JP3055463B2 - 導電性帯電部材 - Google Patents

導電性帯電部材

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JP3055463B2
JP3055463B2 JP8141908A JP14190896A JP3055463B2 JP 3055463 B2 JP3055463 B2 JP 3055463B2 JP 8141908 A JP8141908 A JP 8141908A JP 14190896 A JP14190896 A JP 14190896A JP 3055463 B2 JP3055463 B2 JP 3055463B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真方式の複
写機,プリンター,ファクシミリ,これらの複合OA機
器等の電子写真装置や静電記録装置などの画像形成装置
における帯電の均一性および安定性に優れた帯電部材に
関する。より詳しくは、感光体や誘電体等の被帯電体表
面に押圧して被帯電体を帯電処理する帯電ロール,帯電
ブレード,転写ロール,転写ブレード等の低硬度で柔軟
性と導電性を備え持つ導電性帯電部材に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真装置や静電記録装置等の画像形
成装置では、感光体や誘電体等の被帯電体表面を帯電処
理することが行われている。帯電処理手段としては、一
般にタングステンワイヤ等に高電圧を印加して発生する
コロナ放電により帯電を行う非接触帯電が広く知られれ
ている。しかし、この非接触帯電方式では、多量のオゾ
ンや窒素酸化物(NOx )が発生し、画像形成装置周辺
の環境汚染を引き起こしていた。また、コロナ放電の生
成物により感光体表面を変質させてしまい、感光体の劣
化や画像のボケの原因になったり、ワイヤの汚れが画質
に影響し、画像白抜けや黒筋が発生するという不具合が
あった。上記非接触帯電方式に対し、帯電部材を被帯電
体に接触させて帯電処理を行う接触帯電方式がある。こ
の接触帯電方式では、帯電部材に印加する電圧が低く、
オゾンの発生量が非常に少ないという利点がある。
【0003】しかし、接触帯電部材においても多くの課
題を抱えていて、種々の提案がなされている。例えば、
特開平1−211779号公報には、導電性基体表面か
ら外方に向かって、低硬度のゴム弾性層、体積抵抗率が
107Ωcm 以下の電子導電系合成樹脂よりなる導電層お
よび体積抵抗率が108 〜1012Ωcmの抵抗層を有する
帯電部材が開示されている。この帯電部材によれば、帯
電ムラのない均一な帯電特性を有し、感光体の欠陥部位
を絶縁破壊させることがなく、しかもピンホールがある
場合でも電気的なリークに起因する画像欠陥を防止する
ことができるとしている。また、例えば特開平7−77
859号公報には、軸体の外周面上に、体積抵抗率が1
6〜109Ωcmのイオン導電系弾性体よりなる基層、体
積抵抗率が103Ωcm以下の電子導電系合成樹脂よりな
る電極層、さらに基層と同様の材料よりなる抵抗調整層
および体積抵抗率が106Ωcm 程度の保護層を順次設け
た導電性ロールが開示されている。この導電性ロールに
よれば、中抵抗の基層により電圧を印加した時の電圧分
布の分散化が図られるので、異常放電時の耐電圧性能が
効果的に高められ、リークの発生が防止されるとしてい
る。
【0004】高分子材料に導電性を付与する方法とし
て、カーボンブラック,金属粉等の電子導電剤を配合し
て導電性を付与する電子導電方式i)と、第四級アンモ
ニウム塩,過塩素酸塩等のイオン導電剤を配合して導電
性を付与する後者の公報に記載のイオン導電方式ii)と
が知られている。これらの方式は互いに下記のような相
違がある。電子導電方式i)は粒子分散であることか
ら、温度および湿度の影響を受けにくい反面、電子導電
性粒子配合の高分子材料表面における抵抗値のバラツキ
が約1桁以上と大きい。また、被帯電体表面に押圧させ
た時の加圧等により、電子導電性粒子の接触度合いの変
化に起因して抵抗値が変化し、帯電性能を不安定にした
り、異常放電を発生することがある。一方、イオン導電
方式ii)は導電剤が弱い電気的化学的力により高分子材
料に結合した分子分散であることから、上記抵抗値のバ
ラツキが小さい。しかし、電子導電方式と比較して、温
度および湿度、特に水分の影響を受けやすく抵抗値の変
動が大きく、使用環境下では同様に抵抗値が約1桁以上
変動する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、電子導電
方式は、イオン導電方式と比較して、環境安定性に優れ
ている反面、抵抗値の局所的なバラツキが大きいという
唯一の大きな欠点を有する。そこで、本発明の目的は、
上述の問題点を解決しようとするものであって、各層の
実抵抗値のバラツキが大きくても、層構成材料の体積抵
抗率の中心値が所定の範囲にあれば、実抵抗値のバラツ
キを従来の技術の1つであるイオン導電方式による帯電
部材と同等あるいはそれ以下に抑えると共に、抵抗値の
経時変化を抑え、かつ実使用時における加圧等に起因す
る不安定要因を抑制し、結果として製造工程が簡素化さ
れ、安定した帯電電圧と帯電電荷を付与することが可能
な帯電部材を安価に提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、電子導電方
式およびイオン導電方式の欠点を解消すべく、鋭意研究
・検討を重ねてきたところ、それぞれ所定の体積固有抵
抗率に調整された電子導電性のゴム弾性抵抗層、短絡層
および保護層の3層構造からなる帯電部材において、中
間層の短絡層を低抵抗化してその下層に設けたゴム弾性
抵抗層に対し最適な抵抗領域を設定すると共に、ゴム弾
性抵抗層と短絡層との体積固有抵抗率の差を少なくとも
107 Ωcm持たせることにより、実抵抗値のバラツキが
小さく、かつ環境の影響を受けにくい帯電部材が得られ
ることを見い出し、本発明をなし得るに到ったものであ
る。すなわち、本発明は、電圧を印加した状態で被帯電
体表面に押圧させて該被帯電体を帯電させる導電性帯電
部材において、電気良導伝性の基体上に、ゴム弾性を示
す第一の高分子材料に電子伝導性粒子を配合した体積抵
抗率1010〜1012Ωcmのゴム弾性抵抗層と、電子伝導
性の蒸着膜で構成するかまたは第二の高分子材料に電子
伝導性粒子を配合した体積抵抗率が103 Ωcm以下の短
絡層と、第三の高分子材料に電子伝導性粒子を配合した
体積抵抗率105〜107Ωcmの保護層とが順次積層され
たことを特徴とする。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の導電性帯電部材は、帯電ロールとして使用する
場合、図1A,Bに示すように、中実円柱状または中空
円筒状の電気良導伝性の基体1a外周面にゴム弾性抵抗
層1bが固定され、ゴム弾性抵抗層1b表面が短絡層1
cで被覆され、短絡層1cが保護層1dで被覆された3
層構造の導電性ロールから構成される。各層間には必要
に応じて接着層を介在させてもよい。電気良導伝性の基
体(以下、導電性基体という)は、帯電部材の電極およ
び支持部材として機能するもので、例えばアルミニウ
ム,銅合金,ステンレス鋼等の金属または合金、クロ
ム,ニッケル等で鍍金処理を施した鉄,合成樹脂などの
導電性の材質で構成される。導電性基体の外径は通常4
〜12mmの範囲にある。本発明においては、帯電部材
の抵抗値の決定と抵抗値のバラツキを抑制する機能をゴ
ム弾性抵抗層と短絡層とに受け持たせている。
【0008】ゴム弾性抵抗層は、ゴム弾性を示す第一の
高分子材料に電子伝導性粒子を配合させることによっ
て、体積抵抗率が1010〜1012Ωcmの範囲に調整され
る。このように、体積抵抗率を従来のものと比較してか
なり高く設定しているため、ゴム材料中への電子伝導性
粒子の配合量が少なくて済み、ゴム弾性抵抗層により帯
電部材に必要な低硬度と柔軟性を確保することができ
る。なお、ゴム弾性抵抗層の硬度は、被帯電体との接触
性の点からなるべく柔らかい方が好ましいが、必ずしも
特定の硬度に限定する必要はない。また、ゴム弾性抵抗
層の厚さは2〜4mmの範囲にあればよく、これにより
実抵抗値が107 〜1010Ωの弾性抵抗層が形成され
る。
【0009】前記第一の高分子材料としては、特に限定
されるものではないが、イソプレンゴム,クロロプレン
ゴム,エピクロルヒドリンゴム,ブチルゴム,ウレタン
ゴム,シリコーンゴム,フッ素ゴム,SBR,NBR,
EPDM,アクリロニトリル−ブタジエン−スチレンゴ
ム、これらのブレンドゴム等が挙げられる。中でも、イ
ソプレンゴム,シリコーンゴム,EPDMが好ましく用
いられる。これらのゴム材料は発泡したものでもあるい
は無発泡のものでもよい。電子伝導性粒子としては、カ
ーボンブラック、グラファイト、アルミニウム,銅,ニ
ッケル,ステンレス鋼等の各種導電性金属または合金、
酸化錫,酸化アンチモン,酸化インジウム,酸化チタ
ン,酸化亜鉛,酸化錫−酸化アンチモン固溶体,酸化錫
−酸化インジウム固溶体等の各種導電性金属酸化物、絶
縁物質の表面を導電化処理したものなどの微粉末を用い
ることができる。これらの電子伝導性粒子は、2種以上
を併用してもよく、短絡層および保護層を構成する高分
子材料にも配合される。
【0010】短絡層は、第二の高分子材料に電子伝導性
粒子を配合させることによって、体積抵抗率が103 Ω
cm以下に調整される。また、電子伝導性の蒸着膜で構成
してもよい。この短絡層の短絡機能により、ゴム弾性抵
抗層の胴表面全域を短絡し、抵抗値の高い弾性抵抗層を
並列に接続する。短絡層の胴表面の抵抗値は、ゴム弾性
抵抗層の形状,体積,表面積および材料固有の体積抵抗
率から決定されるが、前記導電性基体と短絡層の胴表面
間の実抵抗値は短絡層の胴表面のいずれの場所で測定し
ても、その差(バラツキ)は非常に小さい。電子伝導性
粒子を高分子材料に配合させる場合、短絡層の膜厚は5
〜10μmの範囲にあることが好ましく、これにより実
抵抗値が104〜107Ωの短絡層が形成される。なお、
短絡層の体積抵抗率は、蒸着膜で形成される場合のよう
に、101 Ωcm以下であっても機能上何ら不都合はない
が、塗布方法により短絡層を形成するときは、塗布装置
のコストや性能上の制約から一般的に101 Ωcm程度に
設定される。第二の高分子材料としては、柔軟で可撓性
のあるものが好ましく、ポリエステル,ナイロン樹脂等
のポリアミド,ポリカーボネート,塩化ビニル−酢酸ビ
ニル共重合体等の塩化ビニル系ポリマー,シリコーン,
ポリウレタンなどの熱可塑性樹脂またはエラストマーが
挙げられる。また、エポキシ樹脂,フェノール樹脂,ポ
リエステル樹脂等の熱硬化性樹脂を用いることもでき
る。
【0011】保護層は、第三の高分子材料に電子伝導性
粒子を配合させることによって、体積抵抗率が105
107Ωcmの範囲に調整される。第三の高分子材料とし
ては、フッ素樹脂,シリコーン,ポリアミド等、上記第
二の高分子材料と同様の材料が用いられる。保護層の膜
厚は、5〜20μmの範囲さらには7〜15μmの範囲
にあることが好ましく、これにより実抵抗値が104
107Ωの保護層が形成される。膜厚が5μmより薄く
なると、長期にわたる使用中に保護層が摩耗してリーク
が発生しやすくなる。一方、膜厚が20μmより厚い
と、帯電部材の実抵抗値が適正値より高くなる。この保
護層の体積抵抗率および膜厚と前記ゴム弾性抵抗層の体
積抵抗率とを適宜調整することによって、帯電部材の抵
抗値を適切に調整することが可能である。一般に、導電
性帯電部材の硬度は、帯電部材およびシステムの寸法精
度をカバーするもので、JIS A で35°以下にある
ことが好ましく、20〜30°の範囲にあることが特に
好ましい。また、帯電部材の導電性基体と被帯電体との
間には、直流および交流の重畳電圧が印加される。
【0012】本発明の導電性帯電部材は例えば次のよう
にして製造することができる。まず、第一の高分子材料
と電子伝導性粒子および加硫剤や適宜配合される加硫促
進剤等の配合剤を混合し、充分に混練してゴム組成物を
調製する。次いで、使用するゴム材料の性質に応じて、
射出成形法,圧縮成形法,トランスファー成形法等によ
り上記ゴム組成物を成形した後、同様にゴム材料に適し
た加硫を行って導電性基体(1a)上にゴム弾性抵抗層
(1b)を形成する。次に、弾性抵抗層(1b)を被覆する
短絡層(1c)の形成には、操作の簡便性や製造コストか
ら、浸漬法、エアスプレー法等の塗布方法が採用され
る。塗布液は第二の高分子材料とこれを溶解する有機溶
剤に電子伝導性粒子を添加し調製される。次いで、上記
塗布液をゴム弾性抵抗層(1b)表面に塗布した後、硬化
させることにより短絡層(1c)が形成される。また、短
絡層(1c)は電子伝導性材料の蒸着によりゴム弾性抵抗
層(1b)上に直接形成することもできる。さらに、塗布
方法による短絡層(1c)の形成と同様にして、保護層
(1d)を短絡層(1c)上に形成すると、本発明の導電性
帯電部材(1)が製造される。
【0013】以上、帯電ロールについて主として説明し
てきたが、本発明の導電性帯電部材の形態は、ブロック
状、ブレード状あるいはベルト状であってもよい。ブロ
ック状またはブレード状の帯電部材は、図2A,Bに示
すように、厚さ方向に関して、帯電部材2,3が押圧配
置される被帯電体6とは反対側面のゴム弾性抵抗層2
b,3bが、板状の導電性基体2a,3aに接着・固定
され、ゴム弾性抵抗層2b,3b上に短絡層2c,3c
および保護層2d,3dが順次積層されている。また、
ベルト状の帯電部材は、図2Cに示すように、矢印方向
に移動する3層構造の帯電部材4が、ロール状の導電性
基体4aとベルト支持ロール5,5′に張架され、導電
性基体4aにより被帯電体6に押圧される。本発明の導
電性帯電部材は、帯電器以外にも転写器や除電器等に適
用することができる。転写器における帯電部材として使
用する場合は、帯電部材が用紙等の転写材を介して感光
体等の被帯電体に押圧され、その実抵抗値は107 〜1
10Ωの範囲に調整される。また、除電器における帯電
部材として使用する場合は、帯電部材が被帯電体に直接
接触し、その実抵抗値は102〜104Ωの範囲に調整さ
れる。
【0014】(発明の作用)本発明の導電性帯電部材
は、体積抵抗率1010〜1012Ωcmのゴム弾性抵抗層
と、体積抵抗率103Ωcm 以下の短絡層と、体積抵抗率
105〜107Ωcmの保護層とが順次積層された3層構造
からなる。このように、従来の帯電部材と比較して、ゴ
ム弾性抵抗層に必要な材料の体積抵抗率を2〜3桁高く
したことから、カーボンブラック,金属粉等の電子伝導
性粒子の配合比率を低下させることが可能となり、第一
の高分子材料のゴム弾性特性を損なう度合いが小さい。
ゴム弾性抵抗層の体積抵抗率を上げたことと、印加電圧
の大半を短絡層の胴表面全域と導電性基体との間で集中
的に受け持つことにより、耐電圧性能を著しく向上させ
ることができる。電子導電方式で構成された従来の帯電
部材では、実使用時の加圧等により実抵抗値が変化する
ことに起因して、帯電性能の不安定さ、異常放電等の不
具合を潜在的に有する。これに反して、ゴム弾性抵抗層
と保護層との間に短絡層を介在させた本発明の帯電部材
では、ゴム弾性抵抗層中に分散した電子伝導性粒子間の
接触度合いが変化して、ゴム弾性抵抗層内部の実抵抗値
が不安定になっても、短絡層によりゴム弾性抵抗層の胴
表面全域が短絡されているため平準化され、加圧等によ
る影響を大幅に低減することができる。また、電子伝導
性粒子の配合比率が高い短絡層においては、短絡層の機
能と、その機能に合致した材料の体積抵抗率が低いこと
から、たとえ電子伝導性粒子間の接触度合いが変化した
場合でも、帯電部材表面の実抵抗値に与える影響が減少
する。
【0015】さらに、本発明の導電性帯電部材は、電子
導電方式を採用しているため、長期間使用しても抵抗値
が上昇するようなことがなく、抵抗値の経時的安定性に
優れている。また、例えば弾性層および保護層のいずれ
もが本発明と同じ電子導電方式とする2層構造の帯電部
材においては、抵抗値水準が上記2層で決定されるが、
各層の抵抗値のバラツキが大きいため、各層にわたって
抵抗値の検査工程を必要としていた。一方、本発明で
は、層構成材料の体積抵抗率が所定の範囲にあれば、上
述のように、弾性層の実抵抗値は短絡層の機能によりバ
ラツキが無視できると共に、短絡層は元々抵抗を下げて
いることからやはりバラツキを無視することができる。
しかも、保護層は膜厚が薄く形成されているため、その
構成材料が安定したものであれば、同様に実抵抗値のバ
ラツキが無視できる。したがって、抵抗値の検査工程を
敢えて必要としないので、結果的に製造工程が簡略化さ
れるという利点がある。
【0016】
【実施例】以下、本発明を実施例によって具体的に説明
するが、本発明は下記の実施例に限定されるものではな
い。 (画像形成装置)図3は図1に示す本発明の帯電ロール
が組み込まれた画像形成装置の全体説明図である。図3
において、画像形成装置U本体内部には、矢印方向に回
転する円筒状の感光体(被帯電体)11が配置されてい
て、静電潜像担持体として機能する。画像形成装置U本
体内部の一側部には、感光体11表面に静電潜像を書き
込むレーザ書込装置12が配置されている。円筒状の感
光体11の周囲には、その回転方向に沿って、順次感光
体11表面を一様に帯電する帯電器13、上記静電潜像
を顕像化する現像器14、顕像化されたトナー像を用紙
(転写材)に転写させる転写器15、および感光体11
上の残留トナーを除去するクリーニング装置16が、そ
れぞれ配置されている。上記現像器14はトナーを収納
する容器14aを備えている。この容器14a内には、
トナーを撹拌する撹拌部材14b,14bと、回転可能
な現像剤担持体14cと、担持体14cにトナーを供給
するトナー供給ローラ14dとが設けられている。現像
剤担持体14cは、容器14aの開口部に臨んでいて、
感光体11表面と僅かな間隙を介して容器14aに支持
されている。また、上記クリーニング装置16はケーシ
ング16aを備えている。このケーシング16aには金
属製のブレードホルダ16bが固定されていて、その先
端部にはシート状のクリーニングブレード16cが固着
されている。クリーニングブレード16cは、その先端
のエッジ部が感光体11表面に当接している。
【0017】画像形成装置U本体の下部には、用紙を収
容する給紙トレイ17が配置されている。給紙トレイ1
7の上面端部には給紙トレイ17から用紙を一枚ずつ取
り出す用紙取出ローラ18が配置されている。用紙取出
ローラ18の側部上方には、一対の用紙搬送ローラ19
によって搬送される用紙をガイドする一対の用紙ガイド
20が配置されている。画像形成装置U本体内部の他側
部上部には、加熱ローラ21aおよび加圧ローラ21b
を有する定着装置21が配置されていて、定着装置21
と前記転写器15との間にはトナー像が転写された用紙
を搬送する搬送路22が設けられている。また、定着装
置21の上方には、一対の排出ローラ23と、トナー像
が定着された用紙を定着装置21から排出ローラ23ま
でガイドする搬送路24が設けられている。そして、画
像形成装置U本体の上面には、上記排出ローラ23から
排出される用紙を載置する排紙トレイ25が形成されて
いる。
【0018】(帯電器)図4は図3の要部拡大図であっ
て前記帯電器の構造を示す。図4において、帯電器13
は前記帯電ロール1を備えている。この帯電ロール1
は、その金属シャフト1aの両端部がクリーニング装置
16の前記ケーシング16aに固定された支持部材31
により支承されている。また、一端が支持部材31に他
端がシャフト1aの端部にそれぞれ固定された2つの加
圧スプリング32の付勢力によって、帯電ロール1は感
光体11表面に押圧され接触している。上記支持部材3
1には金属製のパッドホルダ33が固定されていて、そ
の先端部に固着されたシート状のクリーニングパッド3
4により、帯電ロール1表面にトナーが極く僅かに付着
してもこれを取り除くようになっている。さらに、上記
金属シャフト1aには、直列に接続した直流電源35お
よび交流電源36から重畳振動電圧が印加される。した
がって、帯電ロール1は、シャフト1aを介してゴム弾
性抵抗層1b、短絡層1cおよび保護層1dによって、
保護層1dと接触しながら所定の方向に回転する感光体
11表面を一様に帯電処理することができる。
【0019】本発明における画像形成装置Uの作用は、
従来のものと同様であり、簡単に説明すると次のとおり
である。上述のように、重畳振動電圧が印加された帯電
ロール1によって、矢印方向に回転する感光体11はそ
の表面が一様に帯電される。一様に帯電された感光体1
1はレーザ書込装置12により静電潜像が書き込まれ
る。感光体11上の静電潜像は現像器14によりトナー
像に現像される。トナー像は転写器15により給紙トレ
イ17から搬送されてくる用紙に転写される。転写され
たトナー像が定着装置21により定着された後、用紙は
排出ローラ23により排紙トレイ25上に排出される。
また、上記トナー像が用紙に転写された後、感光体11
表面に残留していたトナーはクリーニング装置のブレー
ド16cにより除去され、次の電子写真プロセスに備え
る。
【0020】(帯電ロールの製造)一液型メチルポリシ
ロキサン系シリコーンゴム100重量部にカーボンブラ
ックを表1に示す配合量で添加し、混練して導電性ゴム
組成物を調製した。このゴム組成物を外径6mm,軸長
230mmの金属シャフト(1a)外周面に加硫成形し
て、外径12mm(厚さ3mm)のゴム弾性抵抗層(1
b)を形成した。次に、ナイロン6/66/610系ア
ルコール可溶性ポリアミド100重量部をメタノールに
溶解した後、カーボンブラックを表2に示す配合量で添
加し、充分に撹拌してカーボンブラックを均一に分散さ
せた塗布液を調製した。この塗布液をゴム弾性抵抗層
(1b)表面に塗布し、乾燥して膜厚10μmの短絡層
(1c)を形成した。さらに、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体100重量部をトルエンに溶解した後、カーボン
ブラックを表3に示す配合量で添加し、充分に撹拌して
カーボンブラックを均一に分散させた塗布液を調製し
た。この塗布液を短絡層(1c)表面に塗布した後、加熱
・硬化して膜厚10μmの保護層(1d)を形成した。以
上ようにして、JIS A で硬度33±3°の帯電ロー
ル(1)を製造した。
【0021】カーボンブラックの配合量と上記各層(1
b〜1d)の体積抵抗率との関係を下記の表1〜3に示
す。表1〜3には、参考例として所定の体積抵抗率から
外れた関係にある例も示している。
【表1】
【表2】
【表3】
【0022】次に、表4に示す体積抵抗率(Rv)を有
する各層(1b〜1d)を組み合わせた6つの帯電ロール
について、各層の実抵抗値とそのバラツキを測定した。
表4中の各ロールにおける上段の数値は実抵抗値を示
し、下段の数値はそのバラツキを示す。実抵抗値は、常
温常湿(23℃・60%RH)下に、金属シャフト(1
a)と各層(1b〜1d)外周面の間の抵抗値であって、
直径10mm,幅4mmのローラ電極に50gの荷重を
かけながら、同一層外周面の任意の30箇所で測定した
抵抗値の算術平均をとった。また、実抵抗値のバラツキ
とは、30箇所で測定された上記抵抗値の最大値と最小
値の差をいい、例えば0.2桁以下は1.6(log1.6
= 0.2)倍以下を意味する。
【0023】
【表4】 表4から明らかなように、本発明の帯電ロールは、体積
抵抗率が103 Ωcm以下の短絡層を介在させたことによ
り、実抵抗値のバラツキが0.2桁以下に収斂している
ことが分かる。
【0024】表4に示す帯電ロールにおいて、各層(1
b〜1d)の体積抵抗率が上限値のロールA−1および
体積抵抗率が下限値のロールC−2(ただし、短絡層の
体積抵抗率は101 Ωcmとした)について、高温高湿
(30℃・85%RH)および低温低湿(10℃・15
%RH)の各環境下で、上述の測定法と同様にして、金
属シャフト(1a)とロール表面の間の抵抗値を測定し
た。従来例として、短絡層を設けなかった2層構造の電
子導電方式の帯電ロールおよびイオン導電方式の帯電ロ
ールについても、同様に抵抗値を測定した。前者の帯電
ロールは、EPDMにカーボンブラックを配合したゴム
弾性抵抗層と、ナイロン樹脂に金属酸化物を配合した保
護層からなる。後者の帯電ロールは、EPDMに過塩素
酸リチウムを配合したゴム弾性抵抗層と、ナイロン樹脂
に金属酸化物を配合した保護層からなる。各帯電ロール
の他の構成は、前記「帯電ロールの製造」に示したもの
と同様である。
【0025】下記の表5には、同一帯電ロール表面の任
意の30箇所で測定した抵抗値の算術平均を実抵抗値の
「バラツキ」とし、高温高湿と低温低湿における上記測
定値の平均値の変動幅を「環境変動」として示す。ま
た、耐電圧性能、ピンホールリークおよび画質の評価結
果を併せて表5に示す。「耐電圧性能」の評価は、金属
シャフト(1a)と直径10mm,幅1mmのローラ電極
の間に2.5kVの電圧を印加し、帯電ロール表面に5
0gの荷重をかけたローラ電極を押圧させて帯電ロール
を回転させながら、帯電ロール表面のほぼ全域にわたっ
て耐電圧性能を調査した。また、「ピンホールリーク」
の評価は、感光体表面に1mmのピンホールを形成し、
金属シャフト(1a)と感光体の導電性基体の間に交流電
圧2.5kVP-Pを印加して、リークが発生したかどうか
を調査した。さらに、「画質」の評価は、図3に示す画
像形成装置を作動させて画像出しを行って、画質欠陥が
発生したかどうか等、画質の状態を判定した。
【0026】
【表5】 〇 : 異常放電の発生なし
【0027】
【発明の効果】本発明は、表5の評価結果からも明らか
なように、電子導電方式の特長である環境安定性を維持
しながら、帯電部材の表面抵抗値の均一性が向上し、す
なわち実抵抗値のバラツキを抑えることができ、かつ耐
電圧(リーク)性能が向上し、安定した帯電性能を達成
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一例として示す3層構造の帯電部材
の説明図であって、図1Aはその斜視図であり、図1B
は断面図である。
【図2】 本発明の別の例として示す帯電部材の説明図
であって、図2A,図2Bおよび図2Cはそれぞれ異な
るタイプの帯電部材の断面図である。
【図3】 本発明の帯電部材が組み込まれた画像形成装
置の全体説明図である。
【図4】 帯電器の構造を示す図3の要部拡大図であ
る。
【符号の説明】
1〜4…帯電部材、1a〜4a…電気良導伝性基体、1
b〜3b…ゴム弾性抵抗層、1c〜3c…短絡層、1d
〜3d…保護層、6…被帯電体(感光体)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 13/02 G03G 13/16 G03G 15/02 G03G 15/16 F16C 13/00

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電圧を印加した状態で被帯電体表面に押
    圧させて該被帯電体を帯電させる導電性帯電部材におい
    て、電気良導伝性の基体上に、ゴム弾性を示す第一の高
    分子材料に電子伝導性粒子を配合した体積抵抗率1010
    〜1012Ωcmのゴム弾性抵抗層と、電子伝導性の蒸着膜
    で構成するかまたは第二の高分子材料に電子伝導性粒子
    を配合した体積抵抗率が103 Ωcm以下の短絡層と、第
    三の高分子材料に電子伝導性粒子を配合した体積抵抗率
    105〜107Ωcmの保護層とが順次積層されたことを特
    徴とする導電性帯電部材。
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