JP2003058010A - 電子写真装置用ブレード体及びその製造方法 - Google Patents

電子写真装置用ブレード体及びその製造方法

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JP2003058010A
JP2003058010A JP2001246895A JP2001246895A JP2003058010A JP 2003058010 A JP2003058010 A JP 2003058010A JP 2001246895 A JP2001246895 A JP 2001246895A JP 2001246895 A JP2001246895 A JP 2001246895A JP 2003058010 A JP2003058010 A JP 2003058010A
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Japan
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group
blade
blade body
siloxane
electrophotographic apparatus
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JP2001246895A
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English (en)
Inventor
Masahiko Minemura
正彦 峯村
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ブレード部材を支持体に接着してなる電
子写真装置用ブレード体において、ブレード部材が、ア
ルコール性水酸基を有するシロキサンを含むポリオール
とイソシアネート成分とを反応させてなり、ケイ素原子
数が2〜20である環状オルガノシロキサン及び末端ト
リオルガノシロキシ基封鎖直鎖状オルガノシロキサンの
合計量が1000ppm以下であるシリコーン変性熱可
塑性ポリウレタンにより形成されたことを特徴とする電
子写真装置用ブレード体。 【効果】 本発明の電子写真装置用ブレードは、0〜6
0℃の広温度域で一定した摺動性、クリーニング特性を
有し、耐汚染性に優れ、低コストで簡単に製造すること
が可能である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真装置に用
いられるブレード部材、特に感光ドラム表面の残留トナ
ーの除去に用いられるクリーニングブレード及びトナー
の薄層化に用いられる現像ブレード及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】電子写
真複写機の画像形成装置は、図1に示すように電子写真
感光ドラム2の表面に帯電装置1により放電によって電
荷を与え、これを光像照射装置3により露光し静電潜像
を形成すると共に、潜像の極性とは逆の極性を有するト
ナー7を現像ローラ4により付着させて現像し、その
後、搬送された紙等の被転写物(記録紙)9に転写す
る。現像ブレード6は一旦現像ローラ4上に付着させた
トナー7を均一化する目的で、また、クリーニングブレ
ード11は残留したトナー7を掻き取る目的で使用され
ている。
【0003】現像ブレード6は、この現像ブレード6の
先端角部と現像ローラ4が一定の隙間をあけて配置され
ており、トナー7がトナー供給ローラ5により送られ、
一旦現像ローラ4上に付着したトナー7を現像ブレード
6により均一に薄層化させるものである。
【0004】また、クリーニングブレード11は、電子
写真複写機内部の支持体12により基台13に固定さ
れ、かつクリーニングブレード11の先端角部が感光ド
ラム2面に圧接するように斜めに配置されている。この
状態で、感光ドラム2が矢印方向に回転すると、残留ト
ナー7が掻き落とされて感光ドラム2表面がクリーニン
グされるものである。
【0005】上記ブレード形成材料のゴム弾性体として
は、一般にウレタンゴムが使用されている。このウレタ
ンゴム製ブレードは、通常、プレポリマー法により次の
ようにして製造される。先ず、成形面に離型剤の塗布層
が形成されたブレード用成形型を準備する。この離型剤
の塗布層は、所定のブレード形状に硬化したウレタンゴ
ムを成形型から容易に剥離させるためのものである。次
に、ポリイソシアネートとポリオールとを部分的に重合
したプレポリマーと硬化剤とを主成分とする液状ブレー
ド成形組成物を上記成形型内に注入し、これを硬化反応
させ、次いでこの硬化物を脱型することにより製造され
ている。しかしながら、上記ウレタンゴム製ブレード
は、液状プレポリマー及び液状架橋剤を使用するため、
保存安定性が悪く、また成形反応に時間がかかる。
【0006】また、上記ウレタンゴム製ブレードは、耐
摩耗性等に優れるため長寿命であるという利点を有する
が、ウレタンゴム製クリーニングブレードは、複写開始
時等において感光ドラムの回転に帯同し、反転するおそ
れがある。複写を開始した後は、ウレタンゴム製クリー
ニングブレードと感光ドラム表面との間にトナーが介在
するようになるため、クリーニングブレードと感光ドラ
ム表面との相互の摩擦が軽減されてクリーニングブレー
ドの反転はおこらないが、複写開始時等のトナーが存在
しない状態では、クリーニングブレードと感光ドラム表
面との相互の摩擦が大きいためクリーニングブレードが
感光ドラムの回転に伴い反転してしまう。このように、
クリーニングブレードが一度反転すると、感光ドラムと
の接触が不十分となり、複写が開始されてトナーが感光
ドラム表面に残留するようになっても、この残留トナー
を完全に掻き落とすことができなくなる。
【0007】このようなクリーニングブレードの反転の
問題を解決するために、表面の一部に低摩擦層が形成さ
れたクリーニングブレードが提案され、一部で実施され
ている(特開平4−260084号公報)。このクリー
ニングブレードは、フッ化黒鉛等の滑り性付与剤とナイ
ロン樹脂等の接着剤とを混合した低摩擦層形成剤をクリ
ーニングブレードの感光ドラム接触部にディッピング法
等により塗工して低摩擦層を形成したものである。この
ようにすれば、感光ドラムとクリーニングブレードとの
摩擦を軽減することができ、複写開始時のような感光ド
ラム表面にトナーが存在しない状態であっても、クリー
ニングブレードの反転が防止されるようになる。しか
し、上記低摩擦層を形成したクリーニングブレードの製
造には、従来の工程の他に、低摩擦層形成剤の塗工工程
が新たに必要となり、製造コストが高くなるという問題
がある。また、上記ディッピング法等に使用する特別の
塗工装置の設備コスト等もかかるようになる。
【0008】また、シリコーンとポリオールとの多元重
合体を使用したシリコーン含有ウレタン(特開平4−3
66878号公報)や両末端に活性水素を有するシロキ
サンを使用したポリウレタンも提案されている(特開平
8−292694号公報)が、本発明者の検討による
と、原料の反応性シロキサンを合成する際、副生成物と
して非反応性低分子シロキサンが生成するため、反応後
のポリウレタンブレードを使用した場合、この低分子シ
ロキサンによる感光体表面の汚染及びチャージワイヤー
への付着、更にはシリカの放電によるシリカ生成に起因
する帯電むらを生じる危険性がある。
【0009】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、上記欠点を解消した、0〜60℃の広温度域で
一定した摺動性、クリーニング特性を有し、成形が容易
で簡単に製造することが可能な電子写真装置用ブレード
体及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するため鋭意検討したところ、アルコール性水酸基
を有するシロキサンを含むポリオールとイソシアネート
成分とを反応させ、ポリマー中の環状オルガノシロキサ
ン及び末端トリオルガノシロキシ基封鎖直鎖状オルガノ
シロキサン(ケイ素原子数2〜20の有機ケイ素化合
物)が1000ppm以下である射出成形可能な熱可塑
性ポリマーを使用した電子写真装置用ブレード体が、0
〜60℃の広温度域で一定した摺動性、クリーニング特
性を有し、耐汚染性に優れ、簡単に製造することができ
ることを見出した。
【0011】また、本発明者は、成形型の成形面に塗布
される離型剤をそのまま利用してクリーニングブレード
表面に低摩擦層を形成すると、低摩擦層を設けるための
工程や材料を省略あるいは節約できるようになるという
着想を得た。この着想に基づき、離型剤用材料として種
々の材料を試験する中で、ウレタンゴムと反応する反応
要素と滑り性要素とを含有する特殊な離型剤、即ち下記
一般式(1),(2)又は(3)で示されるアルコール
性水酸基含有シロキサンを成形型の成形面に塗布して離
型剤層を形成し、この成形型に本熱可塑性ポリマーを射
出成形することにより、クリーニングブレード表面に、
上記離型剤層が結合し、このクリーニングブレードを脱
型する際に、上記離型剤層が上記クリーニングブレード
表面に移行し、これが低摩擦層となることを突き止め、
この離型剤層からなる低摩擦層を備えたクリーニングブ
レードは、複写開始時等において反転が生じないこと、
これは離型剤層をそのまま低摩擦層とすることができる
ため、低摩擦層形成のための塗工工程や設備等を特別に
設ける必要がなくなり、大幅なコストの低減を実現でき
るようになることを知見し、本発明をなすに至った。
【0012】
【化4】 (式中、R1は炭素数1〜8の同一又は異種のアルキル
基又はアリール基、R2はアルキレン基又はエステル結
合もしくはエーテル結合を有する2価の有機基であり、
nは5〜200の整数である。)
【0013】従って、本発明は、下記電子写真装置用ブ
レード体及びその製造方法を提供する。 (I)ブレード部材を支持体に接着してなる電子写真装
置用ブレード体において、ブレード部材が、アルコール
性水酸基を有するシロキサンを含むポリオールとイソシ
アネート成分とを反応させてなり、ケイ素原子数が2〜
20である環状オルガノシロキサン及び末端トリオルガ
ノシロキシ基封鎖直鎖状オルガノシロキサンの合計量が
1000ppm以下であるシリコーン変性熱可塑性ポリ
ウレタンにより形成されたことを特徴とする電子写真装
置用ブレード体、(II)上記ブレード体表面に、上記
一般式(1),(2)又は(3)で示されるアルコール
性水酸基含有シロキサンによる離型層が形成されてなる
ことを特徴とする電子写真装置用ブレード体、(II
I)ブレード部材を支持体に接着してなる電子写真装置
用ブレード体において、ブレード部材が、アルコール性
水酸基を有するシロキサンを含むポリオールとイソシア
ネート成分とを反応させてなるシリコーン変性熱可塑性
ポリウレタンにより形成され、その表面に上記一般式
(1),(2)又は(3)で示されるアルコール性水酸
基含有シロキサンによる離型層が形成されてなることを
特徴とする電子写真装置用ブレード体、(IV)ブレー
ド部材を支持体に接着してなる電子写真装置用ブレード
体を製造する方法において、アルコール性水酸基を有す
るシロキサンを含むポリオールとイソシアネート成分と
を反応させてなるシリコーン変性熱可塑性ポリウレタン
を、キャビティ表面に離型剤として上記一般式(1),
(2)又は(3)で示されるアルコール性水酸基含有シ
ロキサンを塗布した金型の上記キャビティ内に射出成形
することを特徴とする電子写真装置用ブレード体の製造
方法、(V)シリコーン変性熱可塑性ポリウレタンが、
ケイ素原子数2〜20である環状オルガノシロキサン及
び末端トリオルガノシロキシ基封鎖直鎖状オルガノシロ
キサンの合計量が1000ppm以下のものであること
を特徴とする上記製造方法。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明につき更に詳しく説
明する。本発明の第1の電子写真装置用ブレード体は、
アルコール性水酸基を有するシロキサンを含むポリオー
ルとイソシアネート成分とを反応させてなる射出成形可
能な熱可塑性ポリマー(シリコーン変性熱可塑性ポリウ
レタン)を射出成形して得られるものである。
【0015】本発明に用いられる熱可塑性ポリマーの1
成分であるポリオールは、アルコール性水酸基を有する
シロキサンを含むものである。かかるアルコール性水酸
基を有するシロキサンとしては、両末端水酸基含有シロ
キサン、片末端水酸基含有シロキサン、側鎖水酸基含有
シロキサンが挙げられる。
【0016】このアルコール性水酸基を有するシロキサ
ンとしては、下記式で示されるものが挙げられる。
【0017】
【化5】 (式中、R3は互いに同一又は異種の非置換又は置換1
価炭化水素基、R4はR3又は−(CH2c−O−(R
O)dH(但し、Rはエチレン基、プロピレン基、ブチ
レン基等の炭素数2〜6、特に2〜4のアルキレン基で
あり、cは2〜3、dは1〜10、特に1〜5の整数で
ある。)を示し、aは5〜100、特に10〜30、b
は0〜5の整数であるが、R4の少なくとも1つは−
(CH2c−O−(RO)dH基である。)
【0018】なお、R3としては、炭素数1〜10、特
に1〜8のものが好ましく、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基、ペンチル基、へプチル基、オクチル
基などのアルキル基、フェニル基、トリル基などのアリ
ール基等や、これらの基の水素原子の一部又は全部をフ
ッ素原子等のハロゲン原子などで置換した基が挙げられ
る。
【0019】このようなシロキサンは、下記式(i)で
示されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンと下記
式(ii)で示されるビニル基含有ポリオールとを白金
系触媒等の付加反応触媒の存在下で付加反応させるなど
の方法で得ることができる。
【0020】
【化6】 (式中、R3,a,bは上記と同じ。R5はR3又はHで
あるが、R5の少なくとも1つはHである。) CH2=CH−(CH2e−O−(RO)dH (ii) (式中、R,dは上記と同じ。eは0〜3の整数であ
る。)
【0021】本発明に用いられるポリオール成分におい
て、アルコール性水酸基を有するシロキサン以外の高分
子ポリオールとしては、公知の材料を使用できるが、平
均分子量500〜10,000のものが好ましい。この
高分子ポリオールとしては、例えばポリエチレンアジペ
ート、ポリエチレンプロピレンアジペート、ポリエチレ
ンブチレンアジペート、ポリブチレンアジペート、ポリ
ヘキサメチレンアジペート、ポリジエチレンアジペー
ト、ポリエチレンサクシネート、ポリブチレンサクシネ
ート、ポリエチレンセバケート、ポリプロピレングリコ
ール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、ポリ−
ε−カプロラクトンジオール、ポリヘキサメチレンカー
ボネート等のポリエステル系ポリオール、ポリエーテル
系ポリオール、ポリカーボネート系ポリオール、ポリラ
クトン系ポリオール等、及び上記ポリオール中に適当な
量のポリオキシエチレン鎖を含有するもの等が挙げられ
る。
【0022】高分子ポリオールの使用量は、特に限定さ
れないが、全ポリオール成分の5〜40重量%であるこ
とが好ましい。
【0023】本発明に用いられるポリイソシアネートと
しては、公知の材料を使用できるが、例えば4,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、水添M
DI、イソホロンジイソシアネート、1,3−キシレン
ジイソシアネート、1,4−キシレンジイソシアネー
ト、2,4−トリレンジイソシアネート(TDI)、
2,6−トリレンジイソシアネート、1,5−ナフタレ
ンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネー
ト、p−フェニレンジイソシアネート等や、あるいはこ
れらの有機ポリイソシアネートと低分子量のポリオール
やポリアミンとを末端イソシアネートとなるように反応
させて得られるウレタンプレポリマー等が挙げられる。
この中でもMDI、TDI等を用いることが好ましい。
【0024】ポリイソシアネートの配合量は、ポリオー
ル中のOH基/NCO基が0.9〜1.2、特に1.0
1〜1.15であり、イソシアネート基が過剰であるこ
とが好ましい。
【0025】本発明の熱可塑性ポリマーには、上記成分
の他に鎖長延長剤、触媒等を配合することができる。鎖
長延長剤としては、低分子ジオール、低分子ジアミン等
の公知の材料を使用できるが、平均分子量250以下の
低分子ジオールが好ましい。この鎖長延長剤としては、
例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジ
エチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6
−ヘキサンジオール、ビスヒドロキシエチルエーテルベ
ンゼン等が挙げられる。
【0026】熱可塑性ポリマーのウレタン化反応におけ
る触媒としては、例えば、有機錫触媒、トリエチレンジ
アミン(TEDA)やDBU−2エチルヘキサン酸塩が
挙げられる。これらは、1種単独であるいは2種以上を
併用して用いることができる。また、この触媒の配合量
は、成形組成物全体の100〜2000ppmが好まし
く、特に好ましくは500〜1500ppmの範囲であ
る。
【0027】上記熱可塑性ポリマーの合成方法として
は、特に制限されず、公知の方法により合成することが
できるが、熱可塑性ポリマーの原料となるアルコール性
水酸基を有するシロキサンを合成する際の副生成物とし
て生成する低分子シロキサンによる感光体表面の汚染及
びチャージワイヤー上への付着、更にはシリカの放電に
よるシリカ生成に起因する帯電むらを避けるため、アル
コール性水酸基を有するシロキサンをあらかじめ120
℃以上、好ましくは150℃以上の高温で、好ましくは
30torr以下に減圧することにより、包含する低分
子シロキサンである末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメ
チルシロキサン及び環状ジメチルシロキサンを除去した
後、これを含むポリオールとイソシアネート成分とを反
応させてシリコーン変性熱可塑性ポリウレタンを合成す
る。即ち、熱可塑性ポリマー中の末端トリメチルシロキ
シ基封鎖ジメチルシロキサン及び環状ジメチルシロキサ
ン(ケイ素原子数2〜20の有機ケイ素化合物)の合計
量が1000ppm以下である熱可塑性ポリマーとする
ものである。
【0028】熱可塑性ポリマーの硬度(JIS−A)
は、感光ドラムとの接触においてクリーニングブレード
が反転しないよう30〜95とすることが好ましく、更
には70〜80とすることが好ましい。
【0029】次に、上記熱可塑性ポリマーにて形成され
たブレード部材表面に形成される離型層につき説明する
と、この離型層の形成に用いられる離型剤としては、下
記一般式(1),(2)又は(3)で示されるアルコー
ル性水酸基含有シロキサンを使用する。
【0030】
【化7】
【0031】ここで、R1は炭素数1〜8のメチル基、
エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、へプチ
ル基、オクチル基などのアルキル基又はフェニル基、ト
リル基などのアリール基であり、R2はメチレン基、エ
チレン基、プロピレン基、ブチレン基などの炭素数1〜
6のアルキレン基又はエステル結合もしくはエーテル結
合を有する2価の有機基であり、R1,R2はそれぞれ互
いに同一でも異なっていてもよい。nは5〜200の整
数である。なお、エステル結合もしくはエーテル結合を
有する2価の有機基としては、上記アルキレン基にエス
テル基又はエーテル基として−COO−又は−O−の態
様で介在したものが挙げられる。
【0032】これらの離型剤は、通常液状であり、その
まま使用されるが、溶剤に溶解して離型剤塗布液として
使用してもよい。上記溶剤としては、例えばメタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコー
ル類、メチルエチルケトン、トルエン等の炭化水素類、
テトラヒドロフラン(THF)、N,N−ジメチルホル
ムアミド(DMF)、N,N−ジメチルアセトアミド
(DMAC)、塩化メチレン等の塩素系溶剤などが挙げ
られる。また、離型剤は、その粘度が1000cps未
満、好ましくは100cps未満のものを用いることが
好ましい。上記離型剤の粘度が1000cps以上とな
ると、塗布作業が困難となるおそれがある。
【0033】ブレード用成形型は、特に制限するもので
はなく、一般のブレードの製造に用いられる金型が使用
される。この場合、上記離型剤は、金型のキャビティ面
に塗布され、このキャビティに上記熱可塑性ポリマーを
射出成形する。これにより、熱可塑性ポリマー中のNC
O基と上記離型剤中のOH基とが反応し、ブレード部材
表面に、上記離型剤による離型層(低摩擦層)が形成さ
れる。なお、ブレードの射出成形条件は、公知の通常の
条件とすることができる。また、キャビティ表面に塗布
される離型剤の厚さは0.1〜100μm程度とするこ
とが好ましい。
【0034】上記ブレード体を電子写真装置の支持体へ
接着する接着層の形成材料である接着剤としては、クロ
ロプレン等のゴム系接着剤、シランカップリング剤、エ
ポキシ系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂等の接
着剤などが挙げられる。この中でもアクリル系接着剤が
好ましい。ブレード体の支持体への接着方法としては、
離型剤を塗布して離型剤層を形成し、この離型剤層の上
に、上記接着剤を塗布して接着層を形成することができ
るが、上記接着剤の中でも、離型剤とこれと非相溶性の
接着剤(アクリル系接着剤等)の混合液を用いて接着層
を形成することが好ましい。このときの混合比(重量
比)は、特に制限するものではないが、離型剤/接着剤
=9/1〜1/9、好ましくは離型剤/接着剤=9/1
〜5/5の範囲が望ましい。
【0035】
【発明の効果】本発明の電子写真装置用ブレードは、0
〜60℃の広温度域で一定した摺動性、クリーニング特
性を有し、耐汚染性に優れ、低コストで簡単に製造する
ことが可能である。
【0036】
【実施例】以下、実施例及び比較例を示し、本発明を具
体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限される
ものではない。
【0037】[実施例]両末端水酸基含有シロキサンの製造 下記式(4)で示されるα,ω−ハイドロジェンシロキ
サン950重量部と下記式(5)で示されるポリオキシ
アルキレン684重量部、イソプロピルアルコール及び
塩化白金酸2重量%のエタノール溶液0.1重量部をフ
ラスコ中で80℃まで加熱して反応させ、常圧でトルエ
ンを留去した後、130℃にて1torr以下まで減圧
にして精製後、目的とするα,ω−ポリオキシプロピレ
ンシロキサン(6)を得た。OH価は52KOH−g/
gであった。
【0038】
【化8】
【0039】シリコーン変性熱可塑性ポリウレタンの合
成及びブレード成形 得られたα,ω−ポリオキシプロピレンシロキサン11
0重量部(51mmol)、PTMG(分子量:100
0)68.9重量部(68.9mmol)、MDI 1
06重量部(422mmol)に錫触媒を用いて徐々に
加熱し、増粘後、1,4−ブタンジオール27.3重量
部(303mmol)を添加して180℃まで加熱し
た。これを2軸押し出し機にてペレット状とした後、成
形温度225℃にて下記式(7)で示されるシロキサン
を噴霧した金型に射出成形してブレード形状物を得た。
【0040】
【化9】
【0041】ブレード成形物100gをトルエンを使用
し、ソックスレー抽出したところ、残存する低分子シロ
キサン(直鎖状シロキサン、環状シロキサン)Si数2
〜20までの合計量は500ppmであった。
【0042】市販の静電式電子写真複写機に装着して、
所定の温度で連続複写したところ、クリーニング性能は
常温、0℃及び35℃においていずれも5000枚まで
良好であった。
【0043】[比較例]両末端水酸基含有シロキサンの製造 実施例の加熱減圧条件を125℃/10torrにて5
時間精製した以外は実施例と同様にして目的とするα,
ω−ポリオキシプロピレンシロキサン(6)を得た。O
H価は54KOH−g/gであった。シリコーン変性熱可塑性ポリウレタンの合成及びブレー
ド成形 得られたα,ω−ポリオキシプロピレンシロキサン10
6重量部(51mmol)、PTMG(分子量:100
0)68.9重量部(68.9mmol)、MDI 1
06重量部(422mmol)に錫触媒を用いて徐々に
加熱し、増粘後、1,4−ブタンジオール27.3重量
部(303mmol)を添加して180℃まで加熱し
た。これを2軸押し出し機にてペレット状とした後、成
形温度225℃にて金型離型剤を使用せずに金型に射出
成形してブレード形状物を得た。
【0044】ブレード成形物100gをトルエンを使用
し、ソックスレー抽出したところ、残存する低分子シロ
キサン(直鎖状シロキサン、環状シロキサン)Si数2
〜20までの合計量は1080ppmであった。
【0045】市販の静電式電子写真複写機に装着して、
所定の温度で連続複写したところ、クリーニング性能は
0℃において2000枚の複写でクリーニング不良が発
生し、また、感光体表面に筋状の白濁物が付着してい
た。この表面IRを測定したところ、SiO結合の吸収
が観測された。また、35℃では900枚の複写で異音
が発生した。
【図面の簡単な説明】
【図1】静電式電子写真複写機の画像形成装置を示す概
略断面図である。
【符号の説明】
1 帯電装置 2 感光ドラム 3 光像照射装置 4 現像ローラ 5 トナー供給ローラ 6 現像ブレード 7 トナー 8 転写装置 9 記録紙 10 定着装置 11 クリーニングブレード 12 支持体 13 基台
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H077 AD02 AD06 AD13 AD23 FA22 2H134 GA01 GB02 HD04 HD19 HD20 KD07 KD08 KE02 KE07 KH15 4J034 BA03 BA08 BA09 CA04 DA01 DM01 HA01 HA06 HA07 HC11 HC12 HC13 HC16 HC22 HC46 HC52 HC63 HC64 HC67 HC71 HC73 KC17 KD02 KD12 QA03 QB15 RA14

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレード部材を支持体に接着してなる電
    子写真装置用ブレード体において、ブレード部材が、ア
    ルコール性水酸基を有するシロキサンを含むポリオール
    とイソシアネート成分とを反応させてなり、ケイ素原子
    数が2〜20である環状オルガノシロキサン及び末端ト
    リオルガノシロキシ基封鎖直鎖状オルガノシロキサンの
    合計量が1000ppm以下であるシリコーン変性熱可
    塑性ポリウレタンにより形成されたことを特徴とする電
    子写真装置用ブレード体。
  2. 【請求項2】 硬度(JIS−A)が30〜95である
    請求項1記載の電子写真装置用ブレード体。
  3. 【請求項3】 上記ブレード体表面に、下記一般式
    (1),(2)又は(3)で示されるアルコール性水酸
    基含有シロキサンによる離型層が形成されてなることを
    特徴とする請求項1又は2記載の電子写真装置用ブレー
    ド体。 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜8の同一又は異種のアルキル
    基又はアリール基、R2はアルキレン基又はエステル結
    合もしくはエーテル結合を有する2価の有機基であり、
    nは5〜200の整数である。)
  4. 【請求項4】 ブレード部材を支持体に接着してなる電
    子写真装置用ブレード体において、ブレード部材が、ア
    ルコール性水酸基を有するシロキサンを含むポリオール
    とイソシアネート成分とを反応させてなるシリコーン変
    性熱可塑性ポリウレタンにより形成され、その表面に下
    記一般式(1),(2)又は(3)で示されるアルコー
    ル性水酸基含有シロキサンによる離型層が形成されてな
    ることを特徴とする電子写真装置用ブレード体。 【化2】 (式中、R1は炭素数1〜8の同一又は異種のアルキル
    基又はアリール基、R2はアルキレン基又はエステル結
    合もしくはエーテル結合を有する2価の有機基であり、
    nは5〜200の整数である。)
  5. 【請求項5】 硬度(JIS−A)が30〜95である
    請求項4記載の電子写真装置用ブレード体。
  6. 【請求項6】 ブレード部材を支持体に接着してなる電
    子写真装置用ブレード体を製造する方法において、アル
    コール性水酸基を有するシロキサンを含むポリオールと
    イソシアネート成分とを反応させてなるシリコーン変性
    熱可塑性ポリウレタンを、キャビティ表面に離型剤とし
    て下記一般式(1),(2)又は(3)で示されるアル
    コール性水酸基含有シロキサンを塗布した金型の上記キ
    ャビティ内に射出成形することを特徴とする電子写真装
    置用ブレード体の製造方法。 【化3】 (式中、R1は炭素数1〜8の同一又は異種のアルキル
    基又はアリール基、R2はアルキレン基又はエステル結
    合もしくはエーテル結合を有する2価の有機基であり、
    nは5〜200の整数である。)
  7. 【請求項7】 シリコーン変性熱可塑性ポリウレタン
    が、ケイ素原子数2〜20である環状オルガノシロキサ
    ン及び末端トリオルガノシロキシ基封鎖直鎖状オルガノ
    シロキサンの合計量が1000ppm以下のものである
    ことを特徴とする請求項6記載の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008209736A (ja) * 2007-02-27 2008-09-11 Sumika Bayer Urethane Kk 電子複写機のクリーニングブレード用ポリウレタンエラストマー

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