JP3705301B2 - 化粧シートの製造方法 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、印刷とエンボスの施された化粧シートの製造方法に関し、特に木質系ボード類の表面に接着剤で貼り合わせて化粧板とし、Vカット加工やラッピング加工等に用いる化粧シートの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、前記の用途に用いられる化粧シートとしては塩化ビニル樹脂シートが最も一般的であった。しかし、塩化ビニル樹脂は焼却時の塩化水素ガス発生や酸性雨、ダイオキシン発生の要因となるとも言われており、近年、環境問題の観点から塩化ビニル樹脂シートを使用しない化粧シートが要求されつつある。しかしながら塩化ビニル樹脂以外の樹脂シートでは塩化ビニル樹脂シートの持つ適度な柔軟性、耐摩耗性、耐薬品性、耐汚染性、耐候性等のバランスのとれた性質を満足するものはなかった。
【0003】
そこで、塩化ビニル樹脂に変わる樹脂としてポリオレフィン系樹脂の使用が考えられた。しかし、絵柄を施したシートとエンボスシートとをドライラミネートで接着するとき、エンボスがあるため、接着面にエアーが残ってしまい十分な接着性が発現しないという問題があった。さらに、ポリオレフィン系樹脂に印刷する前にはコロナ処理等の表面処理が必要であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、以上のような問題点を解決するためになされたものであり、その課題とするところは、ポリオレフィン系樹脂を用いた化粧シートの製造方法において、コロナ処理等の前処理が不要であり、絵柄シートとエンボスシートとの接着性の問題もなく、絵柄とエンボスの同調した化粧シートの製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明はこの問題を解決するため、溶融したポリオレフィン系樹脂を押出機より押し出しながらその両面をオゾン処理により酸化させ、冷却ロールとエンボスロールにて冷却固化と同時にエンボス模様を形成し、模様に同調して印刷してなることを特徴とする化粧シートの製造方法を提供する。
【0006】
以下本発明を図面に従って詳細に説明する。
図1に本発明における化粧シートの製造方法の一実施例の工程を示す。
溶融したポリオレフィン系樹脂1を押出機2で押し出しながら両面にオゾンガス3を吹きつけた後、冷却エンボスロール4、バックアップロール5にて冷却固化とエンボス付与を行い剥離ロール6により剥離し、絵柄印刷としてベタ印刷7、柄印刷8を設け、さらに表面にトップコート9、裏面にバックコート10を施す。
【0007】
本発明で使用されるポリオレフィン系樹脂としては、特にポリプロピレンのホモポリマー、ランタム重合ポリマー、ブロック重合ポリマーに軟質成分として低密度ポリエチレン、αオレフィン、エチレン−プロピレン共重合ゴムのいずれか、もしくは混合物を5〜30重量%単純に混合して添加した樹脂からなるものが使用できる。
【0008】
前記ポリプロピレンのポリマーの種類は、得られるシートに耐熱性、硬度等を要求する場合はホモポリマーを、耐衝撃性を要求する場合はブロックポリマーを、また耐衝撃性、低温加工性、透明性を要求する場合はランダムポリマーを適宜選択すれば良い。ただし、塩化ビニル樹脂シートの特徴である低温加工性を重視することから、ランダム重合タイプのポリプロピレンが最適と言える。
【0009】
前記添加される軟質成分の量は5重量%以下では低温加工性に対する効果が無く、30重量%以上では得られたシートの弾性が大きすぎる。添加する軟質成分は単純に混合するのみでよい。これは工程が簡略となるばかりでなく、両者を架橋させると、逆に、透明性を損なったり、ポリプロピレン中に架橋してドメイン構造を取る軟質成分の界面が受ける衝撃により白化現象を起こす等の不都合が発生するからである。
【0010】
その他の添加剤としては、化粧シートとする際に隠蔽性を得る為、顔料等を任意の割合で含有して着色したり、耐光性を向上するためにヒンダードアミン系の光安定剤0.1〜1部、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を0.2〜1.5部入れたりすることが好適に行なわれる。
【0011】
オゾン処理による酸化としては、オゾン濃度20〜100g/Nm3 、オゾン流量1〜10Nm3 /h(250mmの場合)で溶融ポリオレフィン樹脂の両面に吹きつけ、表面を酸化する。
【0012】
エンボスの施された冷却ロールとしては、エンボスの形状がセミマットであると後の印刷適性が良いものとなるので好ましい。
【0013】
溶融樹脂を冷却固化するために、タッチロールにより溶融樹脂をエンボスの施された冷却ロールに押しつける。これ以外にも従来のポリプロピレンの成形等で行われているエアーナイフあるいはエアーチャンバー方式のようなキャスト法でもよい。
【0014】
絵柄印刷とコート層の構成と材料に関しては、図1に示したベタ印刷、柄印刷、トップコート、バックコート以外にも、化粧紙の範疇だが特開昭49−32951号公報、特開昭59−10371号公報、特開昭63−137772号公報等に示された各種の層構成が可能である。
【0015】
任意の絵柄に用いられるインキとしては、ポリオレフィン系樹脂との密着が良ければ特に規定されるものではないが、インキ自体の凝集力、汎用性からウレタン系のインキが最適である。またオレフィン系シートへの密着ということから塩素化オレフィン系のインキも使用可能であるが塩素を嫌うという点からは本発明の主旨からは外れる。
【0016】
また、ポリオレフィン系樹脂との密着を良くするためにベタインキにイソシアネート硬化剤を添加してもよい。
【0017】
各インキの乾燥温度は、ポリオレフィン系樹脂自体が軟化して次工程の印刷が困難になってしまうのを避けるため、100℃程度までに押さえるのが好ましい。
【0018】
【作用】
以上に示したように、本発明によれば、溶融押出したポリオレフィン系樹脂の両面にオゾン処理を施すことにより、単層のポリオレフィン系樹脂にエンボスを絵柄を付与を行なうことを可能とし、エンボスシートとの接着性の問題もなく、絵柄とエンボスの同調した化粧シートを得ることが可能となる。
【0019】
【実施例】
<実施例1>
ポリオレフィン系樹脂としてプロピレン100重量%に低密度ポリエチレンを15重量%含有したものを用い、これにフェノール系酸化防止剤を0.2重量%、ヒンダードアミン系光安定剤を0.3重量%、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を0.5重量%、ブロッキング防止剤を0.2重量%、10%濃度の着色剤(顔料)がはいったマスターバッチを10重量%添加した樹脂を押し出し機により押し出しながらオゾンガス(オゾン濃度40g/Nm3 、オゾン流量4Nm3 /h(250mm))を吹きつけ、セミマットエンボスの施された冷却ロールとタッチロールの間に押し出し、厚み90μmのセミマットシートを得た。
【0020】
これにグラビア印刷法により2液硬化ベタインキでベタ印刷したあと、木目模様を「ラミスター」(東洋インキ製造(株)製)を使用して印刷し、導管柄を2液の樹脂吸収性ウレタンマット着色インキ(東洋インキ製造(株)製)で印刷し、全面に2液ウレタングロス樹脂を印刷して導管柄状の樹脂を吸収させ、施された導管柄が忠実に同調して再現しており、本物の木材に近い雰囲気を再現した化粧シートを得た。
【0021】
<実施例2>
実施例1のセミマットシートにベタ、柄、グロス樹脂を実施例1同様に印刷したあと、2液ウレタンマット着色インキで導管柄を印刷した。
【0022】
<実施例3>
実施例1のセミマットシートにベタ、柄を実施例1と同様に印刷したあと、2液硬化ウレタンマット樹脂を全面印刷したあと(東洋インキ製造(株)製)のグロス樹脂を導管柄の部分に樹脂が乗らない版で印刷した。
【0023】
<実施例4>
実施例1のセミマットシートにベタ、柄を実施例1と同様に印刷したあと、実施例3の2液硬化マット樹脂を全面印刷したあと、実施例2の導管柄の2液ウレタンマット着色インキを印刷し、さらに、実施例1のグロス樹脂を導管柄のマット樹脂に重ならないように印刷した。
【0024】
<実施例5>
実施例1のセミマットシートに実施例1と同様にベタ、柄を印刷したあと、溌液剤を含んだ2液硬化型ウレタンマット着色インキで導管柄を印刷し、さらに、全面に溌液剤を含んだ液硬化型ウレタングロスインキを印刷し弾かせた。
【0025】
以上に示した実施例1〜5の化粧シートと、MDFボードを、MDFボード上に2液水性エマルジョン接着剤(コニシ(株)製:「CVC36」)を100g/m2 塗布し、張り合わせた。このようにして得られた化粧シートをMDF基材側からシート直前までV字溝を彫り折り曲げても割れの無いシートを得た。
【0026】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように本発明の方法によれば溶融押出したポリオレフィン系樹脂の両面にオゾン処理を施すことにより、単層のポリオレフィン系樹脂にエンボスを絵柄を付与を行なうことを可能とし、エンボスシートとの接着性の問題もなく、絵柄とエンボスの同調した化粧シートを得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による化粧シートの製造方法の工程の概略を示した説明図である。
【符号の説明】
1…溶融ポリオレフィン系樹脂 2…押出機 3…オゾン処理
4…冷却エンボスロール 5…バックアップロール 6…剥離ロール
7…ベタ印刷 8…柄印刷 9…トップコート 10…バックコート
Claims (1)
- 溶融したポリオレフィン系樹脂を押出機より押し出しながらその両面をオゾン処理により酸化させ、エンボスの施された冷却ロールにて冷却固化と同時にエンボス付与を行い、模様に同調して印刷してなることを特徴とする化粧シートの製造方法。
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