JP3704188B2 - 半導体記憶装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は半導体記憶装置に関し、特に、データ保持モードを有する半導体記憶装置の基板バイアス発生回路の構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
DRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)は、たとえばノートブック型パーソナルコンピュータなどのようなPDA(パーソナル・デジタル・アシスタンツ)およびPAGAR(携帯型電話器)などの携帯型機器(携帯型情報端末)の用途に多く用いられている。このような携帯型機器では、電池を電源として動作させるため、低消費電力のデバイスが特に要求される。低消費電力化に対しては種々の方法があるが、消費電力は動作電源電圧の2乗に比例するため、動作電源電圧を低下させる方法が最も効果が大きい。このような観点から、電源電圧が2Vという要求も出てきている。電源電圧の減少に伴って、動作特性を維持するために、MOSトランジスタ(絶縁ゲート型電界効果トランジスタ)のサイズもスケーリング則に沿ってスケールダウンされるが、しきい値電圧をこの電源電圧の減少に伴って低下させるのは、以下に述べるようにサブスレッショルド電流が増大するため通常困難である。
【0003】
図33は、nチャネルMOSトランジスタのゲート電圧とドレイン電流との関係を示す図である。縦軸にドレイン電流Idsを示し、横軸にゲート電圧(ソース電圧を基準とするゲート電圧)Vgsを示す。MOSトランジスタのしきい値電圧は、ある量のドレイン電流が流れるときのゲート電圧として規定される。たとえば、10μmのゲート幅を有するMOSトランジスタにおいて、1μAのドレイン電流が流れるときのゲート電圧Vgsがしきい値電圧Vthとして規定される。図33においては、ドレイン電流I0が流れるときのゲート電圧Vgsがそれぞれしきい値電圧Vth1(曲線I)およびしきい値電圧Vth2(曲線II)として規定される。MOSトランジスタにおいては、そのゲート電圧Vgsがしきい値電圧以下となると、ドレイン電流Idsは指数関数的に低下するが(図33においては対数目盛のため直線的に低下している)、そのゲート電圧Vgsが0Vとなってもドレイン電流Idsは0Vにはならない。
【0004】
MOSトランジスタのしきい値電圧をVth1からVth2へ低下させると、このMOSトランジスタの特性曲線は、曲線Iから曲線IIへ移行する。このとき、ゲート電圧Vgsが0Vのときに流れる電流(サブスレッショルド電流)は、I1からI2へと増加する。したがって、単純にしきい値電圧を低下させるとサブスレッショルド電流が増加し、消費電流が多くなるという問題が生じる。pチャネルMOSトランジスタの特性は、この図33のゲート電圧Vgsの符号を反転することにより得られ、同様の問題が生じる。
【0005】
たとえば、16MDRAMを用いて行なった実験によると、nチャネルMOSトランジスタおよびpチャネルMOSトランジスタ両者のしきい値電圧の絶対値を約0.4Vまで小さくすると、待機時(チップ非活性化時)に消費される電源電流が、電源電圧が2Vにおいて500μA程度までに増大する。実際の使用時において、DRAMをデータ保持モードとしてのセルフリフレッシュモードに設定してDRAM内部においてリフレッシュを行ないながら、DRAMが待機状態に保持される。このようなデータ保持モード時においては、待機電流(待機時に消費される電源電流)にさらに50μA程度のリフレッシュ電流(リフレッシュ時に消費される電流)が加えられる。一般に、携帯機器においては、データ保持モードにおいては、セルフリフレッシュ動作を行なった際のリフレッシュ電流を考慮しての待機電流が通常100μA程度以下とすることが要求されている。このような、待機状態(スタンバイサイクル)におけるサブスレッショルド電流の抑制を図る構成が、たとえば特開平6−28847号公報に開示されている。
【0006】
図34は、従来の半導体記憶装置の全体の構成を概略的に示す図である。図34において、半導体記憶装置PSRは、メモリアレイおよび周辺回路を含む内部回路LCと、この内部回路LCが形成される基板領域(ウェルおよび基板両者を含む)へバイアス電圧VBBおよびVWBを供給するバイアス発生回路VBGと、外部からのデータ保持モード指示信号ZRFおよび電源電圧VCCに従ってデータ保持モードが指定されたことを検出するデータ保持モード検出回路DRDと、データ保持モード検出回路DRDからの保持モード検出信号DRMの活性化に従って、バイアス発生回路VBGが発生するバイアス電圧VBBおよびVWBの絶対値を大きくするバイアス制御回路VBCを含む。
【0007】
内部回路LCは、P型基板領域に形成されるnチャネルMOSトランジスタと、N型基板領域に形成されるpチャネルMOSトランジスタを含む。データ保持モード検出回路DRDは、保持モード指示信号ZRFが所定期間Lレベルに保持されるかまたは電源電圧VCCが所定の電圧レベル以下に設定されると、データ保持モードが指定されたと判定する。バイアス発生回路VBGは、負のバイアス電圧VBBをP型基板領域へ印加し、正のバイアス電位VWBをN型基板領域へ印加する。次のこの図34に示す半導体装置の動作を図35に示す波形図を参照して説明する。
【0008】
ノーマルモード(通常動作モード)においては、電源電圧VCCはたとえば5Vの電圧レベルに保持されている。この状態においては、保持モード指示信号ZRFは非活性状態のHレベルにあり、データ保持モード検出回路DRDからの保持モード検出信号DRMはLレベルの非活性レベルにある。この状態においては、バイアス発生回路VBGからの基板バイアス電圧VBBは−3・Vthnの電圧レベルに保持され、また基板バイアス電圧VWBは、電源電圧VCCレベルに保持される。ここでVthnは、nチャネルMOSトランジスタのしきい値電圧を示す。
【0009】
時刻T0において、データ保持モードが指定されると電源電圧VCCが3Vのレベルに低下される。このデータ保持モードの検出は、保持モード指示信号ZRFが所定期間Lレベルに設定されるかまたは電源電圧VCCの電位レベルの低下をデータ保持モード検出回路DRDが検出することにより行なわれる。このデータ保持モードに入ると、時刻T0において、データ保持モード検出回路DRDからの保持モード検出信号DRMがHレベルの活性状態とされ、応じてバイアス制御回路VBCからのバイアス制御信号VCLが活性状態とされる。バイアス発生回路VBGは、このバイアス制御信号VCLに従って、バイアス電圧VBBを−4・Vthnの電位レベルに低下させ、一方、バイアス電圧VWBをVCC+2・|Vthp|の電圧レベルに上昇させる。ここで、Vthpは、pチャネルMOSトランジスタのしきい値電圧を示す。
【0010】
バイアス電圧VBBおよびVWBは、それぞれ、nチャネルMOSトランジスタおよびpチャネルMOSトランジスタのバックゲート電位となる。MOSトランジスタにおいて、バックゲートの電位の絶対値が大きくなると、MOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値が大きくなる。このバイアス電圧VBBおよびVWBの絶対値を大きくし、応じてpチャネルMOSトランジスタおよびnチャネルMOSトランジスタのそれぞれのしきい値電圧の絶対値を大きくすることにより、これらのMOSトランジスタのサブスレッショルド電流を低減する。
【0011】
時刻T1において、データ保持モードからノーマルモードへ復帰すると、電源電圧VCCが再び5Vの電圧レベルに復帰し、データ保持モード検出信号DRMが非活性状態のLレベルとされる。応じてバイアス電圧VBBが再び−3・Vthnの電圧レベルに上昇し、一方バイアス電圧VWBが、電源電圧VCCの電圧レベルに復帰する。
【0012】
ノーマルモード時において、バイアス電圧VBBおよびVWBの絶対値を小さくすることにより、MOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値を小さくし、応じて通常動作モード時における半導体記憶装置の必要とされる動作特性を実現する。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
前述の先行技術文献特開平6−28847号公報においては、データ保持モード時において、バイアス電圧の絶対値を大きくして、応じてMOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値を大きくすることにより、サブスレッショルド電流の低減を図っている。この先行技術文献は、動作温度が上昇した場合のサブスレッショルド電流の増加を問題にしており、たとえば2.0Vのような低電源電圧で動作する半導体記憶装置における高速動作性を確保するためのMOSトランジスタのしきい値電圧を小さくすることについては考慮していない。しかも、この図34に示す構成においては、データ保持モード時においては、内部回路LCが形成される基板領域全体に印加されるバイアス電圧VBBおよびVWBが変化しているため、ダイナミック型半導体記憶装置特有の問題が生じる。
【0014】
図36は、図34に示す内部回路の部分断面構造を示す図である。図36において、周辺回路部およびメモリアレイ部は、P型半導体基板900上に形成される。周辺回路部は、この半導体基板900表面に形成されるN型ウェル901およびP型ウェル906に形成され、メモリアレイ部は、P型半導体基板900表面にこのPウェル906と離れて形成されるPウェル920上に形成される。この構成は、通常ツィンウェル構造と呼ばれる。
【0015】
Nウェル901は、高濃度N型不純物領域(N+領域)902を介してバイアス電圧VWBを受ける。このNウェル901表面に、互いに間をおいて高濃度P型不純物領域(P+領域)903および904が形成され、かつP+領域903および904の間のチャネル領域上にゲート絶縁膜(図示せず)を介してゲート電極905が形成される。このP+不純物領域903および904およびゲート電極905によりpチャネルMOSトランジスタが形成される。Pウェル906は特に設けられなくてもよく、P型半導体基板900と電気的に接続される。
【0016】
Pウェル906表面に、N+領域908および909が間をおいて形成され、かつN+領域908および909の間のチャネル領域上に図示しないゲート絶縁膜を介してゲート電極910が形成される。N+領域908、909およびゲート電極層910により、nチャネルMOSトランジスタが形成される。図36において、P+領域903は電源電圧VCCを受け、N+領域908が接地電圧VSSを受ける。P+領域904およびN+領域909が相互接続され、また、ゲート電極905および910が相互接続される。これにより、入力信号INを反転して出力信号OUTを生成するCMOSインバータが実現される。
【0017】
メモリアレイ部においては、Pウェル(またはP型半導体層)920は、P+領域921を介してバイアス電圧VBBを受ける。このPウェル920表面に、N+領域922および923が間をおいて形成され、このN+領域922および923間のチャネル領域上に図示しないゲート絶縁膜を介してゲート電極層926が形成される。N+領域923には、導電層924が電気的に接続され、この導電層924上に、キャパシタ絶縁膜(図示せず)を介して導電層925が形成される。N+領域922はビット線BLに接続され、ゲート電極層926はワード線WLに接続され、導電層925は、一定のセルプレート電圧VCPを受ける。このメモリアレイ部においてN+領域922および923およびゲート電極926によりメモリセルのアクセストランジスタが形成され、N+領域923および導電層924および925により、データ格納用のキャパシタが形成される。
【0018】
図37は、この図36に示すメモリアレイ部の電気的等価回路を示す図である。図37において、メモリセルは、ワード線WLに接続されるゲートと、ビット線BLに接続される一方導通ノードと、ストレージノードSNに接続される他方導通ノードを有するnチャネルMOSトランジスタMQと、ストレージノードSNとセルプレート電圧VCP印加ノードとの間に接続されるキャパシタCgと、ストレージノードSNとバイアス電位VBB印加ノードとの間に接続されるキャパシタCjを含む。MOSトランジスタMQは、図36のN+領域922および923ならびにゲート電極926の構成に対応する。キャパシタCgは、導電層924および925で構成されるキャパシタに対応する。キャパシタCjは、N+領域923とPウェル920の間に形成される接合容量に対応する。この基板バイアス電圧VBBはまた周辺回路のMOSトランジスタPHのバックゲートへも印加される。この周辺回路のトランジスタPHは、図36において、N+領域908、909およびゲート電極910で構成されるトランジスタに対応する。ダイナミック型半導体記憶装置においては、ストレージノードSNに電荷の形態で、情報が格納される。
【0019】
データ保持モードにおいて、ダイナミック型半導体記憶装置においては、周期的に記憶データのリフレッシュが行なわれる。すなわち、ワード線WLが選択状態とされ、MOSトランジスタMQを介してビット線BLへストレージノードSNに格納された電荷を読出し、図示しないセンスアンプにより増幅し、再び増幅したビット線電位をストレージノードSNへ書込む。データ保持モードにおいて、基板バイアス電圧VBBの絶対値が大きくされると、MOSトランジスタMQのしきい値電圧Vthnが大きくなる。この場合、ストレージノードSNにHレベルのデータが格納されている場合、MOSトランジスタMQのしきい値電圧損失の影響により、ビット線BL上に読出される読出電圧が小さくなり、センスアンプの動作マージン(正確にセンス動作を行なうことのできる電圧差)が小さくなる。したがってこの状態においては、正確に記憶データのリフレッシュを行なうことができなくなる問題が生じる。
【0020】
また、図38(A)に示す時刻T0において、ノーマルモードからデータ保持モードへ移行するとき、基板バイアス電圧VBBの絶対値が大きくされると、すなわち基板の電位レベルが低下すると、キャパシタCjの容量結合によりストレージノードSNの電位が低下する(MOSトランジスタNQはオフ状態にあり、ストレージノードSNはフローティング状態にある)。したがって、ストレージノードSNにHレベルのデータが格納されている場合、その正電荷量が小さくなりHレベルデータの電位レベルが低下し、応じて、図38(B)に示すリフレッシュ動作時におけるビット線BLの読出電圧が小さくなり、同様、センスマージン(読出動作マージン)が小さくなる。
【0021】
図38(A)の時刻T1において、データ保持モードからノーマルモードへ復帰するとき、基板バイアス電圧VBBの絶対値が小さくされる。すなわち、基板バイアス電圧VBBは正の方向へ変化する。このとき、キャパシタCjの容量結合により、ストレージノードSNの電位が上昇する。ストレージノードSNにLレベルデータが格納されている場合には、Lレベルデータの電位が上昇し、ノーマルモード時におけるこのメモリセルの記憶データの読出電圧が小さくなり(図38(B)参照)、Lレベルデータのセンスマージンが小さくなり、ノーマルモード時において正確にデータを読出すことができなくなるという問題が生じる。読出電圧は、図38(B)に示すように、ビット線BLは、通常中間電位(セルプレート電圧VCPと同じ電圧レベル)にプリチャージされており、Hレベルデータを読出す際のビット線電圧は、この中間電圧よりも高くなり、Lレベルデータ読出時のL読出電圧は、この中間電圧レベルとビット線BL上に現れる電圧の差である。Hレベルデータの電位が低くなれば、H読出電圧が小さくなり、またLレベルデータの電位が上昇すれば、L読出電圧は小さくなる。特に、電源電圧VCCが2.0Vと小さくされると、この読出電圧の変動は大きな影響を及ぼす。すなわち、読出電圧ΔVは、次式で表わされるため、正常な場合での読出電圧ΔVの値も小さくなるためである。
【0022】
ΔV=±(Cs・VCC/2)(1/(CS+CB))
ここで、CSは、メモリセルのキャパシタ(キャパシタCgおよびCjの並列体)の容量値を示し、CBはビット線容量を示す。符号±は、H読出電圧およびL読出電圧を示す。
【0023】
それゆえ、この発明の目的は、低電源電圧の半導体記憶装置においても、記憶データに影響を及ぼすことなく消費電流を低減することである。
【0024】
この発明の他の目的は、データ保持モード時における消費電流をメモリセル記憶データに悪影響を及ぼすことなく低減することのできるダイナミック型半導体記憶装置を提供することである。
【0025】
【課題を解決するための手段】
請求項1に係る発明は、各々がその記憶データがリフレッシュされる複数のダイナミック型メモリセルが配置されるメモリセルアレイと、このメモリセルアレイが形成される基板領域へ一定のバイアス電位を供給するアレイバイアス手段と、メモリセルアレイを選択状態に駆動するための周辺回路と、この周辺回路が形成される基板領域へバイアス電位を供給するための周辺バイアス手段とを含む。データ保持モード指示信号は、活性化時、該アブアクセスを停止してかつ内部でメモリセルの記憶データのリフレッシュを指示する。この周辺バイアス手段は、データ保持モード指示信号の活性化時、周辺バイアス手段の供給するバイアス電圧の絶対値をデータ保持モード指示信号の非活性化時のそれよりも大きくするためのバイアス手段を含む。
【0026】
請求項2に係る半導体記憶装置は、周辺バイアス手段が、電源電圧よりも絶対値の大きい電圧を発生するバイアス発生手段と、データ保持モード指示信号の活性化時、このバイアス発生手段の発生する電圧を選択しかつデータ保持モード指示信号の非活性化時電源電圧を選択し、この選択した電圧を周辺回路が形成される基板領域へ供給するバイアス制御手段としての選択手段を含む。
【0027】
請求項3に係る半導体記憶装置は、周辺回路が、第1導電型の半導体層表面に形成される第1のウェル表面に形成される第2のウェルに形成されるトランジスタ素子を含む。第1のウェルは、第2導電型を有しかつ電源電圧にバイアスされる。第2のウェルは第1導電型を有しかつ周辺バイアス手段からのバイアス電圧を受ける。
【0028】
請求項4に係る半導体記憶装置は、周辺回路が第1導電型の第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと第2導電型の第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタとを含み、周辺バイアス手段が、第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタが形成される基板領域へ印加される第1のバイアス電圧を生成する手段と、第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタが形成される基板領域へ印加される第2のバイアス電圧を生成する手段とを含む。バイアス制御手段は、データ保持モード指示信号の活性化に応答して第1および第2のバイアス電圧の絶対値を大きくする手段を含む。
【0029】
請求項5に係る半導体記憶装置は、請求項4の装置において、第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタは、第1導電型の半導体層の表面に形成されかつ第1のバイアス電圧が供給される第2導電型の第1のウェル内に形成される。第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタは、半導体層表面に第1のウェルと離れて形成される第2のウェルの表面に形成される第3のウェル内に形成される。第2のウェルは第2導電型を有しかつ第1の電源電圧が供給される。第3のウェルは、第1導電型を有しかつ第2のバイアス電圧が供給される。第1のバイアス電圧は絶対値が第1の電源電圧以上であり、第2のバイアス電圧は絶対値が第2の電源電圧以上である。
【0030】
請求項6に係る半導体記憶装置は、請求項1の装置の周辺バイアス手段が、周期的にクロック信号を生成するクロック発生手段と、このクロック信号に応答してチャージポンプ動作を行なって基準電圧を発生する基準電圧発生手段と、クロック信号に応答して比較制御信号を生成する制御信号発生手段と、この比較制御信号に応答して活性化され、基準電圧と出力ノードの電圧とを比較し、その比較結果を示す信号を出力する比較手段と、この比較手段の比較結果が、基準電圧の絶対値が出力ノードの電圧の絶対値よりも大きいことを示すとき活性化され、周期的に繰返し信号を発生する繰返し信号発生手段と、この繰返し信号発生手段からの繰返し信号に従ってチャージポンプ動作を行なって出力ノードへバイアス電圧を出力するバイアス発生手段とを含む。
【0031】
請求項7に係る半導体記憶装置は、請求項6の装置において、クロック信号に応答してチャージポンプ動作を行なって出力ノードへ電荷を供給する、バイアス発生手段の電荷供給量よりも小さな電荷供給力を有する第1のバイアス保持手段と、メモリセルの選択動作開始指示信号に応答してチャージポンプ動作を行なって出力ノードへ電荷を供給する、第1のバイアス保持手段の電荷供給力よりも大きな電荷供給力を有する第2のバイアス保持手段をさらに備える。
【0032】
請求項8に係る半導体記憶装置は、請求項6の装置の制御信号発生手段が、クロック信号に応答して、互いに異なる期間に活性状態とされる第1および第2の制御信号を発生する手段を含み、比較手段が、第1の制御信号の活性化に応答して第1および第2のノードを所定電位にプリチャージするプリチャージ手段と、基準電位と出力ノードの電位とを比較し、両者の差に応じた電流を第1および第2のノードへ供給する比較段と、第2の制御信号の活性化に応答して活性化され、第1および第2のノードの電位を差動的に増幅して比較結果を示す信号を出力する差動増幅段を含む。
【0033】
請求項9に係る半導体記憶装置は、請求項8の比較段が、電源ノードと第1のノードとの間に結合されかつ基準電位をゲートに受ける第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、第1のノードの電位を受けるように結合されかつこの第1のノードの電位に応答して電源ノードと第1のノードとの間の第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタを介しての電流経路を遮断するための第1の遮断手段と、電源ノードと第2のノードとの間に結合されかつ出力ノード上の電位をゲートに受ける第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、第2のノードの電位を受けるように結合され、この第2のノード上の電位に応答して電源ノードと第2のノードとの間の第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタを介しての電流経路を遮断する第2の遮断手段とを含む。
【0034】
請求項10に係る半導体記憶装置は、請求項2の装置において、電源電圧が、一方動作電源電圧としての第1の電源電圧と他方動作電源電圧としての第2の電源電圧とを含み、選択手段が、データ保持モード指示信号をバイアス電位と第1の電源電圧のレベルの信号に変換しかつ互いに相補な第1および第2の選択信号を生成するレベル変換手段と、このレベル変換手段からの第1の選択信号の活性化に応答して導通し、バイアス電位を出力ノードへ伝達する第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、レベル変換手段からの第2の選択信号の活性化に応答して導通し、第2の電源電圧を出力ノードへ伝達する第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタを含む。この第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタのバックゲート電極は、バイアス電位発生手段からのバイアス電位を受けるように結合される。この出力ノードから周辺回路が形成される基板領域へのバイアス電圧が供給される。
【0035】
請求項11に係る半導体記憶装置は、請求項4の装置において、第1のバイアス電圧が2.0Vの正の電源電圧以上の電圧レベルを有し、かつ第2のバイアス電圧が接地電圧以下の電圧レベルを有する。
【0036】
メモリセルアレイ部へは固定的に一定のバイアス電位をノーマルモード時およびデータ保持モード時いずれにおいても供給し、周辺回路が形成される基板領域へはデータ保持モード指示信号が活性状態とされるデータ保持モード時において、データ保持モード指示信号が非活性状態とされるノーマルモード時のバイアス電圧の絶対値よりも大きな絶対値のバイアス電圧が供給される。これにより、この周辺回路に形成されるトランジスタ素子のバックゲート効果により、トランジスタ素子のしきい値電圧の絶対値が大きくなり、サブスレッショルド電流を抑制する。一方、メモリセルアレイ領域のバイアス電位は一定であるため、ノーマルモード時からデータ保持モード時への移行時およびデータ保持モード時からノーマルモード時への移行時におけるメモリセルキャパシタのストレージノードの電位の変化が抑制される。
【0037】
【発明の実施の形態】
[基本動作説明]
図1は、この発明の実施の形態に従う半導体記憶装置の基本的動作を説明するためのタイミング図である。以下の説明においては、DRAMが半導体記憶装置の一例として示されるが、本発明はデータ保持モードを有する任意の半導体記憶装置に対し適用可能である。
【0038】
図1において、時刻t0において、ロウアドレスストローブ信号/RASがHレベルの状態で、コラムアドレスストローブ信号/CASがLレベルに立下がり、次いで約10ns(ナノ秒)の後の時刻t1において、ロウアドレスストローブ信号/RASが立下がり、/CASビフォー/RAS(CBR)リフレッシュモードが設定される。このCBRリフレッシュモードが設定されると、ロウアドレスストローブ信号/RASの立下がりに応答して、内部で、メモリセルのリフレッシュ動作が実行される(CBRリフレッシュ)。
【0039】
ロウアドレスストローブ信号/RASおよびコラムアドレスストローブ信号/CASがともに100μs(マイクロ秒)の間Lレベルに保持されると、時刻t2において、セルフリフレッシュ活性化信号(SELF)が活性状態とされ、この半導体記憶装置はデータ保持モードとしてのセルフリフレッシュモードに入る。この時刻t2以前においては、周辺回路のpチャネルMOS(PMOS)トランジスタの基板電位は、一方の動作電源電圧である電源電圧VCCレベルに保持され、また周辺回路のnチャネルMOS(NMOS)トランジスタの基板電位は、他方電源電位である接地電位0V(GND)レベルに保持されている。メモリセルが形成されるアレイ基板領域の電位VBBは、所定の負電位レベルに保持される。
【0040】
時刻t2において、セルフリフレッシュ活性化信号(SELF)が活性化されると、周辺回路のPMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタの基板電位が変更される。この時刻t2から数十nsないし数百ns後の時刻t3において、PMOSトランジスタの基板電位が電源電位VCCからそれより高い電位VPBに変化して安定化され、また周辺NMOSトランジスタの基板電位が接地電位0Vから負の電位VNBへの変化が完了して安定化する。これにより、周辺回路のPMOSトランジスタおよびNMOSトランジスタの基板電位の絶対値が大きくなり、これらのしきい値電圧の絶対値が大きくなる。これにより、周辺回路におけるサブスレッショルド電流が抑制され、低電力動作が可能になる。メモリセルが形成されるアレイ基板電位は、このセルフリフレッシュモードにおいても、一定のバイアス電圧VBBに保持される。したがってメモリセルのストレージノードの電位は変化せず、記憶電荷に応じた電位を安定に保持する。
【0041】
このセルフリフレッシュモードにおいて、所定期間ごとにリフレッシュが実行される。
【0042】
時刻t4において、ロウアドレスストローブ信号/RASが立上がると、数十nsないし百数十ns後の時刻t6において、セルフリフレッシュ活性化信号(SELF)が非活性状態とされ、この半導体記憶装置が、セルフリフレッシュモードからノーマルモードへ移行する。この時刻t4から時刻t5の時間が設けられているのは、時刻t4において、ロウアドレスストローブ信号/RASがHレベルへ立上がったとき、内部でリフレッシュ動作が行なわれている可能性があり、このリフレッシュ動作を確実に完了させる必要があるためであり、時刻t4と時刻t5の間の時間は、最大、リフレッシュの1動作サイクル(百数十ns)に設定される。
【0043】
この時刻t5において、セルフリフレッシュ活性化信号(SELF)が非活性状態とされると、周辺回路の基板電位が切換えられ、周辺P(pチャネル)MOSトランジスタの基板電位が低下し始め、周辺N(nチャネル)MOSトランジスタの基板電位が上昇し始める。
【0044】
時刻t5から数十nsないし数百ns経過した時刻t7において、周辺PMOSトランジスタの基板電位が電位VPBから電源電位VCCに変化して安定化され、一方、周辺NMOSトランジスタの基板電位が、電位VNBから接地電位0Vへの変化が完了する。これにより、周辺回路のトランジスタのしきい値電圧の絶対値が小さくされ、高速動作が可能になる。メモリセルアレイ基板の電位は、変化せず一定のバイアス電圧VBBを保持している。
【0045】
たとえば、現在一般に用いられているDRAMの電源電圧は3.3Vであり、このようなDRAMで使用されるNMOSトランジスタおよびPMOSトランジスタのそれぞれのしきい値電圧VTNおよびVTPの大きさは、VTN=|VTP|=0.7V程度である。一方、携帯機器などの低電力化が要求される装置においては、2.0V程度の電源電圧が要求される。電源電圧2.0Vと仮定したとき、DRAMの動作速度の確保およびしきい値電圧の製造パラメータの変動に起因するばらつきに対する動作安定度の確保の観点から、しきい値電圧の絶対値は、電源電圧の低下に比例して、0.7・2.0/3.3=0.42V程度まで小さくするのが望ましい。たとえば、16MDRAMを使って実験したところ、VTN=|VTP|=0.7VのMOSトランジスタを使用する場合、電源電圧が3.3Vから2.0Vに低下した場合、動作速度が約1.5倍遅くなるのが見られた。電源電圧に対するしきい値電圧の影響が大きく、MOSトランジスタの充放電開始時点は、信号振幅が小さくされても、信号の変化の開始タイミングが相対的に遅くなるためである。また、MOSトランジスタが飽和領域で動作する場合、ドレイン電流が、ゲート電圧としきい値電圧の絶対値の差の2乗に比例するため、応じて充放電電流が小さくなり、信号を高速で変化させることができなくなるためである。
【0046】
また16MDRAMを用いた実験によれば、しきい値電圧の絶対値が0.7VのMOSトランジスタを用いたDRAMにおいては、電源電圧が3.3Vにおいて、待機時(チップ非活性化時)の電源電流が10μA程度であるが、一方しきい値電圧の絶対値を0.4Vまで小さくした場合、電源電圧が2Vにおいても、待機時の電源電流が500μA程度まで増大する。実際の使用時には、DRAMをデータ保持モードであるセルフリフレッシュモードに設定し、内部で周期的にメモリセルデータのリフレッシュを行ないながら、このDRAMのチップは待機状態に保持される。したがってリフレッシュが行なわれる場合、待機時の電源電流にさらにリフレッシュ動作時に消費される約50μA程度のリフレッシュ電流が加えられる。一般に、携帯機器においては、データ保持モード時において、セルフリフレッシュ動作を行なった場合での待機電流は、通常100μA程度以下が仕様として要求される。
【0047】
したがって図1に示すように、ノーマルモード(セルフリフレッシュ活性状態以外の動作時)において、周辺回路のMOSトランジスタの基板バイアスを浅くし、これらの周辺MOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値を約0.4V程度とし、DRAMがデータ保持モードとしてのセルフリフレッシュモードに入ったときに、その基板電位の絶対値を大きくして、周辺MOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値を約0.7Vと大きくする。DRAMは、通常動作時(データの外部読出しおよび書込みが行なわれるアクセス動作時)は、論理ゲート1段当たりの遅延時間が、500ps(ピコ秒)〜1ns程度とする高速動作が要求される(高速アクセスを実現するため)。この場合、周辺回路のMOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値を小さくして、高速動作という要求を満たす。一方、外部アクセスが行なわれず、データ保持動作のみが行なわれるセルフリフレッシュモード時においては、内部でのリフレッシュ周期は、約百数十μsと、通常動作時のサイクルタイム(1回のアクセスに要求される時間)より千倍程度長いため、周辺回路のMOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値を大きくし、その回路の遅延時間が1.5倍程度大きくされたとしても、何ら問題は生じず、内部で確実にメモリセルデータのリフレッシュが実行される。このリフレッシュ電流の大部分は、ビット線充放電のために消費される電流であるが、50μA+10μA<100μAであり、十分データ保持モード時の電源電流の要求を満足することができる。
【0048】
通常動作時においては、データの入出力が行なわれ、その電源電流値が50〜100mA程度流れるが、周辺MOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値を小さくしても、その電源電流の増加は数mA程度であり、このしきい値電圧の絶対値の低下に伴う電源電流の増加は、動作時の電源電流に対する及ぼす影響は極めて小さい。
【0049】
図1に示すように、周辺回路のMOSトランジスタの基板電位変化(安定化)に時間を要するのは以下の理由による。周辺回路の基板領域(周辺回路のMOSトランジスタが形成される領域(ウェルまたは半導体層))は、MOSトランジスタのバックゲート電極とされており、したがって基板領域には比較的大きな寄生容量が存在する(PN接合容量)。このため、基板電位変更に数十nsないし数百nsの時間が要するが、一般的に、通常動作モードからセルフリフレッシュモードへの移行時またはこの逆にセルフリフレッシュモードから通常動作モードへ移行する期間が長くなっても、実使用上何ら問題は生じず、このバックゲート電圧(基板電位)の変更に要する時間は問題とならない。通常動作モードからセルフリフレッシュモード移行時においては、基板電位が安定化してからリフレッシュ動作を行なうように構成すればよく、またセルフリフレッシュモードからノーマルモード移行時においては、同様基板電位が安定化してからアクセスを行なうように仕様で定めておけばよいためである。
【0050】
したがって、図1に示すように、データ保持モードであるセルフリフレッシュモード時において、周辺回路NOSトランジスタのバックゲート電圧の絶対値を大きくし、そのしきい値電圧の絶対値を大きくし、一方、通常動作モード時においては、この周辺回路のMOSトランジスタのバックゲート電圧(基板電位)の絶対値を小さくしてそのしきい値電圧を小さくすることにより、電源電圧3.3VのDRAMと同程度の動作速度で、かつより少ない待機時の消費電力を実現することができる。一方、メモリセルアレイの基板電位は、固定されているため、メモリセルのストレージノードの電位の変化はなく、読出電圧の損失が生じず、正確にリフレッシュ動作を行ない、データを保持することができる。
【0051】
[しきい値電圧とバックゲート電圧との関係]
図2は、NMOSトランジスタのしきい値電圧Vthのバックゲートとソース間の電位差VBSに対する変化を概略的に示す図である。NMOSトランジスタのしきい値電圧Vthは次式(1)で与えられる。
【0052】
【数1】
【0053】
式(1)において、VBSはソース電位を基準とするバックゲート電位、Kは基板効果定数、φFは基板表面ポテンシャル、VTH0は、VBS=0Vのときのしきい値電圧である。この図2に示すグラフから明らかなように、NMOSトランジスタにおいて、バックゲート電圧VBSが負の方向に大きくなるとしきい値電圧Vthが大きくなる。今、たとえばNMOSトランジスタのゲート領域(チャネル領域)へのイオン注入量の制御等により、VBS=0Vのときのしきい値電圧VTH0が0.7Vと0.38Vの2種類のMOSトランジスタを形成し、しきい値電圧VTH0が0.7VのNMOSトランジスタのバックゲート電圧VBSを0Vとし、しきい値電圧VTH0=0.38VのNMOSトランジスタのバックゲートへは、0Vまたは−1.4Vの電圧を与えた場合を想定する。しきい値電圧VTH0が0.7VのNMOSトランジスタのしきい値電圧Vthは、そのバックゲート電圧VBSが0Vであり、常に0.7Vに固定される。一方、しきい値電圧VTH0=0.38VのNMOSトランジスタのしきい値電圧Vthは、バックゲート電圧VBSが0Vのときには、0.38Vとなり、一方バックゲート電圧が−1.4Vの場合には、約0.7Vのしきい値電圧となる。
【0054】
したがって、DRAMの動作速度を決定する周辺回路のNMOSトランジスタのバックゲート電圧VBSは、通常動作時において、VBS=0V、待機時(データ保持モード時:セルフリフレッシュモード時)においては、VBS=−1.4Vとすることにより、通常動作時における高速動作および待機時における低電力動作をともに実現することができる。
【0055】
DRAMにおいて、動作速度を決定するのは、主に周辺回路である。このNMOSトランジスタのバックゲート電圧としきい値電圧の関係は、また、PMOSトランジスタについても成立する。PMOSトランジスタの場合には、バックゲート電圧が正の方向に大きくなると、そのしきい値電圧が小さくなる(より負の値をとる)。したがって、周辺回路の構成要素であるPMOSトランジスタおよびNMOSのバックゲート電圧すなわち基板バイアス電圧を通常動作時よりもデータ保持モード時にその絶対値を大きくすることにより、通常動作時における高速動作およびデータ保持モード時における低消費電力を実現することができる。
【0056】
[セルフリフレッシュモードの設定]
前述のごとく、データ保持のためには、セルフリフレッシュモードが用いられる。以下に述べるように、情報保持動作のみが行なわれる際の電力消費をできるだけ小さくする方法として、セルフリフレッシュモードを用いるのが有効である。セルフリフレッシュモードは、CBR条件により設定される。ロウアドレスストローブ信号は、DRAMのメモリセル選択動作を指定し、かつこのDRAMの内部が選択状態にある期間を決定する。コラムアドレスストローブ信号/CASは、DRAMの列アドレス信号の取込タイミングおよび、列選択動作を制御するタイミングを与え、さらに、通常動作モード時(ノーマルモード時)、外部データの書込および読出タイミングを決定する信号として用いられる。
【0057】
セルフリフレッシュモードにおいては、リフレッシュアドレス(リフレッシュされるべき行を指定するアドレス)が内蔵のアドレスカウンタから発生され、かつさらにリフレッシュタイミング(メモリセルデータのリフレッシュを行なうタイミング)も内蔵のタイマにより生成される。したがって、外部のたとえばDRAMコントローラから周期的にリフレッシュタイミングを規定するためのパルス信号を与える必要がない。このため、DRAMコントローラなどの外部リフレッシュ制御回路の電力消費が不要とされ、システム全体として消費電力を節約することができる。CBRリフレッシュモード時においては、内蔵のタイマからのリフレッシュ要求信号に応答してリフレッシュが実行される。ロウアドレスストローブ信号/RASがLレベルに設定されている限り、一定の周期(たとえば125μs)でリフレッシュ動作が繰返される。
【0058】
[全体の構成]
図3は、この発明の従うDRAMの全体の構成を概略的に示す図である。図3において、DRAMは、行および列のマトリクス状に配列されるダイナミック型メモリセルを有するメモリセルアレイ100と、内部行アドレス信号RAをデコードしてメモリセルアレイ100の対応の行を選択するロウデコーダ102と、メモリセルアレイ100の選択された行に接続されるメモリセルのデータを検知しかつ増幅するセンスアンプ群104と、与えられる内部列アドレス信号CAをデコードしてメモリセルアレイ100の対応の列を選択する列選択信号を出力するコラムデコーダ106と、コラムデコーダ106からの列選択信号に応答してメモリセルアレイ100の選択された列を内部データ線110へ接続するIOゲート108を含む。
【0059】
センスアンプ群104はメモリセル100の各列に対応して設けられたセンスアンプを含む。メモリセルアレイ100の各列は、通常、1対のビット線により構成され、各センスアンプが対応のビット対の電位を差動的に増幅する。
【0060】
DRAMは、さらに、外部からのアドレス信号Aとアドレスカウンタ120からのリフレッシュアドレスREFAの一方を通過させるマルチプレクサ112と、マルチプレクサ112からの信号を受けて内部行アドレス信号RAを発生する行アドレスバッファ114と、外部からのアドレス信号Aを受けて内部列アドレス信号CAを生成する列アドレスバッファ116と、外部からのロウアドレスストローブ信号/RASとコラムアドレスストローブ信号/CASを受けてリフレッシュモード指示時にはリフレッシュに必要な各種制御信号を発生するリフレッシュ制御回路118と、ロウアドレスストローブ信号/RASとリフレッシュ制御回路118からの制御信号とに応答して信号RASに関連する回路を制御する信号を発生するRAS制御信号発生回路122と、コラムアドレスストローブ信号/CASとRAS制御信号発生回路122およびリフレッシュ制御回路118からの制御信号とに応答して信号CASに関連する回路を制御する信号を発生するCAS制御信号発生回路124を含む。
【0061】
RAS制御信号発生回路122からの制御信号はロウデコーダ102および行アドレスバッファ1114へ与えられ、両者の動作タイミングを決定するとともに、またその経路は図には示していないがセンスアンプ群104の動作タイミングをも決定する。信号RASに関連する回路は、行選択に関連する回路(行アドレスバッファ114およびロウデコーダ102)およびセンス動作に関連する回路(センスアンプ群104)を含む。
【0062】
CAS制御信号発生回路124の出力する制御信号は、コラムデコーダ106および列アドレスバッファ116のそれぞれの動作タイミングを決定し、また装置外部とのデータの書込および読出動作のタイミングをも決定する。CAS制御信号発生回路124は、通常動作時、RAS制御信号発生回路122が内部RAS信号を発生しており、このDRAMが活性状態にありかつ行選択動作を実行しているときに活性状態とされる。
【0063】
DRAMは、さらに、リフレッシュ制御回路118からのリフレッシュ指示に応答して起動され、所定時間ごとにリフレッシュ要求信号を発生するタイマ126と、リフレッシュ制御回路118の制御の下にカウント動作を実行するアドレスカウンタ120と、CAS制御信号発生回路124からの制御信号と外部からのライトイネーブル信号/WEとに応答してデータ書込タイミングを決定する内部書込信号を発生する書込制御回路128と、書込制御回路128からの内部書込信号に応答して、外部から与えられた書込データDから内部書込データを生成してメモリセルアレイ100の選択されたメモリセルへ伝達する入力回路130と、CAS制御信号発生回路124からの制御信号に応答して、メモリセルアレイ100の選択されたメモリセルのデータから外部読出データQを生成する出力回路130を含む。書込制御回路128は、コラムアドレスストローブ信号/CASとライトイネーブル信号/WEの遅いほうの立上がりタイミングに従って内部書込信号を生成する。出力回路132は、コラムアドレスストローブ信号/CASの立下がりに応答して活性化される。
【0064】
なお、図3において、アドレスバッファ140は、行アドレスバッファ114と列アドレスバッファ116とを備えており、それぞれのアドレス取込タイミングがRAS制御信号発生回路122およびCAS制御信号発生回路124からの制御信号により決定される。このとき、外部アドレス信号Aは行アドレス信号と列アドレス信号とがマルチプレクスして与えられてもよく、また、ノンマルチプレクス方式で与えられてもよい。また、入力回路130と出力回路132は、それぞれ別々のピン端子を介してデータの入出力を行なってもよく、また、同一のピン端子を介してデータの入出力を行なってもよい。
【0065】
DRAMは、さらに、常時一定の基板バイアス電位VBBを生成してメモリセルアレイ100が形成される基板領域へ印加するアレイバイアス回路150と、周辺回路が形成される基板領域へバイアス電位VPBSおよびVNBSを印加する周辺バイアス回路160を含む。この周辺バイアス回路160は、セルフリフレッシュ活性化信号SELFの活性化時には、バイアス電位VPBSおよびVNBSの絶対値を通常動作モード時のそれよりも大きくする。次に、この図3に示すDRAMの動作について簡単に説明する。
【0066】
通常のデータの書込および読出時においては、周辺バイアス回路160は、電源電圧VCCおよび接地電圧VSSレベルのバイアス電圧VPBSおよびVNBSを生成して周辺回路へ与える。この周辺回路としては、後に説明するが、ビット線イコライズ/プリチャージ回路、センスアンプ、ロウデコーダ、コラムデコーダなどの回路を含む。アレイバイアス回路150は、常時一定のバイアス電位(負)を形成してメモリセルアレイ100の基板領域へ印加する。マルチプレクサ112は、外部アドレス信号Aを行アドレスバッファ114へ与える。ロウアドレスストローブ信号/RASがLレベルに立下がると、DRAMが活性化されてメモリセルサイクルが始まる。RAS制御信号発生回路122は、この信号/RASの立下がりに応答して内部制御信号を発生し、行アドレスバッファ114へ与える。行アドレスバッファ114は、この与えられた制御信号に応答してマルチプレクサ112を介して与えられたアドレス信号Aから内部行アドレス信号RAを生成してロウデコーダ102へ与える。ロウデコーダ102は、このRAS制御信号発生回路122からの制御信号に応答して内部行アドレス信号RAをデコードしてメモリセルアレイ100の対応の行を選択する。次いで、センスアンプ群104がRAS制御信号発生回路122からの図示しない制御信号により活性化され、この選択された行に接続されるメモリセルのデータを増幅しかつラッチする。
【0067】
コラムアドレスストローブ信号/CASがLレベルに立下がると、CAS制御信号発生回路124からの制御の下に列アドレスバッファ116が外部アドレス信号Aを取込み内部列アドレス信号CAを発生する。このコラムアドレスストローブ信号/CASの立下がりは、行アドレスと列アドレス信号とがマルチプレクスして与えられる場合には、信号/RASが立下がってから所定時間(RAS−CAS遅延時間)経過した後に行なわれる。行アドレス信号と列アドレス信号が同時に与えられる場合には、このコラムアドレスストローブ信号/CASは、ロウアドレスストローブ信号/RASとほぼ同じタイミングでLレベルに立下がる。コラムデコーダ106が、次いでCAS制御信号発生回路の制御の下に活性化されて、内部列アドレス信号CAをデコードし、メモリセルアレイ100の対応の列を選択する列選択信号を発生する。IOゲート108が、この列選択信号に応答してメモリセルアレイ100の選択された列を内部データ線110へ接続する。
【0068】
データ書込時においては、ライトイネーブル信号/WEがLレベルの活性状態にあり、書込制御回路128が信号/CASおよび/WEがともにLレベルとなったときに内部書込信号を発生する。入力回路130は、この書込制御回路128からの内部書込信号に従って外部書込データDから内部書込データを生成する。これにより、コラムデコーダ106およびロウデコーダ102により選択された列および行の交差部に対応して配置されるメモリセルへデータが書込まれる。
【0069】
データ読出時においては、出力回路132がCAS制御信号発生回路124の制御の下に、この内部データ線110に読出されたデータから外部読出データQを生成して出力する。
【0070】
周辺バイアス回路160からのバイアス電位VPBSおよびVNBSは、その絶対値が小さくされており、周辺回路の構成要素であるMOSトランジスタのしきい値電圧は、約0.4V程度に設定されている。これにより、高速でデータの書込み/読出しが行なわれる。
【0071】
セルフリフレッシュ動作モード時においては、リフレッシュ制御回路118が活性化される。リフレッシュ制御回路118は、信号/RASおよび/CASの状態の組合せ(CBR条件)に従ってセルフリフレッシュモードが指定されたことを検出すると、マルチプレクサ112へ切換信号を与え、かつアドレスカウンタ120をカウント動作可能状態に設定する。アドレスカウンタ120は、通常動作モード時においては、そのカウント値をラッチしている状態に設定されている。また、周辺バイアス回路160は、このリフレッシュ制御回路118からのセルフリフレッシュ活性化信号SELFの活性化に従って、その基板バイアス電位VPBSおよびVNBSの絶対値を大きくする。アレイバイアス回路150からの基板バイアス電位VBBの電位レベルは一定である。これにより、周辺回路の構成要素であるMOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値が0.7Vと大きくされる。
【0072】
リフレッシュ制御回路118は、タイマ126を起動し、かつRAS制御信号発生回路122へ制御信号を与えてRAS制御信号発生回路122を活性化する。これに応答して、RAS制御信号発生回路122から制御信号が発生され、行アドレスバッファ114が、マルチプレクサ112を介してアドレスカウンタ120から与えられたリフレッシュアドレスREFAから内部行アドレス信号RAを生成してロウデコーダ102へ与える。このロウデコーダ102は、このリフレッシュアドレスREFAから生成された内部行アドレス信号RAをデコードしてメモリセルアレイ100の対応の行を選択する。センスアンプ群104がまた、RAS制御信号発生回路122の制御のもとに活性化され、この選択された行に接続されるメモリセルのデータを検知し増幅しかつラッチする。
【0073】
CAS制御信号発生回路124は、信号/RASがLレベルに設定された状態では、リフレッシュ制御回路118の制御のもとにその動作が禁止される。それにより、列アドレスバッファ116、コラムデコーダ106、書込制御回路128および出力回路132の動作が禁止される。RAS制御信号発生回路122からの内部制御信号は、リフレッシュ制御回路118の制御のもとに所定期間持続するだけであり、このリフレッシュ期間が終了すると、RAS制御信号発生回路122からの制御信号はすべて不活性状態となる。この間に、センスアンプ群104により検知、増幅およびラッチされていたメモリセルのデータはもとのメモリセルへ書込まれ、記憶データのリフレッシュが行なわれ、DRAMはプリチャージ状態に復帰する。
【0074】
続いて、タイマ126が所定期間が経過したことを検出すると、リフレッシュ要求信号をリフレッシュ制御回路118へ与える。リフレッシュ制御回路118は、このリフレッシュ要求信号に応答してRAS制御信号発生回路122を再び活性化する。アドレスカウンタ120は、先のリフレッシュ動作の完了時にRAS制御信号発生回路122からのカウント信号に従ってそのカウント値が1増分(減分)している。したがって、このリフレッシュサイクルにおいては、アドレスカウンタ120から出力されるリフレッシュアドレスREFAは、次の行を指定している。このリフレッシュアドレスREFAに従って行選択動作およびメモリセルのデータの再書込(リフレッシュ動作)が実行される。以降、信号/RASおよび/CASがLレベルの間、所定時間ごとにこのリフレッシュ動作が実行される。
【0075】
信号/RASがHレベルに立上がると、リフレッシュ制御回路118はタイマ126をリセットし、マルチプレクサ112を外部アドレス信号Aを選択する状態に設定し、かつアドレスカウンタ120を最後のリフレッシュ動作完了後カウント値を1変更させた後ラッチ状態に設定する。リフレッシュ制御回路118は、この信号/RASのHレベルへの立上がりにより、そのリフレッシュ制御動作から解放される。
【0076】
セルフリフレッシュモードにおいて、内部で自動的にメモリセルのデータのリフレッシュが実行される。このとき、周辺バイアス回路160のバイアス電位VPBSおよびVNBSの絶対値は大きくされており、周辺回路のサブスレショルド電流が低減される。アレイバイアス回路150のバイアス電位VBBは通常動作モード時の電位レベルと同じである。したがって、リフレッシュ動作時においては、セルフリフレッシュモード時におけるスタンバイ電流(待機状態における電源電流)を低減しかつメモリセルのデータの読出電圧マージンの低下を伴うことなく確実にリフレッシュを行なうことができる。
【0077】
[基板バイアス印加の態様]
図4は、この発明に従うDRAMの基板バイアス電位の印加の態様を示す図である。図4においては、1対のビット線BL,/BLと1本のワード線WLに関連する部分の構成を示す。ビット線対BL,/BLに対して、このビット線BLおよび/BLの電位を中間電位VBL(=VCC/2)にイコライズし、かつプリチャージするためのプリチャージ/イコライズ回路P/Eと、ビット線BLおよび/BLの電位を相補的に増幅するためのセンスアンプSAが設けられる。ワード線WLに対しては、ロウデコーダ102が設けられる。
【0078】
センスアンプSAは、ビット線BLに接続される一方導通端子と、ビット線/BLに接続されるゲートと、センスアンプ活性化信号SAPを受ける他方導通端子を有するpチャネルMOSトランジスタPQ1と、ビット線/BLに接続される一方導通端子と、ビット線BLに接続されるゲートと、センスアンプ活性化信号SAPを受けるpチャネルMOSトランジスタPQ2と、ビット線BLに接続される一方導通端子と、ビット線/BLに接続されるゲートと、センスアンプ活性化信号SANを受ける他方導通端子を有するnチャネルMOSトランジスタNQ1と、ビット線/BLに接続される一方導通端子と、ビット線BLに接続されるゲートと、センスアンプ活性化信号SANを受ける他方導通端子を有するnチャネルMOSトランジスタNQ2を含む。MOSトランジスタPQ1およびPQ2の基板領域(バックゲート)には、電源電圧VCCが与えられ、MOSトランジスタNQ1およびNQ2のバックゲートには、接地電圧VSSが与えられる。センスアンプ活性化信号SAPおよびSANは待機状態時、中間電位レベル(=VCC/2)に保持される。
【0079】
プリチャージ/イコライズ回路P/Eは、イコライズ指示信号EQの活性化に応答して導通し、ビット線BLおよび/BLへ中間電位VBL(=VCC/2)を伝達するnチャネルMOSトランジスタNQ3およびNQ4と、イコライズ指示信号EQの活性化時導通し、ビット線BLおよび/BLを電気的に短絡するnチャネルMOSトランジスタNQ5を含む。これらのMOSトランジスタNQ3、NQ4およびNQ5のバックゲートへは、接地電圧VSSが与えられ、そのしきい値電圧は固定される。
【0080】
メモリセルは、ストレージノードSNに接続される一方電極と、セルプレート電位VCP(=VCC/2)を受ける他方電極を有するキャパシタMCと、ワード線WLに接続されるゲート電極と、ビット線BLに接続される一方導通ノードと、ストレージノードSNに接続される他方導通ノードを有するnチャネルMOSトランジスタMTを含む。このMOSトランジスタMTのバックゲートへは、バイアス電位VBBが印加される。
【0081】
ロウデコーダ102は、内部行アドレス信号をデコードするAND型デコード回路GAと、AND型デコード回路GAの出力信号がHレベルのときに導通し、昇圧電圧VPPをワード線WLへ伝達するnチャネルMOSトランジスタNQ8と、デコード回路GAの出力信号がLレベルのときにインバータIVの出力により導通し、ワード線WLを接地電位レベルへ放電するnチャネルMOSトランジスタNQ6とを含む。MOSトランジスタNQ8のゲートとデコード回路GAの間には、ゲートに電源電圧VCCを受けるnチャネルMOSトランジスタNQ7が設けられる。MOSトランジスタNQ6−NQ8のバックゲートへは、バイアス電位VNBSが与えられる。昇圧電圧VPPは、電源電圧よりも高い電位レベルであり、メモリトランジスタMTのしきい値電圧損失の影響をなくす。
【0082】
待機状態において、イコライズ指示信号EQがHレベルとされる。電源電圧VCCが2.0Vのとき、このイコライズ指示信号EQも2.0Vレベルである。MOSトランジスタNQ3〜NQ5のしきい値電圧が0.4Vに固定されていてもビット線BLおよび/BLの電位と中間電位VBLとは同じ1.0Vであり、ビット線電位のイコライズ後MOSトランジスタNQ3−NQ5には電流は流れない。センスアンプSAにおいても、待機状態時にはセンスアンプ活性化信号SAPおよびSANは中間電位レベルであり、ビット線BLおよび/BLのプリチャージ電位と等しく、MOSトランジスタPQ1,PQ2,NQ1およびNQ3には電流は流れない。したがって、MOSトランジスタNQ1,NQ2およびPQ1,PQ2の基板バイアス電位が固定されていてもリーク電流は生じない。しきい値電圧を小さくして高速動作を保証する。
【0083】
メモリセルにおいては、MOSトランジスタMTのバックゲート電位は通常動作モード時およびデータ保持モード動作時(セルフリフレッシュモード時)において一定の電位VBBであり、そのしきい値電圧は変化せず、約0.7Vに保持される。ストレージノードSNとビット線BL(/BL)との間のリーク電流による記憶電荷の流出を避けるために、特にこのしきい値電圧は大きくされる。
【0084】
ロウデコーダ102においても、昇圧電圧VPPから接地電位VSSへの待機状態時のリーク電流を抑制するため、セルフリフレッシュモード時においては、MOSトランジスタNQ6−NQ87のしきい値電圧も大きくされる。したがってワード線WLの充放電速度が少し低下する。またゲート回路GAの出力信号がHレベルのときには、このMOSトランジスタNQ7のしきい値電圧の影響によりその電位レベルは低下するが、ワード線WLの駆動時にはMOSトランジスタNQ8のセルフブートストラップ機能によりゲート電位が上昇するため、このMOSトランジスタNQ7のしきい値電圧の増大の影響を伴うことなく確実にMOSトランジスタNQ8はオン状態にされる。
【0085】
デコード回路GAにおいても、pチャネルMOSトランジスタのバックゲートは、バイアス電位VPBSを受け、nチャネルMOSトランジスタがバイアス電位VNBSを受ける。したがって単に、セルフリフレッシュモード時において、行選択動作が遅くされるだけであり、スタンバイ時において、確実にサブスレショルド電流の増加を抑制することができる。
【0086】
この周辺回路は、メモリアレイを選択状態へ駆動する回路を含み、さらに、図3に示すIOゲート108、コラムデコーダ106、アドレスバッファ140、RAS制御信号発生回路122およびCAS制御信号発生回路124、書込制御回路128、入力回路130および出力回路132ならびにリフレッシュ制御回路118を含む。ただし、センスアンプSAおよびビット線イコライズ回路P/Eは除く。
【0087】
[リフレッシュ制御回路の構成]
図5(A)は、図3に示すリフレッシュ制御回路118、RAS制御信号発生回路122およびCAS制御信号発生回路124の構成の一例を示す図である。図5(A)において、リフレッシュ制御回路118は、信号/RASおよび/CASに応答して、セルフリフレッシュモードが指定されたか否かを示す内部リフレッシュ指示信号CBRを発生するCBR検出回路1と、CBR検出回路1からの信号CBRに応答してセットされかつ信号/RASの立上がりに応答してリセットされるセット・リセットフリップフロップ(以下、単にRSフリップフロップと称す)2と、RSフリップフロップ2の出力Qにより活性化され、信号/RASに応答してワンショットのパルスを発生するパルス発生回路3と、タイマ126からのリフレッシュ要求信号φREFとパルス発生回路3の出力パルス信号とを受けるOR回路4と、OR回路4の出力信号に応答してワンショットのパルス信号PUを発生するワンショットパルス発生回路5と、内部リフレッシュ指示信号CBRとロウアドレスストローブ信号/RASに応答して、セルフリフレッシュ活性化信号SELFを出力するSELF発生回路6を含む。
【0088】
このSELF発生回路6は、内部リフレッシュ指示信号CBRが活性状態のHレベルとされかつ次いでロウアドレスストローブ信号/RASがLレベルになってから所定時間経過後にセルフリフレッシュ活性化信号SELFをHレベルの活性状態とする。このセルフリフレッシュ活性化信号SELFは、ロウアドレスストローブ信号/RASの立上がりに応答して非活性状態のLレベルとされる。
【0089】
CBR検出回路1は、コラムアドレスストローブ信号/CASを反転するインバータ回路12と、インバータ回路12の出力信号とロウアドレスストローブ信号/RASを受けるAND回路14とを含む。AND回路14は、両入力がともにHレベルとなったときにHレベルの信号を出力する。RSフリップフロップ2は、内部リフレッシュ指示信号CBRのHレベルへの立上がりに応答してセット状態とされ、その出力QからHレベルの信号を出力し、信号/RASのHレベルへの立上がりに応答してリセット状態とされ、その出力QをLレベルに設定する。RSフリップフロップ2の出力/Qからの信号は、マルチプレクサ112の選択動作制御信号として用いられる。
【0090】
OR回路4は、その少なくとも一方の入力がHレベルとなったときにHレベルの信号を出力する。ワンショットパルス発生回路5は、OR回路4からの出力信号の立上がりに応答して所定の時間幅(通常、行選択動作開始からセンスアンプのセンス動作およびラッチ動作完了を含む時間幅)のパルス信号PUを発生する。
【0091】
RAS制御信号発生回路122は、ロウアドレスストローブ信号/RASとRSフリップフロップ2の出力Qからの信号とを受けるNOR回路20と、NOR回路20の出力信号とワンショットパルス発生回路5の出力信号とを受けるOR回路22と、OR回路22の出力信号に応答して信号RASに関連する回路を制御する信号を発生するRAS系制御回路24を含む。NOR回路20は、少なくとも一方の入力がHレベルとなったときにLレベルの信号を出力する。
【0092】
CAS制御信号発生回路124は、内部リフレッシュ指示信号CBRの活性化に応答してセットされかつコラムアドレスストローブ信号/CASの立上がりに応答してリセットされるRSフリップフロップ32と、RSフリップフロップ32の出力Qからの信号CCEとロウアドレスストローブ信号/RASとコラムアドレスストローブ信号/CASを受ける3入力NOR回路34と、NOR回路34の出力信号に応答して信号CASに関連する回路を制御する信号を発生するCAS系制御回路36を含む。次に、この図5(A)に示すセルフリフレッシュ制御系の動作をセルフリフレッシュ動作時の動作波形を示す図5(B)を参照して説明する。
【0093】
/CASビフォー/RASのタイミングに信号/RASおよび/CASが設定されると、CBR検出回路1からの信号CBRがHレベルに立上がる。内部リフレッシュ指示信号CBRは、ロウアドレスストローブ信号/RASの立下がりに応答してLレベルに立下がる。RSフリップフロップ2は、この内部リフレッシュ指示信号CBRの立上がりに応答してセットされ、タイマ126を活性化するとともに、NOR回路20を介してロウアドレスストローブ信号/RASによる行選択動作を禁止する。この信号CBRにより、またSELF発生回路6が活性状態とされる。
【0094】
次いで、ロウアドレスストローブ信号/RASの立下がりに応答して、パルス発生回路3の出力信号が所定期間Hレベルに立上がり、OR回路4の出力信号がHレベルに立上がる。ワンショットパルス発生回路5は、OR回路4からの出力信号に応答して所定期間Hレベルとなる信号PUを発生する。これに応答して、OR回路22から内部RAS信号φRASが発生され、この内部RAS信号φRASに従ってRAS系制御回路24が行選択等に関連する制御動作を実行する。このとき、RSフリップフロップ2の出力/Qからの信号がマルチプレクサ112へ与えられており、マルチプレクサ112はその接続経路を切換えて、アドレスカウンタ120からのリフレッシュアドレスを行アドレスバッファへ与えている。
【0095】
一方、RSフリップフロップ32が内部リフレッシュ指示信号CBRに応答してセットされ、その出力QがHレベルとなり、NOR回路34の出力信号がLレベルとなる。RSフリップフロップ32からの出力信号CCEがHレベルの間、NOR回路34の出力信号である内部コラムアドレスストローブ信号φCASはLレベルに設定される。これにより、セルフリフレッシュモード時において、コラムアドレスストローブ信号/CASにおけるノイズなどの影響による誤ったデータの書込および読出が行なわれるのが禁止される。
【0096】
内部リフレッシュ指示信号CBRが活性状態とされ、次いでロウアドレスストローブ信号/RASがLレベルに設定されて所定時間が経過すると、SELF発生回路6からのセルフリフレッシュ活性化信号SELFがHレベルの活性状態とされる。次いで、タイマ126がリフレッシュ要求信号φREFを発生する。このタイマ126からのリフレッシュ要求信号φREFは、セルフリフレッシュ活性化信号SELFがHレベルの活性状態とされ、基板電位VPBSおよびVNBSがそれぞれ所定の電位VPBおよびVNBに安定に保持された後に出力される。
【0097】
このリフレッシュ要求信号φREFに従って、OR回路4およびワンショットパルス発生回路5およびOR回路22を介してパルス信号PUに対応するパルス幅を有する内部RAS信号φRASが発生され、再びリフレッシュ動作が実行される。このリフレッシュ動作が完了すると、RAS系制御回路24は、カウンタ120のカウント値を1つ増分または減分する。以降、所定間隔で、タイマ126からリフレッシュ要求信号φREFが発生されるごとにリフレッシュが実行される。ロウアドレスストローブ信号/RASがHレベルへ立上がると、RSフリップフロップ2がリセットされ、その出力QからはLレベルの信号が出力される。これにより、タイマ126がリセットされ、マルチプレクサも外部アドレス信号選択状態とされる。またカウンタ120もRSフリップフロップ2の出力(この経路は図示せず)に従ってカウント値ラッチ状態となる。さらに、SELF発生回路6が非活性状態とされ、セルフリフレッシュ活性化信号SELFがLレベルとなり非活性状態とされる。
【0098】
信号/RASの立上がり時においてタイマ126からのリフレッシュ要求信号φREFに従ってセルフリフレッシュが実行されている場合がある。外部ではセルフリフレッシュがどの段階まで進んでいるか判別することができないからである。信号/RASがHレベルへ立上がっても、内部RAS信号φRASが発生されていれば、この内部RAS信号φRASに従ってセルフリフレッシュが実行される。このためおよび基板電圧安定化のため、先に図1を参照して説明したように、セルフリフレッシュモードから通常動作モード(ノーマル動作モード)へ移行するため再び信号/RASをHレベルからLレベルへ立下げる場合には、セルフリフレッシュを完了するために信号/RASをHレベルに立上げてから、最小限1サイクル期間(信号PUの時間幅に相当)Hレベルの状態を維持することが要求される。
【0099】
RSフリップフロップ32は、セルフリフレッシュモード時に内部CAS信号φCASが発生されて誤ったデータの書込および読出が行なわれるのを防止するために設けられている。単に、内部信号φCASの発生を防止するためだけであれば、特にRSフリップフロップ32を設ける必要はない。NOR回路34へ、直接RSフリップフロップ2の出力信号を与えればよい。コラムアドレスストローブ信号/CASに応答してリセットされるRSフリップフロップ32が設けられており、かつNOR回路34にコラムアドレスストローブ信号/CASが与えられているのは以下の理由による。
【0100】
セルフリフレッシュモードにおいては、リフレッシュアドレスカウンタ120からリフレッシュアドレスが発生される。DRAMのメモリセルアレイの各行のメモリセルが定期的にリフレッシュされるためには、リフレッシュアドレスカウンタが正常に動作し、リフレッシュアドレスが周期的に発生される必要がある。このリフレッシュアドレスカウンタ120が10ビットのカウンタであるとすると、1024サイクルごとに同じリフレッシュアドレスが発生される必要がある。このリフレッシュアドレスカウンタが正常に動作しているか否かを判別するためのカウンタチェックを行なうために、セルフリフレッシュモードに設定してメモリセルデータの書込/読出を行なう必要がある。このため、RSフリップフロップ32が設けられている。すなわち、信号/CASによりフリップフロップ32をリセットし、CAS系回路(列選択系回路)を動作させるためである。
【0101】
セルフリフレッシュモードにおいてワンショットパルス発生回路5から発生されるパルス信号PUは、通常のデータの書込/読出時に必要とされるサイクル時間程度の長さの時間幅を有する。1回のリフレッシュのみが行なわれるCBRリフレッシュ(タイマを用いずにリフレッシュアドレスカウンタのみを用いるリフレッシュであり、信号SELFが非活性状態のLレベルのときに行なわれるリフレッシュ)の場合、信号/RASのLレベル持続期間は最大10μs程度に設定される。1つのサイクル期間において信号/RASの活性状態の最大持続期間が設定されるのは、ワード線の電位がリークなどにより低下し、正確なデータの書込/読出(リフレッシュ)が行なわれなくなるのを防止するためである。
【0102】
[SELF発生回路の構成]
図6は、図4(A)に示すSELF発生回路6の構成を概略的に示す図である。図6において、SELF発生回路6は、CBR検出回路1からの内部リフレッシュ指示信号CBRの活性化に応答して活性化され、ロウアドレスストローブ信号/RASの立下がりを所定時間遅延する立下がり遅延回路302と、立下がり遅延回路302の出力信号の活性化に応答して、セルフリフレッシュ活性化信号SELFを出力する活性化信号発生回路304を含む。この立下がり遅延回路302の有する遅延時間により、CBR条件が与えられてからセルフリフレッシュモードに入るまでの時間が決定される。CBR検出回路1は、図4(A)に示す構成を備える。
【0103】
図7は、図6に示すSELF発生回路6の具体的構成の一例を示す図である。図7において、SELF発生回路6は、内部リフレッシュ指示信号CBRを受けるセット入力Sと、ロウアドレスストローブ信号/RASを受けるリセット入力Rを有するRSフリップフロップ350と、ロウアドレスストローブ信号/RASを所定時間遅延する遅延回路352と、RSフリップフロップ350の出力Qからの出力信号と遅延回路352の出力信号とロウアドレスストローブ信号/RASを受けるゲート回路354を含む。RSフリップフロップ350は、内部リフレッシュ指示信号CBRの活性化に応答してセットされてHレベルの信号を出力Qから出力し、ロウアドレスストローブ信号/RASの立上がりに応答してリセットされて、その出力Qからの出力信号をLレベルの非活性状態とする。遅延回路352は、たとえば100μsの遅延時間を有し、CBR条件が与えられてからセルフリフレッシュモードに入るまでの時間を決定する。ゲート回路354は、RSフリップフロップ350の出力信号がHレベルであり、かつ遅延回路352の出力信号とロウアドレスストローブ信号/RASがともにLレベルのときに、セルフリフレッシュ活性化信号SELFをHレベルの活性状態とする。次に、この図7に示すSELF発生回路の動作を図8に示す動作波形図を参照して説明する。
【0104】
CBR条件が満たされると、内部リフレッシュ指示信号CBRがHレベルとなり、RSフリップフロップ350はセットされ、その出力信号はHレベルとなる。ロウアドレスストローブ信号/RASがLレベルに立下がると、内部リフレッシュ指示信号CBRがLレベルとされる。このときまだ遅延回路352の出力信号はHレベルを維持しており、セルフリフレッシュ活性化信号SELFはLレベルにある。遅延回路352が有する遅延時間(100μs)が経過すると、遅延回路352の出力信号がLレベルとなり、ゲート回路354からのセルフリフレッシュ活性化信号SELFがHレベルの活性化状態とされる。これにより、DRAMは、セルフリフレッシュモードに入る。
【0105】
ロウアドレスストローブ信号/RASがHレベルとなると、RSフリップフロップ350がリセットされ、出力Qからの出力信号がLレベルとなる。これにより、ゲート回路354からのセルフリフレッシュ活性化信号SELFがLレベルの非活性状態となる。
【0106】
なお、セルフリフレッシュ活性化信号SELFに従って、周辺回路の基板領域のバイアス電位の電位レベルが切換えられる。このセルフリフレッシュ活性化信号SELFの活性状態から非活性状態への移行時に、内部でセルフリフレッシュが行なわれている可能性がある。このセルフリフレッシュ動作時に基板電位が変化するのを防止するためには、セルフリフレッシュ活性化信号SELFの非活性化への移行を1動作サイクル(リフレッシュ時に行なわれる動作期間)遅延させればよい。この遅延時間は、遅延回路352の有する遅延時間(100μs)よりも十分小さい値であり、セルフリフレッシュモードへ入るタイミングに対する悪影響は何ら生じない。
【0107】
[周辺バイアス回路の構成]
図9は、図3に示す周辺バイアス回路のVNBS発生部の構成を概略的に示すブロック図である。図9において、周辺バイアス回路160は、電源電圧VCCと接地電圧とを両動作電源電圧として所定の周期の繰返し信号(クロック信号)φを出力する発振回路160aと、この繰返し信号φに応答して、活性期間が互いに重なり合わない2相の制御信号/φPおよび/φSを出力する制御信号発生回路160bと、繰返し信号φに応答してチャージポンプ動作を行なって基準電圧VrefPを生成する基準電圧発生回路160cと、制御信号/φPおよび/φSに応答してプリチャージ動作および比較動作が活性化され、比較動作活性化時、基準電圧VrefPと出力ノード161上のバイアス電圧VPBとを比較する差動増幅回路160dと、差動増幅回路160dからの出力信号PBEに応答して活性化され、所定の周期を有する繰返し信号φFを出力する繰返し信号発生回路160eと、繰返し信号φFに応答してチャージポンプ動作を行なってバイアス電圧VPBを生成するVBP発生回路160fと、セルフリフレッシュ活性化信号SELFに応答して、バイアス電圧VPBおよび電源電圧VCCの一方を選択して周辺回路のPMOSトランジスタ形成領域の基板へ基板バイアス電圧VPBSを伝達する選択回路160gを含む。
【0108】
発振回路160aは、電源電圧VCC投入後発振動作を行なう。このクロック信号としての繰返し信号φは、差動増幅回路160dにおける比較動作タイミングを決定する基本信号であり、データ保持モード(セルフリフレッシュモード)時において、バイアス電圧VPBの電圧レベルを一定レベルに保持するために用いられるだけであり、高速性は必要とされず、この繰返し信号φの周期は、通常、数μsないし数十μs程度に設定される。基準電圧発生回路160cも、この繰返し信号φに従ってチャージポンプ動作を行なって基準電圧VrefPを生成するが、この基準電圧VrefPは、差動増幅回路160dの差動比較段のMOSトランジスタのゲートへ供給されるだけであり、大きな負荷は存在しないため、比較的低速の繰返し信号φを用いても、十分高速で基準電圧VrefPを安定化させることができる。一方、繰返し信号発生回路160eからの繰返し信号φFは、バイアス電圧VPBを高速で安定化させる必要があり、選択回路160gによりこのバイアスVPBが選択されたとき、大きな負荷容量を駆動する必要があるため、繰返し信号φFは、周期が、約100ns程度に設定される。
【0109】
周辺バイアス回路160は、さらに、繰返し信号φに応答してチャージポンプ動作を行なって、バイアス電圧VPBの電圧レベルを保持する第1のVPBレベル保持回路160hと、セルフリフレッシュモード時に生成される内部RAS信号に相当するパルス信号PUに従ってチャージポンプ動作を行ない、出力ノード161へ電荷を供給して、バイアス電圧VPBの電圧レベルを保持する第2のVPBレベル保持回路160iを含む。VPBレベル保持回路160hは、DRAMの待機状態におけるリーク電流によるバイアス電圧VPBのレベル低下を補償するために設けられており、VPB発生回路160fよりも十分小さな電荷供給力を有している。VPBレベル保持回路160iは、DRAMにおいてリフレッシュ動作が行なわれて、基板電流が生じ、この基板のホットキャリア電流によりバイアス電圧VPB(VPBS)が低下するのを防止するため、VPBレベル保持回路160hに比べて十分大きな電荷供給力を有している。
【0110】
回路160b〜160iは、すべて、電源電圧VCCおよび接地電圧を一方および他方動作電源電圧として動作する。
【0111】
この図9に示す構成を利用することにより、後に詳細に説明するように、電源電圧VCCの投入時および変動時において、バイアス電圧VPBの電圧レベルを所定レベルに所定時間内に低消費電力で設定することができる。またVPBレベル保持回路160hおよび160iを設けることにより、大きな電荷供給力を有するVPB発生回路160fの動作期間を短くでき、バイアス電圧VPBを発生するために必要とされる消費電力を低減することができる。また、この図9に示す回路160a〜160gにおいて、高速動作性は要求されないため、後に説明するように一部を除いてしきい値電圧の絶対値の大きなMOSトランジスタが用いられる。次に、この図9に示す周辺バイアス回路の電源投入時における動作を、その動作波形図である図10を参照して説明する。
【0112】
時刻t0において、電源が投入され、電源電圧VCCの電圧レベルが上昇する。この電源電圧VCCの上昇につれて、発振回路160aが動作し、この電源電圧VCCの上昇につれて振幅が上昇する繰返し信号φが生成される(後に説明するように、発振回路160aは、電源電圧VCCが投入されると発振動作を行なう)。繰返し信号φに従って、基準電圧発生回路160cがチャージポンプ動作を行なって、基準電圧VrefPを生成する。この基準電圧VrefPは、差動増幅回路160dの比較段のMOSトランジスタのゲート容量を駆動するだけであり、基準電圧VrefPは、速いタイミングで、所定の電圧レベルに到達する。差動増幅回路160dは、制御信号発生回路160bからの制御信号/φPおよび/φSに従ってバイアス電圧VPBと基準電圧VrefPを比較する。初期状態においては、基準電圧VrefPの電圧レベルはバイアス電圧VPBよりも高いため(出力ノード161の負荷容量は大きい(後に説明するように安定化容量が設けられている))。差動増幅回路160dからの信号PBEが活性状態のHレベルとなる。この信号PBEのHレベルは、電源電圧VCCの上昇に従って上昇する。繰返し信号発生回路160eが、この信号PBEに従って活性化され、繰返し信号φFを出力する。この繰返し信号φFの周期は、約100ns程度と短くされており、VPB発生回路160fは、この繰返し信号φFに従って高速でチャージポンプ動作を行なって出力ノード161へ電荷を供給し、バイアス電圧VPBの電圧レベルを上昇させる。
【0113】
時刻t1において、バイアス電圧VPBの電圧レベルが基準電圧VrefPに等しくなると、差動増幅回路160dからの信号PBEがLレベルとなり、繰返し信号発生回路160eは、繰返し信号φFの発生動作を停止する。応じて、VPB発生回路160fのチャージポンプ動作が停止され、出力ノード161への電荷の供給が停止される。
【0114】
この時刻t1以降は、発振回路160aが発振動作を行なっているだけであり、周辺バイアス回路の消費電力としては、VPBレベル保持回路160hがリーク電流を補償するために電荷を供給するのに使用する電流だけである。このリーク電流は数nA程度と極めて小さいため、このVPBレベル保持回路160hが消費する電流は極めて小さい。したがって、電源投入時にのみ比較的高速動作を行なう消費電力の大きな回路160eおよび160fを所定期間のみ動作させるだけであり、この周辺バイアス回路160の消費電力は十分小さくされる。
【0115】
第2のVPBレベル保持回路160iは、DRAMがデータ保持モード(セルフリフレッシュモード)に入って、リフレッシュ動作を行なったときに基板に流れるホットキャリア電流により低下するバイアス電圧VPBのレベルを上昇させるために動作する。したがって、比較的、この第2のVPBレベル保持回路160iの消費電力は大きいが、セルフリフレッシュモードにおいて、内部RAS信号(パルス信号PU)が出力されるのは、リフレッシュ動作時のみであり、そのリフレッシュ周期は十分長く(百数十μs程度)、データ保持モード時におけるこの第2のVPBレベル保持回路160iの消費電力(平均消費電力)は十分小さくされる。
【0116】
また差動増幅回路160dにおいて、2相の活性期間が互いに重なり合わない制御信号/φPおよび/φSを用いているのは、後に詳細に説明するように比較ノードのプリチャージ動作が確実に完了した後に比較ノードに現れる微少電位差を安定に増幅するためである。次に、各部の構成について説明する。
【0117】
[発振回路]
図11は、図9に示す発振回路160aの構成を示す図である。図11において、発振回路160aは、電源電圧VCCおよび接地電圧を両動作電源電圧として動作し、所定の周期で発振動作を行なうリングオシレータ160aaと、リングオシレータ160aaの出力信号を反転しかつバッファ処理して出力する駆動回路160abを含む。リングオシレータ160aaは、一例として、5段の縦列接続されるCMOSインバータを含む。CMOSインバータは、pチャネルMOSトランジスタP1−i(i=1〜5)と、nチャネルMOSトランジスタN1−iで構成される。pチャネルMOSトランジスタP1−1〜P1−5のバックゲートは対応のソース(電源電圧VCC印加ノード:以下、電源ノードと称す)に接続され、nチャネルMOSトランジスタN1−1〜N1−5のバックゲートは、ソース(接地電圧印加ノード:以下、接地ノードと称す)に接続される。これらのMOSトランジスタのバックゲートとソースとを相互接続することにより、バックゲート効果の影響をなくし、しきい値電圧を一定値に保持する。最終段のCMOSインバータ(MOSトランジスタP1−5およびN1−5)の出力信号は初段のCMOSインバータ(MOSトランジスタP1−1,N1−1)のゲートへ与えられる。このリングオシレータ160aaの周期は、約10μS程度に設定されており、高速動作性は要求されず、MOSトランジスタP1−1〜P1−5およびN1−1〜N1−5のしきい値電圧の絶対値は大きくされている(約0.7V)。また、これらのMOSトランジスタは、大きな負荷を駆動する必要がなく電流駆動力は小さくされ、リングオシレータ160aの消費電流低減を図る。
【0118】
駆動回路160abは、CMOSインバータを構成するpチャネルMOSトランジスタP1−6およびnチャネルMOSトランジスタN1−6を含む。pチャネルMOSトランジスタP1−6のバックゲートは、電源電圧VCCを受けるようにソースに接続され、またnチャネルMOSトランジスタN1−6のバックゲートも、MOSトランジスタN1−6のソースに接続されて接地電圧を受ける。駆動回路160abは、図9に示すように、基準電圧発生回路160c、制御信号発生回路160bおよびVPBレベル保持回路160hへ繰返し信号φを与えており、これらの回路を駆動する必要がある。したがって、比較的大きな電流駆動力を有しており、これらのゲート幅(チャネル幅)Wは比較的大きくされる。しきい値電圧は、リングオシレータ160aaに含まれるMOSトランジスタのそれと同程度である。次に動作について簡単に説明する。
【0119】
電源電圧VCCが投入され、電源電圧VCCが、リングオシレータ160aaに含まれるMOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値よりも高くなる、リングオシレータ160aaが動作し(発振し)、繰返し信号を生成する。このリングオシレータ160aaからの繰返し信号に従って駆動回路160abが、繰返し信号φを出力する。繰返し信号φの振幅は、電源電圧VCCの上昇に従って順次大きくなる(CMOSインバータの動作電源電圧により、繰返し信号φの振幅が決定されため)。このリングオシレータ160aaの周期は、約10μs程度と比較的低速であり、CMOSインバータのスイッチング動作時においてのみ貫通電流が流れて電流が消費される。しきい値電圧の絶対値は大きくされているため、それらのCMOSインバータの出力信号の確定時において、サブスレショルド電流は極めて小さい。したがって、この発振回路160aは、電源投入後常時動作している場合であっても、低消費電力で安定に動作して、繰返し信号φを出力する。
【0120】
[基準電圧発生回路の構成]
図12は、図9に示す基準電圧発生回路160cの構成を示す図である。図12において、基準電圧発生回路160cは、電源ノードVCCとノードNCの間に順方向にダイオード接続されるnチャネルMOSトランジスタN2−1と、ノードNCとノードNDの間に順方向にダイオード接続されるnチャネルMOSトランジスタN2−2と、ノードNDと出力ノードNEとの間に順方向にダイオード接続されるpチャネルMOSトランジスタP2−1と、ノードNEと電源ノードVCCの間に順方向にダイオード接続されかつ互いに直列に接続されるpチャネルMOSトランジスタP2−2およびP2−3と、ノードNAに与えられる繰返し信号φに従ってノードNCへ電荷を供給するチャージポンプキャパシタC2−1と、ノードNBへ与えられる繰返し信号φの反転信号/φに従って電荷をノードNDへ供給するチャージポンプキャパシタC2−2と、ノードNEからの基準電圧VrefPの電圧レベルを安定化するための安定化容量C2−3を含む。pチャネルMOSトランジスタP2−1〜P2−3のバックゲートはそれぞれのソース(高電位側のノード)に接続される。nチャネルMOSトランジスタN2−1およびN2−2のバックゲートは接地電圧を受けるように結合される。nチャネルMOSトランジスタN2−1およびN2−2を用いているのは以下の理由のためである。
【0121】
ノードNCおよびノードNDの電位上昇時においてpチャネルMOSトランジスタを用いた場合、P+領域(ソース/ドレイン)と基板領域が順方向にバイアスされ、基板へ電流が流れる。このP/N接合の順方向バイアスを避けるために、nチャネルMOSトランジスタN2−1およびN2−2が用いられ、かつバックゲートが、そのN+領域の電圧レベルよりも低い接地電圧を受けるように結合される。nチャネルMOSトランジスタN2−1およびN2−2は、バックゲート効果により、そのしきい値電圧が大きくなる。この場合、電源電圧VCCが変動したとき、必要なレベルの基準電圧VrefPを確保できない可能性があるため、しきい値電圧の小さなMOSトランジスタが、nチャネルMOSトランジスタN2−1およびN2−2として用いられる。pチャネルMOSトランジスタP2−1〜P2−3のしきい値電圧は約0.7Vと大きくされる。pチャネルMOSトランジスタP2−1〜P2−3は、そのソース電位は、ドレイン電位よりも常時高いため、バックゲートとソースとが相互接続されて、基板バイアス効果をなくし、しきい値電圧を一定の電圧レベルに保持する。次に動作について簡単に説明する。
【0122】
MOSトランジスタN2−1は、導通時ノードNCへVCC−VTN1の電圧を伝達する。ここで、VTN1は、MOSトランジスタN2−1のしきい値電圧を示す。この状態で、この繰返し信号φがHレベルへ立上がると、チャージポンプキャパシタC2−1のチャージポンプ動作により、ノードNCの電位が、2・VCC−VTN1の電圧レベルにまで上昇する。このとき、繰返し信号/φはLレベルに立下がるため、ノードNDの電位が低下し、MOSトランジスタN2−2が導通し、ノードNDの電位レベルは、2・VCC−VTN1−VTN2の電圧レベルにまで上昇する。ノードNDとノードNEの電位差が、|VTP|以下であれば、MOSトランジスタP2−1はオフ状態になる。この状態において、繰返し信号/φがHレベルに立上がると、ノードNDの電位は3・VCC−VTN1−VTN2に上昇し、MOSトランジスタP2−1が導通し、ノードNEの電位が、3・VCC−VTN1−VTN2−|VTHP|の電圧レベルとなる。ここで、VTPは、MOSトランジスタP2−1のしきい値電圧を示す。すなわち、定常状態においては、ノードNCの電圧V(NC)は、VCC−VTN1と2・VCC−VTN1の間で変化する。ノードNDの電圧V(ND)は、2・VCC−VTN1−VTN2と3・VCC−VTN1−VTN2の間で変化する。したがって、基準電圧VrefPは、3・VCC−VTN1−VTN2−|VTP|の電圧レベルにまで上昇可能である。しかしながら、MOSトランジスタP2−2およびP2−3により、ノードNEへMOSトランジスタP2−1から供給された電荷が電源ノードVCCへバイパスされ、ノードNEからの基準電圧VrefPは、VCC+2|VTP|の電圧レベルに固定される。ここで、pチャネルMOSトランジスタP2−1〜P2−3のしきい値電圧はすべて同じとしている。MOSトランジスタP2−2およびP2−3は、しきい値電圧の絶対値が大きく、またそのバックゲートがソースに接続されており、しきい値電圧VTPが、0.7(V)で一定あり、したがって基準電圧VrefPは、電源電圧VCCよりも1.4(V)高い電圧レベルとなる。このノードNEの基準電圧VrefPは、安定化容量C2−3により安定に保持され、ノイズ等が生じても、安定に所定の電圧レベルの基準電圧VrefPが出力される。次に、基準電圧VrefPの電圧レベルを導出する。
【0123】
nチャネルMOSトランジスタN2−1およびN2−2は、バックゲートが接地されているため、バックゲートバイアス効果が現れる。ノードNCの電圧V(NC)は、次式で表わされる。
【0124】
【数2】
【0125】
|VTH0|=0.38(V)、|K|=0.5(V/2)、|2・φF|=0.6(V)、VCC=2.0(V)と仮定すると、
VTN1=0.7(V)
となる。次に、繰返し信号φによりノードNCを昇圧したときのノードNDの電圧V(ND)は、次式で与えられる。なお、ここで、ノードNCのMOSトランジスタN2−1のしきい値電圧を考慮していないのは、この状態ではMOSトランジスタN2−1は非導通状態であり、ノードNCへの電荷供給は行なわないためである。ノードNC昇圧時において、MOSトランジスタN2−2のしきい値電圧を考慮するのは、MOSトランジスタN2−2が導通し、ノードNCからノードNDへ電荷を供給するためである。
【0126】
【数3】
【0127】
上述の、MOSトランジスタN2−1のしきい値電圧VTN1を導出した条件を用いると、
VTN2=0.86(V)
となる。さらに、ノードNDを、繰返し信号/φにより昇圧したときの出力ノードNEの電圧V(NE)は、pチャネルMOSトランジスタP2−1しきい値電圧をVTPとして次式で与えられる。
【0128】
【数4】
【0129】
VCC=2.0(V)、VTN1=0.7(V)、VTN2=0.86(V)および|VTP|=0.7(V)とすると、
V(NE)=3・2−0.7−0.86−0.7=3.74(V)
となる。すなわち基準電圧VrefPは、3.74Vまで上昇することができる。pチャネルMOSトランジスタP2−2およびP2−3によりノードNEの電圧レベルは、VCC+2|VTP|=2+1.4=3.4(V)の電圧レベルにクランプされる。MOSトランジスタN2−1、N2−2およびP2−2およびキャパシタC2−1およびC2−2によるチャージポンプ回路が出力することのできる電圧(3.74(V))は、基準電圧VrefPに必要とされる電圧(3.4(V))よりも高い電圧レベルであり、したがって十分、必要とされる電圧レベルの基準電圧VrefPを生成することができる。
【0130】
上述のように、しきい値電圧の絶対値の大きなpチャネルMOSトランジスタを用い、かつしきい値電圧の小さなnチャネルMOSトランジスタを用いることにより、低消費電力で、安定に所定の電圧レベルの基準電圧VrefPを生成することができる。
【0131】
[制御信号発生回路の構成]
図13(A)は、図9に示す制御信号発生回路60bの構成を示す図である。図13(A)において、制御信号発生回路160bは、繰返し信号φを受ける3段の縦続接続されるインバータI3−1〜I3−3と、繰返し信号φとインバータI3−3の出力信号とを受けるNAND回路G3−1を含む。NAND回路G3−1から制御信号/φPが出力される。この制御信号発生回路160bは、さらに、繰返し信号φを受ける5段の縦続接続されるインバータI3−4、I3−5。I3−6、I3−7およびI3−8と、繰返し信号φとインバータI3−8の出力信号を受けるNAND回路G3−2を含む。NAND回路G3−2から制御信号φSが出力される。この制御信号発生回路160bは、いわゆるワンショットパルス発生回路の構成を備えており、インバータI3−1〜I3−3が、制御信号/φPの活性期間を決定し、またインバータI3−4〜I3−8が、制御信号φSのLレベルの期間を決定している。インバータI3−1〜I3−3およびインバータI3−4〜I3−8は、それぞれ遅延回路の機能を有しており、インバータI3−4〜I3−8の有する遅延時間は、インバータI3−1〜I3−3が与える遅延時間よりも大きくされている。次に、この図13(A)に示す制御信号発生回路160bの動作を、その動作波形図である図13(B)を参照して、説明する。
【0132】
時刻t0以前において、繰返し信号φがLレベルのときには、制御信号/φPおよびφSはともにHレベルにある。またノードNFの電位は、インバータI3−1〜I3−3により、Hレベルにある。
【0133】
時刻t0において、繰返し信号φがLレベルからHレベルへ立上がっても、インバータI3−3およびI3−8の出力信号はまだHレベルであるため、NAND回路G3−1およびG3−2からの制御信号/φPおよびφSはLレベルとなる。インバータI3−1〜I3−3が有する遅延時間が経過すると、ノードNFの電位がLレベルに低下し、NAND回路G3−1から出力される制御信号/φPがHレベルに立上がる(時刻t1)。このときまだインバータI3−8の出力信号はHレベルであり、制御信号φSは依然Lレベルにある。
【0134】
インバータI3−4〜I3−8が有する遅延時間が経過すると、時刻t2において、インバータI3−8の出力信号がLレベルに立下がり、応じてNAND回路G3−2から出力される制御信号φSがHレベルに立上がる。制御信号/φPのLレベルの期間よりも制御信号φSのLレベルの期間が長くされているのは、後に説明する差動増幅回路における差動増幅操作を安定に行なわせるためである。ここで、制御信号/φPはLレベルのときに活性状態とされ、また制御信号φSはHレベルのときに活性状態とされる。
【0135】
[差動増幅回路の構成]
図14は、図9に示す差動増幅回路160dの構成を示す図である。図14において、差動増幅回路160dは、電源ノードVCCとノードNGとの間に接続され、制御/φPに応答して導通するpチャネルMOSトランジスタP4−1と、電源ノードVCCとノードNHとの間に接続され、制御信号/φPに応答して導通し、ノードNHを電源電圧VCCレベルに充電するpチャネルMOSトランジスタP4−2と、ノードNGとノードNIとの間に接続され、かつそのゲートがノードNHに接続されるnチャネルMOSトランジスタN4−1と、ノードNHとノードNIとの間に接続され、かつそのゲートがノードNGに接続されるnチャネルMOSトランジスタN4−2と、電源ノードVCCとノードNGとの間に直列に接続されるnチャネルMOSトランジスタN4−3およびPチャネルMOSトランジスタP4−3と、電源ノードVCCとノードNHとの間に直列に接続されるnチャネルMOSトランジスタN4−4およびpチャネルMOSトランジスタP4−4と、ノードNG上の電位を反転してMOSトランジスタP4−3のゲートへ与えるインバータI4−1と、ノードNH上の電位を反転してpチャネルMOSトランジスタP4−4のゲートへ与えるインバータI4−2と、ノードNIと接地ノードとの間に接続されかつそのゲートに制御信号φSを受けるnチャネルMOSトランジスタN4−5を含む。これらのMOSトランジスタP4−1〜P4−4およびN4−1〜N4−5のそれぞれのバックゲートは、各それぞれのソースに接続される。nチャネルMOSトランジスタN4−3のゲートへ基準電圧VrefPが与えられ、nチャネルMOSトランジスタN4−4のゲートへバイアス電圧VPBが与えられる。
【0136】
MOSトランジスタP4−1およびP4−2は、ノードNGおよびNHを、電源電圧VCCレベルにプリチャージする機能を備える。MOSトランジスタN4−1およびN4−2は、MOSトランジスタN4−5の導通時活性化されてノードNGおよびNHの微小電位差を差動的に増幅する。MOSトランジスタN4−3およびN4−4は、基準電圧VrefPおよびバイアス電圧VPBの差に応じた電流をノードNGおよびNHへ供給する、電位差検出手段として作用する。MOSトランジスタP4−3およびP4−4は、それぞれ、ノードNDおよびNHの電位レベルがLレベルに低下するとき、インバータI4−1およびI4−2の出力信号に従って非導通状態となり、電源ノードVCCから接地ノードへ流れる電流経路を遮断する。
【0137】
図14に示す差動増幅回路において、MOSトランジスタのサイズは、左右対称に同一寸法を有するように作成される。ただし、MOSトランジスタN4−3およびN4−4は、ほぼ同じ寸法に形成されるが、基準電圧VrefPとバイアス電圧VPBが同じ電圧レベルのときに、出力信号PBEがLレベルとなるように、わずかに(5ないし10%程度)MOSトランジスタN4−4の電流駆動力が大きくされている(たとえば、ゲートの幅Wが大きくされる)。次に、図15に示す動作波形図を参照して、この図14に示す差動増幅回路の動作について説明する。
【0138】
時刻t0以前において、制御信号/φPおよびφSはともにHレベルである。この状態においては、プリチャージ用のMOSトランジスタP4−1およびP4−2は非導通状態であり、MOSトランジスタN4−5が導通状態にあり、基準電圧VrefPおよびバイアス電圧VPBの差に従ってノードNGから出力される信号PBEの電圧レベルが決定されている。
【0139】
時刻t0において、制御/φPおよびφSがともにLレベルに立下がると、MOSトランジスタN4−5が非導通状態とされ、一方プリチャージ用のMOSトランジスタP4−1およびP4−2が導通状態とされる。これにより、ノードNGおよびNHが電源電圧VCCレベルに充電され、信号PBEもHレベルとなる。このノードNGおよびNHの充電により、インバータI4−1およびI4−2の出力信号がLレベルとなり、MOSトランジスタP4−3およびP4−4がともに導通し、電源ノードVCCからノードNGおよびNHへの電流経路が形成される。このとき、ノードNGおよびNHの充電が行なわれるだけであり、電源ノードから接地ノードへの電流経路は遮断されており(MOSトランジスタN4−5は非導通状態)、消費電流は極めてわずかである。
【0140】
時刻t1において、制御/φPがHレベルに立上がり、MOSトランジスタP4−1およびP4−2が非導通状態とされ、ノードNGおよびNHへのプリチャージ動作が完了する。このとき、まだ制御信号φSはLレベルにあり、MOSトランジスタN4−5は非導通状態にあり、比較動作はまだ行なわれない。
【0141】
時刻t2において、制御信号φSがHレベルに立上がると、MOSトランジスタN4−5が導通し、ノードNGおよびNHから接地ノードへの電流経路が形成され、このノードNGおよびNHの微小電位差の差動増幅が行なわれる。今、基準電圧VrefPがバイアス電圧VPBよりも高い場合を考える。この場合、MOSトランジスタN4−4のコンダクタンスはMOSトランジスタN4−3のコンダクタンスよりも小さくなり、MOSトランジスタN4−3およびP4−3を介して電源ノードVCCからノードNGへ流れる電流量は、MOSトランジスタN4−4およびP4−4を介して電源ノードVCCからノードNHへ流れる電流量よりも多くなる。MOSトランジスタN4−1およびN4−2は、MOSトランジスタN4−5の導通時にノードNGおよびNHの放電を開始する。このとき、ノードNGの電位低下は、より多くの電流供給によりノードNHの電位低下よりも遅いため、MOSトランジスタN4−1を介して流れる電流がMOSトランジスタN4−2を介して流れる電流よりも小さくなり、応じて、ノードNHが高速でLレベルへ放電される。ノードNHの電位が低下すると、インバータI4−2の出力信号が上昇し、最終的にMOSトランジスタP4−4が非導通状態とされ、電源ノードVCCからノードNHへの電流が流れる経路が遮断される。これにより、ノードNHは完全に接地電位レベルへ放電され、ノードNGは、ほぼ電源電圧VCCレベルを維持する。したがって、基準電圧VrefPがバイアス電圧VPBよりも高い場合には、出力信号PBEはHレベルを維持する。
【0142】
この比較動作が完了し、ノードNGの電圧レベルがHレベル、ノードNHの電圧レベルがLレベルとされると、MOSトランジスタN4−1およびN4−2を介してほとんど電流は流れないため、この比較動作時における消費電流が低減される。
【0143】
時刻t3において、再び制御信号/φPおよびφSがLレベルに立下がると、比較動作が完了し、再びノードNGおよびNHが電源電圧VCCレベルにプリチャージされる。インバータI4−2の出力信号がLレベルとなり、再びMOSトランジスタP4−4が導通状態とされる。
【0144】
時刻t4において、制御信号/φPがHレベルに立上がり、ノードNGおよびNHのプリチャージ動作が完了し、次いで時刻t5において、制御信号φSがHレベルに立上がり、比較動作および差動増幅動作が実行される。バイアス電圧VPBが上昇し、基準電圧VrefPと等しくなっている場合には、MOSトランジスタN4−3およびN4−4のゲート電圧は同じ電圧レベルであるが、MOSトランジスタN4−4の電流駆動力は、MOSトランジスタN4−3のそれよりも大きくされているため、ノードNHへ流れる電流は、ノードNGへ流れる電流よりも多くなる。したがってこの場合においては、ノードNHがHレベルとされ、ノードNGがLレベルとされる。ノードNGの電位レベルの低下に従って、インバータI4−1の出力信号がHレベルとなり、MOSトランジスタP4−3が非導通状態とされる。
【0145】
制御信号/φPのLレベル期間が、制御信号φSのLレベル期間よりも長くされているため、ノードNGおよびNHのプリチャージが完了し、ノードNGおよびNHが、MOSトランジスタN4−3およびN4−4を介して供給される電流によってのみ充電される状態に設定してから比較および差動増幅動作が安定に行なえる。ここで、電源電圧VCCは2.0V程度であり、基準電圧VrefPは、先に説明したように3.4V程度であり、MOSトランジスタN4−3およびN4−4は、供給電流量は異なるものの、電源電圧VCCをノードNGおよびNHへ伝達することができる。飽和領域でこれらのMOSトランジスタN4−3およびN4−4が動作しており、これらのMOSトランジスタN4−3およびN4−4が供給するドレイン電流は、このゲート電圧の2乗に比例するため、微小な電位差であっても比較的大きな電流差を生じさせることができ、正確にノードNGおよびNHの電圧レベルを基準電圧VrefPおよびバイアス電圧VPBの差に応じた電圧レベルに設定することができる。
【0146】
また、インバータI4−1およびI4−2ならびにpチャネルMOSトランジスタP4−3およびP4−4を用いることにより、比較動作完了後、Lレベルのノードに接続されるpチャネルMOSトランジスタ(P4−3またはP4−4)を非導通状態とすることができ、応じて電源ノードVCCから接地ノードへの電流経路を遮断することができ、消費電流を低減することができる。
【0147】
上述の構成により、低消費電流で微小電位差を正確に検知して電源電圧VCCと接地電圧レベルいずれかの電圧レベルの信号PBEを生成することができる。なお、差動増幅動作完了後は、ノードNGおよびNHは、ともに電源電圧VCCレベルにプリチャージされるまで、nチャネルMOSトランジスタN4−1およびN4−2によりラッチされた状態に保持される。
【0148】
[繰返し信号発生回路の構成]
図16は、図9に示す繰返し信号発生回路160eの構成を示す図である。図16において、繰返し信号発生回路160eは、5段の縦続接続されるインバータI6−1〜I6−5と、差動増幅回路からの出力信号PBEとインバータI6−4の出力信号を受けるNAND回路G6を含む。NAND回路G6の出力信号がインバータI6−1の入力へ与えられる。インバータI6−1〜I6−4は、比較的小さな電流駆動力を有し、一方、信号φFを出力するインバータI6−5は、次段のチャージポンプ動作を行なうVPB発生回路を駆動するために、比較的大きな電流駆動力を有している。次に動作について簡単に説明する。
【0149】
信号PBEがLレベルのとき、先に説明したように、バイアス電圧VPBが基準電圧VrefPの電圧レベルに等しいかまたはそれより高い状態にある。この状態においては、NAND回路G6の出力信号はHレベルに固定され、応じて、信号φFもLレベルに固定される。
【0150】
信号PBEがLレベルにあり、基準電圧VrefPの電圧レベルがバイアス電圧VPBの電圧レベルよりも高いことを示すときには、NAND回路G6は、インバータとして作用し、NAND回路G6およびインバータI6−1〜I6−4が、5段のインバータで構成されるリングオシレータとして動作し、応じてインバータI6−5から出力される信号φFが一定の周期で変化する。このリングオシレータの周期は、100ns程度と比較的短くされ、高速でバイアス電圧VPBを基準電圧VrefPレベルにまで上昇させる。しかしながら、このリングオシレータの周期は100ns程度であり、NAND回路G6およびインバータI6−1〜I6−5は、CMOS回路で構成されているが、特別に高速動作性が要求されないため、これらの構成要素であるMOSトランジスタのしきい値電圧の絶対値は、0.7Vのように大きくされていてもよい。最終段のインバータI6−5のみが大きな電流駆動力を持っているだけであり、インバータI6−1〜I6−4およびNAND回路G6の電流駆動力は小さくてもよいため、これらの繰返し信号発生回路160eの動作時における消費電流は十分に抑制される。
【0151】
[VPB発生回路の構成]
図17は、図9に示すVPB発生回路160fの具体的構成の一例を示す図である。図17において、VPB発生回路160fは、電源ノードVCCとノードNJの間に順方向にダイオード接続されるnチャネルMOSトランジスタN7−1と、ノードNJとノードNKの間に順方向にダイオード接続されるnチャネルMOSトランジスタN7−2と、ノードNKとノードNLの間に順方向にダイオード接続されるpチャネルMOSトランジスタP7−1と、ノードNLと電源ノードVCCの間に順方向にそれぞれがダイオード接続され、かつ互いに直列に接続されるpチャネルMOSトランジスタP7−2およびP7−3と、繰返し信号φFに従って、ノードNJへ電荷を供給するチャージポンプキャパシタC7−1と、繰返し信号/φFに従ってノードNKへ電荷を供給するチャージポンプキャパシタC7−2と、ノードNLからのバイアス電圧VPBを安定化するための安定化容量C7−3を含む。
【0152】
MOSトランジスタN7−1およびN7−2のバックゲートは接地電位を受けるように接続され、MOSトランジスタP7−1およびP7−3のバックゲートはそれぞれの一方導通ノード(ソース)に接続される。
【0153】
この図17に示すVPB発生回路の構成は、実質的に先の図9に示す基準電圧発生回路160cの構成と同じである。したがってMOSトランジスタN7−1およびN7−2のしきい値電圧は小さくされ、またMOSトランジスタP7−1〜P7−3のしきい値の絶対値は大きくされる。MOSトランジスタN7−1およびN7−2はnチャネルMOSトランジスタが用いられ、またバックゲートが接地電位を受けるように接続されているのは、先の図12に示す基準電圧発生回路の場合と同じである。この図17に示すVPB発生回路の構成の場合、バイアス電圧VPBは、VCC+2|VTP|の電圧レベルとなる。繰返し信号φFの周期が、基準電圧発生回路の場合に比べて、100nsと短くされているため、高速でバイアス電圧VPBを所定の電圧レベルに安定化させることができる。チャージポンプ動作による電荷の供給量は、繰返し信号の周波数とチャージポンプキャパシタの容量で決定される。したがってこのとき、高速でバイアス電圧VPBを発生するために、チャージポンプキャパシタC7−1およびC7−2の容量値は、基準電圧発生回路のそれよりも大きくされてもよい。
【0154】
この図17に示すVPB発生回路においても、図12に示す基準電圧発生回路160cの構成と同様、低消費電流でかつ高速でバイアス電圧VPBを生成することができる。
【0155】
[第1のVPBレベル保持回路の構成]
図18は、図9に示す第1のVPBレベル保持回路160hの構成を示す図である。図18において、VPBレベル保持回路160hは、電源ノードVCCとノードNMの間に順方向にダイオード接続されるnチャネルMOSトランジスタN8−1と、ノードNMとノードNNの間に順方向にダイオード接続されるnチャネルMOSトランジスタN8−2と、ノードNNと出力ノードNOの間に順方向にダイオード接続されるpチャネルMOSトランジスタP8と、繰返し信号φに従ってノードNMへ電荷を供給するチャージポンプキャパシタC8−1と、繰返し信号/φに従って、ノードNNへ電荷を供給するチャージポンプキャパシタC8−2を含む。MOSトランジスタN8−1およびN8−2のバックゲートは接地電圧を受けるように接続される。MOSトランジスタP8のバックゲートはノードNNに接続される。ノードNOはVPB発生回路160fの出力ノードNLに接続される。
【0156】
この図18に示すVPBレベル保持回路160hの構成は、図17に示すVPB発生回路の出力段のクランプ回路および安定化容量を除く構成と同じである。したがって、このVCBレベル保持回路160hは、ノードNOに対し、3・VCC−VTN1−VTN2−|VTP|の電圧レベルを供給する。ここで、VTN1およびVTN2は、MOSトランジスタN8−1およびN8−2のそれぞれのしきい値電圧を示し、VTPは、MOSトランジスタP8のしきい値電圧を示す。この電圧は図17のバイパス用MOSトランジスタP7−2,P7−3により電源ノードVCCへ放電され、ノードNOの電圧レベルはVCC+2|VTP|となる。この第1のレベル保持回路160hは、単にノードNOから出力されるバイアス電圧VPBがその待機状態においてリーク電流により低下するのを防止するために用いられる。このリーク電流は、数nAと極めて小さいため、この第1のレベル保持回路の電荷供給力も十分小さくされる。したがって、チャージポンプキャパシタC8−1およびC8−2の容量も、数pF程度の容量値が用いられる。したがって繰返し信号φおよび/φに従って常時チャージポンプ動作を行なって電荷をノードNOへ供給しても、その消費電力は極めて小さい。また、MOSトランジスタN8−1およびN8−2は、バックゲートが接地電圧を受けるように接続されているのは、図12に示す基準電圧発生回路および図17に示すVPB発生回路160fの場合と同じである。
【0157】
[第2のVPBレベル保持回路]
図19は、図9に示す第2のレベル保持回路160iの具体的構成を示す図である。図19において、第2のVPBレベル保持回路160iは、電源ノードVCCとノードNPの間に順方向にダイオード接続されるnチャネルMOSトランジスタN9−1と、ノードNPとノードNQの間に順方向にダイオード接続されるnチャネルMOSトランジスタN9−2と、ノードNQと出力ノードNRの間に順方向にダイオード接続されるpチャネルMOSトランジスタP9と、パルス信号/PUに従ってノードNPへ電荷を供給するチャージポンプキャパシタC9−1と、パルス信号PUに従ってノードNQへ電荷を供給するチャージポンプキャパシタC9−2を含む。MOSトランジスタN9−1およびN9−2のバックゲートは接地電圧を受けるように接続される。MOSトランジスタN9−1およびN9−2が用いられ、またそのバックゲートが接地電圧を受けるように接続されているのは、先の基準電圧発生回路およびVPB発生回路および第1のVPBレベル保持回路の場合と同じである。ノードNRは図17のノードNOに接続される。
【0158】
パルス信号PUはセルフリフレッシュモード時において、リフレッシュが行なわれるときに活性状態のHレベルとされる内部RAS信号に相当する。このリフレッシュ動作時において、センスアンプが動作し、ビット線の充放電が行なわれ、比較的大きな基板電流が流れるため、バイアス電圧VPBの電圧レベルがこの基板電流によるホットキャリア電流のために低下する可能性がある。このホットキャリア電流によるバイアス電圧VPBの低下を補償するために、第2のレベル保持回路160iが設けられており、したがってチャージポンプキャパシタC9−1およびC9−2は比較的大きな容量値(数十〜数百pF)を有している。リフレッシュが行なわれるときには、パルス信号PUがHレベルとされ、ノードNQの電圧レベルが上昇し、MOSトランジスタP9が導通し、ノードNRへ正電荷が供給される。したがって、バイアス電圧VPBの低下する可能性のあるときにノードNRへ正電荷を供給しておくことにより、このバイアス電圧VPBすなわち基板バイアス電圧の低下を抑制することができる。
【0159】
この図19に示す第2のVPBレベル保持回路160iの動作は、先の図17および図18に示す回路と同じであり、用いられる繰返し信号の種類が異なるだけである。通常動作モード時においては、パルス信号PUは、Lレベルの非活性状態とされる。しかしながら、この通常動作モード時においてはバイアス電圧VPBは用いられず、選択回路により電源電圧VCCが選択されて使用される。したがってこの場合には、基板電流の影響によりバイアス電圧VPBは低下する可能性はないため、特に電荷を供給する必要はない。
【0160】
以上のように、この第2のVCBレベル保持回路を設けることにより、データ保持動作モード時(セルフリフレッシュモード時)において、リフレッシュ動作が行なわれても、安定にバイアス電圧VPB(基板バイアス電圧VPBS)を指定の電圧レベルに保持することができる。また、その動作サイクルも、リフレッシュサイクルと同じであり、リフレッシュ時に消費される電流50μAに比べて小さく、消費電力の増加は、大きな影響は及ぼさない。
【0161】
[選択回路の構成]
図20(A)は、図9に示す選択回路160gの具体的構成を示す図である。図20(A)において、選択回路160gは、バイアス電圧VPBの供給ノードNUとノードNVの間に接続されかつそのゲートがノードNSに接続されるpチャネルMOSトランジスタP20−1と、ノードNUとノードNSの間に接続されてかつそのゲートがノードNVに接続されるpチャネルMOSトランジスタP20−2と、ノードNVと接地ノードの間に接続されかつそのゲートがセルフリフレッシュ活性化信号SELFを受けるように接続されるnチャネルMOSトランジスタN20−1と、ノードNSと接地ノードの間に接続されるnチャネルMOSトランジスタN20−2と、セルフリフレッシュ活性化信号SELFを反転するCMOSインバータを構成するpチャネルMOSトランジスタP20−3およびnチャネルMOSトランジスタN20−3と、ノードNUと出力ノードNTの間に接続されかつそのゲートがノードNVに接続されるpチャネルMOSトランジスタP20−4と、出力ノードNTと電源ノードVCCの間に接続されかつそのゲートがノードNSに接続されるpチャネルMOSトランジスタP20−5を含む。
【0162】
MOSトランジスタP20−3およびN20−3で構成されるCMOSインバータは、電源電圧VCCおよび接地電圧を両動作電源電圧として動作する。pチャネルMOSトランジスタP20−5を除いて、MOSトランジスタのバックゲートは、それぞれのソースに接続される。pチャネルMOSトランジスタP20−5のバックゲートは、ノードNUに接続されてバイアス電圧VPBを受ける。MOSトランジスタP20−5のバックゲートを電源電圧VCCを受けるように接続した場合、出力ノードNTの電圧がバイアス電圧VPBレベルとなったとき、このMOSトランジスタP20−5において、基板領域を介してバイアス電圧VPBからの電荷が電源ノードVCCへ流れるためこれを防止する。また、MOSトランジスタP20−5のバックゲートをノードNTに接続した場合、基板バイアス電圧VPBSが電源電圧VCCからバイアス電圧VPBへ切換えられるため、このMOSトランジスタP20−5の基板領域の充電も併せて行なう必要があり、基板バイアス電圧VPBSの上昇が遅れるためこれを防止する。MOSトランジスタP20−5のバックゲートを常時バイアス電圧VPBに固定しておくことにより、MOSトランジスタP20−5における基板領域のリーク電流を防止することができ、低消費電力で高速で基板バイアス電圧VPBSをバイアス電圧VPBレベルに上昇させることができる。次にこの図20(A)に示す選択回路160gの動作をその動作波形図である図20(B)を参照して説明する。
【0163】
この図20(A)に示す選択回路は、いわゆるレベル変換回路と言われるものであり、低電力消費で、低い信号電圧系から高い信号電圧系への変換を行なう。この図20(A)に示す構成においては、2V振幅の信号SELFにより、基板バイアス電圧VPBSを、2V(VCC)と3.4V(VPB)の一定電圧の間で切換える。
【0164】
通常動作モード時においては、セルフリフレッシュ活性化信号SELFが、Lレベルであり、MOSトランジスタN20−1が非導通状態、MOSトランジスタN20−2が、CMOSインバータ(MOSトランジスタP20−3およびN20−3)からのHレベルの信号により、導通状態とされる。したがって、この状態において、ノードNSが、MOSトランジスタN20−2により接地電圧レベルに放電され、MOSトランジスタP20−1が導通し、ノードNVがバイアス電圧VPBレベルに充電され、MOSトランジスタP20−2が非導通状態とされる。したがってこの状態においては、MOSトランジスタP20−5が導通し、ノードNTへは、電源電圧VCCが伝達され、電源電圧VCCレベルの基板バイアス電圧VPBSが出力される。このとき、MOSトランジスタP20−4は、そのゲート電圧がバイアス電圧VPBレベルであり、非導通状態にある。ノードNSおよびNVの電圧レベルが、それぞれLレベルおよびHレベル(バイアス電圧VPBレベル)となると、このレベル変換回路においては、サブスレッショルド電流を除いて電流は流れない。したがって、低消費電流特性が実現される。この選択回路160gは、高速動作性は要求されないため、したがって構成要素であるMOSトランジスタは、このサブスレッショルド電流を抑制するため、高いしきい値電圧(0.7V)のMOSトランジスタが用いられる。
【0165】
セルフリフレッシュモードにおいては、セルフリフレッシュ活性化信号SELFがHレベルとされ、通常動作モード時と逆に、MOSトランジスタN20−1が導通状態、MOSトランジスタN20−2が非導通状態とされる。これにより、ノードNVの電位が接地レベルとなり、MOSトランジスタP20−2が導通し、ノードNSを充電するMOSトランジスタN20−2は導通状態となり、ノードNSの電位レベルは、バイアス電圧VPBレベルまで上昇し、MOSトランジスタP20−1が非導通状態とされ、ノードNVは接地電位レベルに保持される。したがってこの状態において,MOSトランジスタP20−4が導通状態、MOSトランジスタP20−5が非導通状態とされ、出力ノードNTへは、バイアス電圧VPBが伝達され、周辺回路のpチャネルMOSトランジスタ形成領域の基板領域へ印加されるバイアス電圧VPBSの電圧レベルが上昇する。
【0166】
この切換動作時においては、CMOSインバータ(MOSトランジスタP20−3およびN20−3)に貫通電流が生じるだけであり、残りの部分においては、ノードNUから接地電位へ切換時電流が少し流れるだけであり、電源電流に対する低消費電力が実現され、またバイアス電圧VPBの低下も抑制される。
【0167】
[VNBS発生部の構成]
図21は、nチャネルMOSトランジスタ(NMOS)トランジスタの基板領域へ印加される基板バイアス電圧VNBSを発生する部分の構成を示す図である。この図21に示す構成は、図9に示す周辺バイアス回路160に含まれる。
【0168】
図21において、周辺バイアス回路160のVNBS発生部は、発振回路160aからの繰返し信号φに応答して活性期間の異なる制御信号/φPおよび/φSを生成する制御信号発生回路160kと、繰返し信号φに応答して負の一定の電圧レベルの基準電圧VrefNを生成する基準電圧発生回路160lと、制御信号/φPおよび/φS(またはφS)に応答して選択的に活性化され、基準電圧VrefNと出力ノード162上のバイアス電圧VNBを比較し該比較結果を示す信号NBEを出力する差動増幅回路回路160mと、差動増幅回路160mからの信号NBEに応答して選択的に活性化され、活性化時繰返し信号φFを出力する繰返し信号発生回路160nと、繰返し信号φFに応答してチャージポンプ動作を行なって負のバイアス電圧VNBを生成するVNB発生回路160oと、セルフリフレッシュ活性化信号SELFに従ってバイアス電圧VNBおよび接地電圧VSSの一方を選択して基板バイアス電圧VNBSとして出力する選択回路160pを含む。発振回路160aは、先の図9に示すバイアス電圧VPBを発生するために用いられる発振回路と共用される。これらの回路160k〜160oは、電源電圧VCCおよび接地電圧(VSS)を一方および他方動作電源電圧として動作する。
【0169】
VNBS発生部は、さらに、繰返し信号φに応答して出力ノード162上に負の電荷を供給するVNBレベル保持回路160qと、セルフリフレッシュモード時のリフレッシュ動作時に活性状態とされるパルス信号PUに応答して活性化され、出力ノード162上へ負の電荷を供給するVNBレベル保持回路160rを含む。VNBレベル保持回路160qは、待機状態時におけるリーク電流によるバイアス電圧VNBの上昇を抑制するために負の電荷を供給することが要求されるだけであり、小さな電荷供給力を有する。一方、VNBレベル保持回路160rは、リフレッシュ動作時において流れるホットキャリア電流によるバイアス電圧VNBの上昇を抑制するために、比較的大きな電荷供給力を持って出力ノード162上に負の電荷を供給する。選択回路160pは、セルフリフレッシュ活性化信号SELFの活性化時には、バイアス電圧VNBを選択し、一方、セルフリフレッシュ活性化信号SELFの非活性化時には、接地電圧VSSを選択する。
【0170】
次に、この図21に示すVNPS発生部の電源投入時における動作を図22に示す波形図を参照して説明する。
【0171】
時刻t0において電源が投入され、電源電圧VCCが上昇する。発振回路160aが、この電源投入により、発振動作を行ない、所定の周期で繰返し信号φを出力する。この繰返し信号φに従って基準電圧発生回路160lがチャージポンプ動作を行なって、負の電圧レベルの基準電圧VrefNを生成する。この基準電圧VrefNは、差動増幅回路160mの入力部のゲート容量を放電するだけであり、基準電圧VrefNは高速で所定の電圧レベルに到達する。バイアス電圧VNBは、基準電圧VrefNよりも高い(絶対値が小さい)ため、差動増幅回路160mからの信号NBEはHレベルであり(その電圧レベルは電源電圧VCCの上昇とともに上昇する)、繰返し信号発生回路160nが発振動作を行ない、所定の周期(約100ns)で繰返し信号φFを出力する。この繰返し信号φFに従ってVNB発生回路160oがチャージポンプ動作を行なって、出力ノード162へ負の電荷を供給し、バイアス電圧VNBの電圧レベルを低下させる。この出力ノード162の容量は、大きいため、バイアス電圧VNBは、基準電圧VrefNに比べて緩やかに所定の電圧レベルに到達する。
【0172】
時刻t1において、バイアス電圧VNBと基準電圧VrefNが等しくなると、差動増幅回路160mからの信号NBEがLレベルに固定され、繰返し信号発生回路160nの発振動作が停止される。電源投入後繰返し信号発生回路160nからの比較的高速(周期100ns程度)の繰返し信号φFを用いてVNB発生回路160oにチャージポンプ動作を行なわせることにより、高速で所定の電圧レベルのバイアス電圧VNBを生成することができる。バイアス電圧VNBが所定の基準電圧VrefNのレベルに到達したときには、このVNB発生部の動作は停止されるため電流消費が生じない。VNBレベル保持回路160qが繰返し信号φに従ってチャージポンプ動作を行なうが、出力ノード162におけるリーク電流を補償するためにこのVNBレベル保持回路160qが動作しているだけであり、その消費電流は数nAと極めて小さい。この図21に示すVNBS発生回路の構成は、図9に示すVPBS発生部の構成と実質的に同じであり、基準電圧VrefNおよびバイアス電圧VNBが負の電圧レベルであり、一方、基準電圧VrefPおよびバイアス電圧VPBが正の電圧である点が異なっているだけである。次に各部の構成について説明する。
【0173】
[基準電圧発生回路の構成]
図23は、図21に示す基準電圧発生回路160lの具体的構成を示す図である。図23において、基準電圧発生回路160lは、接地ノードとノードDaの間に逆方向にダイオード接続されるpチャネルMOSトランジスタP22−1と、ノードDaとノードDbの間に逆方向にダイオード接続されるpチャネルMOSトランジスタP22−2と、ノードDbとノードDcの方向に逆方向にダイオード接続されるnチャネルMOSトランジスタN22−1と、ノードDcと接地ノードの間に互いに直列に接続されかつ逆方向にダイオード接続されるnチャネルMOSトランジスタN22−2およびN22−3と、繰返し信号φに応答して、ノードDaへ電荷を供給するチャージポンプキャパシタC22−1と、繰返し信号/φに応答してノードDbへ電荷を供給するチャージポンプキャパシタC22−2と、ノードDcからの基準電圧VrefNを安定化するための安定化容量C22−3を含む。
【0174】
pチャネルMOSトランジスタP22−1およびP22−2のバックゲートは電源電圧VCCを受けるように接続される。nチャネルMOSトランジスタN22−1〜N22−3のバックゲートはそれぞれソースに接続される。pチャネルMOSトランジスタP22−1およびP22−2が設けられているのは、チャージポンプキャパシタC22−1およびC22−2のチャージポンプ動作により、ノードDaおよびDbの電位が低下したとき、MOSトランジスタの基板領域と一方導通ノードとが導通するのを防止するためである。またpチャネルMOSトランジスタP22−1およびP22−2としては、しきい値電圧の絶対値の小さなpチャネルMOSトランジスタが用いられる。バックゲートバイアス効果を低減し、かつ必要なレベルの基準電圧VrefNを生成するためである。これは、先の図12に示す基準電圧発生回路160cにおいてnチャネルMOSトランジスタが用いられているのと同じ理由でこれらのpチャネルMOSトランジスタP22−1およびP22−2が用いられている。次に動作について説明する。
【0175】
繰返し信号φがHレベルであり、繰返し信号/φがLレベルのとき、ノードDaへは正電荷が注入され、一方ノードDbは、正電荷が引抜かれる。ノードDaの電位上昇によりpチャネルMOSトランジスタP22−1が導通するため、ノードDaは接地電位レベルに放電され、ノードDaの電位は、|VTP1|レベルにクランプされる。ここで、VTP1は、MOSトランジスタP22−1のしきい値電圧を示す。一方、ノードDbの電位低下により、pチャネルMOSトランジスタP22−2は、逆バイアスされるため、非導通状態とされ、一方nチャネルMOSトランジスタN22−1が導通し、出力ノードDcから正電荷を引抜き、ノードDcの電位レベルを低下させる。
【0176】
繰返し信号φがLレベルとされ、繰返し信号/φがHレベルとされると、ノードDbの電位は上昇し、nチャネルMOSトランジスタN22−1が非導通状態とされ、一方、ノードDaの電位レベルが低下し、pチャネルMOSトランジスタP22−2が導通し、ノードDbの電位を低下させる。このとき、pチャネルMOSトランジスタP22−1は非導通状態にある。繰返し信号φおよび/φを繰返し与えることにより、ノードDaの電位は、|VTP1|と|VTP1|−VCCの間で変化する。ノードDaの電位がLレベルのときに、ノードDbがプリチャージされるため、ノードDbの電位は、電位|VTP1|+|VTP2|−VCCと|VTP1|+|VTP2|−2・VCCの間で変化する。ノードDcの電位は、ノードDbの電位よりもnチャネルMOSトランジスタN22−1のしきい値電圧VTNだけ高くなるため、ノードDcは、VTP+|VTP1|+|VTP2|−2・VCCの電位レベルまで低下することができる。しかしながら、nチャネルMOSトランジスタN22−2およびN22−3により、ノードDcの電位は、−2・VTNの電位レベルに固定される。ここで、接地電圧VSSを0Vとしている。先の図12に示す基準電圧発生回路160cにおいて出力電圧を算出したのと同じ方法でpチャネルMOSトランジスタP22−1およびP22−2のしきい値電圧の絶対値が得られる(先の図12に示すMOSトランジスタN2−1およびN2−2のしきい値電圧VTN1およびVTN2にこれらのMOSトランジスタP22−1およびP22−2のしきい値電圧の絶対値が対応している)。したがって、同様の条件を用いることにより、次式が得られる。
【0177】
|VTP1|=0.7(V)、|VTP2|=0.86(V)
したがって、出力ノードDcに発生することの電圧V(Dc)は、次式で与えられる。
【0178】
V(Dc)=−(2・VCC−|VTP1|−|VTP2|−VTN)
=−(2・2−0.7−0.86−0.7)=−1.74(V)
MOSトランジスタN22−2およびN22−3により決定される電圧レベルは、−2・VTNであり、この電圧レベルが基準電圧VrefNを決定している。したがって、基準電圧VrefNに必要とされる電圧レベルは、−2・VTN=−2・0.7=−1.4である。したがって、確実に、必要とされる電圧レベルの基準電圧VrefNを得ることができる。
【0179】
[差動増幅回路の構成]
図24(A)は、図21に示す差動増幅回路160fの具体的構成を示す図である。図24(A)において、差動増幅回路回路160mは、電源ノードVCCとノードDdの間に接続されかつそのゲートに制御信号/φPを受けるpチャネルMOSトランジスタP23−1と、電源ノードVCCとノードDeの間に接続されかつそのゲートに制御信号/φPを受けるpチャネルMOSトランジスタP23−2と、ノードDdとノードDfの間に接続されかつそのゲートがノードDeに接続されるnチャネルMOSトランジスタN23−1と、ノードDeとノードDfの間に接続されかつそのゲートがノードDdに接続されるnチャネルMOSトランジスタN23−2と、ノードDfと接地ノード(VSS)との間に接続されかつそのゲートに制御信号φSを受けるnチャネルMOSトランジスタN23−5とを含む。
【0180】
pチャネルMOSトランジスタP23−1およびP23−2は、同じサイズを備え、制御/φPのLレベルのときに導通して、ノードDdおよびDeを電源電圧VCCレベルにプリチャージする。nチャネルMOSトランジスタN23−1およびN23−2は、フリップフロップを構成し、nチャネルMOSトランジスタN23−5の導通時活性化され、ノードDdおよびDeの電位を差動増幅する。
【0181】
差動増幅回路160mは、さらに、電源ノードVCCとノードDdの間に直列に接続されるpチャネルMOSトランジスタP23−3およびP23−4と、ノードDdの電位を反転して、pチャネルMOSトランジスタP23−4のゲートへ与えるインバータI23−1と、電源ノードVCCとノードDeの間に互いに直列に接続されるpチャネルMOSトランジスタP23−5およびP23−6と、ノードDe上の電位を反転して、pチャネルMOSトランジスタP23−6のゲートへ与えるインバータI23−2を含む。MOSトランジスタP23−3およびP23−5のゲートへ電圧VrefNおよびVNBが与えられる。
【0182】
この図23に示す差動増幅回路160mの構成は、先の図14に示す差動増幅回路160dと、電圧VrefNおよびVNBの差を検出するためにpチャネルMOSトランジスタP23−3およびP23−5が用いられている点を除いては同じ構成である。したがって、この図23に示す差動増幅回路160mにおいても、MOSトランジスタのサイズは、左右対称に同じとされる。ただし、pチャネルMOSトランジスタP23−5の電流駆動力は、pチャネルMOSトランジスタP23−3のそれよりも少し(5ないし10%)大きくされる。これにより、基準電圧VrefNとバイアス電圧VNBが等しいときに、pチャネルMOSトランジスタP23−5からより多くの電流が流れる。動作は、先の図14に示す差動増幅回路のそれと実質的に同じであるが、以下に簡単に図24(B)に示す波形図を参照して説明する。
【0183】
時刻t0において、制御/φPおよびφSがともにLレベルとなると、pチャネルMOSトランジスタP23−1およびP23−2により、ノードDdおよびDeがVCCレベルにプリチャージされる。時刻t1において、制御信号/φPがHレベルに立上がり、MOSトランジスタP23−1およびP23−2が非導通状態とされ、ノードDdおよびDeのプリチャージ動作が完了する。この時点において、まだ制御信号φSはLレベルにあり、MOSトランジスタN23−5は非導通状態にある。また、インバータI23−1およびI23−2により、pチャネルMOSトランジスタP23−4およびP23−6は導通状態にある。時刻t2において、制御信号φSがHレベルに立上がると、MOSトランジスタN23−5が導通し、MOSトランジスタN23−1およびN23−2により差動増幅動作が開始される。基準電圧VrefNがバイアス電圧VNBよりも低い場合には、pチャネルMOSトランジスタP23−3のコンダクタンスがpチャネルMOSトランジスタP23−5のそれよりも大きくなり、電源ノードVCCからノードDdへより多くの電流が流れる。したがって、ノードDeが、MOSトランジスタN23−2およびN23−5により放電されて接地電位レベルへと低下し、ノードDdは、電源電圧VCCレベルを維持する。この状態においては、信号NBEはHレベルを維持する。ノードDdおよびDeがそれぞれHレベルおよびLレベルに変化すると、インバータI23−2により、pチャネルMOSトランジスタP23−6が非導通状態とされ、電源ノードVCCからノードDeへの電流経路が遮断される。したがって、比較動作完了後においては、電源ノードVCCから接地ノードVSSへ流れる電流の経路は存在せず、消費電流は抑制される。
【0184】
時刻t3において、再び制御信号/φPおよびφSがLレベルにセットされ、ノードDbおよびDeが電源電圧VCCレベルにプリチャージされる。時刻t4において、制御信号/φPがHレベルに立上がり、応じて時刻t5において、制御信号φSがHレベルに立上がる。基準電圧VrefNとバイアス電圧VNBの電圧レベルが等しい場合、先に説明したように、pチャネルMOSトランジスタP23−5の電流駆動力は、pチャネルMOSトランジスタP23−3のそれよりも大きくされているため、ノードDeへより多くの電流が供給される。したがって、ノードDdが接地電位レベルへと放電される。このノードDdの電位低下により、インバータI23−1の出力信号がHレベルとなり、pチャネルMOSトランジスタP23−4が非導通状態とされる。この状態においては、ノードDdからの信号NBEがLレベルとされる。
【0185】
この差動増幅回路160mにおいても、制御信号/φPおよびφSの活性化期間を異ならせているのは、ノードDdおよびDeのプリチャージ動作が完了し、ノードDdおよびDeが確実にMOSトランジスタP23−3およびP23−5から充電される状態にされた後に比較動作(差動増幅動作)を行なうためである。この差動増幅回路160mにおいても、高速動作性は要求されないため、しきい値電圧の絶対値の大きなMOSトランジスタが用いられる。これにより、サブスレッショルド電流の低減が図られる。
【0186】
[繰返し信号発生回路の具体的構成]
図25は、図21に示す繰返し信号発生回路160nの具体的構成を示す図である。図25において、5段の縦続接続されるインバータI25−1〜I25−5と、インバータI25−4の出力信号と信号NBEを受けるNAND回路G25を含む。NAND回路G25の出力信号が初段のインバータI25−1の入力へ与えられる。インバータI25−5から繰返し信号φFが与えられる。この図25に示す繰返し信号発生回路160nの構成は、図16に示す繰返し信号発生回路160eの構成と実質的に同じである。NAND回路G25およびインバータI25−1〜I25−5は、発振周期が100ns程度であり、高速動作性は特に要求されないため、しきい値電圧の大きなMOSトランジスタを構成要素として備える。また、次段のVNB発生回路160oを駆動するのは、インバータI25−5のみであり、このインバータI25−5の電流駆動力は大きくされるが、残りのインバータI25−1〜I25−4およびNAND回路G25の電流駆動力は比較的小さくされる。これにより、低消費電流を実現する。
【0187】
信号NBEがLレベルのとき、NAND回路G25の出力信号がHレベルに固定され、応じて繰返し信号φFもLレベルに固定される。一方、信号NBEがHレベルのときには、NAND回路G25がインバータとして作用し、この繰返し信号発生回路160nは、5段のインバータで構成されるリングオシレータとして動作する。これにより、繰返し信号φFが、一定の周期で変化する。
【0188】
[VNB発生回路の具体的構成]
図26は、図21に示すVNB発生回路160oの具体的構成を示す図である。図26においては、VNB発生回路160oは、接地ノードVSSとノードDgの間に逆方向にダイオード接続されるpチャネルMOSトランジスタP26−1と、ノードDgとノードDhの間に逆方向にダイオード接続されるpチャネルMOSトランジスタP26−2と、ノードDhとノードDiの間に逆方向にダイオード接続されるnチャネルMOSトランジスタN26−1と、ノードDiと接地ノードVSSの間に、互いに直列に接続されかつ各々が逆方向にダイオード接続されるnチャネルMOSトランジスタN26−2およびN26−3と、繰返し信号φFに応答してノードDgへ電荷を供給するチャージポンプキャパシタC26−3と、繰返し信号/φFに応答してノードDhへ電荷を供給するチャージポンプキャパシタC26−2と、ノードDiからのバイアス電圧VNBを安定化するための安定化容量C26−3を含む。この図26に示すVNB発生回路160oの構成は、先の図22に示す基準電圧発生回路160lの構成と実質的に同じである。与えられる繰返し信号が異なるだけである。したがって、この図26に示すVNB発生回路160oは、−2・VTNの電圧レベルのバイアス電圧VNBを出力する。ここでVTNは、MOSトランジスタN26−2およびN26−3のしきい値電圧を示す。また、pチャネルMOSトランジスタP26−1およびP26−2が用いられており、またそのバックゲートが電源電圧VCCを受けるように接続されている理由は、先の基準電圧発生回路160lの場合と同じである。高速の繰返し信号φFおよび/φFを用いてチャージポンプ動作を行なうことにより、高速で所定時間内に一定の電圧レベルのバイアス電圧VNBを出力することができる。
【0189】
[第1のVNBレベル保持回路の具体的構成]
図27は、図21に示す第1のVNBレベル保持回路160qの具体的構成を示す図である。図27において、第1のVNBレベル保持回路160qは、接地ノードVSSとノードDjの間に逆方向にダイオード接続されるpチャネルMOSトランジスタP27−1と、ノードDjとノードDkの間に逆方向にダイオード接続されるpチャネルMOSトランジスタP27−2と、ノードDkとノードDnの間に逆方向にダイオード接続されるnチャネルMOSトランジスタN27と、繰返し信号φに応答してノードDjへ電荷を供給するチャージポンプキャパシタC27−1と、繰返し信号/φに応答してノードDkへ電荷を供給するチャージポンプキャパシタC27−2を含む。このMOSトランジスタP27−1およびP27−2のそれぞれのバックゲートは、電源電圧VCCを受けるように接続される。pチャネルMOSトランジスタP27−1およびP27−2が用いられているのは、先の基準電圧発生回路160lの場合と同じである。この図27に示す第1のVNBレベル保持回路160qの構成においては、ノードDlをクランプするためのnチャネルMOSトランジスタは設けられていない。したがって、ノードDlの電位は、−2・VCC−|VTP1|−|VTP2|−VTNに到達可能である。しかしながら、このノードDlは、図26に示すnチャネルMOSトランジスタN26−2およびN26−3により接地電位レベルへと充電されるため、ノードDlの電位レベルは、−2・VTNの電位レベルとなる。
【0190】
この図27に示すVNBレベル保持回路160qは、待機状態時におけるリーク電流を補償するだけであり、チャージポンプキャパシタC27−1およびC27−2の容量値は数pFと小さくされており、消費電流は十分抑制されている。
【0191】
この図27に示す構成においても、pチャネルMOSトランジスタP27−1およびP27−2が用いられている理由およびこれらのバックゲートが電源電圧VCCを受ける理由は、先の図26に示すVNB発生回路160oの場合と同じである。繰返し信号φおよび/φに応答して常時チャージポンプ動作を行なっても、十分に消費電流を抑制することができる。
【0192】
[第2のVNBレベル保持回路の具体的構成]
図28は、図21に示す第2のVNBレベル保持回路160rの具体的構成を示す図である。図28において、第2のVNBレベル保持回路160rは、接地ノードVSSとノードDmの間に逆方向にダイオード接続されるpチャネルMOSトランジスタP28−1と、ノードDmとノードDnの間に逆方向にダイオード接続されるpチャネルMOSトランジスタP28−2と、ノードDnとノードDoの間に逆方向にダイオード接続されるnチャネルMOSトランジスタN28と、パルス信号PUに従ってノードDmへチャージポンプ動作により電荷を供給するチャージポンプキャパシタC28−1と、パルス信号/PUに応答してノードDnへチャージポンプ動作により電荷を供給するチャージポンプキャパシタC28−2を含む。このノードDoは、VNB発生回路160oの出力ノードに接続される。
【0193】
この図28に示す第2のVNBレベル保持回路160rの構成は、先の図27に示す第1のVNBレベル保持回路160qの構成と同じであり、同様に動作する。ただし、リフレッシュ動作時におけるホットキャリア電流によるバイアス電圧VNBのレベル上昇を補償するために、内部RALS信号に相等するパルス信号が用いられており、またチャージポンプキャパシタC28−1およびC28−2の容量値は、数十ないし数百pFと比較的大きくされる。リフレッシュ動作が行なわれるとき、パルス信号/PUがHレベルからLレベルに低下し、ノードDnの電位レベルを低下させ、ノードDoからノードDnへ正電荷を引抜き、バイアス電圧VNBの電圧レベルを低下させる。これにより、リフレッシュ動作時における基板電流によるバイアス電圧VNBの変動を抑制する。この第2のVNBレベル保持回路160rにおいても、ノードDoは、図26に示すVNB発生回路160oの出力ノードDiに接続されており、その電位レベルは、MOSトランジスタN26−2およびN26−3により、−2・VTNレベルにクランプされる。
【0194】
[選択回路の具体的構成]
図29(A)は、図21に示す選択回路160pの具体的構成を示す図である。図29(A)において、選択回路160pは、セルフリフレッシュ活性化信号SELFを反転するCMOSインバータを構成するpチャネルMOSトランジスタP21−1およびnチャネルMOSトランジスタN29−1と、セルフリフレッシュ活性化信号SELFの非活性化時導通し、ノードDpへ電源電圧VCCを伝達するpチャネルMOSトランジスタP29−2と、CMOSインバータ(MOSトランジスタP29−1およびN29−1)の出力信号がLレベルのときに導通し、ノードDqへ電源電圧VCCを伝達するpチャネルMOSトランジスタP29−3と、ノードDpとバイアスノードVNB(電圧とそのノードを同じ符号で示す)との間に結合され、かつそのゲートがノードDqへ接続されるnチャネルMOSトランジスタN29−2と、ノードDqとバイアスノードVNBの間に接続されかつそのゲートがノードDpに接続されるnチャネルMOSトランジスタN29−3と、ノードDp上の電位がHレベルのときに導通し、ノードDrへ接地電圧VSSを伝達するnチャネルMOSトランジスタN29−4と、ノードDq上の電位がHレベルのときに導通し、バイアス電圧VNBを出力ノードDrへ伝達するnチャネルMOSトランジスタN29−5を含む。ノードDrから基板バイアス電圧VNBSが出力される。
【0195】
nチャネルMOSトランジスタN29−4を除いて、MOSトランジスタP29−1〜P29−3、N29−1〜N29−3およびN29−5は、それぞれのバックゲートがそれぞれのソースに接続される。MOSトランジスタN29−4のバックゲートは、バイアス電圧VNBを受けるように接続される。出力ノードDrへ負のバイアス電圧VNBが伝達されたとき、このMOSトランジスタN29−4におけるN+領域とP型基板領域の間が順方向にバイアスされ、接地ノードVSSから出力ノードDrへ電流が流れるのを防止するためである。また、MOSトランジスタN29−4のバックゲートを出力ノードDrに接続する場合、出力ノードDrが接地電圧VSSからバイアス電圧VNBへ切換わるとき基板領域の放電が併せて行なわれるため、基板バイアス電圧VNBSの変化が遅れる。したがって、このMOSトランジスタN29−4のバックゲートは、バイアス電圧VNBを受けるように接続される。次にこの図29(A)に示す選択回路の動作をその動作波形図である図29(B)を参照して説明する。
【0196】
セルフリフレッシュ活性化信号SELFがLレベルのときには、CMOSインバータ(MOSトランジスタP29−1およびN29−1)の出力信号がHレベルとなり、MOSトランジスタP29−2が導通状態、MOSトランジスタP29−3が非導通状態とされる。ノードDpが電源電圧VCCレベルに充電され、MOSトランジスタN29−3が導通状態となり、ノードDqが、バイアス電圧VNBレベルへ低下する。このノードDqの電位低下に応答して、MOSトランジスタN29−2が非導通状態とされる。この状態においては、MOSトランジスタN29−4が導通状態、MOSトランジスタN29−5が非導通状態となり、出力ノードDrからの基板バイアス電圧VNBSが、接地電圧VSSレベルとなる。
【0197】
セルフリフレッシュ活性化信号SELFが活性状態のHレベルとなると、MOSトランジスタP29−2が非導通状態、MOSトランジスタP29−3が導通状態となる。ノードDqがMOSトランジスタP29−3により充電され、応じてMOSトランジスタN29−2が導通状態となり、ノードDpの電位を低下させる。最終的に、ノードDqの電位は、電源電圧VCCレベル、ノードDpの電圧レベルはバイアス電圧VNBレベルとなる。これにより、MOSトランジスタN29−4が非導通状態、MOSトランジスタN29−5が導通状態となり、出力ノードDrからの基板バイアス電圧VNBSはバイアス電圧VNBレベルに低下する。この基板バイアス電圧VNBSは、比較的大きな容量を有する基板領域へ伝達されるため、基板バイアス電圧VNBSが比較的緩やかに変化する。これにより、周辺回路のnチャネルMOSトランジスタの基板領域のバイアス電圧の絶対値が大きくなり、そのしきい値電圧が大きくされ、サブスレッショルド電流が低減される。
【0198】
この図29(A)に示す選択回路160pの構成においても、基板バイアス電圧切換え後の定常状態においては、構成要素のMOSトランジスタはすべて非導通状態となり、直流電流はほとんど流れない。この構成要素であるMOSトランジスタのしきい値電圧は、高速動作性が要求されないため、大きくされている。ノードDpおよびDqは、電源電圧VCCとバイアス電圧VNBの間で変化するが、これは出力段のMOSトランジスタN29−4およびN29−5を強い導通状態とするためである。ノードDpおよびDqの電圧レベルは、接地電圧VSSとバイアス電圧VNBの間で変化するように構成されてもよい。
【0199】
[周辺回路のトランジスタの構成]
図30(A)は、周辺回路の構成要素であるMOSトランジスタの断面構造を概略的に示す図である。図30(A)において、周辺回路は、P型半導体基板(または半導体層)400表面に互いに離れて形成されるNウェル(N型基板領域)402および410内に形成されるpチャネルMOSトランジスタPTおよびnチャネルMOSトランジスタNTを含む。
【0200】
pチャネルMOSトランジスタPTは、Nウェル402表面に互いに間をおいて形成されるP+領域403および405と、P+領域403および405の間のチャネル領域上にゲート絶縁膜408を介して形成されるゲート電極409を含む。Nウェル402へは、N+領域407を介して基板バイアス電圧VPBSが印加される。
【0201】
Nウェル410は、N+領域411を介して電源電圧VCCを印加され、このNウェル410表面に、Pウェル(P型基板領域)420が形成される。このPウェル420内にnチャネルMOSトランジスタNTが形成される。このnチャネルMOSトランジスタNTは、互いに離れてPウェル420の表面に形成されるN+領域423および425と、N+領域423および425の間のチャネル領域上にゲート絶縁膜428を介して形成されるゲート電極429を含む。Pウェル420は、P+領域427を介して基板バイアス電圧VNBSを受ける。
【0202】
P+領域405とN+領域425が相互接続されて出力信号OUTを出力し、ゲート電極409および429が相互接続されて入力信号INを受ける。この図30(A)に示す構成は、図30(B)に電気的等価回路図を示すように、CMOSインバータを構成する。すなわち、pチャネルMOSトランジスタPTおよびnチャネルMOSトランジスタNTのゲートが、入力ノードDiを介して入力信号INを受け、かつMOSトランジスタPTおよびNTのドレインが出力端子Toと相互接続されて出力信号OUTを生成する。MOSトランジスタPTのバックゲートが基板バイアス電圧VPBSを受けるように結合され、MOSトランジスタNTのバックゲートが、基板バイアス電圧VNBSを受ける。
【0203】
通常CMOS回路においては、pチャネルMOSトランジスタのソース電位(電源ノードに接続されるノード)の電位が、基板電位VPBSと拡散電位(P/N接合の順方向降下電圧)の和よりも高くなると寄生サイリスタが導通するラッチアップ現象が生じる場合がある。特に、電源投入時において、P+領域403の電源電圧VCCは、基板バイアス電圧VPBSが電源電圧レベルに上昇するよりも早く立上がり(ウェルの大きな寄生容量による)、このラッチアップ現象が起こる可能性が高い。したがって、nチャネルMOSトランジスタNTを形成する基板領域となるPウェル420を、Nウェル410で取囲み、このNウェル410に対し電源電圧VCCをN+領域411を介して印加する。これにより、仮にpチャネルMOSトランジスタPTのソース領域となるP+領域403からNウェル402へ電流が流れ、寄生バイポーラトランジスタのベース電流がPウェル420へ流れる可能性がある場合においても、このNウェル410によりこの電流を吸収することができ、CMOSラッチアップ現象を防止することができる。
【0204】
この図30(A)に示すように、nチャネルMOSトランジスタNTを3重ウェル構造(P型基板と、その表面に形成されるNウェルと、さらにそのNウェル表面に形成されるPウェルとからなる構造)とすることにより、寄生バイポーラトランジスタのベース電流をNウェル410で吸収し、寄生サイリスタが導通してラッチアップ現象が発生するのを確実に抑制することができる。
【0205】
なお、図30(A)および(B)においては、CMOSインバータの構成が示されている。しかしながら、他のNAND回路およびNOR回路のようなCMO構造の論理ゲートの場合にも、同様3重ウェル構造を利用することにより、ラッチアップ現象を確実に抑制することができる。
【0206】
[アレイバイアス回路の構成]
図31は、図3に示すアレイバイアス回路150の具体的構成を示すブロック図である。図31において、アレイバイアス回路150は、発振回路160aからの繰返し信号φに従って一定の基準電圧VrefBを生成する基準電圧発生回路160aと、繰返し信号φに応答して制御信号/φPおよび/φSを生成する制御信号発生回路150bと、制御信号/φPおよび/φSに従って選択的にプリチャージ状態および作動状態とされ、作動状態時に基準電圧VrefBと出力ノード151のバイアス電圧VBBを比較する差動増幅回路150cと、差動増幅回路150cの出力信号BBEの活性化時繰返し信号φFを繰返し出力する繰返し信号発生回路150dと、繰返し信号φFに応答してチャージポンプ動作を行なってバイアス電圧VBBを生成するVBB発生回路150eと、繰返し信号φに応答してチャージポンプ動作を行なって、ノード151へ電荷を供給するVBBレベル保持回路150fと、内部RAS信号φRASに応答してチャージポンプ動作を行なって、出力ノード151へ電荷を供給するVBBレベル保持回路150gを含む。
【0207】
発振回路160aは、先の周辺バイアス回路160において用いられた発振回路160aがまた用いられる。しかしながら、このアレイバイアス回路150と周辺バイアス回路160とに対し別々に発振回路が設けられてもよい。基準電圧発生回路150aは、図23に示す基準電圧発生回路160lと同様の構成を備え、一定の電圧レベルの基準電圧(負の電圧レベル)VrefBを生成する。制御信号発生回路150bは、図13(a)に示す制御信号発生回路160bと同様の構成を備える。この制御信号発生回路150bは、また周辺バイアス回路の制御信号発生回路160bおよび160kと共有されてよいが、周辺バイアス回路160およびアレイバイアス回路150において差動増幅回路150cの動作タイミングが同じとなり、比較動作時の消費電流が大きくなるため、それぞれのタイミングを少しずらせるため、別々に設けられる。
【0208】
差動増幅回路150cの構成は、図24(A)に示す構成と同じである。図24(A)の構成において、バイアス電圧VNBに代えてバイアス電圧VBBが与えられ、信号NBEに代えて信号BBEが出力される。
【0209】
繰返し信号発生回路150dの構成は、図25に示す繰返し信号発生回路160nの構成と同じであり、図25に示す構成において、信号NBEに代えて信号BBEが用いられる。
【0210】
VPB発生回路150eは、図26に示すVNB発生回路と同様の構成を備える。この場合、アレイ基板領域のバイアス電圧VBBと周辺回路の基板領域のバイアス電圧VNBの電圧レベルが異なる場合には、その異なる電圧レベルに応じて、クランプ用のnチャネルMOSトランジスタ(N26−2およびN26−3)の数が調整され、また電荷供給用のMOSトランジスタP26−1、P26−2、N26−1)の数が適当に調整される。
【0211】
VBBレベル保持回路150fは、図27に示すVNBレベル保持回路160qと同じ構成を備え、小さな電荷供給力で、待機状態(通常動作モード)時およびデータ保持モード(セルフリフレッシュモード)時において、リーク電流によるバイアス電圧VBBの上昇を補償する。
【0212】
VBBレベル保持回路150gは、図28に示すVNBレベル保持回路160rと同様の構成を備える。しかしながら、このVBBレベル保持回路150gは、内部RAS信号φRASに従って、電荷供給動作(チャージポンプ動作)を行ない、アレイの基板領域のバイアス電圧VBBの上昇を抑制する。したがってこのVBBレベル保持回路150gは、通常動作モード時およびデータ保持モード時(セルフリフレッシュモード時)いずれにおいても、メモリセルの選択動作が行なわれるときには、チャージポンプ動作を行なって、電荷をノード151へ供給する。
【0213】
[変更例]
図32は、アレイバイアス回路の変更例の構成を示す図である。図32において、アレイバイアス回路150は、周辺バイアス回路160に含まれるVNB発生部165からのバイアス電圧VNBを配線152を介してアレイの基板領域へ基板バイアス電圧VPBとして印加する。この図32に示す構成においては、メモリセルのトランジスタのバックゲートは基板バイアス電圧VNBを受けるため、そのしきい値電圧が大きくなる。この場合、周辺回路の構成要素であるnチャネルMOSトランジスタとメモリセルトランジスタを異なるしきい値電圧のMOSトランジスタとして製造すれば、メモリセルトランジスタのしきい値電圧を適当な値に設定できる。
【0214】
アレイバイアス回路150においても、周辺バイアス回路160に含まれるVNB発生部155と同様の構成とすることにより、低消費電流で安定に基板バイアス電圧VBBを生成することができる。
【0215】
[他の構成]
上記実施の形態においては、セルフリフレッシュモードがデータ保持モードとして説明されている。しかしながら、CBR条件と信号/RASおよび/CASを所定時間Lレベルに保持する条件とは別の条件に従って半導体記憶装置のデータ保持モードが指定される構成であってもよい。
【0216】
また周辺バイアス手段は、電源電圧(VCCまたはVSS)とバイアス電圧の一方を選択して周辺回路基板領域へ印加している。2種類のバイアス電圧を準備し、一方のバイアス電位が動作モードに応じて選択されて周辺回路の基板領域へ印加される構成が利用されてもよい。電源電圧は、動作電源電圧VCCと接地電圧VSSのいずれであってもよいため、請求項における電源電圧は、この両者を含むように用いられている。
【0217】
【発明の効果】
以上のように、この発明に従えば、メモリアレイの基板領域のバイアス電源は固定し、一方、周辺回路の基板領域のバイアス電位はデータ保持モード時にはその絶対値を大きくしているため、メモリセルの記憶データに悪影響を及ぼすことなくデータ保持モード時の消費電流を低減することができる。
【0218】
また、周辺回路の基板領域のバイアス電位を電源電圧(VCCまたはVSS)とそれよりも絶対値の大きなバイアス電圧の一方を選択しているため、一方電源電圧について1つのバイアス電圧を発生するだけでよく、回路構成が簡略化され、また回路占有面積も低減される。
【0219】
また、周辺回路の構成要素であるトランジスタの基板領域を、第1および第2のウェルからなる3重ウェル構造とし、下側の第1のウェルを電源電圧にバイアスしているため、CMOS回路においても、確実にラッチアップ現象を防止することができ、周辺回路を安定に動作させることができる。
【0220】
また、第1導電型および第2導電型の絶縁ゲート型電界効果トランジスタ両者に対し、データ保持モード時にバイアス電位の絶対値を大きくしているため、CMOS回路において、データ保持モード時にその入力信号および出力信号がいずれの電位レベルに固定される場合であっても、サブスレッショルド電流を確実に抑制することができ、消費電流を低減することができる。
【0221】
また、周辺回路の第1導電型の絶縁ゲート型電界効果トランジスタを第1のウェル内に形成し、また第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタを、3重ウェル構造の基板領域内に構成しているため、この周辺回路のラッチアップ現象を確実に抑制することができる。
【0222】
また、周辺バイアス回路を、周期的に発生される繰返し信号に従ってチャージポンプ動作を行なって基準電圧を発生する回路と、この繰返し信号に応答して生成される制御信号に従って基準電圧とバイアス電圧とを比較する比較回路と、この比較回路の出力信号に従って第2の繰返し信号を発生する繰返し信号発生回路と、この第2の繰返し信号に従ってチャージポンプ動作を行なって出力ノードへバイアス電圧を出力するバイアス手段とで構成することにより、バイアス電圧の絶対値が所定値より低いときにのみチャージポンプ動作を行なって出力ノードへ電荷が供給され、また比較手段は、活性化時のみ比較動作を行なうため、この周辺バイアス回路の消費電流を低減することができる。
【0223】
また、小さな電荷供給力でクロック信号に従ってチャージポンプ動作を行なって出力ノードへ電荷を供給する第1のバイアス保持回路と、メモリセルの選択動作開始指示信号に従って比較的大きな電荷供給力で出力ノードへ電荷を供給する第2のバイアス保持手段とを設けることにより、バイアス電圧の絶対値が小さくなるのを確実に抑制することができ、安定に所望の電圧レベルのバイアス電圧を生成することができる。
【0224】
また、比較手段を、第1の制御信号の活性化時に第1および第2のノードを所定電位にプリチャージするプリチャージ手段と、第2の制御信号の活性化に応答して活性化されて第1および第2のノードの電位を差動的に増幅する差動増幅段と、基準電位と出力ノードのバイアス電位とを比較し、両者の差に応じた電流を第1および第2のノードへ供給する比較段とで構成することにより、比較動作完了時およびプリチャージ動作時を除いてこの差動増幅回路の直流的な電流(電源ノードから接地ノードへ流れる電流)を抑制することができ、消費電流を低減することができる。
【0225】
また、比較段においては、基準電圧とバイアス電圧とを比較するための絶縁ゲート型電界効果トランジスタと第1および第2のノードの間に設けられ、第1および第2のノードの一方がLレベルのときに、この一方のノードに対する電源ノードからの電流経路を遮断するように構成することにより、電源ノードから一方のノードおよび差動増幅段を介して電流が流れるのを確実に抑制することができ、消費電流を低減することができる。
【0226】
またバイアス電圧を切換えるための選択回路を、データ保持モード指示信号の電圧レベルを変換する段と、このレベル変換段からの信号に従って電源電圧およびバイアス電圧の一方を基板バイアス電圧として出力する切換段とで構成し、この切換段の絶縁ゲート型電界効果トランジスタのバックゲートをバイアス電圧を受けるように接続することにより、この切換段の絶縁ゲート型電界効果トランジスタの基板領域への電流が流れるのを抑制することでき、消費電流を低減することができる。
【0227】
また、レベル変換段を、ラッチ型のレベル変換回路で構成すれば、レベル変換動作完了後電源ノードから接地ノードへ流れる電流を確実に遮断することができる。
【0228】
また、電源電圧が2.0Vの場合であっても、確実に必要とされる電圧レベルのバイアス電圧を低消費電流で生成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に従う半導体記憶装置の基本的動作を示す波形図である。
【図2】 この発明の動作原理を説明するための図である。
【図3】 この発明に従う半導体記憶装置の全体の構成を概略的に示す図である。
【図4】 この発明に従う半導体記憶装置のアレイ部および周辺回路部の構成を示す図である。
【図5】 (A)は、図3に示すリフレッシュ制御回路および制御信号発生回路の構成を示し、(B)は(A)の回路の動作を示す波形図である。
【図6】 図5に示すSELF発生回路の構成を概略的に示す図である。
【図7】 図6に示すSELF発生回路の具体的構成を示す図である。
【図8】 図6および図7に示すSELF発生回路の動作を示す波形図である。
【図9】 図3に示す周辺バイアス回路のpチャネルMOSトランジスタ基板バイアス電圧発生部の構成を概略的に示す図である。
【図10】 図9に示す回路の電源投入時の動作を示す波形図である。
【図11】 図9に示す発振回路の構成を具体的に示す図である。
【図12】 図9に示す基準電圧発生回路の具体的構成を示す図である。
【図13】 (A)は図9に示す制御信号発生回路の具体的構成を示し、(B)はその動作波形を示す図である。
【図14】 図9に示す差動増幅回路の具体的構成を示す図である。
【図15】 図14に示す差動増幅回路の動作を示す波形図である。
【図16】 図9に示す繰返し信号発生回路の具体的構成を示す図である。
【図17】 図9に示すVPB発生回路の具体的構成を示す図である。
【図18】 図9に示す第1のVPBレベル保持回路の構成を具体的に示す図である。
【図19】 図9に示す第2のVPBレベル保持回路の構成を具体的に示す図である。
【図20】 (A)は図9に示す選択回路の具体的構成を示し、(B)はその動作波形図である。
【図21】 図3に示す周辺バイアス回路のnチャネルMOSトランジスタ基板領域へのバイアス電圧発生部の構成を概略的に示す図である。
【図22】 図21に示す回路の電源投入時の動作を示す波形図である。
【図23】 図21に示す基準電圧発生回路の構成を具体的に示す図である。
【図24】 (A)は図21に示す差動増幅回路の構成を示し、(B)はその動作波形を示す図である。
【図25】 図21に示す繰返し信号発生回路の具体的構成を示す図である。
【図26】 図21に示すVNB発生回路の具体的構成を示す図である。
【図27】 図21に示す第1のVNBレベル保持回路の具体的構成を示す図である。
【図28】 図21に示す第2のVNBレベル保持回路の具体的構成を示す図である。
【図29】 (A)は図21に示す選択回路の具体的構成を示し、(B)はその動作波形を示す図である。
【図30】 (A)は周辺回路のCMOSトランジスタの概略断面構造を示し、(B)は(A)の構成の電気的等価回路を示す図である。
【図31】 図3に示すアレイバイアス回路の構成を示すブロック図である。
【図32】 図3に示すアレイバイアス回路の変更例の構成を示す図である。
【図33】 MOSトランジスタのサブスレッショルド電流を説明するための図である。
【図34】 従来の半導体記憶装置の構成を概略的に示す図である。
【図35】 図34に示す半導体記憶装置の動作を示す波形図である。
【図36】 図34に示す内部回路の構成要素であるMOSトランジスタの断面構造を概略的に示す図である。
【図37】 図34に示す内部回路に含まれるメモリアレイ部のメモリセルの構成を示す図である。
【図38】 (A)は図37に示すメモリセルの動作を示す波形図であり、(B)はその問題点を説明するための図である。
【符号の説明】
118 リフレッシュ制御回路、122 RAS制御信号発生回路、124
CAS制御信号発生回路、150 アレイバイアス回路、160 周辺バイアス回路、6 SELF発生回路、160a 発振回路、160b 制御信号発生回路、160c 基準電圧発生回路、160d 差動増幅回路、160e 繰返し信号発生回路、160f VPB発生回路、160h 第1のVPBレベル保持回路、160i 第2のVPBレベル保持回路、160g 選択回路、160aa リングオシレータ、160ab 駆動回路、160k 制御信号発生回路、160l 基準電圧発生回路、160m 差動増幅回路、160n 繰返し信号発生回路、160o VNB発生回路、160q 第1のVNBレベル保持回路、160r 第2のVNBレベル保持回路、160p 選択回路、150a 基準電圧発生回路、150b 制御信号発生回路、150c 差動増幅回路、150d 繰返し信号発生回路、150e VBB発生回路、150f VBBレベル保持回路、150g 第2のVBBレベル保持回路、400 半導体基板、402,410 Nウェル、403,405,427 P+領域、407,411,423 N+領域、420 Pウェル、P1−1〜P1−6,P2−1〜P2−2,P4−1〜P4−4,P7−1〜P7−3,P8,P9,P20−1〜P20−5,P22−1,P22−2,P23−1,P23−6,P26−1〜P26−2,P27−1,P27−2,P29−1〜P29−3,PT pチャネルMOSトランジスタ(PMOSトランジスタ)、N1−1〜N1−6,N2−1,N2−2,N4−1,N4−5,N7−1,N7−2,N8−1,N8−2,N9−1,N9−2,N20−1〜N20−3,N22−1〜N22−3,N23−1〜N23−5,N26−1〜N26−3,N27,N28,N29−1〜N29−5,NT nチャネルMOSトランジスタ(NMOSトランジスタ)。
Claims (11)
- 各々がその記憶データがリフレッシュされる複数のダイナミック型メモリセルが配置されるメモリセルアレイ、
前記メモリセルアレイが形成される基板領域へ一定のバイアス電位を供給するアレイバイアス手段、
前記メモリセルアレイを選択状態へ駆動するための周辺回路、および
前記周辺回路が形成される基板領域へバイアス電位を供給するための周辺バイアス手段とを備え、前記周辺バイアス手段は、外部アクセスを停止してかつ内部での前記ダイナミック型メモリセルの記憶データの定期的なリフレッシュを指示するデータ保持モード指示信号の活性化時前記周辺バイアス手段の供給するバイアス電圧の絶対値を前記データ保持モード指示信号の非活性化時のそれよりも大きくするためのバイアス制御手段を含む、半導体記憶装置。 - 前記周辺バイアス手段は、
電源電圧よりも絶対値の大きい電圧を発生するバイアス発生手段と、
前記データ保持モード指示信号の活性化に応答して前記バイアス発生手段の発生する電圧を選択しかつ前記データ保持モード指示信号の非活性化に応答して前記電源電圧を選択し、該選択した電圧を前記周辺回路が形成される基板領域へ供給する前記バイアス制御手段としての選択手段を含む、請求項1記載の半導体記憶装置。 - 前記周辺回路は、
第1導電型の半導体層表面に形成される第1のウェル表面に形成される第2のウェルに形成されるトランジスタ素子を含み、
前記第1のウェルは第2導電型を有しかつ前記電源電圧にバイアスされ、
前記第2のウェルは前記第1導電型を有しかつ前記周辺バイアス手段からのバイアス電圧を受ける、請求項1または2記載の半導体記憶装置。 - 前記周辺回路は、第1導電型の第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと第2導電型の第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタとを含み、
前記周辺バイアス手段は、
前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタが形成される基板領域へ印加される第1のバイアス電圧を生成する手段と、
前記第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタが形成される基板領域へ印加される第2のバイアス電圧を生成する手段とを含み、
前記バイアス制御手段は、前記データ保持モード指示信号の活性化に応答して前記第1および第2のバイアス電圧の絶対値をともに大きくする手段を含む、請求項1記載の半導体記憶装置。 - 前記半導体記憶装置は一方動作電源電圧としての第1の電源電圧と他方動作電源電圧としての第2の電源電圧とを有し、
前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタは、第1導電型の半導体層の表面に形成されかつ前記第1のバイアス電圧が供給される第2導電型の第1のウェル内に形成され、
前記第2の絶縁ゲート型電解効果トランジスタは、前記半導体層表面に前記第1のウェルと離れて形成される第2のウェルの表面に形成される第3のウェル内に形成され、
前記第2のウェルは前記第2導電型を有しかつ前記第1の電源電圧が供給され、かつ
前記第3のウェルは前記第1導電型を有しかつ前記第2のバイアス電圧が供給され、
前記第1のバイアス電圧は絶対値が前記第1の電源電圧以上であり、かつ前記第2のバイアス電圧は絶対値が第2の電源電圧以上である、請求項4記載の半導体記憶装置。 - 前記周辺バイアス手段は、
周期的にクロック信号を生成するクロック発生手段と、
前記クロック信号に応答してチャージポンプ動作を行なって基準電圧を発生する基準電圧発生手段と、
前記クロック信号に応答して比較制御信号を生成する制御信号発生手段と、
前記比較制御信号に応答して活性化され、前記基準電圧と出力ノードの電圧とを比較し、該比較結果を示す信号を出力する比較手段と、
前記比較手段の比較結果が前記基準電圧の絶対値が前記出力ノードの電圧の絶対値よりも大きいことを示すとき活性化され、周期的に繰返し信号を発生する繰返し信号発生手段と、
前記繰返し信号発生手段からの繰返し信号に従ってチャージポンプ動作を行なって前記出力ノードへバイアス電圧を出力するバイアス発生手段とを含む、請求項1記載の半導体記憶装置。 - 前記周辺バイアス手段は、
前記クロック信号に応答してチャージポンプ動作を行なって前記出力ノードへ電荷を供給する、前記バイアス発生手段の電荷供給力よりも小さな電荷供給力を有する第1のバイアス保持手段と、
前記メモリセルの選択動作開始指示信号に応答してチャージポンプ動作を行なって前記出力ノードへ電荷を供給する、前記第1のバイアス保持手段の電荷供給力よりも大きな電荷供給力を有する第2のバイアス保持手段をさらに備える、請求項6記載の半導体記憶装置。 - 前記制御信号発生手段は、前記クロック信号に応答して、互いに重なり合わない時間の間活性状態とされる第1および第2の制御信号を発生する手段を含み、
前記比較手段は、
前記第1の制御信号の活性化に応答して第1および第2のノードを所定電位にプリチャージするプリチャージ手段と、
前記基準電位と前記出力ノードの電位とを比較し、これらの電位差に応じた電流を前記第1および第2のノードへ供給する比較段と、
前記第2の制御信号の活性化に応答して活性化され、前記第1および第2のノードの電位を差動的に増幅して前記比較結果を示す信号を出力する差動増幅段を含む、請求項6記載の半導体記憶装置。 - 前記比較段は、
電源ノードと第1のノードとの間に結合されかつ前記基準電位をゲートに受ける第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、
前記第1のノードの電位を受けるように結合されかつ前記第1のノードの電位に応答して前記電源ノードと前記第1のノードとの間の前記第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタを介しての電流経路を遮断するための第1の遮断手段と、前記電源ノードと第2のノードとの間に結合されかつ前記出力ノード上の電位をゲートに受ける第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、
前記第2のノードの電位を受けるように結合され、前記第2のノード上の電位に応答して前記電源ノードと前記第2のノードとの間の前記第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタを介しての電流経路を遮断する第2の遮断手段とを含む、請求項8記載の半導体記憶装置。 - 前記電源電圧は、一方動作電源電圧としての第1の電源電圧と他方動作電源電圧としての第2の電源電圧とを含み、
前記選択手段は、
前記データ保持モード指示信号を前記バイアス電位と前記第1の電源電圧のレベルの信号に変換しかつ互いに相補な第1および第2の選択信号を生成するレベル変換手段と、
前記レベル変換手段からの第1の選択信号の活性化に応答して導通し、前記バイアス電位を出力ノードへ伝達する第1の絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、
前記レベル変換手段からの前記第2の選択信号の活性化に応答して導通し、前記第2の電源電圧を前記出力ノードへ伝達する第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタとを備え、前記第2の絶縁ゲート型電界効果トランジスタのバックゲートは前記バイアス電位を受けるように結合される、請求項2記載の半導体記憶装置。 - 前記第1のバイアス電圧は2.0V以下の値を有する正の電源電圧以上の電圧レベルを有し、
前記第2のバイアス電圧は、接地電圧以下の電圧レベルを有する、請求項4記載の半導体記憶装置。
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