JPH08248851A - 電子写真装置用ブレードおよびその製造法 - Google Patents

電子写真装置用ブレードおよびその製造法

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JPH08248851A
JPH08248851A JP4999695A JP4999695A JPH08248851A JP H08248851 A JPH08248851 A JP H08248851A JP 4999695 A JP4999695 A JP 4999695A JP 4999695 A JP4999695 A JP 4999695A JP H08248851 A JPH08248851 A JP H08248851A
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JP4999695A
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Koji Kinoshita
紘治 木下
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Bando Chemical Industries Ltd
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Bando Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 耐摩耗性にすぐれ、低伸長ヤング率を有し、
反発弾性が大きく、圧縮永久歪、永久伸びが小さい電子
写真装置用ブレードおよびその製造法を提供すること。 【構成】 ブレード部材と支持部材とが接合されてなる
電子写真装置用ブレードであって、ブレード部材が、J
IS−A硬度が60〜85のポリウレタンからなり、そ
の表面に活性水素化合物とポリイソシアネート化合物と
を含浸させ、架橋させてえられた厚さが0.15〜0.
6mmであり、かつブレード部材の厚さの30%以下で
ある表面硬化層を有することを特徴とする電子写真装置
用ブレードおよびその製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真装置の感光体
周辺において、残留トナーのクリーニングやトナーの薄
層化などに使用されるブレードおよびその製造法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】電子写真装置においては、図4に示され
るように、転写後の感光体8に残留トナーを除去するク
リーニングブレード6が使用されたり、現像ロール9に
トナーを薄層担持させる薄層化ブレード7や、トナーの
飛散を防止する種々のブレードが使用されている。
【0003】これらのブレードは、熱硬化性ポリウレタ
ンからなるブレード部材を金属などからなる支持部材に
接合させた構成を有するものが一般的であり、その一部
のものには熱可塑性ポリウレタンからなるブレード部材
が使用されている。
【0004】しかしながら、電子写真装置における複写
高速化の進展につれて、前記熱硬化性または熱可塑性の
ポリウレタンからなるブレード部材には、図3に示され
るように、先端縁のエッジ部が摩耗するという問題があ
る。また、熱可塑性ポリウレタンからなるブレード部材
には、熱可塑性樹脂特有の耐熱性が不足し、圧縮永久歪
が大きいという問題がある。
【0005】これらの問題を解決するために、従来、ポ
リウレタンの構成材料である高分子量ポリオール、ポリ
イソシアネートおよび架橋剤の組合せや配合量の改良が
試みられているが、それらのみで前記問題を解決するの
は困難であるため、ブレード部材の表面を改質する方法
が試みられている。たとえば、実開昭57−17826
2号公報には、成形後のポリウレタン製ブレード部材の
表面にイソシアネートモノマーを塗布し、空気中の水分
やポリウレタン中の未反応成分を利用して、厚さ0.0
1〜0.1mmの硬化薄層を形成する技術が開示されて
いる。
【0006】しかしながら、かかる技術によれば、確か
に硬化薄層が形成されるが、その厚さが0.01〜0.
1mmときわめて薄いため、耐摩耗性が不充分であり、
とくに固定セット式のブレードに用いたばあい、感光体
への当接力を維持することができないという問題があ
る。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、耐摩耗性とゴム弾性と
を併せもち、しかも圧縮永久歪、永久伸びが小さい電子
写真装置用ブレードおよびその製造法を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ブレード部
材と支持部材とが接合されてなる電子写真装置用ブレー
ドであって、ブレード部材が、JIS−A硬度が60〜
85のポリウレタンからなり、その表面に活性水素化合
物とポリイソシアネート化合物とを含浸させ、架橋させ
てえられた厚さが0.15〜0.6mmであり、かつブ
レード部材の厚さの30%以下である表面硬化層を有す
ることを特徴とする電子写真装置用ブレード、および
ブレード部材またはブレード部材と支持部材との接合体
を成形し、該ブレード部材の全体または先端縁部に活性
水素化合物およびポリイソシアネート化合物を含浸さ
せ、形成された含浸層を架橋させて表面硬化層を形成さ
せることを特徴とする前記電子写真装置用ブレードの製
造法に関する。
【0009】
【作用および実施例】本発明の電子写真装置用ブレード
は、前記したように、ブレード部材がJIS−A硬度が
60〜85のポリウレタンからなるので、本質的に柔軟
でゴム弾性に富んだものであり、この表面に活性水素化
合物とポリイソシアネート化合物とを含浸させて架橋硬
化させることにより形成された表面硬化層を有するとい
う化学的に二層構造としたものである。すなわち、かか
るブレード部材は、感光体や現像剤と接触する表面硬化
層には、弾性体そのままでは不足する低摩擦係数、耐摩
耗性や、耐熱性、低永久歪などの特性が付与され、また
その内部には、弾性体本来の柔軟で弾性に富んだ特性が
付与されたものである。
【0010】本発明の電子写真装置用ブレードは、図1
に示されるように、支持部材4の一端を包埋するように
ブレード部材1を成形すると同時に、たとえば接着剤か
らなる接着層5を介在させて接合させた構成のものや、
図2に示されるように、あらかじめ成形した板状のブレ
ード部材1を、たとえば接着剤からなる接着層5を介し
て支持部材4に接合させた構成を有するもの、板状のブ
レード部材単体を、電子写真装置に組付ける際に、装置
の枠体などを支持部材として両面テープなどで貼り付け
た構成を有するものなどであり、その用途は、感光体や
転写ベルトのクリーニング用および帯電用、現像ロール
表面のトナー薄層化用および帯電用、トナー飛散防止用
などである。なお、図1および図2に示されるように、
ブレード部材1は、表面硬化層2および内部弾性層3か
らなる。
【0011】本発明のブレード部材を形成するポリウレ
タンとしては、高分子量ポリオール、ポリイソシアネー
トおよび架橋剤を反応させてえられたものなどを用いる
ことができ、熱硬化性が付与されたものでもよく、熱可
塑性が付与されたものでもよい。
【0012】前記高分子量ポリオールの例としては、ポ
リエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、カプ
ロラクトンエステルポリオール、ポリカーボネートエス
テルポリオール、シリコンポリオールなどがあげられ、
通常、分子量が1000〜4000のものが用いられ
る。
【0013】また前記ポリイソシアネートとしては、ジ
フェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシア
ネート、ナフタレンジイソシアネート、キシレンジイソ
シアネート、ヘキサメチレンジイソシアネートなどがあ
げられる。
【0014】さらに前記架橋剤としては、1,4−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレング
リコール、トリメチロールプロパンなどがあげられる。
【0015】ブレード部材の成形は、熱硬化性ポリウレ
タンのばあい、注型成形法や遠心成形法などによればよ
く、熱可塑性ポリウレタンのばあい、射出成形法や押出
成形法などによればよい。
【0016】このようにして成形されたブレード部材の
JIS−A硬度が60よりも低くなると、感光体などの
対接物への圧接力を確保することができずにブレードと
しての機能を果たすことができず、逆にJIS−A硬度
が85よりも高くなると、剛性が強くなりすぎて対接物
を損傷させるおそれがあるため、JIS−A硬度は、6
0〜85、好ましくは65〜83の範囲内とされる。
【0017】本発明の電子写真装置用ブレードの製造法
は、前記のようにして成形されたブレード部材または支
持部材に接合されたブレード部材の全体もしくは感光体
などに圧接する先端縁部の表面に、活性水素化合物およ
びポリイソシアネート化合物を含浸させ、架橋硬化させ
ることにより、厚さが0.15〜0.6mmであり、か
つブレード部材の厚さの30%以下である表面硬化層を
形成させることを特徴とする。
【0018】本発明において、ブレード部材の全体また
は先端縁部の表面に活性水素化合物およびポリイソシア
ネート化合物を含浸させるのは、ブレード部材単体であ
っても、支持部材に接合したものであってもよい。ま
た、活性水素化合物とポリイソシアネート化合物とをブ
レード部材に含浸させるのは、どちらが先であってもよ
く、両者を同時に含浸させてもよいが、通常、まず活性
水素化合物を含浸させ、ついでポリイソシアネート化合
物を含浸させる。ただし、熱可塑性ポリウレタンからな
るブレード部材のばあいは、成形前の樹脂ペレットに活
性水素化合物を混合して成形し、活性水素化合物を全体
に含浸させたブレード部材をえたのち、ついでポリイソ
シアネート化合物を含浸させてもよい。
【0019】ブレード部材に活性水素化合物およびポリ
イソシアネート化合物を含浸させる方法としては、たと
えば (イ)活性水素化合物およびポリイソシアネート化合物
を加熱溶融させ、そのなかにブレード部材を浸漬する方
法、(ロ)活性水素化合物およびポリイソシアネート化
合物を有機溶剤に溶解させ、そのなかにブレード部材を
浸漬する方法、(ハ)活性水素化合物およびポリイソシ
アネート化合物を加熱し、生成した蒸気中にブレード部
材を置き、表面に含浸させる方法 などがあげられるが、本発明においては、(ロ)の有機
溶剤の溶液に浸漬する方法が好ましく用いられる。
【0020】また、ブレード部材の単位面積(100c
2)あたりに含浸される活性水素化合物およびポリイ
ソシアネート化合物の量は、0.05gよりも少ない
と、架橋硬化が充分に起こらず、たとえ起こったとして
も表面硬化層が薄くなり、逆に0.5gよりも多くなる
と、架橋密度が大きくなりすぎて表面が脆くなる傾向が
あるので、0.05〜0.5g、好ましくは0.1〜
0.45gの範囲内とされることが望ましい。
【0021】また、ブレード部材に活性水素化合物およ
びポリイソシアネート化合物を含浸させ、架橋硬化させ
ることにより形成される表面硬化層の厚さは、0.15
mmよりも小さいと、耐摩耗性が実用上不充分となり、
逆に0.6mmよりも大きくなると、ブレード部材が本
来有する柔軟性、弾性が不充分となるので、0.15〜
0.6mm、好ましくは0.2〜0.5mmであり、か
つブレード部材の厚さの30%以下とされる。
【0022】ブレード部材に含浸させる活性水素化合物
の具体例としては、たとえばエチレングリコール、1,
4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ヒド
ロキノン−β−ジヒドロキシエチルエーテル、トリメチ
ロールプロパン、グリセリン、ヘキサントリオールなど
の低分子量ポリオール;エチレンジアミン、3,3′−
ジクロロ−4,4′−ジアミノジフェニルメタンなどの
低分子量ポリアミン;アミノエチルアルコール、3−ア
ミノクロロヘキサノール、p−アミノフェニルエチルア
ルコールなどの低分子量アミノアルコール;コハク酸、
マロン酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコ
ン酸、クエン酸、酒石酸などの低分子量脂肪族ポリカル
ボン酸;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、トリ
メリット酸などの芳香族ポリカルボン酸;前記ポリオー
ルとポリカルボン酸とからなるポリエステルポリオール
やポリエステルポリカルボン酸;ポリアミンとポリカル
ボン酸とからなるポリアミドアミンやポリアミドカルボ
ン酸;前記ポリオールやポリアミンを重合開始剤とし、
エチレンオキサイド、プロピレンオキサイドなどのアル
キレンオキサイドを重合してなるポリエーテルポリオー
ルなどがあげられる。
【0023】前記活性水素化合物は、単独でまたは2種
類以上の混合体もしくは変性体として用いることができ
る。これらのなかでは、ブレード部材への浸透性の点よ
り、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、ト
リメチロールプロパンおよびエチレンジアミンが好適に
用いられる。
【0024】前記ブレード部材に含浸させるポリイソシ
アネート化合物は、2個以上のNCO基を有するもの
で、その具体例としては、トリレンジイソシアネート
(2,4体、2,6体)、4,4′−ジフェニルメタン
ジイソシアネート(純MDI、ポリメリックMDI)、
m−フェニレンジイソシアネート;テトラメチレンジイ
ソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート;4,
4′,4″−トリフェニルメタントリイソシアネート、
2,4′,4″−ビフェニルトリイソシアネート、2,
4,4″−ジフェニルメタントリイソシアネートなどお
よびこれらの変性体やこれらの多量体があげられ、これ
らを単独でまたは2種以上を混合して用いる。これらの
なかでは、ブレード部材への浸透性の点より、本発明に
おいては、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネー
ト、トリレンジイソシアネートなどの比較的低分子量の
ものが好ましく用いられる。
【0025】ブレード部材の表面に活性水素化合物およ
びポリイソシアネート化合物を含浸させたのち、両者を
反応させ、架橋硬化させる。この反応は常温でも進行す
るが、生産効率を向上させるため、通常、ブレード部材
を50〜120℃に数分〜数時間加熱する。
【0026】前記したように、ブレード部材単体のまま
で前記表面硬化層を形成させたばあい、このブレード部
材を、ホットメルト型接着剤やフェノール系溶液型接着
剤などを用いて支持部材に接合し、電子写真装置用ブレ
ードをうる。
【0027】本発明に用いられる支持部材にはとくに限
定がなく、たとえば剛性を有する金属や弾性を有する金
属、プラスチック、セラミックなどからなるものがあげ
られる。これらのなかでも、とくにリン酸亜鉛処理やク
ロメート処理などの表面処理が施された鋼板をプレス成
形してえられたものが好ましく用いられる。
【0028】本発明の電子写真装置用ブレードは、表面
に相当な厚さの強固な架橋された表面硬化層を有し、内
部にブレード部材形成時の柔軟性および弾性が保持され
た内部弾性層を有するので、全体として、耐摩耗性、低
圧縮永久歪、反発弾性および耐熱性にすぐれた特性を併
せもつものである。
【0029】つぎに本発明の電子写真装置用ブレードお
よびその製造法を実施例に基づいてさらに詳細に説明す
るが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものでは
ない。
【0030】実施例1 JIS−A硬度が80のカプロラクトンエステル系熱可
塑性ポリウレタンを用い、射出成形により平板を成形し
たのちカットし、図2に示されるような厚さ2mm、幅
18mm、長さ324mmのブレード部材1を成形し
た。
【0031】えられたブレード部材を、活性水素化合物
であるエチレンジアミンの50%メチルエチルケトン溶
液に5時間浸漬したのち、取り出して表面を軽く拭いて
風乾させた。このとき、ブレード部材表面100cm2
あたりのエチレンジアミンの含浸量は、0.15gであ
った。
【0032】つぎに、この活性水素化合物含浸ブレード
部材を90℃の4,4′−ジフェニルメタンジイソシア
ネートに15分間浸漬し、取り出して表面のポリイソシ
アネート化合物を拭き取ったのち、100℃で1時間加
熱し、表面硬化層を形成させた。このとき、ブレード部
材表面100cm2あたりの4,4′−ジフェニルメタ
ンジイソシアネートの含浸量は、0.14gであった。
またブレード部材を切断し、その断面を観察したとこ
ろ、表面から約0.5mmの厚さにわたって不透明層が
形成され、その部分が強固な硬化層になっていることが
認められ、その他の内部は、透明なままであった。
【0033】つぎに、えられたブレード部材の物性とし
て耐摩耗性、低伸長ヤング率、反発弾性、圧縮永久歪、
永久伸びおよび硬度を以下の方法にしたがって調べ、さ
らにクリーニングブレードの通紙複写特性を以下の方法
にしたがって調べた。その結果を表1に示す。
【0034】(イ)耐摩耗性 JIS K 6264に規定のDIN摩耗法に準じて測
定。
【0035】(ロ)低伸長ヤング率 JIS K 6254に準じて測定。
【0036】(ハ)反発弾性 JIS K 6255に準じて測定。
【0037】(ニ)圧縮永久歪 JIS K 6262に準じて測定。
【0038】(ホ)永久伸び JIS K 6262に準じて測定。
【0039】(ヘ)硬度 JIS K 6253に準じて測定。
【0040】(ト)通紙複写特性 前記ブレード部材1を、ホットメルト接着剤を介してリ
ン酸亜鉛処理を施した鋼板からなる支持部材に接合し、
クリーニングブレードを製造した。このクリーニングブ
レードを複写機((株)ミノルタ製、EP−870)に
組み込み、、11秒間停止、6秒間通紙複写(A4用紙
5枚を通紙)の条件で間欠運転を行ない、5000枚通
紙ごとに画像を点検し、つぎに示すコピーボリュームお
よび摩耗幅ΔLの測定を行なった。
【0041】コピーボリューム 5000枚通紙ごとに複写状態をチェックしたときの通
紙したA4用紙の枚数を示し、途中で不具合が発生した
段階で中止した。なお、通紙は最大で200000枚ま
でとした。
【0042】摩耗幅ΔL 図3に示された、コピーボリュームの測定におけるブ
レード部材1の感光体との圧接部の摩耗幅ΔLを、80
0倍の電子顕微鏡写真によって測定した。なお、かかる
測定は、クリーニングブレードの長さ方向(感光体の幅
方向)において6等分した点(5箇所)にて行ない、こ
れらの中央値を摩耗幅ΔLとした。
【0043】比較例1 実施例1において、ブレード部材をエチレンジアミンの
50%メチルエチルケトン溶液および4,4′−ジフェ
ニルメタンジイソシアネート中に浸漬する操作を行なわ
なかったほかは、実施例1と同様にしてブレード部材お
よびクリーニングブレードをえた。
【0044】えられたブレード部材の物性およびクリー
ニングブレードの通紙複写特性を実施例1と同様にして
調べた。その結果を表1に示す。
【0045】
【表1】
【0046】表1に示された結果から、実施例1の製造
法によれば、耐摩耗性および反発弾性にすぐれ、低伸長
ヤング率が大きく、圧縮永久歪および永久伸びが小さ
く、しかも、活性水素化合物およびポリイソシアネート
化合物にて処理されているにもかかわらず、硬度が高く
なりすぎず、未処理の比較例1でえられたブレード部材
とほぼ同等の硬度を有するブレード部材、および通紙複
写特性にすぐれたクリーニングブレードがえられること
がわかる。
【0047】実施例2 ポリオールとしてアジペート系ポリエステルポリオール
を用い、イソシアネートとして4,4′−ジフェニルメ
タンジイソシアネートを用いたNCO基含有量が6.4
重量%の市販のプレポリマーと、架橋剤として1,4−
ブタンジオールとトリメチロールプロパンとのモル比が
90:10の混合物を遠心成形用金型に注入し、150
℃で70分間加熱硬化させて熱硬化性ウレタンエラスト
マーからなる平板を成形し、実施例1と同様の寸法にカ
ットして平板形状のブレード部材を成形した。
【0048】えられた平板状ブレード部材を、活性水素
化合物である1,4−ブタンジオールとトリメチロール
プロパンとのモル比が40:60の混合物の35%メチ
ルエチルケトン/ジメチルホルムアミド混合溶剤(90
/10、重量比)溶液に、70℃で3時間浸漬させたの
ち取り出して表面を軽く拭いて風乾させた。このとき、
ブレード部材表面100cm2あたりのかかる混合物の
含浸量は、0.2gであった。
【0049】つぎに、この活性水素化合物含浸ブレード
部材を80℃で4,4′−ジフェニルメタンジイソシア
ネートの50%トルエン溶液中に1時間浸漬し、取り出
して表面の余剰のイソシアネート溶液を拭き取ったの
ち、110℃で24時間加熱処理を施して表面層に強固
な架橋構造を形成させた。このとき、ブレード部材表面
100cm2あたりの4,4′−ジフェニルメタンジイ
ソシアネートの含浸量は、0.18gであった。
【0050】えられたブレード部材をカッターにて切断
し、その断面を観察したところ、表面から約0.3mm
の厚さにわたって不透明化しており、その部分に強固な
架橋構造が形成されていることが認められ、その他の部
分は透明なままであり、強固な架橋構造の進展が認めら
れなかった。
【0051】つぎに、えられたブレード部材の物性およ
びクリーニングブレードの通紙複写特性を実施例1と同
様にして調べた。その結果を表2に示す。
【0052】比較例2 実施例2において、ブレード部材を1,4−ブタンジオ
ールとトリメチロールプロパンとの混合物の溶液および
4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート溶液に浸
漬する操作を行なわなかったほかは、実施例2と同様に
してブレード部材をえた。
【0053】えられたブレード部材の物性およびクリー
ニングブレードの通紙複写特性を実施例1と同様にして
調べた。その結果を表2に示す。
【0054】
【表2】
【0055】表2に示された結果から、実施例2の製造
法によれば、耐摩耗性および反発弾性にすぐれ、低伸長
ヤング率が大きく、圧縮永久歪および永久伸びが小さ
く、しかも、活性水素化合物およびポリイソシアネート
化合物にて処理されているにもかかわらず、硬度が高く
なりすぎず、未処理の比較例2でえられたブレード部材
とほぼ同等の硬度を有するブレード部材、および通紙複
写特性にすぐれたクリーニングブレードがえられること
がわかる。
【0056】実施例3 カプロラクトンエステルポリオール(重量平均分子量2
000)と純MDIとを80℃で3時間反応させ、NC
O基含有量が6.3重量%のプレポリマーをえた。この
100℃に加熱したプレポリマーと、硬化剤として1,
4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンとのモル
比が80:20の混合物との混合液を、支持部材が配置
され、145℃に加熱された金型に注入し、145℃で
60分間かけて加熱硬化させて、図1に示された変形形
状(先端厚さ1mm、金具を含め幅32mm、長さ26
2mm)のクリーニングブレードをえた。
【0057】えられたクリーニングブレードの先端部
(ブレード部材1)のみを、トリエタノールアミンの6
0%濃度メチルエチルケトン溶液に8時間浸漬させたの
ち、取り出してウレタン表面を軽く拭いて余分の液を取
り除き、風乾させた。このとき、ブレード部材表面10
0cm2あたりのトリエタノールアミンの含浸量は、
0.22gであった。
【0058】えられた活性水素化合物が含浸されたクリ
ーニングブレードのブレード部材を、70℃の2,4−
トリレンジイソシアネートの50%トルエン溶液中に3
0分間浸漬し、取り出して表面の余分なイソシアネート
を拭き取ったのち、120℃で5時間かけて加熱処理を
施して、表面層に強固な架橋構造を形成させた。このと
き、ブレード部材表面100cm2あたりの2,4−ト
リレンジイソシアネートの含浸量は、0.2gであっ
た。
【0059】えられたブレード部材のウレタン部分をカ
ッターにて切断し、その断面を観察したところ、表面か
ら0.25mmの厚さにわたって不透明化しており、そ
の部分に強固な架橋構造が形成されていることが認めら
れ、その他の部分は透明なままであり、架橋構造の進展
が認められなかった。
【0060】つぎに、えられたブレード部材の物性およ
びクリーニングブレードの通紙複写特性を実施例1と同
様にして調べた。その結果を表3に示す。
【0061】比較例3 実施例3において、ブレード部材をトリエタノールアミ
ンおよび2,4−トリレンジイソシアネート溶液に浸漬
する操作を行なわなかったほかは、実施例3と同様にし
てブレード部材およびクリーニングブレードをえた。
【0062】えられたブレード部材の物性およびクリー
ニングブレードの通紙複写特性を実施例1と同様にして
調べた。その結果を表3に示す。
【0063】
【表3】
【0064】表3に示された結果から、実施例3の製造
法によれば、耐摩耗性および反発弾性にすぐれ、低伸長
ヤング率が大きく、圧縮永久歪および永久伸びが小さ
く、しかも、活性水素化合物およびポリイソシアネート
化合物にて処理されているにもかかわらず、硬度が高く
なりすぎず、未処理の比較例3でえられたブレード部材
とほぼ同等の硬度を有するブレード部材、および通紙複
写特性にすぐれたクリーニングブレードがえられること
がわかる。
【0065】
【発明の効果】本発明の製造法によれば、表面層とし
て、強固な架橋構造を有し、層の厚さが充分に大きい表
面硬化層が形成され、一方内部は成形時の架橋構造のま
まの内部弾性層であるので、全体としてウレタンエラス
トマーの特性である柔軟性および弾性がほとんど損なわ
れることなく保持され、しかも耐摩耗性、圧縮永久歪、
永久伸びなどにすぐれた電子写真装置用ブレードがえら
れるという効果が奏される。
【0066】したがって、本発明の電子写真装置用ブレ
ードは、電子複写機をはじめ、電子写真方式が採用され
るプリンタ、普通紙ファクシミリなどに用いられるブレ
ードに好適に使用しうるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真装置用ブレードの一実施態様
を示す一部破断概略説明図である。
【図2】本発明の電子写真装置用ブレードの一実施態様
を示す一部破断概略説明図である。
【図3】ブレード部材の摩耗状態および摩耗幅を示す概
略説明図である。
【図4】感光体周辺における電子写真装置用のブレード
の使用箇所を示す概略説明図である。
【符号の説明】
1 ブレード部材 2 表面硬化層 3 内部弾性層 4 支持部材 5 接着層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレード部材と支持部材とが接合されて
    なる電子写真装置用ブレードであって、ブレード部材
    が、JIS−A硬度が60〜85のポリウレタンからな
    り、その表面に活性水素化合物とポリイソシアネート化
    合物とを含浸させ、架橋させてえられた厚さが0.15
    〜0.6mmであり、かつブレード部材の厚さの30%
    以下である表面硬化層を有することを特徴とする電子写
    真装置用ブレード。
  2. 【請求項2】 ブレード部材またはブレード部材と支持
    部材との接合体を成形し、該ブレード部材の全体または
    先端縁部に活性水素化合物およびポリイソシアネート化
    合物を含浸させ、形成された含浸層を架橋させて表面硬
    化層を形成させることを特徴とする請求項1記載の電子
    写真装置用ブレードの製造法。
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