JP3104163B2 - 接触帯電用ポリアミドエラストマーシート - Google Patents

接触帯電用ポリアミドエラストマーシート

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JP3104163B2
JP3104163B2 JP6550096A JP6550096A JP3104163B2 JP 3104163 B2 JP3104163 B2 JP 3104163B2 JP 6550096 A JP6550096 A JP 6550096A JP 6550096 A JP6550096 A JP 6550096A JP 3104163 B2 JP3104163 B2 JP 3104163B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は被帯電体、例えば複
写機の感光体を接触状態で帯電せしめる部材として有効
な接触帯電用ポリアミドエラストマーシートに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】オフィスで簡単に印刷できる手段の1つ
に電子写真技術を用いたプリンタ、複写機があるが、こ
れは静電気の吸引力である力学的作用を応用し、感光体
をプラス帯電に導き、トナー顕像を形成して、紙等に転
写し複写印刷する方法である。ここで該力学的作用を生
起せしめるための帯電方法は、一般にコロナ放電によっ
て行われることが多い。これに用いるコロナ放電器は感
光体に対して一定の距離をもって対峙して配置されてい
る。
【0003】このコロナ放電による帯電方法は、高い帯
電密度で均一に感光体を帯電させることができる技術で
あることから実用されてきているが、オゾンの発生は避
けられず、オフィス環境の立場から有害物質として大き
な問題になっている。また、この帯電方法は極めて高い
電圧(DC5〜10kV)を印加する必要があり、危険
性と共に装置的にも複雑化しているのが実状である。
【0004】そこで最近、前記オゾンの発生と高電圧印
加に対して、オゾン発生を抑制し、且つ低電圧で帯電せ
しめる方法が提案され、一部実用化もされてきている。
その方法は特殊構造を持ってなる帯電ロールの使用によ
るもので、これを回転する感光ドラムに所定の押圧(総
圧で約1kgf/cm2程度)で押しながら自らも回転
しつつ、電圧(約1〜2kV程度)を印加し、帯電する
ものである。接触帯電法であるので、オゾンの発生も抑
制され、印加電圧も低く抑えることができる。尚、該ロ
ールの構造はアルミ管によるシャフトを中心軸として、
導電性ゴム層、合成樹脂を半導電化したもので形成した
中抵抗薄膜層、シリコーン樹脂とかフッ素樹脂等による
保護層を順次構層して得た三層構造からなっている。該
中心軸と感光体に電圧を印加する回路を形成することで
感光体をプラスに帯電せしめることができる。
【0005】他に、接触帯電法として、毛ブラシ又は繊
維状の半導電性ブラシを使って、これをアルミ管等に起
毛し、ロール状に加工して、帯電用ブラシロールにす
る。これを感光体に接触させて、回転させながら、前記
同様に該アルミ管に電圧を印加し、帯電させることも提
案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前記帯電部
材による接触帯電法にも、なお改良すべき点があって、
十分満足されてもいない。その改良すべき点は次の通り
である。
【0007】まず、帯電ロールによる接触帯電法では、
軽微ではあるが、尚コロナ放電が起こり、オゾンの発生
が解消されていないこと、該ロールの長さが大きくなれ
ばなるほど、つまり複写面積の増大と共に感光体に対す
る押し圧にムラが発生し、その結果、帯電密度にムラが
発生しやすいこと、また、電気抵抗に環境変化(特に湿
度)とか、経時変化(長期間の使用)があって、帯電に
必要な印加電圧が変わり、複写条件が定まらないという
ことである。更に例えば感光体にピンホール等による微
少欠陥があった場合に、その部分へ集中的に過電流が流
れ、その結果電圧降下を起こし、帯電不良を起こしやす
いこと、勿論構造の複雑さ、高精度加工の点で、製造す
ることそのものに困難さがあって容易ではないことも問
題である。
【0008】一方、帯電用ブラシロールでは、まず、感
光体に一様に帯電させることに関して、その条件設定が
極めて困難であるということである。これは恐らく起毛
するブラシの微妙な太さとか、長さの差、起毛密度のバ
ラツキによるためと考えられる。また、接触回転によっ
て起こりやすいブラシ先端の摩耗とか、感光体面の損傷
の問題、更には前記帯電ロールの場合に見られる環境変
化とか経時変化による印加電圧変化の問題があり、十分
に満足できるレベルに至っていない。また、帯電用ブラ
シロールにおいて、ブラシ先端の摩耗とか、感光体面の
損傷の問題は、ブラシの硬さと、回転するブラシ先端が
感光体面にどうしても衝突という動作で繰り返されてし
まうということによるものと考えられている。
【0009】尚、前記各問題の中で、ピンホール等によ
る微少欠陥に基づく帯電不良は、印加電圧を変えると電
気抵抗が変わる。つまり電圧依存性があることによって
発生すると考えられる。また、環境変化とか、経時変化
に抵抗依存があるのは、素材に半導電性を付与せしめる
ために添加混合された導電剤が、該素材中で微妙に動く
ことによるものと考えられ、このことは電圧依存性の原
因にもつながっているものと考えられる。
【0010】本発明の課題は、前記種々の問題点に鑑
み、被帯電体、例えば電子写真式複写機における感光体
(一般に形状はドラム状又はベルト状である)を、接触
(摺動)状態で常に一定条件で安定して容易に帯電せし
めることのできる帯電用部材を提供することにある。そ
こで、この種々の課題について多方面にわたって鋭意検
討した結果、意外なことに特定の樹脂と部材形状によっ
て、一挙に解決することができ、本発明に到達したので
ある。それは次のような手段の提供により容易に達成す
ることができる。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は以下の各項より
構成される。 (1)103〜1012Ω・cmの体積抵抗値を有する接
触帯電用ポリアミドエラストマーシート。 (2)5〜30重量%のカーボンブラックを含有するこ
とを特徴とする請求項1に記載の接触帯電用ポリアミド
エラストマーシート。 (3)ポリアミドエラストマーがポリアミド12セグメ
ントと脂肪族ポリエーテルセグメントとを主成分として
なる請求項1又は2に記載の接触帯電用ポリアミドエラ
ストマーシート。以下に本発明を詳細に説明する。
【発明の実施の形態】
【0012】まず、本発明の帯電用部材の基本を構成す
るポリアミドエラストマーから説明する。これは一般に
非ゴム的弾性で、且つ高硬度(ショアD硬度で約60以
上)のナイロン系樹脂をはじめとする各種熱可塑性樹脂
とは異なり、該ナイロン系樹脂に化学的方法によってゴ
ム的弾性を付与し、且つ低硬度(ショアA硬度で約45
以上、ショアD硬度で約60以下)で、熱可塑性を有す
る非加流のポリアミド系ゴム弾性樹脂といったものであ
る。但し該ゴム弾性といっても、該エラストマーの有す
るそれは、弾性余効変形の範囲内であって、天然ゴム、
合成ゴムに見られるような理想的弾性変形に近いものと
は異なる。
【0013】ポリアミドエラストマーは前記する内容で
あるが、具体的には高分子鎖が、ナイロン等のハードセ
グメントとソフトセグメントとからなり、両者セグメン
トはブロック共重合体によってなる。ここで、該ハード
セグメント成分としては一般にナイロン6、66、61
0、11、12等の脂肪族ポリアミド又は芳香族ポリア
ミド成分よりなり、ソフトセグメントとしてはエントロ
ピー弾性を示すようなソフト成分、例えば脂肪族ポリエ
ーテル又は脂肪族ポリエステル成分によってなる。これ
らの各セグメント成分によって種々の組み合わせができ
るので、それによって、ゴム弾性を変えるとか、硬度を
変えることもできる。また、より軟質化の試みとして例
えばハードセグメント成分の脂肪族ポリアミドにおい
て、そのアミド基をホルムアルデヒドとかエチレンオキ
サイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイ
ドを反応させて、メチロール化とかエチロール化、プチ
ロール化等のアルキロール化をしてもよい。
【0014】前記いかなる成分の組み合わせでも、ポリ
アミドエラストマーであれば、若干の効果上に差はあっ
ても、帯電用部材として、本発明の課題を達成すること
ができるのは勿論であるが、しかし中でも、脂肪族ポリ
アミド成分と脂肪族ポリエーテル成分とよりなるポリア
ミドエラストマー(以下これをポリアミドエラストマー
と呼ぶ)が好ましい。更には、脂肪族ポリアミド成分の
中でも、ナイロン12成分をハードセグメントとするポ
リアミドエーテルエラストマーが好ましい。これは前記
所定の電気抵抗を有するシート状部材が、容易に且つ安
定した品質で製造できることの他に、後述する接触によ
る帯電という使い方に対して、より大きな効果を発現す
る等の理由による。また、環境変化(特に湿度)に対す
る電気特性等への影響も小さいからである。
【0015】尚、前記ポリアミドエラストマーの製造方
法には特に制限はないが、一例として述べれば次の通り
である。例えばハードセグメント成分として芳香族ポリ
アミドをソフトセグメント成分として脂肪族ポリエステ
ルとするポリアミドエラストマーは、脂肪族ポリエステ
ルジオールに、脂肪族ジカルボン酸を加えて、末端カル
ボキシル化脂肪族ポリエステルジオールプレポリマーを
つくり、これに4,4’−メチレンジフェニルイソシア
ネートを加えて、脱炭酸によりブロック共重合する。ま
た、ハードセグメント成分としてナイロン12、ソフト
セグメント成分として脂肪族ポリエーテルグリコール
(ポリエチレングリコールでも良い)及び脂肪族ジカル
ボン酸を反応容器に入れて、まず、該ラクタムの開環と
同時に両末端カルボキシル基を有するナイロン12オリ
ゴマーを合成した後、ポリエステル型減圧重合すること
によって得ることができる。尚、前記脂肪族ポリエーテ
ルセグメントは、分子鎖がアルキレン基と酸素原子とに
よりなるポリマー成分であるので、従ってこれは例えば
前記製造例で示すように、ポリエチレングリコールと
か、ポリテトラメチレンエーテルグリコールとかによっ
てもたらされる。
【0016】そして、前記ポリアミドエラストマーシー
トは、被帯電体、例えば電子写真複写機の感光体に接触
状態で有効的に、且つ、安定して帯電せしめるために、
所定の電気抵抗、つまり体積抵抗値にして103〜10
12Ω・cm、好ましくは105〜1010Ω・cmを有し
ており、且つシート状であることが必要である。
【0017】ここで体積抵抗値が、特定されるのは素材
がポリアミドエラストマーであっても、103Ω・cm
未満では、電流が流れすぎて、効率的に感光体を帯電せ
しめることができなくなり、従って、例えば感光体上に
トナーによる顕像画像を満足に作ることができなくな
る。一方1012Ω・cmを越えても、印加された電圧が
帯電のために効率的に使用されずに、蓄電状態になり、
ついにはスパークするようなことにもなりかねない。ま
た、過熱される状態にもなりかねない。つまり、前記シ
ートが有する電気抵抗特性は、印加された電圧を、感光
体上に迅速に、確実に伝達してプラスに帯電させるため
に極めて重要な因子の一つになっているといえる。
【0018】また、帯電装置にシート状で使用するの
で、ロール状での使用に比較して被帯電体面との接触が
容易で、且つ確実である。従って、全面均一な密度で帯
電することができることと、他に帯電部としてのデバイ
スそのものが単純化されるので、これは装置全体の単純
化と軽量化をもたらす結果につながることになる。尚、
シートとしての厚さは、約0.05〜1.0mm程度の
範囲が例示できる。より厚い範囲まで使用ができるのも
軟質で弾性があることによる。
【0019】次に前記請求項2に記載する帯電用ポリア
ミドエラストマーシートの製造方法について説明する。
該製造方法についてはいかなる方法でも良いが、製造の
容易さと、得られる該シートの品質性能等の点から次の
ような方法が望ましい。まず、ポリアミドエラストマー
のペレット又は粉体に、粉状の導電材を約5〜30重量
%(該エラストマーに対して)添加し、十分攪拌混合す
る。次にこれを直ちに押出機にてスリットダイを通し
て、シート状に溶融押出成型するか、又は前記に攪拌混
合されたものを更に2軸押出機にて混合してペレットに
成型し、このペレットを目的のシートに押出成型する。
ここで押出条件について、温度に関してはポリアミドエ
ラストマーの種類によって異なるが、多くの場合バレル
温度を150〜250℃、スリットダイ温度を150〜
200℃程度の範囲内とすることで対応できる。但し決
められた温度に対しては、十分に制御し誤差の無いよう
にするのがよい。また、吐出圧力についても、適切な圧
力では制御しつつ行うことが望ましい。これは、温度、
吐出圧力によって、得られるシートの体積抵抗値にバラ
ツキが発生することがあるからである。
【0020】前記粉状導電剤は、所定の体積抵抗値を付
与せしめるものであれば、特定されないが、一般に導電
剤として使われているものが用いられる。例えば一般に
はカーボン系と金属系とに大別され、カーボン系ではカ
ーボンブラックとカーボンファイバー、金属系ではアル
ミニウム・銀・銅・酸化亜鉛・インジウム錫等が例示で
きる。他にチタン酸ウィスカ、カーボンウィス(グラス
カー)も例示できる。これらは粉状体である必要がある
が、その大きさは約1〜500μm程度である。
【0021】しかし前記導電剤の中でも、カーボンブラ
ックはより効果的である。これはポリアミドエラストマ
ーとの分散混合性が良好で、一定した所定の体積抵抗値
を有するシートが得やすく、また該抵抗値の経時変化等
の電気特性の変化をもたらさないことにもよる。尚、カ
ーボンブラックといっても、その原料ソースの違いによ
って種々ある。それはアセチレンブラック、チャネルブ
ラック、ファーネスブラック、サーマルブラック等であ
るが、中でもアセチレンブラック又はファーネスブラッ
クの方がより好ましい。また粉状導電剤のポリアミドエ
ラストマー含有量5〜30重量%は、体積抵抗値103
〜1012Ω・cmに対応する量である。従って前記する
好ましい体積抵抗値105〜1010Ω・cmの場合に
は、その量は10〜25重量%に対応する。
【0022】尚、前記ポリアミドエラストマーは、一般
には1種類で使用されるが、2種類以上が混合されて使
用されることに制限はない。また一般には使用される各
種添加剤は、少なくとも本発明の種類に対して、それを
損なわないかぎり、添加しても差しつかえない
【0023】本発明のかかわるポリアミドエラストマー
シートの帯電用としての効果の発現は、いかなる作用に
よるかは定かでないが、次の様なことが推察される。ま
ず体積抵抗値103〜1012Ω・cmを有する該エラス
トマーシートは、分子内に極性の高いアミド基と、他に
エーテル基とかエステル基等の極性的な基を有し、かつ
該抵抗値を有する事で、低電圧印加でも誘電分極しやす
い状態にあり、その結果相手の感光体と接触させれば容
易に電荷が移動し、帯電に導くことができる。また、柔
軟で且つ弾力性があることで、摺動する被帯電体と接し
て摺動させても、自身の摺動摩耗も小さければ、該帯電
体面に損傷を与えることもないことになる。
【0024】更に、体積抵抗値の電圧依存とか、使用に
対する経時変化等がない(又は極めて小さい)というこ
とについては、ポリアミドエラストマーが導電剤、中で
もカーボンブラックにあっては優れた相溶性があり、且
つ分散存在するカーボンブラック粉体が、いかなる外的
又は内的変化にも応せず、不動の状態で存在しているた
めと考えられる。尚、体積抵抗値が印加電圧に依存しな
いことは、突発的に電圧が変わっても、感光体の帯電に
は変化がないことになり、同じ品質で複写が続けられる
ことにもなるし、また一般に感光体面にピンホール等の
微少欠陥部があった場合に見られるところの、該部への
リークによる電圧降下が起こらないことにもなる。一般
にこのリークによる電圧降下の場合には該ピンホール部
分を中心に帯状になって、トナーが乗らなくなる。本発
明ではこのようなピンホール等欠陥による複写トラブル
もないということになる。
【0025】
【実施例】次に比較例と共に、実施例によって更に詳述
する。尚、本文中及び当該例中で記載している体積抵抗
値は、三菱油化株式会社製の抵抗測定計のハイレスタに
よって測定したものである。尚、該ハイレスタによる印
加電圧は10〜500V(DC)の範囲で可変である。
【0026】ナイロン12をハードセグメントとし、ポ
リアルキレンエーテルをソフトセグメントとするポリア
ミドエーテルエラストマーとして、宇部興産株式会社製
の品種PAE1200Sを用いて、これにカーボンブラ
ックとして、アセチレンブラックを24重量%添加し、
十分混合した後、更に均一分散せしめるために、バレル
温度160〜200℃に調整し、2軸押出機にて溶融混
練しつつ、ペレットに成形した。そして得られた該ペレ
ットを十分乾燥した後、シート成形用のスリットダイ
(リップ幅0.35mm、横幅400mm)を吐出口に
取り付けた1軸押出機に供給して、フィルム状に押出成
形した。得られたフィルムは軟質で、ゴム的であった。
そして厚さは100±10μmであり、体積抵抗値は
(1〜5)×107Ω・cm(DC100V印加)であ
った。尚、該1軸押出機のバレル温度は160〜200
℃、スリットダイの温度は160℃とした。
【0027】次に前記フィルムを使って、まず電圧依存
性についてチェックした。その方法は前記ハイレスタを
使って、該フィルム面にその測定端子であるプローブ
を、1kgf/cm2の押圧で均一に押しつけた状態で
印加電圧を10〜500V(DC)に変えて、体積抵抗
値を測定した。結果は図1の折れ線グラフの実施例(黒
丸印)で示す。印加電圧を変えても、体積抵抗値に実質
的変化のないことがわかる。
【0028】また体積抵抗値の経時変化についてチェッ
クした。測定は前記得られたフィルムにハイレスタプロ
ーブを1kgf/cm2の押圧で、均一に押しつけた状
態に保ち、0〜24時間の間での時間に対する体積抵抗
値を測定した。結果は図2の折れ線グラフで示す。経時
変化もなく、極めて安定した抵抗特性を持っていること
が理解できる。
【0029】次に、前記フィルムを使って下記の方法で
複写テストを行った。まず該フィルムを10×300m
mにカットし、その上端に銀導電ペーストによって2m
m幅の電極を設け、そしてその電極の中心部分から電圧
印加のためのリード線を引出した。これを複写機の感光
ドラムに、総圧0.1kgf/cm2で圧接し固定し
た。この複写機の全体概略を図3(側断面)に示す。該
図において、1は銀導電ペーストによって設けた電極2
を、上端に持つ帯電用の該フィルムで、その下端を感光
ドラム6の面に圧接せしめて固定している。そして、電
極2からリード線3を引出し、電圧計5と可変直流電源
4を介して、外箱にリードしている。7は感光ドラム6
の中間層として形成されている電極層につないだリード
線で、外箱にリードしている。8は露光部、9はトナー
供給部、10はトナー用クリーナー、11は転写ドラ
ム、12は複写用紙である。
【0030】そして図3に示す複写機を用いて、まず
1.5kVの直流電圧を、フィルム1に 印加すると共
に、感光ドラム6(該ドラムの感光層には直径約100
μmのピンホール1個を開孔しておいた)を24mm/
秒の速度で回転し、帯電を開始した。まず感光ドラム上
の帯電電位を測定すると、450〜480Vの範囲であ
り、ほぼ均一に帯電されたことが確認できた。次に露光
は行わずに、全面帯電の状態で9からトナー(黒)を供
給し、室温(20℃、RH48%)で紙5000枚にベ
タ印刷を行い、その画質をチェックした。その結果、1
枚目と5000枚目での画質に差は見られず、またピン
ホール部分でのトナーの転写不良もみられず、トナーの
感光面からの離型も良く、全面均一な黒ベタ画像を複写
することができた。
【0031】次に、複写環境を40℃、RH80%にし
て、前記同様複写した。結果は該環境下でも画質に差は
見られず、全面均一に複写することが確認できた。
【0032】
【比較例1】ポリアミド12粉末(エムスジャパン社の
グリルアミドL25)に、22重量%のアセチレンブラ
ックを混合し、実施例と同様にまず2軸押出機(バレル
温度180〜250℃)にて溶融混練して、ペレット化
した。得られたペレットを十分乾燥後、実施例と同様
に、シート成形用スリットダイ付き1軸押出機に供給し
て、フィルム状に押出成形した。得られたフィルムの軟
さ、ゴム弾性においては、実施例と比較して、硬く弾性
はなかった。該フィルムの厚さは100±10μmで、
体積抵抗値は(1〜5)×108Ω・cm(DC100
V印加電圧下)であった。尚、該スリットダイの温度は
250℃に制御した。
【0033】前記得られたフィルムを使って実施例と同
じ測定条件にて、体積抵抗値の電圧依存性と経時変化に
ついてチェックした。結果は図1と図2の折れ線グラフ
上比較例1に示す。
【0034】次に、前記フィルムを使って、実施例と同
じように帯電用に加工し、これを複写機に取付けて、ま
ず電圧印加と共に、感光ドラムを回転して帯電させた
後、帯電電位を測定したところ450〜600Vであっ
た。実施例と比較して、帯電ムラが大きいが、これは該
フィルム自身が硬いために、感光面へのフィット性が悪
いことも原因していると考えられる。
【0035】そして次に、実施例と同一条件にて、ベタ
画像の複写を行った。まず常温での複写においては、1
00枚複写終了時点頃から、ピンホール部分を中心に、
帯状に薄い濃度で筋状を持つベタ画像に変わった。そし
て5000枚目の複写画像の黒ベタの濃度を、最初の数
枚複写したもののそれと比較すると、5000枚目のも
のが全体に薄いことも確認した。この最初と最後の濃度
の差は、図2に示す初期に見られる体積抵抗値の変化に
原因しているものと考えられる。このような現象は、複
写を終わって電圧印加を停止し、再度電圧を 印加し複
写するという場合に繰返し発生することになる。
【0036】
【比較例2】実施例において、アセチレンブラックの添
加混合量を3重量%と35重量%の2水準に変える以外
は、全く同条件にて各々フィルム状に成形した。得られ
たフィルムの厚さは、両者同一で、100±10μmで
あり、また体積抵抗値は3重量%の場合が(1〜3)×
1013Ω・cm、35重量%の場合が(1〜6)×10
2Ω・cmであった。以下3重量%含有フィルムをフィ
ルム3、35重量%含有フィルムをフィルム35と呼
ぶ。
【0037】次に前記得られたフィルム3とフィルム3
5を用いて、これを10×300mmのサイズに各々カ
ットし、以後は実施例と同じようにして電極、リード線
を各々設けて複写機に取付けた。そして各々の場合につ
いて、実施例と同一条件にて、紙にベタ印刷(室温)を
行い、その画質をチェックした。
【0038】結果は、実施例と比較して、フィルム3と
フィルム35共に、黒ベタの温度は全体に薄いレベルに
あり、中でもフィルム3の方が若干薄いことが確認され
た。これはいずれの場合も、感光面への帯電効率が悪
く、トナーを十分に吸着するのに必要な帯電電位に到達
しなかった結果によるものと考えられる。
【0039】尚、オゾンの発生については、比較例1の
場合には、極めて僅少ではあるがオゾン臭を感じたが、
実施例では感じなかった。
【0040】
【発明の効果】本発明は以上に記載するとおり構成され
るので、以下に記載するような効果を奏する。
【0041】印加電圧の変化に対しても、経時変化に対
しても、また環境(温度と湿度)変化に対しても、電気
抵抗値に変化がないので、被帯電体に対して、安定した
電位で帯電せしめることができる。
【0042】特に印加電圧に対して、電気抵抗値が変化
しないという特性は、複写機の感光体に微細なピンホー
ルがあっても、それによる画質の低下をもたらさないこ
とになり、また経時とか、環境とかによって電気抵抗値
が変化しないことは、いつ、どこでも安定した画質で複
写することができることになる。
【0043】また帯電用部材がシート状で、かつ軟質で
弾性にも富むことで、被帯電体面とのフィット性も良
く、オゾンの発生もなく、かつ該シートの摺動摩耗が小
さく、更には被帯電体面に損傷を与えることもない等が
挙げられる。尚、本発明のポリアミドエラストマーシー
トは、特に帯電用部材として利用されるが帯電とは逆の
除電にも有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例と比較例1における印加電圧に対する体
積抵抗値を示す折れ線グラフである。
【図2】実施例と比較例1における経過時間の変化に対
する体積抵抗値を示す折れ線グラフである。
【図3】実施例と比較例における電子写真式複写機の側
断面図である。
【符号の説明】
1.接触帯電用フィルム 2.電極 3.リード線(接触帯電用フィルム側) 4.可変直流電源 5.電圧計 6.感光ドラム 7.リード線(感光ドラム側) 8.露光部 9.トナー供給部 10.トナー用クリーナー 11.転写ドラム 12.複写用紙
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 15/02 101 G03G 21/06 F16C 13/00

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 10〜1012Ω・cmの体積抵抗値
    を有する接触帯電用ポリアミドエラストマーシートにお
    いて、ポリアミドエラストマーが脂肪族ポリアミドセグ
    メントと脂肪族ポリエーテルセグメントとのブロック共
    重合体を主成分としてなるものである接触帯電用ポリア
    ミドエラストマーシート。
  2. 【請求項2】 脂肪族ポリアミドセグメントがポリアミ
    ド12セグメントである請求項1に記載の接触帯電用ポ
    リアミドエラストマーシート。
  3. 【請求項3】 5〜30重量%のカーボンブラックを含
    有することを特徴とする請求項1又は2に記載の接触帯
    電用ポリアミドエラストマーシート。
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