JP3243852B2 - 導電性ロール - Google Patents

導電性ロール

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JP3243852B2
JP3243852B2 JP25057692A JP25057692A JP3243852B2 JP 3243852 B2 JP3243852 B2 JP 3243852B2 JP 25057692 A JP25057692 A JP 25057692A JP 25057692 A JP25057692 A JP 25057692A JP 3243852 B2 JP3243852 B2 JP 3243852B2
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film layer
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隆博 酒見
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真記録装置等に
おいて感光ドラムや記録媒体などの被帯電体に所定極性
の電位を付与する導電性ロールに関する。
【0002】
【従来の技術】複写機及びレーザービームプリンタ等に
広く利用されている電子写真記録装置は、一般にドラム
状の感光体(以下、感光ドラムと称す)を備えており、
その感光ドラムに対して帯電、露光を行って静電潜像を
形成し、その後感光ドラム上の潜像に応じてトナーを付
着させて現像し、次にその感光ドラム上のトナーを記録
用紙等の記録媒体に転移させて転写し、その後その感光
ドラムを所定の電位に除電すると共に感光ドラム上に残
留するトナーを清掃し、次の記録に備えるようになって
いる。また、転写によって記録媒体に担持されたトナー
は溶融、圧着されることにより記録媒体に定着し、これ
により一連の記録作業が完了する。
【0003】この場合、この電子写真記録装置の感光ド
ラムに対してその帯電領域に所定電位を付与する帯電ロ
ール、トナーを感光ドラムに搬送する現像ロール、転写
領域に搬送されてきた記録媒体に対して所定電位を付与
する転写ロール、あるいは転写後の感光ドラムにおいて
その帯電領域を一定電位に均一化させる除電ロール等の
導電性ロールとしては、通常良導電性シャフトと、その
外周に設けられた良導電性のゴムからなるベース層と、
ロールの電気抵抗調整及び感光ドラムや記録媒体の汚染
防止のためにベース層上に被覆した単層あるいは複数層
の導電膜層とから構成されている。
【0004】そして、上記導電膜層としては、従来エピ
クロルヒドリンといった熱硬化性ゴムや熱可塑性ポリウ
レタンに導電性カーボンを分散させて体積抵抗を導電性
ロールとして使用し得る1.0×107〜1.0×10
11Ω・cmに調整したものが用いられている。
【0005】また、このような導電性ロールは、通常バ
ネ(200〜800g程度の付勢力)で支持された軸受
けを介して感光ドラムに押し付けられた状態に設置され
ており、これにより感光ドラムとの接触を保つようにな
っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記導
電膜層材料として用いられるエピクロルヒドリンは、導
電膜層を薄膜チューブ状に押出し成形するといった簡便
な方法で形成することが難しく、ディッピング等の有機
溶剤を必要とし、しかも煩雑な湿式塗布法を採用せざる
を得ない上、熱硬化性樹脂であるため後工程で架橋させ
る必要もある。また、熱可塑性ポリウレタンは、積層工
程が煩雑な上、体積抵抗の調整が技術的に難しく、導電
性粉末の配合量,分散方法,膜の被覆法などにより微妙
に抵抗値が変化してしまう。従って、これら導電膜層の
形成が導電性ロールの製造コストを引き上げる一因とな
っている。
【0007】また、導電性ロールにより感光ドラムを良
好に帯電させるためには、導電性ロールの感光ドラムに
対する接触幅(以下、ニップ幅という)が、ロールの軸
方向に沿って均一であることが好ましい。しかしなが
ら、上述したように、導電性ロールはバネで支持された
軸受けにより両端部で感光ドラムに押し付けられている
ため、導電性ロールには両端部を支点として中央部を浮
き上がらせるようとする力が働くことになり、従来の導
電性ロールは両端部のニップ幅が中央部に比べて広くな
る傾向があるという問題点も有している。
【0008】本発明は上記事情に鑑みなされたもので、
簡便な方法により良好な導電膜層を形成することがで
き、安価に製造することができる導電性ロールを提供す
ることを第1の目的とする。また、このように安価に製
造し得かつ感光ドラムとの間に均一なニップ幅を得るこ
とができ、均一な帯電を確実に行うことができる導電性
ロールを提供することを第2の目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段及び作用】上記第1の目的
を達成するため、本発明の導電性ロールは、シャフト
と、このシャフトの外周に設けられた導電性のベース層
と、このベース層上に設けられた導電膜層とを有し、被
帯電体に接触しながら該被帯電体に所定極性の電位を付
与する導電性ロールにおいて、前記導電膜層をエルフ・
アトケム・ジャパン(株)の商品名ペバックス、三井デ
ュポンポリケミカル(株)の商品名アルクリンなど、温
度25℃,相対湿度50%RHにおける体積抵抗が1.
0×107〜1.0×1011Ω・cmの熱可塑性樹脂で
形成することにより、導電膜層を形成する場合に電気抵
抗値の調整を行う必要がなく、しかも押出し成形により
簡便に導電膜層を形成することができるようにしたもの
である。
【0010】即ち、本発明導電性ロールの導電膜層は、
体積抵抗が導電性ロールとして好適な1.0×107
1.0×1011Ω・cmの範囲にある熱可塑性樹脂で形
成されているので、この導電膜層をベース層上に被覆形
成する際、導電性カーボン等を添加して電気抵抗値を調
整する必要がなく、また押出し成形可能で加熱硬化(架
橋)工程の不必要な熱可塑性樹脂からなるので、操作が
煩雑な湿式塗布法を採用する必要もなく、原料樹脂から
そのまま押出し成形により良好に形成することができ
る。従って、従来煩雑な工程であった導電膜層の被覆工
程を簡略化し、製造コストを引き下げることができるも
のである。
【0011】また、上記第2の目的を達成するため、本
発明の導電性ロールは、上記熱可塑性樹脂で導電膜層を
形成する際、該導電膜層の膜厚をロール両端部よりもロ
ール中央部を厚く形成して、ロール中央部の外径をロー
ル両端部の外径よりも大きくし、上記ベース層と導電膜
層とからなるロール本体の長さをL、ロール中央部の外
径とロール両端部の外径との差をΔDとしたとき、5×
10-5<ΔD/L<5×10-3の関係を満足するように
することによって、導電性ロールを感光ドラムに圧接す
る際、ロールの軸方向に沿ってニップ幅が均一になるよ
うにしたものである。
【0012】即ち、導電性ロール中央部の外径をロール
両端部の外径よりも大きくしたことにより、バネで支持
された軸受けにより導電性ロールを感光ドラムに圧接し
た際、ロール両端部を支点として中央部を浮き上がらせ
ようとする力が働いても、ロール中央部のニップ幅が小
さくなるようなことがなく、ロールの軸方向に沿って均
一なニップ幅を得ることができ、従って感光ドラムの帯
電領域を所定電位に均一化させることができるものであ
る。
【0013】以下、本発明につき更に詳しく説明する。
本発明の導電性ロールは、上述したように、シャフトの
外周に導電性のベース層を設け、更にこのベース層表面
に温度25℃,相対湿度50%RHにおける体積抵抗が
1.0×107〜1.0×1011Ω・cmの熱可塑性樹
脂からなる導電膜層を被覆形成したもので、具体的には
図1に示した構成のロールが例示される。
【0014】即ち、図1は本発明の導電性ロールの一例
を示すもので、電子式複写機の帯電器として使用するも
のである。この導電性ロールは、ステンレススチール、
めっき処理した鉄、黄銅、導電性プラスチック等の良導
電性材料からなるシャフト1の外周に導電性の弾性材料
からなるベース層2を設け、更にこのベース層2の外周
面に体積抵抗1.0×107〜1.0×1011Ω・cm
の導電性熱可塑性樹脂からなる導電膜層3を被覆形成し
たものである。
【0015】ここで、上記ベース層2を構成する導電性
を有する弾性材料としては、導電材を配合した無発泡又
は発泡導電性ゴム組成物及び導電性ポリウレタンフォー
ムを用いることができる。
【0016】無発泡の導電性ゴム組成物を構成するゴム
成分としては、ニトリルブタジンゴム、クロロプレンゴ
ム、スチレンブタジエンゴム、ブタジエンゴム、エチレ
ンプロピレンゴム、イソプレンゴム、ポリノルボルネン
ゴム等、通常のゴム又はスチレン−ブタジエン−スチレ
ン(SBS)、スチレン−ブタジエン−スチレンの水添
加物(SEBS)等の熱可塑性ゴムを使用することがで
き、特に制限されるものではないが、これらのゴム、特
に固形ブタジエンゴム/液状ポリイソプレンゴムを10
/90〜50/50程度の比率で混合し、これに導電材
を配合してベース層2を形成することが好ましく、これ
により硬度が低く、圧縮永久歪が少ないベース層2を得
ることができ、ロールと感光ドラム等の被帯電体との密
着性を向上させることができる。
【0017】また、発泡導電性ゴムとしては、特に制限
されるものではないが、エチレンプロピレンゴムに導電
材を配合したもの、エピクロルヒドリンとエチレンオキ
サイドとの共重合ゴムの発泡体又はエピクロルヒドリン
とエチレンオキサイドとの共重合ゴムに導電材を配合し
たものの発泡体を好適に使用することができる。
【0018】これらゴム組成物に配合する導電材として
は、カーボンブラック、黒鉛、金属、導電性の各種金属
酸化物(酸化錫,酸化チタン等)などの導電性粉体やカ
ーボンファイバー、金属酸化物の短繊維等の各種導電性
繊維を用いることができる。その配合量は、全ゴム成分
100重量部に対して3〜100重量部、特に5〜50
重量部とすることができ、これによりベース層2の体積
抵抗を101〜107Ω・cm程度に調整することが好ま
しい。なお、このベース層2の形成は、公知の加硫成形
法により行うことができ、その厚さはロールの用途等に
応じて適宜設定されるが、通常1〜20mmとされ、ま
たその硬度はアスカーC20〜90°、特に30〜70
°とすることが好ましい。
【0019】ここで、ベース層2の抵抗値をR1、導電
膜層3の抵抗値をR2とし、ロールに電圧Vを印加した
場合、ベース層2及び導電膜層3にかかる電圧は、それ
ぞれ{R1/(R1+R2)}・V及び{R2/(R1
2)}・Vとなり、ベース層2が高抵抗値であれば、
それだけ導電膜層3の負担する電圧は低くなる。従っ
て、このベース層2の抵抗値をある程度高くとることに
より、導電膜層3の電圧破壊が生じにくくなり、その分
導電膜層3の膜厚を薄くすることができるので、ロール
全体の硬度を低くすることができる。この場合、ベース
層2の抵抗値を調節する導電材として、例えば(株)ラ
イオン社製、商品名ケッチェンブラックECなどの導電
性の高いカーボンを用いると、104Ω以下の極低い抵
抗値になりやすいが、通常のゴム用カーボンであるSA
F、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF、F
T、MTをゴム成分100重量部に対して10〜40重
量部の範囲で配合することにより、容易に比較的高い所
望の抵抗値に調節することができる。
【0020】例えば、固形ブタジエン/液状ポリイソプ
レンゴム/HAFをそれぞれ60/40/24重量部の
割合もしくは70/30/24重量部の割合で混合して
ベース層2を形成すると、抵抗値2×105Ωのベース
層2が得られ、このベース層2上に体積抵抗1×109
Ω・cmの導電膜層3を被覆して抵抗値が4×105Ω
の導電性ロールを得る場合、導電膜層3の厚さは100
μ程度であるのに対し、ケッチェンブラックECなどの
導電性の高いカーボンを用いて得た104Ω以下のベー
ス層に同様の導電膜層を被覆して抵抗値が4×105Ω
の導電性ロールを得る場合には200μもの厚さを必要
とする。また、HAFを20重量部とした場合にはベー
ス層2の抵抗値は3×105Ω、25重量部とした場合
には1×104Ω、30重量部とした場合は1×104Ω
となり、いずれも比較的高い抵抗値のベース層が得ら
れ、更にHAFを20重量部とした場合のベース層2の
硬度はアスカーC53°、30重量部とした場合はアス
カーC57°である。このように、HAF等の通常のカ
ーボンを使用することにより、少量の配合で抵抗値を1
4〜106Ω程度に制御できるので、ロールをあまり硬
くすることなく良好なベース層を得ることができる。な
お、上記抵抗値は、図8に示したように、導電性ロール
6の外周面に1cm幅の銅板12を巻き付け、シャフト
1と銅板12の間に1000Vの電圧を印加して、この
ときの電流値Iから抵抗値Rを式R=V/Iにより求め
たものである。
【0021】本発明の導電性ロールは、このベース層2
上に体積抵抗1.0×107〜1.0×1011Ω・cm
の導電性熱可塑性樹脂からなる導電膜層3を被覆したも
のであるが、この場合この導電膜層3を構成する導電性
熱可塑性樹脂は、それ自体が1.0×107〜1.0×
1011Ω・cmの体積抵抗有するものであり、導電材を
配合して電気抵抗値を調整したものではない。従って、
この導電膜層3を形成するにあたり、導電材を配合して
電気抵抗を調整する必要がなく、また押出し成形可能な
熱可塑性樹脂からなるので、操作が煩雑な湿式塗布法を
採用する必要もなく、原料樹脂をそのまま押出し成形す
ることにより単純な操作で良好にこの導電膜層3を構成
することができる。なお、この導電性熱可塑性樹脂の体
積抵抗値1.0×107〜1.0×1011Ω・cmは、
温度25℃、相対湿度50%RHにおける値である。
【0022】このような導電性熱可塑性樹脂として具体
的には、エルフ・アトケム・ジャパン(株)の商品名ペ
バックス4011,MX1723,MX1074,MX
1041(体積抵抗1.0×108〜1.0×1010Ω
・cm)、三井デュポンポリケミカル(株)の商品名ア
ルクリン(体積抵抗1.0×107〜1.0×1010Ω
・cm)などを挙げることができるが、これらの他にも
電気抵抗値が1.0×107〜1.0×1011Ω・cm
の範囲にある導電性熱可塑性樹脂であればいずれのもの
も使用することができる。
【0023】この導電膜層3の形成方法は、特に限定さ
れるものではなく、押出し成形法、塗装等の種々の方法
により形成することができるが、簡便かつ安価に導電膜
層3を形成することができる押出し成形法を好適に採用
することができる。
【0024】押出し成形により導電性膜3を形成する方
法について詳述すると、例えば、図4に示したような周
壁に押出し路4aを形成した略リング状の口金4を用
い、図5に示したように、この口金4の中空部内にシャ
フト1(図示せず)外周に上記ベース層2を形成したロ
ール6を通し、口金4の押出し路4aから上記熱可塑性
樹脂5をチューブ状に成形してロール6のベース層2上
に押出すと共に、ロール6を一方向に移動させてロール
6のベース層2外周面全面を上記熱可塑性樹脂5で被覆
することにより導電膜層3を形成することができる。こ
の場合、図9に示すように、ロール端部の導電膜層3を
ベース層2と共に斜めに処理したり(図では左端部)、
導電膜層3をベース層2より長くして斜めに処理する
(図では右端部)ことができる。
【0025】また、図6に示したように、成型機7によ
り厚肉チューブ状に成形したベース層2のみからなるロ
ール6を成形機7からゴム又は発泡ゴムを加熱槽を通し
て架橋した後、直接口金4の中空部に通して導電膜層3
を被覆し、切断機8で所定長さに切断した後、図7に示
したように、シャフト1をベース層2の中心に挿入し、
必要により接着剤で固定するようにすることもできる。
更に、この場合、図6中参照符号9,10で示したよう
に、導電膜層3を被覆形成した後、メトキシメチル化ナ
イロン等の各種変性ナイロン、フッ素化ウレタン等の各
種変性ウレタン、可溶性フッ素樹脂などの被覆材をスプ
レー塗布機9から導電膜層3表面に吹き付け、あるいは
図10に示したように円錐状のゴム器具11を用いて被
覆材13を塗付けることにより、該導電膜層3上に感光
ドラム等の被帯電体の汚染を防止する汚染防止層10を
形成することができる。
【0026】このように、本発明の導電性ロールは、そ
の導電膜層を抵抗値の調整を行う必要なく、しかも比較
的簡便な押出し成形法により形成するとができ、製造コ
ストを節約することができるものである。
【0027】また、本発明の導電性ロールは、図2に示
したように、上記熱可塑性樹脂で導電膜層3を形成する
際に、該導電膜層3の膜厚をロールの両端部よりも中央
部を厚く形成して、ロール中央部の外径D1をロールの
両端部の外形D2よりも大きく形成し、これによりかか
る導電性ロールを感光ドラムに圧接した際、ロールの軸
方向に沿って均一なニップ幅を確実に得ることができ
る。
【0028】
【0029】例えば、長さ245mmで径7mmの金属
シャフト1に長さLのロール本体を形成し、シャフト1
の両端に800gの力を加えてロールを感光ドラムに圧
接させるとすれば、通常はロール中央部の外径D1とロ
ール両端部の外径D2との差ΔDは下記式を満足するよ
うに設定すれば、ほぼ均一なニップ幅を得ることができ
る。 5×10-5<ΔD/L<5×10-3
【0030】
【0031】このように導電膜層3の厚さをロールの中
央部で厚く、両端部で薄く形成する方法は、特に制限さ
れずいずれの方法であってもよいが、上述の押出し成形
法(図5,6)で導電膜層3を形成する場合には、ロー
ル6の送り出し又は引き取り速度を、ロール一端部から
中央部にかけては、漸次遅くしていき、中央部から他端
部にかけては漸次速くしていくことにより容易に形成す
ることができる。
【0032】なお、図2の導電性ロールは、ロール両端
から中央に向けて漸次外径が大きくなるように形成して
あるが、これに限定されるものではなく、例えば図3に
例示したように、両端部がテーパー状に形成され、中央
部に均一径の大径部を有するもの(A図)、中央部が断
面円弧状に膨出したもの(B図)、両端部に均一径の小
径部が形成され、中央部に均一径の大径部が形成された
もの(C図)などとすることができる。
【0033】以上のように、本発明の導電性ロールは、
その導電膜層を抵抗値の調整を行う必要がなく、しかも
比較的簡便な押出し成形により形成することができるの
で、製造コストを節約することができ、かつ導電膜層の
膜厚をロールの軸方向に沿って変化させ、ロール中央部
の外径がロール両端部の外径よりも大きくなるように形
成することにより、ロールを感光ドラムに圧接した際、
ロールの軸方向に沿って均一なニップ幅を確実に得るこ
とができ、感光ドラムを均一な電位に確実に帯電させる
ことができるものである。なお、本発明の導電性ロール
の製造法は導電膜層を押し出し成形法により形成する上
述の方法が好ましく採用されるが、これに限定されるも
のではなく、その他の種々の製造法により得ることがで
きる。
【0034】
【実施例】以下、実施例を示して本発明をより具体的に
説明するが、本発明は下記実施例に制限されるものでは
ない。
【0035】[実施例1]スチール性シャフトに下記に
示す処方の導電性ゴム組成物を用いてベース層を3mm
厚に形成した。この場合、加硫条件は160℃×5分と
した。得られたベース層の硬度はアスカーC50であ
り、その体積抵抗は8×102Ω・cmであった。導電性ゴム組成物処方 シス−1,4−ポリブタジエン 60 重量% (日本合成ゴム(株)製 BR02LL) 液状ポリイソプレン 40 重量% (クラレ(株)製 クラレイソプレンLIR30) ケッチェンブラックEC 10 重量% 亜鉛華 10 重量% 有機過酸化物 0.8重量%
【0036】次に、エルフ・アトケム・ジャパン(株)
製のペバックス4011(体積抵抗1.0×108
1.0×1010Ω・cm)を図4に示した口金を用い、
図5に示した方法で下記条件により上記ベース層上に押
出し成形して、導電膜層を形成し、下記寸法及び特性の
導電性ロールを得た。押出し成形条件 押出機: プラベンダーφ20押出機(東洋精機製) 押出条件: ダイ 170℃ クロスヘッド 170℃ スクリュー 170℃ ホッパー 160℃ スクリュー回転数 60rpm 押出量: 1kg/Hr 引出スピード: 5m/min 押出膜厚: 250μmロール寸法及び特性 ロール長さ: 240〜340mm ロール径: φ10〜20mm ロール電気抵抗: 5×105Ω (図8に示した方法により、測定幅1cm,H10K1
MΩテスタ使用,印加電圧1000Vで測定) 耐電圧 1.5kV 硬度 アスカーC60°
【0037】得られた導電性ロールをレーザービームプ
リンタに帯電ロールとしてセットし、温度15℃,相対
湿度10%RHの低温低湿環境(L/L)及び温度3
2.5℃,相対湿度85%RHの高温高湿環境(H/
H)において複写テストを20回連続で行ったところ、
L/L,H/Hとも絵出し性は良好であり、またロール
に焦げ等が発生することもなかった。
【0038】[実施例2]下記に示す処方の導電性ゴム
スポンジをホース状に2〜2.5倍に押出し発泡してベ
ース層を形成した。なお、加硫条件は230℃,3分と
した。導電性ゴムスポンジ組成物処方 EPDM 100 重量% (日本合成ゴム(株)製 T7201EF) オイル 70 重量% (出光石油(株)製 PW380) ポリエチレングリコール 1 重量% (日本油脂製 PEG4000) 発泡剤 3 重量% (永和(株)製 ビニホールACNo.3又はネオセルボンN5000)
【0039】次に、三井デュポンポリケミカル(株)の
アルクリン(体積抵抗1.0×107〜1.0×1010
Ω・cm)を図4に示した口金を用い、図5に示した方
法で下記条件により上記ベース層上に押出し成形し、導
電膜層を形成した。押出し成形条件 押出機: プラベンダーφ20押出機(東洋精機製) 押出条件: ダイ 160℃ クロスヘッド 160℃ スクリュー 160℃ ホッパー 150℃ スクリュー回転数 60rpm 押出量: 1kg/Hr 引出スピード: 5m/min 押出膜厚: 250μm
【0040】そして、上記導電膜層上に汚染防止層とし
てN−メトキシメチル化ナイロン層を厚さ5μmに形成
し、所定長さに切断した後、ベース層内にスチール製シ
ャフトを挿入して接着し、下記寸法及び特性の導電性ロ
ールを得た。寸法及び特性 ロール長さ: 240〜340mm ロール径: φ10〜20mm ロール電気抵抗: 6×10 Ω (図8に示した方法により、測定幅1cm,H10K1
MΩテスタ使用,印加電圧1000Vで測定) 耐電圧: 1.5kV 硬度: アスカーC60°
【0041】得られた導電性ロールをレーザービームプ
リンタに帯電ロールとしてセットし、実施例1と同様に
複写テストをところ、L/L,H/Hとも絵出し性は良
好であり、またロールに焦げ等が発生することもなかっ
た。
【0042】[実施例3]実施例1と同様のベース層上
に実施例1と同一の押出し成形条件で導電膜層を形成し
た。このとき、導電性ロールの送り出し又は引き取り速
度を端部から中央部にかけて遅く、中央部から端部にか
けて速くなるように制御し、図2に示した形状の導電性
ロールを得た。なお、D1は14mm,D2は13.76
mm,L=240であり、ΔD=D1−D2=0.24m
m,ΔD/L=1×10-3であった。また、ロール特性
は実施例のものと同様であった。
【0043】得られた、導電性ロールのシャフト1両端
部に800gの力を加えて該ロールを感光ドラムに圧接
し、両者を回転させながらニップ幅を測定したところ、
ロールの軸方向に沿って均一なニップ幅が常に得られて
いた。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の導電性ロ
ールは、ベース層に被覆する導電膜層を体積抵抗1.0
×107〜1.0×1011Ω・cmの熱可塑性樹脂で形
成したことにより、導電膜層を形成する場合に電気抵抗
値の調整を行う必要がなく、しかも押出し成形により簡
便に導電膜層を形成することができ、従って、従来煩雑
な工程であった導電膜層の被覆工程を単純化して、製造
コストを引き下げることができるものである。
【0045】また、導電膜層の膜厚をロールの軸方向に
沿って変化させ、ロール中央部の外径がロール両端部の
外径よりも大きくなるように形成することにより、ロー
ルを感光ドラムに圧接した際、ロールの軸方向に沿って
均一なニップ幅を確実に得ることができ、感光ドラムを
均一な電位に確実に帯電させることができるものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明導電性ロールの一例を示す断面図であ
る。
【図2】本発明導電性ロールの他の例を示す断面図であ
る。
【図3】A〜Cはそれぞれ本発明導電性ロールのまた別
の例を示す側面図である。
【図4】本発明導電性ロールの製造に使用する導電膜層
被覆用の口金を示す断面図である。
【図5】同口金を用いてベース層上に導電膜層を被覆す
る方法を示す一部断面概略図である。
【図6】本発明の導電性ロールを製造する方法の一例を
示す一部断面概略図である。
【図7】本発明導電性ロールの他の例を示す断面図であ
る。
【図8】ロールの電気抵抗を測定する方法を示す概略斜
視図である。
【図9】ロールの端部処理を示す断面図である。
【図10】汚染防止層の形成方法の一例を示す斜視図で
ある。
【符号の説明】
1 シャフト 2 ベース層 3 導電膜層 4 口金 5 熱可塑性樹脂 6 導電性ロール
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16C 13/00 B29C 47/02 G03G 15/02 101

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シャフトと、このシャフトの外周に設け
    られた導電性のベース層と、このベース層上に設けられ
    た導電膜層とを有し、被帯電体に接触しながら該被帯電
    体に所定極性の電位を付与する導電性ロールにおいて、 前記導電膜層を温度25℃、相対湿度50%RHにおけ
    る体積抵抗が1.0×107〜1.0×1011Ω・cm
    の熱可塑性樹脂で形成し、かつ該導電膜層の膜厚をロー
    ル両端部よりもロール中央部を厚く形成して、ロール中
    央部の外径をロール両端部の外径よりも大きくし、上記
    ベース層と導電膜層とからなるロール本体の長さをL、
    ロール中央部の外径とロール両端部の外径との差をΔD
    としたとき、5×10-5<ΔD/L<5×10-3の関係
    を満足することを特徴とする導電性ロール。
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