JP2010076909A - 紙送り用ローラ - Google Patents

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慶太 白木
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Abstract

【課題】高温下で連続稼動した場合でも、所要の用紙搬送性能を維持しつつ、トナー定着後の用紙搬送経路で発生する印刷物の汚染やローラゴムのエッジによるコロ跡の発生を確実に防止することのできる紙送り用ローラを提供する。
【解決手段】紙送り用ローラ1の弾性層2をウレタンゴムを用いて形成するとともに、この弾性層2における軸方向両端部2b,2bのウレタンゴムのJIS−A硬度を40〜60度に設定し、これら両端部近傍の部位を除く弾性層2の軸方向中央部2aのウレタンゴムのJIS−A硬度を70〜80度に設定することにより、高速での連続稼動に必要な用紙搬送性能を維持しつつ、トナー定着後の印刷物に発生する汚れ等を防止することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、高速複写機,デジタルプリンター等において、高速で用紙を搬送するために設けられている搬送ローラなどの紙送り用ローラに関するものである。
近年、ユーザーからのPOD(Print On Demand)の要望に即した少量・多品種の印刷に対応するため、カラーレーザープリンター等のデジタル複合機の高速化・多機能化が進展している。これら業務用のデジタル複合機(デジタル商業印刷用プリンター)は、高精細な印刷物を約60〜80枚/分の高速でプリントすることが可能で、印刷完了(トナー定着)後の工程には、これら印刷物を自動でソート・ステープルするフィニッシャー,簡易製本を行なうバインダーや小口を裁断するトリマーなどの排紙系オプション機器が付加されている。
従来、このようなデジタル複合機の給紙部には、例えば、図2に示すような、多数のローラ(ロール)からなる紙送り機構(給紙システム)が構築されており、用紙Sを用紙トレイから送り出すピックアップローラPや、用紙Sの重送を防止するフィードローラFとリバース(リタード)ローラR、および、搬送経路の所定の場所に設けられた一組の搬送ローラD1と従動ローラD2とによって、用紙Sが印刷・定着部に順次搬送されるようになっている(特許文献1を参照)。
また、印刷完了(トナー定着)後の工程にも、上記給紙部の搬送ローラD1および従動ローラD2と同様の紙送り用ローラが多数配設され、印刷済みの用紙を、後加工の目的に合わせてフィニッシャーやバインダー,トリマー等へ順次搬送する紙送り機構が設けられている。
ここで、図3に、従来のデジタル複合機(カラーレーザープリンター)で用いられている紙送り機構の概略構成図を示す。
駆動側の紙送り用ローラ10と従動ローラ20とは、互いに圧接しつつ回転して、その間に一方向(紙面の表面側)から挿入された用紙(図示省略)を他方向(紙面の裏面側)に送り出すために設けられているものである。紙送り用ローラ10は、金属あるいは樹脂からなる中実円柱状または中空円筒状の軸(軸体11)の外周面に、ゴム弾性層12が形成されたものであり、予め作成した円筒状の弾性層の内周に後から軸体を圧入する方法を用いて構成されている。また、従動ローラ20は、軸(軸体12)の外周面に樹脂層22が形成されたものである。
上記紙送り用ローラ10は、例えば、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM),ウレタンゴム(ポリウレタン)等からなる円筒状の弾性層12の中空部に、金属製の軸体11が圧入されたものであり、弾性層12の軸方向両端部12a,12aには、軸方向両端縁に生じる印刷物の汚れや、コロ跡(摩擦により生じるテカリ等)の発生防止のため、最近では、面取り加工が施されている(特許文献2等を参照)。
上記従動ローラ20は、例えば、金属製の軸体21の外周面に、ポリアセタール(POM)等からなる樹脂層22が形成されたものであり、ばね等により上記紙送り用ローラ10に圧接し、そのローラ10に従動する。
この印刷用紙の汚れは、業務用のデジタル複合機が高速で長時間連続稼動することから、機器内の温度が上昇(約90〜100℃)し、印刷に用いられるトナーあるいはトナーに含まれるワックスが、トナー定着後の用紙搬送経路に位置するローラのゴムに染み込み、後から通過する印刷物に転写される(汚染する)ことにより発生していると考えられる。
また、印刷用紙の「コロ跡」は、上記と同様の理由により、紙送り用ローラのゴム端部(エッジ)が膨潤し、このゴム端部が用紙へのストレスとなることにより発生していると考えられている。
そこで、印刷汚れやコロ跡の不具合を解消すべく、業務用のデジタル複合機においては、先に述べたように、紙送り用ローラ10の両端部12a,12aに面取り加工が施されており、ローラの角部(エッジ)が強く圧接するために生じるコロ跡の発生や用紙の紙折れが防止されている。なお、場合によっては、図4に示す例のように、端部に面取りを施さない、フラットなロールを採用する場合もある。
特開2006−131352号公報 特開2006−160452号公報
しかしながら、以上のような対策にも関わらず、業務用のデジタル複合機を長時間連続稼動させた場合、依然として、紙送り用ローラのゴム端部の汚れ・膨潤等による印刷物の汚染やコロ跡などの不具合が発生する場合があった。
また、従来のように紙送り用ローラの端部に面取りを施す解決手段は、金型成形の複雑化を招いたり、成形後工程でのC面研磨が必要になるなど、紙送り用ローラのコストアップが避けられないという課題がある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、高温下で連続稼動した場合でも、所要の用紙搬送性能を維持しつつ、トナー定着後の用紙搬送経路で発生する印刷物の汚染やローラゴムのエッジによるコロ跡の発生を確実に防止することのできる紙送り用ローラの提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明は、軸と、この軸の外周面に形成された弾性層とからなる紙送り用ローラであって、上記弾性層がウレタンゴムを用いて形成され、この弾性層における軸方向両端を含む端部近傍の部位のJIS−A硬度が40〜60度の範囲内に設定され、これら端部近傍の部位を除く上記弾性層の軸方向中央部位のJIS−A硬度が70〜80度の範囲内に設定されているという構成をとる。
なお、本発明における「JIS−A硬度」とは、JIS K 6253−1997の「デュロメータ硬さ試験」に準じて測定した「ゴム硬さ」のことをいう。
PODに用いられる業務用のデジタル複合機では、比較的低速(約100〜200mm/秒)で用紙を搬送する従来のオフィス向けプリンターやファクシミリ等のOA機器に比べ、約400〜1000mm/secに達する高速で用紙が給紙・搬送(紙送り)されることに加え、機器を止めずに連続で長時間稼動させなければならないことから、この用紙および印刷物の搬送経路に配設された給紙・搬送(紙送り用)ローラにも、種々の問題に対する高度な要求が課せられている。
本発明者は、デジタル複合機で使用される紙送り用ローラに通常用いられるEPDMに比べ、ウレタン系ゴムが、印刷機のトナーに含まれるワックスに対する耐膨潤性に優れる点に着目し、これらの課題を同時に解消することのできるウレタン製ローラの構成を鋭意研究した結果、印刷物との接圧が最も高まるローラエッジ(端部)の硬度を、用紙の搬送性能を担保するローラ中央部に比べ低く設定し、これらの硬度を最適値に制御することによって、ローラゴムに従来品のような面取り加工を施さなくても、高速での連続稼動に必要な用紙搬送性能と、トナー定着後の印刷物に発生する不具合の解消とが両立可能であることを見出し、本発明に到達した。
以上のように、本発明のウレタン製紙送り用ローラは、軸方向両端を含む端部近傍の部位の弾性層のJIS−A硬度を40〜60度に設定し、これら端部近傍の部位を除く軸方向中央部位の弾性層のJIS−A硬度を70〜80度に設定することにより、ローラ端部のC面取り等の特殊な形状加工を施すことなく、高速機に必要とされる用紙搬送性能を維持できるとともに、トナー定着後の用紙搬送経路で発生する印刷物の汚染やローラゴムのエッジによるコロ跡の発生を確実に防止することができる。
特に、弾性層の構成として、上記両端部近傍の部位を、JIS−A硬度が40〜60度のウレタンゴムからなる円筒状部材から形成し、上記弾性層における軸方向中央部位を、JIS−A硬度が70〜80度のウレタンゴムからなる円筒状部材から形成して、上記弾性層を、これら各円筒状部材の内周に上記軸を圧入して軸方向に密着させた密着体により構成した場合、この軸方向に硬度が異なる紙送り用ローラを、容易かつ安価に製造することができる。
また、上記弾性層における少なくとも軸方向中央部位の外周面を、非研磨形態において、表面粗さ(Rz:JIS B 0601に準拠)30〜70μmのシボ表面に形成することにより、ローラ表面の高い摩擦係数が維持されるとともに、通紙時に発生する紙粉のローラへの付着が防止される。したがって、本発明の紙送り用ローラは、長期にわたり優れた紙送り性を維持することができる。
なお、非研磨形態の紙送り用ローラのシボ表面粗さ(Rz)の範囲は、紙送り性と紙粉付着防止性の観点から設けられているものである。表面粗さ(Rz)が30μm未満の場合は、弾性層表面が鏡面に近くなって紙粉が付着し易く、使用による摩擦係数の低下が大きくなり、逆に、表面粗さ(Rz)が70μmを越える場合には、表面粗度が粗すぎるため初期の摩擦係数が低く、用紙搬送力が不足となる傾向が見られる。
また、上記シボは、弾性層成形時に用いられる成形金型の内面に予め設けられたシボ型が、ウレタンゴムの加熱・架橋時に弾性層表面に転写されたものであり、本出願人らによる特許第3915660号,特許第4042806号,特許第4135660号等、公知の手段により形成することができる。また、ローラの外径精度が重視される場合は、これらのシボ表面に代わり、紙送り用ローラの表面(外周面)に研磨加工を施しても良い。
つぎに、本発明の実施の形態を図面にもとづいて詳しく説明する。
図1は、本発明の紙送り用ローラの構成を示す図である。
この紙送り用ローラ1は、デジタル商業印刷用プリンター等の業務用のデジタル複合機における紙送り機構(トナー定着後の排紙系システム)の駆動側に用いられているもので、その対向面には、金属からなる軸体21の外周面に、ポリアセタール(POM)からなる樹脂層22が形成された従動側のローラ20が配設されている。
本発明の紙送り用ローラ1は、金属軸体11の外周に、ウレタンゴム(ポリウレタン等)からなる弾性層2が形成されたものであり、軸方向の両端側が柔らかく、中央側が硬く設定されている。なお、通常、1つの軸体11には、軸方向に複数個の弾性層2が配設されているとともに、対向するローラ20の樹脂層22も、同様に軸方向に複数個(弾性層2と同数)取り付けられている。
この実施形態における紙送り用ローラ1の特徴は、先に述べたように、ウレタンゴムからなる弾性層2の軸方向両端部(縁部と近傍の部位を含む)2b,2bが、その軸方向中央部2aより柔らかく形成されている点である。本実施形態においては、弾性層2における軸方向両端部2b,2bのJIS−A硬度が40〜60度に設定され、これら両端部を除く弾性層2の軸方向中央部2aのJIS−A硬度が70〜80度に設定されている。
このように、ウレタンゴムからなる弾性層の中央側を硬くすることにより、ここで紙の搬送能を主として確保するとともに、その両端側を柔らかくすることによって、用紙と接触する圧力を低くし、かつ、用紙との接触面積を保持して搬送性能を確保しつつ、印刷物の汚れやテカリを防止することができるようになる。
上記弾性層2に使用する熱硬化性ウレタンとしては、エーテル系ポリウレタンでも、エステル系ポリウレタンでもよいが、紙送り性と耐加水分解性に優れることから、ポリエーテル系ポリウレタンが好ましい。例えば、ポリエーテルポリオール,ポリイソシアネート,鎖延長剤等の各成分を含有するものがあげられる。
なお、これら軸方向両端部および軸方向中央部のJIS−A硬度(JIS K 6253−1997の「デュロメータ硬さ試験」に準じて測定した「ゴム硬さ」)の最適範囲は、後述する実験により得られたものであり、軸方向両端部2b,2bのJIS−A硬度が40未満の場合は、硬化不良の部分が発生してロールとして成形することが困難なうえ、ウレタンゴムの表面に粘着性が発生し、搬送ローラとして機能させることが難しくなる。逆に、軸方向両端部2b,2bのJIS−A硬度が60度を越える場合は、軸方向中央部2aのJIS−A硬度に近づき、従来品と同様の用紙汚れやコロ跡が発生してしまう。
また、これら両端部を除く弾性層2の軸方向中央部2aのJIS−A硬度が70未満の場合は、このような高速機においては、用紙のスリップ率が大きくなり、用紙搬送の精度が低下してしまう。逆に、軸方向中央部2aのJIS−A硬度が80度を越える場合も、摩擦係数が低いため、同様に用紙搬送の精度が低下する。
この実施形態における上記紙送り用ローラ1は、業務用のデジタル複合機における紙送り機構に用いられるものであることから、その弾性層2は外径φ16〜25mm、全長(軸方向長さ)30〜60mmの円筒形に形成されている。なお、軸方向両端部2bの軸方向の長さは、それぞれ5〜10mmである。また、対向配置される従動側のローラ20の樹脂層22も、外径φ16〜25mmの円筒形であり、その全長(軸方向長さ)は、弾性層2より若干長い約35〜65mm程度に形成されている。
つぎに、このような軸方向に硬度が異なる弾性層2を形成する方法について説明する。
軸体11の周囲に弾性層2を形成する方法としては、予め作成した円筒状の弾性層の内周に後から軸体を圧入する方法が好適に用いられる。
予め作成した円筒状の弾性層の内周に後から軸体を圧入する方法の場合、用いられる各弾性層は、金型成形により作製される(本出願人による特許第3915660号あるいは特願2008−069759号等を参照)。本実施形態の場合、JIS−A硬度が70〜80度に設定された従来の長円筒状弾性部材Aと、JIS−A硬度が40〜60度に設定された長円筒状弾性部材Bの2種類を準備する。なお、これら2種類の長円筒状弾性部材A,Bは、ロール製造過程における錯誤を防止するため、異なる色(例えば、円筒状弾性部材Aが青色、円筒状弾性部材Bが赤(オレンジ)色)に着色されている。
得られた各円筒状弾性部材A,Bは、それぞれ所要の軸方向長さに切断され、B−A−Bの順に並べられた状態で、これらの中空部(内孔)に軸体が圧入される。なお、軸体の形成材料としては、鉄,ステンレス,アルミニウム等の金属材料の他、例えば、ポリアセタール,ウレタン樹脂,アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS),ポリカーボネート,ナイロン等の合成樹脂があげられる。また、軸体の形状は、円柱状または円筒状であり、その外周面には、弾性層の中空部に軸体を圧入した際に、弾性層の軸方向の一端面が当接する環状のストッパーが同軸的に突設されていてもよい。
軸体に圧入された弾性層は、各弾性部材(B−A−B)を軸方向に密着させた状態で、軸体を回転軸として弾性層外周面に研磨加工が施される。また、この時、軸体の軸方向に複数の弾性層が配設されている場合は、これらの研磨加工も同時に行なわれる。
なお、弾性層の外径精度が比較的要求されない製品の場合、用紙に対するグリップ性および耐紙粉付着性を高めて用紙の搬送性を向上させる観点から、上記研磨加工を行なわず、弾性層の外周面を、表面粗さ(Rz)30〜70μmのシボ表面としてもよい。また、弾性層の外周面に、軸方向に延びる凹溝を周方向に所定ピッチで複数形成してもよいし、弾性層の外周面を、山状部と谷状部とからなる二段シボ表面に形成してもよい。
以上の構成により、本実施形態における紙送り用ローラ1は、業務用のデジタル複合機における片面印刷完了(トナー定着)後の両面印刷部や、フィニッシャー,バインダー,トリマーなどの後加工部における用紙搬送経路等、高温下に晒され、しかも、印刷に用いられるトナーあるいはトナーに含まれるワックスによる膨潤の影響を受ける過酷な環境で使用された場合でも、高速機に必要とされる用紙搬送性能を長期にわたり維持できるとともに、トナー定着後の用紙搬送経路で発生する印刷物の汚染やローラゴムのエッジによるコロ跡の発生を確実に防止することができる。
つぎに、実施例について従来例,比較例と併せて説明する。ただし、本発明は、実施例に限定されるわけではない。
実施例1〜5および比較例1〜4の紙送り用ローラは、予め作成した円筒状のウレタンゴム製弾性層の内周に後から軸体を圧入する方法を用いて作製した。
〔ウレタンゴム弾性層の形成〕
〔ウレタンプレポリマーα1〜α5の調整〕
ポリテトラメチレンエーテルグリコール(PTMG)、ポリプロピレングリコール(PPG)〔旭硝子社製 PREMINOL S 3005(モノオール含有量:0.8重量%,Mn=5000,官能基数:3,総不飽和度:0.0048meq/g)〕を下記の「表1」に示す割合で混合してなるポリエーテルポリオールを、80℃にて1時間真空脱泡、脱水した後、ポリイソシアネート〔トリレンジイソシアネート(TDI)〕を適量混合し、窒素雰囲気下で80℃にて3時間反応させ、末端にNCO基を有するウレタンプレポリマー(α1〜α5)を作製した。
Figure 2010076909
〔弾性層の中央部用形成材料(未架橋の熱硬化性ウレタンゴム)の調製〕
つぎに、上記ウレタンプレポリマーα1〜α5を90℃にて30分間真空脱泡した後、このウレタンプレポリマー100重量部に対して、触媒としてDBU−フェノール塩を下記の「表2」に示す割合で添加して攪拌混合した後、さらに、鎖延長剤として1,4−ブタンジオール(1,4−BD)およびトリメチロールプロパン(TMP)を同表に示す割合で添加して、減圧下で2分間攪拌混合することにより、弾性層の中央部形成用材料(a1〜a5)を準備した。なお、弾性層中央部の構成用には、着色剤A(ダイアレジン BLUE K:三菱化学社製)を添加した。
Figure 2010076909
〔弾性層中央部の成形〕
つぎに、これらの中央部形成用材料a1〜a5を用いて、シボ形状を付与しない(型面が平滑な)金型による成形により、架橋後のJIS−A硬度が65度(A1:比較例3用),70度(A2:実施例4用),75度(A3:実施例1〜3、比較例1〜2用),80度(A4:実施例5用),85度(A5:比較例4用)の弾性層中央部形成用のウレタンゴム製中空円筒状弾性部材A1〜A5(外径:24mm,内径:9mm)を得た。
〔ウレタンプレポリマーβ1〜β5の調整〕
上記「ウレタンプレポリマーα1〜α5の調整」と同様の方法を用いて、各原料を下記の「表3」に示す割合で混合したウレタンプレポリマー(β1〜β5)を作製した。
Figure 2010076909
〔弾性層の端部用形成材料(未架橋の熱硬化性ウレタンゴム)の調製〕
つぎに、このウレタンプレポリマー100重量部に対して、上記「弾性層の中央部用形成材料の調製」と同様の方法により、触媒および鎖延長剤を下記の「表4」に示す割合で添加して攪拌混合することにより、弾性層の端部形成用材料(b1〜b5)を準備した。なお、弾性層両端部の構成用には、着色剤B(ダイアレジン RED S:三菱化学社製)を添加した。
Figure 2010076909
〔弾性層両端部の成形〕
つぎに、これらの端部形成用材料b1〜b5を用いて、シボ形状を付与しない(型面が平滑な)金型による成形により、架橋後のJIS−A硬度が35度(B1:比較例2用),40度(B2:実施例3用),45度(B3:実施例2、実施例4〜5、比較例3〜4用),60度(B4:実施例1用),65度(B5:比較例1用)の弾性層両端部形成用のウレタンゴム製中空円筒状弾性部材B1〜B5(外径:24mm,内径:9mm)を得た。また、作製したJIS−A硬度35度のウレタンゴム製中空円筒状弾性部材B1は、成形時に硬化不良から粘着性が発生し、紙送り用ローラの弾性層として使用できなかった。
〔軸体〕
SUS303製の軸体(直径φ:10mm,全長:350mm)を用いた。
〔紙送り用ローラの作製〕
〔実施例1〜5,比較例1〜4〕
上記中央部用円筒状弾性部材A1〜A5をそれぞれ幅(軸方向長さ)40mmに切断したもの1個と、上記両端部用円筒状弾性部材B1〜B5をそれぞれ幅(軸方向長さ)10mmに切断したもの2個とを、B−A−Bの順に軸体の外周に圧入し、これらを軸方向に密着させた状態で、該軸体を回転軸として各弾性部材の外周面に研磨加工を施し、弾性層表面が均一外径(直径φ:24mm)の紙送り用ローラを得た。
〔従来例1〕
上記実施例と同様にして、中央部用円筒状弾性部材A3(JIS−A硬度:75度)を幅(軸方向長さ)60mmに切断して上記軸体の外周に圧入し、軸体を回転軸として弾性部材の外周面に研磨加工を施し、弾性層表面が均一外径(直径φ:24mm)の紙送り用ローラ(従来例1)を得た。
〔従来例2〜3〕
上記従来例1と同様の方法で、熱硬化性ウレタンゴムに代えてエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)を用いた従来の紙送り用ローラ(従来例2)を作製した。また、このEPDM製ローラの弾性層の両端部に、面取り加工(C面取り)を施した従来の紙送り用ローラ(従来例3)を作製した。なお、これら従来例2,3の中央部(面取り部を除く)は、直径φ:24mmに形成されている。
〔用紙搬送試験〕
このようにして得られた各紙送り用ローラを、図2に示すFRR方式給紙システムのベンチ試験機を用いて、用紙Sが最後に通過する縦パス搬送ローラD1を上記で得られた実施例等の紙送り用ローラ(評価対象ローラ)に交換し、用紙Sを搬送する試験を行った。なお、上記ベンチ試験機では、用紙Sが上方へ搬送されるようになっており、上記縦パス搬送ローラD1を通過した後、用紙Sがその搬送ローラD1側に大きく傾斜して搬送されるようになっている。それにより、用紙Sにストレスがかかり、上記縦パス搬送ローラD1の弾性層の軸方向両端部に「用紙汚れ」および「コロ跡」が発生し易いシステムになっている。
また、印刷完了(トナー定着)後の紙送り機構(排紙システム)をシミュレートするために、実施例等の紙送り用ローラ(評価対象ローラ)は、このベンチ試験機に組み込む前に、
1)供試ローラを90℃に加熱してその弾性層表面にトナーをまぶし、溶解させてコーティングする(トナーのワックスを浸み込ませ、膨潤させる)。
2)このコーティングを4回繰り返した後、90℃オーブン中で5時間養生させ、その後室温下で放冷する。
3)弾性層のゴム表面をメタノールを浸み込ませたウエスで拭き取り、外周面に残るトナーを清掃する。
という工程を行ない、「擬似汚れ」を付着させた状態で試験機の所定位置に組み込んだ。
〔試験条件〕
供試用各紙送り用ローラに上記前処理(トナーによる「擬似汚れ」処理)を行なったうえで、ベンチ試験機の縦パス搬送ローラD1位置に評価対象ローラを組み込み、給紙速度500mm/secで連続的に用紙(マイペーパー A4 NBSリコー社製)を10枚給紙する評価試験を行なった。また、性能評価には、トナー定着後の印刷物の転写汚れに相当する「用紙の汚れ」の評価と、印刷後のローラ端部のストレスによる用紙の光沢差(テカリ)に相当する「端部のコロ跡」の評価とを主として用いるとともに、搬送ローラの基本的な性能として、用紙の理論送り量に対する実送り量(スリップ率)である「搬送精度」、用紙に対する弾性層外周面の動摩擦係数である「摩擦係数」、および、弾性層形成時の「成形性」を評価項目とした。
〔用紙の汚れ〕,〔端部のコロ跡〕
上記「擬似汚れ」を付着させた試験ローラを用いて、ベンチ試験機で用紙を連続通紙させ、特に、用紙におけるローラ(弾性層)端部の通過位置に相当する部位に注目して、用紙汚れやテカリ等を目視にて評価した。なお、判定は4段階とし、「汚れ/コロ跡がない」レベルを○、「軽微に認められる」レベルを△、「容易に発見できる」レベルを×、「汚れ/コロ跡が劣悪」なレベルを××、と表記した。
〔搬送精度〕
紙送り用ローラを2回転させた場合の用紙の実送り量(長さ)を測定し、この紙送り用ローラの外径換算による理論送り量に対する不足分をスリップ量とし、そのスリップ量を理論送り量で割った値に100を掛けた値をスリップ率とした。判定は、3段階とし、「スリップ率が5%以下」を○、「スリップ率が5〜10%」を△、「スリップ率が10%を超える」を×、と表記した。
〔摩擦係数〕
紙送り用ローラに、その下方から、用紙をテフロン(登録商標)シートを介して平板で押圧(押圧荷重W:2.9N)し、その一端をロードセルに接続した状態で、上記紙送り用ローラをロードセルから遠ざかるよう回転(周速度:200mm/sec)させ、用紙にかかる引っ張り力(F:単位N)を上記ロードセルで測定し、動摩擦係数(摩擦係数μ=F/W)を算出した。なお、この摩擦係数の試験は、上記「擬似汚れ」を付着させる前の新品状態で行なった。判定は、3段階とし、「摩擦係数が1.3を超える」を○、「摩擦係数が1.0〜1.3」を△、「摩擦係数が1.0以下」を×、と表記した。
〔成形性〕
前述のような、弾性層材料の金型成形時に「硬化不良」となるものを×、良好に成形できるものを○、と表記した。
以上の結果を次の「表5」に示す。
Figure 2010076909
上記表中の実施例1〜3と比較例1〜2の比較から、紙送り用ローラの弾性層の両端部のJIS−A硬度を40〜60度に設定することにより、弾性層端部にC面取り等の特殊な形状加工を施すことなく、ローラ端部による汚れやコロ跡を防止することができることが分かる。
また、上記表から、紙送り用ローラの弾性層の中央部のJIS−A硬度を70〜80度に設定することにより、従来品(従来例1〜3)と同等以上の用紙搬送性能を維持できることが分かった。
したがって、本発明の紙送り用ローラのように、ウレタンゴムからなる弾性層の中央側を硬くすることにより、ここで紙の搬送性能を主として確保するとともに、その両端側を柔らかくすることによって、用紙と接触する圧力を低くし、搬送性能をある程度確保しつつ、印刷物の汚れやテカリ等を防止することができる。
本発明の紙送り用ローラは、デジタル商業印刷用プリンター等、特に高速で用紙を搬送する印刷機や複写機などの印刷完了後の紙送り機構(両面印刷経路、フィニッシャー等)に最適である。また、例えば印刷機や複写機等の給紙部の紙送り機構に配設されているピックアップローラや、フィードローラ,リバース(リタード)ローラ、あるいは、搬送経路の各所に設けられた搬送ローラ等にも好適に用いることができる。
本発明の紙送り用ローラの一実施の形態を模式的に示す説明図である。 上記紙送り用ローラが用いられる、FRR方式給紙システムのベンチ試験機を模式的に示す説明図である。 従来の紙送り用ローラの一形状例を模式的に示す説明図である。 従来の紙送り用ローラの別の形状例を模式的に示す説明図である。
符号の説明
1 紙送り用ローラ
2 弾性層
2a 軸方向中央部
2b 軸方向両端部
2c 中央部外周面
11 軸体
20 紙送り用ローラ
21 軸体
22 樹脂層

Claims (3)

  1. 軸と、この軸の外周面に形成された弾性層とからなる紙送り用ローラであって、上記弾性層がウレタンゴムを用いて形成され、この弾性層における軸方向両端を含む端部近傍の部位のJIS−A硬度が40〜60度の範囲内に設定され、これら端部近傍の部位を除く上記弾性層の軸方向中央部位のJIS−A硬度が70〜80度の範囲内に設定されていることを特徴とする紙送り用ローラ。
  2. 上記弾性層における両端部近傍の部位と軸方向中央部位とが、それぞれ別体のウレタンゴム製円筒状部材から形成され、上記弾性層が、これら各円筒状部材の内周に上記軸を圧入して軸方向に密着させた密着体により構成されている請求項1記載の紙送り用ローラ。
  3. 上記弾性層における少なくとも軸方向中央部位の外周面が、非研磨形態において、表面粗さ(Rz)30〜70μmのシボ表面に形成されている請求項1または2記載の紙送り用ローラ。
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