JPH11278703A - 搬送用粘着ロ−ル - Google Patents

搬送用粘着ロ−ル

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JPH11278703A
JPH11278703A JP7609998A JP7609998A JPH11278703A JP H11278703 A JPH11278703 A JP H11278703A JP 7609998 A JP7609998 A JP 7609998A JP 7609998 A JP7609998 A JP 7609998A JP H11278703 A JPH11278703 A JP H11278703A
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adhesive
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silicone rubber
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Tadahiro Inagaki
忠弘 稲垣
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Hokushin Industry Co Ltd
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Hokushin Industries Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた粘着性を長期に亘って有し、交換など
の手間をかけることなく、長期に亘って使用することが
できる搬送用粘着ロールを提供する。 【解決手段】 ゴム加硫物からなるゴム層1と、このゴ
ム層1の表面に設けられて粘着性を有する粘着層3とを
具備する搬送用粘着ロールにおいて、前記粘着層3は、
二液を所定割合で混合することによりシリコーンゴム層
を形成するシリコーンゴム材料から形成され、前記二液
の混合割合を前記所定割合から変更することにより硬度
調節された粘着シリコーンゴム層からなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面に粘着性を有
し、クリーニング機能を有する搬送用粘着ロールに関
し、テレホンカード、プリペイドカード、キャッシュカ
ード等のカード類、又は紙幣、切符等に印刷するための
カード類印刷機、または一般的なプリンタ、複写機等に
おいて、被印刷物を搬送するために用いて好適なもので
ある。
【0002】
【従来の技術】テレホンカード、プリペイドカード、キ
ャッシュカード等のカード類、あるいは紙幣、切符等を
搬送しながら印刷を行うカード類印刷機、または一般的
なプリンタ、電子写真複写機等には、被印刷物を搬送す
るための搬送用粘着ロールが用いられている。また、こ
のような搬送用粘着ロールで搬送される被印刷物は、静
電気等により表面に埃等が付着し易く、印刷品質が低下
するという問題を解消するために、被印刷物の表面に付
着したゴミ、埃等をクリーニングしながら搬送するクリ
ーニング機能付き搬送用粘着ロールが用いられるように
なってきた。
【0003】従来のクリーニング機能付き搬送ロールと
しては、ゴム硬度が、JIS Aで30〜50度のポリ
ウレタンゴム、シリコーンゴム等で成形して表面を研磨
したもの、または、クロロプレンゴム(CR)、EPD
M等のゴム層の表面にポリウレタンゴム、シリコーンゴ
ム等をコーティングして粘着性を付与したものが知られ
ている。さらに、粘着成分を配合することにより粘着性
を出した搬送用ロールも知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たクリーニング機能付き搬送用粘着ロールは、粘着性が
低く、クリーニング性能が十分でないという問題があ
る。一方、配合剤によって粘着性を発現するような搬送
用ロールについては、ブリードによって粘着成分が徐々
に失われ、最終的には粘着性がなくなってしまうという
問題がある。
【0005】また、表面にコーティング層を有するもの
は、複層構造のために層間剥離が生じやすく、耐久性に
劣るという問題があり、これに伴い、搬送ロールを所定
期間毎に交換しなければならず、手間やコストがかかる
という問題がある。一方、層間の接着性を高めるために
コーティング層の下地としてプライマーを用いたものが
あるが、プライマーの作用によりコーティング層の粘着
性が低下するという問題がある。さらに、理想的な粘着
性を得るためには、様々な要求に対してそれぞれ種類の
異なる粘着層を用意しなければならず、製造工程が煩雑
になり、手間とコストがかかるという問題もある。
【0006】なお、加硫時間を意識的に短くして反応を
途中で停止させて分子量の低い粘着層を形成することに
より粘着性を上昇させることも検討したが、内部に未反
応の反応剤・低分子量化合物などが残存してしることに
より、物性が安定せず、長期間の使用や溶剤による洗浄
による内部物質の溶出等により、クリーニング性能が変
化してしまう。
【0007】そこで、本発明は、このような事情に鑑
み、優れた粘着性を長期に亘って有し、交換などの手間
をかけることなく、長期に亘って使用することができる
搬送用粘着ロールを提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決する本発
明は、ゴム加硫物からなるゴム層と、このゴム層の表面
に設けられて粘着性を有する粘着層とを具備する搬送用
粘着ロールにおいて、前記粘着層は、二液を所定割合で
混合することによりシリコーンゴム層を形成するシリコ
ーンゴム材料から形成され、前記二液の混合割合を前記
所定割合から変更することにより硬度調節された粘着シ
リコーンゴム層からなることを特徴とする搬送用粘着ロ
ールにある。
【0009】本発明の第2の態様は、第1の態様におい
て、前記所定割合が1:1であり、前記粘着シリコーン
ゴム層が、10:9〜10:1の混合割合にすることに
より硬度調節されていることを特徴とする搬送用粘着ロ
ールにある。
【0010】本発明の第3の態様は、第1の態様におい
て、前記所定割合が1:1であり、前記粘着シリコーン
ゴム層が、3:2〜4:1の混合割合にすることにより
硬度調節されていることを特徴とする搬送用粘着ロール
にある。
【0011】本発明の第4の態様は、第1〜3の何れか
の態様において、前記粘着シリコーンゴム層は、完全に
加硫され且つ二次加熱されて、未反応の反応剤や低分子
化合物を含まないことを特徴とする搬送用粘着ロールに
ある。
【0012】本発明の第5の態様は、第1〜4の何れか
の態様において、前記粘着性は、前記ゴム層と前記粘着
シリコーンゴム層との間には、両者と強固に接着される
プライマ層を有することを特徴とする搬送用粘着ロール
にある。
【0013】本発明の第6の態様は、第1〜5の何れか
の態様において、前記粘着シリコーンゴム層のゴム硬度
が、JIS Aで10〜90°であることを特徴とする
搬送用粘着ロールにある。
【0014】本発明の第7の態様は、第1〜6の何れか
の態様において、前記粘着シリコーンゴム層のゴム硬度
が、JIS Aで20〜60°であることを特徴とする
搬送用粘着ロールにある。
【0015】かかる本発明では、シリコーンゴム材料の
二液の混合割合を所定割合から変更することにより、意
図的に硬化後の架橋密度を低下させて粘着シリコーンゴ
ム層を形成する。ここで、本発明では二液の混合割合を
所定割合から変更するが、加硫条件、二次加熱の条件は
通常とすることにより、未反応の反応剤または副生成
物、溶剤などの残留がない状態で粘着性を発現すること
ができる。また、このため、アルコール等による洗浄の
際に内部物質が溶出することなく、クリーニング性能が
変化することがない。さらに、トルエン、アセトンなど
による洗浄では表面粘着層が膨潤するが、長時間風乾あ
るいは加熱乾燥することによって粘着性及び耐久性を完
全に元の状態に回復することが可能である。
【0016】なお、架橋密度の低下により、粘着層自体
の強度は多少低下するが、後述するようなプライマを併
用することにより、使用の際に発生する剥離力に対して
優れた抵抗力を有するようになり、粘着性と耐久性との
高度なレベルでの両立が可能である。
【0017】粘着層を形成するシリコーンゴム材料の二
液の混合割合は、所定割合が1:1である場合、10:
9〜10:1、好ましくは、3:2〜4:1とするのが
よい。混合割合がこれより所定割合の1:1に近づく
と、粘着性に乏しくなり、クリーニング性能に劣ると同
時に、クリーニング性能の持続時間も短くなる傾向にあ
り好ましくない。また、この範囲を超えて偏らせると、
粘着性は向上するものの、強度が著しく低下し、長期間
の使用に耐えるだけの耐久性が得られ難くなる。
【0018】本発明で、ゴム層を形成するゴム加硫物の
種類、配合等は特に限定されないが、粘着層と同様の構
造を有し且つ温度依存性の小さいシリコーンゴム、ある
いはポリウレタンゴムなどの分子鎖中に官能基を有する
ゴムが好ましい。また、シリコーンゴム、ポリウレタン
ゴムの他、EPDM(エチレンプロピレン3元共重合
体)、CR(クロロプレンゴム)、NBR(アクリロニ
トリルブタジエンゴム)、SBR(スチレンブタジエン
ゴム)、IIR(ブチルゴム)、BR(ポリブタジエ
ン)及びこれらのブレンドゴム並びに各種熱可塑性ゴム
を用いることもできる。さらに、接着性を向上するため
にプラズマ処理、酸、アルカリ処理に代表される表面処
理を施してもよい。また、ゴム層のゴム硬度は、JIS
Aで20〜60°程度とするのが好ましい。
【0019】また、かかる粘着層とゴム層との間に、プ
ライマ層、好ましくは、シリコーン系のプライマ層を用
いることにより、ゴム層と十分な接着性を示し、また、
耐久性が相乗的に増加する。このプライマとしては、ゴ
ム層と粘着シリコーンゴム層との間で化学結合するもの
であれば種類は特に限定されず、例えば、プライマN
o.101A/B(信越化学工業(株)製)を挙げるこ
とができる。
【0020】従来の粘着ゴムロールでは、プライマを用
いることにより粘着性の低下を引き起こしていたが、粘
着層の混合割合を所定割合から変更することにより、プ
ライマの影響による粘着性の低下を回避することがで
き、高い粘着性と強固な剥離性とを両立することができ
る。また、配合割合の制御を確立するだけで、従来と同
一の材料を用いつつも所望の粘着性を得ることができ、
設備、作業の工数等の面で余分のコストアップを必要と
しない。
【0021】このような本発明の搬送用粘着ロールは、
45度に傾斜させたガラス板上に静置可能な程度の粘着
性を有し、クリーニング機能付き搬送用粘着ロールとし
て優れたものである。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施例に基づいて
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0023】(実施例1〜5)ゴム硬度がJIS Aで
40°のシリコーンゴムを170℃で10分間電熱プレ
ス成形して円筒状の灰色のゴム素材を加硫形成し、21
0℃で4時間の二次加硫を行った後、これに軸を圧入
し、外径を17.0になるように、表面粗さ30μm以
内に研磨してゴム基体を得た。
【0024】このゴム基体の表面に、シリコーン系プラ
イマ(No.101A,B;信越化学工業(株)製)を
用いてディッピング法によりプライマ層を形成した。ま
た、乾燥後、さらに、シリコーンゴム(KE−138
0)のA液及びB液を、下記表1の割合で混同し且つ粘
度を5ポイズに調整したものを、ディッピング法により
コーティングし、150℃の電熱槽の中で10分間加硫
した後、210℃で4時間2次加硫を行い、赤色のコー
ティング層を形成した。さらに、幅が45mmになるよ
うに両端をカットして本実施例の搬送用粘着ロールを得
た。
【0025】かかる搬送用粘着ロールは、図1に示すよ
うに、ゴム層1上に、プライマ層2を介して粘着層3を
有するものであり、本実施例では、中心に軸4を有す
る。
【0026】
【表1】
【0027】(比較例1)HTVシリコーンゴム170
℃で10分間電熱プレス成形して筒状のゴム成形体を加
硫成形し、その表面を研磨して比較例1の搬送用ロール
とした。このゴム層のゴム硬度は、JIS Aで40度
であった。なお、これは、従来使用されているものであ
る。 (比較例2)比較例1と同様にゴム成形体を成形した
後、表面に、粘度を5ポイズに調整したシリコーンゴム
(KE−1380A液及びB液の混合物(50:5
0);信越化学工業(株)製)を用い、実施例と同様に
して搬送用ロールを形成した。
【0028】(試験例)上述した実施例1〜5および比
較例1及び2の搬送用粘着ロール用の軸を除去したもの
を、図2に示すように、ガラス基板30上に載せてガラ
ス基板30を傾け、各搬送用粘着ロールが転がり落ちる
角度を測定し、粘着性の比較を行った。この結果を表2
に示す。なお、表2の粘着力は、ゴム成形体10が30
秒以上静止しても、転がり落ちない場合の、ガラス基板
30の最大傾き角度を示す。
【0029】一方、比較例1および2のゴム成形体は、
35度で転がり落ちた。
【0030】これらの結果から、実施例1〜5の搬送用
粘着ロールは、比較例1および2に示すような従来の搬
送用粘着ロールと比較して粘着性が優れていることが判
った。
【0031】
【表2】
【0032】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
従来より優れた粘着性を有し且つコーティング層が剥離
し難い搬送用ロールを得ることができる。また、このコ
ーティング層は本来的に粘着性を有しているので、アル
コールなどの洗浄によってもクリーニング性能が低下す
ることがなく、長期に亘って繰り返し使用することがで
き、経済性に優れた搬送用ロールを提供することができ
るという効果を奏する。さrに、シリコーンゴム材料の
配合割合を種々変更するだけで、、且つ同一の材料を用
いて要求される粘着性を理想的に実現できるので、同一
工程、同一手順で粘着性のみをコントロールでき、設
備、作業工程などの面でコストを抑えることができると
いう効果も奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る搬送用粘着ロールで
ある。
【図2】本発明の試験例を説明する説明図である。
【符号の説明】
1 ゴム層 2 プライマ層 3 粘着層

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゴム加硫物からなるゴム層と、このゴム
    層の表面に設けられて粘着性を有する粘着層とを具備す
    る搬送用粘着ロールにおいて、前記粘着層は、二液を所
    定割合で混合することによりシリコーンゴム層を形成す
    るシリコーンゴム材料から形成され、前記二液の混合割
    合を前記所定割合から変更することにより硬度調節され
    た粘着シリコーンゴム層からなることを特徴とする搬送
    用粘着ロール。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記所定割合が1:
    1であり、前記粘着シリコーンゴム層が、10:9〜1
    0:1の混合割合にすることにより硬度調節されている
    ことを特徴とする搬送用粘着ロール。
  3. 【請求項3】 請求項1において、前記所定割合が1:
    1であり、前記粘着シリコーンゴム層が、3:2〜4:
    1の混合割合にすることにより硬度調節されていること
    を特徴とする搬送用粘着ロール。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3の何れかにおいて、前記粘
    着シリコーンゴム層は、完全に加硫され且つ二次加熱さ
    れて、未反応の反応剤や低分子化合物を含まないことを
    特徴とする搬送用粘着ロール。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4の何れかにおいて、前記粘
    着性は、前記ゴム層と前記粘着シリコーンゴム層との間
    には、両者と強固に接着されるプライマ層を有すること
    を特徴とする搬送用粘着ロール。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5の何れかにおいて、前記粘
    着シリコーンゴム層のゴム硬度が、JIS Aで10〜
    90°であることを特徴とする搬送用粘着ロール。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6の何れかにおいて、前記粘
    着シリコーンゴム層のゴム硬度が、JIS Aで20〜
    60°であることを特徴とする搬送用粘着ロール。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004209798A (ja) * 2002-12-27 2004-07-29 Konica Minolta Holdings Inc インクジェット記録装置

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