JP3703266B2 - 車両用灰皿 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両用の灰皿に関し、特に、車両への側面衝突に対して、さらに安全な機構を備えた車両用灰皿に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の、車室内のインナパネルであるインドアパネルの肘掛け部に設置される車両用灰皿は、図8に示すようなものであった。蓋101を備えた灰皿100は合成樹脂で成形され、蓋101は筐状の灰皿本体102に軸103を揺動中心として開閉可能に組付けられている。灰皿本体102の外壁部である車室側の外壁部側面には浅い弓状の窪み104が形成されている。
また、車室内のインドアパネル110には、その上面に、灰皿100を挿入するためのポケット部111が形成されている。ポケット部111の車室側の内側面には、僅かに弓状に湾曲した板ばね112が取り付けられている。
【0003】
そして、使用時には、灰皿100をインドアパネル110上面のポケット部111に押し込み、蓋101を開閉して使用する。この時、灰皿100は、その弓状の窪み104が、インドアパネル110の弓状に湾曲した板ばね112と係合し、灰皿100がインドアパネル110から抜け落ちないように軽く係止している。
【0004】
やがて、灰皿本体102の中に吸殻が満杯になると、灰皿100を手指でインドアパネル110から上方に引き出し、灰皿本体102の中の吸殻をごみ箱に棄てる。このとき、灰皿100とインドアパネル110とは、弓状に湾曲した板ばね112と弓状の窪み104との係合により軽く係止しているだけだから、簡単に手指で引き出せる。
また、吸殻を棄てて空になった灰皿100は、インドアパネル110のポケット部111に挿入し手指で軽く押し込むことにより、灰皿100をインドアパネル110に装着できる。このとき、弓状に湾曲した板ばね112と浅い弓状の窪み104とが軽く係合するだけであるから、軽く押し込むだけで良く、操作者の脱着操作感がよいという特徴があった。
【0005】
しかしながら、上記従来の灰皿100は、車両への側面衝突に対して弱いということが発見された。車両への側面衝突(車両のドア部への衝突)では、正面衝突、オフセット衝突、後面衝突の場合のようにクラッシュ許容距離を充分に取ることができず、側面衝突時に大きな加速度(G)がインドアパネル110や灰皿100に掛かる。この加速度(G)は実車衝突試験によると200Gを超過する値にまで及ぶことがある。
このため、従来の灰皿100では、側面衝突時に灰皿本体102に上方向への加速度が加わり、弓状に湾曲した板ばね112と浅い弓状の窪み104との軽い係合が外れ、灰皿本体102がインドアパネル110のポケット部111から飛び出し、車室内を飛び跳ねることがあるということが発見された。
それ故、従来の灰皿100では、操作者の脱着操作感を多少損なっても、安全のために板ばね112の弾性を強くし板ばね112と浅い弓状の窪み104との係合を強くして、安全性の確保をする必要があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明のうち請求項1記載の発明は、平常時は灰皿をインドアパネル等のインナパネルから脱着可能とし、その脱着操作感を良好なまま維持しながら、側面衝突時等の車両の衝突時に過大なGが車両に加わった際に、灰皿がインドアパネルのポケット部から飛び出すことを防止することができるようにした、より安全な車両用灰皿を提供することを課題とする。
請求項2記載の発明は、上記発明の課題に加え、通常運転時の横G等の微小な加速度では作用せず、側面衝突時等の過大なGが車両に加わった際にのみ確実に作動して灰皿がインドアパネルのポケット部から飛び出すことを防止することができるようにした、より動作の確実な車両用灰皿を提供することを課題とする。
【0007】
請求項3記載の発明は、上記発明の課題に加え、より簡易な構造で、側面衝突時等の車両の衝突時に、車両用灰皿本体とインドアパネルとの係合連結をより確実ならしめる車両用灰皿を提供することを課題とする。
請求項4記載の発明は、上記請求項3記載の発明の課題に加え、車両用灰皿の製造をより容易とすると共に、インドアパネルへの車両用灰皿本体の脱着のための構造が簡単で脱着操作性に優れ、安全性にも優れ、さらに、外観上意匠的にも優れた車両用灰皿を提供することを課題とする。
請求項5記載の発明は、請求項3記載の発明の課題を、他の構成により解決した車両用灰皿を提供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明のうち請求項1記載の発明は、車両のインナパネルに取り付ける車両用灰皿において、前記インナパネル若しくは車両用灰皿本体に移動可能に組付けられ、加速度を検出して該加速度により移動するイナーシャ移動部材と、前記イナーシャ移動部材が前記加速度を検出して移動した際に該イナーシャ移動部材と係合し、前記車両用灰皿本体と前記インナパネルとを係合せしめるべく前記車両用灰皿本体若しくはインナパネルに固定された固定係合部材と、を備えることを特徴とする。
【0009】
ここで、イナーシャ移動部材は、インナパネル若しくは車両用灰皿本体のいずれか一方に組付けられ、固定係合部材は、他方の、イナーシャ移動部材が組付けられていない車両用灰皿本体若しくはインナパネルに固定される。
また、イナーシャ移動部材とは、車両のインナパネル等に加わる大きな加速度により移動することのできるすべての部材をいい、移動形態は直線移動、回転移動、蛇行移動、ら旋移動等、移動の形態を問わない。さらに、イナーシャ移動部材の材質は金属、合成樹脂等、材質を問わないが、加速度を確実に検出するため、イナーシャ移動部材はある程度質量のあるものが望ましい。
【0010】
ここで、固定係合部材とは、前記イナーシャ移動部材に対向して配設され車両用灰皿本体若しくはインナパネルに固定された部材であり、イナーシャ移動部材に係合可能な部材である。固定係合部材は、車両用灰皿本体若しくはインナパネルと同一材質で一体に成形されたものでも良く、また、他の材質、たとえば金属等で形成し車両用灰皿本体若しくはインナパネルに固着してもよい。要するに、固定係合部材は、イナーシャ移動部材と係合したときに車両のインナパネルや車両用灰皿に加わる大きな加速度に耐える強度を持つものであれば良い。
【0011】
このように形成すると、車両に側面衝突等の衝突が発生すると、その際の強い加速度によりイナーシャ移動部材が移動し、イナーシャ移動部材が固定係合部材と係合する。このため、少なくとも強い加速度が車両に加わっている間は、車両のインナパネルから車両用灰皿本体が抜けないようにインナパネルと車両用灰皿本体が係合連結され、車両用灰皿本体がインナパネルから飛び出して車室内を飛び跳ねることが無くなる。
【0012】
ここで、請求項2記載の発明のように、前記加速度により前記イナーシャ移動部材が移動される方向とは逆の所定の方向にイナーシャ移動部材を付勢する付勢部材を備えることを特徴とすることができる。
【0013】
ここで、前記加速度によりイナーシャ移動部材が移動される方向とは、車両の側面衝突の場合、一般的には車室内から車室外に向かう方向であるが、実際の側面衝突では車両ボデイの変形クラッシュにより複雑な方向の加速度が発生するので、イナーシャ移動部材が移動される方向は車室外に向かう方向に限定されるものではない。また、本発明は側面衝突の対策に限定されるものではなく、前記イナーシャ移動部材が移動される方向を、正面衝突、後面衝突等の対策を想定した方向としたものも本発明の範囲内である。
また、ここで、付勢部材とはイナーシャ移動部材を所定の方向に付勢するすべての部材をいい、たとえば、ねじりコイルばね、圧縮コイルばね、引っ張りコイルばね、皿ばね、トーションバー等の種々のばね、あるいは、圧縮ゴム、引っ張りゴム等の種々の弾性体等が考えられる。
【0014】
このように形成すると、イナーシャ移動部材に想定した方向の加速度が加わっても、付勢部材の付勢力以上の加速度が加わらなければ、イナーシャ移動部材は付勢部材の付勢力に抗して移動を開始しない。このため、想定した加速度に対応した力に付勢部材の付勢力を設定することにより、車両の正常運転時に誤動作することなく、車両の衝突時のみにイナーシャ移動部材と固定係合部材とを係合させることができる。また、衝突が終了しインナパネルや車両用灰皿本体に掛かっていた加速度が消失すると、付勢部材の付勢力によりイナーシャ移動部材は元の位置に移動復帰する。このため、イナーシャ移動部材と固定係合部材との係合が外れてインナパネルと車両用灰皿本体との係合連結が外れ、灰皿本体をインナパネルから脱着することが自在である元の正常時の状態に自動復帰する。
【0015】
ここで、請求項3記載の発明のように、前記イナーシャ移動部材が、前記インナパネル若しくは車両用灰皿本体に揺動自在に組付けられた揺動イナーシャ移動部材であり、前記揺動イナーシャ移動部材は、前記付勢部材により前記所定の方向に付勢されて揺動可能であり、さらに、前記揺動イナーシャ移動部材には、揺動イナーシャ移動部材の回転中心を略中心とする円弧状の係合溝が形成されており、
また、前記固定係合部材が、前記車両用灰皿本体の外壁若しくはインナパネルに突出して設けられたボス状固定係合部材であり、前記ボス状固定係合部材には前記揺動イナーシャ移動部材の円弧状の係合溝に挿通可能なように切り欠き部が形成されていること、を特徴とすることができる。
【0016】
ここで、ボス状固定係合部材は、車両用灰皿本体の底壁、車両の進行方向に対して左右の側壁、前後の側壁等、いずれの外壁に突出して設けても良い。しかし、車両への側面衝突を想定した場合、車両には強い横方向への加速度が加わるため、車両用灰皿本体の底壁若しくは車両の進行方向に対して前後の側壁に設けるのが、揺動イナーシャ移動部材の回転を容易にする上で好ましい。車両用灰皿本体が合成樹脂製の場合、ボス状固定係合部材も同じ材質の部材として一体成形により樹脂形成しても良いし、また、ボス状固定係合部材は金属製としてインサート成形により車両用灰皿本体と一体に形成しても良い。
また、上述とは逆に、揺動イナーシャ移動部材を車両用灰皿本体の底壁、左右の側壁、前後の側壁等に組付け、ボス状固定係合部材はインナパネルに突出して固着するようにしても良い。
【0017】
また、揺動イナーシャ移動部材は、前記ボス状固定係合部材の位置に対応した位置のインナパネル若しくは車両用灰皿本体のいずれかに組付けられる。揺動イナーシャ移動部材は金属板で形成しても良く、また、ある程度重量のある合成樹脂で形成しても良い。また、揺動イナーシャ移動部材を前記車両のインナパネルの表面側に設置しても良いし、インナパネルの裏面側に設置しても良い。インナパネルの裏面側に設置した場合は、該インナパネルに、灰皿を脱着する際にボス状固定係合部材が挿通するための、孔または溝を設けることになる。
【0018】
このように形成すると、揺動イナーシャ移動部材は、衝突時ではない平常時は、付勢部材により所定の方向に付勢されてボス状固定係合部材と係合しない位置を保つ。このため、車両用灰皿本体を車両のインナパネルから脱着することが自在である。また、弱い加速度が揺動イナーシャ移動部材に掛かっても付勢部材により付勢されているので揺動イナーシャ移動部材は回転せず不要な係合がなされないので、灰皿本体を脱着することが自在である。
【0019】
一方、車両に側面衝突等の衝突が発生すると、その際の強い加速度により揺動イナーシャ移動部材が付勢部材の付勢力に抗して回転し、揺動イナーシャ移動部材の円弧状の係合溝とボス状固定係合部材の切り欠き部とが係合する。円弧状の係合溝とボス状固定係合部材の切り欠き部との係合であるから、ボス状固定係合部材のラジアル方向だけでなく、スラスト方向にも連結力が作用する。このため、一旦、係合溝と切り欠き部との係合が完成すると、その後の車両のクラッシュ等により加速度の方向が変化しても車両のインナパネルと灰皿本体との係合連結が外れづらくなり、両者の係合連結が維持され易い。
【0020】
また、係合溝の形状が揺動イナーシャ移動部材の回転中心を略中心とする円弧状の溝であるから、溝の長さを長く取ることができる。その結果、車両の衝突時に揺動イナーシャ移動部材の円弧状の係合溝とボス状固定係合部材の切り欠き部とが係合する距離が長くなり、係合する時間が長くなる。これらのことから、衝突の際の車両用灰皿本体と車両のインナパネルとの係合連結がより確実なものになる。
【0021】
ここで、請求項4記載の発明のように、上記発明に加えて、前記揺動イナーシャ移動部材が、前記インナパネルのポケット部の底壁部の裏面に水平方向に揺動自在に組付けられており、前記ボス状固定係合部材が、前記車両用灰皿本体の底部から下方に突出して車両用灰皿本体と一体に形成されていること、を特徴とすることができる。
【0022】
このように形成すると、揺動イナーシャ移動部材からなる可動部はインナパネルに組付けれており、灰皿本体にはボス状固定係合部材が固着されているのみで可動部が無いため、吸殻を棄てる作業等の平常時の灰皿本体の操作が容易である。
【0023】
また、ボス状固定係合部材を車両用灰皿本体と一体に樹脂成形することができるので、灰皿本体の製造が容易かつ安価になる。また、ボス状固定係合部材が灰皿本体の底部から下方に少し突出しているだけだから、灰皿本体の外観の邪魔にならず、美観を損なわず、意匠的に優れた灰皿本体の制作が容易である。
さらに、ボス状固定係合部材が灰皿本体の底部から下方に突出しているだけだから、インナパネルのポケット部の底壁部にボス状固定係合部材が挿通する孔を設けるだけでよく、灰皿本体の側方にボス状固定係合部材を突出して設けた場合のように、ボス状固定係合部材を挿通案内するための溝をインナパネルのポケット部の側壁部に設ける必要がない。このため、インナパネルのポケット部の外観意匠がシンプルなものになる。
【0024】
そして、揺動イナーシャ移動部材をインナパネルのポケット部の底壁部の裏面側に組付ているので、揺動イナーシャ移動部材等の可動部が車両の乗員の眼に触れることもなく、また、操作者の手指が可動部に触れることがないので、安全であると共に故障することが少なくなり、かつ、美観上も好ましい。
【0025】
ここで、請求項5記載の発明のように、前記イナーシャ移動部材が、前記インナパネル若しくは車両用灰皿本体に直線移動自在に組付けられた直線イナーシャ移動部材であり、前記直線イナーシャ移動部材は、前記付勢部材により前記所定の方向に付勢されて直線移動可能であり、さらに、前記直線イナーシャ移動部材には、直線イナーシャ移動部材の移動方向と平行な直線状の係合溝が形成されており、
また、前記固定係合部材が、前記車両用灰皿本体の外壁若しくはインナパネルに突出して設けられたボス状固定係合部材であり、前記ボス状固定係合部材には前記直線イナーシャ移動部材の直線状の係合溝に挿通可能なように切り欠き部が形成されていること、を特徴とすることができる。
【0026】
ここで、ボス状固定係合部材は、車両用灰皿本体の底壁、左右の側壁、前後の側壁等、いずれの外壁に突出して設けても良いし、また、インナパネルに設けても良い。車両用灰皿本体やインナパネルが合成樹脂製の場合、ボス状固定係合部材も同じ材質の部材とし一体成形により樹脂成形しても良いし、また、ボス状固定係合部材は金属製とし、インサート成形により車両用灰皿本体やインナパネルと一体に形成しても良い。
【0027】
また、直線イナーシャ移動部材は、前記ボス状固定係合部材の位置に対応した位置のインナパネル若しくは車両用灰皿本体のいずれかに組付けられる。直線イナーシャ移動部材は金属板等で形成しても良く、また、ある程度重量のある合成樹脂で形成しても良い。また、直線イナーシャ移動部材を前記車両のインナパネルの表面側に設置しても良いし、インナパネルの裏面側に設置しても良い。インナパネルの裏面側に設置した場合は、該インナパネルにボス状固定係合部材が挿通するための孔または溝を設けることになる。
板状直線イナーシャ移動部材を直線状に移動させる手段としては、たとえば、直線ガイド機構を用いて摺動自在に直線イナーシャ移動部材を保持する手段を用いれば良い。
【0028】
このように形成すると、車両の衝突時ではない平常時は、直線イナーシャ移動部材は、付勢部材により前記所定の方向に付勢されボス状固定係合部材と係合しない位置を保つ。このため、車両用灰皿本体を車両のインナパネルから脱着することが自在である。
【0029】
一方、車両に側面衝突等の衝突が発生すると、その際の強い加速度により直線イナーシャ移動部材がばねの付勢力に抗して直線移動し、直線イナーシャ移動部材の直線状の係合溝とボス状固定係合部材の切り欠き部とが係合する。
【0030】
このとき、直線状の係合溝とボス状固定係合部材の切り欠き部との係合であるから、ボス状固定係合部材のラジアル方向だけでなく、スラスト方向にも連結力が作用する。このため、一旦、係合溝と切り欠き部との係合が完成すると、その後の車両のクラッシュ等により加速度の方向が変化しても車両のインナパネルと灰皿本体との係合連結が外れづらくなり、両者の係合連結が維持され易い。また、係合溝の形状が直線イナーシャ移動部材の直線移動方向と平行な直線状の溝であるから、溝の長さを長く取ることができる。その結果、車両の衝突時に直線イナーシャ移動部材の直線状の係合溝とボス状固定係合部材の切り欠き部とが係合する時間が比較的長くなる。これらのことから、衝突の際の車両用灰皿本体と車両のインナパネルとの係合連結がより確実なものになる。
【0031】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について図面を参照し説明する。
図1は、第1の実施の形態に係る車両用灰皿の斜視図であり、灰皿本体を車体のインナパネルから取り出した状態を示している。なお、板状の揺動イナーシャ移動部材の部分は破線となり見づらいので、この部分のみを分解斜視図として実線で重複して示している。図2は、灰皿本体を車体のインナパネルのポケット部に装着した状態を示す横断面図、図3は、インナパネルの下面から見た車両用灰皿の底面図、図4は、灰皿本体を車体のインナパネルのポケット部に装着した状態を示す縦断面図である。
【0032】
図1において、車両用灰皿本体2(以下灰皿本体2と称する)に蓋101が軸103を揺動中心として開閉可能に取り付けられている。灰皿本体2の底壁中央には下方に突出して、ボス状固定係合部材3が一体に形成されている。ボス状固定係合部材3には、その側周を略円弧状に切り欠いた切り欠き部3aが形成されている。また、灰皿本体2の外壁部である車室側側面には浅い弓状の窪み104が形成されている。灰皿本体2、蓋101、ボス状固定係合部材3はいずれもフェノール樹脂からなる合成樹脂で形成され、灰皿本体2とボス状固定係合部材3とは一体に樹脂成形されている。
【0033】
また、車室内のインナパネルの一部であるインドアパネル5には、その上面に、灰皿本体2を挿入するためのポケット部6が設けられている。ポケット部6の底壁には、前述したボス状固定係合部材3が挿通するための、孔7が明けられている。孔7は図面では本来破線で示すべきであるが、孔7を見やすくするため実線で示している。また、ポケット部6の車室側の内側面には、僅かに弓状に湾曲した板ばね112が取り付けられている。インドアパネル5およびポケット部6はいずれもPP(ポリプロピレン)樹脂からなる合成樹脂で形成されている。
【0034】
イナーシャ移動部材をなす板状の揺動イナーシャ移動部材10が、段付ねじ11により、段付ねじ11を回転中心として水平方向に回転自在に支承されてポケット部6の底壁の裏面に組付けられている。板状の揺動イナーシャ移動部材10は、ねじりコイルばね12により車室側方向に付勢されている。また、ポケット部6の底壁の裏面には、板状の揺動イナーシャ移動部材10を案内する案内部6aと、板状の揺動イナーシャ移動部材10の揺動範囲を規制するストッパ6bとが、ポケット部6と一体に樹脂成形されている。
板状の揺動イナーシャ移動部材10は鋼板により形成され、板状の揺動イナーシャ移動部材10には段付ねじ11を回転中心とした円弧状の係合溝10aが明けられている。
【0035】
上記の灰皿本体2、蓋101、ボス状固定係合部材3、ポケット部6、板ばね112、揺動イナーシャ移動部材10、段付ねじ11、ねじりコイルばね12等により車両用灰皿1を構成している。
【0036】
図2は、車両用灰皿を車体のインナパネルのポケット部に装着した状態を示す横断面図(車両の進行方向に対して横断面)である。車両のアウトドア鋼板13とインドアパネル5との間には、ゴムからなるウェザーストリップ14、15(シールド部材)を介してウィンドガラス16が配設されている。板ばね17は車両用灰皿1の蓋101を開または閉の位置に保持するための部材である。灰皿本体2はインドアパネル5のポケット部6に挿入され、灰皿本体2の窪み104に、ポケット部6に係止された弓状の板ばね112が係合して灰皿本体2をポケット部6に係止している。
【0037】
ポケット部6の底壁の裏面には、鋼板からなる板状の揺動イナーシャ移動部材10が、段付ねじ11により水平方向に回転自在に取り付けられている。板状の揺動イナーシャ移動部材10はねじりコイルばね12により車室側方向に付勢されて、常時は、円弧状の係合溝10aがボス状固定係合部材3の切り欠き部3aに係合する直前の位置に保持されている。
【0038】
図3は、車両用灰皿1をインドアパネル5のポケット部6の下面から見た底面図である。ポケット部6の底壁の略中央に孔7が明けられ、その孔7からボス状固定係合部材3が下方に突出している。ボス状固定係合部材3には水平方向に円弧状の切り欠き部3aが形成されている。
鋼板からなる板状の揺動イナーシャ移動部材10は、段付ねじ11により水平方向に回転自在に取り付けられ、ねじりコイルばね12により図面左回転方向(車室側方向)に付勢されている。すなわち、ねじりコイルばね12は、その巻回部を段付ねじ11により保持され、ねじりコイルばね端部の一端がポケット部6の下面のばね係止突起6cに当接され、他端が板状の揺動イナーシャ移動部材10のばね係止突起10bに当接されている。板状の揺動イナーシャ移動部材10は、ポケット部6の底壁裏面の案内部6aにより案内されて揺動するようにされている。また、ポケット部6の底壁裏面には、板状の揺動イナーシャ移動部材10の揺動範囲を規制するストッパ6bが形成されている。
【0039】
段付ねじ11を回転中心として水平揺動可能な板状の揺動イナーシャ移動部材10の重心位置は、回転中心である段付ねじ11から離れた位置である図中の10cにある。鋼板からなる板状の揺動イナーシャ移動部材10の重量は約12gである。
【0040】
常時は、ねじりコイルばね12の付勢力により、板状の揺動イナーシャ移動部材10はストッパ6bに当接し、円弧状の係合溝10aがボス状固定係合部材3の切り欠き部3aに係合する直前の位置に保持されている。
それ故、板状の揺動イナーシャ移動部材10に車室外(図3で上方向)に向かう加速度(G)が掛かった時に、板状の揺動イナーシャ移動部材10は図面右回転方向に回転し、円弧状の係合溝10aがボス状固定係合部材3の切り欠き部3aに係合するようになる。
【0041】
図4は、灰皿本体を車体のインナパネルのポケット部に装着した状態を示す縦断面図(車両の進行方向に沿った断面図)である。車両用灰皿1の一部をなす灰皿本体2の車室側の側壁表面には、前述した板ばね112と係合するための、窪み104が形成されている。灰皿本体2の上部には蓋101が装着されている。灰皿本体2と一体に樹脂成形されたボス状固定係合部材3が、インドアネル5のポケット部6の底壁の孔7から、下方に突出している。板状の揺動イナーシャ移動部材10は段付ねじ11に支承され水平方向に回転自在であり、図面上では前後方向に回転可能にされている。段付ねじ11により保持され、ばね係止突起6c、10bに、ねじりコイルばね端部の両端がそれぞれ係止されたねじりコイルばね12により、板状の揺動イナーシャ移動部材10は車室側に向かう方向に付勢されている。
【0042】
以上の構成に基づき、作動について説明する。衝突時ではない平常時は、板状の揺動イナーシャ移動部材10は、ねじりコイルばね12の付勢力によりストッパ6bに当接され、円弧状の係合溝10aがボス状固定係合部材3の切り欠き部3aに係合する直前の位置に保持されている。このため、車両用灰皿1をなす灰皿本体2をインドアパネル5のポケット部6に装着したときの、灰皿本体2とポケット部6との係合は、板ばね112と窪み104との軽い係合に限られる。それ故、灰皿本体2を手指で上下させて、インドアパネル5のポケット部6に装着したり離脱したりすることが従来の灰皿100と同様に可能であり、また、その脱着操作感も従来と同様に良好である。
【0043】
また、灰皿本体2をインドアパネル5のポケット部6に装着する際には、灰皿本体2と一体に樹脂成形されたボス状固定係合部材3を、ポケット部6の底壁の孔7に挿入しなければならないが、灰皿本体2の外壁部がポケット部6の内壁部に案内されて挿入されるため、灰皿本体2のポケット部6への装着の際にボス状固定係合部材3を孔7に挿入する位置に位置決めする面倒は無く、灰皿本体2のインドアパネル5のポケット部6への脱着操作に面倒はない。
【0044】
不幸にして事故に遭遇し、車両の側面衝突が発生すると、車両用灰皿1やインナパネルであるインドアパネル5に横方向(車室側から車外側に向かう方向)の大きな加速度(G)が生ずる。この加速度(G)により、板状の揺動イナーシャ移動部材10は、ねじりコイルばね12の付勢力に抗して直ちに車外側に向かう回転を開始し、円弧状の係合溝10aがボス状固定係合部材3の切り欠き部3aに係合する。このため、灰皿本体2とインドアパネル5のポケット部6とが強固に係合連結される。それ故、大きな加速度(G)が加わり、車両の変形等により灰皿本体2に上方向の加速度が加わったとしても灰皿本体2がインドアパネル5のポケット部6から上方に飛び出すことがない。
【0045】
側面衝突が終了し、車両用灰皿1やインドアパネル5に加わっていた加速度(G)が無くなると、板状の揺動イナーシャ移動部材10は、ねじりコイルばね12の付勢力により元の位置に戻され、ボス状固定係合部材3の切り欠き部3aと円弧状の係合溝10aとの係合が外れ、再び、灰皿本体2をインドアパネル5のポケット部6から脱着することが可能になる。
【0046】
以上説明した実施の形態では、イナーシャ移動部材として水平方向に回転する板状の揺動イナーシャ移動部材10を用いたが、イナーシャ移動部材として直線移動する部材を用いてもよい。以下説明する。
【0047】
図5は、第2の実施の形態を示し、車両用灰皿を一部分解して示す斜視図である。車両用灰皿本体22(以下灰皿本体22と称する)に蓋101が軸103を揺動中心として開閉可能に取り付けられている。灰皿本体22の底壁中央には下方に突出して、ボス状固定係合部材23が一体に形成されている。ボス状固定係合部材23には、その側周に切り欠き部23aが形成されている。また、灰皿本体22の外壁部である車室側側面には浅い弓状の窪み104が形成されている。灰皿本体22、蓋101、ボス状固定係合部材23はいずれもフェノール樹脂からなる合成樹脂で形成され、灰皿本体22とボス状固定係合部材23とは一体に樹脂成形されている。
【0048】
また、車室内のインドアパネル25には、その上面に、灰皿本体22を挿入するためのポケット部26が設けられている。ポケット部26の底壁には、前述したボス状固定係合部材23が挿通するための、孔27(図面では実線で示している)が明けられている。また、ポケット部26の車室側の内側面には、僅かに弓状に湾曲した板ばね112が取り付けられている。インドアパネル25およびポケット部26はいずれもPP(ポリプロピレン)樹脂からなる合成樹脂で形成されている。
【0049】
ポケット部26の底壁の裏面に、イナーシャ移動部材をなす板状の直線イナーシャ移動部材30が配設されている。鋼板からなる板状の直線イナーシャ移動部材30は、ポケット部26の底壁裏面に形成されたスライド状の案内部26aにより両側縁部を保持され、車室の横方向に(車室の内側から車外側に向けて)直線移動可能に摺動案内されている。そして、板状の直線イナーシャ移動部材30は、ねじりコイルばね32により車室側の方向に付勢されてスライド状の案内部26aに組付けられ、常時は、板状の直線イナーシャ移動部材30がストッパ26bに当接した位置に保持されている。すなわち、ねじりコイルばね32は、その巻回部を段付ねじ31により保持され、ねじりコイルばね端部の一端がポケット部26の下面のばね係止突起26cに当接され、他端が板状の直線イナーシャ移動部材30のばね係止突起30bに当接されている。段付ねじ31は、ポケット部26の底部に形成されたねじ孔26dに締め込まれてポケット部26の裏面に固定されている。
【0050】
また、板状の直線イナーシャ移動部材30には、その摺動案内方向と平行に、直線状で一端が閉じた略U字形状をした直線状の係合溝30aが形成されている。常時は、直線状の係合溝30aが ポケット部26の孔27を挿通したボス状固定係合部材23の切り欠き部23aと係合する直前の位置(板状の直線イナーシャ移動部材30がストッパ26bに当接した位置)に、板状の直線イナーシャ移動部材30が位置している
【0051】
上記の灰皿本体22、蓋101、ボス状固定係合部材23、ポケット部26、板ばね112、直線イナーシャ移動部材30、段付ねじ31、ねじりコイルばね32等により車両用灰皿21を構成している。
【0052】
以上の構成に基づき、作動について説明する。車両の側面衝突が発生すると、車両用灰皿21やインドアパネル25に車室内から車外側に向かう方向への大きな加速度(G)が生ずる。この加速度(G)により、板状の直線イナーシャ移動部材30は、ねじりコイルばね32の付勢力に抗して直ちに車外側に向かう直線移動を開始し、直線状の係合溝30aがボス状固定係合部材23の切り欠き部23aに係合する。このため、灰皿本体22とインドアパネル25のポケット部26とが強固に係合連結される。それ故、大きな加速度(G)が加わり、車両の変形等により灰皿本体22に上方向の加速度が加わったとしても灰皿本体22がインドアパネル25のポケット部26から上方に飛び出すことがない。
【0053】
側面衝突が終了し、車両用灰皿21やインドアパネル25に加わっていた加速度(G)が無くなると、板状の直線イナーシャ移動部材30は、ねじりコイルばね32の付勢力により車室側の端である元の位置に戻される。これにより、直線状の係合溝30aとボス状固定係合部材23の切り欠き部23aとの係合が外れ、再び、灰皿本体22をインドアパネル25のポケット部26から脱着することが可能になる。
【0054】
以上述べた2つの実施の形態では、いづれも、イナーシャ移動部材10、30をポケット部6、26の底壁裏面に配設したが、イナーシャ移動部材をポケット部の側壁部に配設することも可能である。以下説明する。
【0055】
図6は、第3の実施の形態を示し、車両用灰皿を一部分解して示す斜視図である。車両用灰皿本体42(以下灰皿本体42と称する)に蓋101が軸103を揺動中心として開閉可能に取り付けられている。灰皿本体42の車室前後方向(車両の進行方向の前後の意味)の一方の側壁(図面では車室後方向の側壁)には、水平方向に後方に突出して、ボス状固定係合部材43が灰皿本体42と一体に形成されている。今回は、ボス状固定係合部材43に切り欠き部(3a、23aに相当もの)は形成されていないが、切り欠き部を設けても差し支えない。また、灰皿本体42の外壁部である車室側側面には浅い弓状の窪み104が形成されている。灰皿本体42、蓋101、ボス状固定係合部材43はいずれもフェノール樹脂からなる合成樹脂で形成され、灰皿本体42とボス状固定係合部材43とは一体に樹脂成形されている。
【0056】
また、車室内のインドアパネル45には、その上面に、灰皿41を挿入するためのポケット部46が設けられている。ポケット部46の後方の側壁には、突出したボス状固定係合部材43を上から下に挿通案内するための、上方に開口した溝47が明けられている。また、ポケット部46の車室側の内側面には、僅かに弓状に湾曲した板ばね112が取り付けられている。インドアパネル45およびポケット部46はいずれもPP(ポリプロピレン)樹脂からなる合成樹脂で形成されている。
【0057】
ポケット部46の後方側壁(図面で右側壁)の裏面に、イナーシャ移動部材である板状の揺動イナーシャ移動部材50が配設されている。鋼板からなる板状の揺動イナーシャ移動部材50は、段付ねじ51を回転中心として、段付ねじ51によりポケット部46の後方側壁の裏面に垂直方向に回転自在に支承されている。板状の揺動イナーシャ移動部材50は、ねじりコイルばね52により図面右回転方向(車室側に向かう方向)に付勢されている。
図6では、揺動イナーシャ移動部材50、段付ねじ51、ねじりコイルばね52等の関係が見づらいため、これらを分解して重複して図中に示し、分解斜視図としても示している。さらに図中には、灰皿本体42をポケット部46に装着した際のボス状固定係合部材43のみを想像線で示している。
【0058】
すなわち、板状の揺動イナーシャ移動部材50にはばね係止突起50bが形成され、ポケット部46の図面右側壁の裏面には、ストッパ46bと、ばね係止突起46cとがポケット部46と一体に樹脂成形されている。ねじりコイルばね52は、その巻回部を段付ねじ51により保持され、ねじりコイルばね端部の一端がポケット部46の側壁のばね係止突起46cに当接され、他端が板状の揺動イナーシャ移動部材50のばね係止突起50bに当接されている。段付ねじ51は、ポケット部46の側壁に形成されたねじ孔46dに締め込まれてポケット部46の裏面に固定されている。
【0059】
そして、板状の揺動イナーシャ移動部材50は、ねじりコイルばね52により右回転方向(車室内に向かう方向)に付勢されて、常時は、板状の揺動イナーシャ移動部材50がストッパ46bに当接した位置に保持されている。
【0060】
上記の灰皿本体42、蓋101、ボス状固定係合部材43、ポケット部46、板ばね112、揺動イナーシャ移動部材50、段付ねじ51、ねじりコイルばね52等により車両用灰皿41を構成している。
【0061】
作動について説明する。車両の側面衝突が発生すると、車両用灰皿41やインドアパネル45に車外側に向かう大きな加速度(G)が生ずる。この加速度(G)により、板状の揺動イナーシャ移動部材50は、ねじりコイルばね52の付勢力に抗して直ちに左回転(車外側への回転)を開始し、円弧状の係合溝50aがボス状固定係合部材43に係合する。このため、灰皿本体42とインドアパネル45のポケット部46とが強固に係合連結される。それ故、大きな加速度(G)が加わっているにもかかわらず、灰皿本体42がインドアパネル45のポケット部6から上方に飛び出すことがない。今回、ボス状固定係合部材43に切り欠き部が不要なのは、灰皿本体42の上方に飛び出しが、円弧状の係合溝50aの上端縁とボス状固定係合部材43の側面との当接により防がれ、横方向への移動はポケット部46の側壁自体により防がれるからである。
【0062】
側面衝突が終了し、車両用灰皿41やインドアパネル45に加わっていた加速度(G)が無くなると、板状の揺動イナーシャ移動部材50は、ねじりコイルばね52の付勢力により元の位置に戻され、円弧状の係合溝50aとボス状固定係合部材43との係合が外れて、再び、灰皿本体42をインドアパネル45のポケット部46から脱着することが可能になる。
【0063】
上記の実施の形態では、ボス状固定係合部材43が灰皿本体42の側方に突出し、灰皿本体の底壁からボス状固定係合部材が下方に突出していないから、インドアパネル45のポケット部46から取り出した灰皿本体42を、平板の上に直立して立てておくことができるという利点がある。
【0064】
また、上記の実施の形態では、ボス状固定係合部材43を灰皿本体42の側方の片側のみに突出して設けたが、灰皿本体42の側方の両側にボス状固定係合部材を突出させ、灰皿本体42の両側でポケット部46に係合するようにしてもよい。このようにすると、車両の側面衝突時に灰皿本体をその両側で支えることになり、係合点が片持ちでは無く、平衡した両側面支持になり、側面衝突時の係合力が向上して、より安全になるという利点が生ずる。
【0065】
さらに、上記の実施の形態では、ねじりコイルばね52により板状の揺動イナーシャ移動部材50を車室側方向に付勢するようにしたが、ねじりコイルばね52を省略し、板状の揺動イナーシャ移動部材50を少し車室側に傾斜した状態で重力によりストッパ46bに当接させておき、側面衝突後の復帰には板状の揺動イナーシャ移動部材50を手動で逆回転させる、何らかの機構を追加してもよい。ねじりコイルばねは本発明の必須的要件ではない。
上記の種々の実施の形態は、いずれも本発明の技術的事項の範囲内である。
【0066】
以上説明した実施の形態では、いずれも、イナーシャ移動部材をインドアパネルのポケット部に配設し固定係合部材を灰皿本体に配設したが、逆に、イナーシャ移動部材を灰皿本体に配設し固定係合部材をインドアパネルのポケット部に配設してもよい。以下説明する。
【0067】
図7は、第4の実施の形態を示し、車両用灰皿を一部分解して示す斜視図である。車両用灰皿本体62(以下灰皿本体62と称する)に蓋101が軸103を揺動中心として開閉可能に取り付けられている。
灰皿本体62の底壁の裏面には、鋼板からなる板状の揺動イナーシャ移動部材70が配設されている。板状の揺動イナーシャ移動部材70は、段付ねじ71により、段付ねじ71を回転中心として水平方向に回転自在に支承され、ねじりコイルばね72により車室側方向に付勢されて灰皿本体62の底壁の裏面に組付けられている。図中では、板状の揺動イナーシャ移動部材70、段付ねじ71およびねじりコイルばね72は灰皿本体62の底壁の裏面に組み込まれ破線で表示されて、見づらいので、分解斜視図として重複して実線で示している。
【0068】
鋼板からなる板状の揺動イナーシャ移動部材70には、段付ねじ71を回転中心とした円弧状の係合溝70aが形成されている。さらに、板状の揺動イナーシャ移動部材70にはばね係止突起70bが形成されている。
一方、灰皿本体62の底壁の裏面には、板状の揺動イナーシャ移動部材70の揺動を案内する案内部62aと、板状の揺動イナーシャ移動部材70の揺動範囲を規制するストッパ62bと、ばね係止突起62cと、段付ねじ71が締め込まれるねじ孔62dとが灰皿本体62と一体に樹脂成形されている。
【0069】
段付ねじ71は、灰皿本体62の底壁の裏面に形成されたねじ孔62dに締め込まれて灰皿本体62に固定される。そして、ねじりコイルばね72は、その巻回部を段付ねじ71により保持され、ねじりコイルばね端部の一端が灰皿本体62の底壁の裏面のばね係止突起62cに当接され、他端が板状の揺動イナーシャ移動部材70のばね係止突起70bに当接されている。これにより、板状の揺動イナーシャ移動部材70は、ねじりコイルばね72により車室側方向に付勢されて灰皿本体62の底壁の裏面に組付けられている。
常時は、ねじりコイルばね72の付勢力により、板状の揺動イナーシャ移動部材70がストッパ62bに当接した位置に保持されている。この位置は、円弧状の係合溝70aがボス状固定係合部材63の切り欠き部63aに係合する直前の位置である。
【0070】
車室内のインドアパネル65には、その上面に、灰皿61を挿入するためのポケット部66が設けられている。ポケット部66の車室側の内側面には、僅かに弓状に湾曲した板ばね112が取り付けられている。また、灰皿本体42の外壁部である車室側側面には浅い弓状の窪み104が形成されている。
さらに、ポケット部66の底壁の中央部の表面には、上方に突出して、ボス状固定係合部材63が、ポケット部66と一体に樹脂成形されて構成されている。図面では破線で示すべきであるが、見づらいため、ボス状固定係合部材63を実線で示している。ボス状固定係合部材63には水平方向の切り欠き部63aが形成されている。
【0071】
上記の灰皿本体62、蓋101、ボス状固定係合部材63、ポケット部66、板ばね112、揺動イナーシャ移動部材70、段付ねじ71、ねじりコイルばね72等により車両用灰皿61を構成している。
【0072】
作動について説明する。弓状に湾曲した板ばね112と浅い弓状の窪み104との係合による、灰皿本体62のインドアパネル65のポケット部66への脱着操作は前述の実施の形態と同じである。
不幸にして事故に遭遇し、車両の側面衝突が発生すると、車両用灰皿61やインドアパネル65に横方向(車室内から車外に向かう方向)の大きな加速度(G)が生ずる。この加速度(G)により、板状の揺動イナーシャ移動部材70は、ねじりコイルばね72の付勢力に抗して直ちに車外側方向への回転を開始し、円弧状の係合溝70aがボス状固定係合部材63の切り欠き部63aに係合する。このため、灰皿本体62とインドアパネル65のポケット部66とが強固に係合連結される。それ故、大きな加速度(G)が加わって車両用灰皿61に上方への加速度が掛かったとしても、灰皿本体62がインドアパネル65のポケット部66から飛び出すことがない。
【0073】
側面衝突が終了し、車両用灰皿61やインドアパネル65に加わっていた加速度(G)が無くなると、板状の揺動イナーシャ移動部材70は、ねじりコイルばね72の付勢力により元の位置に戻される。この結果、ボス状固定係合部材63の切り欠き部63aと揺動イナーシャ移動部材70の円弧状の係合溝70aとの係合が外れ、再び、灰皿本体62をインドアパネル65のポケット部66から脱着することが可能になる。
【0074】
上記の実施の形態では、灰皿本体62の底壁の裏面に、板状の揺動イナーシャ移動部材70を回転自在に組付けたが、灰皿本体の前後の(車両の進行方向に対して前後の)側壁の裏面に板状の揺動イナーシャ移動部材を組付けても良い。また、イナーシャ移動部材として揺動イナーシャ移動部材を用いず、案内により直線移動する直線イナーシャ移動部材を用いても良い。いずれも、本発明の技術的事項の範囲内である。
【0075】
以上述べた実施の形態では、いずれも車両の側面衝突を想定し、車室側から車外側への加速度を検出してイナーシャ移動部材10、30、50、70を車外側へ移動させるようにしたが、側面衝突時にインナパネル等に加わる加速度には複雑なものが有るため、その他の方向への加速度を検出してその加速度の方向へイナーシャ移動部材を移動させて、固定係合部材と係合するようにしてもよい。たとえば、イナーシャ移動部材により灰皿本体やインドアパネルに掛かる上方向の加速度を検出するようにしてもよい。
また、車両の側面衝突ではなく、正面衝突、後面衝突等を想定したものとし、車両の進行方向に対して前後の方向の加速度を検出するイナーシャ移動部材をインナパネル若しくは車両用灰皿本体に設けて、これに対向して車両用灰皿本体若しくはインナパネルに固着された固定係合部材と係合するようにしてもよい。本発明はこれらの実施の形態を排除するものではない。
【0076】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したような形態で実施され、以下に記載されるような効果を奏する。
【0077】
請求項1に記載の発明のように、車両のインナパネル若しくは灰皿本体に、イナーシャ移動部材とこれに係合可能な固定係合部材とを互いに設けることにより、過酷な車両の側面衝突等の衝突時に、灰皿本体がインナパネルから飛び出すことを防止でき、より安全な車両を提供できる。
【0078】
請求項2に記載の発明のように、イナーシャ移動部材を付勢する付勢部材を備えたものは、その付勢力に抗するだけの加速度がイナーシャ移動部材に加わらなければイナーシャ移動部材が移動しないので、車両の衝突等の過酷な加速度が掛かった場合のみイナーシャ移動部材と固定係合部材を係合させることができるので、通常運転時の誤動作を防止でき、作動の信頼性が高くなる。
また、過酷な加速度が消失したときに、付勢部材の付勢力により元の状態に自動復帰することができる。
【0079】
また、請求項3に記載の発明のように、揺動イナーシャ移動部材をインナパネル若しくは車両用灰皿本体に組付け、ボス状固定係合部材を灰皿本体外壁若しくはインナパネルのいずれか一方に固着して設け、揺動イナーシャ移動部材の円弧状の係合溝とボス状固定係合部材の切り欠き部とを係合させるようにしたものは、ボス状固定係合部材のラジアル方向だけでなくスラスト方向にも係合が生じるので、衝突時の灰皿本体とインナパネルとの係合連結をより確実にすることができる。
【0080】
さらに、請求項4に記載の発明のように、板状の揺動イナーシャ移動部材をインナパネルのポケット部の底壁部の裏面に組付け、ボス状固定係合部材を灰皿本体と一体に形成したものは、揺動イナーシャ移動部材等の可動部がインナパネルの裏面に組付けられているため該可動部が表面から見えず、可動部に手指が触れることが無いので安全である。また、インナパネルのポケット部の表面には、ボス状固定係合部材を挿通させるための孔のみを明ければ良いのだから、インナパネルのポケット部や灰皿本体を美観上優れたものにできる。
さらに、ボス状固定係合部材と灰皿本体とが一体に樹脂成形されているから、灰皿本体の製造が容易になり安価にできる。加えて、灰皿本体をポケット部の側壁に案内させて挿入したり引き出したりするのみで灰皿本体を車両のインナパネルから脱着することができるから、灰皿の脱着操作性を優れたものにすることができる。
【0081】
また、請求項5に記載の発明のように、直線イナーシャ移動部材を用いたものは、加速度の加わる方向と板状の直線イナーシャ移動部材の移動方向を一致させることができるので、加速度が加わってから直線状の係合溝とボス状固定係合部材とが係合するまでの時間をより短くできる。また、ボス状固定係合部材のラジアル方向だけでなくスラスト方向にも係合が生じるので、衝突時の灰皿本体とインナパネルとの係合連結をより確実にすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態を示し、車両用灰皿を一部分解して示す斜視図である。
【図2】第1の実施の形態を示し、灰皿本体を車体のインナパネルのポケット部に装着した状態を示す横断面図である。
【図3】第1の実施の形態を示し、車両用灰皿をインナパネルの下面から見た車両用灰皿の底面図である。
【図4】第1の実施の形態を示し、灰皿本体を車体のインナパネルのポケット部に装着した状態を示す縦断面図である。
【図5】第2の実施の形態を示し、車両用灰皿を一部分解して示す斜視図である。
【図6】第3の実施の形態を示し、車両用灰皿を一部分解して示す斜視図である。
【図7】第4の実施の形態を示し、車両用灰皿を一部分解して示す斜視図である。
【図8】従来の車両用灰皿を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 車両用灰皿
2 灰皿本体
3 ボス状固定係合部材(固定係合部材)
3a 切り欠き部
5 インドアパネル(インナパネル)
6 ポケット部
7 孔
10 揺動イナーシャ移動部材(イナーシャ移動部材)
10a 円弧状の係合溝
11 段付ねじ
12 ねじりコイルばね(付勢部材)
16 ウィンドガラス
101 蓋
Claims (5)
- 車両のインナパネルに取り付ける車両用灰皿において、
前記インナパネル若しくは車両用灰皿本体に移動可能に組付けられ、加速度を検出して該加速度により移動するイナーシャ移動部材と、
前記イナーシャ移動部材が前記加速度を検出して移動した際に該イナーシャ移動部材と係合し、前記車両用灰皿本体と前記インナパネルとを係合せしめるべく前記車両用灰皿本体若しくはインナパネルに固定された固定係合部材と、
を備えることを特徴とする車両用灰皿。 - 前記加速度により前記イナーシャ移動部材が移動される方向とは逆の所定の方向にイナーシャ移動部材を付勢する付勢部材を備えることを特徴とする請求項1に記載の車両用灰皿。
- 前記イナーシャ移動部材が、前記インナパネル若しくは車両用灰皿本体に揺動自在に組付けられた揺動イナーシャ移動部材であり、前記揺動イナーシャ移動部材は、前記付勢部材により前記所定の方向に付勢されて揺動可能であり、さらに、前記揺動イナーシャ移動部材には、揺動イナーシャ移動部材の回転中心を略中心点とする円弧状の係合溝が形成されており、
また、前記固定係合部材が、前記車両用灰皿本体の外壁若しくはインナパネルに突出して設けられたボス状固定係合部材であり、前記ボス状固定係合部材には前記揺動イナーシャ移動部材の円弧状の係合溝に挿通可能なように切り欠き部が形成されていること、を特徴とする請求項2に記載の車両用灰皿。 - 前記揺動イナーシャ移動部材が、前記インナパネルのポケット部の底壁部の裏面に水平方向に揺動自在に組付けられており、
前記ボス状固定係合部材が、前記車両用灰皿本体の底部から下方に突出して車両用灰皿本体と一体に形成されていること、
を特徴とする請求項3に記載の車両用灰皿。 - 前記イナーシャ移動部材が、前記インナパネル若しくは車両用灰皿本体に直線移動自在に組付けられた直線イナーシャ移動部材であり、前記直線イナーシャ移動部材は、前記付勢部材により前記所定の方向に付勢されて直線移動可能であり、さらに、前記直線イナーシャ移動部材には、直線イナーシャ移動部材の移動方向と平行な直線状の係合溝が形成されており、
また、前記固定係合部材が、前記車両用灰皿本体の外壁若しくはインナパネルに突出して設けられたボス状固定係合部材であり、前記ボス状固定係合部材には前記直線イナーシャ移動部材の直線状の係合溝に挿通可能なように切り欠き部が形成されていること、を特徴とする請求項2に記載の車両用灰皿。
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