JP3239607B2 - クリーニングブレードの製法 - Google Patents

クリーニングブレードの製法

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JP3239607B2 JP08690794A JP8690794A JP3239607B2 JP 3239607 B2 JP3239607 B2 JP 3239607B2 JP 08690794 A JP08690794 A JP 08690794A JP 8690794 A JP8690794 A JP 8690794A JP 3239607 B2 JP3239607 B2 JP 3239607B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電子写真複写機等の
感光ドラム表面の残留トナーの除去に用いられるクリー
ニングブレードの製法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真複写方式を採用する電子写真複
写機やプリンター等において、一般に、感光ドラム表面
の残留トナーの除去は、図5(A),(B)に示すクリ
ーニング装置3bを用いた物理的除去により行われてい
る。図5(A)は、クリーニング装置の構成を示す斜視
図であり、図5(B)は、その断面図である。これらの
図において、このクリーニング装置3bは、板状保持材
2の一端に、ゴム弾性体等から形成されたクリーニング
ブレード1が取り付けられて構成されている。そして、
図6(A)に示すように、このクリーニング装置3b
は、電子写真複写機等の内部において、板状保持材2に
より基台(図示せず)に固定され、かつクリーニングブ
レード1の先端角部が感光ドラム4表面に圧接するよう
に斜めに配置されている。この状態で、感光ドラム4が
矢印方向に回転すると、残留トナー5が掻き落とされて
感光ドラム4表面がクリーニングされる。
【0003】上記クリーニングブレード形成材料のゴム
弾性体としては、一般にウレタンゴムが使用されてい
る。このウレタンゴム製クリーニングブレードは、通
常、プレポリマー法により、つぎのようにして製造され
ている。すなわち、まず、成形面に離型剤の塗布層が形
成されたクリーニングブレード用成形型を準備する。こ
の離型剤の塗布層は、所定のクリーニングブレード形状
に硬化したウレタンゴムを成形型から容易に剥離させる
ためのものである。つぎに、ポリイソシアネートとポリ
オールとを部分的に重合したプレポリマー(以下「ウレ
タンゴム用プレポリマー」という)と硬化剤とを主成分
とする液状クリーニングブレード成形組成物を上記成形
型内に注入し、これを硬化反応させ、ついでこの硬化物
を脱型することにより製造されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記ウレタンゴム製ク
リーニングブレードは、耐摩耗性等に優れるため長寿命
であるという利点を有するが、複写開始時等において感
光ドラムの回転に帯同し反転するおそれがある。すなわ
ち、ウレタンゴム製クリーニングブレードと感光ドラム
表面との相互の摩擦は大きいが、複写を開始したのち
は、両者の間にトナーが介在するようになるため、上記
摩擦が軽減されて、クリーニングブレードの反転はおこ
らない。しかし、複写開始時等のトナーが存在しない状
態では、図6(B)に示すように、クリーニングブレー
ド1が、感光ドラム4の回転に伴い反転してしまう。こ
のように、クリーニングブレード1が一度反転すると、
感光ドラム4との接触が不充分となり、複写が開始され
てトナーが感光ドラム4表面に残留するようになって
も、この残留トナーを完全に掻き落とすことができなく
なる。
【0005】このクリーニンブレードの反転の問題を解
決するために、表面の一部に低摩擦層が形成されたクリ
ーニングブレードが提案され一部で実施されている(特
開平4−260084号公報)。このクリーニングブレ
ードは、フッ化黒鉛等の滑り性付与剤とナイロン樹脂等
の接着剤とを混合した低摩擦層形成剤を、クリーニング
ブレードの、感光ドラム接触部にディッピング法等によ
り塗工して低摩擦層を形成したものである。このように
すれば、感光ドラムとクリーニングブレードとの摩擦を
軽減することができ、複写開始時のような感光ドラム表
面にトナーが存在しない状態であっても、クリーニング
ブレードの反転が防止されるようになる。しかし、上記
低摩擦層を形成したクリーニングブレードの製造には、
従来の工程の他に、硬化,脱型工程を経て製造されたク
リーニングブレードを塗工作業所へ移動する工程や、低
摩擦層形成剤の塗工工程が新たに必要となり、製造コス
トが高くなるという問題がある。また、上記ディピング
法等に使用する特別の塗工装置等の設備コスト等もかか
るようになる。
【0006】この発明は、このような事情に鑑みなされ
たもので、低摩擦層を備えたクリーニングブレードを、
特別の工程や装置を用いることなく簡単に製造すること
が可能なクリーニングブレードの製法の提供をその目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、この発明は、成形面に離型剤の塗布層が形成された
クリーニングブレード用成形型と、ウレタンゴム用プレ
ポリマーと硬化剤とを主成分とする液状クリーニングブ
レード成形組成物とを準備し、上記クリーニングブレー
ド用成形型に上記液状クリーニングブレード成形組成物
を注入して硬化させ、ついでこの硬化物を脱型するクリ
ーニングブレードの製法であって、上記離型剤としてウ
レタンゴムと反応する反応要素を含有するとともに滑り
性要素を含有するものを用いるという構成をとる。
【0008】
【作用】本発明者等は、前記従来の課題を解決するため
に、一連の研究を重ねた。その研究過程で、成形型の成
形面に塗布される離型剤をそのまま利用してクリーニン
グブレード表面に低摩擦層を形成すると、低摩擦層を設
けるための工程や材料を省略あるいは節約できるように
なるという着想を得た。この着想に基づき、離型剤用材
料として多種類の材料を試験するなかで、ウレタンゴム
と反応する反応要素と滑り性要素とを含有する特殊な離
型剤を成形型の成形面に塗布して離型剤層を形成し、こ
の成形型にウレタンゴム用プレポリマー等を含有する液
状クリーニングブレード成形組成物を注入して硬化させ
ると、上記成形型内で生成したクリーニングブレード表
面に、上記離型剤層が結合し、このクリーニングブレー
ドを脱型する際に、上記離型剤層が上記クリーニングブ
レード表面に移行し、これが低摩擦層となることを突き
止めこの発明に到達した。この離型剤層からなる低摩擦
層を備えたクリーニングブレードは、複写開始等におい
て反転が生じない。このように、この発明によれば、離
型剤層をそのまま低摩擦層とすることができるため、低
摩擦層形成のための塗工工程や設備等を特別に設ける必
要がなくなり、大幅なコストの低減を実現できるように
なる。
【0009】つぎに、この発明を詳しく説明する。
【0010】この発明のクリーニングブレードの製法
は、クリーニングブレード用成形型,液状クリーニング
ブレード成形組成物,特殊な離型剤を用いて行われる。
【0011】上記クリーニングブレード用成形型は、特
に制限するものではなく、一般のクリーニングブレード
の製造に用いられる金型が使用される。
【0012】また、上記液状クリーニングブレード成形
組成物としては、ウレタンゴム用プレポリマーおよび硬
化剤を主成分とするものが用いられる。
【0013】上記ウレタンゴム用プレポリマーは、ポリ
イソシアネートとポリオールとを部分的に重合して得ら
れるものである。
【0014】上記ポリイソシアネートとしては、例え
ば、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(M
DI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、
4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート
(水添加MDI)、トリメチルヘキサメチレンジイソシ
アネート(TMHDI)、トリレンジイソシアネート
(TDI)、カルボジイミド変性MDI、ポリメチレン
フェニルポリイソシアネート(PAPI)、オルトトル
イジンジイソシアネート(TODI)、ナフチレンジイ
ソシアネート(NDI)、キシレンジイソシアネート
(XDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMD
I)、パラフェニレンジイソシアネート(PDI)、リ
ジンジイソシアネートメチルエステル(LDI)、ジメ
リルジイソシアネート(DDI)等があげられる。この
なかでも、MDI,TODI等を用いることが好まし
い。
【0015】また、上記ポリイソシアネートとともに用
いられるポリオールとしては、ポリエチレンアジペー
ト,ポリブチレンアジペート,ポリヘキシレンアジペー
ト,エチレンアジペートとブチレンアジペートとの共重
合体等のポリエステルポリオールや、ポリカプロラクト
ン,ポリオキシテトラメチレングリコール,ポリオキシ
プロピレングリコール等のポリエーテルポリオールがあ
げられる。このなかでも、分子量が1500〜3000
のものを用いることが好ましい。すなわち、1500未
満であると、得られるウレタンゴムの物性が低下する傾
向がみられ、また3000を超えると、プレポリマーの
粘度が高くなり、クリーニングブレード成形の作業性が
悪くなる傾向がみられるからである。
【0016】上記ウレタンゴム用プレポリマーは、上記
ポリイソシアネートおよびポリオールを用い、例えば、
つぎのようにして調製される。まず、上記ポリイソシア
ネートとポリオールとを配合して混合する。つぎに、こ
の混合物を、80〜120℃の温度で、30〜90分間
反応させる。これにより、プレポリマーが得られる。こ
のプレポリマーとしては、下記の式(12)で算出され
るNCO%が、10〜30%の範囲に設定することが好
ましい。このNCO%の範囲のプレポリマーは、その粘
度が100〜500cps(75℃)の低い範囲とな
る。すなわち、NCO%の値が、10%未満であると、
プレポリマーの粘度が充分低下せず、成形型への注入が
困難となるおそれがある。また、30%を超えると硬化
反応が不均一となり、得られるウレタンゴムの物性が悪
くなるという不都合が生じるからである。このNCO%
の値は、ポリイソシアネートとポリオールとの配合割合
を変えることで調整することが可能である。なお、本発
明において、粘度は、JISK 7117に基づいて測
定される粘度をいう。
【0017】
【数1】
【0018】上記ウレタンゴム用プレポリマーの硬化剤
としては、分子量300以下の低分子量ポリオールを用
いることが好ましい。このようなポリオールとしては、
例えば、エチレングリコール(EG)、ジエチレングリ
コール(DEG)、プロピレングリコール(PG)、ジ
プロピレングリコール(DPG)、1,4−ブタンジオ
ール(14BD)、ヘキサンジオール(HD)、1,4
−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジ
メタノール、キシレングリコール(テレフタリルアルコ
ール)、トリエチレングリコール、トリメチロールプロ
パン、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトー
ルがあげられる。
【0019】そして、混合操作の容易性や得られるクリ
ーニングブレードの特性の見地から、上記プレポリマー
および硬化剤の好適な組合わせは、上記プレポリマーと
して、MDIとポリエステルポリオールとからなるプレ
ポリマー、硬化剤として、1,4−ブタンジオール、ト
リメチロールプロパン、ポリエステルポリオールとの組
合わせがあげられる。最適の組合わせは、プレポリマー
として、MDIとポリエチレンアジペートとからなるプ
レポリマー、硬化剤としては、1,4−ブタンジオー
ル、トリメチロールプロパン、ポリエチレンアジペート
の組合わせである。
【0020】このようにして、この発明に用いる液状ク
リーニングブレード成形組成物が得られる。この組成物
には、硬化反応を高める触媒を配合することができる。
このような触媒としては、例えば、トリエチレンジアミ
ン(TEDA)やDBU−2エチルヘキサン酸塩があげ
られる。これらは、単独であるいは2種類以上で併用さ
れる。この触媒の配合により、成形サイクルの短縮を図
ることが可能となり、クリーニングブレードの製造コス
トを低減することができるようになる。また、この触媒
の配合量は、液状クリーニングブレード成形組成物全体
の100〜2000ppm(重量割合,以下同じ)が好
ましく、特に好ましくは、500〜1500ppmの範
囲である。すなわち、2000ppmを超える割合で触
媒を配合すると、プレポリマーと硬化剤との硬化反応が
速くなりすぎて、成形型への注入が困難になるおそれが
あるからである。また、100ppm未満で触媒を配合
しても、硬化反応を効果的に高めることができなくなる
おそれがあるからである。
【0021】つぎに、本発明の特徴的構成である特殊な
離型剤について説明する。この特殊な離型剤は、ウレタ
ンゴムと反応する要素および滑り性を付与する要素の双
方を含有するものである。このようなものとしては、例
えば、フッ素オリゴマーやシリコーンオリゴマーの分子
末端を活性水素を有する官能基等で変性した硬化剤や,
アクリル系オリゴマーまたはポリフルオロエーテルがあ
げられる。
【0022】上記フッ素オリゴマーやシリコーンオリゴ
マーの分子末端を活性水素を有する官能基等で変性した
硬化剤の好適例としては、下記の一般式(1)および一
般式(2)で表されるものがあげられる。これらの硬化
剤において、主鎖末端の水酸基等がウレタンゴムと反応
する要素であり、また主鎖のフッ素原子や硅素原子が滑
り性を付与する要素である。
【0023】
【化1】
【0024】
【化2】
【0025】また、上記アクリル系オリゴマーの好適例
としては、例えば、下記の一般式(3)および一般式
(4)で表されるものがあげられる。このアクリル系オ
リゴマーにおいて、フッ素原子や硅素原子が滑り性を付
与する要素であり、主鎖末端の水酸基や側鎖のアクリロ
イル基がウレタンゴムと反応する要素である。
【0026】
【化3】
【0027】
【化4】
【0028】そして、上記ポリフルオロエーテルの好適
例としては、下記の一般式(5)で表されるものがあげ
られる。このポリフルオロエーテルにおいて、主鎖のフ
ッ素が滑り性を付与する要素であり、カルボキシル基,
水酸基,イソシアネート基がウレタンゴムと反応する要
素である。
【0029】
【化5】
【0030】このような離型剤のなかでも、塗工性や低
摩擦層の耐久性,滑り性等の見地から、フッ素含有タイ
プのものを使用することが好ましい。特に好ましくは、
ポリフルオロエーテルである。
【0031】そして、これらの離型剤は、通常、液状で
あり、そのまま使用されるが、溶剤に溶解して離型剤塗
布液として使用してもよい。上記溶剤としては、例え
ば、メタノール,エタノール,イソプロピルアルコール
等のアルコール類,メチルエチルケトン,トルエン等の
炭化水素類,テトラヒドロフラン(THF)、N,N−
ジメチルホルムアミド(DMF)、N,N−ジメチルア
セトアミド(DMAC)、塩化メチレン等の塩素系溶剤
があげられる。また、離型剤は、その粘度が1000c
ps未満、好ましくは100cps未満のものを用いる
ことが好ましい。すなわち、上記離型剤の粘度が、10
00cps以上となると、塗布作業が困難となるおそれ
があるからである。
【0032】この発明のクリーニングブレードの製法
は、上記材料およびクリーニングブレード用成形型を用
いて、例えば、プレポリマー法によりつぎのようにして
行われる。まず、図3(A)に示すようなクリーニング
ブレード用成形型6(金型温度60〜150℃)を準備
する。この成形型6は、成形空間7を有する成形型部6
aと成形型部6bとからなるものである。そして、図示
のように、板状保持材2を、その一端が上記成形空間7
に位置するように配置する。一方、上記離型剤を上記成
形空間7の成形面にスプレー法等により塗布して塗布層
を形成する。このときの塗布層の厚みは、寸法精度や耐
久性等の理由から、通常、10μm未満、好ましくは、
1〜5μmの範囲に設定される。図3(B)は、上記成
形面Xの拡大断面図である。12aは、離型剤の塗布に
より形成された塗布層である。また、これとは別に、ウ
レタンゴム用プレポリマー,硬化剤,触媒等を混合して
液状クリーニングブレード成形組成物を調製する。つい
で、上記液状クリーニングブレード成形組成物を、上記
成形面に離型剤の塗布層が形成された成形型に注入して
反応硬化させ、この硬化物を成形型から取り出す。この
脱型の際に、上記離型剤の塗布層12aが上記硬化物
(ウレタンゴム)表面に移行して低摩擦層が形成され
る。このようにして、図1に示すような、ウレタンゴム
11の表面に低摩擦層12が形成されたクリーニングブ
レード1を作成することができる。
【0033】このように、この発明では、離型剤層が、
同時に低摩擦層となるものである。したがって、この発
明によれば、従来のクリーニングブレードの製法と同じ
工程および同じ設備を用い、低摩擦層を備えたクリーニ
ングブレードを製造することが可能となる。これが、こ
の発明の最大の特徴である。
【0034】上記クリーニングブレードにおいて、図2
に示すように、接着層13を介して低摩擦層12を形成
してもよい。この接着層13を介すことにより、低摩擦
層12とウレタンゴム11とが強固に結合するようにな
り、低摩擦層12の剥離等の発生を防止することができ
るようになる。
【0035】上記接着層の形成材料である接着剤として
は、クロロプレン等のゴム系接着剤,シランカップリン
グ剤,エポキシ系樹脂,アクリル系接着剤,ウレタン系
接着剤などがあげられる。このなかでも、アクリル系接
着剤が好ましい。
【0036】そして、離型剤を塗布して塗布層を形成
し、この塗布層の層上に、上記接着剤を塗布して接着層
を形成することができるが、つぎのようにして接着層を
形成することが好ましい。すなわち、上記接着剤のなか
で、離型剤と非相溶性の接着剤(アクリル系接着剤等)
の混合液を用いる。この時の混合比(重量比)は、特に
制限するものではないが、離型剤/接着剤=9/1〜1
/9、好ましくは、離型剤/接着剤=9/1〜5/5の
範囲である。そして、この混合塗布液を上記成形型の成
形面に塗布すると 図4に示すように、上記混合塗布液
14が二層に分離して、離型剤の塗布層12aと接着層
13とが形成される。この方法によれば、上記成形型の
成形面の塗布は、一工程で行うことができるようにな
る。
【0037】
【発明の効果】以上のように、この発明のクリーニング
ブレードの製法は、ウレタンゴムと反応する反応要素と
滑り性要素とを含有する特殊な離型剤を用い、成形型面
に形成された離型剤層を、成形過程で、そのままウレタ
ンゴム製クリーニングブレード表面に移行させて低摩擦
層とする。このため、この発明のクリーニングブレード
の製法は、ディッピング工程のような低摩擦層形成工程
を特別に設ける必要がなく、また工程ごとに半製品を移
動させるような移動作業も必要としないため、工程が単
純化されるようになる。そのうえ、この発明のクリーニ
ングブレードの製法は、特別の塗工装置等も必要としな
いため、設備コスト等も低減することができるようにな
る。さらに、この発明のクリーニングブレードの製法に
おいて、上記離型剤とこの離型剤と非相溶性の接着剤と
を用いた塗布液を上記成形型の成形面に塗布すれば、接
着層形成工程を設けることなく接着層を介して低摩擦層
を形成することができるようになる。このように、この
発明のクリーニングブレードの製法は、工程数が従来の
製法と同じで、かつ特別な装置等を必要としない。した
がって、感光ドラムの回転により反転しないクリーニン
グブレードを低コストで製造することが可能となる。
【0038】つぎに、実施例について説明する。
【0039】まず、実施例に先立ち、下記の一般式
(6)〜一般式(10)に示す離型剤a〜eを準備し
た。
【0040】〔離型剤a〕
【化6】
【0041】〔離型剤b〕
【化7】
【0042】〔離型剤c〕
【化8】
【0043】〔離型剤d〕
【化9】
【0044】〔離型剤e〕
【化10】
【0045】
【実施例1〜5】上記離型剤をクリーニングブレード用
成形型の成形面に塗布し、厚み5μmの塗布層を形成し
た。一方、下記の表1に示す材料を同表に示す割合で配
合して、液状クリーニングブレード成形組成物を調製し
た。この組成物を、上記型に注入し、これを130℃で
加熱処理した。ついで、この硬化物を脱型することによ
り、低摩擦層を備えたクリーニングブレードを作製し
た。
【0046】〔比較例〕離型剤を使用しなかった以外
は、下記の表1に示す材料を同表に示す割合で配合し、
上記実施例と同様にしてクリーニングブレードを作製し
た。
【0047】
【表1】
【0048】このようにして得られた実施例品1〜5、
比較例品のクリーニングブレードについて、摩擦係数,
表面粗さを評価した。この結果を、下記の表2に示す。
なお、上記特性は、以下のようにして行った。
【0049】〔摩擦係数〕図7に示す装置を用いて、摩
擦係数を測定した。すなわち、一方の端部に板状保持材
2を備えたクリーニングブレード1を準備した。そし
て、支持台8の上に配置されている板状ポリカーボネー
ト7に、上記クリーニングブレード1の他方の先端角部
を圧接した。この圧接の荷重(W)は、20g/cmで
あり、上記荷重の方向は、上記板状ポリカーボネート7
に対し垂直方向(矢印X方向)である。また、上記板状
保持材に、応力センサー9を接続した。この状態で、上
記支持台を矢印Y方向に、一定速度で走行させ、この時
の応力センサー9で測定される応力(F)と、上記荷重
(W)とから下記の式(11)により、摩擦係数(μ
s)を算出した。なお、上記応力(F)は、図8に示す
曲線図のピーク10の応力を用いた。また、クリーニン
ブレード1の板状ポリカーボネート7に対する接触角度
を下記の表2に示した。
【0050】 摩擦係数(μs)=F/W …(11)
【0051】〔表面粗さ〕表面粗さ輪郭形状測定機(サ
ーフコム550A,東京精密社製)を用いて測定した。
【0052】
【表2】
【0053】上記表2から、全実施例品のクリーニング
ブレードは、摩擦係数が低く、また表面粗さも良好であ
った。このことから、実施例品のクリーニングブレード
は、優れた滑り性を備えていることがわかる。これに対
し、低摩擦層が形成されなかった比較例品のクリーニン
グブレードは、摩擦係数が大きく、また表面粗さも悪か
った。また、上記全実施例品のクリーニングブレード
は、その製造が簡単であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】低摩擦層が形成されたクリーニングブレードの
断面図である。
【図2】接着層を介して低摩擦層が形成されたクリーニ
ングブレードの断面図である。
【図3】(A)は、クリーニングブレード用成形型の断
面図であり、(B)は、上記クリーニングブレード用成
形型の成形面の拡大断面図である。
【図4】離型剤と接着剤の混合塗布液が、接着層と離型
剤層とに分離する状態を示す断面図である。
【図5】(A)は、従来のクリーニングブレードの斜視
図であり、(B)は、その断面図である。
【図6】(A)は、クリーニングブレードを用いて感光
ドラム表面の残留トナーを除去する状態を示す構成図で
あり、(B)は、上記クリーニングブレードが反転した
状態を示す構成図である。
【図7】クリーニングブレードの摩擦係数の測定装置の
構成図である。
【図8】応力(F)と、時間との関係を表す曲線図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 研一 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600 東 海ゴム工業株式会社内 (72)発明者 鈴木 康仁 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600 東 海ゴム工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平7−266463(JP,A) 特開 平5−46056(JP,A) 特開 平3−107983(JP,A) 特開 平3−107984(JP,A) 特開 平6−43796(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 21/00 B29C 33/56 - 33/68

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 成形面に離型剤の塗布層が形成されたク
    リーニングブレード用成形型と、ウレタンゴム用プレポ
    リマーと硬化剤とを主成分とする液状クリーニングブレ
    ード成形組成物とを準備し、上記クリーニングブレード
    用成形型に上記液状クリーニングブレード成形組成物を
    注入して硬化させ、ついでこの硬化物を脱型するクリー
    ニングブレードの製法であって、上記離型剤としてウレ
    タンゴムと反応する反応要素を含有するとともに滑り性
    要素を含有するものを用いることを特徴とするクリーニ
    ングブレードの製法。
  2. 【請求項2】 上記離型剤の塗布層が接着剤層を介して
    形成される請求項1記載のクリーニングブレードの製
    法。
  3. 【請求項3】 上記離型剤が反応性フッ素化合物であっ
    て、ウレタンゴムと反応する要素が活性水素または活性
    イソシアネート基であり、滑り性要素がフッ素原子であ
    る請求項1または2記載のクリーニングブレードの製
    法。
  4. 【請求項4】 上記離型剤が反応性シリコーン化合物で
    あって、ウレタンゴムと反応する要素が活性水素または
    活性イソシアネート基であり、滑り性要素が硅素原子で
    ある請求項1または2記載のクリーニングブレードの製
    法。
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