JP3707691B2 - 建築用,家具用等の機能性パネル材の構造 - Google Patents
建築用,家具用等の機能性パネル材の構造 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3707691B2 JP3707691B2 JP2003118776A JP2003118776A JP3707691B2 JP 3707691 B2 JP3707691 B2 JP 3707691B2 JP 2003118776 A JP2003118776 A JP 2003118776A JP 2003118776 A JP2003118776 A JP 2003118776A JP 3707691 B2 JP3707691 B2 JP 3707691B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- filler
- furniture
- functional panel
- panel
- panel material
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Special Wing (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般的には襖,各種戸等の建具及び衝立,屏風,間仕切,壁パネル等を含む建築用,家具用等の機能性パネル材の構造に関するものである。さらに具体的には、芳香性,消臭,吸湿性等を主として人の住環境を形成する雰囲気を改善する機能性パネル材の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
最近は、自然の香りがなくストレスを高めるような匂いを発し、また、湿度の調節が自然に行われることのない合成建材が多く使用されているので、住環境によって心身の健全性を損なわれ、さらに、ダニや白蟻等のように住居に寄生する害虫の繁殖が旺盛になっている。
例えば、ヒノキ材等の木材の香り(精油成分の香り)にはα−ピネン,β−ピネンが多く含まれ、人に爽快感や自然感を与えるとともにストレスの解消に役立つことが知られている。また、ヒノキ,クスノキ,ヒバ等の木材の香りは、ダニや白蟻等の活力を奪いそれらの繁殖を抑制することが知られている。
したがって、これらの木材の芳香を発する材料(芳香性材料)をそれらの香りを嗅ぐことができるように収容した建具その他の建材や、匂いや湿気を吸着する吸着性を有する材料を収容した建材を提供することにより、人の住環境をおおいに改善することができる。
【0003】
吸湿性を有する建具としては、格子状の骨組の縦組子及び横組子に多数の通気孔を形成し、前記骨組の各中空部(各セル)に乾燥剤(シリカゲル)を収容し、骨組の一面側に通気性を有する吸湿面を形成し、他面側の上下部に通気孔を形成した建具(襖)が提案されている(後記特許文献1参照)。
前記襖は、前記吸湿面が形成されている面が押入れ側に面する状態で設置すると、部屋側の面の下部の通気孔から上部の通気孔の方向へ空気が流れる際、押入れ内の湿気は吸湿面を通って襖内に入り、中空部内の乾燥剤に吸湿され、除湿された空気は上部の通気孔を通って室内に流出する。
また、芳香を発するものとしては、表面に襖用模様紙を芳香剤(精油)添加接着剤により貼着した合板を、襖下地の両面に貼り合わせ、周囲に芳香剤による芳香を発散するようにした襖が提案されている(後記特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
実開昭61−67383号公報
【特許文献2】
実開平1−109589号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
特許文献1に記載の襖は、上下方向に連通した中空部へ収容されている乾燥剤がそれぞれ独立した形態であるので、建具の開け閉めの都度乾燥剤が動き易い。個々の中空部内で乾燥剤が動くと音を発するほか、乾燥剤と両面の被覆材(下地シート・化粧材)とが摩擦して被覆材が劣化し易い。
特許文献2に記載の襖は、芳香剤は接着剤に添加されているので、芳香剤の香りが接着剤の匂いで打ち消されることが少なくなく、また、芳香剤の更新ができなかった。
本発明の目的は、内部に芳香性,消臭性その他周辺環境を改善する機能性材料よりなる充填材を収容したパネル材において、中空部内に充填材がより安定して収容され、しかも、充填材を取り替えられる機能性パネル材の構造を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記のような課題を解決するための本発明のパネル材の構造は、第1に、外周を覆う枠体1内に骨組を構成する組子12,13を設け、該組子12,13に囲まれた中空部18a内に芳香性,消臭性その他周辺雰囲気を改善する機能を備えた機能性材料よりなる充填材2を収容した機能性パネル材において、少なくとも上記組子12,13節する中空部18aに通じる挿通孔18を設け、該挿通孔18に板状,帯状又は棒状に形成された充填材2を挿通して前記中空部18a内に保持し、前記充填材2の少なくとも片側の面を通気性を備えた化粧材15で覆ったことを特徴としている。
【0007】
第2に、前記第1のパネル材の構造において、枠体1の少なくとも片側の面を化粧材15で被覆したことを特徴としている。
【0008】
第3に、第1のパネル材の構造において、充填材2の表面を化粧材15で覆ったことを特徴としている。
【0009】
第4に、第1,第2又は第3のパネル材の構造において、充填材2がシート状部材を重ね合わせて板状又は帯状に形成されたことを特徴としている。
【0010】
第5に、第1又は第2のパネル材の構造において、充填材2が通気性を備えた袋20にチップ状,粒状,粉状の機能性材料を収容したものであることを特徴としている。
【0011】
第6に、第1,第2又は第3のパネル材の構造において、充填材2が木材をその繊維を横断する方向に切断した所定厚みの木片2aを板状に並べて一体的に接合したものであることを特徴としている。
【0012】
第7に、第1,第2又は第6のパネル材の構造において、充填材2が木質の板状材であり、該板状材の周面の一部又は全部に多数の溝状,孔状その他の凹凸加工24を施したことを特徴としている。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しながら、本発明に係るパネル材の構造の好ましい実施形態を説明する。
第1実施形態
図1は第1実施形態のパネル材の構造における枠体の部分斜視図、図2は図1の枠体を使用したパネル材の部分破断正面図、図3は図2のパネル材の縦断面図、図4a,b,c,d,e,f,gの各図はそれぞれ充填材の別の形態を示す部分斜視図である。
【0014】
この実施形態のパネル材は、枠体1の両面に下地シート14と化粧材(シート又はパネル)15とを被覆したパネル状主体1a(図2)と、パネル状主体1aの内部に収容された充填材2とから構成されている。
枠体1は、外周縁を構成するように方形に組み合わされた左右の縦框10,10及び上下の横框11,11と、縦横の框10,11の内側へ格子状に組まれた縦横の各組子12及び13とから構成され、これらの骨組部材に囲まれた部分はそれぞれ中空部18aを形成している。
【0015】
各横框11及び各横組子13には、上下方向へ重なるように隣接の中空部18aに通じる長方形(スリット状)の挿通孔18が形成されており、上下方向に重なる挿通孔18には、乾燥したヒノキの薄板からなる充填材2が連続状に挿通されている。充填材2が、芳香が急激に放散して短期間に芳香を発しなくなるかあるいは芳香が微弱になるおそれがある場合には、芳香の放散が緩慢になるように、充填材2を通気性が微弱な(徐放性を有する)ラップ等で包むか、同様な性質を有する被膜をコーティングするのが好ましい。
枠体1の両面には通気性に富む下地シート14が貼られ、下地シート14の上には和紙,化粧クロスや襖用模様紙等の通気性を有する化粧材15が貼られている。下地シート14には、通気性を豊かにするため和紙や板紙に通気孔14aを形成したものが使用されている。
前記パネル状主体1aには、上部の横框11の上に沿って上縁17を取り付けるとともに、下部の横框11の下に沿って下縁17’を取り付けて充填材2を内部に保持させ、各縦框10,10の側部に沿って増縁16,16をそれぞれ取り付けている。
【0016】
前記実施形態のパネル材は、枠体1が比較的軽量であるので、用途に応じて簡単な加工を施し、あるいは必要な金具類を取り付けて、襖や板戸,軽量な衝立として使用し、あるいはヒンジで数枚を連結して屏風等として使用するのに適している。
このパネル材は、充填材2からヒノキの芳香を発して室内に拡散するので、当該室内でダニや白蟻の発生を防止し、あるいは、既に発生しているこれらの害虫の活力を奪うことができる。
ヒノキの精油の香りにより人に爽快感や自然感を与えるとともに、ストレスの解消を図ることができる。
【0017】
芳香性又は消臭,吸湿等の吸着性を有する充填材2は、枠体1に一定方向へ重なるように形成された孔18へ連続状に挿通されているので、充填材2が内部で動き難く、また充填材2と下地シート等の被覆材との摩擦がなく、被覆材の劣化を防止することができる。
充填材2の香りや吸着能力が減衰したときは、上縁17又は下縁17’等の枠部材を取り外すことにより、充填材2を取り出して新たなものに取り替えることができる。
【0018】
この発明の実施形態において、充填材2には、芳香性又は吸湿,消(脱)臭等の吸着性を有する材料その他の周辺雰囲気の改善機能をもった機能性材料が使用される。
芳香性を有する材料としては、住居に寄生するダニや白蟻などの活力を失わせ、かつ、人に爽快感を与えしかもストレスを低減する意味でヒノキ、クスノキ、ヒバ等の乾燥した木材を使用するのが好ましい。
これらの木材は、図1で示すように板状ないし帯状に形成したもののほかに、図4a〜図4gのような形態のものを使用するのが好ましい。
【0019】
図4aの充填材2は、通気性を有するラップや布材,紙,不織布等の通気性を有するシートを縫製した袋20に、乾燥した木材の砕片,チップ,おが屑その他の粉粒状物を充填ないし収容したものである。使用される袋20は、充填材2を収容した状態で所定厚みの板状になるような剛性を持つ材質のものであるのが好ましく、また、充填材2の芳香成分が緩慢に放散するように徐放性を有するものであるのが好ましい。
この形態の充填材2は、芳香成分である精油成分をより多く含む木材の比較的根元寄り部分の枝等を、乾燥させて砕片やチップその他の粉粒状物として有効利用し、あるいは廃材等を利用するのに適している。
【0020】
図4bの充填材2は木材のシートを積層させたものであり、図4cの充填材2は木材のシートを渦巻き状にしたものである。これらの充填材2は、枠体1の中空部18aを連通する挿通孔18に挿通するとき、やや圧縮状態にするのが好ましい。
【0021】
図4dの充填材2は、表面に木口が表れるように、年輪の横断方向に切断した所定厚みの木片2aを板状に並べて接着連結したものである。元来木材の香り等の成分は、樹木の周面よりも木口面の方が発散性が良いので、上記のように多数の木片2aを連結した充填材2の方が芳香性が強いという効果があり、木材から抽出した精油成分を再添加して含浸させる場合も、含浸を容易にかつ多量に行わせる利点がある。また、木片2aには精油成分をより多く含む比較的根元寄り部分の枝を利用するのが好ましい。
【0022】
図4eの充填材2は、芯板2bの両面に木材のスライスシート2cを適数枚積層したものの両側部を、例えばプラスチック製等の弾性を有するチャンネル状の縁材22で挟んだもので、各縁材22は、枠体1の孔18へ充填材2を挿入するときのガイドとなる。縁材22には、プラスチックのほかアルミ又はその合金その他の金属を使用することができる。
【0023】
図4fの充填材2は、木質の板状材の面に、例えば鋸目の形成等により縦方向の溝状の凹凸加工24を施し、充填材の作用面積を拡大するとともに、充填材の厚みの深部からも芳香が無駄なく発散するように構成したものである。この凹凸加工24は、充填材2の周面の一部又は一面側に加工しても、幅方向(横方向)に加工してもその効果を奏する。
板状材の周面の全部又は一部に施される凹凸加工24は、図4gで示すように溝状でなく孔(又は穴)状のものや、他の凹凸加工であっても同様な効果を奏する。
【0024】
図4b〜図4gの充填材2についても、芳香成分を徐々に放散させるため、徐放性を有するラップ等のシートで包み、あるいは徐放性を有する被膜をコーティングするのが好ましい。
充填材2には上記チップ材やシート材のほか紙,布材又は不織布等の材料に前記のような木材から抽出した精油成分を添加含浸させたものや、芳香性分が少なくなった前記各実施形態の充填材2に木材の精油成分を再添加したものを用いることができる。
【0025】
吸着性を有する充填材2として例えば竹炭を使用する際は、適当な大きさに割られて焼かれた竹炭がほど良い形状及びサイズであればそのまま使用することができる。
木炭,竹炭の砕片や籾炭,粉炭及び活性炭,シリカゲル等を使用する場合には、図4aの場合と同様にこれらの材料2を通気性のある袋20へ収容した状態で使用する。
充填材2が芳香性を有するか吸着性を有するかに関係なく、図4aのように袋20に収容した状態で使用するときは、内部の充填材2の自由な移動を阻止するように、充填材を収容した後袋20の所要の部分に図示しないミシン目その他の綴じ目を形成するのが好ましい。
また、粉炭や活性炭,シリカゲル等は、それらの粉末に適当なバインダの溶液を加え、これを板状ないしシート状の固形体に成形したものを使用することができる。
充填材2が吸着性を有する材料である場合には、室内の匂いや湿気が吸収されるので、室内の雰囲気を快適に保つのに役立つとともに、ダニ等の害虫の繁殖を抑制する。
【0026】
前記実施形態では、前記枠体1の両面には通気性のある下地シート14が貼られ、下地シート14の上には通気性を有する化粧材15が貼られているが、パネル材の使用場所や設置場所によっては、いずれか一方の面の下地シート14及び化粧材15のみを通気性のある材質とすることができる。化粧材15が必要十分な剛性を有する場合には、下地シート14を省略することができる。
【0027】
第2実施形態
図5は本発明に係る第2実施形態のパネル材を示す部分破断分解斜視図、図6は図5のパネル材の部分破断分解正面図である。
スペーサを兼ねた左右の縦框10と複数の組子12とを平行に並べ、上下に横框11を配置してこれらを全体として方形になるように組み合わせ、各組子の両側に中空部18aを有する枠体1を構成している。上下の横框11には、それぞれ外側に向く溝状の凹部11aが形成され、さらに、前記中空部18aに通じる挿通孔18がそれぞれ形成されている。横框11は、補強のため上下の端部の中間にも配置することができる。
【0028】
前記枠体1の両面に、表面側に通気性を有する化粧材15を貼り合わせた板14’を、接着その他の手段により定着させて、パネル状主体1aを構成してりう。板14'には、中空部18aと対応する個所に多数の孔14aを形成することにより通気性を持たせてある。
パネル状主体1aの中空部18aには、図4aで示すような形態の充填材2を挿通し、パネル状主体1aの上下の端部に横框11の凹部11aを塞ぐように蓋板19を取り付けることにより、前記中空部18a内に充填材2を保持させる。
【0029】
この実施形態パネル材は、枠体1の両面に板14’が定着されているので、用途に応じて簡単な加工を施すかあるいは金具等を取り付けることにより、板戸やドア,重量感のある衝立,屏風,間仕切,パーテイション及び壁パネル等として使用するのに適する。
この実施形態のパネル材の他の構成や作用,効果は、第1実施形態及び前記他の形態のパネル材とほぼ同様であるのでそれらの説明は省略する。
【0030】
第3実施形態
図7は本発明に係るパネル材の第3実施形態を示す部分斜視図である。
通気性を有する両面の板14’の間には、一定の間隔で平行に複数のスペーサを兼ねた組子12を配置し、これらの組子12と図示しない上下の框等の骨組部材とにより枠体1を構成し、各組子12と各板14’とを接着その他の手段により定着させてパネル状主体1aを構成している。左右の端部の組子12は縦框を兼ねている。
各組子12相互の間に形成された挿通孔を兼ねる中空部18aには充填材2を挿通保持させ、パネル状主体1aの上下の端部に図示しない横框を取り付けてパネル材を製造する。
この実施形態でも、芳香成分を徐放散させるために、充填材2を徐放性を有するラップ等のシートで包むか、あるいは同様な性質を有する被膜をコーティングしてパネル状主体1a内に収容している。
【0031】
この実施形態では、各組子12の対向面には長さ方向に沿って案内溝12bが形成されている。充填材2は図4dの充填材と同様に、木材を輪切り状にした所定寸法の木片2aを板状に並べて接合一体化したもので、両側部には前記案内溝12bへ案内される板状のほぞ状片21が形成され、中空部18a内に充填材2を挿通保持させる際、ほぞ状片21を案内溝12bに沿ってスライドさせつつ挿入することにより、充填材2を安定的に収容している。
補強のため、各組子12に複数の横組子を組み合わせて枠体1を組み立てる場合には、当該各横組子に充填材2を挿通するための挿通孔を形成する。
【0032】
ほぞ状片21は、板状のものを充填材2の側部へ長さ方向に沿って形成された溝23に挿入接着したものであり、充填材2の長さ方向へ断続するように形成されているが、充填材2の全長にわたって連続するように形成することができる。
充填材2の幅w2は中空部18aの内幅(組子12相互間の間隔)w1よりも小さく、充填材2を中空部18a内に収容した状態では充填材2の両側に隙間が形成されることにより、充填材2の両面側で空気が互いに流通するように構成されている。
したがって、中空部18aの内幅w1と充填材2の幅w2との差により、ほぞ状片21の突出量を加減調整する。
【0033】
この実施形態パネル材は、第2実施形態のパネル材とほぼ同様に両面に板14’が定着されているので、用途に応じて簡単な加工を施すかあるいは金具等を取り付けることにより、板戸やドア,重量感のある衝立,屏風,間仕切,パーテイション及び壁パネル等として使用するのに適する。
この実施形態のパネル材の他の構成や作用,効果は、第1実施形態及び前記他の形態のパネル材とほぼ同様であるのでそれらの説明は省略する。
【0034】
第4実施形態
図8は本発のパネル材の第4実施形態を示す部分分解斜視図である。
スペーサを兼ねた複数の縦組子12と、複数の横組子13とを格子状に組み合わせ、各組子12,13で囲まれた中空部18aを有する枠体1からなるパネル状主体1を構成し、各横見組子13には上下の中空部18aに通じる上下方向に重なる挿通孔18を形成している。
各縦組子12相互の対抗面には案内溝12cが形成され、この案内溝12cに芳香性を有する板状の充填材2の両側部を案内する要領で、充填材2を各孔18に挿通保持させている。
【0035】
充填材2は、所定厚みを有するフェルトやマット等の板状担体2dに、木材から抽出した精油成分を添加して担持させ、これを徐放性を有するラップで包むか同様な性質を有する被膜をコーティングした後、表面に適当な模様を表示したシート状の化粧材15で被覆したものである。
前述のように、パネル状主体1aに充填材2を保持させた後、上下の端部に図示しない横框を取付ける。使用目的に応じて、さらに上下の縁及び左右の増縁を取付ける。
【0036】
第4実施形態のパネル材は、板状の充填材2に化粧材15が被覆してあるので、枠体1の両面には化粧材が不用であるとともに、両面に枠体1の骨組材料が表れるので意匠性に富む。
この実施形態のパネル材の他の作用効果は、第1実施形態のパネル材と同様であるので、それらの説明は省略する。
【0037】
その他の実施形態
本発明に係るパネル材は、前述のようにその目的とする用途に応じて他の加工を施し、あるいは必要な金具類を取り付けることにより、襖,各種戸等の建具及び衝立,屏風(数枚をヒンジ等で連結した屏風),間仕切,パーティション及び壁パネル等として使用されるものであるが、それらの使用に当たっては、化粧材に目的に応じた模様や絵画を表示したり、他の装飾を施すことができる。
また、前記各実施形態のように独立した建材や建具のほか、前記各形態のパネル材構造を壁や天井の一部に組込んだ壁構造や天井構造として応用することもできる。
枠体1を構成する框10,11や組子12,13等の骨組材は、その対象物の性質や設置場所等に応じて木材以外の例えばアルミ又はその合金を含む金属、プラスチックその他の材質が選ばれる。
【0038】
前記実施形態では、パネル状主体1aは方形であるが、用途によりその他の多角形又は円形ないし楕円形等の平面形状であっても実施することができる。
パネル状主体1aの挿通孔18を含む中空部18aは、それぞれ一定方向に沿っていれば、左右方向に沿って形成することができるほか、必ずしも上下方向又は左右方向でなく、斜め方向に沿っていても差し支えない。
前記各実施形態において、一定方向に沿う中空部18aは、パネル状主体1aの一端部から他端部へ連続している必要はなく、例えばパネル状主体の中間で中空部1aを仕切り、この仕切に向かって両方の端部から充填材2を挿通保持させることができる。
【0039】
【発明の効果】
本発明に係る機能性パネル材の構造は、充填材2としてヒノキ,クスノキ,ヒバ等の芳香を発する木材を使用することにより、建材内部から外部へ芳香を発して室内に拡散するので、人に爽快感や自然感を与えるとともに、ストレスの解消を図ることができる。また、当該室内でダニや白蟻の発生を防止し、あるいは、既に発生しているこれらの害虫の活力を奪うことができる。
充填材2が吸着性を有する材料である場合には、室内の匂いや湿気が吸収されるので、室内の雰囲気を快適に保つのに役立つとともに、ダニ等の害虫の繁殖を抑制する。
【0040】
充填材2が内部で動き難く、充填材2と被覆材との摩擦がほとんどないので、被覆材の劣化を防止することができる。
充填材2の香りや吸着能力が減衰したときは、充填材2を取り出して新たな物に取り替えることができる。
【0041】
その目的とする用途に応じて他の加工を施し、あるいは必要な金具類を取り付けることにより、襖,各種戸等の建具及び衝立,屏風,間仕切,パーティション及び壁パネル等又はそれらの一部として好適に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の機能性パネル材の枠体の部分斜視図である。
【図2】図1の枠体を使用したパネル材の部分破断正面図である。
【図3】図2のパネル材の縦断面図である。
【図4a】充填材の他の形態を示す部分斜視図である。
【図4b】充填材のさらに他の形態を示す部分斜視図である。
【図4c】充填材のさらに他の形態を示す部分斜視図である。
【図4d】充填材のさらに他の形態を示す部分斜視図である。
【図4e】充填材のさらに他の形態を示す部分斜視図である。
【図4f】充填材のさらに他の形態を示す部分斜視図である。
【図4g】充填材のさらに他の形態を示す部分斜視図である。
【図5】本発明に係る第2実施形態の機能性パネル材を示す部分破断分解斜視図である。
【図6】図5のパネル材の部分分解断面図である。
【図7】本発明に係る機能性パネル材の第3実施形態を示す部分分解斜視図である。
【図8】本発明に係る機能性パネル材の第4実施形態を示す部分分解斜視図である。
【符号の説明】
1 枠体
1a パネル状主体
10 縦框
11 横框
11a 凹部
12 縦組子
12b,12c 案内溝
13 横組子
14 下地シート
14’ 板
14a 通気孔
15 化粧材
16 増縁
17 上縁
17’ 下縁
18 孔
18a 中空部
19 蓋板
19a 凸条部
2 充填材
2a 木片
2b 芯板
2c スライスシート
2d 板状担体
20 袋
21 ほぞ状部
22 縁材
24 凹凸加工
Claims (7)
- 外周を覆う枠体(1)内に骨組を構成する組子(12)(13)を設け、該組子(12)(13)に囲まれた中空部(18a)内に芳香性,消臭性その他周辺雰囲気を改善する機能を備えた機能性材料よりなる充填材(2)を収容した機能性パネル材において、少なくとも上記組子(12)(13)に隣接する中空部(18a)に通じる挿通孔(18)を設け、該挿通孔(18)に板状,帯状又は棒状に形成された充填材(2)を挿通して前記中空部(18a)内に保持し、前記充填材(2)の少なくとも片側の面を通気性を備えた化粧材(15)で覆った建築用,家具用等の機能性パネル材の構造。
- 枠体(1)の少なくとも片側の面を化粧材(15)で被覆した請求項1の建築用,家具用等の機能性パネル材の構造。
- 充填材(2)の表面を化粧材(15)で覆った請求項1の建築用,家具用等の機能性パネル材の構造。
- 充填材(2)が、シート状部材を重ね合わせて板状又は帯状に形成された請求項1,2又は3の建築用,家具用等の機能性パネル材の構造。
- 充填材(2)が、通気性を備えた袋(20)にチップ状,粒状,粉状の機能性材料を収容したものである請求項1又は2の建築用,家具用等の機能性パネル材の構造。
- 充填材(2)が、木材をその繊維を横断する方向に切断した所定厚みの木片2aを板状に並べて一体的に接合したものである請求項1,2又は3の建築用,家具用等の機能性パネル材の構造。
- 充填材(2)が木質の板状材であり、該板状材の周面の一部又は全部に多数の溝状,孔状その他の凹凸加工(24)を施してなる請求項1,2又は6の建築用,家具用等の機能性パネル材の構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003118776A JP3707691B2 (ja) | 2002-04-23 | 2003-04-23 | 建築用,家具用等の機能性パネル材の構造 |
Applications Claiming Priority (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002120191 | 2002-04-23 | ||
JP2003118776A JP3707691B2 (ja) | 2002-04-23 | 2003-04-23 | 建築用,家具用等の機能性パネル材の構造 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004001498A JP2004001498A (ja) | 2004-01-08 |
JP3707691B2 true JP3707691B2 (ja) | 2005-10-19 |
Family
ID=30447305
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003118776A Expired - Fee Related JP3707691B2 (ja) | 2002-04-23 | 2003-04-23 | 建築用,家具用等の機能性パネル材の構造 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3707691B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4796912B2 (ja) * | 2005-07-26 | 2011-10-19 | 荒木 登 | 両面カット模様付木板材 |
JP4996144B2 (ja) * | 2005-10-21 | 2012-08-08 | 株式会社サカワ | ボード |
KR101284943B1 (ko) | 2006-06-30 | 2013-07-10 | 엘지디스플레이 주식회사 | 몰드의 제조방법 |
KR200473694Y1 (ko) | 2012-07-30 | 2014-08-13 | 강민성 | 페어유리용 조립창살구조 |
KR101800119B1 (ko) | 2016-05-18 | 2017-11-21 | 박형선 | 목재 프레임의 결합구조 |
KR102375559B1 (ko) * | 2020-11-12 | 2022-04-28 | 주식회사 제페토 | 목재로 만든 건조기 및 그 제조방법 |
-
2003
- 2003-04-23 JP JP2003118776A patent/JP3707691B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2004001498A (ja) | 2004-01-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP3707691B2 (ja) | 建築用,家具用等の機能性パネル材の構造 | |
JP5037029B2 (ja) | 板状建材 | |
JP2002177374A (ja) | 靴箱消臭材及び靴箱 | |
JP2008157017A (ja) | 簀の子及び簀の子ベッド | |
JP2011004904A (ja) | 物品収納部の扉 | |
JP3183289U (ja) | 複合機能性桐材付き家具 | |
JP3150909U (ja) | 消臭材入り収納庫 | |
JP2001115570A (ja) | 建築物用内装壁材 | |
JPH1061047A (ja) | 壁体構造及びそれを備えた建物 | |
JP2005344294A (ja) | 調湿パネル及び建物における内装部の構造 | |
JP3156327U (ja) | 内装用建材パネル | |
JPH07331850A (ja) | 床 材 | |
JP2003306994A (ja) | 建築用パネル | |
JP4438686B2 (ja) | 収納部調湿構造 | |
JP3216331U (ja) | 無機質調湿・吸湿材を嵌め込んだ木質板スノコ | |
JP3051915U (ja) | 押入れ用吸湿ボードおよび押入れの床面構造 | |
JP2016138411A (ja) | 建具材ブロックおよびこの建具材ブロックで構成する建具材パネル | |
KR20110115309A (ko) | 기능성 가구 장식판넬 | |
JP3151707U (ja) | ベットのメッシュオンシーダ | |
JP3086848U (ja) | 竹炭収納庫付きベッド | |
KR200482798Y1 (ko) | 애완동물용 집 | |
JP3115834U (ja) | 自然素材製の畳 | |
JP2662924B2 (ja) | 地下室の脱臭・除湿構法及び構造 | |
JP3137218U (ja) | すのこ | |
JP3002113U (ja) | 畳 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040414 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050610 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20050628 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20050728 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080812 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090812 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100812 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110812 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120812 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120812 Year of fee payment: 7 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140812 Year of fee payment: 9 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |