JP2006335892A - 弾性部材形成用組成物、電子写真用ローラ、その製造方法、並びにそれを用いた電子写真プロセスカートリッジおよび電子写真装置 - Google Patents

弾性部材形成用組成物、電子写真用ローラ、その製造方法、並びにそれを用いた電子写真プロセスカートリッジおよび電子写真装置 Download PDF

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Abstract

【課題】電子写真用ローラの導電性弾性層を金型を使用せずに形成する方法、及びその方法に好適に使用可能な弾性部材形成用組成物を提供し、それを用いた電子写真用ローラ、電子写真プロセスカートリッジ、及び画像形成装置を提供すること。
【解決手段】ブロックイソシアネートと、該ブロックイソシアネートと反応しうる官能基を有する化合物と、樹脂粒子/粉体と、導電性付与剤と、を含有する弾性部材形成用組成物を用いて、電子写真用ローラの導電性弾性層をリング塗工法により形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、軸芯体の外周上に少なくとも導電性弾性層が形成されている電子写真用ローラの弾性部材を形成する原料として好適な弾性部材形成用組成物、並びにそれを用いた電子写真用ローラおよびその製造方法に関する。また、この電子写真用ローラを少なくとも一つ具備する電子写真プロセスカートリッジおよび電子写真装置に関する。
電子写真方式を採用した画像形成装置、すなわち電子写真装置には、高分子導電部材が様々な用途、例えば、帯電部材、現像部材、転写部材などの部材として使用されている。
電子写真感光体に接触配置または近接配置される導電性部材の形状としては、ローラ形状、ブレード形状、ブラシ形状、ベルト形状、フィルム形状、シート形状、チップ形状などが挙げられる。中でも、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラなど、ローラ形状の電子写真用ローラが多く用いられている。
このような電子写真用ローラは軸芯体の外周上に少なくとも導電性弾性層を有しており、その導電性弾性層はポリウレタンエラストマーなどにより形成される。また、導電性弾性層の成形方法としては、例えば特許文献1には、軸芯受け部に単または複数の溜め溝を設けた金型成形技術が開示されている。これによると、溜め溝部に材料を逃がすことによって寸法精度を落とすことなく良好な成形ができる。このように、高精度の導電性弾性層を形成する方法としては、金型を使用する方法が一般的である。
特開2000−006163号公報
しかしながら、導電性弾性層の形成に際し金型を使用する方法では、金型の製作、金型の洗浄、離型剤の塗布、金型の組み立て・分解、金型の加熱・冷却注型・脱型等の作業を必要とし、金型製作時間が長く、製造設備が煩雑であり、製造効率が悪かった。また、色々なサイズの電子写真用ローラを多品種少量生産するのには向いていない。さらに、クラウン形状にすると脱型が困難である。
本発明の目的は、上記課題を解消することにある。すなわち、電子写真用ローラの導電性弾性層を金型を使用せずに形成する方法、及びその方法に好適に使用可能な弾性部材形成用組成物を提供し、それを用いた電子写真用ローラ、電子写真プロセスカートリッジ、及び画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討を重ねた結果、上記課題は、ブロックイソシアネートと、ブロックイソシアネートと反応しうる官能基を有する化合物と、樹脂粒子/粉体と、導電性付与剤と、を含有する弾性部材形成用組成物を用いることで、電子写真用ローラの導電性弾性層をリング塗工法により形成可能であることを見出した。
本発明は、ブロックイソシアネートと、該ブロックイソシアネートと反応しうる官能基を有する化合物と、樹脂粒子/粉体と、導電性付与剤と、を含有する弾性部材形成用組成物である。
本発明は、軸芯体の外周上に少なくとも導電性弾性層が形成されている電子写真用ローラの製造方法において、前記軸芯体の外周を取り囲むリング形状の塗工ヘッドを用いて、前記軸芯体の外周上に、リング塗工による塗工液として用いられる前記の弾性部材形成用組成物を塗布する工程と、塗布後の前記弾性部材形成用組成物を硬化して導電性弾性層とする工程と、を有する電子写真用ローラの製造方法である。
本発明は、軸芯体の外周上に少なくとも導電性弾性層が形成されている電子写真用ローラにおいて、前記導電性弾性層が、前記の弾性部材形成用組成物で形成されたことを特徴とする電子写真用ローラである。
本発明は、軸芯体の外周上に少なくとも導電性弾性層が形成されている電子写真用ローラにおいて、前記導電性弾性層が、前記の方法で製造されたことを特徴とする電子写真用ローラである。
本発明は、前記の電子写真用ローラを少なくとも一つ具備することを特徴とする電子写真プロセスカートリッジである。
本発明は、前記の電子写真用ローラを少なくとも一つ具備することを特徴とする画像形成装置である。
本発明の弾性部材形成用組成物を用いることで、電子写真用ローラの導電性弾性層を、金型を使用せずにリング塗工法により形成できる。したがって、金型の製作、金型の洗浄、離型剤の塗布、金型の組み立て・分解、金型の加熱・冷却注型・脱型等の作業が不要になり、金型製作時間が無く、製造設備が簡便であり、製造効率が向上する。また、振れ精度、クラウン精度が良く、品質的に安定し、優れた画像を形成可能な電子写真用ローラ並びにそれを有するプロセスカートリッジおよび電子写真装置を安価に製造することができる。
[弾性部材形成用組成物]
本発明の弾性部材形成用組成物は、ブロックイソシアネートと、該ブロックイソシアネートと反応しうる官能基を有する化合物と、樹脂粒子/粉体と、導電性付与剤と、を含有する。本発明の弾性部材形成用組成物は、弾性部材を形成するために用いられる組成物であるが、特に、電子写真装置に具備される、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラなどの電子写真用ローラにおける、帯電部材、現像部材、転写部材などの電子写真用弾性部材を形成する材料として好適に用いられる組成物である。さらに、後述するリング塗工により塗工される塗工液として好適に用いられる組成物である。
ブロックイソシアネートとは、イソシアネート化合物をブロッキング剤でブロック化した化合物を指す。ブロックイソシアネートは、イソシアネート基と反応しうる官能基(例えば水酸基やアミノ基など活性水素を持つ官能基)を有する化合物と共存させても、一定温度以下であればほとんど反応することは無く安定に存在し、加熱することで両者を反応させて硬化させることができるものである。
イソシアネート化合物のブロック化は既知の方法で行うことができる。例えば、イソシアネート化合物をポリオール化合物とあらかじめ反応させたイソシアネート基末端プレポリマー中へ、ブロッキング剤を添加して反応させることができる。工程を簡単にするために、プレポリマー化に引き続いてブロック化反応を行うことが好ましい。ブロック化する際には、イソシアネート基とブロッキング剤が同モル又はわずかにブロッキング剤が過剰であることが好ましい。ブロックイソシアネートは取扱上から常温又は常温から80℃で液状であることが好ましい。
ブロッキング剤としては、例えば、ブチルグリコール、ブタノンオキシム(MEKオキシム)、フェノール、アセト酢酸エチル等のエタノイック酸エステル類(ethanoic acid ester)、マロン酸エステル類、ジメチルピラゾール、ε−カプロラクタム等のカプロラクタム類などを用いることができる。ブロッキング剤は、それぞれ特有の温度域に加熱することによりブロックイソシアネートから脱離させることができる。そして、ブロッキング剤が脱離した後のイソシアネート化合物が、イソシアネート基と反応しうる官能基を有する化合物と反応することができる。中でも、カプロラクタム類でブロック化した脱カプロラクタムタイプのブロッキング剤は、貯蔵安定性に優れており、脱離したブロッキング剤が最終成形物中で泡になりにくく好適である。ブロッキング剤は、単独で用いることもでき、複数種組み合わせて用いることもできる。
ブロックイソシアネートのイソシアネート基含有量(NCO価)は3〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜8質量%である。なお、NCO価は、モノクロルベンゼンにイソシアネート化合物(ブロックイソシアネート)を溶解し、過剰のジブチルアミンを添加し、イソシアネート化合物と反応した残りのジブチルアミンを塩酸逆滴定することにで求めることができる。
弾性部材形成用組成物におけるブロックイソシアネートの含有量は、イソシアネート基が全てブロック化されている状態で3〜20質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜8質量%である。
本発明において使用することができるイソシアネート化合物としては、例えば、ポリウレタンやポリウレア形成用の原料として使用されるイソシアネート化合物を用いることができる。イソシアネート化合物の具体例としては、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ナフタレンジイソシアネート(NDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)等が挙げられる。これらのイソシアネート化合物を、例えばポリオール化合物とあらかじめ反応させたプレポリマーを用いることもできる。
ブロックイソシアネートと反応しうる官能基を有する化合物としては、例えば、水酸基やアミノ基など活性水素を持つ官能基を有する化合物を用いることができる。水酸基を有する化合物(ポリオール化合物)はブロックイソシアネートとウレタン化反応を起こし、ポリウレタンを形成することができる。アミノ基を有する化合物(ポリアミン化合物)は、ブロックイソシアネートとウレア化反応を起こし、ポリウレアを形成することができる。
ポリオール化合物としては、例えば、ポリウレタン形成用の原料として使用されるポリオール化合物を用いることができる。ポリオール化合物の具体例としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール−エチレングリコール、及びそれらのブレンド等のポリアルキレングリコール類や、ポリテトラメチレンエーテルグリコール、テトラヒドロフランとアルキレンオキサイドとの共重合ポリオール、それらの各種変性体、及びそれらのブレンドなどのポリエーテルポリオール化合物;アジピン酸等のジカルボン酸とエチレングリコールなどのポリオール化合物との縮合により得られる縮合系ポリエステルポリオール、ラクトン系ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、及びそれらのブレンドなどのポリエステルポリオール化合物が挙げられる。ポリオール化合物は、単独で用いることもでき、複数種組み合わせて用いることもできる。
ポリアミン化合物としては、例えば、ポリウレア形成用の原料として使用されるポリアミン化合物を用いることができる。ポリアミン化合物の具体例としては、3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン、3−アミノ−1−シクロヘキシルアミノプロパン、イソホロンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン等の数平均分子量500未満の低分子量ポリアミン化合物;数平均分子量500以上の高分子量ポリオキシアルキレンポリアミンなどが考えられる。ハードセグメントを構成可能な低分子量ポリアミン化合物としては、イソシアネート基との反応性がやや小さいものが好ましい。低分子量ポリアミン化合物のアミノ基としては、反応性の面から、芳香族環に結合していることが好ましく、芳香環の隣接位置にアルキル基があるものや芳香環についた2級アミノ基がより好ましい。数平均分子量500以上の高分子アミノ化合物としては、ポリエーテルポリオールの末端水酸基をアミノ基に変換したポリオキシアルキレンポリアミンがあり、ハンツマン社から市販されている。数平均分子量としては、1,000〜5,000のものが入手できる。また、アミノ官能基数としては、2〜3のものが市販されている。ポリアミン化合物は、単独で用いることもでき、複数種組み合わせて用いることもできる。
弾性部材形成用組成物におけるブロックイソシアネートと反応しうる官能基を有する化合物の含有量は、ブロックイソシアネートとの当量比で0.7〜1.1であることが好ましく、より好ましくは0.8〜1.0である。
弾性部材形成用組成物には、上記の成分の他、必要に応じて、鎖延長剤、架橋剤、触媒、助剤等を含んでいても良い。鎖延長剤の具体例としては、1,4―ブタンジオール、1,6―ヘキサンジオール、エチレングリコール等が挙げられる。架橋剤の具体例としては、トリメチロールプロパン等が挙げられる。を挙げることができる。さらに、鎖延長剤、架橋剤として、高分子量ポリオール、アミン類を用いることもできる。特に、高分子ポリオール、ブロックイソシアネート及び架橋剤を反応させる際などには、ポリウレタンの形成に用いられる触媒を添加することもできる。触媒の具体例としては、トリエチレンジアミン等の三級アミン;第四級アンモニウム塩、カリウムのカルボン酸塩等のイソシアネート3量化触媒;などが挙げられる。助剤としては、ポリウレタンやポリウレアを製造する際に用いられる助剤を用いることができる。
本発明の弾性部材形成用組成物は、以上の成分をベース樹脂成分として含有し、さらに樹脂粒子/粉体と、導電性付与剤と、を含有する。
樹脂粒子/粉体としては、架橋樹脂粒子/粉体を用いることもでき、非架橋型の熱可塑性樹脂粒子/粉体や熱可塑性エラストマー粒子/粉体を用いることもできる。具体的には、PMMA等で形成されたアクリル粒子/粉体、ウレタン粒子/粉体等が挙げられる。樹脂粒子/粉体として、架橋アクリル粒子/粉体を用いることが好ましく、架橋アクリル粒子/粉体と非架橋型の熱可塑性樹脂粒子/粉体や熱可塑性エラストマー粒子/粉体を併用することも好ましい。樹脂粒子/粉体は、単独で用いることもでき、複数種組み合わせて用いることもできる。
弾性部材形成用組成物に樹脂粒子/粉体を用いることで、温度の上昇とともに硬化反応前の弾性部材形成用組成物を増粘させることができ、ブロックイソシアネートの分解温度に達するまでのたれを防止することができ、成形精度良く硬化反応を行うことができるようになる。すなわち、樹脂粒子/粉体の熱ゲル化性を利用して、加熱工程中のたれを防止することで、均一な製品の製造が可能となる。
そのような観点から、樹脂粒子/粉体の平均重合度は2000〜40000であることが好ましく、また樹脂粒子/粉体の平均粒径は0.1〜5μmであることが好ましい。平均粒径を0.1μm以上とすることで、弾性部材形成用組成物の粘度を低下させる効果が大きくなる。平均粒径を5μm以下とすることで、表面粗さを適切なものとすることができる。
弾性部材形成用組成物における樹脂粒子/粉体の含有量は、ベース樹脂成分100質量%に対して1〜100質量%であることが好ましい。この含有量を1質量%以上とすることで、弾性部材形成用組成物の垂れを効果的に防止することができる。前記含有量を100質量%以下とすることで、塑性変形が大きくなったり弾性が失われたりすることがなくなる。より好ましくは5〜50質量%である。
導電性付与剤としては、例えば、アルカリ金属塩、過塩素酸リチウムなどを用いることができる。具体的には、スルホン酸リチウム、イミドリチウム等が挙げられる。また、一般式(1):
[Me(ClO4nx・[R(OH)yz (1)
(式中、Meは周期律表の第1族または第2族に属する原子、Rは多価アルコールまたはその誘導体の水酸基を除く残基を表し、nは1または2、xは1,2,3,4または5、yは1,2または3、zは1,2,3,4,5または6である)
で表される錯化合物を用いることもできる。
さらに、導電性付与剤として、導電性微粉末および導電性繊維を用いることもできる。具体的には、カーボンブラックやグラファイト系の粉末あるいは繊維物質;銅,ニッケル,銀、亜鉛等の導電性金属粉末あるいは繊維物質;酸化スズ、酸化亜鉛,酸化チタン,酸化インジュウム等の金属酸化物の粉末あるいは繊維状物質;各種フィラーに金属メッキを施して導電性を付与した物質;ポリアセチレン,ポリピロール,ポリアニリン等の有機系の導電性微粉末や繊維状物質;などが挙げられる。
以上のような樹脂粒子/粉体は、単独で用いることもでき、複数種組み合わせて用いることもできる。
導電性付与剤は、最終的に得られる弾性部材の体積固有抵抗が1×108〜1×1010Ω・cmとなる量を添加することが好ましい。体積固有抵抗は、弾性部材をローラ形状に成形し専用抵抗測定装置で測定できる。
弾性部材形成用組成物における導電性付与剤の含有量は、最終的に得られる弾性部材に要求される特性等から適宜調整しうるが、0.1〜5質量%であることが好ましく、より好ましくは0.5〜2質量%である。
以上のような成分を混合装置にて十分に混合することで弾性部材形成用組成物を調製できる。弾性部材形成用組成物を、特にリング塗工により塗工される塗工液として使用する場合、塗工後にたれが生じにくい粘度として、室温(25℃)〜200℃の範囲で100000mPa・s以上の粘度を有することが好ましく、300000mPa・s以上の粘度を有することがより好ましい。粘度は、ブルックフィールド社製粘度計(商品名:LVDV−II+Pro)でスピンドルLV4を使用して測定できる。
[電子写真用ローラ及びその製造方法]
本発明の電子写真用ローラは、軸芯体の外周上に少なくとも導電性弾性層が形成されている電子写真用ローラにおいて、前記導電性弾性層が、前記の弾性部材形成用組成物で形成される。特に、前記導電性弾性層が、後述するリング塗工方法により好適に形成される。この電子写真用ローラは、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラなどの、電子写真装置に具備される像担持体に当接して使用される電子写真用ローラに好適であり、特に帯電ローラまたは現像ローラに好適である。例えば、帯電ローラとしては、像坦持体に当接され、電源と接続して耐電ローラのシャフトにバイアスを印加し、像坦持体を希望の電位に帯電するように設置される。
図2は本発明の電子写真用ローラの一例を示す概略断面図であり、その概略斜視図である。これらの図に示す電子写真用ローラは、軸芯体15と、その軸芯体15の外周上に同芯円状に形成された導電性弾性層16と、さらに導電性弾性層16の外周上に表面層として形成された表面処理層17とで構成されている。表面処理層17のない構成の電子写真用ローラでも良く、他の樹脂層をさらに有する構成の電子写真用ローラでも良い。
軸芯体15としては、例えば、炭素鋼合金表面に5μm厚さの工業ニッケルメッキを施した円柱状のものを用いることができる。軸芯体15を構成する材料としては、他にも、例えば鉄、鋼、アルミニウム、チタン、銅及びニッケル等の合金やこれらの金属を含むステンレス、ジュラルミン、真鍮及び青銅等の合金、さらにカーボンブラックや炭素繊維をプラスチックで固めた複合材料等の剛直で導電性を示す公知の材料を使用することもできる。軸芯体の形状は、円柱状の他、中心部分を空洞とした円筒形状とすることもできる。軸芯体の外径は、通常4〜10mmの範囲とされる。
導電性弾性層16は、前記の弾性部材形成用組成物で形成する。導電性弾性層16は、通常の金型を使用して成型する方法で形成することもできるが、リング塗工方法により好適に形成することができる。リング塗工方法では、軸芯体15の外周を取り囲むリング形状の塗工ヘッドを用いて、軸芯体15の外周上に前記の弾性部材形成用組成物を塗布する工程と、塗布後の弾性部材形成用組成物を硬化することで、導電性弾性層16を形成する工程と、により行うことができる。
軸芯体15の外周を取り囲むリング形状の塗工ヘッドを用いて、軸芯体15の外周上に前記の弾性部材形成用組成物を塗布する工程は、例えば図1に示すようなリング塗工装置により行うことができる。
図1に示すリング塗工装置においては、架台1の上に略垂直にコラム2が取り付けられ、さらに架台1とコラム2の上部に精密ボールネジ3が略垂直に取り付けられている。また、精密ボールネジ3と平行に2本のリニアガイド14がコラム2に取り付けている。LMガイド4はリニアガイド14及び精密ボールネジ3と連結し、サーボモータ5よりプーリ6を介して回転運動が伝達され昇降できるようになっている。コラム2には、円筒状の軸芯体15の外周面に塗布液を吐出するリング形状の塗工ヘッド8が取り付けられている。さらにLMガイド4上にブラケット7が取り付けられ、このブラケット7には軸芯体15を保持し固定するワーク下保持具9が略垂直に取り付けられ、また逆側の軸芯体15を保持するワーク上保持具10の中心軸がブラケット7の上部に取り付けられ、ワーク上保持具はワーク下保持具9に対向して略同芯になるように配置して軸芯体15を保持している。
リング形状の塗工ヘッド8の中心軸は、ワーク下保持具9とワーク上保持具10の移動方向と平行となるように支持されている。また、ワーク下保持具9及びワーク上保持具10が昇降移動時において、塗工ヘッド8の内側に開口した環状スリットになっている吐出口の中心軸と、ワーク下保持具9及びワーク上保持具10の中心軸が略同芯になるように調節してある。このような構成により塗工ヘッド8の環状スリットになっている吐出口の中心軸を軸芯体15の中心軸に略同芯に合わせることができ、リング形状の塗工ヘッドの内周面と軸芯体15の外周面との間に均一な隙間が形成される。
また、塗布液の供給口11は、塗布液搬送用の配管12を介して材料供給弁13に接続されている。材料供給弁13は、その手前に混合ミキサー、材料供給ポンプ、材料定量吐出装置、材料タンク等を備え、定量(単位時間当たりの量が一定)の塗布液を吐出可能である。
図1に示すようなリング塗工装置により、軸芯体15の外周上に前記の弾性部材形成用組成物を塗布した後、塗布後の弾性部材形成用組成物を硬化することで、導電性弾性層16を形成する。
硬化条件は、使用した弾性部材形成用組成物が硬化し、所望の特性の導電性弾性層となるように適宜設定しうる。硬化方法としては、周方向の温度を一定に保つために電子写真用ローラを回転させながら加熱する方法を用いることが好ましい。熱源としては、電子写真用ローラに非接触で加熱できる遠赤外セラミックヒータ、近赤外線ヒータ、ランプ加熱ヒータ、UVヒータ、マイクロヒータ等が望ましい。これらの熱源は、電子写真用ローラの両端部から中央部に向かって連続的に加熱温度を変化させるために、電子写真用ローラの長手方向に一定間隔で複数配置されることが好ましい。熱源の数は電子写真用ローラの長手方向における加熱温度の変化パターンに合わせて適宜に決定されることになるが、その数が多いほど、電子写真用ローラの長手方向における温度変化を微妙にかつ正確に制御することが可能となる。
ここで、電子写真用ローラの加熱時の材料圧力について述べる。電子写真プロセスで画像の濃度ムラ等の原因となる抵抗ムラは、加熱時の材料の不均一な圧力によって起こる。未硬化材料を円筒型内に注入して、その後加熱することにより導電性弾性層を軸芯体の周りに形成する方法においては、加熱開始後、弾性部材形成用組成物の状態が液状で硬化が始まるまでの期間では、円筒型内端部の流動性のある弾性部材形成用組成物は加熱と共に膨張して外に流れるので、圧力の増加は起きない。しかし、中央部の弾性部材形成用組成物は端部の弾性部材形成用組成物が存在するので十分に膨張できず圧力が増加し、その結果、電子写真用ローラの長手方向に材料圧力が不均一になる。
一方、本発明において、加熱時の材料圧力を常に一定にするために、リング塗工機による導電性弾性層の形成と、同時加熱する際に電子写真用ローラの中央部と端部で温度勾配を設けることにより、長手方向、周方向で抵抗ムラを更に低減させることが好ましい。
具体的には、加熱開始時には電子写真用ローラの長手方向中央部の加熱温度を端部より高く設定し、ある一定時間が経過したところで端部の加熱温度を中央部と等しくなるまで昇温する。端部の加熱温度を中央部より低くすることで端部の弾性部材形成用組成物の熱膨張を遅らせ、中央部の弾性部材形成用組成物が十分に熱膨張する時間を与えることができる。特に、中央部で硬化が始まる段階で端部の昇温を開始することが好ましい。
上記のような工程を複数回繰り返して、2層以上の導電性弾性層を形成することもできる。2層以上の導電性弾性層を形成する場合、各層を形成するために使用する弾性部材形成用組成物の組成は、同じでも良く、異なっていても良い。
導電性弾性層の厚さは、通常0.5〜6.0mmの範囲とされる。
以上のようにして形成された導電性弾性層16の外周上に、必要に応じて他の樹脂層を形成することができる。例えば、前記と同様のリング形状の塗工ヘッドを用いて、樹脂層を構成するための樹脂液を塗布することができる。
樹脂層を構成するための樹脂材料としては、ポリアミド樹脂、フッ素樹脂、水素添加スチレン−ブチレン樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、イミド樹脂、オレフィン樹脂、アクリル樹脂等の各種樹脂が挙げられる。更に、電子写真用ローラの用途に応じて、樹脂層中に重量平均粒径0.1〜5μmの微粒子を分散させることもできる。この微粒子としては、例えば、ポリメタクリル酸メチル微粒子、シリコーンゴム微粒子、ポリウレタン微粒子、ポリスチレン微粒子、アミノ樹脂微粒子、フェノール樹脂微粒子等のプラスチックピグメントが挙げられる。特に、ポリメチルメタクリル酸メチル微粒子及びシリコーンゴム微粒子が好ましい。この微粒子の含有量に関しては、この微粒子を除く樹脂層構成成分の総質量100質量部に対して、微粒子を約1〜100質量部の範囲内で添加することが好ましい。
形成する樹脂層の厚さは、低分子量成分がしみ出してきて感光体を汚染することを防止する観点から5μm以上が好ましく、電子写真用ローラが硬くなり、融着が発生することを防止する観点から500μm以下が好ましい。より好ましくは10〜300μmである。
本発明では、軸芯体15の外周上に少なくとも導電性弾性層16を形成した後、表面を表面処理して表面処理層17を形成することができる。
表面処理としては、表面からポリイソシアネートを含浸させる処理を行うことが好ましい。ポリイソシアネートが有するイソシアネート基は反応性に富み、水酸基やウレタン基の活性水素にウレタン結合やアロハネート結合を形成することが知られている。また、大気中などに存在する水分と反応し尿素結合やビュウレット結合を生成することが知られている。これらの反応は加熱することにより更に促進される。このような表面処理を行うことにより、前記のような反応生成物が電子写真用ローラ表面に粒子状態で含まれる状態となり、表面近傍での導電性を変化させて新しい機能を付加することができる。一方、電子写真に用いられる感光体の機能に対して悪影響を及ぼさない。
ポリイソシアネートとしては、末端または側鎖に複数のイソシアネート基を有する化合物であって、前記のような表面処理を行う処理液として機能を果たすものであれば良く、加熱/冷却によって固体から液体/液体から固体の変化をする化合物が好ましい。ポリイソシアネートの具体例としては、ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等が挙げられる。ポリイソシアネートは、単独で用いることもでき、複数種組み合わせて用いることもできる。
表面からポリイソシアネートを含浸させる方法としては、例えば、浸漬法、スプレーコート法、ロールコート法等が挙げられる。表面処理は、必要に応じて加熱した状態、例えば40〜100℃、好ましくは60〜90℃で行うことができる。ここで、表面処理を行う際に使用する処理液としては、ポリイソシアネートの溶液でも可能であるが、表面処理の効率が高くその効果が大きいことから、ポリイソシアネートの原液で行うことが好ましい。
表面処理を行った後は、表面に残留した処理液を適宜溶剤で洗浄・除去する。洗浄に使用する溶剤としては、例えば、ポリイソシアネートを溶解可能な溶剤であるトルエンなどを用いることができる。ただし、その溶解性があまり高いと、表面から含浸したポリイソシアネートが希釈されたり抽出されたりする可能性がある。そのような場合には、ポリイソシアネートの貧溶剤で洗浄することが好ましい。貧溶剤で洗浄することにより、ポリイソシアネートは更に微細な粒子となり表面から剥離し、内部に含浸されたポリイソシアネートが希釈されたり抽出されたりする可能性が減り、最終的に高密度な表面処理層17を得ることができる。
その後、使用したポリイソシアネートの凝固点温度以下の温度に冷却し、雰囲気中の水分により硬化させることで、表面処理層17を形成することができる。
この表面処理によって得られる電子写真用ローラは、表面処理により表面より10μm〜0.5mm程度までポリイソシアネートが浸透していることが好ましく、表面より1mm程度まで浸透していることがより好ましい。この厚さは、例えばキーエンス社製ビデオマイクロスコープを用いて電子写真用ローラを観察することで見積もることができる。
このような表面処理の温度及び時間を適宜調整することで、例えば、表面処理前における体積抵抗率が1×102〜1×107Ω・cmの電子写真用ローラが、表面処理後にはその体積抵抗率が1×105〜1×1010Ω・cmになる。電子写真用ローラの体積抵抗率を所望の範囲に調整することで、電子写真装置に使用した際に得られる画像の濃度ムラやカブリなどの問題が軽減され、良好な画像が得られるようになる。体積抵抗率は、厚さ10mmのテストピースを作製し、ハイレスタIP(三菱油化社製商品名)を用いて100Vの電圧印加で測定することができる。
上記のような電子写真用ローラの表面平均粗さは、10μm以下に調整することが好ましい。表面平均粗さが10μmを超えると、例えば帯電ローラとして使用する際に帯電させにくくなる。電子写真用ローラの表面平均粗さは、0.1〜5.0μmがより好ましい。なお、表面粗さはJIS B−0601:1994(表面粗さの規格)により測定した値である。
電子写真用ローラの両端部の外径差は100μm以下であることが好ましい。両端部の外径差は、レーザー測長機(東京精密株式会社製、商品名:PULCOM opto60B−600)によって電子写真用ローラの両端部の外径を測定して、その差として算出した値である。
電子写真用ローラの中心部の振れは10〜50μmであることが好ましい。中心部の振れは、電子写真用ローラの中心部において、軸芯体中心に1°刻みで回転させ、軸芯体中心から電子写真用ローラ表面までの距離をレーザー測長機(東京精密株式会社製、商品名:PULCOM opto60B−600)によって1周(360°)にわたって測定し、得られた360点の距離の最大値と最小値との差として算出した値である。
[電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置]
本発明の電子写真プロセスカートリッジ及び画像形成装置は、例えば、帯電ローラ、現像ローラ、転写ローラなどとして、前記の電子写真用ローラを少なくとも一つ具備するものである。特に、現像ローラが装着されてなり、その現像ローラの表面に現像剤の薄層を形成し、現像ローラを感光ドラムに接触させて感光ドラム表面に現像剤を供給することにより感光ドラム表面に可視画像を形成させる電子写真プロセスカートリッジまたは画像形成装置における現像ローラとして、前記の電子写真用ローラを具備することが好ましい。また、帯電ローラが装着されてなり、その帯電ローラを感光ドラムに接触させて感光ドラム表面に電荷を供給する電子写真プロセスカートリッジまたは画像形成装置における帯電ローラとして、前記の電子写真用ローラを具備することが好ましい。感光ドラムとしては、特に有機感光体で形成された感光ドラムが好適である。
図4は、接触現像方式の画像形成装置の一例を示す概略図である。
まず、電子写真用ローラを有する電子写真プロセスカートリッジを説明する。電子写真プロセスカートリッジには、帯電ローラ19と、感光ドラム18と、現像ローラ22と、現像剤供給ローラ23と、現像剤層厚規制部材である現像ブレード24と、撹拌羽根(不図示)と、現像剤25とが一つのカートリッジにまとめられ、画像形成装置の中で一体的に交換可能となっている。撹拌羽根で現像剤供給ローラ23に送られた現像剤25は、現像ブレード24によって現像ローラ22表面に均一にコートされ、感光ドラム18表面へと運ばれ、現像される。紙等の記録材30に現像剤25が転写された後、感光ドラム18表面は帯電ローラ19で再び均一に帯電される。
接触現像方式の画像形成装置においては、現像ローラ22は、その表面に現像剤25を保持して矢印Aの方向に回転しながら感光ドラム18上に露光20によって形成された潜像を現像し、現像に使用されずに現像ローラ22表面に残った現像剤25を表面に坦持したまま現像容器31に戻す。
現像容器31の内部では現像剤供給ローラ23が現像ローラ22表面に残った現像剤25を現像ローラ22表面から取り除くとともに、新しい現像剤25を現像ローラ22の表面に供給する。現像ローラ22表面に供給された新しい現像剤25は、現像ブレード24にてコート厚さを均一に整えられ、現像領域に搬送されていく。この繰り返しによって現像ローラ22は常に新しい現像剤25を均一にコートして静電潜像を現像する。
現像された現像剤像は感光ドラム18の回転によって転写領域に運ばれ、転写ローラ26で記録材30に転写される。その後未定着の現像剤像は定着ローラ29と加圧ローラ21の間を通り、圧力と熱で記録材に定着される。転写工程で転写されずに感光ドラム18上に残った現像剤25は、感光ドラム18の回転に伴い清掃用のクリーニングブレード27で感光ドラム18から取り除かれる。表面が清掃された感光ドラム18表面は帯電ローラ19で帯電され、再び露光20、現像される、という工程を繰り返す。また、廃現像剤は廃現像剤容器28に貯留される。
以下、実施例により本発明をより一層詳細に説明する
[実施例1]
(弾性部材形成用組成物の調製)
80℃の4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート250.25g(1.0モル)を、窒素雰囲気下乾燥した3リットルのフラスコ中に入れ、PPGポリエーテル(三井武田ケミカル社製、商品名:Diol−2000、平均重合度:2000)686.8g(0.34モル)を約80℃を保ちながら段階的に滴下して加えた。次に、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドリチウム[Li(CF3SO22N]を上記PPGポリエーテルに20質量%の濃度で溶解したもの(三光化学工業株式会社製、商品名:サンコノールDiol2000−20R)57.2gを加え、その後窒素雰囲気下80℃で4時間攪拌することで、NCO価が5.3%に到達した。その後、ε−カプロラクタム142.1gを段階的に加えると、発熱反応が観察された。3時間後、NCO価が0.2%以下となったのを確認し、ブロックイソシアネートを得た。その後、温度が室温程度に下がるまで放置し、次いで、樹脂粒子としてアクリル粒子(綜研化学製、商品名:ケミスノーMP−1600、平均粒径:0.80μm、平均重合度:2000〜40000)279.5gと、ポリアミン化合物である3,3’−ジメチル−4,4’−ジアミノジシクロヘキシルメタン(BASF社、商品名:Loramin C260)135.0g、およびケッチェンブラック(ライオン社製、商品名:カーボンECP)3.2gを添加し、十分攪拌することで弾性部材形成用組成物を得た。
上記弾性部材形成用組成物について25℃(室温)〜200℃の範囲で粘度を測定したところ、25℃において900000mPa・secで最大であり、硬化が始まる180℃で最低の300000mPa・secであった。
(導電性弾性層の形成)
この弾性部材形成用組成物を、図1に示した装置と同様の構成のリング塗工装置で、Φ6、長さ251mmの芯金に塗布し、180℃の温風循環加熱炉で10分加熱することで、厚さ1.25mmの導電性弾性層を形成した。得られた導電性弾性層の硬度はMD1硬度(マイクロゴム硬度計を使用)で70°であった。L/L(15℃10%)環境下での250Vでの電流は5000μAであった。中心部の振れは10μmであった。
(表面処理)
次に、導電性弾性層表面に表面処理を施した。上記で得られた導電性弾性層を有するローラを80℃に加温し、あらかじめ80℃に加熱して溶融させたMDIに20秒ディッピングし、その後に引き上げた。余分のMDIをアクトレル1140L(エクソン社製商品名)を含ませたスポンジで拭き取った。その後、H/H(30℃90%)環境で一日、さらにL/L(15℃10%)環境で一日放置して、電子写真用ローラを得た。表面処理後の導電性弾性層(導電性弾性層及び表面処理層で構成されるローラ層)の硬度はMD1硬度で72°であった。L/L環境下での250Vでの電流は20μAであった。また、得られた電子写真用ローラの表面平均粗さは3.0μm、両端部の外径差は40μm、中心部の振れは12μmであった。
(画像評価)
この電子写真用ローラを図4に示す構成のレーザービームプリンタに、帯電ローラ19として組み込み、画像評価を行った。段ムラは発生せず、良好であった。
[比較例1]
(弾性部材形成用組成物の調製及び導電性弾性層の形成)
TDIと分子量2000のPTMGを反応させたNCO価が5.3%のプレポリマー100質量部に、トリメチロールプロパン6.6質量部及びリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(試薬)を20質量%溶解させたPTMG10質量部、分子量2000のPTMG16.4(合計33質量部)の混合物に適量のアミン触媒としてトリエチレンジアミン(日本乳化剤社製)を添加し、両液を80℃に加熱して混合して攪拌し、あらかじめΦ6mmの芯金を挿入して120℃に加熱したΦ8.5mmの金型に注入して、導電性弾性層を形成した。得られたローラの硬度はMD1硬度で70°であった。L/L環境下での250Vでの電流は5000μAであった。中心部の振れは20μmであった。
(表面処理)
実施例1と同様の方法で表面処理を行った。表面処理後の導電性弾性層の硬度はMD1硬度で72°であった。L/L環境下での250Vでの電流は80μAであった。また、得られた電子写真用ローラの表面平均粗さは4.0μm、両端部の外径差は120μm、中心部の振れは20μmであった。
(画像評価)
実施例1と同様の方法で画像評価を行った。段ムラが若干見られた。
[実施例2]
(弾性部材形成用組成物の調製)
樹脂粒子として架橋アクリル粒子(綜研化学社製、商品名:ケミスノーMX−150、平均粒径:1.5μm)279.5gを使用したこと以外は、実施例1と同様の方法により弾性部材形成用組成物を調製した。上記弾性部材形成用組成物について25℃(室温)〜200℃の範囲で粘度を測定したところ、25℃において800000mPa・secで最大であり、硬化が始まる180℃で最低の400000mPa・secであった。
(導電性弾性層の形成)
実施例1と同様の方法で、Φ6、長さ251mmの芯金の周囲に厚さ1.25mmの導電性弾性層を形成した。得られた導電性弾性層の硬度はMD1硬度で70°であった。L/L環境下での250Vでの電流は5000μAであった。中心部の振れは10μmであった。
(表面処理)
実施例1と同様の方法で表面処理を行った。表面処理後の導電性弾性層の硬度はMD1硬度で72°であった。L/L環境下での250Vでの電流は20μAであった。また、得られた電子写真用ローラの表面平均粗さは3.0μm、両端部の外径差は30μm、中心部の振れは10μmであった。
(画像評価)
実施例1と同様の方法で画像評価を行った。段ムラは発生せず、良好であった。
本発明で使用可能なリング塗工装置の一例を示す概略図である。 本発明の電子写真用ローラの一例を示す概略断面図である。 本発明の電子写真用ローラの一例を示す概略斜視図である。 接触現像方式の画像形成装置の一例を示す概略図である。
符号の説明
1:架台
2:コラム
3:精密ボールネジ
4:LMガイド
5:サーボモータ
6:プーリ
7:ブラケット
8:リング形状の塗工ヘッド
9:ワーク下保持具
10:ワーク上保持具
11:供給口
12:配管
13:材料供給弁
14:リニアガイド
15:軸芯体
16:弾性層
17:樹脂層
18:感光ドラム
19:帯電ローラ
20:露光
21:加圧ローラ
22:現像ローラ
23:現像剤供給ローラ
24:現像ブレード
25:現像剤
26:転写ローラ
27:クリーニングブレード
28:廃現像剤容器
29:定着ローラ
30:記録材
31:現像容器
32:金属製電極用ローラ

Claims (19)

  1. ブロックイソシアネートと、該ブロックイソシアネートと反応しうる官能基を有する化合物と、樹脂粒子/粉体と、導電性付与剤と、を含有する弾性部材形成用組成物。
  2. 前記ブロックイソシアネートが脱カプロラクタムタイプである請求項1記載の弾性部材形成用組成物。
  3. 前記樹脂粒子/粉体の平均重合度が2000〜40000である請求項1または2記載の弾性部材形成用組成物。
  4. 電子写真用弾性部材を形成する材料として用いられる請求項1〜3の何れか一項記載の弾性部材形成用組成物。
  5. リング塗工により塗工される塗工液として用いられる請求項1〜4の何れか一項記載の弾性部材形成用組成物。
  6. 軸芯体の外周上に少なくとも導電性弾性層が形成されている電子写真用ローラの製造方法において、
    前記軸芯体の外周を取り囲むリング形状の塗工ヘッドを用いて、前記軸芯体の外周上に、請求項5記載の弾性部材形成用組成物を塗布する工程と、
    塗布後の前記弾性部材形成用組成物を硬化して導電性弾性層とする工程と、
    を有する電子写真用ローラの製造方法。
  7. 前記軸芯体の外周上に少なくとも前記導電性弾性層を形成した後、表面を表面処理して表面処理層を形成する工程、
    をさらに有する請求項6に記載の電子写真用ローラの製造方法。
  8. 前記表面処理として、表面からポリイソシアネートを含浸させる処理を行う請求項7に記載の電子写真用ローラの製造方法。
  9. 軸芯体の外周上に少なくとも導電性弾性層が形成されている電子写真用ローラにおいて、前記導電性弾性層が、請求項1〜5の何れか一項記載の弾性部材形成用組成物で形成されたことを特徴とする電子写真用ローラ。
  10. 軸芯体の外周上に少なくとも導電性弾性層が形成されている電子写真用ローラにおいて、前記導電性弾性層が、請求項6〜8の何れか一項記載の方法で製造されたことを特徴とする電子写真用ローラ。
  11. 表面平均粗さが0.1〜5.0μm、かつ両端部の外径差が100μm以下、かつ中心部の振れが10〜50μmである請求項9または10記載の電子写真用ローラ。
  12. 現像ローラである請求項9〜11の何れか一項記載の電子写真用ローラ。
  13. 帯電ローラである請求項9〜11の何れか一項記載の電子写真用ローラ。
  14. 請求項9〜13の何れか一項記載の電子写真用ローラを少なくとも一つ具備することを特徴とする電子写真プロセスカートリッジ。
  15. 現像ローラが装着されてなり、該現像ローラの表面に現像剤の薄層を形成し、該現像ローラを感光ドラムに接触させて該感光ドラム表面に該現像剤を供給することにより該感光ドラム表面に可視画像を形成させるプロセスカートリッジにおいて、
    前記現像ローラが請求項12の電子写真用ローラであることを特徴とする電子写真プロセスカートリッジ。
  16. 帯電ローラが装着されてなり、該帯電ローラを感光ドラムに接触させて該感光ドラム表面に電荷を供給するプロセスカートリッジにおいて、
    前記帯電ローラが請求項13記載の電子写真用ローラであることを特徴とする電子写真プロセスカートリッジ。
  17. 請求項9〜13の何れか一項記載の電子写真用ローラを少なくとも一つ具備することを特徴とする画像形成装置。
  18. 現像ローラが装着されてなり、該現像ローラの表面に現像剤の薄層を形成し、該現像ローラを感光ドラムに接触させて該感光ドラム表面に該現像剤を供給することにより該感光ドラム表面に可視画像を形成させる画像形成装置において、
    前記現像ローラが請求項12の電子写真用ローラであることを特徴とする画像形成装置。
  19. 帯電ローラが装着されてなり、該帯電ローラを感光ドラムに接触させて該感光ドラム表面に電荷を供給する画像形成装置において、
    前記帯電ローラが請求項13の電子写真用ローラであることを特徴とする画像形成装置。
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