JPH0765704A - 電子放出素子および画像形成装置 - Google Patents

電子放出素子および画像形成装置

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JPH0765704A
JPH0765704A JP23596593A JP23596593A JPH0765704A JP H0765704 A JPH0765704 A JP H0765704A JP 23596593 A JP23596593 A JP 23596593A JP 23596593 A JP23596593 A JP 23596593A JP H0765704 A JPH0765704 A JP H0765704A
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organic film
electron
film layer
ultrafine particles
emitting device
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JP23596593A
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English (en)
Inventor
Hideyuki Sugioka
秀行 杉岡
Toshiichi Onishi
敏一 大西
Masahiro Okuda
昌宏 奥田
Shigeki Matsutani
茂樹 松谷
Masanori Mitome
正則 三留
Akira Asai
朗 浅井
Yoshiyuki Osada
芳幸 長田
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01JELECTRIC DISCHARGE TUBES OR DISCHARGE LAMPS
    • H01J2201/00Electrodes common to discharge tubes
    • H01J2201/30Cold cathodes
    • H01J2201/316Cold cathodes having an electric field parallel to the surface thereof, e.g. thin film cathodes
    • H01J2201/3165Surface conduction emission type cathodes

Landscapes

  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)
  • Electrodes For Cathode-Ray Tubes (AREA)
  • Cathode-Ray Tubes And Fluorescent Screens For Display (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 超微粒子の島構造を制御し素子間のバラツキ
を制御することができる電子放出素子を提供する。 【構成】 一対の電極2,3間に超微粒子201を含有
する有機膜層1を配置してなる電子放出素子。一対の電
極間2,3に超微粒子210を含有する有機膜層1を配
置した後、焼成してなる電子放出素子。有機膜層が超微
粒子を含有する両親媒性の有機膜層、導電性超微粒子を
封入したリポソームからなる有機膜層、あるいは超微粒
子を含有するLB膜からなる有機膜層であるものが好ま
しい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子源及びその応用で
ある電子放出素子および画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子放出素子として熱電子源と冷
陰極素子の2種類が知られている。冷陰極素子はさらに
バルク型と薄膜型に分類される。
【0003】バルク型の例としては、FE〔W.P.D
yke&W.W.Dolan、“Field emis
sion”、Advance in Electron
Physics、8、89(1956)〕やAval
ancheタイプやNEAタイプの半導体〔J.A.B
urton、“Electron emissionf
rom silicon”、Phys.Res.、10
8、1342(1957〕、あるいはMgO〔“Tun
g−sol confirms coldcathod
e tube”、Electronics News、
(26.Jan.1959)〕、その他にホトカソード
等が知られている。
【0004】一方、薄膜型の例としては、MIM〔C.
A.Mead、“The tunnel−emissi
on amplifier”、J.Appl.Phy
s.、32、646(1961)〕やスピントタイプ
〔C.A.Spindt、“Physical pro
perties of thin−film fiel
demission cathodes with m
olybdenum cones”、J.Appl.P
hys.、47、5248(1976)〕、あるいはS
CE〔M.I.Elinson、Radio Eng.
Electron Pys.、10、(1956)〕
等があるSCE(表面伝導型電子放出素子)は基板上に
形成された小面積の薄膜に、膜内に平行に電流を流すこ
とにより、電子放出が生ずる現象を利用するものであ
る。
【0005】この表面伝導型電子放出素子としては、前
記エリンソン等により開発されたSnO2 (Sb)薄膜
を用いたもの、Au薄膜によるもの〔G.Dittem
er:“Thin Solid Films”、9、3
17(1972)〕、ITO薄膜によるもの〔M.Ha
rtwell and C.G.Fonstad:“I
EEE Trans. ED Conf.”、519
(1975)〕、カーボン薄膜によるもの〔荒木久
他:「真空」、第26巻、第1号、22頁(198
3)〕等が報告されている。
【0006】また、上記薄膜に電圧を印加する2つの電
極の位置関係により平面型SCEと縦型SCEとに分け
られる。すなわち、電極が2つとも基板平面内にある場
合と絶縁層を介して積層されている場合がある。
【0007】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な素子構成を第5図に示す。同図において、51は絶縁
性基板、52および53は電気的接続を得るための素子
電極、54は電子放出材料で形成される薄膜、55は電
子放出部を示す。
【0008】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に予めフォーミングと呼ば
れる通電加熱処理によって電子放出部を形成する。即
ち、前記素子電極52と53の間に電圧を印加すること
により、薄膜54に通電し、これにより発生するジュー
ル熱で薄膜54を局所的に破壊、変形もしくは変質せし
め、電気的に高抵抗な状態にした電子放出部55を形成
することにより電子放出機能を得ている。
【0009】尚、電気的に高抵抗状態とは、薄膜54の
一部に、0.05μm〜5μmの亀裂を有し、且つ亀裂
内が、いわゆる島構造を有する不連続状態膜をいう。島
構造とは、一般に粒径が数μm径以下の微粒子が絶縁性
基板51にあり、各微粒子は空間的に不連続で電気的に
連続な膜をいう。
【0010】従来、表面伝導型電子放出素子は上述高抵
抗不連続膜に素子電極52、53により電圧を印加し、
素子表面に電流を流すことにより、上述微粒子より電子
を放出せしめるものである。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
様な従来の表面伝導型電子放出素子には、電子放出部と
なる島構造の設計が困難なため、素子の改良が難しく、
素子間のバラツキも生じやすいという問題点があった。
このため、表面伝導型電子放出素子は、素子構造が簡単
利点があるにもかかわらず、産業上積極的に応用される
には至っていなかった。
【0012】本発明は、この様な従来技術の欠点を改善
するためになされたものであり、電子放出素子の一対の
電極間に超微粒子を含有する有機膜層を配置することに
より、有機膜特有の配向特性により、超微粒子の島構造
を制御し素子間のバラツキを抑制した電子放出素子を提
供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、一対の
電極間に超微粒子を含有する有機膜層を配置してなるこ
とを特徴とする電子放出素子である。
【0014】ここで超微粒子とは、粒径が数μm以下の
単数または複数の原子または原子団からなる粒子であ
り、具体的には、Pd,Nb,Mo,Rh,Hf,T
a,W,Re,Ir,Pt,Ti,Au,Ag,Cu,
Cr,Al,Co,Ni,Fe,Pb,Pd,Csなど
の金属、C60またはC70等の炭素系の化合物、またはI
23,SnO2,Sb23などの金属酸化物、Si,
Geなどの半導体、LaB6,CeB4,YB4,GdB4
などの硼化物、TiC,ZrC,HfC,TaC,Si
C,WCなどの炭化物、TiN,ZrN,HfNなどの
窒化物を一例として挙げることができる。
【0015】また、本発明は、一対の電極間に超微粒子
を含有する有機膜層を配置した後、焼成してなることを
特徴とする電子放出素子である。
【0016】さらに、本発明は、前記電子放出素子と蛍
光体を具備することを特徴とする画像形成装置、および
配線電極に電気的に接続し配列した上記の複数個の電子
放出素子と蛍光体を具備することを特徴とする画像形成
装置である。
【0017】以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】本発明において、前記有機膜層が超微粒子
を含有する両親媒性の有機膜層、導電性超微粒子を封入
したリポソームからなる有機膜層、あるいは超微粒子を
含有するLB膜からなる有機膜層であるものが好まし
い。
【0019】本発明によれば、超微粒子を含有する両親
媒性の有機膜層を電極間に配置した電子放出素子とする
ことにより、両親媒性の有機膜特有の配向特性により、
超微粒子の島構造を制御し素子間のバラツキを抑制した
ものである。
【0020】また、本発明によれば、超微粒子を含有す
る有機膜層を電極間に配置した後、焼成することにより
有機膜特有の配向特性により、超微粒子の島構造を制御
し素子間のバラツキを制御したものである。
【0021】また、本発明者によれば、超微粒子を含有
する両親媒性の有機膜層を電極間に配置した後、焼成す
ることにより両親媒性の有機膜特有の配向特性により、
超微粒子の島構造を制御し素子間のバラツキを制御した
ものである。。
【0022】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明
する。
【0023】実施例1 図1は本発明の電子放出素子の一実施例を示す説明図で
ある。同図において、1は超微粒子を含有する有機膜層
であり、該有機膜層は有機膜特有の自己組織化を示す層
である。また、2及び3は素子電極、4は絶縁性基板で
ある。また、同図において、11は蛍光体層、12は高
電圧印加用透明電極、13は蛍光体層11及び透明電極
12を配置した絶縁基板、14はスペーサー機能をもっ
た封止材、15は真空状態、16は低電圧印加手段、1
7は高圧印加手段である。
【0024】すなわち、本発明は、超微粒子を含有する
有機膜層1を挟持した一対の素子電極2,3を配置した
絶縁性基板4と、蛍光体層11及び透明電極12を配置
した絶縁基板13を対峙させ、減圧して封した密閉構造
を有する表面伝導型電子放出素子である。
【0025】実施例1では、超微粒子を含有する有機膜
層1として、疎水基と親水基の相互作用により特有の自
己組成化を示す、超微粒子を含有する両親媒性の有機
膜、例えば、導電性超微粒子201を封入したリポソー
ム202を用い、これを素子電極2,3間に配置したも
のである。
【0026】リポソームでは、バルク水相から隔離され
た内水相と疎水性の脂質二分子膜を持つことから、水溶
性及び疎水性の両物質を保持することができる。さら
に、作成方法によりリポソームの大きさ、及び封入物質
の内水相内への保持効率をある程度制御できるため、従
来設計が困難であった微粒子サイズに相当する量を所望
の設計値に近付けることが可能となった。
【0027】ここで、導電性超微粒子201を封入した
リポソーム202は、リン脂質を2ml のジエチルエー
テルまたはジエチルエーテル−メタノール混合溶媒に2
μmol脂質/1ml 溶かし、金属イオン、たとえばP
dイオンを含む緩衝剤水溶液4ml 中に0.2ml /m
inの速度で注入したのち、ミリポアフィルターやゲル
濾過によりリポソームのサイズを約200nmに揃え、
緩衝剤水溶液から分離することにより作製した。
【0028】上記作製法は、エーテル注入法を用いた場
合の例であるが、本発明はこれに限定されることなく、
例えば、超音波処理法、エタノール注入法、フレンチプ
レス法、逆層蒸発法等をリポソームの調整に用いること
ができる。
【0029】上記のごとく調整した直径約200nmの
均一な粒系を有するリポソームをスピンコート法やキャ
ステング法等により素子電極2,3を配置した絶縁性基
板4上に塗布したのち、減圧乾燥することによって、閉
鎖小胞内部に金属元素より構成される超微粒子を含む、
直径約200nmの均一な粒系を有するリポソームを超
微粒子を含有する有機膜層1として作製することができ
た。
【0030】ただし、有機膜層1と素子電極2,3は図
2に示すごとく絶縁性マスク層21を介して、接続され
ている。また、絶縁性基板4として石英基板を用い、こ
れを有機溶剤により充分に洗浄後、該基板面上に、素子
電極2,3を形成した。電極の材料として、Ni金属を
用いた。電極間隔Lは3μmとし、電極の長さWを50
0μm、その厚さdを1000Åとした。
【0031】超微粒子を含有する有機膜層1を挟持した
一対の素子電極2,3を配置した絶縁性基板4上の素子
電極2,3間に、ピーク電圧3V、パルス幅1msec
の三角波を印加し、超微粒子を含有する有機膜層1を通
電処理した。その後、超微粒子を含有する有機膜層1を
挟持した一対の素子電極2,3を配置した絶縁性基板4
と、蛍光体層11及び透明電極12を配置した絶縁基板
13を挟峙させ、減圧して封止した。ここで、実施例で
は通電処理以前にすでに、金属粒子がリポソームの脂質
2分子膜をへだて隔離された構造を持つため、隔離され
た金属粒子間に電界が集中し、電界放射と同様に電子が
放出される状態にあるが、封止前に通電処理することに
より、素子駆動時のガス発生等による素子の劣化を抑制
した。
【0032】以上のようにして作成された電子放出素子
について、その素子間に素子電圧を印加して、その時に
流れる素子電流If及び放出電流Ieを測定し、無効電
流(%)を求めた。その結果、素子電極2,3間に電圧
印加手段16によって印加される素子電圧が16Vの
時、素子電流は2.2mA、放出電流は2.0μAとな
り、電子放出効率ηは0.9%であった。ただし、真空
領域15の真空度は1×10-5Torr程度であった。
【0033】以上説明したように、超微粒子を含有する
有機膜層1として、超微粒子を含み、疏水基と親水基の
相互作用により特有の自己組織化を示す両親媒性の有機
膜であるところのリポソームを用いることにより、閉鎖
小胞内部に金属元素より構成される超微粒を含む、均一
な粒系のリポソームを電極間に制御性よく配置でき、超
微粒子の島構造を制御し、素子間のバラツキを制御でき
る電子放出素子が実現された。
【0034】実施例2 図3は本発明の電子放出素子の他の実施例を示す説明図
である。実施例2は導電性超微粒子201を封入したリ
ポソーム202を素子電極2,3間に配置した後、焼成
することを除いて実施例1と同様である。
【0035】導電性超微粒子201を封入したリポソー
ム202を素子電極2,3間に配置した後、焼成するこ
とにより、閉鎖小胞であるところのリポソーム内の金属
元素を含む粒子を微結晶化させ、粒径が均一な導電性微
粒子とするとともに、有機膜を除去または炭化させるこ
とにより、粒径が均一な導電性微粒子を基板上に配置し
た一対の電極間の微粒子の粒径を制御した状態で作製で
きるようになった。
【0036】図3において、図3(a)は焼成前の電子
放出素子であり、図3(b)は焼成後の電子放出素子で
ある。
【0037】導電性超微粒子201を封入したリポソー
ム202を素子電極2,3間に配置した後、300℃で
焼成することにより、有機絶縁層の粒径や粒径分布を制
御したPd超微粒子301を炭素系の皮膜302でコー
トした薄膜層を有する電子放出素子が得られ、超微粒子
の島構造を制御し素子間のバラツキを制御できる電子放
出素子が実現された。
【0038】実施例3 図4は本発明の電子放出素子の他の実施例を示す説明図
である。実施例3では、超微粒子を含有する有機膜層1
として、超微粒子201Bを含むLB膜203を用い、
該超微粒子201Bを含むLB膜203を絶縁性基板4
上に配置した一対の金属素子電極2,3上に配置した電
子放出素子であり、超微粒子201Bを含むLB膜20
3を用いることを除いて、実施例1とほぼ同様である。
【0039】具体的には、絶縁性基板4として石英基板
を用い、これを有機溶剤により充分に洗浄後、該基板面
上に素子電極2、3を形成したのち、LB膜作製用の前
処理、たとえば疏水処理を施すことにより絶縁性基板4
上に単分子吸着膜からなる疎水膜40を形成した。
【0040】また、電極の材料として、実施例1と同様
にNi金属を用いた。電極間隔Lは3μmとし、電極の
長さWを500μm、その厚さdを1000Åとした。
【0041】ここで、超微粒子201Bとして、炭素系
超微粒子、たとえば、C60またはC70等及び該超微
粒子内に金属イオンを付加した粒子、あるいは、金属元
素を含む超微粒子まはた金属元素を含む分子集合体を用
いることができる。
【0042】また、LB膜の材料として疏水部と親水部
より構成される両親媒性の材料、たとえば、長鎖アルキ
ル基の疏水部とカルボン酸基の親水部よりなるオレイン
酸やステアリン酸などの脂肪酸系材料、あるいは前駆体
に親水部と疏水部をもたせたポリイミド材料等を用いる
ことができる。
【0043】さらに、具体的には、C60またはC70
等の炭素系超微粒子を含有するオレイン酸のステアリン
酸などの脂肪酸系LB膜は、炭素系超微粒子と脂肪酸を
各1mmol/l 溶かしたクロロホルム溶液をLB膜作
製用トラフ内の水面上に展開し、トラフ内のバリアーを
制御して表面圧を25mN/mに保ちながら疏水処理を
施した絶縁性基板4を、水面に対して垂直に下方向およ
び上方向に移動させて単分子または単分子累積膜を基板
上に形成させたのちに乾燥させた。
【0044】ここで、C60またはC70等の炭素系超
微粒子の疏水性は極めて高く、炭素系超微粒子と脂肪酸
を各1mmol/l 溶かしたクロロホルム溶液をLB膜
作製用トラフ内の水面上に展開する時、炭素系の超微粒
子は、水から遠い部分にはじきだされた状態になってい
る。したがって、炭素系の超微粒子を含有するLB膜で
は、超微粒子を基板表面に平行な略同一平面にアルキル
鎖等で制御できる適当な層間隔をもって積層した構造を
有する表面伝導型電子放出源の設計が可能になった。
【0045】ここで、上記例では、疏水処理を施した絶
縁性基板4を用いたため、第1層目のLB膜に対して電
気陰性度の低い疏水基が基板側となり、電気陰性度の高
い親水基が基板から遠い状態のLB膜となり、膜の分極
電場の極性は、基板側がプラスで、基板から遠い側がマ
イナスとなっているが、本発明は勿論これに限定されな
い。
【0046】たとえば、親水性の基板を用いることによ
り、第1層目のLB膜にたいして、電気陰性度の高い親
水基が基板側となり、電気陰性度の低い疏水基が基板か
ら遠い状態のLB膜となり、膜の分極電場の極性を、基
板側がマイナスで、基板から遠い側がプラスとすること
ができる。このように、疏水基が外側に向いた超微粒子
を含有するLB膜を用いると、超微粒子から電子が放出
される際、LB膜の分極電場が電子放出を助長する方向
に働くため、電子放出率を向上できる効果がある。
【0047】また、前駆体に親水部と疏水部をもたせた
ポリイミド材料等の系列のLB膜は、炭素系超微粒子と
脂肪酸を各1mmol/l 溶かしたクロロホルム溶液を
LB膜作製用トラフ内の水面上に展開し、トラフ内のバ
リアーを制御して表面圧を25mN/mに保ちながら疏
水処理を施した絶縁性基板4を、水面にたいして垂直に
下方向および上方向に移動させて単分子または単分子累
積膜を基板上に形成させたのちに乾燥させ、その後、電
気炉中で300度Cで焼成してイミド化させた。
【0048】ポリイミドLB膜は、化学的に安定で耐熱
性に優れるため、電子放出素子の電子放出部を吸着不純
物の影響から守り、素子性能を安定化させる保護層とし
ての役割を果たすことができる。
【0049】また、以上、実施例は単一素子に限定され
ず、複数個並べることにより、フラットパネルディスプ
レイを構成できる。
【0050】以上説明したように、超微粒子を含有する
有機膜層1として超微粒子201Bを含むLB膜を用い
たため、LB膜特有の分子レベルで配向制御可能な配向
特性により、基板−LB膜間またはLB膜の累積層間付
近に、超微粒子を配置すべく超微粒子の島構造を分子レ
ベルで制御することが可能になり、超微粒子の島構造を
制御し素子間のバラツキを制御できる電子放出素子が実
現された。
【0051】また、同時に、吸着不純物の影響が、LB
膜が保護層となるために制御された。
【0052】実施例4 次に、本発明の電子放出素子を用いたXYマトリツクス
を図6に基づいて説明する。
【0053】実施例1のようにして電子放出素子を作製
した基板101をリアプレート102上に固定した後、
基板101の5mm上方に、フェースプレート110
(ガラス基板107の内面に蛍光膜108とメタルバッ
ク109が形成されて構成される)を支持枠103を介
し配置し、フェーストプレート110、支持枠103、
リアプレート102の接合部にフッリトガラスを塗布
し、大気中あるいは窒素雰囲気中で400℃ないし50
0℃で10分以上焼成することで封着した(図6参
照)。
【0054】また、リアプレート102への基板101
の固定もフリットガラスで行なった。図6において、1
04は電子放出素子、105,106はそれぞれX方向
及びY方向の配線電極である。本実施態様では上述の如
く、フェースプレート110、支持枠103、リアプレ
ート102で外囲器111を構成したが、リアプレート
102は主に基板101の強度を補強する目的で設けら
れるため、基板101自体で十分な強度を持つ場合は別
体のリアプレート102は不要であり、基板101に直
接支持枠103を封着し、フェースプレート110、支
持枠103、基板101にて外囲器111を構成しても
良い。
【0055】蛍光膜108は、モノクロームの場合は蛍
光体のみから成るが、カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体
の配列によりブラックストライプあるいはブラックマト
リクスなどと呼ばれる黒色導伝材と蛍光体とで構成され
る。ブラックストライプ、ブックマトリクスが設けられ
る目的は、カラー表示の場合必要となる三原色蛍光体
の、各蛍光体113間の塗り分け部を黒くすることで混
色等を目立たなくすることと、蛍光膜108における外
光反射によるコントラストの低下を抑制することであ
る。本実施例では蛍光体はストライプ形状を採用し、先
にブラックストライプを形成し、その間隙部に各色蛍光
体を塗布し、蛍光膜108を作製した。ブラクストライ
プの材料として通常良く用いられている黒鉛を主成分と
する材料を用いたが、導電性があり、光の透過及び反射
が少ない材料であればこれに限るものではない。
【0056】ガラス基板107に蛍光体を塗布する方法
はモノクロームの場合は沈澱法や印刷法が用いられる
が、カラーである本実施例では、スラリー法を用いた。
カラーの場合にも印刷法を用いても同等の塗布膜が得ら
れる。また、蛍光膜108の内面側には通常メタルバッ
ク109が設けられる。メタルバックの目的は、蛍光体
の発光のうち内面側への光をフェースプレート110側
へ鏡面反射することにより輝度を向上すること、電子ビ
ーム加速電圧を印加するための電極として作用するこ
と、外囲器内で発生した負イオンの衝突によるダメージ
からの蛍光体の保護等である。メタルバックは、蛍光膜
作製後、蛍光膜の内面側表面の平滑化処理(通常フィル
ミングと呼ばれる)を行い、その後A1を真空蒸着する
ことで作製した。
【0057】フェースプレート110には、更に蛍光膜
108の導伝性を高めるため、蛍光膜108の外面側に
透明電極(不図示)が設けられる場合もあるが、本実施
態様では、メタルバックのみで十分な導伝性が得られた
ので省略した。前述の封着を行なう際、カラーの場合は
各色蛍光体と電子放出素子とを対応させなくてはいけな
いため、十分な位置合わせを行なった。
【0058】以上のようにして完成した外囲器を最後に
1×10-6Torr程度の真空度で、不図示の排気管を
ガスバーナーで熱することで溶着し外囲器の封止を行っ
た。最後に封止後の真空度を維持するために、ゲッター
処理を行った。これは、封止を行う直前あるいは封止後
に、抵抗加熱あるいは高周波加熱等の加熱法により、画
像表示装置内の所定の位置(不図示)に配置されたゲッ
ターを加熱し、蒸着膜を形成する処理である。ゲッター
は通常Ba等が主成分であり、該蒸着膜の吸着作用によ
り、真空度を維持するものである。
【0059】以上のように完成した本発明の画像形成装
置において、各電子放出素子には、容器外端子D×lな
いしD×m,DylないしDynを通じ、電圧を印加す
ることにより、電子放出させ、高圧端子Hvを通じ、メ
タルバック109、あるいは透明電極(不図示)に数k
V以上の高圧を印加し、電子ビームを加速し、蛍光膜1
08に衝突させ、励起・発光させることで画像を表示し
た。
【0060】以上述べた構成は、画像形成装置を作製す
る上での概略構成であり、例えば各部材の材料等、詳細
な部分は上述内容に限られるものではなく、さらに、複
数の電子放出素子104の基板101上での配置形態
は、一対の配線電極間に複数の電子放出素子を結線した
素子列を、複数列配置した形態であっても良く、この場
合には、これら素子列と直交する方向に、蛍光体の発光
をさせる素子の選択を行う制御電極(通常、グリッドと
呼ぶ)が配置される。このように画像形成装置の用途に
適するよう適宜選択する。
【0061】
【発明の効果】以上説明した様に、本発明によれば、超
微粒子を含有する有機膜層を電極間に配置した電子放出
素子とすることにより、有機膜特有の配向特性により、
超微粒子の島構造を制御し素子間のバラツキを制御する
ことができる効果が得られる。
【0062】また、超微粒子を含有する有機膜層を電極
間に配置した後、焼成することにより、有機膜特有の配
向特性により、超微粒子の島構造を制御し素子間のバラ
ツキを制御できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子放出素子の一実施例を示す説明図
である。
【図2】実施例1の素子電極と有機膜層の積層状態を示
す説明図である。
【図3】本発明の電子放出素子の他の実施例を示す説明
図である。
【図4】本発明の電子放出素子の他の実施例を示す説明
図である。
【図5】従来例の電子放出素子の説明図である
【図6】単純マトリクス方式ディスプレイパネルの構成
を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 有機膜層 2,3 素子電極 4 絶縁性基板 11 蛍光体層 12 高電圧印加用透明電極 13 絶縁基板 14 封止材 15 真空状態 16 低電圧印加手段 17 高圧印加手段 201 導電性超微粒子 201B 超微粒子 202 リポソーム 203 LB膜 301 Pd超微粒子 302 皮膜 51絶縁性基板 52,53 素子電極 54 電子放出材料で形成される薄膜 55 電子放出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松谷 茂樹 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 三留 正則 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 浅井 朗 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 長田 芳幸 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対の電極間に超微粒子を含有する有機
    膜層を配置してなることを特徴とする電子放出素子。
  2. 【請求項2】 前記有機膜層が超微粒子を含有する両親
    媒性の有機膜層である請求項1記載の電子放出素子。
  3. 【請求項3】 前記有機膜層が導電性超微粒子を封入し
    たリポソームからなる有機膜層である請求項1または2
    記載の電子放出素子。
  4. 【請求項4】 前記有機膜層が超微粒子を含有するLB
    膜からなる有機膜層である請求項1または2記載の電子
    放出素子。
  5. 【請求項5】 一対の電極間に超微粒子を含有する有機
    膜層を配置した後、焼成してなることを特徴とする電子
    放出素子。
  6. 【請求項6】 前記有機膜層が超微粒子を含有する両親
    媒性の有機膜層である請求項5記載の電子放出素子。
  7. 【請求項7】 前記有機膜層が導電性超微粒子を封入し
    たリポソームからなる有機膜層である請求項5または6
    記載の電子放出素子。
  8. 【請求項8】 前記有機膜層が超微粒子を含有するLB
    膜からなる有機膜層である請求項5または6記載の電子
    放出素子。
  9. 【請求項9】 請求項1乃至8に記載の電子放出素子と
    蛍光体を具備することを特徴とする画像形成装置。
  10. 【請求項10】 配線電極に電気的に接続し配列した請
    求項1乃至8に記載の複数個の電子放出素子と蛍光体を
    具備することを特徴とする画像形成装置。
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