JP3833504B2 - 導電ローラ及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、導電ローラ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、帯電、現像および転写ローラなどの電子写真装置等に用いられるローラとしては、エチレンプロピレンゴム(EPDM)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、クロロプレンゴム(CR)、エピクロルヒドリンゴム(CHR)、シリコーンゴム、ポリウレタンエラストマなどを材料として形成されたソリッド(無発泡)あるいは多孔体からなる弾性体を、金属シャフトに取り付けてローラ形状(円筒形状)に成形したものが用いられている。特に多孔体はソリッドよりも硬度が低いため、好ましいものである。
【0003】
さらに、前記弾性体単層では、電子写真装置等に用いられるローラとして、適度な電気抵抗、電気的リーク防止、弾性体材料から感光体への汚染物質のブリード防止、耐摩耗性またはトナー等に対する非粘着性等に関する機能が不十分なため、それらの機能を向上させるため、前記弾性体とは異なる材質の表面層を、ロールコーティング、バーコーティング、スプレー等のコーティング工法により前記弾性体表面に形成することが行われている。
【0004】
また、前記コーティング工法によって弾性体上に良好な表面層を形成するには、下地となる弾性体層の表面に空孔が存在しないこと、コーティング溶液の溶媒によって弾性体が膨潤等を起こして外径変化や変形を起こさないことが必要である。そのため、前記弾性体としてソリッド(無発泡体)を使用したり、表面に気泡が存在しない、いわゆるスキン構造の多孔体を使用したり、表面に存在する気泡を無溶剤の液状エラストマ等で目止めをした多孔体を使用したりしなければならず、それらの場合には多孔体をそのまま用いる場合に比べて硬度が高いものになるので、次のような不具合を生じる。すなわち、ローラの硬度が高くなると、感光ドラムや画像記録用紙に対するローラのニップ量が小さくなり、ひどい場合には記録用紙とローラとの間に局部的に隙間が発生し、現像や転写に必要な電気的な作用を果たせなくなる。なお、この不具合の発生を防ぐためにローラによる感光ドラムや画像記録用紙に対する当接力を高めると、感光ドラムやトナーに無理な力が働いて、感光ドラムやローラ自体の劣化を促進させたり、ローラに永久歪みを生じさせたりし、それらによって逆にニップ量が不安定になったり、局部的な非接触状態を生じたりする。
【0005】
さらに前記コーティング工法に伴う問題を解決するため、あらかじめ成形したプラスチック製の導電性チューブを、該チューブよりもわずか大径の円筒形状に成形した導電性多孔体に単に被せることにより積層化したローラが知られており、前記チューブの材質、抵抗値、形状や性状、あるいは多孔体の密度、硬度や抵抗率などに関する特定が、特開平3−59682号公報、特開平11−125952号公報、特開平11−125956号公報、特開2000−7990号公報、特開2000−75601号公報に示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、本発明者が検討したところ、前記チューブを多孔体に単に被せることによって積層化したローラにあっては、ローラの各部で抵抗値が異なっていて抵抗値の均一性が劣るのみならず、測定毎に抵抗値が変化する問題があり、また、前記積層ローラを帯電ローラとして使用した場合、チューブと多孔体間の界面、すなわちチューブの内側で放電を生じ、充分な性能を発揮できないことが判明した。さらに、これらの問題は、前記多孔体が、通常の軟質ウレタンフォームのように硬度が低く、しかも前記多孔体に被せられる前には該多孔体の外径よりも小とされるチューブの内径が、前記多孔体の外径に近いほど、起こりやすいことも判明した。
【0007】
そこで、この発明は前記の点に鑑み、硬さを損なうことなく、均一な抵抗値が得られる導電ローラ及びその製造方法を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、筒状導電性多孔体の外周面にプラスチック製の導電性チューブが装着された導電ローラにおいて、前記筒状導電性多孔体の外周面と導電性チューブの内周面間で導電性粒子とラテックスとを含有する導電性ラテックス配合液が乾燥され、該導電性ラテックス配合液の乾燥物によって、前記筒状導電性多孔体と導電性チューブが接着一体化していることを特徴とする。
【0009】
請求項2の発明は、筒状導電性多孔体の外周面にプラスチック製の導電性チューブが装着された導電ローラの製造に際し、前記筒状導電性多孔体の外周面及び導電性チューブの内周面の少なくとも一方に、導電性粒子とラテックスとを含有する導電性ラテックス配合液を付着させ、前記筒状導電性性多孔体の外周面に導電性チューブを被せた後、乾燥させることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下この発明の実施形態について説明する。図1はこの発明の一実施例に係る導電ローラの斜視図、図2は製造方法の一例を示す工程図である。
【0011】
図1に示すこの発明の一実施例からなる導電ローラ10は、筒状導電性多孔体11の外周面に導電性チューブ21が装着されたものからなり、この例では前記筒状導電性多孔体11の中心にシャフト31が挿通されている。
【0012】
前記筒状導電性多孔体11は、この導電ローラ10の本体ともなるものであって、導電性の付与された弾性多孔体が研削等によって所要サイズ(径及び長さ)の筒状に加工されたもの、あるいは導電性を有しない弾性多孔体が筒状に加工された後に導電性の付与されたものなどが用いられる。前記弾性多孔体としては、種々のものが用いられる。例として、エチレン−プロピレン系ゴム、天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム、ポリウレタンエラストマー、ポリエステルエラストマー、ポリアミドエラストマー、ポリ塩化ビニルエラストマーなどが挙げられる。また、前記弾性多孔体に導電性を付与する方法としては、種々の方法がある。例えば、導電性粒子が含まれる導電性溶液を前記弾性多孔体に含浸させた後乾燥させることにより導電性粒子を弾性多孔体内に付着固定したり、弾性多孔体の原料にカーボンブラック等の導電性物質を添加して弾性多孔体を製造する方法などがある。前記導電性溶液としては、ラテックスに導電性粒子を分散させたものを挙げることができる。なお、この筒状導電性多孔体11の抵抗値は、102〜108Ω(後述の図3に示した電気抵抗測定方法利用による)が好ましい。
【0013】
前記弾性多孔体の製造は弾性多孔体の種類に応じた公知の方法、例えばガス発泡、機械発泡、反応ガス発泡等により行われる。ガス発泡は、ゴムの製造に広く用いられる方法であって、熱分解により気体を発生する発泡剤を原料に配合しておき、未加硫の状態で発泡させて成形する方法である。また機械発泡は、ポリウレタンエラストマー等の製造に用いられる方法であって、ポリウレタンの液状エラストマーや塩化ビニルのオルガノゾルあるいはゴムラテックス等に攪拌等の機械的手段で気体を混合して小径気泡に分散させ、硬化させる方法である。反応ガス発泡は、ポリウレタンやシリコーンエラストマー等の製造に用いられる方法であって、活性官能基との反応により炭酸ガスや水素などの気体を反応させることで発泡させる方法である。その他、水等の溶媒に溶解するフィラーを原料に充填して成形した後、フィラーを溶出させて多孔体を得る方法もある。
【0014】
導電性チューブ21は、プラスチック製からなり、前記導電性弾性多孔体11よりも抵抗値が大きいもの、特には前記導電性多孔体11の抵抗値よりも10〜105Ω程度大きいものが好ましい。この導電性チューブ21の製造は、カーボンブラック、金属、導電性金属酸化物、導電性高分子などを分散し導電性を調整したプラスチックコンパウンドを、溶融押し出し法などの、従来の一般的なプラスチック成形加工法を利用して行われる。
【0015】
前記導電性チューブ21を構成するプラスチックとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、FEP(4フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体)、PFA(4フッ化エチレンペルフォルオロアルコキシビニルエ−テル)、ETFE(4フッ化エチレン・エチレン共重合体)、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリイミド、ポリカーボネート、ポリスチレン、ABS、ポリウレタンなどを用いることができる。
【0016】
前記導電性チューブ21の厚みは、厚すぎると下地となる前記筒状導電性多孔体11の弾性を反映できなくなってニップ量を大きくできず、著しい場合には記録用紙に対して局所的に不接触点を生じてしまう。その結果、例えば、帯電ローラとして用いる場合には均一な帯電が行われないことになる。逆に薄すぎる場合には、前記筒状導電性多孔体11の表面のセル(気孔)形状が画像に現れてしまうことになる。そのため、導電性チューブ21の厚みは、導電性チューブ21の弾性率にも依存するが、通常25〜250μmが好ましい。
【0017】
前記導電性チューブ21の内径は、前記筒状導電性多孔体11外周への未装着時における寸法を筒状導電性多孔体11の外径よりもわずかに小(通常0.1〜0.3mm小)とするのが好ましい。そのようにすれば、前記導電性チューブを径方向に拡大させながら筒状導電性多孔体11の外周に被せることにより、導電性チューブを弛みなく筒状導電性多孔体11に装着することができる。
【0018】
前記筒状導電性多孔体11と導電性チューブ21は、前記筒状導電性多孔体11の外周面と導電性チューブ21の内周面間で乾燥された導電性ラテックス配合液の乾燥物14によって接着一体化されている。前記乾燥前の導電性ラテックス配合液は、導電性粒子とラテックスとを含有する混合物である。
【0019】
導電性粒子は、カーボンブラックやグラファイトなどの炭素質粒子、銀やニッケルなどの金属粉、酸化スズや酸化チタンあるいは酸化亜鉛などの導電性金属酸化物の単体、あるいは硫酸バリウムなどの絶縁性微粒子を芯体にして前記導電性金属酸化物を湿式的に被覆したもの、導電性金属炭化物、導電性金属窒化物、導電性金属ホウ化物などから選ばれる1種又は複数種類の組み合わせで用いられる。なお、コスト面からはカーボンブラックが好ましく、他方、導電性制御のしやすさからは導電性金属酸化物が好ましい。カーボンブラックと導電性金属酸化物の併用がコストと導電性制御の容易さを両立できるため、より好ましい。
【0020】
ラテックスは、高分子が持つ親水基や添加する界面活性剤により、高分子相の微少な粒子が水中に分散した状態で安定に存在している。このラテックスとしては、天然ゴムラテックス、ブタジエンゴムラテックス、スチレン−ブタジエンゴムラテックス、アクリロニトリル−ブタジエンゴムラテックス、クロロプレンゴムラテックス、アクリルゴムラテックス、ポリウレタンゴムラテックス、ポリエステルゴムラテックス、フッ素ゴムラテックス、シリコーンゴムラテックスなどが利用できる。
【0021】
前記導電性粒子とラテックスの割合は、ラテックスの固形分100重量部に対して導電性粒子が5〜80重量部となるようにするのが好ましい。また、前記導電性ラテックス配合液には、後述する付着作業を容易にするため、適量の水がさらに添加されることもある。さらに、無機塩や有機塩などのイオン性物質を、導電性ラテックス配合液が不安定にならない程度に少量添加してもよい。
【0022】
前記導電性ラテックス配合液は、前記導電性チューブ21が装着される前の筒状導電性多孔体11の外周面及び導電性チューブ21の内周面の少なくとも一方に付着され、次いで導電性チューブ21が筒状導電性多孔体11の外周面に装着された後乾燥されることによって、筒状導電性多孔体11外周面と導電性チューブ21の内周面間で前記導電性ラテックス配合液の乾燥物14となり、筒状導電性多孔体11と導電性チューブ21を接着一体化する。前記導電性ラテックス配合液の付着量は、筒状導電性多孔体11のサイズにもよるが、外径6〜20mm、長さ220〜320mmの筒状導電性多孔体11において0.1〜10g程度となるようにし、塗膜の乾燥後の体積抵抗率については102〜108Ωcm(JIS K 6911:1995準拠)程度が好ましい。また、乾燥温度は通常60〜100℃程度とされる。
【0023】
前記シャフト31は、この導電ローラ10を電子写真式印刷装置等に取り付ける際の取付軸及び使用時の回転軸とされるものであり、前記筒状導電性多孔体11の中心に長手方向に沿って形成されたシャフト挿通孔12に挿通され、当該シャフト31の外周面に塗布された接着剤により筒状導電性多孔体11に固着される。前記シャフト31の材質は、ステンレス等の金属が強度及び導電性の面から好ましい。なお、この導電ローラ10が装着される装置によっては、シャフト31が不要とされることもあり、その場合には、前記シャフト挿通孔12が形成されないこともある。
【0024】
次に前記導電ローラ10の製造方法の一例を図2の工程図を用いて示す。この製造例では、導電性多孔体形成工程、シャフト一体化工程、研削工程、導電性ラテックス配合液付着工程、導電性チューブ被着工程、乾燥工程とからなる。
【0025】
導電性多孔体形成工程では、導電性が付与されてシャフト挿通孔の形成されたた所要サイズの弾性多孔体を形成する。例えば、目的とする前記筒状導電性多孔体11よりもサイズの大きい弾性多孔体に導電性溶液を含浸させ、その後乾燥させることにより、あるいは予め導電性物質を添加した弾性多孔体原料を用いて発泡成形する等により導電性多孔体を形成する。
【0026】
シャフト一体化工程では、図1に示したシャフト31を前記導電性多孔体に挿入し一体化する。その際、前記導電性多孔体には、予め図1に示したようなシャフト挿通孔12が形成され、接着剤を塗布したシャフト31が前記シャフト挿通孔12に挿通される。また、使用する導電性多孔体が導電ローラを複数本形成できる大きさの場合には、形成可能な導電ローラの本数に応じた数のシャフトが導電性多孔体に挿通されると共に、前記導電性多孔体がシャフトの挿通後あるいは挿通前に、各導電ローラと対応するサイズに裁断される。
【0027】
研削工程では、前記導電性多孔体の外周を、研削装置で所要サイズの円筒形に研削し、図1に示した筒状導電性多孔体11を形成する。その際、前記シャフト31を回転装置に取り付け、前記導電性多孔体の表面に切削工具を当てながら導電性多孔体を回転させれば、研削を容易に行うことができる。
【0028】
導電性ラテックス配合液付着工程では、前記導電性ラテックス配合液を筒状導電性多孔体11の外周面に付着させる。前記導電性ラテックス配合液の付着は、前記筒状導電性多孔体11を導電性ラテックス配合液に浸漬することにより、あるいはスプレー等で塗布することにより行われる。特にスプレーにより前記筒状導電性多孔体に塗布する方法は、筒状導電性多孔体外周面に対する導電性ラテックス配合液の付着量を調整し易いため、好ましい方法である。
【0029】
導電性チューブ被着工程では、前記筒状導電性多孔体11の外周面に塗布された導電性ラテックス配合液の乾燥前に、前記筒状導電性多孔体11の外周面に図1の導電性チューブ21が被せられる。その際、前記導電性チューブ21の内径を筒状導電性多孔体11の外径より僅かに小とし、前記導電性チューブ21を外方へ拡げながら筒状導電性多孔体11の外周面に装着するのが、作業性及び導電性チューブ21と筒状導電性多孔体11との密着性の点で好ましい。なお、前記導電性チューブ21を外方へ拡げて装着する方法としては、適宜の方法を用いることができるが、一例として、吸引孔が形成された内管の外側に外管が嵌まって内管と外管間が真空吸引路となった二重管を用い、前記内管の吸引孔を介して導電性チューブを内管内周面に吸引して拡径させ、その状態で導電性チューブ内に前記筒状導電性多孔体を挿入し、その後に導線性チューブの吸引を停止する方法を挙げることができる。
【0030】
乾燥工程では、前記導電性チューブ21の被着により筒状導電性多孔体11の外周面と導電性チューブ21の内周面間に介在することになった前記導電性ラテックス配合液を乾燥し、それによって形成される導電性ラテックス配合液の乾燥物により前記導電性チューブ21を筒状導電性多孔体11の外周面に接着固定する。前記乾燥は、乾燥炉を用いるのが簡単である。また、乾燥温度は適宜とされるが、通常60〜100℃の範囲が好ましい。
【0031】
【実施例】
・実際例1
アクリルラテックス(商品名:AE336、JSR株式会社製)100重量部に、不揮発分約38%のカーボンブラック分散液50重量部と純水50重量部を配合した導電性溶液を、中心に径7mmのシャフト挿通孔を形成した18×505×350mmのポリエステル系ウレタンフォーム(商品名:MF−50、(株)イノアックコーポレーション製)に、約1500g/m2のウェット付着量となるように絞りローラで含浸させ、120℃で120分乾燥させてブロック状の導電性多孔体を形成した。このようにして得られた前記導電性多孔体のシャフト挿通孔に、ホットメルト接着剤を厚さ20μm程度に塗布した外径8mm、長さ330mmのステンレス製シャフトを挿通し、シャフトを接着させた後、前記シャフトを回転装置に取り付けて導電性多孔体を回転させながら研削装置で導電性多孔体の表面を研削し、外径14.2mm、ロール面長316mmの筒状導電性多孔体を形成した。
【0032】
また、前記導電性溶液と同じ配合からなる導電性ラテックス配合液を、前記筒状導電性多孔体の外周面に付着量が1.8gとなるようにスプレーで塗布し、直ちに厚み150μm、内径13.9mmの導電性チューブを筒状導電性多孔体の外周面に被せ、70℃で30分間熱風循環乾燥炉により処理し、前記導電性チューブを筒状導電性多孔体に接着し導電ローラを得た。前記導電性チューブは、ポリアミド12に導電性カーボンブラック(商品名:TB#4501、東海カーボン(株)製)を重量比100:20で配合した原料から形成したものである。このようにして得られる実施例1の導電ローラを20本形成した。
【0033】
・実施例2
実施例1と同様にしてシャフトの接着した外径14.2mmの筒状導電性多孔体を形成した。また、実施例1と同じアクリル系ラテックス100重量部に不揮発分約38%のカーボンブラック分散液75重量部と、純水50重量部を配合して導電性ラテックス配合液を調製した。この導電性ラテックス配合液を、前記筒状導電性多孔体の外周面に付着量が5.0gとなるようにスプレーで塗布し、直ちに厚み150μm、内径13.9mmの導電性チューブを筒状導電性多孔体の外周面に被せ、70℃で30分間熱風循環乾燥炉により処理し、前記導電性チューブを筒状導電性多孔体に接着し導電ローラを得た。前記導電性チューブは、ポリアミド12に導電性カーボンブラック(商品名:TB#4501、東海カーボン(株)製)と導電性酸化スズ(商品名:SN−100P、石原産業(株)製)を重量比100:10:10で配合した原料から形成したものである。このようにして得られる実施例2の導電ローラを20本形成した。
【0034】
・実施例3
ポリエーテル系ポリオール(商品名:エクセノール828、旭硝子(株)製)100重量部に対し、イオン導電剤(商品名:カチオンIN、日本油脂(株)製)5重量部、シリコーン系界面活性剤(商品名:L−520、日本ユニカー(株)製)5重量部、アミン触媒(商品名:DBU−トルエンスルホン酸塩、サンアプロ(株)製)1.5重量部、カルボジイミド変性MDI(商品名:MTL−C、日本ポリウレタン(株)製)15重量部を配合し、機械発泡法により乾燥空気と混合して発泡したウレタンフォーム配合物を、長さ330mm、外径8mmのステンレス製シャフトがセットされた型内に注入し、120℃で30分間加熱して硬化させ、シャフトと一体になった導電性多孔体を得た。シャフトを除く導電性多孔体の密度は350kg/m3であった。この導電性多孔体を研削して外径14.0mmの筒状導電性多孔体を形成した。次いで、このシャフトと一体になった筒状導電性多孔体の表面に実施例1と同じ導電性ラテックス配合液を1.2gスプレー塗布し、直ちに厚み150μm、内径13.9mmの導電性チューブを筒状導電性多孔体の外周面に被せ、100℃で30分間熱風循環乾燥炉により処理し、前記導電性チューブを筒状導電性多孔体に接着し導電ローラを得た。前記導電性チューブは、PVDF100重量部に導電性カーボンブラック(商品名:TB#4501、東海カーボン(株)製)9重量部と導電性酸化スズ(商品名:SN−100P、石原産業(株)製)15重量部を配合した原料から形成したものである。このようにして得られる実施例3の導電ローラを20本形成した。
【0035】
・比較例
実施例1において、導電性ラテックス配合液をスプレー塗布することなく導電性チューブを筒状導電性多孔体の外周面に被せて比較例の導電ローラを形成した。なお、この比較例の導電ローラも20本形成した。
【0036】
前記各実施例及び比較例の導電ローラ各1本について、ローラ表面の位置の違いによる抵抗値のばらつきを評価するため、電気抵抗の測定を行った。前記電気抵抗の測定は、具体的には図3に示すように、縦320mm、横230mmの絶縁性平滑板S表面全面に真鍮(しんちゅう)製電極Pを設けた電極板を用い、前記電極Pと接触するように各導電ローラを電極P上に載置し、該導電ローラの両端におもりW等により50gの荷重をかけ、前記導電ローラの導電性シャフトと電極Pの間に、図示しない電源装置により直流電圧100Vを印加し、その状態で導電ローラを10°ずつ回転させ、その都度導電ローラと電極P間の電流を電流計で測定し、その電流測定値から計算される各抵抗値を得た。このようにして各導電ローラごとに得た各36個の電気抵抗について計算した平均値と、標準偏差を表1に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
また、前記各実施例及び比較例毎に導電ローラ間における抵抗値のばらつきを評価するため、前記と同様の方法で各実施例及び比較例における各20本の導電ローラについて、それぞれ36個の電気抵抗を測定して各導電ローラ毎に平均値を計算し、これにより得られた各ローラ毎の平均値に対し、各実施例及び比較例毎の20本についてさらに平均値と標準偏差を求めた。その結果を表2に示す。
【0039】
【表2】
【0040】
また、前記実施例1及び2の導電ローラのそれぞれ5本を市販のカラーレーザープリンタ(DocuColor1250CP、富士ゼロックス社製)の現像ローラとして使用し、記録紙に画像を転写する現像処理を行った。その結果、実施例1及び2の導電ローラ全てにおいて、良好な画像が得られた。
【0041】
【発明の効果】
上記のように、この発明の導電ローラ及びその製造方法によれば、筒状導電性多孔体と導電性チューブを良好に接着一体化でき、硬さを損なうことなく均一な抵抗値を有する導電ローラが得られる。かかる導電ローラは電子写真装置等の産業分野において極めて有益である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例に係る導電ローラの斜視図である。
【図2】この発明における製造方法の一例を示す工程図である。
【図3】表面抵抗率の測定方法概略を示す図である。
【符号の説明】
10:導電ローラ
11:筒状導電性多孔体
12:シャフト挿通孔
14:導電性ラテックス配合液の乾燥物
21:導電性チューブ
31:シャフト
Claims (2)
- 筒状導電性多孔体の外周面にプラスチック製の導電性チューブが装着された導電ローラにおいて、
前記筒状導電性多孔体の外周面と導電性チューブの内周面間で導電性粒子とラテックスとを含有する導電性ラテックス配合液が乾燥され、該導電性ラテックス配合液の乾燥物によって、前記筒状導電性多孔体と導電性チューブが接着一体化していることを特徴とする導電ローラ。 - 筒状導電性多孔体の外周面にプラスチック製の導電性チューブが装着された導電ローラの製造に際し、
前記筒状導電性多孔体の外周面及び導電性チューブの内周面の少なくとも一方に、導電性粒子とラテックスとを含有する導電性ラテックス配合液を付着させ、前記筒状導電性性多孔体の外周面に導電性チューブを被せた後、乾燥させることを特徴とする導電ローラの製造方法。
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