようにして得られたスルホン化多糖類
を続いて疎水化反応、架橋化反応に用いる場合には、中
和せずそのまま用いることができるほか、必要に応じろ
過などにより分別したり、熱水、含水イソプロピルアル
コール、含水アセトン溶媒等で洗浄して未反応のスルホ
ン化剤や中和等により副生した塩類を除去して使用する
こともできる。なお、既にスルホン化反応の前に疎水化
反応あるいは架橋化反応を行っている場合は、中和し、
ろ過などによる分別後、必要に応じて洗浄等を行った
後、乾燥して本発明の新規多糖誘導体を得ることができ
る。
【0031】<架橋化反応>多糖類又はその誘導体の架
橋化反応は、多糖類又はその誘導体を適当な溶媒に溶解
又は分散させ、架橋剤と反応させることにより行われ
る。
【0032】本発明で用いられる架橋剤としては、多糖
類を架橋する際に通常用いられる公知のものを使用する
ことができ、単独で又は2種以上を組み合わせて用いて
もよく、例えばN,N−ジアリル(メタ)アクリルアミ
ド、ジアリルアミン、ジアリルフタレート、ジアリルマ
レート、ジアリルテレフタレート、トリアリルシアヌレ
ート、トリアリルフォスフェート等のポリアリル化合
物;ジビニルベンゼン、N,N−メチレンビスアクリル
アミド、エチレングリコールジアクリレート、エチレン
グリコールジメタクリレート、グリセリントリメタクリ
レート等のポリビニル化合物;エチレングリコールグリ
シジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジル
エーテル、ポリグリセリンポリグリシジルエーテル等の
ポリグリシジルエーテル;エピクロロヒドリン、α−メ
チルクロルヒドリン等のハロエポキシ化合物;グルター
ルアルデヒド、グリオキザール等のポリアルデヒド等が
挙げられるが、これらのうちポリアリル化合物、ポリビ
ニル化合物、ポリグリシジルエーテル、ハロエポキシ化
合物が好ましい。
【0033】架橋剤の使用量は最終生成物の多糖誘導体
の所望の性状に従い適宜調整できるが、構成単糖残基当
たり0.00001〜0.05当量、特に0.0001
〜0.01当量用いるのが好ましい。
【0034】架橋化反応は、必要に応じてアルカリ存在
下で行うのが好ましく、かかるアルカリとしては特に限
定されないが、アルカリ金属又はアルカリ土類金属の水
酸化物、炭酸塩、重炭酸塩等が挙げられ、なかでも水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、水
酸化マグネシウム等が好ましい。アルカリの使用量は、
用いる架橋化剤に対して1〜20000モル倍量、特に
50〜5000モル倍量が好ましい。
【0035】溶媒としては、低級アルコール、例えばイ
ソプロピルアルコール、tert−ブチルアルコール等
が挙げられる。多糖類又はその誘導体を膨潤させて架橋
化剤との反応性を高める目的で、低級アルコールに対
し、1〜50重量%、更に好ましくは2〜30重量%の
水を加えた混合溶媒を用いて反応を行ってもよい。
【0036】反応温度は0〜200℃、特に30〜10
0℃の範囲が好ましい。反応終了後は、酸を用いてアル
カリを中和する。酸としては、硫酸、塩酸、リン酸等の
無機酸、酢酸等の有機酸を用いることができる。また、
途中で中和することなく次の反応を行ってもよい。
【0037】このようにして得られた架橋化多糖類を続
いて疎水化反応、スルホン化反応に用いる場合には、中
和せずにそのまま用いることができるほか、必要に応じ
てろ過などにより分別したり、熱水、含水イソプロピル
アルコール、含水アセトン溶媒等で洗浄して未反応の架
橋化剤や中和等により副生した塩類を除去して使用する
こともできる。なお、既に架橋化反応の前に疎水化反応
あるいはスルホン化反応を行っている場合は、中和し、
ろ過などによる分別後、必要に応じて洗浄等を行った
後、乾燥して本発明の新規多糖誘導体を得ることができ
る。
【0038】置換基(A)、置換基(B)及び架橋剤
は、ヒドロキシル基を有することがあるので、前記反応
によって得られた本発明多糖誘導体中には、置換基
(A)の水酸基上に置換基(B)又は架橋剤が、置換基
(B)の水酸基上に置換基(A)又は架橋剤が、また架
橋剤の残存水酸基上に置換基(A)又は置換基(B)が
それぞれ置換した化合物も少量含まれることがある。こ
れらの副生化合物を含む場合も優れた増粘性を示し、化
粧料等に使用可能である。
【0039】本発明の多糖誘導体は、化粧料、洗浄料、
建築材料等の各分野における増粘剤、乳化剤、分散安定
化剤として好適に使用することができる。
【0040】本発明の新規多糖誘導体を化粧料に使用す
る場合、その配合量は特に限定されないが、0.01〜
10重量%、特に0.05〜3重量%が好ましい。
【0041】本発明の新規多糖誘導体を皮膚化粧料に使
用する場合は、皮膚化粧料成分として一般に使用されて
いる界面活性剤、油分、保湿剤、皮膜形成剤、油ゲル化
剤、金属酸化物、有機紫外線吸収剤、無機金属塩類、有
機金属塩類、アルコール類、キレート剤、pH調整剤、防
腐剤、他の増粘剤、薬効成分、色素、香料等の成分と任
意に組み合わせて配合することにより、種々の形態、例
えば、油/水、水/油型乳化化粧料、クリーム、化粧乳
液、化粧水、油性化粧水、口紅、ファンデーション、皮
膚洗浄剤などとすることができる。
【0042】本発明の新規多糖誘導体を毛髪化粧料に使
用する場合は、毛髪化粧料成分として一般に使用されて
いる界面活性剤、他の増粘剤、油ゲル化剤、金属酸化
物、有機紫外線吸収剤、無機金属塩類、有機金属塩類、
パール化剤、酸化防止剤、防腐剤、薬効成分、色素、香
料等の成分と任意に組み合わせて配合することができ
る。また、毛髪の感触を向上させるために、カチオン化
セルロース等のカチオン性ポリマーや、ジメチルポリシ
ロキサン、アミノ変性シリコーン、ポリエーテル変性シ
リコーン等のシリコーン誘導体を配合することもでき
る。毛髪化粧料の剤型は特に限定されず、用途に応じ
て、エマルジョン、サスペンジョン、ゲル、透明溶液、
エアゾール等の各種剤型の毛髪化粧料一般、すなわちプ
レシャンプー剤、シャンプー、ヘアリンス、ヘアトリー
トメント、ヘアコンディショナー、コンディショニング
ブロー剤等とすることができる。
【0043】本発明の新規多糖誘導体を口腔用製剤に使
用する場合は、口腔用製剤に一般に使用されている界面
活性剤、研磨剤、湿潤剤、増量剤、甘味剤、保存料、殺
菌剤、薬効成分、pH調整剤、他の粘結剤、顔料、色素、
香料等の成分と任意に組み合わせて配合することによ
り、種々の形態、例えば、練り歯磨、液状歯磨、洗口
剤、マウスリンス、歯肉マッサージクリーム等とするこ
とができる。
【0044】本発明の化粧料は、優れた使用感及び粘度
安定性を示すものであるが、金属酸化物、無機金属塩
類、有機金属塩類等と併用した場合、特に良好な使用感
及び粘度安定性を得ることができる。また、有機紫外線
吸収剤を配合することにより、使用感及び粘度安定性に
優れたサンケア化粧品等とすることができる。また、金
属酸化物と有機紫外線吸収剤とを併用することにより、
更に紫外線防止効果を高めることができる。
【0045】金属酸化物としては、酸化チタン、酸化亜
鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウム、酸化セリウム等が挙げ
られ、シリカ処理、アルミナ処理、シリカ・アルミナ処
理、金属石鹸処理、脂肪酸処理、アミノ酸処理、シリコ
ーン処理、アルキルリン酸処理、フッ素処理等を施した
ものであってもよい。また、これらの2種以上、又はこ
れらと他の有機粉体や無機粉体とを複合化したものでも
よい。これらの金属酸化物の大きさ、形状等は特に限定
されず、単独で又は2種以上を組み合わせて配合するこ
とができる。これらの金属酸化物の配合量は、0.00
1〜50重量%、特に0.005〜30重量%が好まし
い。
【0046】有機紫外線吸収剤のうち、油溶性紫外線吸
収剤としては、安息香酸系のものとして、パラアミノ安
息香酸(以下、「PABA」と略す)、グリセリルPABA、エ
チルジヒドロキシプロピルPABA、N−エトキシレートPA
BAエチルエステル、N−ジメチルPABAエチルエステル、
N−ジメチルPABAブチルエステル、N−ジメチルPABAア
ミルエステル、オクチルジメチルPABA等が;アントラニ
リック酸系のものとして、ホモメンチル−N−アセチル
アントラニレート等が;サリチル酸系のものとして、ア
ミルサリチレート、メンチルサリチレート、ホモメンチ
ルサリチレート、オクチルサリチレート、フェニルサリ
チレート、ベンジルサリチレート、p−イソプロパノー
ルフェニルサリチレート等が;桂皮酸系のものとして、
オクチルシンナメート、エチル−4−イソプロピルシン
ナメート、エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメー
ト、メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート、プ
ロピル−p−メトキシシンナメート、イソプロピル−p
−メトキシシンナメート、イソアミル−p−メトキシシ
ンナメート、2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナ
メート、2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメー
ト、シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート、エチ
ル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、2−エチ
ルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート、
グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイルジパラメトキ
シシンナメート等が;ベンゾフェノン系のものとして、
2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2′−ジヒ
ドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2′−ジ
ヒドロキシ−4,4′−ジヒドロキシベンゾフェノン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒ
ドロキシ−4−メトキシ−4′−メチルベンゾフェノ
ン、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル
−4′−フェニルベンゾフェノン−2−カルボキシレー
ト、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノ
ン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等
が;その他のものとして、3−(4′−メチルベンジリ
デン)−dl−カンファー、3−ベンジリデン−dl−カン
ファー、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−
3−メチルベンゾキサゾール、2,2′−ヒドロキシ−
5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2′−
ヒドロキシ−5−t−オクチルフェニル)ベンゾトリア
ゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−メ
トキシ−4′−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−
(3,3−ジメチル−2−ノルボニリデン)−3−ペン
タン−2−オン、特開平2-212579号公報記載のベンゼン
ビス−1,3−ジケトン誘導体、特開平3-220153号公報
記載のベンゾイルピナコロン誘導体等が挙げられる。
【0047】水溶性紫外線吸収剤としては、ジエタノー
ルアミンp−メトキシシンナメート、2−ヒドロキシ−
4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウ
ム、テトラヒドロキシベンゾフェノン、メチルヘルペリ
ジン、3−ヒドロキシ−4−メトキシ桂皮酸ナトリウ
ム、フェルラ酸ナトリウム、ウロカニン酸等や、セイヨ
ウノコギリソウ、アロエ、ビロウドアオイ、ゴボウ、サ
ルビア等の動植物のエキスで紫外線吸収作用をもつもの
等が挙げられる。
【0048】これらの有機紫外線吸収剤は、単独で又は
2種以上を組み合わせて配合することができ、その配合
量は0.001〜50重量%、特に0.005〜30重
量%が好ましい。
【0049】無機金属塩類、有機金属塩類としては、化
粧料に用いられる全ての1価金属塩、2価金属塩及び3
価金属塩が含まれ、具体的には、硫酸ナトリウム、硫酸
カリウム、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、塩化
ナトリウム、塩化亜鉛、硫酸亜鉛、硫酸アルミニウムカ
リウム、塩化アルミニウム、塩化第2鉄、パラフェノー
ルスルホン酸亜鉛及び乳酸、酒石酸、コハク酸、クエン
酸等の有機酸の1価金属塩、2価金属塩、3価金属塩等
が挙げられる。これらは単独で又は2種以上を組み合わ
せて使用することができ、その配合量は、0.001〜
30重量%、特に0.005〜20重量が好ましい。
【0050】また、その他の増粘剤としては、キサンタ
ンガム、ヒアルロン酸、ポリアンテス属(Polianthes
L.)に属する植物のカルス由来の酸性ヘテロ多糖等の多
糖類及びその誘導体が挙げられ、皮膜形成剤としては、
ポリビニルアルコール、可溶性コラーゲン、分子量2万
〜400万のポリエチレングリコール等が挙げられ、油
ゲル化剤としては、デキストリン脂肪酸エステル等が挙
げられる。
【0051】また、薬効成分としては、ハマメリス、ボ
タン、カミツレ、カモミラ等の植物エキス類;グリシ
ン、セリン等のアミノ酸及びその誘導体;オリゴペプチ
ド;特開平6-223023号公報記載のグアニジン誘導体;グ
リチルリチン及びその塩、グリチルレチン及びその塩、
アラントイン、イプシロンアミノカプロン酸及びその塩
等の抗炎症剤;α−カロチン、β−カロチン、アスコル
ビン酸、トコフェロール等のビタミン類;タンニン類、
フラボノイド類等の抗酸化剤;6−ヒドロキシヘキサン
酸、8−ヒドロキシウンデカン酸、9−ヒドロキシウン
デカン酸、10−ヒドロキシウンデカン酸、11−ヒド
ロキシウンデカン酸エチル等のヒドロキシ酸及びその
塩;1−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−3−イソス
テアリルオキシ−2−プロパノール、1−(2−ヒドロ
キシエチルアミノ)−3−(12−ヒドロキシステアリ
ルオキシ)−2−プロパノール、1−(2−ヒドロキシ
エチルアミノ)−3−メチルオキシ−2−プロパノール
等のアミン誘導体などが挙げられる。
【0052】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0053】なお、以下の実施例において、本発明の新
規多糖誘導体の疎水性置換基(A)の置換度は、置換基
(A)が1位にオキソ基を有しない場合(エーテルを形
成している場合)には、Zeisel法(D. G. Anderson, An
al. Chem., 43, 894(1971))により定量し、置換基
(A)が1位にオキソ基を有する場合(エステルを形成
している場合)には、試料を酸で加水分解し中和した後
ジアゾメタンでエステル化を行ってガスクロマトグラフ
ィーで定量した。またスルホアルキル基(B)の置換度
は、コロイド滴定法により求めた。すなわち濃度既知の
増粘剤溶液を調製し、これに撹拌下、重量既知のN/2
00メチルグリコールキトサン溶液(和光純薬,コロイ
ド滴定用)を加え、更にトルイジンブルー指示薬溶液
(和光純薬,コロイド滴定用)数滴加えた。これをN/
400ポリビニル硫酸カリウム溶液(和光純薬,コロイ
ド滴定用)により逆滴定し、滴定量から置換度を算出し
た。また、以下の実施例において「置換度」とは、構成
単糖残基当たりの置換基の平均数を示す。
【0054】実施例1 (1)攪拌機、温度計及び冷却管を備えた1000mlの
ガラス製セパラブル反応容器に、重量平均分子量約15
0万、ヒドロキシエチル基の置換度1.8のヒドロキシ
エチルセルロース(HEC−QP100M,ユニオンカ
ーバイド社製)80g、80%イソプロピルアルコール
640g及び48%水酸化ナトリウム水溶液5.5gを
加えてスラリー液を調製し、窒素雰囲気下室温で30分
間攪拌した。これにステアリルグリシジルエーテル3.
2gを加え、80℃で8時間反応させて疎水化を行っ
た。疎水化反応終了後、反応液を酢酸で中和し、反応生
成物をろ別した。反応生成物を50℃のイソプロピルア
ルコール500gで2回、次いでアセトン500gで2
回洗浄し、減圧下70℃で1昼夜乾燥し、疎水化された
ヒドロキシエチルセルロース誘導体69.4gを得た。
【0055】(2)攪拌機、温度計及び冷却管を備えた
500mlのガラス製セパラブル反応容器に、(1)で得
られた疎水化ヒドロキシエチルセルロース誘導体20.
0g、70%イソプロピルアルコール200g及び48
%水酸化ナトリウム水溶液1.33gを仕込んでスラリ
ー液を調製し、窒素気流下室温で30分間攪拌した。反
応液に3−クロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸
ナトリウム15.8g、エピクロロヒドリン0.07g
及び48%水酸化ナトリウム水溶液6.67gを加え、
50℃で3時間スルホン化及び架橋化を行った。反応終
了後、反応液を塩酸で中和し生成物をろ別した。生成物
を70%イソプロピルアルコール340gで1回、次い
でイソプロピルアルコール120gで2回洗浄後、減圧
下70℃で1昼夜乾燥し、3−ステアリルオキシ−2−
ヒドロキシプロピル基、3−スルホ−2−ヒドロキシプ
ロピル基及び架橋剤で置換されたヒドロキシエチルセル
ロース誘導体(本発明化合物1)18.1gを得た。
【0056】得られたヒドロキシエチルセルロース誘導
体の3−ステアリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基
の置換度は0.0035、3−スルホ−2−ヒドロキシ
プロピル基の置換度は0.31であった。
【0057】実施例2 (1)攪拌機、温度計及び冷却管を備えた1000mlの
ガラス製セパラブル反応容器に、重量平均分子量約15
0万、ヒドロキシエチル基の置換度1.8のヒドロキシ
エチルセルロース(HEC−QP100M,ユニオンカ
ーバイド社製)80g、80%イソプロピルアルコール
640g及び48%水酸化ナトリウム水溶液5.5gを
加えてスラリー液を調製し、窒素雰囲気下室温で30分
間攪拌した。これにステアリルグリシジルエーテル1.
07gを加え、80℃で8時間反応させて疎水化を行っ
た。疎水化反応終了後、反応液を酢酸で中和し、反応生
成物をろ別した。反応生成物を50℃のイソプロピルア
ルコール500gで2回、次いでアセトン500gで2
回洗浄し、減圧下70℃で1昼夜乾燥し、疎水化された
ヒドロキシエチルセルロース誘導体69.0gを得た。
【0058】(2)攪拌機、温度計及び冷却管を備えた
500mlのガラス製セパラブル反応容器に、(1)で得
られた疎水化ヒドロキシエチルセルロース誘導体20.
0g、70%イソプロピルアルコール200g及び48
%水酸化ナトリウム水溶液1.33を仕込んでスラリー
液を調製し、窒素気流下室温で30分間攪拌した。反応液
に3−クロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナト
リウム7.9g、エピクロロヒドリン0.07g及び4
8%水酸化ナトリウム水溶液3.33gを加え、50℃
で3時間スルホン化及び架橋化を行った。反応終了後、
反応液を塩酸で中和し生成物をろ別した。生成物を70
%イソプロピルアルコール340gで1回、次いでイソ
プロピルアルコール120gで2回洗浄後、減圧下70
℃で1昼夜乾燥し、ステアリルグリシジルエーテル基、
3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基及び架橋剤で置
換されたヒドロキシエチルセルロース誘導体(本発明化
合物2)17.3gを得た。
【0059】得られたヒドロキシエチルセルロース誘導
体の3−ステアリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基
の置換度は0.0012、3−スルホ−2−ヒドロキシ
プロピル基の置換度は0.18であった。
【0060】実施例3 攪拌機、温度計及び冷却管を備えた500mlのガラス製
セパラブル反応容器に、実施例1(1)で得られた疎水
化ヒドロキシエチルセルロース誘導体10.0g、イソ
プロピルアルコール160g及び25%ビニルスルホン
酸ナトリウム水溶液36gを仕込んでスラリー液を調製
した。これを窒素気流下室温で30分間攪拌した後、4
8%水酸化ナトリウム水溶液1.2g、ペンタエリスリ
トールトリアリルエーテル0.051gを仕込んで、窒
素気流下室温で60分間撹拌した。更に、スラリー液を
80℃まで昇温し、80℃で2時間撹拌してスルホン化
及び架橋化を行った。反応終了後、反応液を60℃まで
冷却し酢酸で中和し生成物をろ別した。生成物を70%
イソプロピルアルコール170gで3回、次いでイソプ
ロピルアルコール60gで2回洗浄後、減圧下70℃で
1昼夜乾燥し、3−ステアリルオキシ−2−ヒドロキシ
プロピル基、スルホエチル基及び架橋剤で置換されたヒ
ドロキシエチルセルロース誘導体(本発明化合物3)
8.3gを得た。
【0061】得られたヒドロキシエチルセルロース誘導
体の3−ステアリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基
の置換度は0.0035、スルホエチル基の置換度は
0.30であった。
【0062】実施例4 攪拌機、温度計及び冷却管を備えた500mlのガラス製
セパラブル反応容器に、実施例1(1)で得られた疎水
化ヒドロキシエチルセルロース誘導体10.0g、90
%イソプロピルアルコール160g及び48%水酸化ナ
トリウム水溶液13.1gを仕込んでスラリー液を調製
し、窒素気流下室温で30分間攪拌した。反応液を氷冷
下10℃以下まで冷却した後、3−ブロモプロパンスル
ホン酸ナトリウム30.0g、エチレングリコールジグ
リシジルエーテル0.035gを仕込んで10℃以下で
60分間撹拌した。更に、反応液を80℃まで昇温し、
80℃で2時間撹拌してスルホン化及び架橋化を行っ
た。反応終了後、反応液を60℃まで冷却し、酢酸で中
和し生成物をろ別した。生成物を70%イソプロピルア
ルコール170gで3回、次いでイソプロピルアルコー
ル60gで2回洗浄後、減圧下70℃で1昼夜乾燥し、
3−ステアリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基、ス
ルホプロピル基及び架橋剤で置換されたヒドロキシエチ
ルセルロース誘導体(本発明化合物4)8.7gを得
た。
【0063】得られたヒドロキシエチルセルロース誘導
体の3−ステアリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基
の置換度は0.0035、スルホプロピル基の置換度は
0.20であった。
【0064】実施例5 (1)攪拌機、温度計及び冷却管を備えた1000mlの
ガラス製セパラブル反応容器に、重量平均分子量約15
0万、ヒドロキシエチル基の置換度1.8のヒドロキシ
エチルセルロース(HEC−QP100M,ユニオンカ
ーバイド社製)50g、88%イソプロピルアルコール
400g及び48%水酸化ナトリウム水溶液3.5gを
加えてスラリー液を調製し、窒素雰囲気下室温で30分
間攪拌した。これに1,2−エポキシ−n−オクタデカ
ン2.2gを加え、80℃で8時間反応させて疎水化を
行った。疎水化反応終了後、反応液を酢酸で中和し、反
応生成物をろ別した。反応生成物を50℃のイソプロピ
ルアルコール500gで2回、次いでアセトン500g
で2回洗浄し、減圧下70℃で1昼夜乾燥し、疎水化さ
れたヒドロキシエチルセルロース誘導体49.3gを得
た。
【0065】(2)攪拌機、温度計及び冷却管を備えた
500mlのガラス製セパラブル反応容器に、(1)で得
られた疎水化ヒドロキシエチルセルロース誘導体10.
0g、70%イソプロピルアルコール100g及び48
%水酸化ナトリウム水溶液0.67gを仕込んでスラリ
ー液を調製し、窒素気流下室温で30分間攪拌した。反
応液に3−クロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸
ナトリウム7.9g、エチレンジグリコールジグリシジ
ルエーテル0.035g及び48%水酸化ナトリウム水
溶液3.33gを加え、50℃で9時間スルホン化を行
った。反応終了後、反応液を酢酸で中和し生成物をろ別
した。生成物を70%イソプロピルアルコール170g
で3回、次いでイソプロピルアルコール60gで2回洗
浄後、減圧下70℃で1昼夜乾燥し、2−ヒドロキシ−
n−オクタデシル基、3−スルホ−2−ヒドロキシプロ
ピル基及び架橋剤で置換されたヒドロキシエチルセルロ
ース誘導体(本発明化合物5)8.4gを得た。
【0066】得られたヒドロキシエチルセルロース誘導
体の2−ヒドロキシ−n−オクタデシル基の置換度は
0.0045、3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基
の置換度は0.29であった。
【0067】実施例6 (1)攪拌機、温度計及び冷却管を備えた1000mlの
ガラス製セパラブル反応容器に、重量平均分子量約15
0万、ヒドロキシエチル基の置換度1.8のヒドロキシ
エチルセルロース(HEC−QP100M,ユニオンカ
ーバイド社製)50g、88%イソプロピルアルコール
400g及び48%水酸化ナトリウム水溶液4.7gを
加えてスラリー液を調製し、窒素雰囲気下室温で30分
間攪拌した。これに1−クロロ−n−オクタデカン4.
8gを加え、80℃で8時間反応させて疎水化を行っ
た。疎水化反応終了後、反応液を酢酸で中和し、反応生
成物をろ別した。反応生成物を50℃のイソプロピルア
ルコール500gで2回、次いでアセトン500gで2
回洗浄し、減圧下70℃で1昼夜乾燥し、疎水化された
ヒドロキシエチルセルロース誘導体47.9gを得た。
【0068】(2)攪拌機、温度計及び冷却管を備えた
500mlのガラス製セパラブル反応容器に、(1)で得
られた疎水化ヒドロキシエチルセルロース誘導体10.
0g、70%イソプロピルアルコール100g及び48
%水酸化ナトリウム水溶液0.67gを仕込んでスラリ
ー液を調製し、窒素気流下室温で30分間攪拌した。反
応液に3−クロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸
ナトリウム7.9g、ペンタエリスリトールトリアリル
エーテル0.051g及び48%水酸化ナトリウム水溶
液3.33gを加え、50℃で9時間スルホン化及び架
橋化を行った。反応終了後、反応液を酢酸で中和し生成
物をろ別した。生成物を70%イソプロピルアルコール
170gで3回、次いでイソプロピルアルコール60g
で2回洗浄後、減圧下70℃で1昼夜乾燥し、n−オク
タデシル基、3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基及
び架橋剤で置換されたヒドロキシエチルセルロース誘導
体(本発明化合物6)8.2gを得た。
【0069】得られたヒドロキシエチルセルロース誘導
体のn−オクタデシル基の置換度は0.0029、3−
スルホ−2−ヒドロキシプロピル基の置換度は0.30
であった。
【0070】実施例7 (1)攪拌機、温度計及び冷却管を備えた1000mlの
ガラス製セパラブル反応容器に、重量平均分子量約15
0万、ヒドロキシエチル基の置換度1.8のヒドロキシ
エチルセルロース(HEC−QP100M,ユニオンカ
ーバイド社製)50g、70%イソプロピルアルコール
500g及び48%水酸化ナトリウム水溶液3.33g
を仕込んでスラリー液を調製し、窒素気流下室温で30
分間攪拌した。反応液に3−クロロ−2−ヒドロキシプ
ロパンスルホン酸ナトリウム39.5g及び48%水酸
化ナトリウム水溶液16.7gを加え、50℃で9時間
スルホン化を行った。反応終了後、反応液を酢酸で中和
し生成物をろ別した。生成物を70%イソプロピルアル
コール850gで3回、次いでイソプロピルアルコール
300gで2回洗浄後、減圧下70℃で1昼夜乾燥し、
スルホン化されたヒドロキシエチルセルロース誘導体5
0.0gを得た。
【0071】(2)攪拌機、温度計及び冷却管を備えた
500mlのガラス製セパラブル反応容器に、(1)で得
られたスルホン化ヒドロキシエチルセルロース誘導体1
0.0g、88%イソプロピルアルコール80.0g及
び48%水酸化ナトリウム水溶液1.4gを仕込んでス
ラリー液を調製し、窒素雰囲気下室温で30分間攪拌し
た。これにステアロイルクロリド0.44gを加え、8
0℃で7時間反応させて疎水化を行った。疎水化反応終
了後、エチレングリコールジグリシジルエーテル0.0
35gを加え、更に80℃で1時間反応を行った。反応
液を酢酸で中和し、反応生成物をろ別した。反応生成物
を70%イソプロピルアルコール170gで3回、次い
でイソプロピルアルコール60gで2回洗浄し、減圧下
70℃で1昼夜乾燥し、1−オキソ−n−オクタデシル
基、3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基及び架橋剤
で置換されたヒドロキシエチルセルロース誘導体(本発
明化合物7)8.6gを得た。
【0072】得られたヒドロキシエチルセルロース誘導
体の1−オキソ−n−オクタデシル基の置換度は0.0
059、3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基の置換
度は0.32であった。
【0073】実施例8 (1)攪拌機、温度計及び冷却管を備えた1000mlの
ガラス製セパラブル反応容器に、重量平均分子量約80
万、ヒドロキシエチル基の置換度1.8のヒドロキシエ
チルセルロース(HEC−QP4400,ユニオンカー
バイド社製)50g、80%イソプロピルアルコール4
00g及び48%水酸化ナトリウム水溶液3.3gを加
えてスラリー液を調製し、窒素雰囲気下室温で30分間
攪拌した。これにステアリルグリシジルエーテル2.0
gを加え、80℃で8時間反応させて疎水化を行った。
疎水化反応終了後、反応液を酢酸で中和し、反応生成物
をろ別した。反応生成物を50℃のイソプロピルアルコ
ール500gで2回、次いでアセトン500gで2回洗
浄し、減圧下70℃で1昼夜乾燥し、疎水化されたヒド
ロキシエチルセルロース誘導体42.1gを得た。
【0074】(2)攪拌機、温度計及び冷却管を備えた
500mlのガラス製セパラブル反応容器に、(1)で得
られた疎水化ヒドロキシエチルセルロース誘導体10.
0g、70%イソプロピルアルコール100g及び48
%水酸化ナトリウム水溶液0.67gを仕込んでスラリ
ー液を調製し、窒素気流下室温で30分間攪拌した。反
応液に3−クロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸
ナトリウム7.9g、エピクロロヒドリン0.035g
及び48%水酸化ナトリウム水溶液3.33gを加え、
50℃で3時間スルホン化及び架橋化を行った。反応終
了後、反応液を塩酸で中和し生成物をろ別した。生成物
を70%イソプロピルアルコール170gで1回、次い
でイソプロピルアルコール60gで2回洗浄後、減圧下
70℃で1昼夜乾燥し、3−ステアリルオキシ−2−ヒ
ドロキシプロピル基、3−スルホ−2−ヒドロキシプロ
ピル基及び架橋剤で置換されたヒドロキシエチルセルロ
ース誘導体(本発明化合物8)8.6gを得た。
【0075】得られたヒドロキシエチルセルロース誘導
体の3−ステアリルオキシ−2−ヒドロキシプロピル基
の置換度は0.0034、3−スルホ−2−ヒドロキシ
プロピル基の置換度は0.31であった。
【0076】比較例1 実施例1から7で用いたのと同じヒドロキシエチルセル
ロース(HEC−QP100M,ユニオンカーバイド社
製)をそのまま用いて比較化合物1とした。
【0077】比較例2 カルボキシメチルセルロース(CMC2280,ダイセ
ル化学社製,重量平均分子量約100万,カルボキシメ
チル化度0.78)をそのまま用いて比較化合物2とし
た。
【0078】比較例3 ポリアクリル酸ナトリウム(カーボポール941,グッ
ドリッチ社製)をそのまま用いて比較化合物3とした。
【0079】比較例4 攪拌機、温度計及び冷却管を備えた500mlのガラス製
セパラブル反応容器に、実施例1(1)で得られた疎水
化ヒドロキシエチルセルロース誘導体20.0g、70
%イソプロピルアルコール200g及び48%水酸化ナ
トリウム水溶液1.33gを仕込んでスラリー液を調製
し、窒素気流下室温で30分間攪拌した。反応液に3−
クロロ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸ナトリウム
15.8g、48%水酸化ナトリウム水溶液6.67g
を加え、50℃で3時間スルホン化反応を行った。反応
終了後、反応液を塩酸で中和し生成物をろ別した。生成
物を70%イソプロピルアルコール340gで1回、次
いでイソプロピルアルコール120gで2回洗浄後、減
圧下70℃で1昼夜乾燥し、3−ステアリルオキシ−2
−ヒドロキシプロピル基、3−スルホ−2−ヒドロキシ
プロピル基及び架橋剤で置換されたヒドロキシエチルセ
ルロース誘導体(比較品4)18.0gを得た。得られ
たヒドロキシエチルセルロース誘導体の3−ステアリル
オキシ−2−ヒドロキシプロピル基の置換度は0.00
35、3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル基の置換度
は0.32であった。
【0080】試験例1 増粘性試験 本発明化合物及び比較化合物各.1.0gをそれぞれ2
00mlのイオン交換水に撹拌溶解し、室温で1昼夜放置
後、各水溶液の粘度を測定した。また、本発明化合物及
び比較化合物各1.0gを200mlの1.0重量%塩化
カルシウム水溶液に撹拌溶解し、室温で1昼夜放置後、
各水溶液の粘度を測定した。なお、粘度はブルックフィ
ールド粘度計(12rpm,25℃)を用いて測定した。
その結果を表1に示す。
【0081】
【表1】
【0082】本発明の新規多糖誘導体は、透明性の高い
水溶液を与えると共に、表1から明らかなように、高い
増粘性、耐塩性、耐活性剤性、耐有機溶媒性を有してい
る。
【0083】試験例2 乳化安定性試験 下記の組成の乳化液を調製し、乳化直後及び50℃で1
週間又は2週間保存した場合の乳化安定性を目視により
判定した。なお、乳化液が均一に乳化している場合を
○、分離している場合を×とした。結果を表2に示す。
【0084】 <乳化液組成> ワセリン 50.0重量% ラノリン 8.0重量% ポリオキシエチレン(5)ラウリルエーテル 0.5重量% 本発明化合物又は比較化合物 0.2重量% 水 バランス
【0085】
【表2】
【0086】表2から明らかなように、本発明の新規多
糖誘導体は、優れた乳化安定性を有している。
【0087】実施例9 乳液 下記の組成の本発明乳液1及び比較乳液1を調製し、そ
の粘度、乳化安定性及び使用感について比較した。な
お、乳化安定性は、50℃で保存した場合の直後、1週
間後及び1ヵ月後における乳液の状態を目視により判定
し、使用感は、専門パネラー10名の官能試験により両
者を比較した結果、より良好と回答した者の人数で示
す。結果を表3に示す。
【0088】 <本発明乳液1(比較乳液1)> 本発明化合物1(又は比較化合物2) 0.5重量% スクワラン 3.0重量% メチルシクロポリシロキサン 15.0重量% メチルポリシロキサン 1.0重量% グリセリン 3.0重量% 水 バランス
【0089】
【表3】
【0090】実施例10 乳液 下記の組成の本発明乳液2及び比較乳液2を調製し、そ
の粘度、乳化安定性及び使用感について比較した。な
お、乳化安定性は、50℃で保存した場合の直後、1週
間後及び1ヵ月後における乳液の状態を目視により判定
し、使用感は、専門パネラー10名の官能試験により両
者を比較した結果、より良好と回答した者の人数で示
す。結果を表4に示す。
【0091】 <本発明乳液2(比較乳液2)> 本発明化合物3(又は比較化合物3) 0.6重量% スクワラン 3.0重量% メチルシクロポリシロキサン 12.0重量% メチルポリシロキサン 1.0重量% パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 5.0重量% シリコーン被覆処理酸化亜鉛 3.0重量% グリセリン 2.0重量% 水 バランス
【0092】
【表4】
【0093】実施例11 化粧水 以下の処方で化粧水を調製した。この化粧水は安定性に
優れ、使用感もべたつかず良好なものであった。 エタノール 30.0重量% グリセリン 5.0重量% ポリエチレングリコール1500 4.0重量% ポリオキシエチレンオレイルエーテル(20EO) 0.5重量% ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(30EO) 0.5重量% 本発明化合物1 0.2重量% 水 バランス
【0094】実施例12 サンケアクリーム 以下の処方でサンケアクリームを調製した。このサンケ
アクリームは50℃で1ヵ月以上安定で、使用感も良好
なものであった。 ジメチルシロキサン・メチル(ポリオキシエチレン) シロキサン重合体 2.0重量% ポリオキシエチレン(20EO)ソルビタン モノオレイン酸エステル 0.5重量% メチルポリシロキサン(5cs) 7.0重量% メチルフェニルポリシロキサン 2.0重量% ホホバ油 2.0重量% パルミチン酸デキストリン 0.5重量% オクチルジメチルPABA 4.0重量% シリコーン被覆処理微粒子酸化チタン 5.0重量% 酸性ヘテロ多糖類 0.03重量% 硫酸マグネシウム 0.5重量% グリセリン 5.0重量% ジブチルヒドロキシトルエン 0.05重量% 本発明化合物1 0.8重量% 水 バランス
【0095】実施例13 ファンデーション 以下の処方でファンデーションを調製した。このファン
デーションは50℃で1ヵ月以上安定で、使用感も良好
なものであった。 本発明化合物3 0.4重量% α−モノイソステアリルグリセリルエーテル 2.0重量% アルミニウムジイソステアレート 0.2重量% 流動パラフィン 10.0重量% ジオクタン酸ネオペンチルグリコール 5.0重量% メチルフェニルポリシロキサン(14cs) 5.0重量% p−メトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 3.0重量% 2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン 1.0重量% シリコーン被覆処理微粒子酸化チタン 5.0重量% シリコーン被覆処理微粒子酸化亜鉛 1.0重量% セリサイト 2.0重量% タルク 2.0重量% ベンガラ 0.4重量% 黄酸化鉄 0.7重量% 黒酸化鉄 0.1重量% 硫酸マグネシウム 1.0重量% メチルパラベン 0.2重量% 香料 微量 水 バランス
【0096】実施例14 口紅 以下の処方で口紅を調製した。この口紅は50℃で1ヵ
月以上安定で、使用感も良好なものであった。 ヒマシ油 52.0重量% ラノリン 5.0重量% 液状ラノリン 5.0重量% ミツロウ 4.0重量% オゾケライト 7.0重量% キャンデリラロウ 2.0重量% カルナウバロウ 1.0重量% ドデシル変性シリコーン 10.0重量% 本発明化合物5 0.2重量% ホモメンチルサリチレート 7.8重量% 酸化チタン 1.0重量% 赤色201号 1.0重量% 赤色202号 2.0重量% 黄色4号アルミニウムレーキ 1.0重量% 赤色223号 0.1重量% 香料 微量 ブチル化ヒドロキシトルエン 0.1重量% プロピルパラベン 0.3重量%
【0097】実施例15 アフターシェーブローション 以下の処方でアフターシェーブローションを調製した。
このローションは50℃で1ケ月間安定で、使用後の感
触もさっぱりとして良好であった。 エタノール 55.0重量% 本発明化合物5 0.4重量% アラントインクロルヒドロキシアルミニウム 0.2重量% グリセリン 1.0重量% メントール 0.1重量% サリチル酸 微量 香料 微量 水 バランス
【0098】実施例16 デオドラントローション 以下の処方でデオドラントローションを調製した。この
ローションは50℃で1ケ月間安定で、使用後の感触も
さっぱりとして良好であった。 パラフェノールスルホン酸亜鉛 20.0重量% プロピレングリコール 5.0重量% エタノール 10.0重量% 本発明化合物2 0.5重量% サリチル酸 微量 香料 微量
【0099】実施例17 毛髪用シャンプー 以下の処方で毛髪用シャンプーを調製した。このシャン
プーは50℃で1ケ月間安定で、泡安定性に優れてお
り、洗髪時、及びすすぎ時の感触も良好であった。 C12〜C14アルキル硫酸トリエタノールアミン 15.0重量% ラウロイルジエタノールアミド 3.0重量% ラウリルジメチルアミンオキシド 0.5重量% 本発明化合物8 0.2重量% 安息香酸ナトリウム 0.3重量% 香料 微量 クエン酸 微量 水 バランス
【0100】実施例18 ボディシャンプー 以下の処方でボディシャンプーを調製した。このボディ
シャンプーは50℃で1ケ月間安定で、泡安定性に優
れ、洗浄時、すすぎ時の感触も良好で、洗い上がりの感
触もしっとりとして良好なものであった。 C12〜C18脂肪酸ナトリウム 17.0重量% 本発明化合物2 0.3重量% ポリオキシエチレン(EO3)ラウリルグルコシド 5.0重量% ラウリルジメチルアミンオキシド 3.0重量% グリセリン 4.0重量% ショ糖脂肪酸エステル 1.0重量% メチルパラベン 0.3重量% 香料 微量 クエン酸 微量 水 バランス
【0101】実施例19 歯磨剤 以下の処方で練歯磨剤を調製した。この歯磨剤は50℃
で1ケ月間安定で、泡安定性に優れ、歯磨時、及びすす
ぎ時の感触も良好なものであった。 リン酸水素カルシウム(2水和物) 45.0重量% リン酸水素カルシウム(無水物) 2.0重量% グリセリン 10.0重量% ソルビット 10.0重量% 本発明化合物1 0.5重量% ラウリル硫酸ナトリウム 2.0重量% サッカリンナトリウム 0.5重量% 香料 1.0重量% 水 バランス
【0102】
【発明の効果】本発明の新規多糖誘導体は、透明性の高
い水溶液を与え、ごく少量の添加で優れた増粘効果を示
し、塩類の共存や温度による粘度変化が少なく、しかも
極めて安定性に優れたエマルジョンを与える。従って、
本発明の新規多糖誘導体は、化粧品やトイレタリー製品
用の増粘剤、ゲル化剤、賦形剤、エマルジョン安定剤、
分散剤等として広く利用することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 7/42 A61K 7/42 7/48 7/48 C08B 11/10 C08B 11/10 // A61K 7/025 A61K 7/025 7/035 7/035 7/50 7/50

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多糖類又はその誘導体のヒドロキシル基
    の水素原子の一部又は全てが、次の基(A)及び(B) (A)ヒドロキシル基が置換していてもよく、またオキ
    シカルボニル基(−COO−又は−OCO−)又はエー
    テル結合が挿入されていてもよい炭素数10〜43の直
    鎖又は分岐のアルキル基、アルケニル基又はアシル基
    (該置換基(A)のヒドロキシル基の水素原子は更に置
    換基(A)、置換基(B)又は架橋剤で置換されていて
    もよい) (B)ヒドロキシル基が置換していてもよい炭素数1〜
    5のスルホアルキル基又はその塩(該置換基(B)のヒ
    ドロキシル基の水素原子は更に置換基(A)、置換基
    (B)又は架橋剤で置換されていてもよい)で置換され
    ており、置換基(A)による構成単糖残基当たりの平均
    置換度が0.0001〜1.0であり、置換基(B)に
    よる構成単糖残基当たりの平均置換度が0.01〜2.
    0であり、かつ架橋剤により分子内及び/又は分子間で
    架橋していることを特徴とする新規多糖誘導体。
  2. 【請求項2】 置換基(A)が、ヒドロキシル基が置換
    していてもよく、エーテル基が挿入されていてもよい炭
    素数12〜36の直鎖又は分岐のアルキル基、アルケニ
    ル基又はアシル基から選ばれる1種又は2種以上であ
    り、かつ置換基(B)が、2−スルホエチル基、3−ス
    ルホプロピル基、3−スルホ−2−ヒドロキシプロピル
    基及び2−スルホ−1−(ヒドロキシメチル)エチル基
    から選ばれる1種又は2種以上である請求項1記載の新
    規多糖誘導体。
  3. 【請求項3】 多糖類又はその誘導体が、セルロース、
    グアーガム、スターチ、ヒドロキシエチルセルロース、
    ヒドロキシエチルグアーガム、ヒドロキシエチルスター
    チ、メチルセルロース、メチルグアーガム、メチルスタ
    ーチ、エチルセルロース、エチルグアーガム、エチルス
    ターチ、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプ
    ロピルグアーガム、ヒドロキシプロピルスターチ、ヒド
    ロキシエチルメチルセルロース、ヒドロキシエチルメチ
    ルグアーガム、ヒドロキシエチルメチルスターチ、ヒド
    ロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピル
    メチルグアーガム及びヒドロキシプロピルメチルスター
    チからなる群より選ばれるものである請求項1又は2記
    載の新規多糖誘導体。
  4. 【請求項4】 多糖類又はその誘導体を、(a)炭素数
    10〜40の直鎖又は分岐のアルキル基又はアルケニル
    基を有するグリシジルエーテル、エポキシド、ハライ
    ド、ハロヒドリン並びに炭素数10〜40の直鎖又は分
    岐の飽和又は不飽和のアシル基を有するエステル、酸ハ
    ライド及びカルボン酸無水物から選ばれる疎水化剤、
    (b)ビニルスルホン酸、ヒドロキシル基が置換してい
    てもよいハロC1〜C5アルカンスルホン酸及びそれらの
    塩から選ばれるスルホン化剤、並びに(c)架橋剤と反
    応させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記
    載の新規多糖誘導体の製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜3のいずれかに記載の新規多
    糖誘導体を含有する化粧料。
  6. 【請求項6】 更に金属酸化物、無機金属塩類、有機金
    属塩類、界面活性剤、水溶性アルコールからなる群より
    選ばれる1種又は2種以上を含有する請求項5記載の化
    粧料。
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