JP3707712B2 - 搬送用ロールの製造方法 - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレホンカード、プリペイドカード、キャッシュカード等のカード類又は紙幣、切符等に印刷を行うカード類印刷機、又は一般的なプリンタ、複写機等において被印刷物を搬送するためのクリーニング機能付き搬送用ロールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば、テレホンカード、プリペイドカード、キャッシュカード等のカード印刷機等においては、被印刷物であるカードを搬送するための搬送用ロールが用いられている。このようなカード類には静電気等により埃等が付着しやすく、印刷品質が低下するという問題がある。
【0003】
そこで、近年、これらのカードの表面に付着した汚れ・埃等をクリーニングしながらカードを搬送するクリーニング機能付き搬送用ロールが用いられるようになった。このクリーニング機能付き搬送用ロールとしては、一般的に、例えば、硬度がJIS Aで30〜50°程度のウレタンゴム、シリコーンゴム等で成形して表面を研磨したもの、又は、例えば、CR、EPDM等で形成されたゴム層の表面に硬度がJIS Aで10〜20°程度のウレタンゴムあるいはシリコーンゴムをコーティングしたものが使用されている。このように形成することにより、搬送用ロールの表面の粘着性を持たせ、クリーニング性能を有する搬送ロールとして用いられてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように形成された従来の搬送用ロールでは、粘着性が弱いためクリーニング性能が低く、又、クリーニング性能が持続しないという問題がある。また、これに伴い、搬送用ロールを所定期間毎に交換しなければならず、手間やコストがかかってしまうという問題もあった。
【0005】
さらに、従来の搬送用ロールは温度依存性に劣り、周囲の温度変化により粘着性が変化し、すなわちクリーニング性能が変化するという欠点がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑み、粘着性を向上することによりクリーニング性能を高め、また、水、アルコール等による洗浄等により半永久的に使用可能で、温度依存性も非常に優れているクリーニング機能付き搬送用ロールの製造方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明の第1の態様は、ゴム状弾性体で形成されるゴム層と、このゴム層の表面に形成されて粘着性を有する粘着層とを有する搬送用ロールを製造する方法であって、5〜10ポイズの未加硫ゴムを前記ゴム層上に被覆する被覆工程と、この被覆工程で被覆した未加硫ゴムを未反応部分を残すように加硫する半加硫工程とを有することを特徴とする搬送用ロールの製造方法にある。
【0008】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記被覆工程は、スプレーコーティング法、ディッピング法又はスキージーコート法で形成することを特徴とする搬送用ロールの製造方法にある。
【0009】
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様において、前記粘着層は、硬度がアスカーCで20°以下のシリコーンゴム又はウレタンゴムからなることを特徴とする搬送用ロールの製造方法にある。
【0010】
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記ゴム層が、前記粘着層と同種のゴムからなり、その硬度が、JIS Aで30〜60°であることを特徴とする搬送用ロールの製造方法にある。
【0011】
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様において、前記半加硫工程は、半加硫電熱プレス法、または恒温槽中で行われることを特徴とする搬送用ロールの製造方法にある。
【0012】
ここで、図1に本発明方法で製造する搬送用ロールの外観形状の例、図2に使用例を示す。
【0013】
本発明の搬送用ロール10は、例えば、図1に示すように、金属または樹脂製のシャフト1の表面に、シリコーンゴム等で形成されゴム層2と、その表面に半加硫状態のシリコーンゴムで形成されて粘着性を有する粘着層3とを有する。
【0014】
また、本発明の搬送用ロール10は、例えば、図2に示すように、キャッシュカード等のカード11を挟むように相対向して配設される。この各搬送用ロール10は図中矢印の方向に回転され、カード11を図中矢印の方向に搬送する。そして、カード11の各面に各搬送用ロール10の粘着層が接触する際に、カード11表面に付着している汚れ等を吸着し、クリーニングを行う。なお、本発明の搬送ロールは、何れか一方に用いて、対向するロールは通常の搬送ロールを用いてもよい。
【0015】
また、搬送用ロールの成形方法は特に限定されず、例えば、金属シャフトまたは樹脂コアと一体的に成形しても良いし、ゴム層を押出、プレス成形等で成形した後、粘着層を形成し、その後、金属シャフトまたは樹脂コアに圧入固定するようにしてもよい。また、ゴム層を成形した後、金属シャフトまたは樹脂コアに圧入して研磨した後、粘着層を形成してもよい。
【0016】
このような、本発明の搬送用ロールでは、ゴム層を形成するゴム加硫物は、硬度がJIS Aで30〜60°であることが好ましい。また、その材質は、粘着層との密着性を考慮すると粘着層を形成するゴム材質と同種の材質であることが好ましいが、これに限定されず、その他に、例えば、CR、EPDM等の従来から用いられている材料であってもよい。また、粘着層の接着性向上のため、必要に応じて、ゴム層と粘着層との間に接着層を設けてもよい。なお、この接着剤は、熱硬化後も硬度が固くならないものがよく、例えば、LTVシリコーン系の接着剤No.101A/B(信越化学工業(株)製)などを挙げることができる。
【0017】
また、このゴム層の表面にはゴム硬度がアスカーCで20°以下のシリコーンゴムまたはウレタンゴム等を用いて粘着層を形成するため、ゴム層の表面粗さはなるべく小さい方が好ましく、例えば、30μm以下である。
【0018】
本発明の搬送用ロールの粘着層を形成するシリコーンゴムあるいはウレタンゴムのゴム硬度は、アスカーCで20°以下、好ましくは10°程度であるのがよい。このような低硬度の粘着層を用いることにより、表面の粘着性を向上することができ、従って、従来の搬送用ロールと比較して、クリーニング性能を向上させることができる。
【0019】
この粘着層の形成方法は、特に限定されないが、スプレーコート法、ディッピング法、スキージーコート法等により形成することができるが、均一な粘着層を形成するためにはディッピング法を用いるのが望ましい。また、このような粘着層の厚さは、30〜200μm程度であれば良い。このような粘着層を形成するための未加硫ゴムの粘性は、例えば、5〜10ポイズ程度である。
【0020】
本発明方法では、粘着層を形成する際、完全に加硫しないで未加硫部分を残すように半加硫状態で形成するようにする。これにより、本質的に粘着性を有する粘着層が形成できる。この半加硫状態の粘着層を形成するには、半加硫電熱プレス法を採用するのが好ましいが、恒温槽等の中で適宜加熱処理を行ってもよい。
【0021】
また、一般に、搬送用ロールは汚れてしまうとクリーニング性能が低下する。従来の搬送用ロールでは、一度クリーニング性能が低下してしまうと、再生することは不可能であるため、部品の交換を余儀なくされる。一方、本発明の搬送用ロールは、粘着層が本来的に粘着性を有しているので、水、アルコール等による洗浄を行えばほとんど元の状態に再生することができる。したがって、部品交換の必要を大幅に減少させ、コストを抑えることができた。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0023】
(実施例1)
本実施例では、硬度がJIS A 40°のHTVシリコーンゴムを170°で10分間プレス成形して筒状のゴム素材を形成し、200℃で4時間の2次加硫を行い、その後、表面粗さ30μm以内に研磨して筒状のゴム層を得た。
【0024】
次いで、このゴム層の表面に、粘度を5ポイズに調整したシリコーンゴム(KE−1380A及びBの混合物(100:100):信越化学工業株式会社製)をディッピング法にて厚さ100μmにコーティングして粘着層を形成し、本実施例の搬送用ロールを得た。
【0025】
粘着層を形成したシリコーンゴムは、加硫によりアスカーCで10°のゴムを得ることができるものであるが、本実施例では、一部未加硫となる条件で、110℃で5分間だけ加硫した。
【0026】
(実施例2)
粘着層を形成するシリコーンゴムの加硫条件を、110℃で10分間とした以外は実施例1と同様にした。これにより、粘着層は半加硫条件で加硫され、硬度が、アスカーCで20°であった。
【0027】
(比較例)
粘着層について、200℃で4時間の二次加硫を実施した以外は実施例と同様にした。
【0028】
(試験例)
上述の各実施例及び比較例の搬送用ロールをガラス板の上に載せて、ガラス板を傾け、各搬送用ロールが転がり落ちる角度を測定し、その結果からそれぞれの搬送用ロールの粘着性の比較を行った。
【0029】
比較例の搬送用ロールは、ガラス板を70°まで傾けて、30秒以上静止状態を保持していても転がり落ちなかったが、それ以上傾けると転がり落ちた。
【0030】
これに対し、実施例1の搬送用ロールは、垂直に立てたガラス板に粘着することができた。また、実施例2の搬送用ロールは、ガラス板を70°まで傾けて、30秒以上静止状態を保持していても転がり落ちなかった。
【0031】
この結果から、本発明の搬送用ロールは、比較例である従来の搬送用ロールと比較して、粘着性が向上していることが確認できた。従って、本発明の搬送用ロールの製造方法を用いればクリーンニング性能が向上した搬送用ロールを得ることができる。
【0032】
【発明の効果】
上述したように、本発明方法によれば、本質的に粘着性を有し、クリーニング性能が向上した搬送用ロールを得ることができる。また、本発明方法で製造した搬送用ロールは、半永久的に再生可能であり、コストを削減することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の搬送用ロールの外観形状の一例を示す図である。
【図2】本発明の搬送用ロールの使用例を示す図である。
【符号の説明】
1 金属シャフト
2 ゴム層
3 粘着層
10 搬送用ロール
【発明の属する技術分野】
本発明は、テレホンカード、プリペイドカード、キャッシュカード等のカード類又は紙幣、切符等に印刷を行うカード類印刷機、又は一般的なプリンタ、複写機等において被印刷物を搬送するためのクリーニング機能付き搬送用ロールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば、テレホンカード、プリペイドカード、キャッシュカード等のカード印刷機等においては、被印刷物であるカードを搬送するための搬送用ロールが用いられている。このようなカード類には静電気等により埃等が付着しやすく、印刷品質が低下するという問題がある。
【0003】
そこで、近年、これらのカードの表面に付着した汚れ・埃等をクリーニングしながらカードを搬送するクリーニング機能付き搬送用ロールが用いられるようになった。このクリーニング機能付き搬送用ロールとしては、一般的に、例えば、硬度がJIS Aで30〜50°程度のウレタンゴム、シリコーンゴム等で成形して表面を研磨したもの、又は、例えば、CR、EPDM等で形成されたゴム層の表面に硬度がJIS Aで10〜20°程度のウレタンゴムあるいはシリコーンゴムをコーティングしたものが使用されている。このように形成することにより、搬送用ロールの表面の粘着性を持たせ、クリーニング性能を有する搬送ロールとして用いられてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述のように形成された従来の搬送用ロールでは、粘着性が弱いためクリーニング性能が低く、又、クリーニング性能が持続しないという問題がある。また、これに伴い、搬送用ロールを所定期間毎に交換しなければならず、手間やコストがかかってしまうという問題もあった。
【0005】
さらに、従来の搬送用ロールは温度依存性に劣り、周囲の温度変化により粘着性が変化し、すなわちクリーニング性能が変化するという欠点がある。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑み、粘着性を向上することによりクリーニング性能を高め、また、水、アルコール等による洗浄等により半永久的に使用可能で、温度依存性も非常に優れているクリーニング機能付き搬送用ロールの製造方法を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決する本発明の第1の態様は、ゴム状弾性体で形成されるゴム層と、このゴム層の表面に形成されて粘着性を有する粘着層とを有する搬送用ロールを製造する方法であって、5〜10ポイズの未加硫ゴムを前記ゴム層上に被覆する被覆工程と、この被覆工程で被覆した未加硫ゴムを未反応部分を残すように加硫する半加硫工程とを有することを特徴とする搬送用ロールの製造方法にある。
【0008】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記被覆工程は、スプレーコーティング法、ディッピング法又はスキージーコート法で形成することを特徴とする搬送用ロールの製造方法にある。
【0009】
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様において、前記粘着層は、硬度がアスカーCで20°以下のシリコーンゴム又はウレタンゴムからなることを特徴とする搬送用ロールの製造方法にある。
【0010】
本発明の第4の態様は、第1〜3の何れかの態様において、前記ゴム層が、前記粘着層と同種のゴムからなり、その硬度が、JIS Aで30〜60°であることを特徴とする搬送用ロールの製造方法にある。
【0011】
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様において、前記半加硫工程は、半加硫電熱プレス法、または恒温槽中で行われることを特徴とする搬送用ロールの製造方法にある。
【0012】
ここで、図1に本発明方法で製造する搬送用ロールの外観形状の例、図2に使用例を示す。
【0013】
本発明の搬送用ロール10は、例えば、図1に示すように、金属または樹脂製のシャフト1の表面に、シリコーンゴム等で形成されゴム層2と、その表面に半加硫状態のシリコーンゴムで形成されて粘着性を有する粘着層3とを有する。
【0014】
また、本発明の搬送用ロール10は、例えば、図2に示すように、キャッシュカード等のカード11を挟むように相対向して配設される。この各搬送用ロール10は図中矢印の方向に回転され、カード11を図中矢印の方向に搬送する。そして、カード11の各面に各搬送用ロール10の粘着層が接触する際に、カード11表面に付着している汚れ等を吸着し、クリーニングを行う。なお、本発明の搬送ロールは、何れか一方に用いて、対向するロールは通常の搬送ロールを用いてもよい。
【0015】
また、搬送用ロールの成形方法は特に限定されず、例えば、金属シャフトまたは樹脂コアと一体的に成形しても良いし、ゴム層を押出、プレス成形等で成形した後、粘着層を形成し、その後、金属シャフトまたは樹脂コアに圧入固定するようにしてもよい。また、ゴム層を成形した後、金属シャフトまたは樹脂コアに圧入して研磨した後、粘着層を形成してもよい。
【0016】
このような、本発明の搬送用ロールでは、ゴム層を形成するゴム加硫物は、硬度がJIS Aで30〜60°であることが好ましい。また、その材質は、粘着層との密着性を考慮すると粘着層を形成するゴム材質と同種の材質であることが好ましいが、これに限定されず、その他に、例えば、CR、EPDM等の従来から用いられている材料であってもよい。また、粘着層の接着性向上のため、必要に応じて、ゴム層と粘着層との間に接着層を設けてもよい。なお、この接着剤は、熱硬化後も硬度が固くならないものがよく、例えば、LTVシリコーン系の接着剤No.101A/B(信越化学工業(株)製)などを挙げることができる。
【0017】
また、このゴム層の表面にはゴム硬度がアスカーCで20°以下のシリコーンゴムまたはウレタンゴム等を用いて粘着層を形成するため、ゴム層の表面粗さはなるべく小さい方が好ましく、例えば、30μm以下である。
【0018】
本発明の搬送用ロールの粘着層を形成するシリコーンゴムあるいはウレタンゴムのゴム硬度は、アスカーCで20°以下、好ましくは10°程度であるのがよい。このような低硬度の粘着層を用いることにより、表面の粘着性を向上することができ、従って、従来の搬送用ロールと比較して、クリーニング性能を向上させることができる。
【0019】
この粘着層の形成方法は、特に限定されないが、スプレーコート法、ディッピング法、スキージーコート法等により形成することができるが、均一な粘着層を形成するためにはディッピング法を用いるのが望ましい。また、このような粘着層の厚さは、30〜200μm程度であれば良い。このような粘着層を形成するための未加硫ゴムの粘性は、例えば、5〜10ポイズ程度である。
【0020】
本発明方法では、粘着層を形成する際、完全に加硫しないで未加硫部分を残すように半加硫状態で形成するようにする。これにより、本質的に粘着性を有する粘着層が形成できる。この半加硫状態の粘着層を形成するには、半加硫電熱プレス法を採用するのが好ましいが、恒温槽等の中で適宜加熱処理を行ってもよい。
【0021】
また、一般に、搬送用ロールは汚れてしまうとクリーニング性能が低下する。従来の搬送用ロールでは、一度クリーニング性能が低下してしまうと、再生することは不可能であるため、部品の交換を余儀なくされる。一方、本発明の搬送用ロールは、粘着層が本来的に粘着性を有しているので、水、アルコール等による洗浄を行えばほとんど元の状態に再生することができる。したがって、部品交換の必要を大幅に減少させ、コストを抑えることができた。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0023】
(実施例1)
本実施例では、硬度がJIS A 40°のHTVシリコーンゴムを170°で10分間プレス成形して筒状のゴム素材を形成し、200℃で4時間の2次加硫を行い、その後、表面粗さ30μm以内に研磨して筒状のゴム層を得た。
【0024】
次いで、このゴム層の表面に、粘度を5ポイズに調整したシリコーンゴム(KE−1380A及びBの混合物(100:100):信越化学工業株式会社製)をディッピング法にて厚さ100μmにコーティングして粘着層を形成し、本実施例の搬送用ロールを得た。
【0025】
粘着層を形成したシリコーンゴムは、加硫によりアスカーCで10°のゴムを得ることができるものであるが、本実施例では、一部未加硫となる条件で、110℃で5分間だけ加硫した。
【0026】
(実施例2)
粘着層を形成するシリコーンゴムの加硫条件を、110℃で10分間とした以外は実施例1と同様にした。これにより、粘着層は半加硫条件で加硫され、硬度が、アスカーCで20°であった。
【0027】
(比較例)
粘着層について、200℃で4時間の二次加硫を実施した以外は実施例と同様にした。
【0028】
(試験例)
上述の各実施例及び比較例の搬送用ロールをガラス板の上に載せて、ガラス板を傾け、各搬送用ロールが転がり落ちる角度を測定し、その結果からそれぞれの搬送用ロールの粘着性の比較を行った。
【0029】
比較例の搬送用ロールは、ガラス板を70°まで傾けて、30秒以上静止状態を保持していても転がり落ちなかったが、それ以上傾けると転がり落ちた。
【0030】
これに対し、実施例1の搬送用ロールは、垂直に立てたガラス板に粘着することができた。また、実施例2の搬送用ロールは、ガラス板を70°まで傾けて、30秒以上静止状態を保持していても転がり落ちなかった。
【0031】
この結果から、本発明の搬送用ロールは、比較例である従来の搬送用ロールと比較して、粘着性が向上していることが確認できた。従って、本発明の搬送用ロールの製造方法を用いればクリーンニング性能が向上した搬送用ロールを得ることができる。
【0032】
【発明の効果】
上述したように、本発明方法によれば、本質的に粘着性を有し、クリーニング性能が向上した搬送用ロールを得ることができる。また、本発明方法で製造した搬送用ロールは、半永久的に再生可能であり、コストを削減することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の搬送用ロールの外観形状の一例を示す図である。
【図2】本発明の搬送用ロールの使用例を示す図である。
【符号の説明】
1 金属シャフト
2 ゴム層
3 粘着層
10 搬送用ロール
Claims (5)
- ゴム状弾性体で形成されるゴム層と、このゴム層の表面に形成されて粘着性を有する粘着層とを有する搬送用ロールを製造する方法であって、5〜10ポイズの未加硫ゴムを前記ゴム層上に被覆する被覆工程と、この被覆工程で被覆した未加硫ゴムを未反応部分を残すように加硫する半加硫工程とを有することを特徴とする搬送用ロールの製造方法。
- 請求項1において、前記被覆工程は、スプレーコーティング法、ディッピング法又はスキージーコート法で形成することを特徴とする搬送用ロールの製造方法。
- 請求項1又は2において、前記粘着層は、硬度がアスカーCで20°以下のシリコーンゴム又はウレタンゴムからなることを特徴とする搬送用ロールの製造方法。
- 請求項1〜3の何れかにおいて、前記ゴム層が、前記粘着層と同種のゴムからなり、その硬度が、JIS Aで30〜60°であることを特徴とする搬送用ロールの製造方法。
- 請求項1〜4の何れかにおいて、前記半加硫工程は、半加硫電熱プレス法、または恒温槽中で行われることを特徴とする搬送用ロールの製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17601597A JP3707712B2 (ja) | 1997-07-01 | 1997-07-01 | 搬送用ロールの製造方法 |
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JP17601597A JP3707712B2 (ja) | 1997-07-01 | 1997-07-01 | 搬送用ロールの製造方法 |
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Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1120978A JPH1120978A (ja) | 1999-01-26 |
JP3707712B2 true JP3707712B2 (ja) | 2005-10-19 |
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ID=16006236
Family Applications (1)
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JP17601597A Expired - Fee Related JP3707712B2 (ja) | 1997-07-01 | 1997-07-01 | 搬送用ロールの製造方法 |
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- 1997-07-01 JP JP17601597A patent/JP3707712B2/ja not_active Expired - Fee Related
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JPH1120978A (ja) | 1999-01-26 |
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