JP3705803B2 - 蛍光体発光素子及びその製造方法、並びに画像描画装置 - Google Patents
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Description
【0001】
本発明は、気相と固相が混在した構造からなる多孔質体層、特に絶縁体からなる微小粒子で構成された多孔質構造の多孔質体層を備えた蛍光体発光素子及びその製造方法、並びに該蛍光体発光素子を利用した画像描画装置に関する。
【背景技術】
【0002】
固体からの電子放射現象を用いて蛍光体を発光させる素子及び装置の代表として、CRT(Cathode Ray Tube)が挙げられるが、近年、冷陰極型の微小電子放出素子をエミッタとした薄型の電界放出型ディスプレイ(FED;Field Emission Display)が注目されている。この冷陰極型エミッタは、加熱することなくトンネル効果等を用いて固体表面から電子を真空中に取り出すものであり、例えばスピント(Spindt)型、MIM(Metal-Insulator-Metal)型、BSD(Ballistic electron Surface-emitting Display)型等が報告されている。
【0003】
スピント型電子放出素子は、公知文献(例えば、特許文献1等参照)に開示されているもので、その作用はシリコン(Si)やモリブデン(Mo)等の高融点金属材料によって形成された微小な円錐状エミッタ部の先端に高電界(>1×109V/m)を印加することにより、電子を真空中に放出させるものである。
【0004】
またMIM型冷陰極エミッタは、一対の金属電極層で非常に薄い絶縁体層をサンドイッチした構造(金属−絶縁体層−金属)からなるものであり、両金属電極間に電圧を印加することで中間の絶縁層をトンネリングした電子を真空中に放出させるものである。
【0005】
またBSD型冷陰極エミッタは、公知文献(例えば、特許文献2等参照)に記載されているように、基本的にはMIM型と同様の原理であるが、電子がトンネリングする層に多孔質ポリシリコンを用いたものである。このような微結晶状のシリコン層を介して電子放出させることで、注入電子の励起エネルギーが高められるため、放出電子の平行性に優れているといった特徴を有している。
【0006】
前記したような冷陰極エミッタを利用した蛍光体発光素子のうち、スピント型の冷陰極エミッタを利用した蛍光体発光素子(以下、第1の従来例という)を図8に示す。また、MIM及びBSD型冷陰極エミッタを利用した蛍光体発光素子(以下、第2の従来例という)を図9に示す。
【0007】
図8及び図9において、蛍光体発光素子71,81は画像描画装置の画面における1つの画素を構成している。通常、画面は多数の画素で構成されるので、図8及び図9は、1画素分の蛍光体発光素子71,81の構成を模式的に表したものである。
【0008】
図8に示すように、第1の従来例では、内面(上面)に冷陰極エミッタ部72が形成された板状の背面基材51と、内面(下面)にアノード電極57及び蛍光体層56からなるアノード部53が形成された板状の前面基材58とが対向配置され、背面基材51の縁部と前面基材58の縁部との間にこれらの全周に渡ってスペーサ61が配設され、スペーサ61と背面基材51及び前面基材58の縁部との間がペースト等によりシールされている。
【0009】
これにより、背面基材51と前面基材58との間に気密空間62が形成され、この気密空間62が実質的に真空状態に維持される。スピント型のエミッタ部72は、下部電極52、絶縁体層63、SiやMoからなる錐体構造物53、及びゲート電極54を有している。また、ゲート電極54とアノード電極57との間、及び下部電極52とゲート電極54との間には、それぞれ電圧(59,60)が印加される。
【0010】
このように構成された第1の従来例では、冷陰極エミッタ部72が有する錐体構造物53から気密空間62中に放射された電子(以下、放射電子と呼ぶことがある)が、ゲート電極54とアノード電極57との間に印加された電圧により加速されて蛍光体層56に衝突し、蛍光体層56が発光する。
【0011】
また、図9に示すように、第2の従来例では、背面基材51の内面に、第1の従来例におけるスピント型のエミッタ部72に代えて、MIM又はBSD型のエミッタ部82が形成されている。エミッタ部82がMIM型である場合には、エミッタ部82は、下部金属電極52、絶縁体層53、及び上部金属電極54を備える。エミッタ部82がBSD型である場合には、エミッタ部82は、下部電極52、多孔質ポリシリコン層53、及び上部電極54を備える。そして、上部金属電極又は上部電極54とアノード電極57との間、及び下部金属電極又は下部電極52と上部金属電極又は上部電極との間に、それぞれ電圧(59,60)が印加される。その他の点は第1の従来例と同様である。
【0012】
なお、上述の第1、第2の従来例の他、本発明に関連する技術として、他の報告例(特許文献3及び特許文献4参照)がある。
【特許文献1】
米国特許3665241号等
【特許文献2】
特開平8−250766号公報等
【特許文献3】
特開2000−285797号公報
【特許文献4】
特許第3112456号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
ところで、このような、冷陰極型エミッタを用いた従来の蛍光体発光素子(第1、第2の従来例)では、いずれも気密空間62中に電子が放射されるよう構成されており、安定な蛍光体発光特性を維持するためにはスペーサ61等を用いて非常に狭い間隔(概ね0.1〜1mm程度)の気密空間62を形成するとともに、その気密空間62を高真空に維持する必要がある。
【0014】
このため、従来の蛍光体発光素子においては、以下のような課題があった。
【0015】
第1に、非常に間隔の狭い気密空間62の形成が必須であり、大面積に精度良くその気密空間62を作製することが困難である。
【0016】
第2に、気密空間62を形成する筐体(スペーサ61、背面基材51、及び前面基材58からなる筐体)の内部を高真空に維持する必要があるため、この筐体は耐圧構造を備える必要があり、このため、筐体の材質を厚くする必要がある。
【0017】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされもので、強度保持用の筐体が不要な蛍光体発光素子及び画像描画装置を提供することを第1の目的としている。
【0018】
また、本発明は、低気密性の筐体で済む蛍光体発光素子及び画像描画装置を提供することを第2の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために、本発明に係る蛍光体発光素子は、電子を放射するための冷陰極型のエミッタ部と、前記エミッタ部から放射される電子の衝突により発光する蛍光体層と、前記エミッタ部に対向するように配置され、アノード電極と該アノード電極の内側に設けられた前記蛍光体層とを有するアノード部とを備え、前記エミッタ部と前記アノード部との間に、絶縁性を有する多孔質体からなる多孔質体層が挟まれている。
【0020】
このような構成とすると、エミッタ部とアノード部との間に設けられた多孔質層が、空孔によってエミッタ部から放射される電子を通過させるとともに固体物として機能するため、蛍光体層を発光させる機能を保持しつつ強度保持用の筐体を不要とすることができる。
【0021】
前記多孔質体は、三次元ネットワーク状に形成された固体骨格部と該固体骨格部の網目状に連続する空孔とを有する固体物からなっていてもよい。
【0022】
このような構成とすると、多孔質体の連続空孔が放射電子の通路として機能し、多孔質体の固体骨格部が固体物として機能するので、より好適な多孔質体層を実現することができる。
【0023】
前記多孔質体層が前記エミッタ部と接していてもよい。
【0024】
前記多孔質体層が前記アノード部と接していてもよい。
【0025】
前記多孔質体層が前記エミッタ部および前記アノード部のいずれにも接していてもよい。
【0026】
前記多孔質体層における前記固体骨格部の体積比率が、0%を越えかつ15%以下であることが好ましい。このような構成とすると、多孔質体層の固体物としての機能を保持しつつ放射電子のエネルギー損失を低減することができる。
【0027】
前記多孔質体層における固体骨格部の体積比率が、3%以上15%以下であることがより好ましい。このような構成とすると、放射電子のエネルギー損失をより低減することができる。
【0028】
前記多孔質体層の固体骨格部が、連結された複数個の粒子からなり、前記粒子の粒径が3nm以上20nm以下であることが好ましい。このような構成とすると、多孔質体層の固体物としての機能を保持しつつ放射電子のエネルギー損失を低減することができる。
【0029】
前記粒子の粒径が3nm以上10nm以下であることがより好ましい。このような構成とすると、放射電子のエネルギー損失をより低減することができる。
【0030】
前記エミッタ部と前記アノード部との間の領域の気圧が1.33×10−3Pa以上1.01×105Pa以下であることが好ましい。このような構成とすると、低気密性の筐体で済む。
【0031】
前記エミッタ部と前記アノード部との間の領域の気圧が1.33×10−2Pa以上1.33×10−1Pa以下であることがより好ましい。
【0032】
前記多孔質体層は、SiO2、Al2O3、及びMgOのうちのいずれかで構成されていてもよい。このような構成とすると、好適に絶縁性の多孔質体層を形成することができる。
【0033】
前記蛍光体層が、前記多孔質体の空孔部分に蛍光体が分散されてなる多孔質蛍光体層で構成されていてもよい。このような構成とすると、実効的な蛍光体面積が増大するので、発光輝度が向上する。
【0034】
前記多孔質蛍光体層が第1及び第2の多孔質蛍光体層で構成され、前記第1の多孔質蛍光体層が前記アノード電極に接して形成され、かつ前記第2の多孔質蛍光体層が前記多孔質体層の中に形成されていてもよい。このような構成とすると、蛍光体層が多孔質体層中にも設けられるので、その分、実効的な蛍光体面積が増大し、より発光輝度が向上する。
【0035】
前記エミッタ部が、電子を供給するための電子供給層と、前記電子供給層から供給される電子が移動可能な電子輸送層と、前記電子供給層との間に印加される電圧によって前記電子輸送層を移動する電子を前記エミッタ部から放射するための制御電極層とを有していてもよい。
【0036】
前記電子輸送層の前記制御電極層側の表面が、負の電子親和力又は0に近い電子親和力を有していてもよい。このような構成とすると、電子供給層から供給される電子が制御電極層の表面から容易に多孔質体層に放射されるので、放射電子のエネルギーのバラツキが小さくなる。
【0037】
前記エミッタ部が、MIM型、BSD型、及びスピント型のうちのいずれかの冷陰極型エミッタで構成されていてもよい。
【0038】
また、本発明に係る蛍光体発光素子の製造方法は、電子を放射するための冷陰極型のエミッタ部と、前記エミッタ部から放射される電子の衝突により発光する蛍光体層と、前記エミッタ部に対向するように配置され、アノード電極と該アノード電極の内側に設けられた前記蛍光体層とを有するアノード部とを備えた蛍光体発光素子の製造方法において、前記エミッタ部と前記アノード部との間に、三次元ネットワーク状に形成された固体骨格部と該固体骨格部の網目状に連続する空孔とを有する固体物であって絶縁性を有する多孔質体からなる多孔質体層を設ける工程を有する。
【0039】
前記多孔質体層はゾル−ゲル転移反応を用いて形成してもよい。このような構成とすると、このような構成とすると、多孔質体層を容易に大面積にかつ均一性良く形成できるため、蛍光体発光素子の低コスト化や高品質化が可能になる。
【0040】
前記多孔質体層を形成する際に、湿潤状ゲル構造を超臨界乾燥法により乾燥してもよい。このような構成とすると、乾燥時に起こり得る多孔質体層の変形及び破壊を起こすことなく、空孔部分が多い非常に微細な多孔質体層を容易に形成できる。
【0041】
また、本発明に係る画像描画装置は、請求項1記載の蛍光体発光素子を備えている。このような構成とすると、強度保持用の筐体を必要としない画像描画装置を実現できる。
【発明の効果】
【0042】
本発明は、以上に説明したような構成を有し、蛍光体発光素子及び画像描画装置において強度保持用の筐体が不要であるという効果を奏する。
【0043】
また、本発明は、蛍光体発光素子及び画像描画装置において低気密性の筐体で済むと いう効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る蛍光体発光素子の構成を模式的に示す断面図である。
【0045】
図1において、本実施形態の蛍光体発光素子11は、板状の背面基材1と板状の前面基材8とを有している。背面基材1の内面(上面)の所定位置には、冷陰極型のエミッタ部12が形成されている。
【0046】
ここで、蛍光体発光素子11は、一般的には、画像描画装置の画面における1つの画素を構成する。通常、画面は多数の画素で構成されるので、図1は、1画素分の蛍光体発光素子11の構成を示している。もちろん、1つの蛍光体発光素子11を表示等に用いることもできる。
【0047】
前面基材8の内面(下面)には、アノード電極7及び蛍光体層6が順に形成されており、これらアノード電極7及び蛍光体層6がアノード部13を構成している。アノード電極7は、任意の数の画素毎に設けることができ、全画素に共通に1つ設けてもよい。
【0048】
背面基材1と前面基材8とは、内面同士が対向するように所定の間隔(概ね0.1mm以上1mm以下程度)で配置されている。背面基材1の内面と前面基材8の内面との間には、多孔質体層5が設けられている。
【0049】
エミッタ部12は、多孔質体層5に電子を放射する機能を有する部分であり、背面基材1上に順次に形成された、電子供給層2、電子輸送層3、及び制御電極層4を有している。電子供給層2は電子を供給し、電子輸送層3はその電子を放射面まで輸送し、制御電極層4は電子輸送及び放射のための電圧を印可するとともに電子を多孔質体層5に放射する。従って、エミッタ部12は、これらの機能を有する各層で構成され、多孔質体層5に効率よく電子放射がなされるものであればよく、特定の構成に限定されるものではない。具体的には、スピント型、MIM型、BSD型及び他方式のいずれの冷陰極型エミッタであっても差し支えない。なお、図1には、MIM型あるいはBSD型の冷陰極型エミッタで構成されたエミッタ部12が示されている。
【0050】
エミッタ部12がMIM型の冷陰極型エミッタ(以下、単にMIM型という)で構成される場合には、電子供給層2、電子輸送層3、及び制御電極層4は、それぞれ、MIM型の、下部金属電極、絶縁体層、及び上部金属電極で構成される。絶縁体層の材料として、例えば、SiO2、Al2O3等が用いられる。
【0051】
エミッタ部12が、BSD型の冷陰極型エミッタ(以下、単にBSD型という)で構成される場合には、電子供給層2、電子輸送層3、及び制御電極層4は、それぞれ、BSD型の下部金属電極、多孔質ポリシリコン層、及び上部電極で構成される。
【0052】
アノード部13は、多孔質体層5内で電子を加速するための電圧印加と、蛍光体を発光させる機能とを有する部分であり、上述のように、アノード電極7及び蛍光体層6を有している。アノード電極7は、多孔質体5内に放射された電子に対して加速用の電圧(以下、アノード電圧という)を印加し、蛍光体層6は電子が衝突して発光する。
【0053】
本実施形態では、蛍光体層6による発光を前面基材8側から取り出すように構成されているので、アノード電極7は一般的にITO等からなる透明導電膜で構成され、前面基材8は透明なガラス基板等で構成されている。
【0054】
蛍光体層6の材料には、ZnO:ZnやZnS系蛍光体等を所望の発光色に併せて選択した蛍光体材料が用いられる。但し、その選択に際し、加速される放射電子が持つエネルギー値、すなわちアノード電圧値を考慮した場合に最も効率の良い蛍光体材料を選ぶことが重要である。
【0055】
電子供給層2と制御電極層4との間には、制御電源9によって電子放射用電圧が印加され、制御電極層4とアノード電極7との間には加速電源10によってアノード電圧が印加される。
【0056】
次に、本発明を特徴付ける多孔質体層5について詳しく説明する。
【0057】
図2は、図1の多孔質体層5に用いられる多孔質体20の微細構造を拡大して示す模式図である。
【0058】
図2において、本発明において用いられる多孔質体(以下、単に多孔質体という)20は、三次元ネットワーク状に形成された固体骨格部17と、この固体骨格部17の網目状に連続する空孔(以下、連続空孔という)18とを有する固体物である。多孔質体20は、母材粉体の成形、粉体焼成、化学発泡、物理発泡、ゾル−ゲル法等の方法で作製することができる。本発明の蛍光体発光素子11においては、多孔質体としてナノメートルサイズの空孔を多数有することによって好ましい効果が得られる。
【0059】
上述のように、多孔質体20は、固体骨格部17と連続空孔18とを有している。固体骨格部17は、大きさ(粒径)が3nm以上20nmの複数個の粒子が三次元ネットワーク状に連結されて構成されていることが好ましい。連続空孔18は、固体骨格部17の網目状の空隙として形成されており、その大きさ(直径)は10nm以上100nm以下であることが好ましい。多孔質体20は、固体骨格部17で固体としての形状を保ちながら、多数の連続空孔18を含んでいる。このため、図1において、多孔質体層5に放射された電子を、アノード電極7に印加された電圧によって、あたかも空間中を伝搬する電子のように振る舞わせることができる。
【0060】
当然のことながら、放射された電子の一部は、多孔質体20の固体骨格部18により散乱されてエネルギーを失うが、固体骨格部18の大きさ(径)が数nm程度であるため、放射された電子の大部分を蛍光体層6に照射することが可能となる。すなわち、蛍光体層6を発光させることが可能となる。
【0061】
一方、多孔質体20は、固体骨格部17によって固体としての形状を保つので、背面基材1と前面基材8との間隔が多孔質体層5によって保持される。従来例と同様、エミッタ部12とアノード部13との間に挟まれた空間は減圧される。そのため、本発明においても、エミッタ部12とアノード部13との間に挟まれた多孔質体層5を構成する多孔質体20の連続空孔18は減圧され(本発明におけるこの減圧の詳細については後述する)、背面基材8および前面基材1に外圧(多くの場合、大気圧)が加わる。しかし、従来例とは異なり、多孔質体層5を構成する多孔質体20の固体骨格部17がこの外圧に抗する。そのため、本実施の形態においては、図8に示すような、微細加工が必要なスペーサ61を設ける必要は必ずしもない。また、図8に示すスペーサ61は1画素ごとに設ける必要があるが、多孔質体20は、後述するように、多孔質体20となる溶液を背面基材1の全面に塗布すればよいので、従来例と比較して、製造も容易になる。また、作製が困難な高気密性の筐体を作製することは必要とされない。
【0062】
但し、蛍光体発光素子11の強度が不足する場合には、補強用の筐体を設けてもよい。また、後述するように、エミッタ部12とアノード部13との間を気密に保つことが必要とされる場合には、気密性保持用に筐体を設けてもよい。この補強用及び気密性保持用の筐体は、例えば、図8及び図9の従来例と同様に、背面基材1の縁部と前面基材8の縁部との間にこれらの全周に渡ってスペーサ61を配設し、このスペーサ61と背面基材1及び前面基材8の縁部との間をペースト等によりシールすることによって、構築することができる。また、図1に示すように、蛍光体発光素子11の全体を収容し、かつ密封可能な筐体101で構成してもよい。
【0063】
このような、多孔質体20として、ゾル−ゲル法によって作製する乾燥ゲルを特に有力な候補として挙げることができる。ここで、乾燥ゲルとは、大きさが3nm以上20nm以下の粒子で構成される固体骨格部18を持ち、平均空孔径が10nm以上100nm以下の範囲である連続空孔が形成されているナノサイズの多孔質体20である。またその材質としては、加速電圧が印加されることから比較的高抵抗な電気特性を示すものが適当であり、中でも多孔質のシリカ(酸化ケイ素:SiO2)、アルミナ(酸化アルミニウム:Al2O3)、酸化マグネシウム(MgO)等が好適である。
【0064】
本発明で用いる乾燥ゲルからなる多孔質シリカを得る方法は、大きく分けて、湿潤ゲルを得る工程と、それを乾燥する工程とからなる。
【0065】
まず湿潤ゲルは、溶媒中に混合したシリカの原料をゾル−ゲル反応させることによって合成できる。このとき必要に応じて触媒を用いる。この合成過程では、溶媒中で原料が反応しながら微粒子を形成し、その微粒子がネットワーク化して網目状の骨格を形成する。具体的には、所定の空孔度合の多孔質シリカが得られるように固体成分である原料及び溶媒の組成を決定する。その組成に調合した溶液に対して、必要に応じて触媒や粘度調整剤等を添加して撹拌し、注型/塗布等によって所望の使用形態にする。この状態で一定時間経過させることで、溶液はゲル化してシリカ湿潤ゲルが得られる。製造時の温度条件としては、通常の作業温度である室温近傍の温度で行なえるが、必要に応じて溶媒の沸点以下の温度まで加熱することもある。
【0066】
シリカの原料としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、トリメトキシメチルシラン、ジメトキシジメチルシラン等のアルコキシシラン化合物、これらのオリゴマー化合物、またケイ酸ナトリウム(ケイ酸ソーダ)、ケイ酸カリウム等の水ガラス化合物等、またコロイダルシリカ等を単独あるいは混合して用いることができる。
【0067】
溶媒としては、原料が溶解してシリカを形成できれば良く、水やメタノール、エタノール、プロパノール、アセトン、トルエン、ヘキサン等の一般的な有機溶媒を単独あるいは混合して用いることができる。
【0068】
触媒としては、水や塩酸、硫酸、酢酸等の酸や、アンモニア、ピリジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の塩基を用いることができる。
【0069】
粘度調整剤としては、エチレングリコール、グリセリン、ポリビニルアルコール、シリコン油等を用いることができるが、湿潤ゲルを所定の使用形態にできるのであれば、これらに限られるものではない。
【0070】
次に湿潤ゲルから乾燥ゲルを得る乾燥工程について説明する。
【0071】
乾燥方法としては、自然乾燥、加熱乾燥、減圧乾燥の通常乾燥法や、超臨界乾燥法、凍結乾燥法等を用いることができる。しかしながら一般に、通常の乾燥法では溶媒蒸発時のストレスによって多孔質体20が収縮してしまう。よって、乾燥ゲルを形成する方法としては、本発明では、超臨界乾燥を用いることが好ましい。また湿潤ゲルの固体成分表面を撥水処理等して、乾燥時のゲル収縮を防ぐこともできる。
【0072】
この超臨界乾燥に用いる溶媒には、湿潤ゲルの溶媒を用いることができる。また必要に応じて、超臨界乾燥において扱いやすい溶媒に置換しておくことが好ましい。置換する溶媒としては、超臨界流体として用いられるメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類や二酸化炭素、水等が挙げられる。またこれらの超臨界流体に溶出しやすいアセトン、酢酸イソアミル、ヘキサン等一般的に取り扱い易い有機溶剤に置換しておいてもよい。
【0073】
超臨界乾燥条件としては、乾燥をオートクレーブ等の圧力容器中で行ない、例えばメタノールではその臨界条件である圧力8.09MPa、温度239.4℃以上にし、温度一定の状態で圧力を徐々に開放して乾燥を行なう。また二酸化炭素の場合は、臨界圧力7.38MPa、臨界温度31.1℃以上にして、同じように温度一定の状態で超臨界状態から圧力を徐々に開放して乾燥を行なう。また水の場合は、臨界圧力22.04MPa、臨界温度474.2℃以上にして乾燥を行なう。乾燥には、超臨界流体によって湿潤ゲル中の溶媒が1回以上入れ替わる時間以上の時間が経過することが必要とされる。
【0074】
湿潤ゲルを撥水処理してから乾燥する方法では、撥水処理のための表面処理剤を湿潤ゲルの固体成分表面に化学反応させる。これによって湿潤ゲルの網目構造の空孔内に発生する表面張力を低減し、通常の乾燥時に発生する収縮を抑制することができる。
【0075】
表面処理剤としては、トリメチルクロルシラン、ジメチルジクロルシラン等のハロゲン系シラン処理剤やトリメチルメトシシラン、トリメチルエトキシシラン等のアルコキシ系シラン処理剤、ヘキサメチルジシロキサン、ジメチルシロキサンオリゴマー等のシリコン系シラン処理剤、ヘキサメチルジシラザン等のアミン系シラン処理剤、プロピルアルコール、ブチルアルコール等のアルコール系処理剤等を用いることができるが、同様の効果が得られるものならばこれらの表面処理剤に限られるものではない。
【0076】
なお本方法で得られる乾燥ゲルの材質としては、シリカのみではなく他の無機材料や有機高分子材料等を用いることもできる。無機酸化物の乾燥ゲルの固体骨格部は、シリカ(酸化ケイ素)、アルミナ(酸化アルミニウム)、酸化マグネシウム等ゾル−ゲル反応で得られる一般的なセラミックスを成分として用いることができる。
【0077】
また、多孔質体20として、上述の乾燥ゲルの他に、例えば、シリカ、アルミナ、酸化マグネシウム等のセラミックスの粉体を焼結してなる焼結体を用いることができる。
【0078】
次に、以上のように構成された蛍光体発光素子11の動作を説明する。
【0079】
図1及び図2において、電子供給層2と制御電極層4との間に制御電源9によって電子放射用電圧が印加されるとともに電子供給層2と制御電極層4との間に加速電源10によってアノード電圧が印加されると、電子供給層2から電子が電子輸送層3に供給され、この供給された電子が電子輸送層3を通って制御電極層4から多孔質体層5に放射される。この放射された電子は多孔質体層5の連続空孔18を通りながらアノード電圧によって加速されて蛍光体層6に衝突する。それにより、蛍光体層6が発光し、この発光された光が前面基材8から外部に出射する。
【0080】
次に、本実施形態に係る蛍光体発光素子11の具体的な実施例を説明する。
[第1の実施例]
本実施例では、図1の蛍光体発光素子11の作製例を示す。
【0081】
図1を参照して、最初に、エミッタ部12の作製手順について示す。まず、ガラス板からなる背面基材1の一主面上に、電子供給層2として金属下部電極と、電子輸送層3として陽極酸化により多孔質化された多結晶ポリシリコン層とを順に形成した。そして、電子輸送層3の上に、制御電極層4として金からなる上部電極を形成し、これにより、いわゆるBSD型と類似したエミッタ部12を形成した。
【0082】
本実施例においては背面基材1としてガラスを用いたが、他の絶縁性基材(セラミック基板)を用いてもよいし、また低抵抗シリコン基板や金属基板等の導電性基材を用いた場合は電子供給層2を省略してもよい。さらに電流安定化のために、絶縁性の背面基材1上に金属膜と抵抗性膜とを積層させた構造によって電子供給層2を構成してもよい。
【0083】
電子輸送層3として機能する多孔質ポリシリコン層は、原料ガスにシランガスを用いたLPCVD(Low Pressure Chemical Vapor Deposition)法によって形成した後、フッ化水素水溶液を用いた陽極酸化法で形成した。本実施例では約2μmの厚さの多孔質ポリシリコン層が形成された。本実施例においては前記の方法で多孔質ポリシリコン層を形成したが、これには限られず、プラズマCVD法や光CVD法等でポリシリコン層を形成してもよい。
【0084】
制御電極層4として機能する金電極は、電子供給層2及び電子輸送層3を経て放射面に導かれてきた電子をトンネル効果によりそこから放射する必要があることから、その厚さは概ね10nm程度である。本実施形態においては、金薄膜を抵抗加熱蒸着により形成した。
【0085】
次いで、このようにエミッタ部12が形成された1背面基材の表面上に多孔質体層5を形成した。本実施例においてはゾル−ゲル法を用いて厚さ約100μmの多孔質シリカ層を形成した。
【0086】
具体的には、シリカ原料を含んだ溶液として、テトラメトキシシランとエタノールとアンモニア水溶液(0.1規定)をモル比で1:3:4の割合で調製し、撹拌処理した後、適度な粘度となったところで、このゲル原料液を背面基材1上に厚さ100μmとなるよう印刷塗布した。その後、ゾル重合反応により、塗膜がゲル化して、図2に示したようなSi−O−Si結合の三次元ネットワークからなるシリカ湿潤ゲル構造が形成された。なお,本実施例では厚さが約100μmの多孔質シリカ層を形成したが、アノード電圧値によってこの膜厚最適値は変化する。その値としては、アノード電圧値にも依存するが、概ね1μm以上500μm以下が好ましい。
【0087】
次に、このシリカ湿潤ゲルを形成した背面基材1をエタノールで洗浄(溶媒置換)した後に、二酸化炭素による超臨界乾燥を行なって、乾燥ゲルからなる多孔質シリカ層を得た。超臨界乾燥条件は、圧力12MPa、温度50℃の条件の下で4時間経過後、圧力を徐々に開放し大気圧にしてから降温した。なお得られた乾燥ゲルからなる多孔質シリカ層の空孔率は約92%であった。またブルナウアー・エメット・テラー法(BET法)により平均空孔直径を見積もったところ、約20nmであった。乾燥された背面基材1は、最後に窒素雰囲気中で400℃のアニール処理を施し、多孔質体層5への吸着物質を除去した。
【0088】
次に、ガラス板からなる前面基材8の一主面上に、アノード電極7として機能する透明導電膜(ITO)を積層し、その上に蛍光体層6としてZnO:Znを塗布し、それによりアノード部13を形成した。
【0089】
次いで、真空槽内で、エミッタ部12及び多孔質体層5が形成された背面基材1とアノード部13が形成された前面基材8とを、多孔質体層5とアノード部13とが当接するようにして貼り合わせ、それによって、図1に示すような蛍光体発光素子11を作製した。
【0090】
次に、このように作製した蛍光体発光素子11の特性を真空槽内において測定した。すなわち、蛍光体発光素子11の電子供給層2と制御電極層4との間に制御電極側を正とした電圧を印加し、エミッタ部12から多孔質体層5に電子を放射させるとともに、制御電極層4とアノード電極7との間に300Vの電圧を印加し、放射電流及び蛍光体発光輝度を測定した。その結果、放射電流密度として数十mA/cm2の値が観測され、200〜300cd/m2の発光輝度が得られた。
[第2の実施例]
本実施例は、第1の実施例における蛍光体発光素子11の作製方法において、多孔質体層5の形成方法を変えた場合における結果を示す。
【0091】
多孔質体層5の形成工程において、まず、ケイ酸ソーダの電気透析を行ない、pH9〜10のケイ酸水溶液(水溶液中のシリカ成分濃度:14重量%)を作製する。そのケイ酸水溶液をpH5.5に調製した後、このゲル原料液を背面基材1の表面上に厚さ100μmとなるように印刷塗布した。その後、塗膜がゲル化し、固体化したシリカ湿潤ゲル層が形成された。
【0092】
このシリカ湿潤ゲル層が形成された背面基材1をジメチルジメトキシシランの5重量%イソプロピルアルコール溶液中に浸し疎水化処理した後、減圧乾燥を行なって乾燥ゲルからなる多孔質シリカ層を得た。乾燥条件は、圧力0.05MPa、温度50℃で3時間であり、当該時間経過後に圧力が大気圧になってから降温した。乾燥された背面基材1は、最後に窒素雰囲気中で400℃のアニール処理が施され、多孔質体層5への吸着物質が除去された。その結果、第1の実施例とほぼ同様の多孔質シリカ層からなる多孔質体層5が得られた。
【0093】
次に、このように作製した蛍光体発光素子11の特性を真空槽内において測定した。すなわち、蛍光体発光素子11の電子供給層2と制御電極層4との間に制御電極側を正とした電圧を印加し、エミッタ部12から多孔質体層5に電子を放射させるとともに、制御電極層4とアノード電極7との間に300Vの電圧を印加し、放射電流及び蛍光体発光輝度を測定した。その結果、第1の実施例とほぼ同じ放射電流密度と蛍光体発光輝度が得られた。
[第3の実施例]
本実施例では、第1の実施例と同様の手法により蛍光体発光素子11を作製し、その際、多孔質体層5として用いる多孔質シリカ層の構造を変化させて、多孔質シリカ層の構造に対する蛍光体発光素子11の特性の依存性を調べた。その結果、多孔質シリカ層におけるその全体に対する固体骨格部17の体積比率(以下、単に固体骨格部17の体積比率という)が15%以上になると、加速された放射電子の平均的なエネルギーが散乱により低下するため、蛍光体の発光輝度が著しく低下することがわかった。また同様に、多孔質シリカ層を構成する粒子の大きさが20nm以上になった場合も同様の理由により、発光輝度の低下が観測された。
【0094】
以上より、充分強固な三次元ネットワークを形成するとともに放射電子を通過させる機能を有する多孔質シリカ層の好適な構造は以下の通りであることが示唆された。
【0095】
すなわち、固体骨格部17の体積比率(この体積比率は、多孔質体20において固体骨格部17が占める体積を多孔質体20が占める体積(つまり、固体骨格部17が占める体積と連続空孔18が占める体積との和)により除した値として定義される)は、0%を越えかつ15%以下であることが好ましく、3%以上15%以下であることがより好ましい。3%未満では、固体骨格部17の形状保持機能が不十分になる可能性があり、15%を越えると放射電子のエネルギー損失が大きくなるからである。
【0096】
また、固体骨格部17を構成する粒子の粒径は、3nm以上20nm以下であることが好ましく、3nm以上10nm以下であることがより好ましい。3nm未満では、粒子のネットワークが十分つながらない可能性があり、20nmを越えると放射電子のエネルギー損失が大きくなるからである。
【0097】
さらに、本実施例において、多孔質体層5の好適な真空度(エミッタ部12とアノード部13との間の領域の気圧(気体圧力))について調べた結果、以下の通りであることが判明した。
【0098】
すなわち、多孔質体層5の気圧は、1.33×10−3Pa以上1.01×105Pa(大気圧)以下であることが好ましく、1.33×10−2Pa以上1.33×10−1Pa以下であることがより好ましい。
【0099】
これは、放射電子のエネルギー損失は、一般には、気圧が低い(真空度が高い)程減少するが、本発明の蛍光体発光素子11では、電子の加速領域が多孔質構造であるが故、電子の通り道である空孔部分における気体分子の存在確率が低く、その結果、電子が散乱されにくい。従って、多孔質体層5を真空雰囲気に維持するための真空ポンプや筐体の性能等を考慮すると、上述のような範囲が好適なものとなる。例えば、気圧が、従来例のように、1.33×10−4Paであると、高性能な真空ポンプが必要とされるとともに、気密性の高い筐体が必要とされるのに対し、気圧が1.33×10−3Paであると、通常の性能の真空ポンプで済むとともに、筐体(例えば、図1の筐体101)もそれ程高い気密性が必要とされないという利点がある。
(第2の実施形態)
図3は本発明の第2の実施形態に係る蛍光体発光素子の構成を模式的に示す断面図である。図3において、図1と同一符号は同一又は相当する部分を示す。
【0100】
図3に示すように、本実施形態の蛍光体発光素子11は、エミッタ部42がスピント型で構成されている。このエミッタ部42は、第1の実施形態の蛍光体発光素子11における電子供給層2、電子輸送層3、及び制御電極層4にそれぞれ相当する、下部電極2、SiやMoからなる錐体構造物19、及びゲート電極4を有しており、下部電極2とゲート電極4との間が絶縁体層19によって絶縁されている。
【0101】
そして、ゲート電極4とアノード電極7との間、及び下部電極2とゲート電極4との間に、それぞれ、加速電圧及び制御電圧が印加される。
【0102】
これ以外の点は、第1の実施形態と同様である。
(第3の実施形態)
図4は、本発明の第3の実施形態に係る蛍光体発光素子の構成を模式的に示す断面図である。図4において図1と同一符号は同一又は相当する部分を示す。
【0103】
図4に示すように、本実施形態の蛍光体発光素子21は、第1の実施形態の蛍光体発光素子11における蛍光体層6に代えて、多孔質蛍光体層25が設けられている。この多孔質蛍光体層25とアノード電極7とがアノード部23を構成している。エミッタ部22は第1の実施の形態におけるエミッタ部12と同様に構成されている。これ以外の点は、第1の実施形態と同様である。
【0104】
次に、多孔質蛍光体層25の形成方法含む蛍光体発光素子21の作製方法及び特性を説明する。
【0105】
まず、蛍光体として用いるナノサイズの半導体微粒子(例えばZnSe系、ZnS系、CdTe系)を水溶液法や共沈法と呼ばれる方法等で作製する。さらに、得られた半導体微粒子を溶媒中に分散した後、シリカ多孔質のゲル原料液に混合した。この混合液を、以下、第2のゲル原料液という。
【0106】
一方、半導体微粒子を混合していないシリカ多孔質のゲル原料液(以下、第1のゲル原料液という)を用意しておき、エミッタ部22が形成された1背面基材の表面上に、第1のゲル原料液及び第2のゲル原料液を順にそれぞれ所定の厚さに塗布(印刷)した。その後、第1の実施形態と同様にゾル−ゲル反応を用いて乾燥ゲル構造を形成した。これにより、第1の実施形態で述べた多孔質体層5上に、シリカからなる多孔質体の空孔部分に半導体微粒子を分散させたナノコンポジット構造体からなる多孔質蛍光体層25が形成された。なお、この場合における背面基材1上への第1及び第2の原料溶液塗布はスピンコートにより実施した。得られた多孔質蛍光体層25の膜厚は5μm程度である。
【0107】
次いで、真空槽内で、以上のように作製した背面基材1と、第1の実施形態と同様に作製した前面基材8とを、多孔質蛍光体層25とアノード電極7とが当接するようにして、貼り合わせた。これにより、本実施形態の蛍光体発光素子21を得た。
【0108】
次に、このように作製した蛍光体発光素子21の特性を真空槽内において測定した。すなわち、蛍光体発光素子21の電子供給層2と制御電極層4との間に制御電極側を正とした電圧を印加し、エミッタ部22から多孔質体層5に電子を放射させるとともに、制御電極層4とアノード電極7との間に300Vの電圧を印加し、放射電流及び蛍光体発光輝度を測定した。その結果、ナノサイズの多孔質構造からなる蛍光体層25を採用したことで、実効的な蛍光体面積が大きくなると共に発光効率が向上したため、400〜500cd/m2の発光輝度が得られた。
(第4の実施形態)
図5は、本発明の第4の実施形態に係る蛍光体発光素子の構成を模式的に示す断面図である。図5において図4と同一符号は、同一又は相当する部分を示す。
【0109】
図5に示すように、本実施形態の蛍光体発光素子21では、第2の多孔質蛍光体層25bが多孔質体層5内にも設けられている。その他の点は第3の実施形態と同様である。なお、第3の実施形態と同一の多孔質蛍光体層25は、この第4の実施形態では、第1の多孔質蛍光体層25aと表記され、区別される。
【0110】
多孔質体層5内に多孔質蛍光体層25を形成する方法は、第3の実施形態に準拠するのでその説明を省略する。本実施例に示されるように、放射電子の加速領域が従来例のように空間ではなく多孔質からなる固体構造体5で構成されているので、放射電子の加速領域内にも蛍光体層を配置することが可能となる。その結果、実質的な蛍光体領域を増やすことができるので、蛍光体の発光輝度をさらに向上させることが可能になる。
(第5の実施形態)
図6は、本発明の第5の実施形態に係る蛍光体発光素子の構成を模式的に示す断面図である。図6において図1と同一符号は、同一又は相当する部分を示す。
【0111】
図6に示すように、本実施形態の蛍光体発光素子31では、エミッタ部32の電子輸送層14の制御電極層4側の表面が負の電子親和力あるいは0に近い電子親和力を有している。そして、このようなエミッタ部32が形成される背面基材1がサファイヤ基板で構成されている。アノード部33は第1の実施形態におけるアノード部13と同様に構成されている。これ以外の点は、第1の実施形態と同様である。
【0112】
具体的には、電子供給層2がn−GaNで構成され、電子供給層2から制御電極層4まで電子を円滑に移動させる電子輸送層14が、ノンドープでAl含有比xが厚み方向に連続的に変化する傾斜組成を有するAlxGa1−xN(xは0から1までほぼ連続的に増加する変数)で構成され、制御電極層4が白金(Pt)等の金属により構成されている。このような構成とすることにより、AlxGa1−xNからなる電子輸送層14の表面は負の電子親和力が作用する状態にあり、非常に電子を放射しやすい状態となっている。
【0113】
次に、本実施形態の蛍光体発光素子31の作製方法を説明する。
【0114】
ここでは、本実施形態を特徴付けるエミッタ部32の形成方法を説明する。その他の部分の作製方法は、第1の実施形態と同様である。
【0115】
まず、サファイア基板1の上に、MOCVD(Metal Organic CVD)法によりトリメチルガリウム(TMG)とアンモニア(NH3)とを反応させて、GaNバッファ層(図示せず)を形成した後、同様の反応ガスにシラン(SiH4)を添加して、電子供給層であるn−GaN層2を形成する。
【0116】
次に、ドープガスであるSiH4の供給を停止した後、トリメチルアルミニウム(TMA)を導入して、Alの添加量を徐々に増大させながらAlxGa1−xN層14を形成し始め、途中よりTMGの供給を徐々に減少させていくことによって、Al含有比の高いAlxGa1−xN層14を連続的に形成する。
【0117】
そして最終的にAl含有比xを1、つまりGa含有比を0にすることで、制御電極4側の表面をAlN層とした。このとき、高品質なAlxGa1−xN層14を成長させるために、反応温度も徐々に変化させてもよい。このような手法により、電子供給層であるn−GaN層2、電子輸送層であるAlxGa1−xN層14を連続的に、かつ高品質に形成することができる。本実施形態においては、n−GaN層2の厚みを4μm、AlxGa1−xN層14の厚みを0.07μmとした。なお、n−GaN層2、AlxGa1−xN層、及びAlN層の形成方法は、上記の方法に限定されるものではない。例えば、MOCVD法に代えて、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法等を用いて形成することも可能である。
【0118】
さらに、電子輸送層14の表面上に制御電極層4を形成する。制御電極層4の材料は、適宜選択されるが、Pt、Au、Ni、Ti等を用いることが好ましい。また、制御電極層4の形成方法についても、特に限定されるものではないが、電子ビーム蒸着法が一般的である。本実施形態では、制御電極層4の厚みを5〜10nmとした。
【0119】
次いで、真空槽内で、エミッタ部32及び多孔質体層5が形成された背面基材1とアノード部33が形成された前面基材8とを、多孔質体層5とアノード部33とが当接するようにして貼り合わせ、それによって、図6に示すような蛍光体発光素子31を作製した。
【0120】
次に、このように作製した蛍光体発光素子31の特性を真空槽内において測定した。すなわち、蛍光体発光素子31の電子供給層2と制御電極層4との間に制御電極側を正とした電圧を印加し、エミッタ部32から多孔質体層5に電子を放射させるとともに、制御電極層4とアノード電極7との間に300Vの電圧を印加し、放射電流及び蛍光体発光輝度を測定した。その結果、放射電流密度として数百mA/cm2の値が観測され、約500cd/cm2の発光輝度が得られた。
(第6の実施形態)
第1乃至第5の実施形態では、単独の蛍光体発光素子を例示したが、これらを二次元的に複数個配置し、個々の発光量を制御することにより、画像や文字を表示する装置に適用することができる。
【0121】
図7は、本発明の第6の実施形態に係る画像描画装置の構成を模式的に示す断面斜視図である。図7において図1と同一符号は同一又は相当する部分を示す。
【0122】
図7に示すように、本実施形態の画像描画装置では、背面基材1上に複数本(ここでは3本)の短冊状の下部電極2が一定の間隔で互いに平行に形成されている。下部電極2は電子供給層として機能する。各下部電極2の上には、帯状の多孔質ポリシリコン層3がそれぞれ形成されている。多孔質ポリシリコン層3は電子輸送層として機能する。そして、多孔質ポリシリコン層3の上に、複数本(ここでは3本)の短冊状の上部電極4が一定の間隔で互いに平行にかつ下部電極2に直交するように形成されている。上部電極4は制御電極として機能する。そして、このように下部電極2、多孔質ポリシリコン層3、及び上部電極4が形成された背面基材1の表面上に多孔質体層5が形成されている。
【0123】
一方、前面基材8の内面(下面)にはアノード電極7及び蛍光体層6が形成されている。そして、この前面基材8が、蛍光体層6と背面基材1の多孔質体層5とが当接するように背面基材1に対向して配置されている。
【0124】
下部電極2及び上部電極には、図1における制御電源9に相当するエミッタ部駆動用のドライバ15及び16がそれぞれ接続されている。また、上部電極とアノード電極との間には加速電源(図7には示さず。図1参照。)が接続されている。
【0125】
つまり、本実施の形態の画像描画装置は、通常(単純)マトリックス駆動と呼ばれる画像描画方式を採用している。通常マトリックス駆動方式では、平面視において、下部電極2と上部電極4とが交差する部分11が画素を構成している。従って、この画像描画装置は、3行×3列=9個の画素からなる画面を有している。一方、この画像描画装置における画素に相当する部分は、図1(第1の実施例)の蛍光体発光素子を構成しており、また、下部電極2と上部電極4とが重なる部分12が蛍光体発光素子11のエミッタ部を構成している。従って、この画像描画装置においては、図1の蛍光体発光素子が二次元的に複数個(ここでは9個)配置されていることになる。
【0126】
このように構成された画像描画装置では、一対のドライバ15,16に対して同期信号に併せて画像データが入力されると、その画像データに応じて、特定の画素の蛍光体発光素子11におけるエミッタ部12の電子放射面から、特定量の電子が多孔質体層5に放射され、この放射された電子がアノード電極7に印加されたアノード電圧により多孔質体層5内で加速されて蛍光体層6に衝突し、蛍光体層6が発光する。従って、蛍光体層6が画像データに応じて発光する。それ故、任意形状及び任意輝度の画像を画像データとしてこの画像描画装置に入力することにより、これを描画することができる。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本発明に係る蛍光体発光素子は、画像描画装置として有用である。
【0128】
本発明に係る画像描画装置は、文字や画像を表示する表示装置として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る蛍光体発光素子の構成を模式的に示す断面図である。
【図2】図1の多孔質体層に用いられる多孔質体の微細構造を拡大して示す模式図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る蛍光体発光素子の構成を模式的に示す断面図である。
【図4】本発明の第3の実施形態に係る蛍光体発光素子の構成を模式的に示す断面図である。
【図5】本発明の第4の実施形態に係る蛍光体発光素子の構成を模式的に示す断面図である。
【図6】本発明の第5の実施形態に係る蛍光体発光素子の構成を模式的に示す断面図である。
【図7】本発明の第6の実施形態に係る画像描画装置の構成を模式的に示す断面斜視図である。
【図8】スピント型の冷陰極エミッタを利用した従来の蛍光体発光素子の構成を模式的に示す断面図である。
【図9】MIM及びBSD型の冷陰極エミッタを利用した従来の蛍光体発光素子の構成を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
【0130】
1 基材
2 電子供給層
3 電子輸送層
4 制御電極層
5 多孔質体層
6 蛍光体層
7 アノード電極層
8 前面基材
9 制御電源
10 加速電源
11,21,31 蛍光体発光素子
12,22,32,42 エミッタ部
13,23,33 アノード部
14 負の電子親和力を持つ電子輸送層
15、16 駆動ドライバ
17 固体骨格部
18 連続空孔
19 絶縁体層
20 多孔質体
25 多孔質蛍光体層
101 筐体
Claims (20)
- 電子を放射する冷陰極型のエミッタ部と、
前記エミッタ部から放射される電子の衝突により発光する蛍光体層と、
前記エミッタ部に対向するように配置され、アノード電極と該アノード電極の内側に設けられた前記蛍光体層とを有するアノード部とを備え、
前記エミッタ部と前記アノード部との間に、絶縁性を有する多孔質体からなる多孔質体層が挟まれており、
前記エミッタ部から放射された電子は、前記多孔質体層を透過して前記蛍光体層に照射され、
前記多孔質体は、三次元ネットワーク状に形成された固体骨格部と該固体骨格部の網目状に連続する空孔とを有し、
前記エミッタ部が、MIM型、BSD型、及びスピント型のうちいずれかの冷陰極型エミッタで構成されている、蛍光体発光素子。 - 前記多孔質体層が前記エミッタ部と接している、請求項1に記載の蛍光体発光素子。
- 前記多孔質体層が前記アノード部と接している、請求項1に記載の蛍光体発光素子。
- 前記多孔質体層が前記エミッタ部および前記アノード部のいずれにも接している、請求項1に記載の蛍光体発光素子。
- 前記多孔質体層における前記固体骨格部の体積比率が、0%を越えかつ15%以下である、請求項1記載の蛍光体発光素子。
- 前記多孔質体層における固体骨格部の体積比率が、3%以上15%以下である、請求項5記載の蛍光体発光素子。
- 前記多孔質体層の固体骨格部が、連結された複数個の粒子からなり、前記粒子の粒径が3nm以上20nm以下である、請求項1記載の蛍光体発光素子。
- 前記粒子の粒径が3nm以上10nm以下である、請求項7記載の蛍光体発光素子。
- 前記エミッタ部と前記アノード部との間の領域の気圧が1.33×10−3Pa以上1.01×105Pa以下である、請求項1記載の蛍光体発光素子。
- 前記エミッタ部と前記アノード部との間の領域の気圧が1.33×10−2Pa以上1.33×10−1Pa以下である、請求項9記載の蛍光体発光素子。
- 前記蛍光体層が、多孔質体の空孔部分に蛍光体が分散されてなる多孔質蛍光体層で構成されている、請求項1記載の蛍光体発光素子。
- 前記多孔質蛍光体層が第1及び第2の多孔質蛍光体層で構成され、前記第1の多孔質蛍光体層が前記アノード電極に接して形成され、かつ前記第2の多孔質蛍光体層が前記多孔質体層の中に形成されている、請求項11記載の蛍光体発光素子。
- 前記エミッタ部が、電子を供給するための電子供給層と、前記電子供給層から供給される電子が移動可能な電子輸送層と、前記電子供給層との間に印加される電圧によって前記電子輸送層を移動する電子を前記エミッタ部から放射するための制御電極層とを有している、請求項1記載の蛍光体発光素子。
- 前記電子輸送層の前記制御電極層側の表面が、負の電子親和力又は0に近い電子親和力を有している、請求項13記載の蛍光体発光素子。
- 電子を放射するための冷陰極型のエミッタ部と、
前記エミッタ部から放射される電子の衝突により発光する蛍光体層と、
前記エミッタ部に対向するように配置され、アノード電極と該アノード電極の内側に設けられた前記蛍光体層とを有するアノード部とを備えた蛍光体発光素子の製造方法において、
前記エミッタ部と前記アノード部との間に、三次元ネットワーク状に形成された固体骨格部と該固体骨格部の網目状に連続する空孔とを有する固体物であって絶縁性を有する多孔質体からなる多孔質体層を設ける工程を有し、
前記エミッタ部から放射された電子は、前記多孔質体層を透過して前記蛍光体層に照射され、
前記エミッタ部が、MIM型、BSD型、及びスピント型のうちいずれかの冷陰極型エミッタで構成されている、蛍光体発光素子の製造方法。 - 前記多孔質体層を、ゾル−ゲル転移反応を用いて形成する、請求項15記載の蛍光体発光素子の製造方法。
- 前記多孔質体層を形成する際に、湿潤状ゲル構造を超臨界乾燥法により乾燥する、請求項16の蛍光体発光素子の製造方法。
- 請求項1記載の蛍光体発光素子を備えている、画像描画装置。
- 前記固体骨格部は、その全体が、シリカ、アルミナ、または酸化マグネシウムからなる、請求項1に記載の蛍光体発光素子。
- 前記固体骨格部は、その全体が、シリカ、アルミナ、または酸化マグネシウムからなる、請求項15に記載の蛍光体発光素子の製造方法。
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