JP3150909U - 消臭材入り収納庫 - Google Patents
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Abstract
【課題】高度な脱湿・消臭効果を有すると共に、優れた使用感があり、さらに製造・保全のための費用も少なくて済む収納庫を提供する。【解決手段】複数の壁面材と、それらの壁面材で囲まれた収容空間とを備え、壁面材が、方形に組み立てられた枠体と、その枠体の外面に張設された外板と、枠体の内面に張設された内板とを有する収納庫であって、壁面材の内板が複数の貫通孔7を有し、壁面材における枠体、外板及び内板で囲繞される内部空間に炭を充填して収納庫を構成する。炭が充填される内部空間の容積は、収容空間の容積の2分の1以上であることが好ましい。当該収納庫は、収容空間に配設される棚材をさらに備えており、この棚材に、銅製の板材とアルミニウム製の板材とが、互いの表面が接触した状態かつ一端面をした状態で、埋設されていることが好ましい。【選択図】図1
Description
本考案は、収納物から発生する臭気や湿気を効果的に吸収することができる消臭材入り収納庫に関する。
靴箱などの収納庫の内部には、人間の汗や体臭の付いた履物や器物が収納され、閉ざされて換気されない状態で保管される。そのため、履物や器物から発生する湿気や臭気が問題となることがある。また、履物や器物に付着した汗や雨水に起因して多湿状態になる場合が多く、カビなどが発生し易く、そこから臭気が発生することもある。そのような湿気や臭気を回避するために、収納庫の扉を開放して換気を行なう方法や、消臭材や吸湿材を収納庫内部に設置する方法等が行なわれている。また、そのような消臭材や吸湿材としては、市販の脱臭剤や、炭を布袋等に入れたものが用いられている。
しかしながら、靴箱などの収納庫の扉を開放して換気を行なう方法では、換気のたびに扉を開閉する必要があり手間がかかること、収納庫が設置されているスペース自体の換気も同時に行うべきであること、十分な消臭効果が得られないことなどの不都合がある。また、消臭材や吸湿材を収納庫内部に設置する方法(例えば、特開2002−177374号公報、実用新案登録第3071671号公報参照)では、異物感があり、清潔感に欠けること、それらを設置するための収納庫内のスペースが必要となるため、履物や器物を収納するための容積が減少すること、消臭材や吸湿材の効果が長持ちしないため、短期間で交換する必要があり費用がかさむことなどの不都合がある。従って、十分な脱湿・消臭効果が得られると共に、換気作業の必要がなく、また履物等の収納スペースを十分確保することができる収納庫の開発が強く望まれている。
本考案は、これらの不都合に鑑みてなされたものであり、高度な脱湿・消臭効果を有すると共に、優れた使用感があり、さらに保全のための費用も少なくて済む消臭剤入り収納庫の提供を目的とするものである。
上記課題を解決するためになされた考案は、
複数の壁面材と、それらの壁面材で囲まれた収容空間とを備え、
この壁面材が、方形に組み立てられた枠体と、その枠体の外面に張設された外板と、枠体の内面に張設された内板とを有する収納庫であって、
上記壁面材の内板が複数の貫通孔を有し、
上記壁面材における枠体、外板及び内板で囲繞される内部空間に炭が充填されていることを特徴とする収納庫である。
複数の壁面材と、それらの壁面材で囲まれた収容空間とを備え、
この壁面材が、方形に組み立てられた枠体と、その枠体の外面に張設された外板と、枠体の内面に張設された内板とを有する収納庫であって、
上記壁面材の内板が複数の貫通孔を有し、
上記壁面材における枠体、外板及び内板で囲繞される内部空間に炭が充填されていることを特徴とする収納庫である。
当該収納庫は、壁面材が、枠体、外板、及び複数の貫通孔を有する内板で囲繞される内部空間に炭が充填されている構成を備えるため、炭の湿気及び臭気吸収作用により、高度な消臭効果が発揮される。また、当該収納庫は、基本的な構造体の内部に消臭材である炭を包含することから、余分なスペースが必要なく、収納庫内において履物や器物の十分な収納容積を確保することが可能となる。また、当該収納庫は、換気作業が必要ないため、使用性に優れている。
当該収納庫において、炭が充填される内部空間の容積は、収容空間の容積の2分の1以上であることが好ましい。炭が充填される内部空間容積をこのように大きな割合とすることによって、炭の湿気及び臭気吸収作用を最大限に発揮させることができる。炭が充填される内部空間を大きくした場合であっても、炭は収納庫の構造体内部に充填されているため、履物や器物の収納スペースは十分に確保される。
当該収納庫を構成する壁面材の内部空間に充填される炭は、内板の貫通孔の径より大きい粒状体であることが好ましい。当該収納庫には、一般的に、炭の細粉の通過・落下を防止するため、貫通孔を有する内板と炭が充填されている内部空間との間に、細孔を有する通気性シートが設けられる。上記のように、内板の貫通孔の径より大きい粒状体である炭を用いることによって、たとえ通気性シートが劣化・破損した場合であっても炭の細粉の通過・落下を抑制することができると共に、炭の内部空間への充填作業の簡易化及び製造コストの削減が促進される。
当該収納庫を構成する壁面材の内部空間に充填される炭は、板状の焼結体であってもよい。このような板状の焼結体である炭は、安価に入手することができ、壁面材の内部空間への充填作業も容易に行うことができる。また、木造住宅の解体により発生する解体木材の焼結材を利用することによって、資源の有効利用を図ることができる。さらには、近年過剰密生が問題となっている竹林から得られる竹を利用した竹炭を用いることによって、天然資源である竹を有効利用し、同時に健全な竹林環境の保全に資することができる。
当該収納庫は、収容空間に配設される棚材をさらに備え、この棚材に、銅製の板材とアルミニウム製の板材とが、互いの表面が接触した状態かつ一端面をした状態で、埋設されていることが好ましい。このように、収納庫の棚材に、互いに接触した銅製の板材とアルミニウム製の板材とを配設することによって、消臭効果及び同効果の持続性がさらに高められる。これらの銅製の板材とアルミニウム製の板材は、加工性が優れているため、比較的容易に棚板に設置することができる。
以上説明したように、本考案の収納庫は、壁面材が、枠体、外板、及び複数の貫通孔を有する内板で囲繞される内部空間に炭が充填されているため、炭の湿気及び臭気吸収作用により、高度な消臭効果が発揮され、また、余分なスペースが必要なく、収納庫内において履物や器物の十分な収納容積を確保することができる。
以下、適宜図面を参照しつつ本考案の実施の形態を詳説する。
図1の収納庫1は、主に、天板2、底板3、側板4(右面板4a、左面板4b及び背面板4c)、棚板5、扉板6(観音開き型)、孔7、開閉部材8、雌固定部材9a、及び雄固定部材9bの各壁面材を備えている。
天板2は、収納庫1の天井部を構成する壁面材である。また底板3は、収納庫1の底部を構成する壁面材である。天板2及び底板3の寸法は、特に限定されないが、例えば、幅(奥行き)が250mm以上500mm以下、長さが500mm以上2000mm以下、厚みが10mm以上50mm以下とすることができる。天板2及び底板3の材質は、代表的には、木材、金属、合成樹脂あるいはこれらの組み合わせが用いられる。収納庫1を構成する天板2及び底板3以外の部材の材質も、同様のものを用いることができる。
側板4(右面板4a、左面板4b及び背面板4cからなる)は、収納庫1の側部を構成する3つの壁面材である。これらの側板4は、互いにコの字状に接合されており、上下に天板2及び底板3が接合されている。側板4は、上記の天板2及び底板3とバランス良く組み合わせることができる幅(奥行き)又は長さを有すると共に、例えば10mm以上50mm以下の厚みを有する。側板4の高さは、例えば800mm以上2000mm以下とすることができる。
複数の棚板5(図中2個を例示)は、コの字状に接合された側板4の右面板4a及び左面板4bに掛け渡されるように、上下方向に適当な間隔を空けて設置される。棚板5の寸法は、側板4によるコの字の形状に合わせて設定される。
扉板6は、観音開き型で、左右対称に二分割された部材からなる。扉板6の左右の各部材は、金属製である複数の開閉部材8を介して、右面板4a及び左面板4bに取り付けられており、コの字状に接合された側板4の正面開口に対して、観音型に開閉自在に構成されている。開閉部材8は、図示するように、中心の軸部材と、その軸部に対して回動自在に構成された左右対称の回動部材とを有する。この回動部材が、右面板4a及び扉板6、並びに左面板4b及び扉板部6に跨って固定されていることにより、扉板6の開閉(回動)が可能となっている。また、扉板6を閉じた状態において、扉板6の左右板材と、天板2及び底板3との接触部分には、それぞれ、金属製の雌固定部材9a及び雄固定部材9bが設けられている。雄固定部材9bには、突起状のフックが弾性的に設けられており、一方の雌固定部材9aには、雄固定部材9bのフックを係合するための凹部が形成されており、これらが互いに係合することによって、扉板6を閉じた状態で安定して保持することができるように構成されている。
収納庫1に備えられた天板2、底板3、側板4、棚板5及び扉板6には、収納庫の内側面(棚板5に関しては上側面)に、貫通孔7が略一定間隔で多数形成されている。なお、貫通孔7は、各壁面材の一面の全体に形成されているが、図1中では、貫通孔7の描画を一部分のみとし、残りは省略した。これらの壁面材の内部には消臭材として炭が充填されている。壁面材である天板2、底板3、側板4、棚板5及び扉板6において炭が充填される内部空間の容積は、炭の脱湿・消臭効果を最大限に発揮させる観点から、収納庫の収納空間の容積の2分の1から4分の3程度とされる。これらの各壁面材は全て同様の構造を有しているが、側板4の右面板4aを例として、図2に詳細な構成を示す。
図2に示された右面板4aは、方形の枠体10、収納庫1の内側に面する有孔板である内板11a、収納庫1の外側に面する外板11b(貫通孔を有しない)、内部に充填された消臭材である炭12、及び内板11aと炭12が充填されている内部空間との間に配設される通気性シート13によって構成されている。
枠体10は、4片の板材を方形に組み合わせて形成される。枠体10には、炭を入れ替えるための容易に開閉可能な開閉口(図示せず)が設けられている。開閉口は、枠体10の替わりに、内板11a又は外板11bに設けてもよい。あるいは、枠体10に対して内板11a又は外板11bの全体が開閉するように、枠体10と内板11aとの間、あるいは枠体10と外板11bとの間に、開閉部材を設けることもできる。壁面材に、このような開閉口又は開閉部材を設けることによって、収納庫の廃棄あるいは複数の部材の分解を行うことなく、炭の入れ替えが可能となり、収納庫の耐久性・保全性が改善される。また、長期間の使用により湿気及び臭気の吸収効果が小さくなった炭は、加熱処理し、表面の吸着物質を揮発させて、これらの効果を再度発揮するように再生処理することができるため、新規な消臭材の購入に要するコストを生じることなく、半永久的に消臭材としての炭の使用を継続することが可能となる。
内板11a及び外板11bは、枠体10と略同一の外側輪郭を有し、それぞれ、枠体10の内面(図中の紙面側の面)及び外面(図中の紙面逆側の面)に張り合わせて設けられる。内板11aは多数の貫通孔7を有する一方、外板11bはそのような貫通孔を有しない。内板11aの貫通孔7の形状は、略均一な円形であり、その径は3mm以上10mm以下である。貫通孔7の径は、より好ましくは4mm以上8mm以下、特に好ましくは約5mmとすることができる。貫通孔7の径が3mm以上であることによって、内部に充填されている炭による湿気・臭気の吸収効果が高められる。一方、貫通孔7の径が10mm以下であることによって、通気性シート13が破損した場合であっても、炭の細粉の通過・落下を低減することが可能となり、さらには意匠上の違和感を抑制することができる。内板11aの貫通孔7の密度は、例えば200個/m3以上2000個/m3以下とすることができる。
炭12としては、木炭あるいは竹炭の粒状体が用いられる。木炭や竹炭の形態は、粒子体に限定されず、板状の焼結体も用いることができる。例えば、竹炭の板状焼結体は、水蒸気存在下、板状の竹を800℃から1200℃程度の高温で焼結させることによって容易に製造することができる。製材所から出る鋸屑やプレーナー加工屑などの廃棄物を炭化することにより、適度な大きさの炭を安価で多量に得ることができる。また、炭12の原料として、木造住宅の解体により発生する解体木材のうち、薬剤、接着剤などを含有していない解体木材を炭化させた木炭を利用することもできる。これらの廃材を使用することによって、資源の有効利用を図ることができる。さらには、近年全国的に過剰密生が問題となっている竹林から竹を伐採し、その竹から得られた竹炭を用いることによって、天然資源である竹を有効利用しつつ、健全な竹林・雑木林などの里山の自然環境の保全につなげることができる。
炭12としては、壁面材を構成する内板11aの貫通孔7の径より大きい粒状体が使用される。粒状体である炭12の平均径は、貫通孔7の径より少なくとも3mm大きいことが好ましく、5mm以上大きいことがより好ましい。例えば、貫通孔7の径が5mmである場合、炭12の平均径を10mmとすることができる。内板11aと炭12が充填されている内部空間との間には、炭の細粉の通過・落下を防止するため、細孔を有する通気性シート13が設けられているが、内板11aの貫通孔7の径より大きい粒状体である炭を用いることによって、長期間の使用により通気性シート13が劣化・破損した場合であっても、炭12の細粉の通過や落下を低減・防止することが可能となる。また、このように内板11aの貫通孔7の径より大きい粒状体である炭を用いることによって、炭の内部空間への充填作業がより容易になり、ひいては施工・製造コストが低減される。
また、炭12としては、1.0×10−6m3以上5.0×10−2m3以下の平均体積を有するものが用いられる。炭12の平均体積は、より好ましくは5.0×10−6m3以上1.0×10−2m3以下であり、さらに好ましくは1.0×10−5m3以上1.0×10−3m3以下である。1.0×10−6m3以上5.0×10−2m3以下の平均体積を有する炭12を用いることによって、湿気及び臭気の吸収効果が高度に発揮されると共に、炭の充填又は入れ替え作業の施工性が改善される。
通気性シート13は、多数の通気孔を有する薄膜シートであり、内部空間に充填されている炭が内板11aの貫通孔7から通過・落下するのを防止するために、内板11aと内部空間との間に配設される。通気性シート13の材質としては、特に限定されず、例えば合成樹脂やパルプが挙げられる。合成樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエステル、ポリアミドなどの熱可塑性樹脂が挙げられる。これらの合成樹脂やパルプは、単独で用いても、あるいは2種以上を組み合わせて用いてもよい。単独で用いる場合の代表的な材質は、ポリプロピレン製の不織布である。また、2種以上の材質を組み合わせた例としては、ポリエチレン−ポリプロピレンの複合繊維とポリエステル繊維とで構成される不織布や、パルプと合成樹脂とで構成される不織布などが挙げられる。通気性シート13の厚みは、好ましくは10μm以上500μm以下であり、さらに好ましくは20μm以上200μm以下である。また、通気性シート13の孔の径は、好ましくは1mm以上5mm以下であり、より好ましくは1mm以上3mm以下である。通気性シート13の厚みを10μm以上500μm以下とし、孔径を1mm以上5mm以下とすることによって、シートの耐久性を高めると共に、内部空間に充填されている炭の通過・落下を効果的に防止することができる。
本実施形態の収納庫によれば、壁面材である天板、底板、側板、棚板及び扉板の内部空間に消臭材として炭が充填されており、複数の貫通孔を有する内板を用いて壁面材が形成されていることから、炭が本来有する湿気及び臭気吸収作用により、優れた防湿・消臭効果が発揮される。また、壁面材の内部空間に消臭材である炭を包含することから、消臭材のための余分なスペースが必要なく、収納庫内において、器物や履物のための収納容積を十分確保することができる。さらに、この収納庫は、内部空間に充填される炭が内板の貫通孔の径より大きい粒状体であるため、内板と内部空間との間に配設される通気性シートが長期間の使用により劣化・破損した場合であっても、貫通孔に対する炭の通過・落下を低減することができると共に、炭の内部空間への充填作業の容易化及び施工・製造コストの削減を図ることができる。このように、上記実施形態の収納庫によれば、比較的簡易な構造によって高度な消臭効果が得られると同時に、製造工程の簡略化及び製造コストの削減が達成される。
加えて、上記実施形態の収納庫によれば、炭が充填される上記内部空間の容積が収容空間の容積の2分の1以上であることによって、炭の湿気及び臭気吸収作用を最大限に発揮させることができる。また、収納庫の主要部材である天板、底板、側板、棚板及び扉板の全てに、炭が充填されている壁面材を用いることによって、器物や履物の周りが消臭材である炭に完全に囲まれ、一箇所に消臭材を配置する場合と比較して消臭効果が格段に高められる。また、天板等の主要部材の全てが同一の構成を有していることから、収納庫の製造及び施工の容易性を改善することができる。さらに、上記実施形態の収納庫において、壁面材の内部空間に充填されている炭の平均体積を1.0×10−6m3以上5.0×10−2m3以下と比較的大きくすることによって、たとえ通気性シートが破損した場合であっても、貫通孔に対する炭の通過・落下を効果的に防止することができると同時に、炭の壁面材への充填作業や入れ替え作業の施工性がさらに改善される。
図3は、上記とは異なる実施形態に係る収納庫を構成する棚板14を示すものである。この棚板14の1つの面上には、銅製の板材15及びアルミニウム製の板材16が隣接した形態で埋設固定されている。図3に示すように、棚板14の基材としては、通常の一枚板を用いることができるが、図1及び図2に示したような有孔板である内板を有し、内部空間に炭が充填された壁面材を用いてもよい。そのように、棚板14として、有孔板である内板を有し、内部空間に炭が充填された壁面材を用いる場合には、施工の容易性の観点から、有孔板である内板と逆側の外板の面上に、銅製の板材15及びアルミニウム製の板材16を配設することが好ましい。この収納庫を構成する棚板14以外の部材としては、図1及び図2に示した実施形態と同様のものが用いられる。
銅製の板材15及びアルミニウム製の板材16の各々は、ほぼ同一である略矩形の断面形状と長手方向の寸法を有する。銅製の板材15及びアルミニウム製の板材16の組み合わせ(以下「複合体」と称する)は、棚板14の1つの面の相対する二辺を結ぶように形成された複数の溝(図中2つの溝を例示)に、隣接した形態で配設されている。銅製の板材15及びアルミニウム製の板材16の複合体は、棚板14の複数の面に設けることもできる。また、銅製の板材15及びアルミニウム製の板材16の複合体は、棚板14の面上の局所的な位置に設けることもできる。かかる銅製の板材15及びアルミニウム製の板材16の複合体を設置することによって、収納庫内の消臭効果を高めることが可能となる。このような消臭機能の発揮のメカニズムは明らかではないが、収納庫内の湿気(水分)が銅及びアルミニウム表面に付着し、両者が通電することに関連していると考えられる。銅製の板材15及びアルミニウム製の板材16の複合体による消臭効果は、これらの表面を一定時間ごとに清掃又は研磨することによって、効果の持続性が一層高められる。
本実施形態の棚板を用いた収納庫によれば、銅製の板材とアルミニウム製の板材とが、互いに接触した形態で、棚板の面上で露出するように配設されていることによって、消臭効果及び同効果の持続性がさらに高められる。すなわち、このような棚板を備えた収納庫によれば、炭による消臭機能と、銅製の板材及びアルミニウム製の板材による消臭機能とが二重に奏されることによって、収納庫内の消臭効果が飛躍的に大きくなる。また、銅製の板材及びアルミニウム製の板材は、加工性が優れているため、比較的容易に棚板部に設置・施工することができる。
図4は、さらに異なる実施形態に係る収納庫を構成する壁面材17を示すものである。この壁面材17は、主に、枠体18、桟材19、有孔板である内板20、内板20と反対側の外板(紙面裏側であるため図示せず)、貫通孔21、炭22及び通気性シート23を有する。
本実施形態の壁面材17は、上記実施形態と同じように、収納庫を構成する主要部材である天板、底板、側板、棚板及び扉板の全てとして用いられてもよいし、あるいは、それらの壁面材のうちの一部として用いられてもよい。枠体18、有孔板である内板20、反対側の外板、貫通孔21、炭22及び通気性シート23については、上記実施形態に関して図2に示した枠体10、内板11a、外板11b、貫通孔7、炭12及び通気性シート13と同様であるから、ここでは説明を省略する。
桟材19は、方形の枠体18の相対する二辺に架け渡される形で設けられる。桟材19の設置個数は、枠体を構成する材質の種類、収納庫全体として要求される強度などを考慮して決定される(図中2個を例示)。桟材19の設置個数は、単数でも複数でもよいが、壁面材及び収納庫の強度改善の観点からは、複数であることが好ましい。桟材19の形状は、枠体18の形状に合わせて設定されるが、例えば、その断面形状としては、一辺50mm以上100mm以下の略正方形や直径50mm以上100mm以下の円形のものが用いられる。桟材19の材質としては、木材、金属、合成樹脂あるいはこれらの組み合わせが用いられるが、枠体と同じ材質であることが好ましい。
本実施形態の壁面材を用いた収納庫によれば、収納庫を構成する壁面材の枠体に桟材が架け渡されていることにより、壁面材の強度、収納庫全体の耐久性が強化される。また、桟材が壁面材の内部空間において、ほぼ完全に又は部分的に隔絶された複数の小区分を構成することにより、壁面材の中で炭が安定した形態で充填・保持され、その結果、扉板の開閉時、収納庫の移動・輸送の際の保全性が改善される。
本考案は、上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、製造コストやデザインの指向性により、収納庫の天板や棚板を省いてもよい。棚板を設置する際には、棚板の有孔板面を下方に向けることもまた好ましい。また収納庫の扉板は、観音開き型ではなく、引出形態とすることもできる。扉板の固定部材は、上記のような雄雌型の固定部材に限定されず、例えば磁石による固定部材を用いてもよく、また固定部材を省くこともできる。壁面材を構成する内板の貫通孔の形態は、円形に限定されず、例えば四角形や三角形であってもよい。壁面材において炭が充填される内部空間の容積は、収納空間の容積の2分の1以上であることが望ましいが、各壁面材のデザインやサイズの設定次第で、収納空間の2分の1以下としてもよい。通気性シートは、壁面材の内板と炭が充填されている内部空間との間に配設する替わりに、一部又は全部の炭を包装する形態としてもよい。
収納庫において、内部空間に炭が充填された壁面材を天板等の主要部材のうちの一部の部材のみとして用いることもできる。また、収納庫を構成する壁面材として、桟材を設けていないものを用いてもよい。さらには、製造コストの制約、デザインの指向性などを考慮して、銅製の板材及びアルミニウム製の板材が配設されていない棚板を用いてもよい。
本考案の収納庫は、優れた脱湿・消臭機能を発揮すると共に、清潔感あるデザインを有し、さらに収納庫内に器物や履物を配置するための十分なスペースを確保することができるため、家庭用あるいは業務用の収納庫として好適に使用することができる。
1 収納庫
2 天板
3 底板
4a 右面板
4b 左面板
4c 背面板
5 棚板
6 扉板
7 貫通孔
8 開閉部材
9a 雌固定部材
9b 雄固定部材
10 枠体
11a 有孔板である内板
11b 外板
12 炭
13 通気性シート
14 棚板
15 銅製の板材
16 アルミニウム製の板材
17 壁面材
18 枠体
19 桟材
20 有孔板である内板
21 貫通孔
22 炭
23 通気性シート
2 天板
3 底板
4a 右面板
4b 左面板
4c 背面板
5 棚板
6 扉板
7 貫通孔
8 開閉部材
9a 雌固定部材
9b 雄固定部材
10 枠体
11a 有孔板である内板
11b 外板
12 炭
13 通気性シート
14 棚板
15 銅製の板材
16 アルミニウム製の板材
17 壁面材
18 枠体
19 桟材
20 有孔板である内板
21 貫通孔
22 炭
23 通気性シート
Claims (5)
- 複数の壁面材と、それらの壁面材で囲まれた収容空間とを備え、
この壁面材が、方形に組み立てられた枠体と、その枠体の外面に張設された外板と、枠体の内面に張設された内板とを有する収納庫であって、
上記壁面材の内板が複数の貫通孔を有し、
上記壁面材における枠体、外板及び内板で囲繞される内部空間に炭が充填されていることを特徴とする収納庫。 - 炭が充填される上記内部空間の容積が、上記収容空間の容積の2分の1以上である請求項1に記載の収納庫。
- 上記内部空間に充填される炭が、内板の貫通孔の径より大きい粒状体である請求項1又は請求項2に記載の収納庫。
- 上記内部空間に充填される炭が、板状の焼結体である請求項1又は請求項2に記載の収納庫。
- 上記収容空間に配設される棚材をさらに備えており、
この棚材に、銅製の板材とアルミニウム製の板材とが、互いの表面が接触した状態かつ一端面をした状態で、埋設されている請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の収納庫。
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---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104337244A (zh) * | 2013-08-05 | 2015-02-11 | 上海雅风企业发展有限公司 | 一种能够净化空气和防霉的衣柜 |
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2009
- 2009-03-18 JP JP2009001615U patent/JP3150909U/ja not_active Expired - Fee Related
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